JP4679087B2 - 透明面状発熱体及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、透明面状発熱体及びその製造方法に関し、特に液晶素子用の透明面状発熱体及びその製造方法に関する。
近年、液晶表示素子の需要が大きくなっているが、寒冷地で使用した場合に液晶の動作が遅くなる等の問題があり、液晶表示素子にも温度制御用の透明面状ヒーターを備えることの必要性が高まってきている。
従来、寒冷地などの条件下で使用される液晶表示素子としては、例えば、特許文献1には、透明基板上に設けられた銀、銅、インジウムスズオキシド(ITO)等の透明導電膜を発熱面として使用し、該透明導電膜に通電するための一対の金属電極を備えた透明面状ヒーターが報告されている。
しかしこの方法では、液晶素子全体を均一に加熱することは必ずしも容易でなく、厚みが増すとヘイズや反射も増えてしまう透明導電膜からなる発熱抵抗体を用いた場合には、液晶表示を見る際の邪魔になったりする。また、透明性を確保できる薄い厚みでは、シート抵抗値が大きいため流れる電流量が少なくなり発熱の立ち上がりが遅い場合がある。さらに、スパッタリング法、蒸着法等を用いた場合は、製造コストが高くなってしまう。
また、特許文献2には、有機銀化合物等の溶液を基板状に噴霧塗布して微細網目構造膜を形成し、これに放射線照射することにより還元して銀を析出させて銀の微細網目構造を有する透明導電膜が得られ、これが透明面状発熱体として用い得ることが記載されている。
しかし、この方法では、紫外線等の照射で銀を還元するが、安定再現性に問題がある。
従って、視認性が高く、導電部の抵抗値が低くかつ均一な発熱が可能である高品位の透明面状発熱体を、より簡便に製造する方法が望まれている。
特開平9−306647号公報 特開平10−312715号公報
本発明は、視認性が高く、導電部の抵抗値が低くかつ均一な発熱が可能である高品位の透明面状発熱体を、簡便かつ安価に製造する方法を提供することを主な目的とする。
本発明者は、上記の課題を解決するため、簡便なスクリーン印刷法を用いて透明性樹脂基材へ導電性幾何学パターンを形成する方法について鋭意研究を行った。その結果、該透明性樹脂基材の少なくとも一面に透明多孔質層を設け、該透明多孔質層面に銀化合物を含む導電性ペーストを幾何学パターンにスクリーン印刷した場合、断線や線太りがほとんどない良好なパターンを形成できることを見出した。このパターン形成された透明性樹脂基材を加熱処理(焼成)することにより、該透明多孔質層面に導電性幾何学パターンを形成することができ、上記の目的を達成し得る高品位の透明面状発熱体を製造できることを見出した。かかる知見に基づき、さらに検討を重ねて本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、以下の透明面状発熱体及びその製造方法を提供する。
項1.透明性樹脂基材の少なくとも一面に導電性幾何学パターンを有する透明面状発熱体の製造方法であって、該透明性樹脂基材の少なくとも一面に設けられた透明多孔質層面に、銀化合物を含む導電性ペーストを幾何学パターンにスクリーン印刷した後、該スクリーン印刷された透明性樹脂基材を加熱処理して該透明多孔質層面に導電性幾何学パターンを形成し、該導電性幾何学パターンに一対以上の電極を設けることを特徴とする透明面状発熱体の製造方法。
項2.前記透明多孔質層が、酸化物セラミックス、非酸化物セラミックス及び金属からなる群から選ばれる少なくとも1種を主成分として含有し、かつ、前記導電性ペーストが、粒子状酸化銀、三級脂肪酸銀及び溶媒を含む導電性ペーストである項1に記載の製造方法。
項3.前記透明多孔質層が、シリカ、チタニア及びアルミナからなる群から選ばれる少なくとも1種を主成分とする微粒子の集合体からなり、該微粒子間に細孔を有するものである項2に記載の製造方法。
項4.前記微粒子の平均粒子径が10〜100nm程度であり、前記細孔径が10〜100nm程度である項3に記載の製造方法。
項5.前記透明多孔質層の厚みが0.05〜20μm程度である項2に記載の製造方法。
