JPH1128461A - 水系の金属の腐食抑制方法 - Google Patents
水系の金属の腐食抑制方法Info
- Publication number
- JPH1128461A JPH1128461A JP18502597A JP18502597A JPH1128461A JP H1128461 A JPH1128461 A JP H1128461A JP 18502597 A JP18502597 A JP 18502597A JP 18502597 A JP18502597 A JP 18502597A JP H1128461 A JPH1128461 A JP H1128461A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- water
- carbon dioxide
- anion
- corrosion
- water system
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Treatment Of Water By Ion Exchange (AREA)
- Preventing Corrosion Or Incrustation Of Metals (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 水系の金属の腐食、特に孔食を容易かつ低コ
ストに、より効果的に防止する。 【解決手段】 水系に供給される腐食性イオン含有水
を、防食性アニオンを担持したアニオン交換体と接触さ
せると共に、該水系に炭酸ガスを添加する。 【効果】 容易かつ低コストに実施可能な炭酸ガス添加
による腐食抑制に当り、腐食性イオンによる皮膜破壊に
起因する孔食発生を有効に防止することができる。
ストに、より効果的に防止する。 【解決手段】 水系に供給される腐食性イオン含有水
を、防食性アニオンを担持したアニオン交換体と接触さ
せると共に、該水系に炭酸ガスを添加する。 【効果】 容易かつ低コストに実施可能な炭酸ガス添加
による腐食抑制に当り、腐食性イオンによる皮膜破壊に
起因する孔食発生を有効に防止することができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は水系の金属の腐食抑
制方法に係り、特に淡水系における軟鋼、ステンレス
鋼、銅、銅合金などの金属の腐食を効果的に抑制する方
法に関する。
制方法に係り、特に淡水系における軟鋼、ステンレス
鋼、銅、銅合金などの金属の腐食を効果的に抑制する方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】開放、密閉循環冷却水系、蓄熱水系、密
閉冷温水系などの淡水系で使用される各種機器や配管等
の基材として、軟鋼、ステンレス鋼、銅、銅合金等が使
用されている。淡水中に浸漬使用されているこれらの基
材は、補給水から持ち込まれる塩素イオン(Cl- )、
硫酸イオン(SO4 2- )等により腐食され、孔食を発生
させる。
閉冷温水系などの淡水系で使用される各種機器や配管等
の基材として、軟鋼、ステンレス鋼、銅、銅合金等が使
用されている。淡水中に浸漬使用されているこれらの基
材は、補給水から持ち込まれる塩素イオン(Cl- )、
硫酸イオン(SO4 2- )等により腐食され、孔食を発生
させる。
【0003】従来、このような水系の金属の腐食を抑制
する方法として、特開平7−109585号公報には、
炭酸カルシウムが析出傾向にある循環水に炭酸ガスを添
加して防食及びスケール防止を図る方法が提案されてい
る。
する方法として、特開平7−109585号公報には、
炭酸カルシウムが析出傾向にある循環水に炭酸ガスを添
加して防食及びスケール防止を図る方法が提案されてい
る。
【0004】この方法は、下記,に説明する作用効
果により、水中のカルシウムイオンや重炭酸イオンなど
の防食性イオンを有効に利用して、系内の金属表面に保
護皮膜を形成させて防食すると共に、水と炭酸ガスとを
接触させることによって水中の炭酸カルシウムを未飽和
な状態に維持し、炭酸カルシウム系スケールの生成を防
止するという原理に基づくものである。
果により、水中のカルシウムイオンや重炭酸イオンなど
の防食性イオンを有効に利用して、系内の金属表面に保
護皮膜を形成させて防食すると共に、水と炭酸ガスとを
接触させることによって水中の炭酸カルシウムを未飽和
な状態に維持し、炭酸カルシウム系スケールの生成を防
止するという原理に基づくものである。
