本発明は、支払った金額分の有価価値残高を関連付けられて発行される記録媒体を用いた遊技媒体の貸出しに応じて該記録媒体に関連付けられる残高から当該貸出遊技媒体数に対応する価値を減算して残高を更新すると共に、上記記録媒体を受け入れ、該記録媒体に関連付けられる残高を現金に精算する記録媒体精算システムに係わり、詳しくは、記録媒体の残高精算時、当該記録媒体の残高に支払い可能な金種未満の端数が存在する場合、該端数分を調整処理して端数のない精算額による現金の払出しを行なうことにより、上記端数金種の貨幣払出部の追加を不要にした記録媒体精算システムに関する。
パチンコ店等の遊技場では、遊技用記録媒体を受け入れて、該記録媒体に付与された有価価値または有価価値を特定する情報に基づいて遊技媒体を貸し出し可能とするカードシステムを備えている。
この種のシステムでは、遊技客は、ホール内のカード発行機にて予めプリペイドカードを購入し、遊技台(例えば、パチンコ台)の横に設置されたカード処理ユニットにそのカードを挿入した状態で指定した金額に応じた遊技媒体(例えば、パチンコ玉)の貸し出しを受けて該遊技台での遊技を行なうようになっている。
プリペイドカードにはカード毎に設定される識別符号(カードID)が記録されており、該識別符号毎の残度数が管理装置に記録されており、カード処理ユニットでの遊技媒体貸出等のためにカードが使用されると管理装置の残度数が書き換えられる。
遊技中、プリペイドカードの残額がなくなった場合は、カード処理ユニットから現金を追加入金することにより、プリペイドカードの残高を増やすことができる。
また、遊技終了後、プリペイドカードに残高がある場合には、ホール内に設置されたカード精算機に当該プリペイドカードを挿入し、余った度数(残度数)を精算可能となっている。
プリペイドカードを利用して遊技媒体の貸し出しを行なう公知のシステムとしては、下記特許文献1に記載される遊技場システムが知られている。
特許文献1記載の遊技場システムに用いられる記録媒体精算装置は、複数の異なる種類のカードの精算処理を1台の装置で実現するものであり、プリペイドカードも精算処理対象として受け入れ可能となっている。
この遊技場システムで用いられるプリペイドカードは、例えば、10000円、5000円などの各種金額分の度数を有したものである(段落0003参照)。そして、カード処理ユニットでのプリペイドカードを用いた遊技媒体貸出処理時には、1回の貸出に応じて例えば100円単位の度数が減算され(段落0023)、更に、カード精算機200においては、プリペイドカードの精算は、千円札と100円硬貨で行なわれる(段落0046)。
特開2002−282522号公報
特許文献1記載のシステムに代表される従来一般的な遊技場システムでは、遊技台からの1度数(例えば、100円)当たりの玉貸数は遊技台側で固定であり、1個単位で玉を払出す機能を持たないため、消費税相当額を全て遊技店側が負担している。
こうした現状の中で、プリペイドカードによる遊技媒体貸出時、該貸出遊技媒体数に対応する金額に対する消費税を徴収しようとすると、1度数(100円)の玉貸を行なう度に消費税相当額(5円)を回収する必要があるため、カードシステムで1度数当たり105円の残高を減算する処理を行わなければならない。
これにより、例えば、10000円のプリペイドカードを用いた各回の玉貸終了時の残額パターン(105円ずつ減少)は、10000円→9895円→9790円→9685円→…となり、プリペイドカードには、100円以下の端数残高が残ることとなる。
このように、残高に100円以下の端数が残る場合であっても、カード精算機に、例えば、1円(5円)硬貨払出装置や10円硬貨払出装置を設ければ、上記端数残高の精算も可能である。
しかしながら、カード精算機に1円硬貨払出部や10円硬貨払出部を設ける場合には、
a.1円硬貨払出部や10円硬貨払出部の追加によりカード精算機のコストアップを招来する。
b.カード精算機内部のスペースが限られており、1円硬貨払出部や10円硬貨払出部を含む複数台の硬貨払出部の搭載が困難である。
c.カード精算機では、各貨幣払出部に対して該当する金種の貨幣の補充や回収などのメンテナンスが不可欠であるが、1円硬貨払出部や10円硬貨払出部を追加するとこれらもメンテナンス対象となり、遊技店側のメンテナンスに関する負担が更に増大する。
等の問題点があった。
また、精算する立場の側からは、小銭(硬貨)を余り持ちたがらない遊技客も多く、必ずしもサービス向上にはつながらないという問題点もあった。
本発明は上記問題点を解消し、記録媒体の精算時、残高に任意の金種未満の端数が存在する場合、該端数分を調整処理して端数のない精算額による現金の払出しを行なうことにより、精算装置への上記端数金種の貨幣払出部の追加を不要にし、精算装置のコストアップやメンテナンス作業負担を増大させずに遊技媒体貸出時の消費税徴収に対応できる記録媒体精算システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、支払った金額分の有価価値残高が関連付けられた記録媒体を発行する記録媒体発行装置と、前記記録媒体を受け入れ、該記録媒体に関連付けられる残高から貸出した遊技媒体数分の価値を減算して残高を更新する記録媒体処理装置と、前記記録媒体を受け入れ、該記録媒体に関連付けられる残高を現金に精算する精算装置とから成る記録媒体精算システムにおいて、前記精算装置により受け入れられた記録媒体に関連付けられる残高に、当該精算装置の払出し可能な任意の金種未満の端数があるか否かを判定する判定手段と、前記判定手段により前記残高に前記端数があると判定された場合、精算額に端数が生じないように前記残高を前記払出し可能な任意の金種の単位まで端数調整する第1の端数調整処理手段と、前記判定手段により前記残高に前記端数があると判定された場合、前記端数分または該端数分を含む任意の価値を電子マネー価値に変換して特定の第1の媒体に移動させる第2の端数調整処理手段と、前記判定手段により前記残高に前記端数があると判定された場合、前記端数分または該端数分を含む任意の価値を所定の遊技媒体数に変換して特定の第2の媒体に移動させる第3の端数調整処理手段と、前記第1乃至第3の端数調整処理手段各々に対応する端数調整処理条件と該端数調整処理条件の選択を促すメッセージを含む端数調整処理条件選択画面を表示する画面表示手段と、前記端数調整処理条件選択画面に表示されている前記端数調整処理条件の選択を受付ける端数調整処理条件受付手段と、前記端数調整処理条件受付手段が選択を受付けた前記端数調整処理条件を用いて、前記第1乃至第3の端数調整処理手段のうちの該受付けた端数調整処理条件に対応するいずれかの端数調整処理手段により該当する前記端数調整処理を実行させる実行制御手段と、前記第1乃至第3の端数調整処理手段のうちのいずれかによる前記端数調整後の精算額分の現金を精算金として払い出す精算制御手段とを具備することを特徴とする。
請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の発明において、前記第1の端数調整処理手段は、前記端数を繰り上げまたは繰り下げ若しくは四捨五入することにより、前記払出し可能な任意の金種の単位まで端数調整を行なう手段から成ることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、上記請求項1記載の発明において、前記第3の端数調整処理手段は、前記精算装置に設けられ、会員用識別情報に関連付けられた価値情報が会員管理テーブルにより管理される会員用記録媒体を前記特定の第2の媒体として受け入れて、該会員用記録媒体に記録された会員識別情報を読み取る会員用記録媒体読取手段と、前記会員管理テーブルに、前記移動対象の前記所定の遊技媒体数を該当する会員識別情報に関連付けて登録する手段とを具備することを特徴とする。
請求項4記載の発明は、上記請求項1記載の発明において、前記第3の端数調整処理手段は、前記精算装置に設けられ、前記特定の第2の媒体として端数レシートを発行するレシート発行手段と、前記端数レシートに、前記移動対象の前記所定の遊技媒体数を印字して出力するレシート発行制御手段とを具備することを特徴とする。
請求項5記載の発明は、上記請求項4記載の発明において、前記レシート発行手段により発行された前記端数レシートから、前記レシート発行制御手段により該端数レシートに印字された前記所定の遊技媒体数を読取る媒体読取手段と、前記媒体読取手段により複数の前記端数レシートから読み取られた前記所定の遊技媒体数を合算する合算手段と、前記合算手段による合算遊技媒体数に対する処理を行う合算価値処理手段とを具備することを特徴とする。
本発明によれば、精算装置での記録媒体の精算時、残高に当該精算装置の払出し可能な任意の金種未満の端数がある場合、精算額に端数が生じないように該端数を調整する端数調整処理手段を設け、端数調整後の精算額分の現金を精算金として払い出すようにしたものである。
端数調整処理手段としては、例えば、端数を払出し可能な任意の金種の単位まで端数調整する第1の処理手段、端数分または該端数分を含む任意の価値を、特定の媒体に移動させる第2の処理手段、及び端数分または該端数分を含む任意の価値を該価値とは異なる価値に変換し、該変換後の価値を特定の媒体に移動させる第3の処理手段があり、これら第1〜第3の処理手段を個々に設けて該当する端数調整処理を行う他、該第1〜第3の処理手段のうちの少なくとも2つの処理手段を設け、該少なくとも2つの処理手段のうちの遊技客が選択した端数調整処理条件に該当する処理手段により端数調整処理を行う構成も可能である。
上記第1〜第3の処理手段のいずれの端数調整処理手段による端数調整処理においても、任意の金種未満の端数が調整され、該任意の金種未満の硬貨を含まない貨幣の出金による精算が行なわれるため、精算装置の既存の貨幣払出装置の構成における払出し可能な最小金種未満の金種を端数として調整するように動作させることによって、該最小金種未満の金種の硬貨払出装置を精算装置に追加する必要がなくなり、当該精算装置の構造の複雑化、コストアップを回避できる。
また、精算装置内に既存の最小金種未満の硬貨払出装置を設けずに済むことで、該最小金種未満の硬貨の補填や回収等のメンテナンス作業も当然不要となり、遊技店側のメンテナンス作業の負担も軽減できる。
また、遊技客側からすれば、記録媒体精算時に上記最小単位未満の硬貨(小銭)の受け取りを行なわずに済み、小銭を持ちたがらない遊技客に対するサービス向上も見込める。
これにより、本発明では、記録媒体の残高に端数が生じするケースが多い遊技媒体貸出時の消費税徴収に対しても、精算装置のコストアップやメンテナンス作業負担の増大を来たすことなく対応できる。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
なお、本実施の形態では、主として本発明をパチンコ遊技に適用した場合を示すこととする。
図1は、本発明に係わる遊技システムの全体構成を示すブロック図である。
この遊技システムは、遊技用記録媒体であるプリペイドカード5や会員カード6に対応付けて有価価値(残高)の管理を行なう管理装置10と、現金などによる所定の購入操作に基づき、管理装置10と通信して購入金額分の有価価値を残高として対応付けた後にプリペイドカード5を発行する処理や、会員カード6を受け入れて投入された現金等に対応する有価価値を当該会員カード6に関連付ける価値付け処理を行うカード発行機20、「島」と呼ばれるグループ毎に設置される複数の遊技機45に対応して配設され、プリペイドカード5や会員カード6を受け入れて対応する遊技機45の遊技媒体であるパチンコ玉を貸出す処理を行い、その際、該プリペイドカード5や会員カード6に対応して管理される残高から遊技機45に対して貸出された遊技媒体数分の価値を減算して残高の更新処理を行うカード処理ユニット40と、プリペイドカード5や会員カード6を受け入れ、該プリペイドカード5や会員カード6に対応付けられている残高に対応する現金を払い出す精算処理を行うカード精算機50と、島構成要素(カード処理ユニット40や遊技機45等)の制御を司る島コントローラ60とをローカル・エリア・ネットワーク(LAN)70を介して通信可能に接続して構成される。
