JPH07190678A - ブロー制御点検知装置及びスケール付着防止装置 - Google Patents

ブロー制御点検知装置及びスケール付着防止装置

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JPH07190678A
JPH07190678A JP32932893A JP32932893A JPH07190678A JP H07190678 A JPH07190678 A JP H07190678A JP 32932893 A JP32932893 A JP 32932893A JP 32932893 A JP32932893 A JP 32932893A JP H07190678 A JPH07190678 A JP H07190678A
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blow control
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ブロー制御を適切におこなうことができるブ
ロー制御点検知装置、スケール付着防止装置、スケール
付着防止方法を得る。 【構成】 冷却水6の塩素濃度を検出する第1検出手段
11と、冷却水の水素イオン指数(pH)、電気伝導
度、全硬度、M−アルカリ度、シリカ濃度から選択され
る一種以上の分析値を検出する第2検出手段12とを備
え、第1検出手段11により検出される塩素濃度が概一
定割合で増加するとともに、第2検出手段12により検
出される分析値が増加しながら一定値に漸近する場合
に、分析値の変曲点を、冷却水に希釈が必要とされるブ
ロー制御点であると判別する判別手段13を備え、判別
手段13により冷却水がブロー制御点に至っていると判
別された場合にブロー制御をおこなうブロー制御手段1
0を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、クーリングタワー等の
冷却水開放循環系を備えた冷却装置における、循環系内
でのスケール、デポジション等の発生の防止のためのス
ケール付着防止技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、このような冷却水開放循環系を備
えた冷却装置におけるスケール等の付防止制御は、冷却
水として使用される原水の炭酸カルシウムの析出傾向の
指標であるランゲリア指数やリズナーの安定指数等を参
考に、さらには、経験値としてシリカ許容値を設定し
て、冷却水に許容される各含有成分の濃度の基準を決め
て、この基準より冷却水の化学分析値濃度が高くなった
場合に、ブロー制御をおこなうようにしている。さら
に、上記の方法とは独立に、もしくは上記の方法ととも
に、冷却水の電気伝導度を測定し、この電気伝導度を基
準に制御している。ここで、補給水を補給する場合の制
御について説明すると、補給後の冷却水の濃縮度を、冷
却水の電気伝導度と補給水のそれとの商で求め、冷却水
の電気伝導度値をスケール付着の危険のない電気伝導度
値以下に維持するように制御するものである。そして、
従来原水の性状の確認においては、主に化学分析のみが
行われていた。また、原水の季節、天候、地域的な差を
吸収するため、さらには、スケール発生の不解明な部分
を吸収するために、水処理専門会社はスケール発生の不
解明な部分をスケール分散剤であるカルボン酸の重合物
やキレート剤であるフォスフォン酸の添加によって安全
側に移行させて、冷却装置の運転をおこなうものとして
いた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
ランゲリア指数、リズナーの安定指数、シリカ許容値等
を基準におこなう場合は、冷却水中の各塩間の相互の作
用等を代表しえないとともに、上述の季節、天候、地域
的な差を充分に吸収できないために、原水の性状の変化
に充分に対応できないという問題がある。さらに、電気
伝導度を基準に制御する場合は、図6(横軸は補給水
(冷却水)の濃縮状態を、縦軸は電気伝導度を示す)に
示すような、冷却水の濃縮曲線に基づいて制御すること
となるが、経済的濃縮条件下でスケールが析出する可能
性のある原水を補給水として使用する場合、図で表され
る様に、ブロー制御点を電気伝導度Aに設定する場合
は、この制御点Aがスケール成分の析出がはじまる範囲
内であることから問題はないが、経済性が低い。一方、
経済性を重要視して、制御点を点Bに設定してブロー制