【0005】 スケールの防止効果 炭酸カルシウムの飽和溶液については下記(1)式の関
係があり、また、炭酸イオンと炭酸水素イオンとは下記
(2)式の平衡関係にある。
係があり、また、炭酸イオンと炭酸水素イオンとは下記
(2)式の平衡関係にある。
【0006】
【化1】
【0007】炭酸カルシウムの飽和又は過飽和溶液に炭
酸ガスを吹き込むと、水のpHが低下(H+ が増加)
し、上記(2)の平衡反応は左(←)に進む結果、炭酸
カルシウムの形成に必要なCO3 2- が減少するため、炭
酸カルシウムを未飽和(溶解状態)に維持することがで
きる。即ち、炭酸カルシウム系スケールの析出を防止す
ることができる。
酸ガスを吹き込むと、水のpHが低下(H+ が増加)
し、上記(2)の平衡反応は左(←)に進む結果、炭酸
カルシウムの形成に必要なCO3 2- が減少するため、炭
酸カルシウムを未飽和(溶解状態)に維持することがで
きる。即ち、炭酸カルシウム系スケールの析出を防止す
ることができる。
【0008】 防食効果 金属、例えば鉄表面での腐食反応では、鉄の溶出反応
(アノード反応)と酸素の還元反応が下記(3),
(4)式に従って起こる。
(アノード反応)と酸素の還元反応が下記(3),
(4)式に従って起こる。
【0009】
【化2】
【0010】上記アノード、カソードの各反応は各々別
々の鉄表面で起こる。これら(3),(4)式のいずれ
か一方又は両方の反応を抑制することにより防食が可能
である。上記(4)式より明らかなように、カソード反
応の起こっている場所では、pHが上昇(OH- が増
加)しており、例え炭酸ガスを吹き込んでいたとして
も、前記(2)式の反応が右側(→)に進む結果、炭酸
カルシウムの析出が起こる。析出した炭酸カルシウム
は、バルク状ではなく、スケールとは異なる極めて薄い
膜として鉄表面を覆う。カソード反応の起こっている鉄
表面にこのような炭酸カルシウムの皮膜が形成される
と、酸素の拡散が阻害されるため、(4)式は起こりに
くくなる。その結果、腐食を防止できる。
々の鉄表面で起こる。これら(3),(4)式のいずれ
か一方又は両方の反応を抑制することにより防食が可能
である。上記(4)式より明らかなように、カソード反
応の起こっている場所では、pHが上昇(OH- が増
加)しており、例え炭酸ガスを吹き込んでいたとして
も、前記(2)式の反応が右側(→)に進む結果、炭酸
カルシウムの析出が起こる。析出した炭酸カルシウム
は、バルク状ではなく、スケールとは異なる極めて薄い
膜として鉄表面を覆う。カソード反応の起こっている鉄
表面にこのような炭酸カルシウムの皮膜が形成される
と、酸素の拡散が阻害されるため、(4)式は起こりに
くくなる。その結果、腐食を防止できる。
【0011】このように炭酸ガスを添加する方法は、防
食剤及びスケール防止剤を使用する方法に比べて日常管
理が容易であり、かつ安価に実施できる。しかも、炭酸
ガスを用いるものであり、塩酸や硫酸などの酸によるp
H調整と異なり、腐食性イオンの増加の問題もないとい
う利点がある。
食剤及びスケール防止剤を使用する方法に比べて日常管
理が容易であり、かつ安価に実施できる。しかも、炭酸
ガスを用いるものであり、塩酸や硫酸などの酸によるp
H調整と異なり、腐食性イオンの増加の問題もないとい
う利点がある。
【0012】また、特開平5−158364号公報に
は、水系の腐食性イオン含有水と防食性アニオンを担持
したアニオン交換体とを接触させると共に、該水系に低
分子量ポリマーを添加する方法が提案されている。
は、水系の腐食性イオン含有水と防食性アニオンを担持
したアニオン交換体とを接触させると共に、該水系に低
分子量ポリマーを添加する方法が提案されている。
【0013】この方法では、Cl- ,SO4 2- 等の水中
の腐食性イオンをHCO3 -,OH-等の防食性アニオン
を担持したアニオン交換体と接触させてイオン交換する
ことにより、水中の腐食性イオン濃度が低減し、水系の
腐食性が緩和される。
の腐食性イオンをHCO3 -,OH-等の防食性アニオン
を担持したアニオン交換体と接触させてイオン交換する
ことにより、水中の腐食性イオン濃度が低減し、水系の
腐食性が緩和される。
【0014】また、低分子量ポリマーの皮膜形成促進作
用により、イオン交換で溶出したHCO3 -等と水系由来
のCa2+等とが金属表面に防食皮膜を形成し、金属の腐
食はより一層確実に抑制される。
用により、イオン交換で溶出したHCO3 -等と水系由来
のCa2+等とが金属表面に防食皮膜を形成し、金属の腐
