JP4679150B2 - 三環系化合物のエナンチオ選択的アルキル化 - Google Patents

三環系化合物のエナンチオ選択的アルキル化 Download PDF

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Description

(発明の背景)
本発明は、以下の式のキラル三環系化合物の調製において有用な中間体を調製するための、エナンチオ選択的プロセスを提供する:
Figure 0004679150
米国特許第5,760,232号、同第5,874,442号、同第5,719,148号、同第5,998,620号、および同第6,372,909号は、式Iの三環系化合物の調製のためのプロセス、およびファルネシルタンパク質トランスフェラーゼインヒビターのインヒビターとしてのその使用を開示する。米国特許第6,370,048号は、式Iの化合物の調製のための多工程プロセスを開示する。式Iのキラル三環系化合物について、より簡潔かつ効率的なプロセスの必要性が存在する。
(発明の要旨)
本発明はまた、以下の式VI:
Figure 0004679150
によって表される化合物を調製するエナンチオ選択的プロセスを提供し、
ここで、Rは、Hまたは保護基であり;
このプロセスは、以下の工程:
以下の式V:
Figure 0004679150
によって表される化合物を、不活性有機溶媒中で、以下の(i)、(ii)、および(iii)の各々の少なくとも約1当量と接触させ:
(i)以下の式XIによって表されるキラルアミノアルコールであって、
Figure 0004679150
ここで、Rは、アリール基、アルキルアリール基、アルコキシアリール基、アリールアリール基、ヘテロアリール基、または多環式アリール基、あるいは以下の式XII:
Figure 0004679150
であり、
ここで、式XIIにおいて、点線は任意の二重結合を表し、そしてRは、アルコキシ、アルコキシアルキオキシ、アリールオキシ、アリールアルコキシ、およびNRから選択され、ここで、RおよびRは、独立してアルキルまたはアリールであり、そしてRは必要に応じて1以上のアルコキシ基によって置換される、キラルアミノアルコール;
(ii)以下の式Xによって表される化合物であって、
Figure 0004679150
ここで、LGは、脱離基であり、そしてRは、Hまたは保護基である、化合物;
(iii)反応混合物を形成するための有機エーテルまたはアミン添加物、あるいはそれらの混合物であって、ここで、アミンは、アルキルアミン、アリールアミン、アルキルアリールアミン、またはアリールアルキルアミンである、混合物;
次いで、有機溶媒中でこの反応混合物に少なくとも1当量の非求核性の強塩基を添加し、そして必要に応じて、1当量の水またはC〜Cアルコールを添加して、式VIによって表される化合物を生成する工程を包含する。
本発明はまた、以下の式Vによって表される化合物の調製のためのプロセスを提供し、
Figure 0004679150
該プロセスは、以下の工程:
(1)以下の式IIAまたはIIB:
Figure 0004679150
によって表される化合物、あるいはIIAおよびIIBの混合物を、少なくとも水中の触媒量のアルカリヨウ化物もしくはヨウ素および臭化水素酸の存在下で、少なくとも約1当量の亜リン酸と接触させて、反応混合物を形成し、次いで、この反応混合物に、少なくとも約1当量の次亜リン酸を添加して、以下の式IIIAまたはIIIB:
Figure 0004679150
によって表される化合物、あるいは式IIIAおよびIIIBによって表される化合物の混合物を形成する工程;
(2)得られた式IIIAおよびIIIBによって表される化合物、または単一の異性体を、有機酸および低級アルカノールの存在下で、少なくとも約1当量の臭素と接触させて、以下の式IVAまたはIVB:
Figure 0004679150
によって表される化合物、あるいは式IVAおよびIVBによって表される化合物の混合物を形成する工程を包含する。
本発明はまた、以下の式Iによって表される化合物の調製のためのプロセスを提供し、
Figure 0004679150
このプロセスは、以下の式VI:
Figure 0004679150
によって表される化合物(ここで、Rは、Hである)を、有効量の水を含む水混和性の有機溶媒中の当量のシアン酸ナトリウム(NaOCN)と接触させて、式Iの化合物を形成する工程を包含する。
(発明の詳細な説明)
本明細書中で使用される場合、用語「アルキル」は、1〜6個の炭素原子を有する直鎖炭化水素鎖基または分岐炭化水素鎖基を意味する。
本明細書中で使用される場合、用語「ハロ」は、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードを意味する。
本明細書中で使用される場合、用語「アルコキシ」は、C〜Cアルコキシを意味し、メトキシおよびエトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシ、n−ペンチル、イソペンチル、sec−ペンチル、ならびにneo−ペンチルが挙げられ;メトキシおよびエトキシが好ましい。
本明細書中で使用される場合、用語「アリール」は、少なくとも1つの芳香環を有する炭素環式基をいう。代表的なアリール基としては、フェニルおよび1−ナフチルもしくは2−ナフチルが挙げられる。
本明細書中で使用される場合、用語「アリールオキシ」とは、AR−O−を有するアリール基をいい、ここで、ARは、アリールであり、そしてOは、二価の酸素である。代表的なアリールオキシ基としては、フェノキシ、および1−ナフトキシもしくは2−ナフトキシが挙げられる。
本明細書中で使用される場合、用語「アルキルアリール」とは、1〜5個のアルキル基を有するアリール基をいう。代表的なアルキルアリール基としては、2−メチルフェニル、3−メチルフェニルもしくは4−メチルフェニル、2−エチルフェニル、3−エチルフェニル、もしくは4−エチルフェニル、2,3−ジメチルフェニル、3,5−ジメチルフェニル、2,6−ジメチルフェニルおよび3,6−ジメチルフェニル、2,4,6−トリメチルフェニルが挙げられる。
本明細書中で使用される場合、用語「アリールアリール」とは、少なくとも1つのアリール基を有するアリール基をいう。代表的なアリールアリール基としては、ビフェニル、およびフェニル−置換ナフチル(例えば、3−フェニル[1−ナフチルもしくは2−ナフチル])が挙げられる。
本明細書中で使用される場合、用語「ヘテロアリール」とは、芳香環中に1以上のヘテロ原子を有するアリール基をいう。