管理装置10は、遊技システム全体を制御統括するコントローラ(ターミナル・コントローラ:以下、T/C)であり、例えば、図2に示すように、制御部であるCPU11、ハードディスクなどの記憶装置12、動作プログラム等を記憶するメモリ13、マウスやキーボード等の入力装置14、CRT等の表示装置15、LAN70を介してカード発行機20、カード処理ユニット40、カード精算機50等の被管理装置との通信を行う通信インタフェース(I/F)部16を備えたPC(パーソナル・コンピュータ)等の情報処理端末により構成される。
T/C10において、メモリ13は、有価価値管理テーブルとして、プリペイドカード管理テーブル131、会員管理テーブル133を有しており、これら各管理テーブル131,133を用いてプリペイドカード情報、会員情報が別々に管理される。
プリペイドカード管理テーブル131は、図3に示すように、カードID毎に、発行日時、発行金額、残額、再発行回数、有効期限、追加入金額、デビット入金などの各種データが記憶されている。
発行金額の欄には、当該プリペイドカード5が発行された時の価値が登録されている。残額の欄には、発行金額から玉貸しに用いた価値を引いたり、追加入金された価値を加算し、現時点で関連付けられている価値データが登録されている。また、追加入金額の欄には、カード処理ユニット40での追加入金の累積額が登録されている。デビット入金の欄には、現時点での残額がデビットカードでの入金を含んでいるか否かが登録されている。
会員管理テーブル133は、図4に示すように、会員コード(識別データ)別に、貯玉数、残額、来店回数、来店ポイント、入会日時、住所、氏名、電話番号および追加入金額、デビット入金などの各種データが記憶されている。
残額の欄には、現時点で当該会員カード5に関連付けられている価値データが登録されている。また、追加入金額の欄には、カード発行機20またはカード処理ユニット40での追加入金の累積額が登録されている。デビット入金の欄には、現時点での残価値がデビットカードでの入金を含んでいるか否かが登録されている。
T/C10は、上記管理テーブル131,133に記憶された有価価値管理情報を用いて、対応する各カード(プリペイドカード5,会員カード6)に記録された識別データ(カードID)に対応する残価値を管理している。この有価価値管理情報の内容は、遊技者による遊技中、あるいは、遊技の終了時に適宜更新される。
会員カード6は、会員登録処理を行うことによって発行されるものであり、カード発行機20に挿入し、例えば、貨幣を投入し、所定の価値付け操作を行なうことにより価値付け(T/C10の会員管理テーブル133に有価価値等が会員コードに対応付けられて書き込まれる)することができる(図1における会員カード価値付け処理参照)。
一方、プリペイドカード5は、カード発行機20にて貨幣などを受け入れて発行される紙製の磁気記録カードである。
遊技客が、プリペイドカード5を購入するために、カード発行機20に貨幣またはデビットカードを投入して所定の発行操作を行うと、プリペイドカード5に所定事項が印字・記録されて該プリペイドカード5が発行される(図1におけるカード発行処理参照)。
この時、カード発行機20からT/C10にプリペイドカード5のカードID、発行金額などが送出され、T/C10のプリペイドカード管理テーブル131(図4参照)に有価価値(発行金額に対応する残額)等がカードIDに対応付けられて書き込まれ、該プリペイドカード5がカード処理ユニット40などで使用可能になる。
カード処理ユニット40は、各遊技機45間(台間)にそれぞれ配設されており、遊技機45が備える玉投出機構と連携してパチンコ玉の貸し出しを行う。
カード処理ユニット40の前面パネルには、紙幣投入口、硬貨投入口、カード挿入口、金額表示部などが設けられており、遊技機45には、度数表示部、貸出ボタンなどが設けられている。
遊技者は、予め、カード処理ユニット40にプリペイドカード5や会員カード6などのカード(場合によっては、さらに現金)を投入するとともに、必要に応じて貸出単位(1回の貸出操作により貸し出される度数)を設定しておく。
遊技者が貸出ボタンを操作すると、玉投出機構が作動し、遊技機45の上皿へと貸出単位分のパチンコ玉が投出される。この投出代金は、カードの識別データに対応して予め登録されている価値情報から減算される。
カード処理ユニット40にプリペイドカード5あるいは会員カード6(以下、「プリペイドカード5等」と記述する)が装填された状態で、貨幣が直接投入された場合には、貨幣を受け入れて、プリペイドカード5等に価値を追加することも可能である。遊技者は、このようにして貸し出された玉を用いて、遊技機45において遊技を行う。
遊技終了後、カード処理ユニット40から抜き出したプリペイドカード5等に残価値(残高)がある場合、遊技客は、希望により残額をカード精算機50により精算することができる。
遊技客が精算を希望するプリペイドカード5等をカード精算機50に挿入すると、カード精算機50は該プリペイドカード5等からカードIDを読み取り、該読み取ったカードIDをキーにT/C10に残高の問合せを行なう。
その後、カード精算機50は、T/C10がカード精算機50からの問合せのあったカードIDに対応する残高をプリペイドカード管理テーブル131あるいは会員管理テーブル133から検索してカード精算機50に応答情報として送出するのに合わせて、該応答情報を受信し、その後、当該残高に相当する現金を精算金として払い出し、払い出し(精算)終了後、プリペイドカード5等を遊技客に返却する。尚、投入されたカードが会員カード6である場合には必ず返却する必要があるが、プリペイドカード5の場合は必ずしも返却する必要は無く、カード精算機50の内部に回収するようにしても良い。
本システムでのプリペイドカード5等に関する上記一連の処理手順において、T/C10は、カード処理ユニット40との間の残高更新処理中、プリペイドカード5等を用いて貸し出される貸出遊技媒体数に対応する金額と共に、更に、該金額に見合った消費税分の価値を合わせて減算する(図1における遊技媒体貸出処理参照)処理機能を有している。
すなわち、T/C10では、カード処理ユニット40で、例えば、1回の貸出操作毎に1度数=100円分相当の数の遊技媒体を貸出す設定となっている場合、該遊技媒体の貸出操作が1回行われる毎に、1度数(=100円)分の額に、該1度数に対応する消費税分(現行は5%=5円)の額を加えた額を逐次減算する処理機能を有する。
この場合、カード処理ユニット40において、例えば、10000円のプリペイドカード5を受け入れた状態での各回の玉貸終了時の残額パターン(105円ずつ減少)は、10000円→9895円→9790円→9685円→…となる。
一方、本発明に係わるカード精算機50では、プリペイドカード5等の残額精算は千円札と100円硬貨で行われる。
かかる運用方式では、カード処理ユニット40での減算パターンによっては、プリペイドカード5等には、最終的には、100円未満の残高、つまり、カード精算機50で払出し可能な最小金額(この例では、100円)に満たない残高(端数残高)が残ることになる。
本発明に係わる記録媒体精算システム(以下、カード精算システム)は、図1に示す遊技システム中のカード発行機20、カード処理ユニット40及びカード精算機50とT/C10間をLAN70を介して通信可能に接続して構成され、カード精算機50でのプリペイドカード5等の残高精算時、上述した端数金額が生じた場合、カード精算機50に備わる端数調整処理手段550により該端数金額を適宜に調整処理することによって端数の無い精算額を算出し、該精算額での出金を行なうよう処理(図1におけるカード精算処理参照)するものである。
以下、本発明に係わる端数調整処理手段550の実施形態について具体的な実施例を挙げながらより詳細に説明する。
第1の実施形態:
第1の実施形態では、カード精算機50における端数調整処理手段550(図1参照)として、精算対象のプリペイドカード5等の残高に含まれる端数分を繰り上げ、繰り下げ、あるいは四捨五入する等によって端数無い残額に調整する残額調整手段を用いる。
図5は、実施例1に係わるカード精算システムに用いるカード精算機50Aの正面外観構成を示す図であり、図6は該カード精算機50Aの機能構成を示すブロック図である。
図5において、カード精算機50Aは箱形の本体部51を有しており、前面には片開き状の扉体52が備えられている。
扉体52の前面には、精算するプリペイドカード5等の挿入および精算後のプリペイドカード5等の返却のためのプリペイドカード挿入/排出口531と、カードの残り度数と精算可能金額などが表示可能な液晶表示部512と、カードを精算する意志を指示する精算ボタン513と、カードの精算中止(取消)を指示する取消ボタン514と、精算紙幣を払い出す紙幣払出口533と、精算硬貨を払い出す硬貨払出口534とが備えられている。
かかる外観構造を有するカード精算機5の機能構成は図6に示す如くであり、図5に示した液晶表示部512、精算ボタン513、取消ボタン514の他、プリペイドカード挿入/排出口531から挿入されるプリペイドカード5等の磁気データ(カード番号、店コード、発行日時等の識別符号)の読取り処理等を行うプリペイドカード処理装置511、千円札収容部に補填された千円札を、精算時に該収納部から繰り出し、保留部に集積後、まとめて紙幣払出口533から払い出す紙幣処理装置515、硬貨ホッパに補填された100円硬貨を精算時に硬貨払出口534から払い出す硬貨処理装置516、精算履歴などが記録されたジャーナルを出力するジャーナルプリンタ517、店員がカード精算機50Aの各種制御条件等を簡易設定するために用いるハンディ端末機518、装置各部に電源を供給する電源部519、T/C10との間の残高問合せや残高応答等のための通信を行う通信I/F部520、装置全体の制御を行なう制御部525を具備して構成される。
制御部525には、プリペイドカード5等からプリペイドカード処理装置511により読み取られたカードIDに基づきT/C10に残高を問い合わせ、該問合せに対応してT/C10から応答送出される当該カードIDに対応する残高に本装置50Aの払出し可能な最小金額(例えば100円)に満たない端数があるか否かをチェックし、端数がありかつ端数調整精算が指示された場合には、該端数を予め設定された調整方法で調整して該端数のない残額を求める処理を行う残額調整処理部5253、残高に端数がない場合には当該残高に相当する現金を、また、端数が有りかつ端数調整精算が指示された場合には、端数調整後の残額に相当する現金を、それぞれ、紙幣処理装置515及び/または硬貨処理装置から出金する制御を行なう精算制御部5251が設けられる。
本実施例において、残額調整処理部5253は、プリペイドカード5等の残高に含まれる端数分を予め設定されている端数調整条件に従い、繰り上げ、繰り下げあるいは四捨五入等することにより端数調整(端数を無くす)を行なう処理機能を有するものである。