食はより一層確実に抑制される。
【0015】即ち、腐食性アニオンであるCl- の低減
は軟鋼やステンレス鋼、銅、黄銅等の孔食抑制に有効で
ある上に、ステンレス鋼や黄銅にしばしば生じる応力腐
食割れの有効な防止対策となる。
は軟鋼やステンレス鋼、銅、黄銅等の孔食抑制に有効で
ある上に、ステンレス鋼や黄銅にしばしば生じる応力腐
食割れの有効な防止対策となる。
【0016】また、SO4 2- の低減により、銅や黄銅に
対し、孔食発生の要因となる塩基性硫酸銅の生成が防止
され、腐食が抑制される。
対し、孔食発生の要因となる塩基性硫酸銅の生成が防止
され、腐食が抑制される。
【0017】一方、防食性イオンであるCa2+やHCO
3 -は、低分子量ポリマーの存在下、金属表面にCaCO
3 の均一な沈殿皮膜を形成し、腐食促進の要因である溶
存酸素の拡散を防止することにより、腐食を抑制する。
このような皮膜形成により、炭酸カルシウムスケールの
生成も防止される。
3 -は、低分子量ポリマーの存在下、金属表面にCaCO
3 の均一な沈殿皮膜を形成し、腐食促進の要因である溶
存酸素の拡散を防止することにより、腐食を抑制する。
このような皮膜形成により、炭酸カルシウムスケールの
生成も防止される。
【0018】水中のSiO2 は軟鋼の錆を固着性に変質
させ腐食を抑制する作用を奏する。
させ腐食を抑制する作用を奏する。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】特開平7−10958
5号公報記載の方法では、同公報の実施例2に示される
ように初期の腐食を防止することはできない。これは、
水系に含まれる腐食性イオンが鉄の酸化皮膜を局部的に
破壊してアノード反応を生じるためと考えられる。局部
腐食部では錆こぶで鉄の溶解と共に腐食性イオンが濃
縮、蓄積して孔食が進行する。このようなことから、温
度条件や流動条件の違いにより、炭酸カルシウムの均一
な皮膜形成ができないと孔食に到るおそれがある。
5号公報記載の方法では、同公報の実施例2に示される
ように初期の腐食を防止することはできない。これは、
水系に含まれる腐食性イオンが鉄の酸化皮膜を局部的に
破壊してアノード反応を生じるためと考えられる。局部
腐食部では錆こぶで鉄の溶解と共に腐食性イオンが濃
縮、蓄積して孔食が進行する。このようなことから、温
度条件や流動条件の違いにより、炭酸カルシウムの均一
な皮膜形成ができないと孔食に到るおそれがある。
【0020】一方、特開平5−158364号公報記載
の方法では、水系の腐食性イオンを除き防食性イオンに
代えているので、上記のような腐食性イオンによる皮膜
破壊による孔食発生は起き難いが、防食皮膜形成及び炭
酸カルシウムスケール防止のために低分子量ポリマーの
添加を必要とするため、濃度管理等に手間がかかる上
に、高価な薬品を使用するためコスト面でも不利であっ
た。
の方法では、水系の腐食性イオンを除き防食性イオンに
代えているので、上記のような腐食性イオンによる皮膜
破壊による孔食発生は起き難いが、防食皮膜形成及び炭
酸カルシウムスケール防止のために低分子量ポリマーの
添加を必要とするため、濃度管理等に手間がかかる上
に、高価な薬品を使用するためコスト面でも不利であっ
た。
【0021】本発明は上記従来の問題点を解決し、水系
の金属の腐食、特に孔食を容易かつ低コストに、より効
果的に防止することができる水系の金属の腐食抑制方法
を提供することを目的とする。
の金属の腐食、特に孔食を容易かつ低コストに、より効
果的に防止することができる水系の金属の腐食抑制方法
を提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明の水系の金属の腐
食抑制方法は、水系の金属の腐食抑制方法であって、該
水系に供給される腐食性イオン含有水を、防食性アニオ
ンを担持したアニオン交換体と接触させた後、該水系に
供給すると共に、該水系に炭酸ガスを添加することを特
徴とする。
食抑制方法は、水系の金属の腐食抑制方法であって、該
水系に供給される腐食性イオン含有水を、防食性アニオ
ンを担持したアニオン交換体と接触させた後、該水系に
供給すると共に、該水系に炭酸ガスを添加することを特
徴とする。
【0023】なお、本発明において、防食性アニオンと
は、それ自体防食性を示さなくてもイオン交換により水
中に溶出して、水中の溶存カチオンとの反応で防食性皮
膜を形成し得るアニオンを指す。
は、それ自体防食性を示さなくてもイオン交換により水