御を行うと、濃縮度の上昇にともなって冷却水の電気伝
導度曲線が変曲しはじめるB1の濃縮点で管理さるべき
ものが、スケール析出によって電気伝導度がシフト(変
曲する)されることから実際にははるかに濃縮度が高い
B2点で初めて制御をおこなうこともある。そこで、運
転状態における冷却水の電気伝導度の変化をモニターし
ておき、電気伝導度のモニター曲線の変曲が見られた場
合に、これを冷却水が析出危険状態にあると判断して、
この場合にブロー制御をおこなうことも考えられるが、
電気伝導度のみをモニターしていた場合、この電気伝導
度が濃縮により変曲したのか、希釈により変曲したのか
判断できず、誤ったブロー制御をおこなってしまう可能
性がある。
【0004】従って、本発明の目的は、上記のような問
題を解決することができるブロー制御点検知装置、スケ
ール付着防止装置、更には、ブロー制御方法を得ること
にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
の本発明による第1のブロー制御点検知装置の特徴構成
は、冷却水の塩素濃度を検出する第1検出手段と、冷却
水の水素イオン指数(pH)、電気伝導度、全硬度、M
−アルカリ度、シリカ濃度から選択される一種以上の分
析値を検出する第2検出手段とを備え、第1検出手段に
より検出される塩素濃度が概一定割合で増加するととも
に、第2検出手段により検出される分析値が増加しなが
ら一定値に漸近する場合に、分析値の変曲点を、冷却水
に希釈が必要とされるブロー制御点であると判別する判
別手段を備えたことにある。さらに、本願第2のブロー
制御点検知装置の特徴構成は、冷却水の塩素濃度を検出
する第1検出手段と、冷却水の水素イオン指数(p
H)、電気伝導度、全硬度、M−アルカリ度、シリカ濃
度から選択される一種以上の分析値を検出する第2検出
手段とを備え、第1検出手段により検出される塩素濃度
がブロー制御点として予め設定された第1指標値よりも
高く、第2検出手段により検出される分析値がブロー制
御点として予め設定された第2指標値よりも高い場合
に、冷却水に希釈が必要とされるブロー制御状態に冷却
水が到達してしると判別する判別手段を備えたことにあ
る。そして、本願のスケール付着防止装置の特徴構成
は、上記のような本願第1、第2の発明のブロー制御点
検知装置に、これらの装置に備えられる判別手段により
冷却水がブロー制御点に至っていると判別された場合に
ブロー制御をおこなうブロー制御手段を備えたことにあ
る。さらに、本願の冷却水が循環する開放循環系を備え
た冷却装置のブロー制御方法の特徴手段は、開放循環系
に供給される原水の濃縮試験を予めおこない、濃縮試験
において、濃縮に伴う塩素濃度の濃度変化と水素イオン
指数(pH)、電気伝導度、全硬度、M−アルカリ度、
シリカ濃度の分析値の変化とを把握するとともに、塩素
濃度が概一定割合で増加するとともに、分析値のいずれ
か一種以上が増加しながら一定値に漸近する場合に、分
析値の変曲点を、原水に希釈が必要とされるブロー制御
点であると判定し、ブロー制御点における塩素濃度を第
1指標値、前記水素イオン指数(pH)、電気伝導度、
全硬度、M−アルカリ度、シリカ濃度から選択される一
種以上の分析値を第2指標値として予め求めておき、開
放循環系を循環する冷却水に於ける、塩素濃度を検出す
るとともに、水素イオン指数(pH)、電気伝導度、全
硬度、M−アルカリ度、シリカ濃度から選択される一種
以上の分析値を検出して、検出された塩素濃度が第1指
標値よりも高く、対応する分析値が前記第2指標値より
も高い場合にブロー制御をおこなうことにある。そし
て、それらの作用・効果は次の通りである。
【0006】
【作用】つまり、ブロー制御点検知装置においては、第
1、第2の発明のものともに、二つの指標がそのブロー
制御の判断指標として採用される。ここで、一方の指標
は塩素濃度であり、他方の指標は一般に濃縮にともなっ
てその値が一定値に漸近する傾向を示す化学分析量であ
る。そして、これら2指標の検出がおこなわれ、先ず塩
素濃度が変化傾向(第1の発明の場合で概一定割合で増
加しているかどうか)もしくは一定濃度以上(第2の発
明の場合で塩素濃度が高いかどうか)にある場合に、冷
却水に濃縮がおこったことが確認される。そして、この
条件に加えて、他方の分析値が変曲傾向を有していたり
(第1の発明の場合)、一定値以上の状態にある場合
(第2の発明の場合)に、ブロー制御点と判別する。従
って、運転中の冷却装置における冷却水の状態を的確に