本実施例に係わるカード精算機50Aの構成(図6参照)において、上記残額調整処理部5253が図1に示した端数調整処理手段550に相当する。
一方、T/C10には、カード精算機50Aでのプリペイドカード5等の精算時に行う端数調整処理時の端数調整条件を設定する手段が設けられる。図2に示すブロック図中、制御部11内に設けられる端数調整条件設定処理部111が上記端数調整条件設定手段に相当する。
T/C10において、端数調整条件設定処理部111は、表示装置15に設定画面を表示したうえで入力装置15を用いて行われる設定操作に基づき、端数単位及び端数調整方法の入力を受付け、該入力された端数単位及び端数調整方法が指定された端数調整条件を例えばメモリ13内に保持する。
本実施例では、端数調整条件のうち、例えば、調整単位については、100円未満、500円未満、1000円未満等のいずれの金額を端数として扱うかを設定する。
その際、カード精算機50Aの払出し可能貨幣の最小単位と関連して上記調整単位を設定し、例えば、カード精算機50Aの払出し可能貨幣の最小単位が100円である場合には、100円未満を端数として扱う旨の設定を行う。
また、調整方法としては、カード精算機50Aの残額調整処理部5253における端数調整(端数の繰り上げ、繰り下げ、四捨五入等)機能に対応して、端数を繰り上げ、繰り下げ、あるいは四捨五入のうちのいずれかを行なうことを設定する。
ここで、調整方法として繰り上げを行なうことを設定すれば通常は遊技店側が損をすることになるが、既存の最小単位金額(100円)未満の額の現金(10円あるいは1円)を払い出す硬貨払出部が増設不要なことによるカード精算機50Aのコストメリットや、低額硬貨(10円や1円)の管理が不要になることによるメリットとの兼ね合いで選択することで必ずしも損を被らずに済む。
端数調整条件設定処理部111により設定され、メモリ13内に保持された端数調整条件(調整単位及び調整方法)は、その後、カード精算機50Aに送出され、例えば、制御部525内に保持される。
以後、カード精算機50Aでは、挿入されたプリペイドカード5等に対して、精算制御部5251と残額調整処理部5253とが協働して、制御部525に保持された端数調整条件を用いて図7に示すような端数調整処理動作を行なう。
図7に示すように、本実施例に係わるカード精算機50Aでは、待機中、プリペイドカード5等が挿入されたか否かを監視し(ステップS101)、プリペイドカード5等が挿入される(ステップS101YES)と、プリペイドカード処理装置511が該プリペイドカード5等からカードIDを読取り、精算制御部5251が、T/C10に対して、該読み取られた当該カードIDに対応する残高の問合せ行なう(ステップS102)。
一方、T/C10は、カード精算機50Aからの残額の問合せに対して、該カードIDに対応する残額をプリペイド管理テーブル131から検索し、該残額をカード精算機50Aに送出する。なお、会員カード6の精算が行なわれる場合、残額情報は会員管理テーブル133から検索し、送出される。
これに対して、カード精算機50Aは、上記ステップS102での残額問合せに対してT/C10から応答送出される残高(挿入中のプリペイドカード5等のカードIDに対応する残額)を受信すると、残額調整処理部5253が、事前にT/C10から受信して例えば制御部525内に保持している端数調整条件のうちの調整単位を参照し(ステップS103)、T/C10から受信した残額に、該調整単位未満の端数が存在するか否かを判定する(ステップS104)。
ここで、端数が存在しなければ(ステップS104NO)、精算制御部5251は、当該残額に相当する現金(紙幣及び/または硬貨)を紙幣処理装置515及び/または硬貨処理装置516から紙幣払出口533及び/または硬貨払出口534に投出することで精算金として出金する(ステップS141)。
これに対し、端数が存在すれば(ステップS104YES)、残額調整処理部5253は、上記端数調整条件中のうちの調整方法を参照し(ステップS105)、残高に含まれる端数を、設定されている方法で調整して精算する旨を遊技客に報知する(ステップS106)。
この報知は、例えば、上記端数を含むカード残額と、端数を含まないように調整した後の残額である精算額と、端数を調整した後の精算額での精算を希望する場合には精算ボタン513を押下することを指示する旨のメッセージ等から成る残額/精算額画面を液晶表示部512に表示することにより行なう。
この残額/精算額画面の表示中、所定期間を経過しても、精算開始指示操作としての精算ボタン513の押下がなされない場合(ステップS107NO)、残額調整処理部5253は、端数調整精算が拒否されたものと認識して精算処理を停止し、挿入中のプリペイドカード5等を遊技客に返却する(ステップS145)。
これに対して、残額/精算額画面の表示中、精算ボタン513が押下された場合(ステップS107YES)、残額調整処理部5253は、上記端数を上記調整方法に従って処理することにより端数の無い残高である精算額を算出し、該精算額に対応する紙幣及び/または硬貨を紙幣処理装置515及び/または硬貨処理装置516から紙幣払出口533及び/または硬貨払出口534に投出することで精算金を遊技客に払い出す(ステップS108)。
上記ステップS108あるいはS141で精算金を払い出した(出金した)後、精算制御部5251は、上記ステップS101で挿入されたカードが会員カード6であるか否かをチェックする(ステップS142)。
ここで、挿入カードが会員カード6である場合(ステップS142YES)は、当該会員カード6を返却(ステップS143)した後に処理を終了し、一方、挿入カードが会員カード6でない場合すなわちプリペイドカード5である場合(ステップS142NO)には、当該プリペイドカード5をカード精算機50Aの機内に回収(ステップS144)した後に処理を終了する。
図7におけるカード精算機50Aでの処理動作を踏まえ、以下、本実施例に係わるカード精算システムの具体的な処理動作について説明する。
図8は、実施例1に係わるカード精算システム全体のカード処理の流れを示す概念図である。尚、図8では、プリペイドカード5が利用される場合についてのみ記載しており、会員カード6の利用については省略している。
本実施例に係わるカード精算システムは、T/C10と、カード発行機20と、カード処理ユニット40と、カード精算機50AとをLAN70により通信可能に接続して構成される。
このシステムでは、例えば、遊技店の開店時刻前、T/C10において、入力装置14及び表示装置15を用いて端数調整条件設定処理部111の処理により端数単位と端数調整方法から成る端数調整条件を設定する。
本実施例では、例えば、図8に示すように、T/C10において、端数調整条件として「調整単位=100円未満」、「調整方法=繰り上げ」という端数調整条件が設定されているものとする。
T/C10において設定された端数調整条件は、カード精算機50Aに送出され、カード精算機50AはT/C10から受信した端数調整条件を、例えば、制御部525の所定記憶エリアに記憶する。
かかる運用準備が完了し、遊技店の開店時刻になると、以後、本システムでは、図8に示すようなプリペイドカード処理を行う。
まず、プリペイドカード5を購入しようとする遊技客がカード発行機20に対して現金を投入し、所定の購入金額に相当する金額ボタンを押下すると(ステップS11)、カード発行機20はT/C10に対して上記金額ボタンに対応する金額情報を含むカード登録依頼を送出する(ステップS12)。
T/C10では、カード発行機20からカード登録依頼を受信すると、プリペイド管理テーブル131にプリペイドカード5用のカードIDと、該カード登録依頼に含まれる金額情報に対応する金額に対応する発行額と残額(発行時は、発行額と一致)を新たに書き込んでカード登録処理を行い(ステップS13)、該カード登録処理が終了すると、登録が完了した旨を示すカード登録完了通知(新たに登録されたカードIDを含む)をカード発行機20に送信する(ステップS14)。
カード発行機20は、カード登録完了通知をT/C10から受信すると、該通知に含まれるカードID、あるいは発行店コード等の所定事項を磁気記録し、かつ発行店名、カードID、発行日、有効期限、発行金額等等の必要な情報を印字したプリペイドカード5を発行する(ステップS15)。
その後、プリペイドカード5を購入した遊技客が、カード処理ユニット40のカード挿入口に該プリペイドカード5を挿入し(ステップS16)、対応する遊技機45に設けられる遊技媒体(玉またはメダル)貸出用の貸出ボタン(この例では、玉貸ボタン)を押下すると(ステップS17)、玉投出機構が作動し、遊技機45の上皿へと予め遊技客により設定されている貸出単位(1回の貸出操作により貸し出される度数)分のパチンコ玉が投出される。
この玉貸出し処理に際し、カード処理ユニット40は、T/C10との交信を通じて、挿入中のプリペイドカード5に対応する残額の更新処理(ステップS18)を行う。
このカード更新処理において、カード処理ユニット40は、挿入中のプリペイドカード5からカードIDを読み取ると共に、上記貸出ボタンが押下される毎に、該読み取ったカードIDを含む残額更新要求をT/C10に送信する。
T/C10は、カード処理ユニット40から残額更新要求を受信すると、該要求中に含まれるカードIDをキーにプリペイドカード管理テーブル131を検索して該カードIDに対応する残額を認識し、該残額から1回当たりの貸出単位金額(例えば、100円)分と、該貸出単位金額に対する消費税金額(同、5円)分を減算することにより当該カードIDに対応する残額の更新を行なう。
カード処理ユニット40とT/C10間で、遊技機45の貸出ボタンが押下される毎に、上述した消費税分減額処理を含む残高更新処理(ステップS18)を実施する。
この残額更新処理によって、例えば、残額=10000円であるカードID=00298のプリペイドカード5を挿入後、貸出ボタンが61回押下された時点で、当該カードID=00298に対応する残額が3595〔10000−(105×61=6405)〕円に更新され、同様に、残額=5000円であるカードID=00300のプリペイドカードを挿入後、貸出ボタンが33回押下された時点で、当該カードID=00300に対応する残額が1535〔5000−(105×33=3465)〕円に更新される。
その後、遊技を終えた遊技客が遊技機45の返却ボタンを押下すると、カード処理ユニット40は、該操作をカード返却要求と認識し、挿入中のプリペイドカード5を遊技客に返却する(ステップS19)。
遊技終了によりプリペイドカード5を返却された遊技客が、その後、カード精算機50Aに当該プリペイドカード5を挿入すると(ステップS20)、カード精算機50Aは、該プリペイドカード5からカードIDを読取り、T/C10に対して当該カードIDに対応する残高の問合せ行なう(ステップS21)。
一方、T/C10は、カード精算機50Aからの残額の問合せに対して、該カードIDに対応する残額をプリペイド管理テーブル131から検索し、該残額をカード精算機50Aに送出する残額応答処理を行う(ステップS22)。
カード精算機50Aは、上記ステップS21での残額問合せに対してT/C10から応答送出される残高(挿入中のプリペイドカード5のカードIDに対応する残額)を受信すると、該残額を現金に精算する精算処理を行う。
この精算処理において、カード精算機50Aでは、残額調整処理部5253による図7のステップS103〜S106の処理を経て、液晶表示部512に残額/精算額画面を表示する(ステップS23)。