中に溶出して、水中の溶存カチオンとの反応で防食性皮
膜を形成し得るアニオンを指す。
【0024】本発明の方法によれば、容易かつ低コスト
に実施可能な炭酸ガス添加による腐食抑制に当り、腐食
性イオンによる皮膜破壊に起因する孔食発生を有効に防
止することができる。
に実施可能な炭酸ガス添加による腐食抑制に当り、腐食
性イオンによる皮膜破壊に起因する孔食発生を有効に防
止することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を詳細
に説明する。
に説明する。
【0026】本発明の方法においては、被処理対象水系
であるCl- ,SO4 2- 等の腐食性イオンを含む水を、
OH- ,HCO3 -などの防食性アニオンを担持したアニ
オン交換樹脂やゼオライト等のアニオン交換体と接触さ
せてイオン交換すると共に、炭酸ガスを添加する。
であるCl- ,SO4 2- 等の腐食性イオンを含む水を、
OH- ,HCO3 -などの防食性アニオンを担持したアニ
オン交換樹脂やゼオライト等のアニオン交換体と接触さ
せてイオン交換すると共に、炭酸ガスを添加する。
【0027】これにより、水中のCl- ,SO4 2- 等の
腐食性イオンはOH- ,HCO3 -等の防食性アニオンに
イオン交換されて、その含有量が低減し、腐食性が低減
される。
腐食性イオンはOH- ,HCO3 -等の防食性アニオンに
イオン交換されて、その含有量が低減し、腐食性が低減
される。
【0028】また、炭酸ガス添加によりスケール生成を
防止すると共に、腐食を抑制する。
防止すると共に、腐食を抑制する。
【0029】水系の腐食性イオン含有水を防食性アニオ
ンを担持したアニオン交換体と接触させる方法としては
特に制限はないが、例えば、防食性アニオンを担持した
アニオン交換樹脂、具体的にはHCO3 形アニオン交換
樹脂を充填した充填塔に被処理対象水系の水を通水接触
させれば良い。この場合の通水条件等は、被処理対象水
系の水質等に応じて適宜決定される。なお、この被処理
対象水系としては、水系に供給される補給水の他、水系
の循環水を含む。従って、水系の水の一部を取り出して
アニオン交換処理し、再び水系に戻すようにしても良
い。
ンを担持したアニオン交換体と接触させる方法としては
特に制限はないが、例えば、防食性アニオンを担持した
アニオン交換樹脂、具体的にはHCO3 形アニオン交換
樹脂を充填した充填塔に被処理対象水系の水を通水接触
させれば良い。この場合の通水条件等は、被処理対象水
系の水質等に応じて適宜決定される。なお、この被処理
対象水系としては、水系に供給される補給水の他、水系
の循環水を含む。従って、水系の水の一部を取り出して
アニオン交換処理し、再び水系に戻すようにしても良
い。
【0030】炭酸ガスは、前述の如く、処理対象水系の
最高使用温度において、炭酸カルシウムが未飽和となる
ように添加することが重要である。このような炭酸ガス
添加量の制御は、当該水系のpH調節により行うことが
でき、pHが7〜9となるように炭酸ガスの添加量を制
御すれば良い。
最高使用温度において、炭酸カルシウムが未飽和となる
ように添加することが重要である。このような炭酸ガス
添加量の制御は、当該水系のpH調節により行うことが
でき、pHが7〜9となるように炭酸ガスの添加量を制
御すれば良い。
【0031】このため、炭酸ガスは、冷却塔又は循環配
管に設けたpHセンサーの測定pHが炭酸カルシウムが
未飽和となるように、pHコントローラによりその吹き
込み量を自動又は手動にて調節しながら、循環配管等、
好ましくは、循環配管の熱交換器の上流側に添加するの
が好ましい。
管に設けたpHセンサーの測定pHが炭酸カルシウムが
未飽和となるように、pHコントローラによりその吹き
込み量を自動又は手動にて調節しながら、循環配管等、
好ましくは、循環配管の熱交換器の上流側に添加するの
が好ましい。
【0032】なお、用いる炭酸ガスとしては、高純度の
炭酸ガスに限らず、場合によっては各種工場内で発生す
る炭酸ガスを多く含む廃ガスなどを利用することもでき
る。この場合には工場の廃ガス排出量の低減が図れ、有
利である。
炭酸ガスに限らず、場合によっては各種工場内で発生す
る炭酸ガスを多く含む廃ガスなどを利用することもでき
る。この場合には工場の廃ガス排出量の低減が図れ、有
利である。
【0033】本発明では、このように炭酸ガスの添加に
よるpH調整でスケール生成を防止するため、高価で添
加操作が煩雑なスケール防止剤等の添加は不要である
が、必要に応じて当該水系に、リン系化合物等の防食剤