ヘテロアリールは、O、S、またはNから独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、5もしくは6原子の環状芳香基または11〜12原子の二環式基を示し、環が、隣接する酸素および/または硫黄原子を含まないという条件で、このヘテロ原子は、炭素環式環構造を妨げ、そして十分な数の非局在化π電子を有して芳香特性を提供する。6員環のヘテロアリール環について、炭素原子は、R基、R10基またはR11基によって置換され得る。窒素原子は、N−オキシドを形成し得る。すべての位置異性体は、例えば、2−ピリジル、3−ピリジルおよび4−ピリジルが企図される。代表的な6員環のヘテロアリール基は、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、およびそれらのN−オキシドである。5員環については、フリル、チエニル、ピロリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリルおよびイソキサゾリルである。5員環のヘテロアリール環は、フリル、チエニル、ピロリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリルおよびイソキサゾリルである。1個のヘテロ原子を有する5員環の環は、2位または3位を介して連結され得;2個のヘテロ原子を有する5員環の環は、好ましくは4位を介して連結される。二環式基は、代表的に、上記で例として挙げられたヘテロアリール基(例えば、キノリル、フタラジニル、キナゾリニル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニルおよびインドリル)由来のベンゾ縮合環系である。
本明細書中で使用される場合、用語「多環式アリール基」とは、アントラセンのように2つより多い芳香環を有するアリール基をいう。
本明細書中で使用される場合、用語「ee」は、R鏡像異性体の量からS鏡像異性体の量を減算し、そしてR鏡像異性体の量とS鏡像異性体の量との合計で除算することによって得られる百分率を示す:
e.e.%=100×(R鏡像異性体−S鏡像異性体)/(R鏡像異性体+S鏡像異性体)。本発明のプロセスに従って生成される式Iの化合物は、98%を超えるeeを有する。すなわち、1%未満のS鏡像異性体を含む。
脱離基(「LG」)の非限定的な例としては、スルホネート(例えば、メシレート、トシレート、クロシレート(パラクロロトシレート)、およびブロシレート(パラブロモトシレート))、ホスフェート(例えば、ジエチルホスフェートのようなアルキルホスフェート)、ベンゾエート、およびハライドが挙げられる。好ましくは、脱離基(LG)は、スルホネートであり、より好ましくは、メシレートまたはトシレートであり、そして最も好ましくはメシレートである。
保護基は、ピペジン環の窒素原子を保護するのに適切な任意の基であり得る。保護基の非限定的な例としては、スルホネート、およびアシル基(例えば、tert−ブトキシカルボニル(t−Boc)
Figure 0004679150
Figure 0004679150
)が挙げられる。好ましくは、保護基は、アシル基であり、より好ましくは、tert−ブトキシカルボニル(t−Boc)である。
適切な非求核性の強塩基の例としては、リチウム塩基(例えば、リチウムジイソプロピルアミド(LDA)、リチウムN−ブチル,N−フェニルアミド、リチウムN−エチル,N−フェニルアミド、リチウム2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン、1−リチウム4−メチルピペラジド、1,4−ジリチウムピペラジド、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド)、ビス(トリメチルシリル)アミドナトリウム、ビス(トリメチルシリル)アミドカリウム、イソプロピルマグネシウムクロリド、フェニルリチウム、フェニルマグネシウムクロリド、リチウムジエチルアミド、およびtert−ブトキシドカリウムが挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、非求核性の強塩基は、リチウムジイソプロピルアミド(LDA)、リチウムN−ブチル,N−フェニルアミド、リチウムN−エチル,N−フェニルアミド、リチウムビス(トリメチルシリル)アミドであり、より好ましくは、非求核性の強塩基は、リチウムジイソプロピルアミドまたはリチウムN−エチル,N−フェニルアミド、リチウムビス(トリメチルシリル)アミドであり、最も好ましくは、非求核性の強塩基は、リチウムビス(トリメチルシリル)アミドおよびリチウムジイソプロピルアミドである。
用語「有機アミンまたはエーテル添加物」は、本明細書中で使用される場合、アルキルエーテル、アルキルアミン、またはアリールアミン、ならびにそれらの混合物を意味する。適切なアルキルエーテルの例としては、低級アルキルエーテル(例えば、ジイソプロピルエーテル、イソプロピルメチルエーテル、イソプロピルエチルエーテル、イソブチルメチルエーテル、イソブチルエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、およびtert−ブチルエチルエーテル)が挙げられるが、これらに限定されない。適切なアルキルアミンの例としては、モノアルキルアミン、ジアルキルアミン、およびトリアルキルアミン(例えば、イソプロピルアミン、イソブチルアミン、ジイソプロピルアミン、テトラメチルエチレンジアミン(「TMEDA」)、およびtert−ブチルアミン)が挙げられるが、これらに限定されない。適切なアリールアミンの例としては、アニリン、2,6−ジメチルアニリン、ならびに1−ナフチルアミンおよび2−ナフチルアミン、N−アルキルアニリン(例えば、N−エチルアニリン、N−イソプロピルアニリン、N−ブチルアニリン、N−アリールアニリン(例えば、N−フェニルアミン、N−ベンジルアミン、N−フェニル(1−ナフチルアミン)、およびN−フェニル(2−ナフチルアミン))、N,N−ジアルキルアニリン(例えば、メチルイソプロピルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、2−イソプロピルアニリン)が挙げられるが、これらに限定されない。2−イソプロピルアニリンまたはN−N−フェニル(1−ナフチルアミンもしくは2−ナフチルアミン)の使用が好ましく;2−イソプロピルアニリンの使用がより好ましい。
用語「キラル有機酸」は、本明細書中で使用される場合、N−アセチル−L−フェニルアラニン、N−α−(tert−ブトキシカルボニル)−L−アスパラギン、ジ−p−トルオイル−L−酒石酸、N−(tert−ブトキシカルボニル)−L−プロリン、(S)−(−)−2−ヒドロキシ−3,3−ジメチル酪酸、および(1R)−(+)−カンファン酸が挙げられるが、これらに限定されない。N−アセチル−L−フェニルアラニンまたはN−α−(tert−ブトキシカルボニル)−L−アスパラギンの使用が好ましく;N−α−(tert−ブトキシカルボニル)−L−アスパラギンの使用がより好ましい。
キラル有機酸は、式VIの化合物の酸付加塩を形成するために使用され、ここで、RはHである。このように形成された酸付加塩の、エタノール−水溶媒中での結晶化(米国特許第6,307,048号の実施例6を参照のこと)は、VI(ここで、RはHである)の鏡像異性過剰(「ee」)を、98%eeを超えるまで、好ましくは99%eeを超えるまで、より好ましくは99.5%eeを超えるまでさらに増強する。