判別してブロー制御をおこなえる。そして、例えば補給
水が補給された場合もしくは循環系内に雨等が流入した
場合は、この塩素濃度が低下するため、例え他の化学分
析量が変曲傾向にあったり、一定値以上となっていて
も、この状態をブロー制御点と判断することはない。さ
らに、この制御においては、一定値に漸近傾向を取る分
析値においては、比較的この漸近値より小さな値を警告
値として判別しておき、この状態を越えてなお塩素濃度
が上昇する場合は、確実に冷却水の濃縮が進んでいるこ
とを確認できるため、この確認の後にブロー制御点にあ
ると判別することも可能である。従って、従来の電気伝
導度のみにより、これが漸近値に近いかどうかで判別し
ていたものより、経済性が高く、確実な判別をおこなう
ことができる。さらに、本願のスケール付着防止装置に
おいては、上述のブロー制御点検知装置により、的確に
ブロー点を検知して的確且つ経済的にブロー制御を行う
ことができる。
【0007】さらに、本願のブロー制御方法において
は、原水の濃縮試験によって、各原水毎に、原水特性が
明らかにされて、第1、第2指標値が設定され、この指
標値により冷却水のブロー制御がおこなわれる。従っ
て、従来のように、季節、地域差を有するとともに、そ
の分析値が変曲傾向を有する電気伝導度のみを一定値に
依存する制御をおこなう場合、原水の特性差による誤制
御をおこないやすいが、原水毎にさらには、水質特性を
各特性毎に濃縮試験により確認するため、この問題を発
生することはない。
【0008】
【発明の効果】従って、従来の誤ったブロー管理を是正
することが出来、スケールを除去する為の薬品洗滌が不
要となった。さらに、ブラシ洗滌の省略等により作業の
省力化が達成され、不要定期点検の作業効率がアップす
る。さらに、冷却装置自体に於けるスケール付着による
効率低下を防止出来る。
【0009】
【実施例】本願の実施例を図面に基づいて説明する。図
1には、スケール付着防止装置1の構成が、図2には、
このスケール付着防止装置1が備えられる冷却装置2の
構成が示されている。図2に示されるように、冷却装置
2は、冷却対象部位3を冷却するための熱交換部4、冷
却水循環ポンプ5、冷却水6からの放熱用のクーリング
タワー7等を、冷却水6が循環する開放循環系(冷却水
6はクーリングタワー等において、外気G等と接触して
開放環境下で熱交換をする)8に備えて構成されてい
る。そして、この開放循環系8内におけるスケール、デ
ィポジション等の発生の防止のために、上記のスケール
付着防止装置1が循環系8に付帯して備えられている。
以下、このスケール付着防止装置1の構成について図1
に基づいて説明するが、スケール付着防止装置1は冷却
水6にブロー制御が必要かどうかを判定するブロー制御
点検知装置9をその内部に備え、この装置9の判定に基
づいて開放循環系8に対して、補給水の補給および濃縮
化した冷却水6の除去をおこなうブロー制御をおこなう
ブロー制御手段10を備えて構成されている。ここで、
ブロー制御とは具体的には、濃縮された冷却水6の一部
除去および希釈水としての補給水の供給制御である。さ
て、前述のスケール付着防止装置1は、塩素イオン電極
や比色検出器等の冷却水6の塩素濃度を検出するセンサ
11aと塩素濃度検出器11bからなる第1検出手段1
1と、電気伝導度の分析値を検出するセンサ12aと電
気伝導度検出器12bからなる第2検出手段12とを備
え、第1検出手段11により検出される塩素濃度が概一
定割合で増加するとともに、第2検出手段12により検
出される分析値が増加しながら一定値に漸近する場合
に、分析値の変曲点を、冷却水6に希釈が必要とされる
ブロー制御点であると判別する判別手段13を備えて構
成されている。ここで、判別手段13はマイクロプロセ
ッサーに内蔵されるソフトから構成されている。そし
て、さらに、上述のブロー制御手段10が備えられてい
る。
【0010】以下図3(イ)に基づいて、上記の判別手
段13の作動について説明する。図3(イ)には、濃縮
にともなう塩素濃度の変化状況が実線で、さらに電気伝
導度の変化状況が破線で示されている。この図におい
て、横軸は冷却水6の濃度を、縦軸が夫々の検出値を示
している。従って、冷却水に濃縮のみが起こっている場
合は、両検出値は図上右側の値を取ることとなり、塩素
濃度については濃縮度が高くなるに従ってその値が一定
の割合で増加する。一方、電気伝導度に関しては、濃縮
度がある値に到達した段階で、電気伝導度の増加は起こ
らず、所定の値に漸近する。そして、上記の判別手段1