や低分子量ポリマー、各種非塩素系抗菌剤(例えば、5
−クロロ−2−メチルイソチアゾリン−3−オン、2,
2−ジブロモ−2−ニトロエタノールなど)を添加して
も良い。
よるpH調整でスケール生成を防止するため、高価で添
加操作が煩雑なスケール防止剤等の添加は不要である
が、必要に応じて当該水系に、リン系化合物等の防食剤
や低分子量ポリマー、各種非塩素系抗菌剤(例えば、5
−クロロ−2−メチルイソチアゾリン−3−オン、2,
2−ジブロモ−2−ニトロエタノールなど)を添加して
も良い。
【0034】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をよ
り具体的に説明する。
り具体的に説明する。
【0035】実施例1 図1に示す試験装置により孔食試験を行った。
【0036】図中、1は冷却塔であり、冷却塔1で冷却
された水は、ポンプPを備える配管2から熱交換器3に
送給され、熱交換を行う。熱交換により温度が上昇した
水は、配管4より冷却塔1に返送して再冷却し、循環再
使用する。
された水は、ポンプPを備える配管2から熱交換器3に
送給され、熱交換を行う。熱交換により温度が上昇した
水は、配管4より冷却塔1に返送して再冷却し、循環再
使用する。
【0037】冷却水の供給配管2には、炭酸ガスの吹き
込み用配管5A及び炭酸ガスボンベ5が設けられ、熱交
換器3に流入する冷却水中に炭酸ガスが吹き込まれる。
6は電磁バルブであり、冷却塔1内の冷却水中に設けた
pHセンサー7Aの測定値に基き、pHコントローラ7
に連動して開閉するように構成されている。
込み用配管5A及び炭酸ガスボンベ5が設けられ、熱交
換器3に流入する冷却水中に炭酸ガスが吹き込まれる。
6は電磁バルブであり、冷却塔1内の冷却水中に設けた
pHセンサー7Aの測定値に基き、pHコントローラ7
に連動して開閉するように構成されている。
【0038】一方、冷却塔1の補給水導入配管8には、
アニオン交換塔9が設けられ、アニオン交換処理が行わ
れる。
アニオン交換塔9が設けられ、アニオン交換処理が行わ
れる。
【0039】Fは流量計、T1 ,T2 は温度計である。
【0040】試験水として下記水質の合成工業用水を用
い、これを重炭酸ナトリウムで再生したHCO3 形強ア
ニオン交換樹脂を充填したアニオン交換塔9に通水して
下記水質のアニオン交換水とし、このアニオン交換水を
補給水として冷却塔1に供給した。また、循環水には、
炭酸ガスボンベ5より冷却水のpHが7.5〜8となる
ように炭酸ガスを添加して二重管式熱交換器(STB−
340,径19mm、長さ1200mm、伝熱管長さ1
000mm)3に循環させ、流速0.5m/s、熱交換
器入口温度30℃、出入口温度差20℃で、5倍濃縮運
転を30日間実施した。
い、これを重炭酸ナトリウムで再生したHCO3 形強ア
ニオン交換樹脂を充填したアニオン交換塔9に通水して
下記水質のアニオン交換水とし、このアニオン交換水を
補給水として冷却塔1に供給した。また、循環水には、
炭酸ガスボンベ5より冷却水のpHが7.5〜8となる
ように炭酸ガスを添加して二重管式熱交換器(STB−
340,径19mm、長さ1200mm、伝熱管長さ1
000mm)3に循環させ、流速0.5m/s、熱交換
器入口温度30℃、出入口温度差20℃で、5倍濃縮運
転を30日間実施した。
【0041】
【表1】
【0042】30日の連続運転後、熱交換器3の孔食深
さと、スケール付着物量の最大値を調べ、結果を表2に
示した。
さと、スケール付着物量の最大値を調べ、結果を表2に
示した。
【0043】比較例1 実施例1において、炭酸ガスの添加を行わなかったこと
以外は同様にして孔食試験を行い、孔食深さと、スケー
ル付着物量の最大値を調べ、結果を表2に示した。
以外は同様にして孔食試験を行い、孔食深さと、スケー
ル付着物量の最大値を調べ、結果を表2に示した。
【0044】比較例2 実施例1において、アニオン交換処理を行わず、合成工
業用水を直接補給水として供給したこと以外は同様にし
て孔食試験を行い、孔食深さと、スケール付着物量の最
大値を調べ、結果を表2に示した。
業用水を直接補給水として供給したこと以外は同様にし
て孔食試験を行い、孔食深さと、スケール付着物量の最
大値を調べ、結果を表2に示した。
【0045】
【表2】
【0046】表2より、本発明の方法によれば、孔食及
びスケールを共に効果的に防止することができることが
わかる。
びスケールを共に効果的に防止することができることが
わかる。