化合物VIの酸付加塩を形成するために使用されるキラル有機酸の量は、約0.0当量〜約2.0当量であり、好ましくは、約0.5当量〜約1.4当量であり、より好ましくは、約0.5当量〜約1.2当量である。
キラルアミノアルコールは、以下の式XIによって表されるノルエフェドリンベースの誘導体である。
Figure 0004679150
式XIのキラルアミノアルコールは、米国特許第6,307,048号における調製実施例Aの手順によって調製され得る。式XIのキラルアミノアルコールの非限定的な例としては、3−メトキシベンジルノルエフェドリン、3,5−ジメトキシベンジルノルエフェドリン、3,4,5−トリメトキシベンジルノルエフェドリン、および2−メトキシ−1−ナフタレンノルエフェドリンが挙げられる。3,5−ジメトキシベンジルノルエフェドリン、3,4,5−トリメトキシベンジルノルエフェドリンが好ましい。3,4,5−トリメトキシベンジルノルエフェドリンであるXIが、より好ましい。
Figure 0004679150
または以下の式XIIによって表される化合物:
Figure 0004679150
ここで、点線は、任意の第2の結合を示し、Rは、アルコキシ、アルコキシアルキオキシ、アリールオキシ、アリールアルコキシまたはNRから選択され、ここで、RおよびRは、独立してアルキルまたはアリールであり、そしてRは、必要に応じて1以上のアルコキシ基で置換される。
用語「アルコキシ」は、C〜Cアルコキシを意味し、メトキシおよびエトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシおよびtert−ブトキシ、n−ペンチル、イソペンチル、sec−ペンチルおよびneo−ペンチルが挙げられ;メトキシおよびエトキシが好ましい。
用語「アルコキシアルキオキシ」は、C〜CアルコキシC〜Cアルコキシを意味し、エトキシメチルオキシおよびメトキシエチルオキシ;メトキシメチルオキシ、およびエトキシオキシエチルオキシが挙げられるが、これらに限定されず;メトキシメチルオキシおよびメトキシエチルオキシが好ましい。
用語「アリールアルコキシ」は、アリールC〜Cアルコキシを意味し、フェニルメトキシ(すなわち、ベンジル、1−ナフチルメトキシまたは2−ナフチルメトキシ、1−フェニルエトキシまたは2−フェニルエトキシ、2−[1−ナフチルもしくは2−ナフチル]エトキシ、1−[1−ナフチルもしくは2−ナフチル]エトキシ、3−フェニルプロポキシ、2−フェニルプロポキシ、または1−フェニルプロポキシ、3−[1−ナフチルもしくは2−ナフチル]プロポキシ、2−[1−ナフチルもしくは2−ナフチル]プロポキシ、または1−[1−ナフチルもしくは2−ナフチル]プロポキシ、4−フェニルブトキシ、3−フェニルブトキシ、2−フェニルブトキシ、または1−フェニルブトキシ、4−[1−ナフチルもしくは2−ナフチル]ブトキシ、3−[1−ナフチルもしくは2−ナフチル]ブトキシ、2−[1−ナフチルもしくは2−ナフチル]ブトキシ、または1−[1−ナフチルもしくは2−ナフチル]ブトキシ、5−[1−ナフチルもしくは2−ナフチル]ペンチル、4−[1−ナフチルもしくは2−ナフチル]ペンチル、3−[1−ナフチルもしくは2−ナフチル]ペンチル、2−[1−ナフチルもしくは2−ナフチル]ペンチル、または1−[1−ナフチルもしくは2−ナフチル]ペンチル、5−フェニルペンチル、4−フェニルペンチル、3−フェニルペンチル、2−フェニルペンチル、1−フェニルペンチル)が挙げられるが、これらに限定されず;ベンジル、2−フェニルエトキシが好ましい。
式XIIのキラルアミノアルコールの非限定的な例としては、キニーネ、およびキニーネ誘導体が挙げられる:
Figure 0004679150
好ましくは、式XIIにおけるRは、アルコキシである。キラルアミノアルコールは、最も好ましくは、式XIの化合物またはキニーネ(XIIA)、ヒドロキニーネ(XIIB)から選択され、
Figure 0004679150
キニーネ(XIIA)が、特に好ましい。
(エナンチオ選択的アルキル化工程)
Figure 0004679150
メシレートXを有する化合物Vの2つのベンジル位のエナンチオ選択的アルキル化は、米国特許第6,307,048号に開示されるプロセスよりもはるかに有効なプロセスである。本発明のアルキル化プロセスは、好ましくは、少なくとも1つの処理が、非求核性の強塩基、キラルアミノアルコール(例えば、XIまたはXII)の混合物、有機アミンもしくはエーテル添加物またはそれらの混合物、および不活性溶媒(好ましくは水またはC〜Cアルコール(例えば、エタノール)、最も好ましくは水を含む)中の式Xのピペリジン化合物を用いるように行われる。水またはC〜Cアルコールの当量は、使用される場合、好ましくは0.1〜3.0当量であり、より好ましくは0.5〜1.2当量であり、最も好ましくは0.5〜1.0当量であり得る。水またはC〜Cアルコールは、塩基、キラルアミノアルコールXIまたはXII、有機アミンもしくはエーテル添加物、およびピペリジン化合物Xの添加の前、または添加と同時に三環系化合物Vに添加されても、あるいはこれらの化合物のうちのいずれかまたはすべてが三環系出発化合物Vと接触された後に添加されてもよい。
特に好ましい実施形態において、以下の当量が使用される:
(a)約1.2〜1.4当量、好ましくは、約1.3当量の非求核性の強塩基を、以下の(i)、(ii)、(iii)および(iv)を含む溶液に添加し、その間、このように形成された反応混合物の温度は、約5℃〜約50℃、好ましくは約10℃〜約45℃、より好ましくは約15℃〜約25℃に維持される:
(i)1当量の式Vの化合物
(ii)約1.0〜約2.0当量、好ましくは約1.0〜約1.5当量、より好ましくは約1.1〜約1.3当量、最も好ましくは1.2当量の式Xの化合物、
(iii)約1.0〜約4.0当量、好ましくは約1.2〜約3.5当量、より好ましくは約1.3〜3.0当量のキラルアミノアルコールXIまたはXII、最も好ましくは約1.5〜約2.5当量のキラルアミノアルコールXIまたはXII、
(iv)少なくとも約1.0当量の有機アミンもしくはエーテル添加物、好ましくは、約1.0〜約4.0当量、好ましくは約1.2〜約3.0当量、好ましくは約1.5〜約2.5当量、最も好ましくは約1.5〜約2.0当量または2.0当量の有機アミンもしくはエーテル添加物、またはそれらの混合物;
(b)工程(a)に由来する混合物を、約0℃〜約10℃、好ましくは約0℃〜約5℃まで冷却し、そして約0.1〜3.0当量、好ましくは約0.5〜約1.2当量、最も好ましくは約0.5〜約1.0当量の水を添加する;
(c)温度を約0℃〜約10℃、好ましくは約0℃〜約8℃に維持しながら、さらに約0.9〜約1.1当量、好ましくは1.0の非求核性の強塩基を、工程(b)に由来する混合物に添加する;そして
(d)工程(c)に由来する混合物の温度を、約10℃〜約50℃、好ましくは約15〜約45℃、より好ましくは約15℃〜約40℃まで上昇させ、そして温度を約10℃〜約50℃、好ましくは約15℃〜約45℃、より好ましくは約15℃〜約40℃に維持しながら、さらに約1.0〜約1.5当量、好ましくは約1.1〜約1.4当量の非求核性の強塩基を添加する。