この例では、端数調整条件(調整単位=100円未満、調整方法=繰り上げ)の設定環境下で、例えば、カードID=00298のプリペイドカード5の精算時には、例えば、図9に示すように、100円未満の端数(=95円)を含むカード残額(=3595円)と、端数を含まないように調整(繰り上げ)した後の残額である精算額(=3600円)と、精算開始の指示を促すメッセージ“「精算」ボタンを押してください”を含む残額/精算額画面5121を表示し、当該表示中の精算額(=3600円)による端数調整精算を行うか否かの指示待ち状態に移行する。
この残額/精算額画面5121の表示中、精算ボタン513が押下されると(ステップS24)、カード精算機50Aは、残額調整処理部5253での図7のステップS108の処理によって、この時の端数(=95円)を設定されている調整方法(=繰り上げ)で処理して端数の無い精算額(=3600円)を算出し、該精算額に相当する現金(例えば、千円札3枚、100円硬貨6枚)を各々対応する紙幣処理装置515あるいは硬貨処理装置516から紙幣払出口533あるいは硬貨払出口534に精算金として出金する(ステップS25)。
同様に、カードID=00300のプリペイドカード5の精算時には、100円未満の端数(=35円)を含むカード残額(=1535円)と、端数を含まないように調整した後の残額である精算額(=1600円)を含む残額/精算額画面5121を表示し(ステップS23)、該残額/精算額画面5121の表示中、精算ボタン513が押下されると(ステップS24)、カード精算機50Aは、端数除去処理部5253での図7のステップS108の処理によって、この時の端数(=35円)を設定されている繰り上げ処理して端数の無い精算額(=1600円)を算出し、該精算額に相当する現金(例えば、千円札1枚、100円硬貨6枚)を精算金として出金する(ステップS25)。
本実施例でのより具体的な精算処理例を挙げると、図8の例では、「調整単位=100円未満、調整方法=繰り上げ」が端数調整条件として設定されている状況下において、例えば、カードID=00298のプリペイドカードが挿入された後、T/C10から、該プリペイドカード5の当該時点の残額=3595円の通知を受けると、該残額と、該残額から100円未満の端数(=95円)を繰り上げて算出した精算額(=3600円)を残額/精算額表示画面5121に表示し、この状態で精算ボタン513が押下されると、100円未満を繰り上げ処理して端数を調整した精算額=3600円を精算金として払い出す動作を行なう。
同様に、カードID=00300のプリペイドカード5が挿入された後、T/C10から、該プリペイドカード5の当該時点の残額=1535の通知を受けると、該残額と、該残額から100円未満の端数(=35円)を繰り上げて算出した精算額(=1600円)を残額/精算額表示画面5121に表示し、この状態で精算ボタン513が押下されると、100円未満を繰り上げ処理して端数をなくした精算額=1600円を精算金として払い出す制御を行なう。
このように、本実施例では、カード精算機50Aに、図1における端数調整処理手段550として、プリペイドカード5等の残高に含まれる端数分を繰り上げ、繰り下げあるいは四捨五入等により調整して端数の無い残額を算出する残額調整処理部5253を設けている。
この残額調整処理部5235の端数調整処理によれば、カード精算機50Aの払出し可能貨幣の最小金種未満の額を端数として調整するように設定することで、該最小金種未満の硬貨を扱う硬貨払出部を設ける必要がなく、カード精算機50Aのコストアップ並びに構造の複雑化を回避することができる。
また、カード精算機50A内に既存の最小金種未満の硬貨払出部を設ける必要性が無いことにより、当該最小金種未満の硬貨の補填や回収等のメンテナンス作業も当然不要となり、遊技店側の作業負担を軽減できる。
また、遊技客側からすれば、プリペイドカード5等の精算時に上記最小金種未満の硬貨(小銭)の受け取りを行なわずに済み、小銭を持ちたがらない遊技客に対するサービス向上も見込める。
なお、本実施例における上記の説明では、T/C10に端数調整条件設定手段(端数調整条件設定処理部111)を設け、該T/C10で設定した端数調整条件をカード精算機50Aが受取ってその後の端数調整処理に利用するようにしているが、端数調整条件設定手段は、システム内のどこに設けても良い。
例えば、端数調整条件設定手段をカード精算機50Aに設け、精算処理時には、端数を含む残額情報をそのままT/C10から受取った後、該カード精算機50A自らが、該端数調整処理手段により設定された端数調整条件を用いて端数調整処理を行う構成としても良い。
この点は、以下の各実施形態においても同様である。
第2の実施形態:
第2の実施形態では、カード精算機50における端数調整処理手段550(図1参照)として、精算対象のプリペイドカード5等の残高のうちの端数分または任意の額分(端数分を含む)を現金価値として特定の媒体に移動させる端数移動処理手段を用いる。
図10は、第2の実施形態に係わるカード精算機50Bの機能構成を示すブロック図である。
本実施形態のカード精算機50Bは、制御部525内に、プリペイドカード5等の残高のうちの端数分、または該端数を含む任意の額分の現金価値を特定の媒体に移動させる処理を行う端数移動処理部5255を設けると共に、更に、該端数移動処理部5255の処理により外部の媒体に端数を伝達する端数伝達部521を設けて構成される。
カード精算機50Bにおいて、端数移動処理部5255と、端数移動部521とが上述した端数調整処理手段(=端数移動手段)550に相当し、これら端数移動処理部5255及び端数移動部521以外の構成は、第1の実施形態におけるカード精算機50A(図6参照)と同等である。
本実施形態では、端数を伝達する媒体として、例えば、電子マネーとしての有価価値(金額情報)を記憶するICを搭載する電子マネーカード90やIC携帯電話端末95等の電子マネー媒体を用いる。
また、端数伝達部521(電子マネー媒体受付手段に相当)としては、端数伝達媒体である電子マネーカード90やIC携帯電話端末95の挿入(装着)を受け入れてこれら媒体中のICに端数残高に対応する電子マネーの価値情報を書き込むIC読取/書込装置(ICリーダ/ライタ)により構成される。
このカード精算機50Bは、後述する実施例2に係わるカード精算システム(図12参照)内に配置され、受け入れたプリペイドカード5等に対する精算処理を行う。
この精算処理に先立って、T/C10では、端数調整条件として、実施例1で述べた端数単位の他、プリペイドカード5等の残高に含まれる端数を電子マネーにより精算するか否かを指定するカード精算設定、電子マネー精算を受付ける媒体(キャリア)の種別、端数分以外にも任意の残額を電子マネーとして加算して受け入れるか否かを指定する電子マネー加算設定、電子マネーの加算精算を受け入れる場合の加算額の上限値(電子マネー加算上限値)等の端数調整方法を設定し、該設定された端数調整条件をカード精算機50Bに送信する。
カード精算機50Bは、T/C10から送出された端数調整条件を受信して例えば制御部525内に保持し、以後、該端数調整条件を参照して端数調整を含む精算処理を行う。
図11は、カード精算機50Bの精算処理動作を示すフローチャートである。
図11において、ステップS101a〜S106a、S141a〜S145aの各処理は、図7における実施例1のカード精算機50AでのステップS101〜S106、S141〜S145の各処理とそれぞれ同等である。ここでは、ステップS121以降の処理を主体に説明する。
図11において、カード精算機50Bでは、T/C10から受信した残額に基づき、ステップS104aで該残額に端数が存在すると判定した場合(ステップS104YES)、端数移動処理部5255は、予め保持している端数調整条件中のうちの調整方法(キャリア種別、電子マネー加算設定、電子マネー加算上限値等)を参照し(ステップS105a)、該端数を、設定されている方法で調整して精算する旨を遊技客に報知する(ステップS106a)。
この報知は、例えば、上記端数を含むカード残額、端数を含まないように調整した後の残額である精算額、端数に対応する電子マネーの金額、電子マネーを移動させる媒体(電子マネー媒体:キャリア)の装着を促すメッセージ、電子マネーの加算希望の場合には加算ボタンを押下することを指示する旨のメッセージ、端数に対応する電子マネー価値あるいは加算後の電子マネー価値による精算を希望する場合には精算ボタン513を押下することを指示する旨のメッセージ等から成る残額/精算額画面を液晶表示部512に表示することにより行なう。
この残額/精算額画面の表示中、所定期間を経過しても、キャリアが装着されない場合(ステップS121NO)、端数移動処理部5255は、端数移動精算が拒否されたものと認識して精算処理を停止し、挿入中のプリペイドカード5等を遊技客に返却する(ステップS145a)。
これに対して、残額/精算額画面の表示中、キャリアが装着された場合(ステップS121YES)、端数移動処理部5255は、端数に対応する電子マネー価値に対して、更に、任意の残額分に対応する電子マネー価値の加算操作(加算ボタン押下)がなされたか否かをチェックする(ステップS122)。
ここで、加算操作がなされない場合(ステップS122NO)、次に、端数移動処理部5255は、精算指示操作がなされたか否かをチェックする(ステップS124)。
これに対し、加算操作がなされた場合(ステップS122YES)、端数移動処理部5255は、該加算操作回数を保持(ステップS123)した後、ステップS124に進む。
ここで、精算指示操作が行われない(ステップS124NO)間は、上記ステップS122及びS123の処理を継続する。尚、いずれかの段階において取消ボタン514が押下されて、取消指示があった場合には、精算処理を停止し、プリペイドカード5等を返却する。
この間、精算指示操作がなされる(ステップS124YES)と、端数移動処理部5255は、端数分の電子マネー価値に、上記ステップS123にて保持した加算操作回数に対応する電子マネー価値を加算した額を、上記ステップS121で受け入れているキャリアに端数伝達部521を通じて移動させる処理(ステップS125)を行う。
この処理は、上記キャリアが電子マネーカード90である場合には、端数伝達部521であるICリーダ/ライタの挿入口に挿入されている当該電子マネーカード90内のIC部に対して該ICリーダ/ライタにより上記電子マネー価値(端数+加算額)を書き込むことにより行なう。
また、上記キャリアがIC携帯電話端末95である場合には、端数伝達部521であるICリーダ/ライタの装着部に装着されている当該IC携帯電話端末95に対して該ICリーダ/ライタにより上記電子マネー価値(端数+加算額)を書き込むことにより行なう。
上記電子マネー価値の移動(ステップS125)が完了すると、精算制御部5251は、カード残額から上記伝達した電子マネー価値分の額を減算した精算額を求め、該精算額に対応する紙幣及び/または硬貨を紙幣処理装置515及び/または硬貨処理装置516から紙幣払出口533及び/または硬貨払出口534に投出することで精算金として遊技客に払い出す(ステップS126)。
上記ステップS126あるいはS141aで精算金を払い出した(出金した)後、精算制御部5251は、上記ステップS101aで挿入されたカードが会員カード6であるか否かをチェックする(ステップS142a)。
ここで、挿入カードが会員カード6である場合(ステップS142aYES)は、当該会員カード6を返却(ステップS143a)した後に処理を終了し、一方、挿入カードが会員カード6でない場合すなわちプリペイドカード5である場合(ステップS142aNO)には、当該プリペイドカード5をカード精算機50Bの機内に回収(ステップS144a)した後に処理を終了する。
