JP4682273B2 - 循環式冷却水系の水処理方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術の分野】
この発明は、循環式冷却水系の水処理方法に関する。さらに詳しくは、この発明は、循環式冷却水系の配管などにおける腐食やスケール付着による障害を防止する水処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
製鉄、化学、石油化学などの各種工場ではプロセス冷却用に、また学校、病院、ホテルなどのビルでは空調用に大量の冷却水が使用されている。冷却水の使用量の増大に伴い、冷却塔を設けて水を循環再利用し、さらに節水のために、可能な範囲で高濃縮運転を行い、冷却水の有効利用が図られている。
【0003】
これらの冷却水系では、水に起因する腐食やスケール付着などの障害が常に発生し、ことに循環再利用によって濃縮され、水質が悪化した冷却水系では、上記障害がますます発生しやすい状況となる。具体的には、機器・配管の閉塞や破損、機器耐用年数の低減、熱効率の低下などの資源やエネルギーの損失、メンテナンス費の増大、工場での生産停止など種々の問題が引き起こされる。
【0004】
従来、これらの障害を防止するために各種の水処理薬剤の添加が行われてきた。例えば、腐食を防止するためには、リン酸塩、ホスホン酸塩、ポリリン酸塩、亜鉛塩、モリブデン酸塩、タングステン酸塩などの防食剤が使用されている。しかしながら、これらの防食剤は、リンや重金属などの排水規制の面からその使用量が制限される傾向にある。
また、スケール付着を防止するためには、ホスホン酸塩、ポリリン酸塩、アクリル酸系共重合体などのスケール防止剤が使用されている。しかしながら、これらスケール防止剤も、リンや窒素、CODなどの排水規制の面からその使用量の低減が望まれている。
【0005】
そこで、上記のような各種の水処理薬剤を添加せずに、イオン交換樹脂などを使用して水中の硬度成分を除去した軟水を循環水および補給水に用い、かつ軟水のpHを9〜11に調節維持しながら循環水の一部をろ過しつつ循環させて、腐食とスケール付着による障害を防止する冷却水の処理方法が提案された(特公昭50−39934号公報参照)。
【0006】
さらに、開放循環冷却水系に供給する補給水の硬度成分を除去すると共に、冷却水から排出するブロー水量を低減させて、冷却水の総アルカリ度(Mアルカリ度)が500CaCO3mg/l以上、pHが9.0以上となるように冷却水の濃縮倍数を調整して、腐食とスケール付着による障害を防止する開放循環冷却水系の防食・防スケール方法が提案された(特開平9−94598号公報参照)。
【0007】
しかしながら、開放循環冷却水系ではカルシウムを含有する粉塵が入り込むため、総アルカリ度が500CaCO3mg/l以上で、かつpHが9以上もあると、炭酸カルシウムなどのスケール付着の障害が頻発する。また、pHを9.0以上に調整するだけではシリカスケールの付着による障害を防止できなくなるため、スケール防止剤の添加が必須になってしまう。
【0008】
他方、モリブデン成分を含有する冷却水の最終処理方法として、モリブデンを分離回収して防食剤として再利用でき、併せて排水が環境基準にも適合する確実かつ効率的なモリブデン酸塩水溶液の処理方法が提案されている(特開平10−118649号公報参照)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、循環式冷却水系の高濃縮運転を実施して、ブロー水量を低減することにより節水を図ると共に、腐食およびスケール付着による障害を防止しつつ、薬剤の排出量をできるだけ低減して、環境への悪影響を抑制した循環式冷却水系の水処理方法を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明の発明者らは、まず、循環冷却水の硬度成分を除去することにより、循環冷却水中に含まれる塩類が濃縮されて生成する炭酸カルシウムやケイ酸マグネシウムを主体とするスケールの伝熱面への付着が防止できることに着目した。そして、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、循環冷却水のMアルカリ度が500CaCO3mg/l未満、イオン状シリカ濃度が150SiO2mg/l未満で、かつpHが8.2〜9になるように調整することで、スケール防止剤の添加が不要となり、排水(ブロー水)中のリン、窒素およびCODなどの排水規制に適合でき、さらに冷却水の高濃縮運転が可能になることを見出した。
【0011】