本発明のエネンチオ選択的アルキル化プロセスは、好ましくは、不活性有機溶媒中で行われる。適切な不活性有機溶媒としては、例えば、トルエン、ベンゼン、シクロヘキサン、テトラヒドロフラン、アニソール、クロロベンゼン、およびそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。トルエンおよびエチルベンゼンまたはこの2つの混合物が、好ましい溶媒である。混合物の場合において、トルエン 対 エチルベンゼンのv/v比は、1:5〜1:1の範囲であり、好ましくは1:2である。
式VIの化合物の調製のためのエナンチオ選択的アルキル化工程の好ましい実施形態において、キラルアミノアルコールはキニーネであり、非求核性のリチウム塩基はリチウムジイソプロピルアミド(LDA)(通常は、炭化水素溶媒(例えば、シクロヘキサンまたはエチルベンゼン)中のLDA−モノ(テトラヒドロフラン)複合体として)であり、有機アミンもしくはエーテル添加物は2−イソプロピルアニリン(約2当量)またはN−フェニル,N−ベンジルアミンとTMEDAとの3:1混合物であり、溶媒はトルエンであり、そして水はLDAの最初の添加後に添加され;さらに約2.0〜約3.0当量のLDA(LDA−THFとして)が2つの等しい部分で添加される。比較実施例8における表を参照のこと。2つの有機アミンまたは有機エーテル添加物の混合物、あるいは有機アミンと有機エーテル添加物との混合物が使用される場合、混合物中の添加物の比は、約1:4〜約4:1当量の範囲であり、好ましくは、約1:3〜約3:1当量の範囲である。
エナンチオ選択的アルキル化工程の好ましい実施形態において、1.0当量の化合物V、1.2当量の化合物X、2.1当量のキニーネ、および2.0当量の2−イソプロピルアニリンの混合物に、2.1当量のLDA−THF(エチルベンゼン中の1〜2モル濃度)0.7当量の水、および0.7当量のLDA−THFが連続して添加される。このように形成された反応混合物の温度は、15℃と40℃との間に調節され、そして第3の部分の1.3当量のLDA−THFが、4〜10時間かけて添加される。この好ましい方法から得られた式VIの化合物の遊離塩基のエナンチオ選択性は、78〜89%e.e.の範囲である。遊離塩基VIのエナンチオ選択性は、この遊離塩基VIを少なくとも1当量のキラル酸(例えば、N−α−t−Boc−L−アスパラギン、またはN−アセチル−L−フェニルアラニン)と接触させることによって形成される酸付加塩の結晶化によって、さらに高められ得る。
エナンチオ選択的アルキル化工程のより好ましい実施形態において、エチルベンゼン中の1.0当量のLDA−THFが、0.5当量のイソプロピルアニリンと予備混合される。1.0当量の化合物V、1.1当量の化合物X、および1.5当量のキニーネの混合物に、2.1当量のLDA−THF/2−イソプロピルアニリン塩基錯体、0.7当量の水、および0.7当量のLDA−THF/2−イソプロピルアニリン塩基錯体が連続的に添加される。この混合物の温度は、15℃〜40℃に調節され、そして第3の部分の1.3当量のLDA−THF/2−イソプロピルアニリン塩基錯体が、3〜10時間にわたって添加される。このより好ましい方法から得られた式VIの化合物の遊離塩基のee%は、88〜92%eeの範囲である。遊離塩基VIのエナンチオ選択性は、この遊離塩基VIを少なくとも1当量のキラル酸(例えば、N−α−t−Boc−L−アスパラギン、またはN−アセチル−L−フェニルアラニン)と接触させることによって形成される酸付加塩の結晶化によってさらに高められ得る。このLDA−THF/イソプロピルアニリン塩基錯体を使用するより好ましい方法は、より強い反応であり、不純物をより低く保つことにおけるより良い制御を提供し、そしてより少ない量の化合物X、および第3の添加におけるより少ない量のLDA−THF/イソプロピルアニリン塩基錯体を使用する。
本発明のプロセスは、キラルアミノアルコールが回収され得、そしてさらなる使用のために再利用され得るので、経済的である。例えば、反応がHPLCによって完了したと判断された後、その反応混合物は、水を添加することによってクエンチされ得、そしてキラルアミノアルコールを沈殿させるために、約0℃〜約5℃の温度で攪拌され、このキラルアミノアルコールが、濾過によって回収され得る。
(三重還元(triple reduction)および臭素化工程):
Figure 0004679150
本発明は、化合物II(通常は、異性体IIAとIIBとの混合物として)から化合物III(通常は異性体IIIAとIIIBとの混合物として)への変換のための、新規三重還元プロセスを提供する。三重還元とは、IIのニトロ基の対応するアミノ基への還元、ケトン基からヒドロキシへの還元、そしてヒドロキシからメチレン基への還元をいう。ニトロ基からアミノ基への還元のための、亜リン酸(HPO)、もしくは次亜リン酸(HPO)、またはこの2つの酸の組み合わせと、NAIとの使用は、報告されていない。芳香族ケトンの還元のためのこの組み合わせは、報告された方法(Tetrahedron Letters、2000、41、7817;J.Org.Chem.1993、58、7149)(これらの方法では、有害な元素のリンが、試薬として使用される)よりも優れている。
化合物IIから化合物IVへの変換のための、2つの代替的なプロセスが開発された。第1のプロセスは、ツーポット(two−pot)プロセスと称され、三重還元産物である化合物IIIが、異性体IIIAとIIIBとの混合物として単離され、そして臭素化反応が別々の工程で行われて、異性体(9−アミノ−異性体IVAおよび7−アミノ異性体IVB)の混合物として単離された化合物IVが得られる。第2のプロセスは、この2つの工程をワンポット(one−pot)反応に組み合わせて、III(通常は、異性体IIIAとIIIBとの混合物として)を単離することなく、II(通常は、異性体IIAとIIBとの混合物として)から直接化合物IV(異性体IVAとIVBとの混合物として)を生成した。化合物IIは、米国特許第6,307,048号に記載されるように調製された化合物XIIIのニトロ化によって調製された。
三重還元工程において、使用される亜リン酸の当量は、約2〜約8当量の範囲であり、好ましくは、3.5〜約4.5当量の範囲であった。
アルカリヨウ化物(例えば、NaIまたはKI、好ましくはNaI)、またはヨウ素の触媒量は、約0.01〜約4当量の範囲であり、好ましくは約0.05〜約0.15当量の範囲であった。アルカリヨウ化物の使用が好ましく;ヨウ化ナトリウム(NaI)の使用がより好ましい。
臭化水素酸の当量は、約6〜約32当量の範囲であり、好ましくは、約13〜約19当量の範囲であった。
次亜リン酸の当量は、約1〜約5当量の範囲であり、好ましくは、約2〜約3当量の範囲であった。
三重還元は、約50℃〜120℃の温度範囲、好ましくは、約10℃〜約110℃の温度範囲で行われる。