【0047】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の水系の金属
の腐食抑制方法によれば、極めて簡易な操作によって、
スケールの生成防止及び金属の腐食ないし孔食防止を、
容易かつ確実に、しかも安価に実現することができる。
の腐食抑制方法によれば、極めて簡易な操作によって、
スケールの生成防止及び金属の腐食ないし孔食防止を、
容易かつ確実に、しかも安価に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で用いた試験装置を示す系統図である。
1 冷却塔 3 熱交換器 5 炭酸ガスボンベ 6 電磁バルブ 7 pHコントローラ 7A pHセンサー 9 アニオン交換塔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C23F 14/02 C23F 14/02 A
Claims (1)
- 【請求項1】 水系の金属の腐食抑制方法であって、該
水系に供給される腐食性イオン含有水を、防食性アニオ
ンを担持したアニオン交換体と接触させた後、該水系に
供給すると共に、該水系に炭酸ガスを添加することを特
徴とする水系の金属の腐食抑制方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18502597A JPH1128461A (ja) | 1997-07-10 | 1997-07-10 | 水系の金属の腐食抑制方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18502597A JPH1128461A (ja) | 1997-07-10 | 1997-07-10 | 水系の金属の腐食抑制方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1128461A true JPH1128461A (ja) | 1999-02-02 |
Family
ID=16163473
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18502597A Pending JPH1128461A (ja) | 1997-07-10 | 1997-07-10 | 水系の金属の腐食抑制方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1128461A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2801300A1 (fr) * | 1999-11-23 | 2001-05-25 | Carboxyque Francaise | Traitement au dioxyde de carbone des eaux de refroidissement atmospherique |
US6794078B1 (en) | 1999-12-06 | 2004-09-21 | Hitachi Chemical Company, Ltd. | Fuel cell, fuel cell separator, and method of manufacture thereof |
CN108394945A (zh) * | 2018-05-11 | 2018-08-14 | 润电能源科学技术有限公司 | 一种开式循环冷却水系统 |
CN110028145A (zh) * | 2019-04-23 | 2019-07-19 | 李卫 | 一种火力发电厂间接空冷机组循环水腐蚀控制系统及方法 |
CN112284449A (zh) * | 2020-10-19 | 2021-01-29 | 东北电力大学 | 一种用于测试电磁抑垢设备性能的实验装置 |
-
1997
- 1997-07-10 JP JP18502597A patent/JPH1128461A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2801300A1 (fr) * | 1999-11-23 | 2001-05-25 | Carboxyque Francaise | Traitement au dioxyde de carbone des eaux de refroidissement atmospherique |