3において、図上冷却水が濃縮段階にある場合のみ、電
気伝導度の変曲点Eにおいてブロー制御が必要な状態に
あると判別する。本願における制御の状況を図3(ロ)
に基づいて説明する。同図において横軸は時間を縦軸
は、塩素及び電気伝導度の値を示している。ここで、同
図左側の状況がブロー制御が必要な状況を、同図右側の
状況がブロー制御を必要としない状況を示している。そ
して、一点鎖線が従来の電気伝導度のみによる制御値を
示している。同図からも明らかなように、従来は、同図
左に示すように濃縮が比較的進むことを示す塩素濃度の
検出をおこなわなかったために、右側の状況においても
ブロー制御をおこなうこととなっていたが、本願の方法
においては、塩素濃度の変化をも判断の指標とするた
め、右側の状況においてはブロー制御をおこなうことは
ない。従って、希釈傾向にある系を誤ってブロー制御が
必要な系と判別することはなく、適切なブロー制御をお
こなえる。
【0011】上記の実施例においては、実際運転中の冷
却装置2においてブロー制御をおこなう場合について説
明したが、冷却水もしくは補給水として使用される原水
において、季節、天候、地域によってその性状変化が起
こることを鑑みると、この原水の性状に基づいて冷却装
置のブロー制御をおこなうことが好ましい。この手法に
ついて、以下に説明する。原水を冷却水に利用する場
合、その原水水質を予め化学分析することは従来の通り
であるが、それに加えて図4に示される如き濃縮装置に
よる原水20の濃縮試験を行う。そして、濃縮試験にお
いて、濃縮に伴う塩素濃度の濃度変化と水素イオン指数
(pH)、電気伝導度、全硬度、M−アルカリ度、シリ
カ濃度の分析値の濃度変化とを把握し、分析値のいずれ
か一種以上が増加しながら一定値に漸近する場合に、こ
れらいずれかのうち、最も低い濃縮状態で変曲点が現れ
るいずれか一種以上の分析値の変曲点を、原水に希釈が
必要とされるブロー制御点であると判定する。この濃縮
操作においては、必然的に塩素濃度の比例的な増加が起
こっている。そして、ブロー制御点における塩素濃度を
第1指標値、水素イオン指数(pH)、電気伝導度、全
硬度、M−アルカリ度、シリカ濃度から選択される一種
以上の分析値を第2指標値として予め求めておき、開放
循環系を循環する冷却水に於ける、塩素濃度を検出する
とともに、水素イオン指数(pH)、電気伝導度、全硬
度、M−アルカリ度、シリカ濃度から選択される一種以
上の分析値を検出して、検出された塩素濃度が前記第1
指標値よりも高く、対応する分析値が前記第2指標値よ
りも高い場合にブロー制御をおこなう。
【0012】以上が、手法の概略説明であるが、さらに
詳細にこの濃縮試験の実施状況及び結果を工程順に説明
していく。 〈1〉 丸底フラスコ21に原水を1リットル入れ、マ
ントルピース22で水温が77℃になるように加熱して
蒸発させる。このとき単に加熱させるだけでなく、エア
ーポンプ23にてエアーを送り込み加熱濃縮される原水
をエアーレーションし、クーリングタワーにおける冷却
水の冷却等でのエアー接触の条件に合わせる。蒸発した
水蒸気24は冷却管25で冷却し、三角フラスコ26に
受けて蒸発水量の測定を行う。ここで、蒸発水量と濃縮
度の関係は以下の表のようになる。 蒸発水量 濃縮度 500cc 2 倍 600 2.5 700 3.3 800 5 900 10 濃縮度の設定は、原水性状及び運転の要望によって決定
されるが通常運転される濃縮度は5〜10倍あることか
ら5,8,10倍を対象にする。 〈2〉 規定濃縮に達した濃縮水を0.45μ程度のメ
ンブレンフィルタ(図外)で吸引濾過し、析出したスケ
ール生成物を分離する。濾液の化学分析を行い、析出し
たスケール成分の減量を求めると同時にpH、電気伝導
度の測定を合わせて行う。 〈3〉 化学分析を行った結果やそれぞれの成分ごとに
濃縮倍数との相関図を得る。図5(イ)〜(ホ)に原水
の例としての原水A及びBの結果を示した。図5(イ)
〜(ホ)は夫々水素イオン濃度(pH)、電気伝導度、
全硬度、M−アルカリ度、シリカの結果を示している。
この結果からも判明するように、原水が異なることによ
って、その性状が異なり、特性曲線が変曲されるレベル
が、原水個々に決まってくる。さらに、以下に各原水の
分析値を示した。 分析要件 原水A 原水B pH 7.2 7.9 電気伝導度 95 405 M−アルカリ度 20 45 全硬度 25 90 塩化物イオン 9 35 硫酸イオン 12 40 シリカ 8 10 全鉄 0.2 0.1 〈4〉 図5(イ)〜(ホ)示す結果に基づいて、原水