三重還元は、不活性雰囲気下、好ましくは、試薬の混合水性溶媒中の窒素下で行われる。
臭素化工程において、溶媒は、C〜CアルコールとC〜Cアルカン酸(alkananoic acid)との混合物、好ましくは、メタノールと酢酸の混合物、またはエタノールと酢酸との混合物である。
ツーポットプロセスにおいて、臭素の当量は、約1〜約5当量であり、好ましくは、約1.5〜約2.5当量、最も好ましくは、約1.0〜約1.05当量であった。
ワンポットプロセスにおいて、臭素の当量は、約1〜約5当量であり、好ましくは、約1.5〜約2.0当量、最も好ましくは、約1.8〜約2.5当量であった。
臭素化は、約0℃〜約40℃の温度範囲、好ましくは、約10℃〜約40℃の温度範囲で行われた。
(ニトロ化工程):
Figure 0004679150
XIIIのニトロ化は、主異性体である9−ニトロ異性体IIAと、副異性体である7−ニトロ異性体IIBとの混合物を提供する。このIIAとIIBとの混合物は、三重還元工程で使用された。
(脱アミノ化工程)
Figure 0004679150
化合物IV(異性体IVAとIVBとの混合物として)中のアミノ基は、亜硝酸ナトリウムの作用によって形成される亜硝酸と、硫酸とによって除去されて、ジアゾニウム塩を形成し、そしてそのジアゾニウム塩を次亜リン酸(HPO)によって処理して、化合物Vが形成される。
(尿素形成工程)
Figure 0004679150
イソシアン酸ナトリウムは、一般的に使用される尿素試薬よりも、化合物VIの尿素化のためにより良い試薬であることが見出された。この試薬は、より低い反応温度を必要とし、そして以前の工程において使用される尿素よりも良い不純物プロフィールを与える。尿素形成工程は、水混和性の有機溶媒(例えば、アセトニトリルまたはテトラヒドロフラン、好ましくは、約40〜60容積%の水を含むテトラヒドロフラン)の存在下で、約10℃〜約60℃の温度範囲にて行われた。
シアンナトリウム(NaOCN)の当量は、約1〜約6当量であり、好ましくは、約2.2〜約2.4当量あった。
炭酸ナトリウム(NaCO)の当量は、約0〜約1当量であり、好ましくは、約0.1〜約0.3当量であった。
粗生成物Iは、これを、テトラヒドロフラン:水(約6:1(v/v)の比)の混合物に添加して、懸濁液を形成させ、この懸濁液を容積Aの溶液が形成されるまで約60℃〜約65℃の範囲の温度まで加熱することによって精製された。このように形成された溶液は濾過され、そして約1当量の酢酸エチルが添加された。このように形成された溶液は、大気圧での蒸留によって濃縮された。約1当量の酢酸エチルが、この温有機溶液に添加され、そしてこのように形成された溶液は、大気圧での蒸留によって約容積Aに濃縮された。得られた溶液は、約20℃〜約25℃の温度まで約1時間かけて冷却され、そしてこの冷却溶液は、約20℃〜25℃の温度にて、さらに1時間攪拌された。得られた固体は、濾過によって回収され、(好ましくは、約55℃〜65℃にて真空オーブン中で)乾燥させて、実質的に化学的に純粋な形態(すなわち、3%未満の不純物、好ましくは、1%未満の不純物を含む)の化合物Iを生成した。
スキーム1は、本発明のプロセスの好ましい実施形態を示す。化合物I、II、III、およびIVは、通常は、各々の化合物の7−異性体と9−異性体との混合物として存在する。
(スキーム1)
Figure 0004679150
(実施例1)
(化合物III(異性体IIIAとIIIBとの混合物)の調製)
Figure 0004679150
機械的攪拌器、温度計およびコンデンサを備える1Lの三口フラスコに、窒素下で、50.0g(0.14mol)の化合物II(米国特許第6,307,048号の12列20行〜3列49行に記載される手順に従って調製した)、2.0gのヨウ化ナトリウム(13.3mol)、45.0gの亜リン酸(HPO)(0.55mol)を充填した。この混合物に、250mLの臭化水素酸(48%)および50mLの水を添加した。得られた懸濁液を、107〜110℃まで加熱し、そしてこの温度で4時間の間攪拌した。次いで、この反応混合物を、60℃まで冷却し、そして40mL(0.30mol)の次亜リン酸(HPO)(50%)を添加した。この反応混合物を、100〜110℃まで加熱し、そしてこの温度で6時間の間攪拌した。この反応混合物を、20℃まで冷却し、そして200mLの水酸化アンモニウムと100mLのメタノールとの溶液に、温度を30℃以下に保ちながら移した。水酸化アンモニウムを用いてpHを5.0に調節し、そしてこの懸濁液を室温で1時間攪拌した。固体を濾過し、そして50mLの水で洗浄した。固体を真空オーブン中で60℃にて20時間乾燥させて、46.9gのIIIを、約70:30比のIIA:IIB比(9異性体:7異性体)で、一対の異性体の混合物として、94%HPLC純度および99%収率で得た。
9−アミノ異性体、IIIA(主生成物):
Figure 0004679150
7−アミノ異性体、IIIB:
Figure 0004679150
(実施例2)
(化合物V(異性体IVAとIVBとの混合物)の調製)
Figure 0004679150
90mLのメタノールおよび30mLの酢酸中の、実施例1に由来する30.0gの化合物III(IIIAとIIIBとの混合物として)の懸濁液に、15mLの臭化水素酸(48%)を、温度を10〜20℃に保ちながら添加した。得られた溶液に、4.5mLの臭素(87.1mmol)を15℃と20℃との間の温度で徐々に添加した。この反応混合物を、室温で1時間攪拌し、次いで、150mLの水および60mLの水酸化アンモニウム中の6.0gのチオ硫酸ナトリウム五水和物の溶液に、10℃と20℃との間の温度で注いだ。得られた懸濁液を、40℃まで加熱し、そして温度を20℃まで戻しながら1時間攪拌した。固体を濾過し、30mLの水で洗浄し、真空オーブン中で60℃にて乾燥させて、33.3gの化合物IV(異性体IVAとIVBとの混合物として)を、94%のHPLC純度、および89.0%収率で得た。NMRについては、実施例3を参照のこと。
(実施例3)
(化合物IV(異性体の混合物として)の調製のためのワンポットプロセス)
Figure 0004679150
化合物II(実施例Iに由来する異性体IIAとIIBとの混合物として)の混合物(10g、27.2mmol)、亜リン酸(HPO)(9g、109.8mmol)、ヨウ化ナトリウム(0.4g、2.7mmol)、臭化水素酸(48%)(50mL)および水(10mL)を攪拌し、そして105℃で6時間加熱し、そして約100℃まで冷却した。次亜リン酸(HPO)(50%)(8mL、60.6mmol)を、この溶液に添加し、次いでこれを、反応がHPLCによって完了したと判断されるまで110℃で6時間加熱した。この溶液を、90℃まで冷却し、そして酢酸(20mL)およびエタノー(50mL)を添加し、そしてこの溶液を、15℃まで冷却し続けた。臭素(3.3mL、63.9mmol)を、15℃と20℃との間の温度にて、この混合物に滴下し、そしてこの混合物を、さらに1時間攪拌した。水酸化アンモニウム(25%)(60mL)を、温度が50℃以下に保たれる速度で、この混合物にゆっくりと添加した。水酸化アンモニウムを添加した後、この混合物を、50℃で1時間静置した。25℃まで冷却したのち、この混合物を濾過した。固体を回収し、50℃で水(150mL)中のスラリーとして処理し、再び濾過によって回収した。IVの収量は、10.3g(93%収率)である。