図11におけるカード精算機50Bでの処理動作を踏まえ、以下、本実施形態に係わる実施例(実施例2)について説明する。
図12は、実施例2に係わるカード精算システムの全体構成とカード処理の流れを示す概念図である。尚、図12では、プリペイドカード5が利用される場合についてのみ記載しており、会員カード6の利用については省略している。
本実施例に係わるカード精算システムは、T/C10と、カード発行機20と、カード処理ユニット40と、カード精算機50BとをLAN70により通信可能に接続して構成される。
このシステムにおけるカード処理のうち、ステップS11〜S22までの各処理は、実施例1に係わるシステム(図8参照)における同ステップ番号の各処理とそれぞれ同等であるため、この部分の詳細な説明は割愛する。
ここで、本実施例特有のステップS23以降の端数調整精算処理動作を主体に説明する。
なお、この精算処理を実施するに当たり、本システムでは、運用に先立ち(開店時刻前等)、T/C10の端数調整条件設定処理部111により、端数調整条件として、「カード精算設定=10円単位切捨て」,「電子マネー加算設定=ユーザ希望額加算」,「電子マネー加算上限(端数を除く)=1万円」が設定され、該設定された端数調整条件が予めカード精算機50Bに送信され、制御部525に保持されているものとする。
また、端数伝達用のキャリアとしては電子マネーカード90が用いられ、カード精算機50Bにおける端数伝達部521としては該電子マネーカード90に対応するICリーダ/ライタが用いられるものとする。
この他、図10には図示していない構成として、カード残額のうちの任意の金額を電子マネーとして加算することを指示するためのボタンとして、千円加算を指示する千円加算ボタンと、百円加算を指示する百円加算ボタンが設けれるものとする。
このシステムにおいて、カード精算機50Bは、ステップS21での残額問合せに対してT/C10から応答送出(ステップS22)される残高(挿入中のプリペイドカード5のカードIDに対応する残額)を受信すると、該残額を現金に精算する精算処理を行う。
この精算処理において、カード精算機50Bでは、端数移動処理部5255による図11のステップS103a〜S106aの処理を経て、液晶表示部512に残額/精算額画面を表示する(ステップS23)。
この例では、端数調整条件(調整単位=100円未満、調整方法=「電子マネー加算設定=ユーザ希望額加算」,「電子マネー加算上限(端数を除く)=1万円」)の設定環境下で、例えば、カードID=00298のプリペイドカード5の精算時には、例えば、図13に示すように、100円未満の端数(=95円)を含むカード残額(=3595円)と、端数分を除いた精算額(=3500円)と、端数分に相当する電子マネーの金額である電子マネー購入額(=95円)と、電子マネー移動精算を行なう場合の操作方法を示すメッセージ“100円未満は精算できませんが、電子マネーを購入できます。電子マネーキャリアを装着後、「精算」ボタンを押してください”と、電子マネーの加算を行なう場合の操作方法を示すメッセージ“ご希望の場合は、電子マネー購入額を加算できます、加算ボタンを希望回数押してください”とを含む残額/精算額画面5123を表示し、電子マネー移動あるいは電子マネー加算精算を行うか否かの指示待ち状態に移行する。
この残額/精算額画面5123の表示中、キャリアである例えば電子マネーカード90が装着され(ステップS26)、精算ボタン513が押下されると(ステップS27)〔図11におけるステップS121YES→S122NO→S124YESの流れに相当〕、カード精算機50Bは、T/C10と交信してプリペイドカード管理テーブル131内の当該プリペイドカード5のカードIDに対応する残額(=3595円)分を減算する残額減算処理を行い(ステップS28)、該減算処理の完了によりその旨の通知をT/C10から受信する。
その後は、端数移動処理部5255での図11におけるステップS125(加算額分無し)→S126の処理によって、この時の端数分(=95円)を電子マネー価値としてICリーダ/ライタにより電子マネーカード90に書き込むと共に、該端数分(=95円)をこの時のカード残額(=3595円)から減算することにより精算額(カード残額−端数分=3595円−95円=3500円)を求め、該精算額に相当する現金(例えば、千円札3枚、100円硬貨5枚)を各々対応する紙幣処理装置515あるいは硬貨処理装置516から紙幣払出口533あるいは硬貨払出口534に精算金として出金する処理(ステップS29:精算金出金&電子マネー加算)を行なう。
また、上記残額/精算額画面5123の表示中、キャリアである例えば電子マネーカード90が装着され(ステップS26)、電子マネー加算ボタン(千円加算ボタンあるいは100円加算ボタン)が所定回数押下され(ステップS26´)た後、精算ボタン513が押下されると(ステップS27)〔図11におけるステップS121YES→S122YES及びS123(複数回)→S124YESの流れに相当〕、カード精算機50Bは、T/C10と交信してプリペイドカード管理テーブル131内の当該プリペイドカード5のカードIDに対応する残額(=3595円)分を減算する残額減算処理を行い(ステップS28)、該減算処理の完了によりその旨の通知をT/C10から受信する。
その後は、端数移動処理部5255での図11におけるステップS125(加算額分有り)→S126の処理によって、まず、それまでに保持した電子マネー加算ボタンの押下回数に応じた加算額分と端数(95円)分を合計した電子マネー購入分〔端数分(=95円)+加算ボタンの押下回数×加算ボタンに対応付けられた加算額(千円または百円):例えば、百円加算ボタンが5回押下された場合は、(95+100×5=595円)を求めたうえで、該電子マネー購入分(595円)を電子マネー価値としてICリーダ/ライタにより電子マネーカード90に書き込むと共に、上記電子マネー購入分(=595円)をこの時のカード残額(=3595円)から減算することにより精算額(カード残額−電子マネー購入分(端数分含む)=3595円−595円=3000円)を求め、該精算額に相当する現金(例えば、千円札3枚)を対応する紙幣処理装置515から紙幣払出口533に精算金として出金する処理(ステップS29:精算金出金&電子マネー加算)を行なう。
同様に、カードID=00300のプリペイドカード5の挿入時にも、あるいは、電子マネーキャリアとしてIC携帯電話端末95が装着された場合にも、図12におけるステップS23→S26(→S26´)→S27からS29の処理を経て端数分を含む電子マネー移動精算処理を実現できる。
このように、第2の実施形態では、カード精算機50Bに、図1における端数調整処理手段550(図1参照)として、精算対象のプリペイドカード5等の残高のうちの端数分または任意額分(端数分を含む)の現金価値を特定の媒体(電子マネーカード90やIC携帯電話端末95等)に移動させる端数移動処理手段を設けたものである。
この端数移動処理手段によるプリペイド端数残高移動処理によれば、端数分を含めた任意の価値分が外部の媒体に移動され、残った価値分(端数を含まず)を精算額として払い出すため、端数単位を例えば本カード精算機50Bにおける払出し可能な最小金額(例えば、100円)未満に設定することにより、該最小金額未満の硬貨を扱う硬貨払出部を設ける必要がなく、実施例1と同等の作用効果が期待できる。
第3の実施形態:
第3の実施形態では、カード精算機50における端数調整処理手段550(図1参照)として、精算対象のプリペイドカード5等の残高のうちの端数分を現金価値とは異なる価値に変換し、該変換後の価値を特定の媒体に移動させる価値変換移動処理手段を用いる。
図14は、第3の実施形態に係わるカード精算機50Cの機能構成を示すブロック図である。
本実施形態のカード精算機50Cは、制御部525内に、プリペイドカード5等の残高のうちの端数分を現金価値以外の価値に変換して特定の媒体に移動させる処理を行う端数価値変換移動処理部5257を設けると共に、更に、該端数価値変換移動処理部5257の処理に基づく変換後の価値を外部の媒体に伝達する変換端数伝達部522を設けて構成される。
カード精算機50Cにおいて、端数価値変換移動処理部5257と、変換端数移動部522とが上述した端数調整処理手段(=端数価値変換移動手段)550を成しており、これら端数価値変換移動処理部5257及び変換端数移動部522以外の構成は、第1の実施形態におけるカード精算機50(図6参照)と同等である。
本実施形態において、端数価値変換移動手段による処理としては、プリペイドカード精算時に会員カード6も受け入れ、プリペイドカード5の残額に含まれる端数分を玉数に変換し、該端数分に相当する玉数を、例えば、T/C10の会員管理テーブル133内で管理される当該会員カード6のカードIDに対応する貯玉数に加算登録する貯玉処理が挙げられる。
この場合、カード精算機50Cにおける端数価値変換移動処理部5275及び変換端数移動部522は、それぞれ、貯玉処理部及び会員カード処理装置(会員カード6を受け入れてカードIDを読み取る機能を有する)により実現でき、端数変換後の価値(貯玉数)の移動先の媒体は会員管理テーブル131となる。
また、本実施形態において、端数価値変換移動手段による処理としては、プリペイドカード精算時、プリペイドカード5の残額に含まれる端数分を玉数に変換し、該端数分に相当する玉数を印字した玉数レシート(端数レシート)を発行する処理が挙げられる。
この場合、端数価値変換移動処理部5275及び変換端数移動部522は、それぞれ、レシート発行処理部及びレシート発行機により実現でき、端数変換後の価値(玉数)の移動先の媒体は端数レシートとなる。
このカード精算機50Cは、後述する実施例3に係わるカード精算システム(図15参照)、あるいは実施例4に係わるカード精算システム(図17参照)内に配置され、受け入れたプリペイドカード5に対する精算処理を行う。
以下、これら各実施例3,4について説明する。
図15は、実施例3に係わるカード精算システムの全体構成とカード処理の流れを示す概念図である。
本実施例に係わるカード精算システムは、T/C10と、カード発行機20と、カード処理ユニット40と、カード精算機50C−1とをLAN70により通信可能に接続して構成される。
ここで、カード精算機50C−1は、図14に示すカード精算機50Cにおいて、端数価値変換移動処理部5275としては貯玉または貯メダルの処理を行う貯遊技媒体処理部が設けられ、変換端数移動部522としては、会員カード6を受け入れてカードIDを読み取る会員カード処理装置が設けられる。
この他、カード精算機50C−1には、図14では示していない構成として、貯玉を行なうことを指示する貯玉ボタン、貯メダルを行なうことを指示する貯メダルボタンが設けられる。
また、本実施例のシステムでは、運用に先立ち、T/C10の端数調整条件設定処理部111により、端数調整条件として、端数として扱う金額の単位(端数単位)と端数調整方法を指定するカード精算設定に関しては、100円未満を貯玉するか切捨てることを意味する「カード精算設定:100円未満貯玉or切捨て」が設定され、かつ端数分について貯玉を自動的に行なうか否かを指定する会員自動貯玉設定に関しては、貯玉を行なうか貯メダルを行なうかを選択可能であることを意味する「会員自動貯玉設定=貯玉/貯メダル選択可」が設定され、該設定された端数調整条件が予めカード精算機50C−1に送信され、制御部525に保持されているものとする。