Aの場合は、シリカのグラフにおいて変曲点Fが現れる
濃縮状態をブロー制御が必要なブロー制御点と決定し、
この状態における塩素濃度を第1指標値、この状態にお
けるシリカ濃度を第2指標値と設定して、冷却装置実機
の冷却水のブロー制御をおこなう。(ここで、第1指標
値を少々高く設定してもよい。) 原水Bの場合は、全硬度のグラフにおいて変曲点Hが現
れる濃縮状態をブロー制御が必要なブロー制御点と決定
し、この状態における塩素濃度を第1指標値、この状態
における全硬度濃度を第2指標値と設定して、冷却水の
ブロー制御をおこなう。即ち、変曲点が現れる分析量の
いずれか1種以上が第2指標として選択される。さて、
上記原水Aと原水Bの状況について考察すると、上記の
原水A、原水Bの結果からも判るように、原水中の不純
物濃度の低い原水Aの場合、スケール成分である全硬
度、M−アルカリ度、シリカの濃度が低いことから、あ
る程度の濃縮にも係わらず溶解度の限界を越えず、シフ
トラインが出てこないが、不純物濃度の高い原水Bの場
合はスケール析出が始まると極端にシフトされてしま
う。従って、当然原水Aのほうがスケールの付着を起こ
し難いが、例えば原水Aに関しては、電気伝導度が単調
に増加している濃縮状態にあってもシリカの変曲が認め
られる。従って、シリカの析出は、電気伝導度の基準と
なるカルシウム、マグネシウム(全硬度成分)とM−ア
ルカリ度の様に単純なパラメタで決定されるものでな
く、原水固有の属性ということが可能であり、結果的
に、原水個々に濃縮試験をおこなって、濃縮−分析値の
関係曲線を得ない限り、こういった原因で発生するスケ
ールを防止することはっできない。即ち、原水の濃縮試
験により的確なブロー制御点を確認することが重要であ
ることが判る。
【0013】〔別実施例〕以下に、本願の別実施例を箇
条書きする。 (イ)上記のブロー制御点検知装置(スケール付着防止
装置)の実施例においては、冷却水に対するブロー制御
の基準として、塩素濃度が一定割合で増加しているこ
と、分析値に変曲が起こっていることを基準としたが、
塩素濃度、それ自体を冷却水の濃縮基準とすることがで
きるため、第1検出手段により検出される塩素濃度がブ
ロー制御点として予め設定された第1指標値よりも高
く、第2検出手段により検出される分析値がブロー制御
点として予め設定された第2指標値よりも高い場合に、
冷却水に希釈が必要とされるブロー制御状態に前記冷却
水が到達してしると判別する判別手段を備えたものとし
てこれを構成してもよい。 (ロ)さらに、上記のブロー制御点検知装置(スケール
付着防止装置)の実施例においては、濃縮度合いの指標
としての塩素濃度と、スケール析出に対する指標として
電気伝導度とを組み合わせる場合を示したが、スケール
析出に対する指標としては、電気伝導度の他、冷却水の
水素イオン指数(pH)、全硬度、M−アルカリ度、シ
リカ濃度から選択される一種以上の分析値を採用しても
よい。従って、これらの分析値を検出するものを総称し
て第2検出手段と称する。 (ハ) さらに上記の実施例においては、ブロー制御と
して、濃縮水の除去及び補給水の補給による制御の例を
示したが、これは、補給水の補給のみ、あるいはスケー
ルが析出しないpH値に常にシフトさせるべく酸(含硫
酸)を自動注入させスケール生成成分が析出しないよう
に制御出力させることでも達成できる。 (ニ) さらに、上記のブロー制御をおこなう判定方法
として、一定値に漸近する傾向を有する分析値において
は、比較的この漸近値より小さな(離れた)値を警告値
として判別しておき、この状態を越えてなを塩素濃度が
上昇する場合に、確実に冷却水の濃縮が進んでいること
を確認して、この確認の後にブロー制御点にあると判別
する構成としてもよい。 (ホ) さらに、原水に対して予め濃縮試験をおこな
い、濃縮に伴う各分析値の変化曲線を得ておく場合に、
実際に濃縮試験で得られた各々のデータを、マイクロプ
ロセッサーに入力してこれをデータカーブとして記憶さ
せておき、このデータカーブと実際の計測データとを比
較して、冷却水の現状を的確に把握できるようにしてお
いてもよい。
【0014】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】スケール付着防止装置の構成を示す図
【図2】冷却装置の概略構成図
【図3】濃縮度と塩素濃度、電気伝導度の相関及び実機
の冷却水の状況変化を示す図
【図4】原水の化学分析装置の構成を示す図