さらに、この発明の発明者らは、酸化不働態型防食剤を循環冷却水に添加することにより、運転休止期間のある循環式冷却水系において、休止前に通常の添加量の2〜3倍の腐食防止剤を添加したり、あるいは腐食防止剤の効果を得るためだけに運転を継続しなくても優れた腐食防止効果が得られる事実を見出した。このような事実は、酸化不働態型防食剤の効果がアニオンにより妨害されると考えられていたことからすれば、意外な事実と言える。
【0012】
従来、酸化不働態型防食剤は、高アルカリ性域になるほど強固な防食被膜を形成するため、低アルカリ性域で同等の防食効果を得るためには、添加量を増加するか、あるいは他の防食剤と併用する必要があった。しかしながら、この発明の方法では、スケール防止剤の添加が不要となるpH領域で良好な腐食による障害の防止効果が得られる。また、冷却水系から排出するブロー水に含まれる酸化不働態型防食剤を回収し、循環冷却水に添加するので、環境への影響が少なく、かつ薬剤のコストが大幅に削減できる。
【0013】
かくしてこの発明によれば、循環式冷却水系において、循環冷却水の全硬度が100CaCO3mg/l未満で、かつカルシウム硬度が80CaCO3mg/l未満になるように硬度成分を除去し、モリブデン酸、タングステン酸、亜硝酸およびそれらのアルカリ性塩から選ばれた少なくとも1種である酸化不働態型防食剤を有効成分濃度として5〜500mg/lとなるように循環冷却水に添加しながら、循環冷却水のMアルカリ度が500CaCO3mg/l未満、イオン状シリカ濃度が150SiO2mg/l未満で、かつpHが8.2〜9になるように循環冷却水の濃縮倍率を調整つつ、循環冷却水を循環させて、冷却水系における腐食およびスケール付着による障害を防止することを特徴とする循環式冷却水系の水処理方法が提供される。
【0014】
【発明の実施の形態】
この発明の方法の対象となる循環式冷却水系としては、
1)冷却塔で循環冷却水の一部を蒸発させて冷却する開放循環式冷却水系、
2)冷媒などで間接的に循環冷却水の熱を吸収し、原則的には大気と接触する必要のない密閉循環式冷却水系、および
3)一過式冷却水系
が挙げられる。中でも石油精製工場、石油化学工場、化学工場などにおける製品の冷却や冷凍機冷媒の冷却などに広く利用される開放循環式冷却水系が特に好ましい。
【0015】
次に、本発明の循環式冷却水系の水処理方法を適用し得る循環式冷却水系の例を図1に示すが、本発明はこの例により限定されるものではない。
図1は開放循環式冷却水系の系統図である。原水1は軟化装置または脱塩装置2において原水に含まれる硬度成分が除去されて、補給水タンク3に送水され、補給水ポンプ4を用いて補給水として冷却水槽6に給水される。防食剤10は冷却水槽6に適宜添加される。循環冷却水9は、冷却水槽6から冷却水ポンプ7、熱交換装置8、冷却塔5を経て、冷却水槽6に戻るように循環される。
【0016】
冷却水系から排出されるブロー水11は、脱着液14が適宜供給される回収装置12においてブロー水に含まれる防食剤10が回収され、処理した水は排水13として排出される。回収した防食剤10は回収液タンク15に送液され、再利用の防食剤として、回収液ポンプ16を用いて冷却水系に適宜添加される。
【0017】
この発明の水処理方法においては、循環冷却水の全硬度が100CaCO3mg/l未満で、かつカルシウム硬度が80CaCO3mg/l未満となるように、循環式冷却水系に供給する補給水および/または循環冷却水の全部もしくは一部の硬度成分を除去する。除去方法としては、公知の方法が用いられ、例えば、軟化装置または脱塩装置に、補給水および/または循環冷却水の全部もしくは一部を通過させる方法が挙げられる。用いられる好適な装置としては、ナトリウム型の陽イオン交換樹脂、ゼオライトなどの陽イオン交換樹脂を使用する軟化装置、陽イオン交換樹脂と陰イオン交換樹脂を使用する脱塩(純水)装置、逆浸透膜を使用する脱塩装置などが挙げられる。なお、除去する必須の硬度成分は、カルシウムイオンおよびマグネシウムイオンである。
【0018】
この発明の水処理方法においては、酸化不働態型防食剤を有効成分濃度として5〜500mg/l、好ましくは10〜100mg/lとなるように循環冷却水に添加する。酸化不働態型防食剤としては、モリブデン酸、タングステン酸、亜硝酸およびそれらのアルカリ塩から選ばれた少なくとも1種を好適に使用することができる。アルカリ性塩としては、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩のようなアルカリ金属塩、アンモニウム塩が挙げられる。これらの中でも、経済性の点からモリブデン酸ナトリウム、モリブデン酸アンモニウムおよびタングステン酸ナトリウムを用いるのが好ましい。
【0019】