上記端数調整条件の設定によりカード精算機50C−1での精算処理準備が整った後、本実施例のシステムでは、図15のステップS11〜S23,S30〜S33の一連の流れのカード処理が実施される。
このシステムにおけるカード処理のうち、ステップS11〜S22までの各処理は、実施例1に係わるシステム(図8参照)における同ステップ番号の各処理とそれぞれ同等であるため、この部分の詳細な説明は割愛する。
ここでは、本実施例特有の、カード精算機50C−1における端数調整精算処理動作(ステップS30以降の処理動作)を主体に説明する。
このシステムにおいて、カード精算機50C−1は、ステップS21での残額問合せに対してT/C10から応答送出(ステップS22)される残高(挿入中のプリペイドカード5のカードIDに対応する残額)を受信すると、該残額を現金に精算する精算処理に移行する。
この精算処理において、カード精算機50C−1では、端数変換移動処理部(貯遊技媒体処理部)5257が液晶表示部512に残額/精算額画面を表示する(ステップS23)。
この例では、端数調整条件「カード精算設定:100円未満貯玉or切捨て」,「会員自動貯玉設定=貯玉/貯メダル選択可」の設定環境下で、例えば、カードID=00298のプリペイドカード5の精算時には、例えば、図16に示すように、100円未満の端数(=95円)を含むカード残額(=3595円)と、端数分を調整(貯玉(メダル)or切捨て)した後の残額である精算額(=3500円)と、上記端数分(=95円)を所定の金額/玉(メダル)数レート〔例えば、玉4円/個、メダル20円/枚の換算レート〕に基づき玉(メダル)数変換することにより得た貯玉(メダル)数〔=23個(3枚)〕と、端数分を貯玉(メダル)できる旨とその操作方法を示すメッセージ“100円未満は玉・メダルボタン押下後自動的に貯玉(貯メダル)行ないます。会員カード挿入後、玉・メダルボタンを押してください”と、非会員(一般の遊技客)に対する精算方法と操作の仕方を示すメッセージ“一般のお客様は切捨てとなります。「精算」ボタンを押してください”とを含む残額/精算額画面5125を表示し、端数貯玉(貯メダル)による精算を行うか否かの指示待ち状態に移行する。
この残額/精算額画面5125の表示中、会員カード6が挿入されないまま精算ボタン513が押下されると、カード精算機50C−1は、T/C10と交信してプリペイドカード管理テーブル131内の当該プリペイドカード5のカードIDに対応する残額(=3595円)を減算(抹消)すると共に、該残額(=3595円)から端数分(=95円)を減算した精算額(=3500円)を求め、該精算額(3500円)に相当する現金(例えば、千円札3枚、100円硬貨5枚)を各々対応する紙幣処理装置515あるいは硬貨処理装置516から紙幣払出口533あるいは硬貨払出口534に精算金として出金する処理を行なう。
これに対し、上記残額/精算額画面5125の表示中、会員カード6が装着され(ステップS30)、その後、例えば貯玉ボタンが押下される(ステップS31)と、カード精算機50C−1は、T/C10と交信してプリペイドカード管理テーブル131内の当該プリペイドカード5のカードIDに対応する残額(=3595円)分を減算する残額減算処理を行い、該減算処理の完了によりその旨の通知をT/C10から受信すると、上記会員カード6から読み取ったカードID(会員コード:例えば、A1023)と、上記端数分(=95円)を所定の金額/玉数レートに基づき玉数変換して得た玉数(貯玉数=23個)を含む貯玉要求をT/C10に送出し、該T/C10に、会員管理テーブル133内の当該会員カード6のカードID(会員コード:A1023)に対応する貯玉数に上記貯玉要求に含まれる玉数(貯玉数=23個)を加算登録する貯玉処理を行わせる(ステップS32:カード減額&貯玉処理)。
ステップS32でのカード減算&貯玉処理が終了すると、カード精算機50C−1は、当該ステップS32中の貯玉処理による貯玉数(=23個)に対応する端数分(=95円)をこの時のカード残額(=3595円)から減算することにより精算額(3595円−95円=3500円)を求め、該精算額に相当する現金(例えば、千円札3枚、100円硬貨5枚)を各々対応する紙幣処理装置515あるいは硬貨処理装置516から紙幣払出口533あるいは硬貨払出口534に精算金として出金し、該出金完了後、プリペイドカード5は回収し、会員カード6を返却する処理(ステップS33:精算金出金&会員カード返却)を行なう。
同様に、カードID=00300のプリペイドカード5の挿入時にも、例えば、カードID(会員コード:A5400)を受け入れることで、端数分(=35円)を当該会員コードに対応付けて会員管理テーブル133に貯玉し、かつ端数分を調整(切捨て)した精算額(=1500円)に対応する現金を出金するという精算処理が行える。
尚、会員カード6に価値付けしてプリペイドカードとして使用した遊技客(会員)が残額を精算する場合は、会員カード6をカード精算機50C−1に挿入すれば、端数分を除く残額が貨幣として払い出されるとともに、端数分が当該会員カード6に関連付けて貯玉されることになり、上述したようにプリペイドカード5を精算する場合に比べて、カード精算機50C−1にカードを挿入する手間が少なくて済むというメリットがある。
このように、本実施例では、プリペイドカード5の精算時に、会員カード6を受け入れてプリペイドカード5の残高を会員カード6から読み取った会員コードに対応付けて貯玉する機能を有するため、上記実施例1,2と同様、端数単位を例えば既存の最小精算金額(例えば、100円)未満に設定することにより、該最小精算金額未満の硬貨を扱う硬貨払出部を設ける必要がなく、カード精算機50のコストアップ並びに構造の複雑化を回避することができる。
なお、本実施例では、端数を玉数に変換して貯玉処理を行なうようにしているが、この他、端数を来店ポイント等に変換し、会員管理テーブル133の来店ポイントに加算登録する処理も行うことができる。
いずれの場合も、会員情報に関する端数分の加算処理であり、会員を優遇する結果、一般客の入会を促し、固定客を囲い込む効果が見込める。
図17は、実施例4に係わるカード精算システムの全体構成とカード処理の流れを示す概念図である。尚、図17では、プリペイドカード5が利用される場合についてのみ記載しており、会員カード6の利用については省略している。
本実施例に係わるカード精算システムは、T/C10と、カード発行機20と、カード処理ユニット40と、カード精算機50C−2とをLAN70により通信可能に接続して構成される。
ここで、カード精算機50C−2は、図14に示すカード精算機50Cにおいて、端数価値変換移動処理部5275としてはプリペイドカード5の残額に生じる端数分を玉数に変換して該玉数を印字した玉数レシート(端数レシート)56を発行する処理を行う端数レシート発行処理部が設けられ、変換端数移動部522としては、端数分から変換された玉数を印字した上記端数レシート56を発行する端数レシート発行部が設けられる。
また、本実施例のシステムでは、運用に先立ち、T/C10の端数調整条件設定処理部111により、端数調整条件として、レシート発行を行なう端数の金額を指定するレシート発行金額に関して100円未満を端数として扱って端数レシート56を発行することを意味する「レシート発行金額:100円未満」が設定され、端数分に対して自動的に貸出す(端数レシート56を発行する)遊技媒体を指定する自動貸出設定に関して、端数を玉数に自動変換することを意味する「自動貸出設定:玉貸固定(メダル無し)」が設定され、該設定された端数調整条件が予めカード精算機50C−2に送信され、制御部525に保持されているものとする。
上記端数調整条件の設定によりカード精算機50C−2での精算処理準備が整った後、本実施例のシステムでは、図17のステップS11〜S24,S35〜S37の一連の流れのカード処理が実施される。
このシステムにおけるカード処理のうち、ステップS11〜S24までの各処理は、実施例1に係わるシステム(図8参照)における同ステップ番号の各処理とそれぞれ同等であるため、この部分の詳細な説明は割愛する。
ここでは、本実施例特有の、カード精算機50C−2における端数調整精算処理動作(ステップS35以降の処理動作)を主体に説明する。
このシステムにおいて、カード精算機50C−2は、ステップS21での残額問合せに対してT/C10から応答送出(ステップS22)される残高(挿入中のプリペイドカード5のカードIDに対応する残額)を受信すると、該残額を現金に精算する精算処理に移行する。
この精算処理において、カード精算機50C−2では、端数変換移動処理部(端数レシート発行処理部)5257が液晶表示部512に残額/精算額画面を表示する(ステップS23)。
この例では、端数調整条件「レシート発行金額:100円未満」,「自動貸出設定:玉貸固定(メダル無し)」の設定環境下で、例えば、カードID=00298のプリペイドカード5の精算時には、例えば、図18に示すように、100円未満の端数(=95円)を含むカード残額(=3595円)と、端数分を調整(端数レシート56へ変換)した後の残額である精算額(=3500円)と、端数分(95円)に相当する玉数〔レシート交換数(=23個)〕と、端数分に対応する玉数(レシート交換数)を持つ端数レシート(玉数レシート)56の発行を受けられる旨と該端数レシート56の運用方法を示すメッセージ“100円未満の残額は自動的に玉数レシートを発行しますので、景品とお取替え下さい”を含む残額/精算額画面5127を表示し、端数を玉数レシートに変換する精算の開始指示待ち状態に移行する。
この残額/精算額画面5127の表示中、精算ボタン513が押下されると(ステップS24)、カード精算機50C−2は、T/C10と交信してプリペイドカード管理テーブル131内の当該プリペイドカード5のカードIDに対応する残額(=3595円)分を減算する残額減算処理を行い(ステップS35:カード減算)、該減算処理の完了によりその旨の通知をT/C10から受信する。
その後、カード精算機50C−2は、上記端数分(=95円)を所定の金額/玉数レート(例えば、玉4円/個、メダル20円/枚の換算レート)に基づき玉数変換して得た玉数(レシート交換数=23個)を含むレシート登録要求を景品管理装置80に送出し、該景品管理装置80に、該玉数分の端数レシート56の発行に関する認証情報を登録するレシート登録処理(ステップS36)を行わせる。
ここで、景品管理装置80は、例えば、図19(a)に示すデータ内容のレシート管理データベース(DB)811と、図19(b)に示すデータ内容の交換景品データベース(DB)813を有し、レシート管理DB811では、主として、図示しない玉計数機等により発行されるレシートの認証情報(発行日時、発行場所、玉数)を管理し、景品交換DB813では、各景品と、該各景品との交換に要する遊技媒体(玉あるいはメダル)数とを対応付けて管理している。
そして、上記ステップS36のレシート登録処理に際し、景品管理装置80は、カード精算機50C−2から上記レシート登録要求を受けると、該レシート登録要求に含まれるレシート交換数(=23個)と、発行場所(カード精算機01:50C−2の号機番号)と、発行日時(04/07/15 22:13)をレシートIDと対応付けてレシート管理DB811に登録し、端数レシート認証情報として管理する。