H−NMR(DMSO−d):主生成物(9−アミノ異性体IVA)
Figure 0004679150
副生成物(7−アミノ異性体IVB)
Figure 0004679150
(実施例4)
(脱アミノ化工程)
(化合物Vの調製)
Figure 0004679150
200mLの水中の化合物IV(実施例3に由来する異性体IVAとIVBとの混合物として)の100.0g混合物の、窒素流下で5℃と10℃との間の温度にて激しく攪拌した懸濁液に、内部温度を60℃と65℃との間に上昇させながら、300mLの98%硫酸溶液を添加した。得られた濃い茶色の溶液を、5℃と10℃との間まで冷却した。次亜リン酸(400mL、水中の50%HPO、3.85mol)を添加し、その後、温度を10℃と20℃との間に保ちながら、100mLの水中の亜硝酸ナトリウム(20.3g、0.286mol)の溶液を添加した。亜硝酸ナトリウムの添加後、1.25mLのAntifoam Bシリコン乳濁液(J.T.Baker)を添加した。この反応混合物を、20℃と25℃との間に温め、2時間静置し、40℃と45℃との間まで2時間の間さらに加熱、そして4時間静置した。反応完了の際に、得られたスラリーを、−5℃と5℃との間まで冷却し、6時間静置して濾過した。固体を200mLの30%硫酸水溶液で洗浄し、そして1%の水、1%の硫酸、および1.3%の次亜リン酸を含む1.5Lの脱酸素メタノール溶液中に溶解させた。得られた茶色の溶液に、10gの活性炭(Nuchar SN)を添加した。30分後、この混合物を、50と60℃との間で、0.5インチのセライトパッドを通して濾過した。濾液を、50℃と60℃との間まで加熱し、そしてトリエチルアミン(1.42mol)とメタノールとの2:1溶液(300mL)で、この溶液のpH値が(水湿式pH紙において)9より高くなるまでゆっくりと中和した。得られたスラリーを、1時間で0℃と5℃との間まで冷却し、2時間静置し、そして濾過した。この固体を、メタノールで洗浄し、真空下で60℃および65℃にて乾燥させ、そして73gの化合物V(8−クロロ−3,10−ジブロモ−5,6−ジヒドロ−11H−ベンゾ[5,6]シクロヘプタル−[1,2−b]ピリジン)を、薄黄色固体として82%収率で得た;融点163〜164℃。
Figure 0004679150
(実施例5)
(キラルアルキル化工程)
Figure 0004679150
エチルベンゼン(600mL)とトルエン(400mL)との混合物中の、キニーネ(175.0g、539.4mmol、2.1モル当量)、8−クロロ−3,10−ジブロモ−6,11−ジヒドロ−5H−ベンゾ[5,6]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−11−イル(化合物V、100.0g、258.1mmol、実施例4から得られた1.0モル当量)、および実施例4に由来する1−(N−[(tert−ブチルオキシ)カルボニル]−4−ピペリジニル)アセチル−4−メシルオキシ−ピペリジン(X、125.0g、309.0mmol、1.2モル当量)の混合物に、2−イソプロピルアニリン(73.1mL、70.8g、523.9mmol、2.0モル当量)を添加する。得られる懸濁液を脱気し、そして窒素で3回パージ(purge)して溶解したいかなる酸素も除去する。この混合物の温度を15℃と25℃との間に保ちながら、エチルベンゼン、シクロヘキサン、またはトルエンのいずれか中のリチウムジイソプロピルアミドモノ(テトラヒドロフラン)錯体を、1.0〜2,2モル濃度の濃度で、反応混合物が深赤色に変わるまで(代表的には、539.4mmol、2.1モル当量)ゆっくりと添加する。次いで、水(3.34mL、3.3g、185.8mmol、0.7モル当量)を添加し、そしてこの反応混合物を深赤色から黄橙色に変える。再び、反応混合物の温度を15℃と25℃との間で保ちながら、第2の部分のエチルベンゼン、シクロヘキサン、またはトルエンのいずれか中のリチウムジイソプロピルアミドモノ(テトラヒドロフラン)錯体の溶液を、1.0〜2,2モル濃度の濃度で、反応混合物が深赤色に戻るまで(代表的には、185.8mmol、0.7モル当量)ゆっくりと添加する。次いで、この混合物の温度を15℃と40℃との間に調節し、そして4〜10時間にわたって、第3の部分のエチルベンゼン、シクロヘキサン、またはトルエンのいずれか中のリチウムジイソプロピルアミドモノ(テトラヒドロフラン)錯体の溶液を、1.0〜2.5モル濃度の濃度で添加する(335.5mmol、1.3モル当量)。15℃と40℃との間でさらに1時間攪拌した後、この混合物を0℃と10℃との間まで冷却し、水(300mL)の添加によってクエンチし、そしてさらに4〜6時間攪拌して、キニーネを沈殿させる。濾過後、層を分離し、そして有機層をpHが2以下になるまで2N HClの一部で洗浄する。
15℃と25℃との間で温度を保ちながら、6N HCl(400mL)を、得られた有機層に添加する。1〜2時間攪拌した後、この混合物を水(300mL)希釈し、そして0℃と10℃との間まで冷却する。この層を分離し、そして生成物を含む酸性水層を、0℃と10℃との間で静置する。不要な有機層を水性重炭酸ナトリウムで中和し、廃棄する。
別個の反応容器で、新しいトルエン(100mL)および水性水酸化ナトリウム(450mLの25% w/v、または270mLの40% w/v)を混合する。次いで、酸性水性生成物層を、混合物温度を0℃と30℃との間で保ちながら、ゆっくりと添加する。最終混合物のpHが確かに13以上であることを確認した後、さらに1時間、この混合物を20℃と25℃との間に保つ。層を分離し、そして生成物を含む有機相を、希炭酸カリウム溶液(500mLの5% w/v)で洗浄し、分離する。この有機相を、真空下で濃縮して、約500mLにする。別個の反応容器で、N−α−t−Boc−L−アスパラギン(56.0g、241.2mmol、0.9モル当量)を、トルエン(582mL)とメチルアルコール(48mL)との混合物中に懸濁させる。このスラリーを、55℃と65℃との間で加熱する。濃縮生成物(VI)溶液(7〜20%)の一部を、30分間にわたって、温N−α−t−Boc−L−アスパラギンスラリーに移す。別個の反応容器で、トルエン(20mL)中の上記生成物のサンプルのスラリー(VI、N−α−t−Boc−L−アスパラギン)(1.8g、2.17mmol、0.008モル当量)を調製し、次いで、温N−α−t−Boc−L−アスパラギンスラリーに移す。濃縮生成物(VI)溶液(80〜93%)の残りを、生成物が混合物から結晶化する時間の間、2時間かけて、温度を55℃と65℃との間で保ちながら、結晶化混合物に添加する。その後、濃縮生成物(VI)溶液を、トルエン(50mL)でリンスする。この混合物を、55℃〜65℃でさらに30分間静置し、次いで、20℃と25℃の間まで1時間冷却する。生成物(VI、N−α−t−Boc−L−アスパラギン)を、濾過によって単離し、そしてトルエン(600mL)で洗浄する。乾燥後、代表的な収率は、98.0〜98.5%eeを伴って、75〜82%である。