【図5】濃縮度合いと化学分析データの相関を示す図
【図6】従来の電気伝導度制御によるスケール付着防止
状況の説明図
【符号の説明】
2 冷却装置 6 冷却水 9 ブロー制御点検知装置 10 ブロー制御手段 11 第1検出手段 12 第2検出手段 13 判別手段

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷却水(6)が循環する開放循環系を備
    えた冷却装置(2)において、循環する前記冷却水
    (6)に補給水の補給が必要なブロー制御点を検知する
    ブロー制御点検知装置(9)であって、前記冷却水
    (6)の塩素濃度を検出する第1検出手段(11)と、
    前記冷却水の水素イオン指数(pH)、電気伝導度、全
    硬度、M−アルカリ度、シリカ濃度から選択される一種
    以上の分析値を検出する第2検出手段(12)とを備
    え、前記第1検出手段(11)により検出される塩素濃
    度が概一定割合で増加するとともに、前記第2検出手段
    (12)により検出される分析値が増加しながら一定値
    に漸近する場合に、前記分析値の変曲点を、前記冷却水
    に希釈が必要とされるブロー制御点であると判別する判
    別手段(13)を備えたブロー制御点検知装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のブロー制御点検知装置を
    備え、前記判別手段(13)により冷却水がブロー制御
    点に至っていると判別された場合にブロー制御をおこな
    うブロー制御手段(10)を備えたスケール付着防止装
    置。
  3. 【請求項3】 冷却水(6)が循環する開放循環系を備
    えた冷却装置(2)において、循環する前記冷却水
    (6)に補給水の補給が必要なブロー制御点を検知する
    ブロー制御点検知装置(9)であって、前記冷却水の塩
    素濃度を検出する第1検出手段(11)と、前記冷却水
    の水素イオン指数(pH)、電気伝導度、全硬度、M−
    アルカリ度、シリカ濃度から選択される一種以上の分析
    値を検出する第2検出手段(12)とを備え、前記第1
    検出手段(11)により検出される塩素濃度がブロー制
    御点として予め設定された第1指標値よりも高く、前記
    第2検出手段により検出される分析値がブロー制御点と
    して予め設定された第2指標値よりも高い場合に、前記
    冷却水に希釈が必要とされるブロー制御状態に前記冷却
    水が到達してしると判別する判別手段を備えたブロー制
    御点検知装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のブロー制御点検知装置を
    備え、前記判別手段により冷却水がブロー制御点に至っ
    ていると判別された場合にブロー制御をおこなうブロー
    制御手段を備えたスケール付着防止装置。
  5. 【請求項5】 冷却水が循環する開放循環系を備えた冷
    却装置のブロー制御方法であって、前記開放循環系に供
    給される原水の濃縮試験を予めおこない、前記濃縮試験
    において、濃縮に伴う塩素濃度の濃度変化と水素イオン
    指数(pH)、電気伝導度、全硬度、M−アルカリ度、
    シリカ濃度の分析値の変化とを把握するとともに、前記
    塩素濃度が概一定割合で増加するとともに、前記分析値
    のいずれか一種以上が増加しながら一定値に漸近する場
    合に、前記分析値の変曲点を、前記原水に希釈が必要と
    されるブロー制御点であると判定し、前記ブロー制御点
    における前記塩素濃度を第1指標値、前記水素イオン指
    数(pH)、電気伝導度、全硬度、M−アルカリ度、シ
    リカ濃度から選択される一種以上の分析値を第2指標値
    として予め求めておき、前記開放循環系を循環する冷却
    水に於ける、塩素濃度を検出するとともに、水素イオン
    指数(pH)、電気伝導度、全硬度、M−アルカリ度、
    シリカ濃度から選択される一種以上の分析値を検出し
    て、検出された塩素濃度が前記第1指標値よりも高く、
    対応する前記分析値が前記第2指標値よりも高い場合に
    ブロー制御をおこなう冷却装置のブロー制御方法。
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