景品管理装置80での上記レシート登録処理が完了し、その旨の通知を受けたカード精算機50C−2では、上記ステップS36でのレシート登録要求時に景品管理装置80に送出したレシート交換数(=23個)に対応する端数分(=95円)をこの時のカード残額(=3595円)から減算することにより精算額(3595円−95円=3500円)を求め、該精算額に相当する現金(例えば、千円札3枚、100円硬貨5枚)を各々対応する紙幣処理装置515あるいは硬貨処理装置516から紙幣払出口533あるいは硬貨払出口534に精算金として出金する。
該出金完了後、投入されたカードがプリペイドカード5であれば機内に回収し、会員カード6であれば返却する処理を行うと共に、変換端数伝達部(端数レシート発行部)522にレシート発行を指示し、上記ステップS36でのレシート登録処理時に景品管理装置80に送出したレシート登録要求中に含まれるレシート交換数〔玉数:端数分(95円)に対応する玉数〕と、計数日時、計数機(この例では、カード精算機50C−2)の号機番号、レシートID(景品管理装置80から受取る)等の各情報をこれら各情報が記録されたバーコードと共に印字した端数レシート(玉数レシート)56を発行させる処理(ステップS37:精算金出金&レシート発行)を行う。
同様に、カードID=00300のプリペイドカード5の挿入時にも、端数分(=35円)を玉数に変換して該玉数を有する端数レシート56を発行させ、かつ端数を減額した精算額(=1500円)に対応する現金を出金するという精算処理が行える。
このように、本実施例では、プリペイドカード5の精算時、プリペイドカード5の残高に含まれる端数分を玉数に変換して該玉数を有する端数レシート56の発行を行なう機能を有するため、上記実施例1,2と同様、端数単位を例えば本カード精算機50C−2における既存の最小精算金額(例えば、100円)未満に設定することにより、該最小精算金額未満の硬貨を扱う硬貨払出部を設ける必要がなく、上記各実施例と同様の作用効果が見込める。
次に、上述した処理によりカード精算機50C−2により発行された端数レシート56の処理方法について説明する。
遊技客は、カード精算機50C−2により発行された端数レシート56を景品交換コーナーに持ち込み、該端数レシートを景品管理装置80で読み取らせることにより、景品と交換することができる。
図20は、本実施例に係わる景品交換装置80の機能構成を示すブロック図である。
図20に示すように、景品交換装置80は、後述のバーコードリーダ804により読み取った玉数や景品交換処理状況等を表示する機能と、表示された情報にタッチすることにより各種の選択指示等の入力機能を有するタッチパネルから成る表示/操作部801、客が景品を選択するために必要な上記読み取られた玉数等の情報を表示する客用表示部802、景品ボタン等を有し、店員が客から選択を告げられた景品の選択操作等を行う操作部803、玉数レシートからバーコード情報を読み取るバーコードリーダ804、レシート管理DB811や交換景品DB813(図18参照)を格納すると共に、その他各種情報を記憶する記憶部805、景品交換処理状況等に関するジャーナルを発行するジャーナル発行部806、T/C10やカード精算機50C−1等との通信を行う通信I/F部807、各部に電源を供給する電源部808、装置全体の制御を行なう制御部809を具備して構成される。
この景品管理装置80では、例えば、記憶部805に設けられる交換景品DB813内に例えば図19(b)に示すデータ内容を格納することにより交換景品管理を行なうと共に、レシート管理DB811内に例えば図19(a)に示すデータ内容を格納することにより、遊技店内各所に設置される計数機やカード精算機50C−2等により発行されたレシートの管理を行なう。
また、景品管理装置80では、客が持ち込んだレシート上に印字されたバーコードから該バーコードに記録された玉数や計数日時、号機番号、レシートID等の情報をバーコードリーダ804により読み取って玉数を表示/操作部801や客用表示部802に表示する。
この玉数の表示を見た遊技客が当該玉数内で交換可能な景品の選択を告げると店員が、当該景品を遊技客に渡すと共に、該選択された景品に対応する景品ボタンを押下することにより当該景品に対応する玉数の減算を行なって該減算結果により玉数の表示を更新するという処理動作を、最小景品の交換数に満たない玉数が残るまで続けることにより、遊技客による景品交換をサポートできる。
この景品管理装置80での上述した景品交換に用いるレシートしては、玉計数機での計数に基づいて発行された通常のレシートの他、カード精算機50C−2における図17のステップS37の処理により発行された端数レシート56も含まれる。
本実施例の景品管理装置80では、この端数レシート56についても、通常のレシートと同様、1枚の端数レシート毎にバーコードリーダ804によりバーコード情報を読取り、景品に交換する処理を受付け可能である。
これに加えて、本実施例の景品管理装置80では、端数レシート56に関しては、複数枚の読取りを順次行い、読み取った玉数を合算していき、該合算結果の玉数を用いて景品と交換する処理機能も有する。
尚、端数レシート56と、玉計数に基づいて発行された通常の計数レシートを続けて読み取らせ、玉数を合算することも可能である。このように、端数レシート56を、その他の端数レシート56や計数レシートと合算することにより、1枚では利用価値が低い玉数でしかない端数レシート56であっても、まとまった価値となり、有効な景品交換を行なうことができる。
図20に示す景品管理装置80の構成において、制御部809内に設けられるレシート合算処理部8091が上記合算処理を担う部分である。
図21は、景品管理装置80におけるレシート合算処理動作を示すフローチャートである。
図21に示すように、景品管理装置80では、バーコードリーダ804でレシートからバーコード情報を読み取った(ステップS201)後、該バーコード情報からレシートIDを抽出し(ステップS202)、該レシートIDをキーにレシート管理DB811を照合する(ステップS203)。
この照合においては、抽出したレシートIDに一致するレシートIDがレシート管理DB811に登録されているか否かが判定され(ステップS204)、登録されていない場合は処理を中断してその旨の警報を報知する(ステップS205)。
これに対して、レシートIDが登録されている場合(ステップS204YES)には、次に、当該レシートIDに対応する号機番号が計数機であるかカード精算機50C−2であるかによって当該レシートが端数レシート56であるか否かをチェックする(ステップS206)。
ここで、端数レシート56でない(通常レシート)場合(ステップS206NO)、当該レシートIDに対応する発行日時が通常レシートに対して予め設定されている精算期間(例えば、当日)を満足するか否かにより認証OKか否をチェックする(ステップS211)。
ここで、上記発行日時から上記設定期間を超えていることにより認証NGと判定された場合(ステップS211NO)は、処理を中断して警報を報知する(ステップS205)。
また、上記発行日時から上記設定期間内にあることにより認証OKと判定された場合(ステップS211YES)は、ステップS201で読み取ったバーコード情報中の玉数を表示/操作部801及び客用表示部802に表示し(ステップS212)、以後、景品交換処理(ステップS221)に進む。
これに対して、上記ステップS206において端数レシート56であると判定された場合(ステップS206YES)、レシート合算処理部8091は、当該レシートIDに対応する発行日時が端数レシート56に対して予め設定されている精算期間(通常レシートと異なる期間:例えば、1ヶ月)を満足するか否かにより認証OKか否かをチェックする(ステップS207)。
ここで、上記発行日時から上記設定期間を超えていることにより認証NGと判定された場合(ステップS207NO)は、処理を中断して警報を報知する(ステップS205)。
また、上記発行日時から上記設定期間内にあることにより認証OKと判定された場合(ステップS207YES)は、レシート合算処理部8091は、上記ステップS201で読み取ったバーコード情報中の玉数を現在の値(初期値は“0”)に合算する(ステップS208)。
引き続き、レシート合算処理部8091は、例えば所定の合算指示操作等があるか否かにより次の読取り対象レシートがあるか否かをチェックし(ステップS209)、次レシートがあれば(ステップS209YES)、該レシートを読取り、以後、ステップS201〜207の処理を続行する。
この間、レシート合算処理部8091は、所定の合算終了指示等があることにより次レシートがないと判定した場合(ステップS209NO)、それまでに上記ステップS208での合算処理で得られた合算値を表示/操作部801及び客用表示部802に表示し(ステップS210)、以後、当該合算値に基づく景品交換処理(ステップS221)に進む。
このように、景品管理装置80は、複数の端数レシート56を読取り、これら各レシート56の玉数を合算する処理機能を有するため、遊技客は、上述したカード精算機50C−2での端数レシートの発行によって例えば1円や10円等の硬貨を扱うことなくカード精算が行なえるというメリットが得られるのに加えて、更に、玉数が少ない多数の端数レシートを貯めて合算した玉数を用いて景品と交換できるため、端数レシートを無駄にすることがなくなる。
なお、景品交換装置80では、図21におけるステップS207とステップS211での認証処理において、それぞれ、通常レシートの交換期限と端数レシートの交換期限をチェックし、ステップS207で、通常レシートの交換期限が過ぎていると判断されれば(ステップS207NO)、該通常レシートの交換を禁止し、ステップS211で、端数レシートの交換期限が過ぎていると判断されれば(ステップS211NO)、該端数レシートの価値の合算処理を禁止するようにしている。
ここで、通常レシートの交換期限と端数レシートの交換期限は、例えば、景品管理装置80内で管理(設定)され、レシート管理DB811内の該当するレシートの発行日時から交換処理日までの期間が上記設定された交換期限と照合され、交換期限を越えているか否かが判定される。
ここで、通常レシートの交換期限と端数レシートの交換期限は異なり、端数レシートの交換期限(例えば、1週間)が通常レシートの交換期限(例えば、当日)よりも長く設定されている。これにより、通常レシートは例えば当日にしか交換できないが、端数レシートの交換処理は例えば1週間の間だけ交換可能であるというように、複数の端数レシートの価値合算処理機能を利用し易くすることができる。
なお、上述したカード精算機50C−2においては、カード残額に端数がある場合、該端数分(=95円)に相当する玉数(=23個)を記憶した端数レシート56を発行するようにしているが、その変形例としては、上記該端数分(=95円)に相当する玉数(=23個)ではなく、該端数分(=95円)の金額情報を記憶した端数レシート(金額レシート:便宜的に、57と呼称)を発行する機能構成としても良い。
この場合、当該変形例に係わるカード精算機(便宜的に、50C−3と呼称)は、図14におけるカード精算機50C−2の構成中、端数価値変換移動処理部5275としてはプリペイドカード5の残額に生じる端数分の金額情報を端数レシート57に記録するように指示する処理を行う端数レシート発行処理部を設け、変換端数移動部522としては、上記端数レシート発行処理部からのレシート発行指示に基づき、端数分の金額情報を記憶したバーコードが印字された端数レシート57(図17参照)を発行する端数レシート発行部を設けた構成で実現できる。