Figure 0004679150
(実施例6)
(I(粗生成物)の調製)
Figure 0004679150
実施例5に由来するVI(N−α−t−Boc−L−アスパラギン塩)(10g、12.mmol)、NaOCN(1.8g、27.7mmol)、NaCO(0.3g、2.4mmol)、およびテトラヒドロフラン(THF)(40mL)の混合物に、20〜25℃で水(20mL)を加えた。得られた懸濁液を、40〜50℃で、反応が完了するまで4時間攪拌した。n−ブタノール(n−BuOH)(50mL)および水(50mL)を、この溶液に添加し、この混合物を、20℃〜25℃まで冷却した。この混合物を、10分間攪拌した。水層を分離し、そしてn−BuOH(30mL)で再抽出した。合わせた有機層を水で2回洗浄した。この有機層をDarcofr40℃で処理した。濾過後、この有機層を真空下で濃縮して30mLにし、そしてメチルt−ブチルエーテル(70mL)を添加し、そしてこの混合物を結晶化のために0℃〜5℃まで冷却した。固体を、濾過を通して回収し、そして乾燥させて、7.3gの粗生成物I(95%収率)得た。融点222〜223℃。
(実施例7)
(粗生成物Iの結晶化)
Figure 0004679150
機械的攪拌器、およびコンデンサを備える2Lのフラスコに、実施例6に由来する50.0gの粗生成物Iおよび250mLのテトラヒドロフランを充填する。攪拌しながら40mLの水を添加した。この懸濁液を、完全な溶液が得られるまで60℃〜65℃まで加熱した。この溶液を、50℃〜60℃で濾過し、そして25mLのテトラヒドロフランでリンスした。250mLの酢酸エチルを添加し、そしてこの溶液を常圧蒸留下で、250mLの容積まで濃縮した。200mLの酢酸エチルを添加し、この混合物を大気圧下で250mLの容積まで濃縮した。この混合物を、1時間にわたって20℃〜25℃まで冷却し、次いで、20℃〜25℃で1時間攪拌した。得られた固体を濾過し、25mLの酢酸エチルで乾燥させ、真空オーブン中で55℃〜65℃にて乾燥させて、48.0g(96%収率、99%以上の化学的純度、および98%ee以上)の化合物Iを得た。
Figure 0004679150
(比較実施例8)
米国特許第6,307,048号の実施例6の手順は、塩基が異なり、かつ以下の表に列挙される有機アミノまたはエーテル付加物がエナンチオ選択的アルキル化工程の間に添加されたことを除いて、以下である。1.0当量のV、1.2当量のX、2.1当量のキニーネおよび比較実施例8についての表に列挙された有機アミンもしくはエーテル付加物の混合物に、2.1当量のLDA−THF(エチルベンゼン中の1〜2モル濃度)、0.7当量の水、および0.7当量のLDA−THF(エチルベンゼン中の1〜2モル濃度)を連続的に添加した。温度を、15℃と40℃との間に調節した。式VIのt−Boc化合物を単離し、そして%ee値を測定した。酸付加物の量を1〜3当量まで変化させた。t−Boc保護基は、例えば、米国特許第6,307,048号の実施例6に記載されるような20%SOによる酸加水分解によって除去されて、遊離塩基(すなわち、式VIの化合物であって、Rは水素である)を形成し得た。遊離塩基のエナンチオ選択性(以下の表で報告される)は、式VIの化合物の遊離塩基を少なくとも1当量のキラル有機酸(例えば、N−α−t−Boc−アパラギン、またはN−アセチル−L−フェニルアラニン)と接触させることによって形成される酸付加物塩の結晶化によって、さらに高められ得る。
Figure 0004679150
(比較実施例8についての表)
Figure 0004679150
注釈:1.LDA=リチウムジイソプロピルアミド
2.TMEDA=テトラメチルエチレンジアミン
3.式VI(ここで、 はHである)の遊離塩基において測定されたee%
(実施例9)
(LDAモノ(テトラヒドロフラン)−2−イソプロピルアニリン塩基錯体を用いるエナンチオ選択的アルキル化)
Figure 0004679150
(LDAモノ(テトラヒドロフラン)−2−イソプロピルアニリン塩基錯体の調製)
LDA(トルエンもしくはシクロヘキサンまたはエチルベンゼン中の、1.0〜2.2molのリチウムジイソプロピルアミドモノ(テトラヒドロフラン)錯体)(2M濃度で169ml)の溶液に、0℃〜10℃で、2−イソプロピルアニリン(23.4ml、180mmol)を滴下した。添加の間、温度を、20〜25℃以下に制御した。この混合物を10分間攪拌した後、以下のアルキル化工程の準備を整える。
(アルキル化反応)
キニーネ(42.0g、129.5mmol、2.1モル当量)、8−クロロ−3,10−ジブロモ−6,11−ジヒドロ−5H−ベンゾ[5,6]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−11−イル(V,24.0g、61.9mmol、1.0モル当量)(化合物V)、および1−(N−[(tert−ブチルオキシ)カルボニル]−4−ピペリジニル)アセチル−4−メシルオキシ−ピペリジン(X、30.0g、74.2mmol、1.2モル当量)の混合物に、エチルベンゼン(144mL)およびトルエン(96mL)を添加する。得られた懸濁液を脱気し、そして窒素で3回パージして、溶解したいかなる酸素も除去する。この混合物の温度を15℃と25℃との間で保ちながら、上記で調製したLDA溶液の溶液を、この反応混合物が深赤色に変わるまで(74ml、2.1モル当量)ゆっくりと添加する。次いで、水(0.8mL、44.4mmol、0.7モル当量)を添加し、この反応混合物を深赤色から黄橙色に変える。再び、反応混合物の温度を15℃と25℃との間で保ちながら、上記で調製したLDAの第2の部分の溶液を、反応混合物が深赤色に戻るまで(24ml、0.7モル当量)添加する。次いで、この混合物の温度を、25℃と40℃との間に調節し、そして2〜10時間かけて、上記で調製したLDAの第3の部分の溶液を添加する(46ml、1.3モル当量)。15℃と40℃との間でさらに1時間攪拌した後、この混合物を0℃と10℃との間まで冷却し、水(75mL)の添加によってクエンチし、そしてさらに4〜6時間攪拌してキニーネを沈殿させる。濾過後、層を分離し、そして有機層をpHが2以下になるまで2N HClの一部で洗浄する。
温度を15℃と25℃との間で保ちながら、6N HCl(96mL)を、得られた有機層に添加する。1〜2時間の攪拌後、混合物を水(72mL)で希釈し、そして0℃と10℃との間まで冷却する。この層を分離し、生成物を含む酸性の水層を0℃と10℃との間で静置する。不要な有機層を、水性重炭酸ナトリウムで中和し、廃棄する。