この発明の水処理方法においては、酸化不働態型防食剤を添加しながら、循環冷却水のMアルカリ度が500CaCO3mg/l未満、イオン状シリカ濃度が150SiO2mg/l未満で、かつpHが8.2〜9になるように循環冷却水の濃縮倍率を調整する。濃縮倍率の調整は、冷却水系から排出するブロー水量の調整により行うことができる。
【0020】
Mアルカリ度が500CaCO3mg/lを超える場合には、スケール障害が生じ易くなるので好ましくない。一方、イオン状シリカ濃度が150SiO2mg/lを超える場合には、シリカスケールの障害が生じ易くなるので好ましくない。
【0021】
また、pHが8.2未満の場合には、酸化不働態型防食剤の腐食による障害の防止効果が低下するので好ましくない。また、pHが9を超える場合には、スケール付着による障害が生じ易くなるので好ましくない。スケール付着による障害は、冷却水系の機器・配管などを構成する金属材料の表面の孔食を誘発するので好ましくない。
【0022】
循環冷却水の濃縮倍率は、冷却水系の規模や運転条件に応じて異なるため、一概に限定することはできないが、一般的に2〜50倍程度、好ましくは5〜20倍程度である。従来の冷却水系における循環冷却水の濃縮倍率が2〜3倍程度であることから、この発明の方法により、循環冷却水の濃縮倍率を高くする程、原水の節水効果が得られることになる。
【0023】
さらにこの発明の水処理方法においては、循環式冷却水系のブロー水に含まれる酸化不働態型防食剤を回収して、回収した酸化不働態型防食剤を循環冷却水に添加するのが好ましい。このような回収には、陰イオン交換樹脂やキレート吸着型樹脂を用いる公知の方法が適用できる。
酸化不働態型防食剤は冷却水系の運転中にある程度消失するので、回収した酸化不働態型防食剤を循環冷却水に添加しても、有効成分濃度を一定に保持することができない。この消失分に相当する量の酸化不働態型防食剤は、適宜補充すればよい。
【0024】
この発明の水処理方法では、基本的にスケール防止剤の添加は不要である。しかしながら、高硬度・高アルカリ度の原水を軟化装置または脱塩装置で処理して補給水として供給する場合、軟化装置または脱塩装置における再生処理の遅れなど、装置上の問題が生じた場合には、軟化装置または脱塩装置から硬度成分がリークすることがあり、これによりスケール付着が誘発されることがある。このような場合には、適宜スケール防止剤を添加して対処するのが好ましい。
【0025】
この発明の水処理方法において、この発明の効果が阻害されない範囲で、公知の金属防食剤を併用してもよい。
公知の金属防食剤としては、例えば、コハク酸ナトリウム、グルコン酸ナトリウム、リンゴ酸ナトリウムなどのオキシカルボン酸塩、グルコースのような糖類などの有機系金属防食剤が挙げられる。また、リン酸塩、ホスホン酸塩、ポリリン酸塩などのリン化合物、亜鉛塩などの重金属化合物のような金属防食剤も環境に負荷を与えない範囲で併用することができる。
【0026】
また、この発明の水処理方法においては、この発明の効果が阻害されない範囲で、公知の殺菌・静菌剤などを併用してもよい。
公知の殺菌・静菌剤としては、例えば、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール、2,2−ジブロモ−2−ニトロ−1−エタノール、5―クロロ―2―メチル―4―イソチアゾリン―3−オン、2−ピリジルチオ−1−オキシドナトリウムなどが挙げられる。
【0027】
【実施例】
この発明を以下の試験例により具体的に説明するが、これらの試験例により本発明が限定されるものではない。
【0028】
試験例1〔開放循環式冷却水系モデルプラントでの効果確認試験〕
図1の開放循環式冷却水系の系統図における熱交換装置8を、モデル熱交換器チューブ(材質:STB−340、内径:19mm、厚さ:2mm、長さ1000mm)を備えたモデル熱交換器に代えた某化学工場の開放循環式冷却水系モデルプラントで、この発明の方法を適用し、冷却水系を1ヶ月間運転した。
【0029】
すなわち、軟化装置2としてナトリウム型の陽イオン交換樹脂を用いて、表1に示す水質の原水(水道水)1の硬度成分を除去し、得られた軟水に重炭酸ナトリウム溶液を添加して、表1に示す所定のMアルカリ度およびpHになるように調整した。この調整水を補給水タンク3に送水し、補給水ポンプ4を用いて補給水として冷却水槽6に給水した。
【0030】
【表1】
Figure 0004682273
【0031】
次いで、表1に示す水質の冷却水に、防食剤10としてモリブデン酸ナトリウムを有効成分濃度が15mg/lとなるように添加し、表2に示すような条件で冷却水系を運転した。循環冷却水9は、冷却水槽6から冷却水ポンプ7、熱交換装置8としてのモデル熱交換器、冷却塔5を経て、冷却水槽6に戻るように循環させた。
【0032】
【表2】
Figure 0004682273
【0033】