WO2001038237A1 (fr) * | 1999-11-23 | 2001-05-31 | L'air Liquide, Societe Anonyme Pour L'etude Et L'exploitation Des Procedes Georges Claude | Traitement au dioxyde de carbone des eaux de refroidissement atmospherique |
US6794078B1 (en) | 1999-12-06 | 2004-09-21 | Hitachi Chemical Company, Ltd. | Fuel cell, fuel cell separator, and method of manufacture thereof |
CN108394945A (zh) * | 2018-05-11 | 2018-08-14 | 润电能源科学技术有限公司 | 一种开式循环冷却水系统 |
CN110028145A (zh) * | 2019-04-23 | 2019-07-19 | 李卫 | 一种火力发电厂间接空冷机组循环水腐蚀控制系统及方法 |
CN112284449A (zh) * | 2020-10-19 | 2021-01-29 | 东北电力大学 | 一种用于测试电磁抑垢设备性能的实验装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CA2916926C (en) | Corrosion control methods using shot doses of tin(11) salts | |
EP3371347B1 (en) | Corrosion control for water systems using tin corrosion inhibitor with a hydroxycarboxylic acid | |
US5985152A (en) | Method of preventing corrosion in a water system | |
WO2011118389A1 (ja) | 冷却水系の処理方法 | |
JPH1128461A (ja) | 水系の金属の腐食抑制方法 | |
EP0866148B1 (en) | Method for inhibiting corrosion in water systems | |
JPS5913595B2 (ja) | 金属の腐食抑制剤及び防食方法 | |
JPH07109585A (ja) | 循環水の処理方法 | |
JP3358216B2 (ja) | 水系の金属の腐食抑制方法 | |
JPH09176872A (ja) | 水系の金属の腐食抑制及びシリカ系スケール抑制方法 | |
JPH07316848A (ja) | 水系の金属の腐食抑制方法 | |
US5264155A (en) | Methods for inhibiting the corrosion and deposition of iron and iron containing metals in aqueous systems | |
JPH09111482A (ja) | 水系の金属の腐食防止方法 | |
JP6635173B1 (ja) | 冷却水系の金属部材の防食方法 | |
JPS5828349B2 (ja) | ボイラ−水系処理薬剤 | |
JPH1119687A (ja) | 水系におけるスケールの付着防止方法 | |
ZA200102275B (en) | Inhibition of corrosion in aqueous systems. | |
JP2001327994A (ja) | 開放循環冷却水の処理装置 | |
JP2005290419A (ja) | 腐食防止方法 | |
US5342548A (en) | Methods for inhibiting the corrosion and deposition of iron and iron-containing metals in aqueous systems | |
JP7247794B2 (ja) | 循環冷却水系の処理方法 | |
JPH1129885A (ja) | 水系の金属の孔食防止方法 | |
US20230383415A1 (en) | Corrosion control for water systems using passivators and a hydroxycarboxylic acid | |
JPH07316852A (ja) | 水系の金属の腐食抑制方法 | |
JP2009299161A (ja) | 水系の金属腐食抑制方法 |