JP4281538B2 - インクジェットヘッドおよびインクジェット記録装置 - Google Patents
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Description
このようなインクジェットヘッドのインク供給口部において、複数の柱状突起を設けることにより、単一の流路部分と複数の分流路部分を備える構成とされたものが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
一方、近年においてはインクジェットヘッドの微小液滴化や高密度化の要求が一段と強くなっており、それに伴いノズル径や流路幅がますます小さくなる傾向にある。しかし、従来のインク供給口部の構造は、複数の柱状突起をインクの流れ方向に対して直交する方向に一列に配置したものであるため、インク供給口部の流路抵抗が上昇し、または異物による閉塞が起きやすくなり、インク吐出不良やインクノズルの目詰まりなどを生じることが問題となっていた。
前記インク供給路は、単一流路部分と、この単一流路部分の途中位置に形成され、複数の略円柱状の突起をインクの流れ方向に対し直交する方向に沿って等間隔でV字型に配置することにより構成される分流路からなる分流路部分とを備え、
前記分流路部分の各分流路は矩形断面となっており、その矩形断面の対角線の長さをノズル口径より小さい寸法とすることを特徴とする。
したがって、インクジェットヘッドの微小液滴化や高密度化の要求に十分に対応することが可能である。
また、本発明において、ノズルの穴形状は円形、三角形、四角形など適宜の形状とすることができ、したがって、本発明において、ノズル口径とは、ノズルが円形の場合はノズル穴の内径、三角形や四角形などの場合はそれらの内接円の内径をいう。
分流路部分において、インクの流れの淀みがなくなり、気泡滞留を防止することができる。
静電アクチュエータ方式のインクジェットヘッドとすることにより、微小液滴化や高密度化の要求に十分に対応することが可能である。また、吐出される液体の構成、性質等に左右されないので、あらゆる液体吐出ヘッドとして利用することが可能である。
このインクジェットヘッド10は、3枚の基板12、14、16を接合した積層構造となっている。
さらに詳しく説明すると、シリコン基板からなる中間のキャビティ基板14には、底壁を振動板141とする独立した複数の個別インク室142と、この個別インク室142のそれぞれにインク供給路20を介して連通する1つの共通インク室(リザーバ)143が形成されている。共通インク室143には下側のアクチュエータ基板12に設けられたインク供給穴124を通じて外部のインクタンク(図示せず)よりインクが供給されるようになっている。
また、キャビティ基板14の端部は、コ字状の開口部144として形成されており、この開口部144の両側の外端部にそれぞれ共通電極部145が形成されている。
ここで、このインク供給路20について、さらに図2乃至図4を参照しながら詳しく説明する。図2は図1のA−A矢視の拡大上面図、図3は図2のB−B断面図、図4は図3のC−C矢視の拡大断面図である。
また、溝部162は上記ダイヤフラム部163を形成する広い凹部より櫛歯状に延びており、これらの溝部162の根元部165は仕切り壁部分146の上面147の側辺149より共通インク室143側に入り込んでいる。これによって、共通インク室143側にインク供給路20の第2の開口部22が形成される。
柱状突起23は、その形状が特に限定されるものではないが、略円形断面に形成することが好ましい。これらの柱状突起23は溝部162をエッチングする際に島状に残すことによって形成される。
また、複数の分流路部分25を構成する分流路は、深さが単一流路部分24と同一であり、各分流路の断面は、図4に示すように、ほぼ同じ幅を有する矩形となっており、さらにその矩形断面の対角線26の長さはノズル161のノズル口径よりも小さい寸法に形成されている。
ここで、各分流路の矩形断面の幅が同じであるというのは、図2において、柱状突起23の中心からインク供給路20の側壁面(すなわち、溝部162の側壁面)に下した垂線上の流路幅、ならびに、隣接する2つの柱状突起23の中心間を結ぶ線上の流路幅がそれぞれ等しいことを意味している。したがって、柱状突起23はこのような分流路の流路幅がほぼ等しくなるような位置に、かつ、インク流れ方向に対し直交する方向に、少なくとも2列、あるいはそれ以上の複数列で配置される。
また、ノズル口径とは、ノズル161の穴形状が円形の場合はノズル穴の内径をいい、三角形や四角形などの場合はそれらの内接円の内径をいうものとする。
このとき、インク供給路20において、分流路部分25では複数の柱状突起23により各分流路の断面積が小さくなっているため音響抵抗が増加し、その他の単一流路部分24では流路断面積が大きいためイナータンスが増加する。このため、インクジェットヘッドの応答性および印字品質を向上させることができる。
したがって、インクジェットヘッドの微小液滴化や高密度化の要求に十分に対応することが可能である。
さらにまた、このインクジェットヘッドを利用する液体吐出ヘッドの微小液滴化や高密度化が可能となり、本発明はこれらの液体吐出ヘッドを含むものである。
この実施形態におけるインク供給路20は、単一流路部分24の途中位置において、複数の柱状突起23をインクの流れ方向に対して斜めに、しかもそれぞれの分流路の流路幅が同じになるように配置することにより、複数の分流路部分25を構成したものである。その他の構成は、前述した実施形態と同じである。
このように、複数の柱状突起23をインクの流れ方向に対して斜めに配列することにより、より多くの分流路を形成することができるので、インクジェットヘッドの応答性および印字品質の更なる向上効果の達成が可能となる。また、異物混入によるノズルの目詰まり防止、ならびに気泡滞留によるインク吐出不良・吐出不能防止の効果は前記実施形態と同様である。
なお、図示は省略するが、柱状突起23をV字型、逆V字型あるいは千鳥型に配列しても同様の効果が得られる。
Claims (3)
- 共通インク室と、個別インク室と、この個別インク室に連通するノズルと、前記共通インク室から前記個別インク室にインクを供給するためのインク供給路とを有し、前記個別インク室の容積変動により前記ノズルからインク液滴を吐出するインクジェットヘッドにおいて、
前記インク供給路は、単一流路部分と、この単一流路部分の途中位置に形成され、複数の略円柱状の突起をインクの流れ方向に対し直交する方向に沿って等間隔でV字型に配置することにより構成される分流路からなる分流路部分とを備え、
前記分流路部分の各分流路は矩形断面となっており、その矩形断面の対角線の長さをノズル口径より小さい寸法とすることを特徴とするインクジェットヘッド。 - 前記個別インク室の底壁からなる振動板と、この振動板に対向して配置される対向電極とを備え、前記振動板と対向電極の間に電圧を印加することにより発生する静電気力によって、前記個別インク室に容積変動を発生させる静電アクチュエータを備えていることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットヘッド。
- 請求項1または2に記載のインクジェットヘッドを備えたことを特徴とするインクジェット記録装置。
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