冷却水系から排出されるブロー水11を回収装置12に通して、ブロー水に含まれる防食剤を回収し、処理した水を排水13として排出した。回収装置12としてはキレート吸着型樹脂(住友化学株式会社製、スミキレートMC−10)を、また脱着液14としては4%水酸化ナトリウム溶液を用いた。SV値で2m3/m3×hrで通液して防食剤の回収処理を行い、試験開始から1週間毎に、排水13中のモリブデン酸イオン濃度をICP発光分光分析法により測定した。得られた結果を表3に示す。なお、回収した防食剤を回収液タンク15に送液し、回収液ポンプ16を用いて冷却水系に適宜添加した。
SV(space velocity、空間速度)値とは、1時間当たりの通液量または通水量(m3/hr)を樹脂体積(m3)で除した値(m3/m3×hr)を意味する。
【0034】
【表3】
Figure 0004682273
【0035】
1ヶ月間の運転終了後、モデル熱交換器チューブを酸洗し、その重量を測定して、この測定値と試験前に予め測定しておいたチューブの重量との重量差Wfを求めた。得られた重量差Wfと次式から腐食速度〔MDD(mg/日・dm2)〕を求めた。
MDD=〔重量差Wf(mg)〕/〔期間(日)×表面積*(dm2)〕
*表面積は、テストチューブの表面積を意味する。
【0036】
1ヶ月間の運転終了後、モデル熱交換器チューブを酸洗し、その重量を測定して、この測定値と試験前に予め測定しておいたチューブの重量との重量差Wcを求めた。得られた重量差Wcと次式からスケール付着速度〔MCM(mg/月・cm2)〕を求めた。
MCM=〔重量差Wc(mg)〕/〔期間(月)×表面積*(cm2)〕
*表面積は、テストチューブの表面積を意味する。
得られた結果を表4に示す。
【0037】
【表4】
Figure 0004682273
【0038】
試験例2〔pHの差による防食効果確認試験〕
試験例1における実施例の冷却水を試験水として採取し、これに水酸化ナトリウム水溶液を加えて所定のpHに調整し、得られた試験水を用いて軟鋼テストピースに対する防食効果確認試験を行った。
【0039】
1リットルのセパラブルフラスコに試験水1リットルを入れ、所定の有効成分濃度となるようにモリブデン酸ナトリウムを添加した。モーターと連動した攪拌棒の先端に軟鋼テストピース(材質:SPCC、形状:30mm×50mm×1mm、長方形板状)を懸吊し、試験水中に浸漬した。サーモスタットを付設し、マントルヒーターで水温を50℃に保ち、テストピースを100rpmの速度で回転させながら5日間試験を行った。試験終了後、テストピースを取り出し、酸洗、水洗、乾燥後に重量を測定し、重量減少量から腐食速度(MDD)を測定した。得られた結果を表5に示す。
【0040】
【表5】
Figure 0004682273
【0041】
【発明の効果】
この発明によれば、循環式冷却水系の高濃縮運転を実施して、ブロー水量を低減することにより節水を図ると共に、腐食およびスケール付着による障害を防止しつつ、薬剤の排出量をできるだけ低減して、環境への悪影響を抑制した循環式冷却水系の水処理方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】開放循環式冷却水系の系統図である。
【符号の説明】
1 原水
2 軟化装置または脱塩装置
3 補給水タンク
4 補給水ポンプ
5 冷却塔
6 冷却水槽
7 冷却水ポンプ
8 熱交換装置
9 循環冷却水
10 防食剤
11 ブロー水
12 回収装置
13 排水
14 脱着液
15 回収液タンク
16 回収液ポンプ

Claims (3)

  1. 循環式冷却水系において、循環冷却水の全硬度が100CaCO3mg/l未満で、かつカルシウム硬度が80CaCO3mg/l未満になるように硬度成分を除去し、モリブデン酸、タングステン酸、亜硝酸およびそれらのアルカリ性塩から選ばれた少なくとも1種である酸化不働態型防食剤を有効成分濃度として5〜500mg/lとなるように循環冷却水に添加しながら、循環冷却水のMアルカリ度が500CaCO3mg/l未満、イオン状シリカ濃度が150SiO2mg/l未満で、かつpHが8.2〜9になるように循環冷却水の濃縮倍率を調整つつ、循環冷却水を循環させて、冷却水系における腐食およびスケール付着による障害を防止することを特徴とする循環式冷却水系の水処理方法。
  2. 循環式冷却水系が、開放循環式冷却水系である請求項1に記載の循環式冷却水系の水処理方法。
  3. 循環式冷却水系のブロー水に含まれる酸化不働態型防食剤を回収し、回収した酸化不働態型防食剤を循環冷却水に添加する請求項1または2に記載の循環式冷却水系の水処理方法。
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