別個の反応容器で、新しいトルエン(240mL)および水性水酸化ナトリウム(108mLの25% w/v、または65mLの40% w/v)を混合する。次いで、酸性水性生成物層を、混合物温度を0℃と30℃との間で保ちながら、ゆっくりと添加する。最終混合物のpHが確かに13以上であることを確認した後、さらに1時間、この混合物を20℃と25℃との間に保つ。層を分離し、そして生成物を含む有機相を、希炭酸カリウム溶液(120mLの5% w/v)で洗浄し、分離する。この有機相を、真空下で濃縮して、約120mLの濃縮生成物(VI)溶液にする。遊離塩基(VI)のサンプルを、濃縮生成物溶液から単離し、乾燥させる。塩形成前の遊離塩基(VI)の選択性は、84〜87%eeの範囲である。別個の反応容器で、N−α−t−Boc−L−アスパラギン(13.2g、57.9mmol、0.9モル当量)を、トルエン(155mL)とメチルアルコール(8.7mL)との混合物中に懸濁させる。このスラリーを、55℃と65℃との間で加熱する。濃縮生成物(VI)溶液(7〜20%)の一部を、30分間にわたって、温N−α−t−Boc−L−アスパラギンスラリーに移す。別個の反応容器で、トルエン(5mL)中の上記生成物のサンプルのスラリー(VI、N−α−t−Boc−L−アスパラギン)(0.4g、0.5mmol、0.008モル当量)を調製し、次いで、温N−α−t−Boc−L−アスパラギンスラリーに移す。濃縮生成物(VI)溶液(80〜93%)の残りを、生成物が混合物から結晶化する時間の間、2時間かけて、温度を55℃と65℃との間で保ちながら、結晶化混合物に添加する。その後、濃縮生成物(VI)溶液を、トルエン(12mL)でリンスする。この混合物を、55℃〜65℃でさらに30分間静置し、次いで、20℃と25℃の間まで1時間冷却する。生成物(VI、N−α−t−Boc−L−アスパラギン)を、濾過によって単離し、そしてトルエン(144mL)で洗浄する。乾燥後、代表的な収率は、8.0〜99.5%eeを伴って、75〜82%である。
Figure 0004679150

Claims (14)

  1. 以下の式VI:
    Figure 0004679150
    によって表される化合物を製造するエナンチオ選択的方法であって、
    ここで、Rは、Hまたは保護基であり;
    該方法は、以下の工程:
    以下の式V:
    Figure 0004679150
    によって表される化合物を、不活性有機溶媒中で、以下の(i)、(ii)、および(iii):
    (i)以下の式XIによって表されるキラルアミノアルコールであって、
    Figure 0004679150
    ここで、Rは、アリール基、アルキルアリール基、アルコキシアリール基、アリールアリール基、ヘテロアリール基、または多環式アリール基、あるいは以下の式XII:
    Figure 0004679150
    であり、
    ここで、式VIIにおいて、点線は任意の二重結合を表し、そしてRは、アルコキシ、アルコキシアルキオキシ、アリールオキシ、アリールアルコキシ、およびNRから選択され、ここで、RおよびRは、独立してアルキルまたはアリールである、キラルアミノアルコール;
    (ii)以下の式Xによって表される化合物であって、
    Figure 0004679150
    ここで、LGは、脱離基であり、そしてRは、Hまたは保護基である、化合物;
    (iii)有機添物であって、アルキルエーテル、アルキルアミン、アリールアミンまたはそれらの混合物である、有機添加物
    の各々の少なくとも1当量と接触させ、反応混合物を形成し、
    次いで、有機溶媒中で該反応混合物に少なくとも1当量の非求核性の強塩基を添加して、式VIによって表される該化合物を生成する工程、
    を包含する、
    式VIによって表される化合物の製造方法。
  2. 前記非求核性の強塩基が、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムN−ブチル−N−フェニルアミド、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド、およびリチウムN−エチル,N−フェニルアミドから選択されるリチウム塩基である、請求項1に記載の方法。
  3. 記反応混合物に1当量の水またはC〜Cアルコールが添加される、請求項1に記載の方法。
  4. が1以上のアルコキシ基によって置換される、請求項1に記載の方法。
  5. 前記有機添加物が、2−イソプロピルアミン、テトラメチルエチレンジアミン(「TMEDA」)、N−エチルアニリン、N−フェニル,N−ベンジルアミン、N−フェニル,1−ナフチルアミン、N−フェニル,2−ナフチルアミン、またはそれらの混合物である、請求項1に記載の方法。
  6. 活性雰囲気下で行われる、請求項1に記載の方法。
  7. 式Vによって表される化合物、前記キラルアミノアルコール、式Xによって表される化合物、前記有機添加物、および前記非求核性の強塩基を含む前記反応混合物に、水が添加される、請求項1に記載の方法。
  8. 請求項1に記載の方法であって、該方法は、0.7〜1.2当量の各々の式Vによって表される化合物、1.0〜2.5当量の前記キラルアミノアルコール、式Xによって表される化合物、1.0〜3.0当量の前記有機添加物を含む前記反応混合物であって、ここで、0.9〜1.1当量の前記非求核性の強塩基を添加される、反応混合物に、0.5〜1.2当量の水を添加する工程をさらに包含する、方法。
  9. 請求項8に記載の方法であって、該方法は、さらに1.8〜2.4当量の前記非求核性の強塩基を、2回に分けて添加する工程をさらに包含する、方法。
  10. 前記キラルアミノアルコールが、キニーネ、または式XIIのキニーネ誘導体である、請求項1に記載の方法。
  11. 請求項1に記載の方法であって、該方法は、以下の工程:
    式VIの化合物(ここで、Rは保護基である)を、式VIの化合物(ここで、RはHである)を含む反応混合物を生成するのに十分な酸性水溶液で処理し、そして該反応混合物に少なくとも1当量のキラル有機酸を添加して、酸付加塩を形成し、次いで、該酸付加塩を単離し、そして得られた単離された酸付加塩を溶媒中の十分な塩基と接触させて、
    式VIの化合物(ここで、RはHである)を形成する工程、
    をさらに包含する、方法。
  12. 前記キラル有機酸が、N−α−(tert−ブトキシカルボニル)−L−アスパラギン、ジ−p−トルオイル−L−酒石酸、N−(tert−ブトキシ−カルボニル)−L−プロリン、(S)−(−)−2−ヒドロキシ−3,3−ジメチル酪酸、N−アセチル−L−フェニルアラニンまたは(1R)−(+)−カンファン酸である、請求項11に記載の方法。
  13. 前記キラルアミノアルコールが、キニーネである、請求項1に記載の方法。
  14. 式Xによって表される化合物において、LGがメシレートであり、そしてRが、t−ブトキシカルボニルである、請求項1に記載の方法。
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