一方で、カード精算機50C−3により発行された端数レシート57を処理するためには、該カード精算機50C−3あるいは景品交換装置(便宜的に、80Cと呼称)に、カード残額中の端数分を移動させる別媒体である上記端数レシート57上のバーコード情報を読み取る別媒体読取手段(バーコードリーダ)と、該バーコードリーダにより読み取った複数枚の端数レシート57の各バーコード情報に含まれる金額情報を合算処理するレシート合算処理部を設ける。
そして、この変形例に係わるカード精算システム(カード精算機50C−3及び景品管理装置80Cを含む)の運用にあたっては、遊技客が上記端数レシート57を複数枚まとめて換金処理し易くするために、当該端数レシート57の交換期限(交換期限)を比較的長く(例えば、1週間程度)設定しておく。
そのうえで、例えば、景品管理装置80Cは、遊技客が持ち込んだ複数枚の端数レシート57をバーコードリーダで順次読み取り、該読み取られた各端数レシート57のバーコード情報中の金額情報を合算(但し、読み取った端数レシート57の交換期限をチェックし、交換期限内にある場合にのみ該当する金額情報を合算)し、該合算金額での景品交換処理を行う。
これにより、遊技客は、交換期限内にたまった複数の端数レシート57を景品交換コーナーに持ち込んで景品交換装置80Cで読取り、該複数枚の端数レシート57の合算金額分の景品と交換することができる。
また、カード精算機50C−3が上記バーコードリーダとレシート合算処理部を有する場合、該カード精算機50C−3は、遊技客が持ち込んだ複数枚の端数レシート57をバーコードリーダで順次読み取り、該読み取られた各端数レシート57のバーコード情報中の金額情報を合算し(但し、読み取った端数レシート57の交換期限をチェックし、交換期限内にある場合にのみ該当する金額情報を合算)、該合算金額分の現金を払い出す精算処理を行う。
これにより、遊技客は、交換期限内にたまった複数の端数レシート57をカード精算機50C−3に読み込ませて、該複数枚の端数レシート57の合算金額分の現金と交換(精算)することができる。
なお、カード精算機50C−3での上記精算処理に関しては、合算金額における端数(例えば、100円未満)は、再度、端数レシート57を発行するか、強制的に切捨てるといった運用が可能である。
この他、本発明は、上記し、且つ図面に示す実施例に限定することなく、その要旨を変更しない範囲内で適宜変形して実施できるものである。
上記各実施例では、カード発行機20で発行されたプリペイドカード5を、カード処理ユニット40で使用するようになっているが、カード処理ユニット40自体にプリペイドカード発行機能を持つ遊技システムに適用することも可能である。この場合、カード処理ユニット40に予め複数枚のプリペイドカードが装填されており、投入された貨幣の価値がプリペイドカードに価値付けされ、そのまま玉貸しに使用される。該カードに残額が残っている状態で遊技を終了する時には、プリペイドカードを返却(排出)させて、カード精算機において清算処理を行う。尚、このタイプの遊技システムでは、カード処理ユニットがカード発行機の役割を果たす為、専用のカード発行機は必ずしも必要ない。
また、上記各実施例では、カード精算機50(50A,50B,50C−1,50C−2,50C−3)によるプリペイドカード5等の残額精算は、千円札と100円硬貨で行われる例を挙げているが、設定により千円札と500円硬貨での払い出しも可能である。
この場合も、“最小金額単位500円未満の端数の処理を行って精算する”という端数調整条件を設定できることは言うまでもなく、100円硬貨払出装置を対象とした硬貨補充等のメンテナンス作業が軽減されると共に、遊技客側では100円以下の硬貨を取り扱う必要もなくなり、小銭の取り扱いを嫌う遊技客に対してのサービス向上を図ることができる。
また、上記実施例では、プリペイドカード5等の精算時の端数調整条件をT/C10側で設定するようにしているが、カード精算機50側で端数調整条件を設定するようにしても良い。
また、上記実施例では、端数調整処理機能に関して、端数を繰り上げ、繰り下げ、四捨五入するといった方法で残額を調整する第1の端数調整処理機能、端数分を他の媒体に移動させる第2の端数調整処理機能、端数分を現金以外の価値に変換して別媒体に移動させる第3の端数調整処理機能を別々に持つカード精算機の構成例を挙げているが、1つのカード精算機にこれら複数の端数調整処理機能のうちの少なく2つ以上を持たせ、どの機能により端数の調整を行なうかを例えば遊技客が選択して利用する構成とすることも可能である。
この場合には、第1〜第3の端数調整処理機能のうちの当該カード精算機に備わる少なくとも2つの端数調整処理機能の各々に対応する端数調整処理条件と該端数調整処理条件の選択を促すメッセージを含む端数調整処理条件選択画面を表示する画面表示手段と、該端数調整処理条件選択画面に表示されている端数調整処理条件の選択を受付ける端数調整処理条件受付手段を設け、遊技客が端数調整処理条件選択画面上で選択した端数調整処理条件を用いて、上記少なくとも2つの端数調整処理機能のうちの該当する処理機能により端数調整処理を行う構成としても良い。
更には、端数調整処理機能の選択を遊技店が行う構成としても良い。具体的には、システム導入時あるいは営業開始時に、管理装置10において設定する方法が考えられる。
また、上記実施例では、端数の調整方法を事前に設定しておき、カード精算機50でのプリペイドカード5等の精算時、設定されている端数調整方法で端数の調整を行なうようにしているが、これに限らず、端数調整方法(繰り上げ、繰り下げ、四捨五入等)の選択画面を表示し、該画面上で遊技客に端数調整方法を選択させ、該選択された端数調整方法で端数の調整を行うようにしても良い。
また、本発明のカード精算システムにおいては、プリペイドカード5のみならず、例えば、カード発行機20で価値付けを行なった会員カード6もカード精算機50での精算対象となるが、この場合において、プリペイドカード5については端数を自動的に切捨てる一方、会員カード6についてはまず繰り上げて精算しておき、この履歴を保持しておいて、後日、同一の会員カード6で精算する場合、以前の繰り上げ分を端数から調整するようにしても良い。
また、これとは逆に、会員カード6についてはまず繰り下げ精算を行なっておき、後日、同一の会員カード6で精算する場合、以前の繰り上げ分を端数に加算してから精算するようにしても良い。
また、プリペイドカード5及び会員カード6とも、現金による価値付け以外に、デビットカードによる価値付けを適用できることは言うまでもない。
また、上記実施例では、事前にプリペイドカード5等のカードを挿入しておいて該挿入中のカードのカードIDに対応する残額を減算していく処理方式について述べたが、本発明は、これに限らず、カードの有無にかかわらず現金を投入しておいて、精算や台移動を行なう際に初めてカードを挿入するような仕組みの玉貸機あるいはメダル貸機にも適用可能である。
また、本発明では、端数調整方法として、「繰り下げ」を設定した場合、切捨て(繰り下げ)られた残額は、募金や寄付金としてシステムに自動的に取り込み、遊技店へのカードシステム使用料の請求に合わせてセンタが回収し、取りまとめて寄付などを行うようにしても良い。
また、本発明のカード精算システムでは、プリペイドカード5等の精算時、端数をポイントに交換(購入)する処理、電子マネー媒体にチャージする処理、貯玉を行なう処理をサポートしているが、この場合において、残った端数だけでなく、遊技客が希望した分を加算することができる構成としても良い。
また、上記実施例では、管理装置10は、会員カード情報とプリペイドカード情報の両方を管理する構成を例示しているが、会員カード情報をシステムを統合的に管理する管理装置で管理する一方、プリペイドカード情報を管理する専用の管理装置(プリペイドカード管理装置)を設けた構成であっても良い。
本発明は、支払った金額分の有価価値残高を関連付けて発行され、該残高から貸出遊技媒体数に対応する価値が減算されて残額が更新される記録媒体の残高を現金に精算する記録媒体精算システムに適用可能であり、記録媒体の残額精算時、残高に任意の金額未満の端数がある場合には、該端数分を繰り上げまたは繰り下げる、あるいは別の媒体に移動させる等の端数調整処理を施して該端数のない精算額分の現金の払出しを行なうことにより、記録媒体精算装置における上記端数金額の金種の現金払出部の追加が不要になり、コストアップを回避できる。
本発明に係わる遊技システムの全体構成を示すブロック図。
管理装置の機能構成を示すブロック図。
管理装置が管理するプリペイドカード管理テーブルの構成を示す図。
管理装置が管理する会員管理テーブルの構成を示す図。
実施例1に係わるカード精算システムのカード精算機の正面外観構成図。
実施例1に係わるカード精算システムの機能構成を示すブロック図。
実施例1に係わるカード精算機の端数調整処理動作を示すフローチャート。
実施例1に係わるカード精算システムの全体構成とカード処理の流れを示す概念図。
実施例1に係わるカード精算機における残額/精算額画面の表示例を示す図。
第2の実施形態に係わるカード精算機の機能構成を示すブロック図。
第2の実施形態のカード精算機の端数調整処理動作を示すフローチャート。
実施例2に係わるカード精算システムの全体構成とカード処理の流れを示す概念図。
実施例2に係わるカード精算機における残額/精算額画面の表示例を示す図。
第3の実施形態に係わるカード精算機の機能構成を示すブロック図。
実施例3に係わるカード精算システムの全体構成とカード処理の流れを示す概念図。
実施例3に係わるカード精算機における残額/精算額画面の表示例を示す図。
実施例4に係わるカード精算システムの全体構成とカード処理の流れを示す概念図。
実施例4に係わるカード精算機における残額/精算額画面の表示例を示す図。
景品管理装置におけるレシート管理DBと交換景品DBの構成を示す図。
景品管理装置の機能構成を示すブロック図。
景品管理装置におけるレシート合算処理動作を示すフローチャート。
符号の説明
5…プリペイドカード、6…会員カード、10…管理装置(ターミナル・コントローラ:T/C)、11…制御部(CPU)、111…端数調整条件設定処理部、12…記憶装置、13…メモリ、131…プリペイドカード管理テーブル、133…会員管理テーブル、14…入力装置、15…表示装置、16…通信インタフェース(I/F)部、20…カード発行機、40…カード処理ユニット、45…遊技機、50,50A、50B、50C,50C−1,50C−2…カード精算機、51…本体部、52…扉体、511…プリペイドカード処理装置、512…液晶表示部、5121,5123,5125,5127…残額/精算額表示画面、513…精算ボタン、514…取消ボタン、515…紙幣処理装置、516…硬貨処理装置、517…ジャーナルプリンタ、518…ハンディ端末機、519…電源部、520…通信インタフェース(I/F)部、521…端数伝達部、522…変換端数伝達部、525…制御部、5251…精算制御部、5253…残額調整処理部、5255…端数移動処理部、5257…端数価値変換移動処理部、531…プリペイドカード挿入/排出口、533…紙幣払出口、534…硬貨払出口、535…キャリア受入部、56…端数レシート、60…島コントローラ、70…ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、80…景品管理装置、801…表示/操作部、802…客用表示部、803…操作部、804…バーコードリーダ、805…記憶部、806…ジャーナル発行部、807…通信インタフェース(I/F)部、809…制御部、8091…レシート合算処理部、811…レシート管理データベース(DB)、813…交換景品データベース(DB)、90…電子マネーカード、95…IC携帯電話端末