項6.前記導電性ペーストが、平均粒子径2μm以下の粒子状酸化銀、総炭素数が5〜30の三級脂肪酸の銀塩、並びに芳香族炭化水素、エチレングリコールのエーテルエステル類、プロピレングリコールのエーテルエステル類及びテルピネオールからなる群から選ばれる少なくとも1種を主成分とする溶媒を含む導電性ペーストである項2に記載の製造方法。
項7.前記透明性樹脂基材が、導電性幾何学パターンが形成される面と反対面に、ハードコート層を有している項1〜6のいずれかに記載の製造方法。
項8.前記透明性樹脂基材が、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸エステル樹脂、シリコーン樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、ポリアリレート樹脂、及びポリエーテルスルホン樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種である項1〜7のいずれかに記載の製造方法。
項9.前記加熱処理の温度が150〜200℃程度である項1〜8のいずれかに記載の製造方法。
項10.項1〜9のいずれかに記載の製造方法により製造される透明面状発熱体。
項11.透明性樹脂基材の少なくとも一面に導電性幾何学パターンを有する透明面状発熱体であって、該透明性樹脂基材に設けられた透明多孔質層面に、銀を主成分とする導電性幾何学パターンを有し、該導電性幾何学パターンに一対以上の電極を備えた透明面状発熱体。
項12.前記導電性幾何学パターンの線幅が10〜30μm程度であり、開口率が80〜95%程度であり、全光線透過率が68〜91%であり、ヘイズ値が0.5〜6%であり、表面抵抗値が5Ω/□以下である項10又は11に記載の透明面状発熱体。
項13.偏光板/液晶素子/偏光板/接着層/項11〜12のいずれかに記載の透明面状発熱体/透明絶縁層の順に積層されてなる液晶表示体。
項14.項11〜12のいずれかに記載の透明面状発熱体からなる偏光板保護フィルム。
項15.偏光板の少なくとも片面に項14に記載の偏光板保護フィルムが積層されてなる液晶表示素子。
項16.項11〜12のいずれかに記載の透明面状発熱体からなる位相差フィルム。
項17.偏光板の少なくとも片面に項16に記載の位相差フィルムが積層されてなる液晶表示素子。
以下、本発明を詳述する。
透明性樹脂基材
本発明で用いられる透明性樹脂基材の基材樹脂としては、耐熱性が高く、透明であり、該基材上に該透明多孔質層を形成し得るものであれば特に限定はない。
具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステル樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリ(メタ)アクリル酸エステル樹脂;シリコーン樹脂;環状ポリオレフィン樹脂;ポリアリレート樹脂;ポリエーテルスルホン樹脂等の熱可塑性樹脂が例示できる。上記のうち、透明性、コスト、耐久性、耐熱性等の観点から総合的に判断すると、PET又はPENが好ましく採用される。
ここで透明性樹脂基材における透明性とは、液晶表示部(LCD)等の表示部の用途に用いられ得る程度の透明性であれば特に限定されない。通常、JIS K7105で測定した全光線透過率が85〜90%程度、及びJIS K7105で測定したヘイズ値が0.1〜3%程度である。
透明性樹脂基材の形態は、液晶表示部(LCD)に用い得る形態、即ち、フィルム状、シート状、平板状等が採用される。かかる形態は、上記の基材樹脂から公知の方法により製造することができる。
また、本発明の透明面状発熱体を、液晶素子間又は偏光板間に配置させて用いる場合は、一軸延伸のPETや光学的等方性(低複屈折、低リタデーション)の観点から、リタデーション値が30nm以下、好ましくは15nm以下、さらに好ましくは10nm以下、特に5nm以下の透明樹脂基材が好ましい。
本発明の透明性樹脂基材には、酸化物セラミックス、非酸化物セラミックス及び金属からなる群から選ばれる少なくとも1種を主成分として含有する透明多孔質層を有している。
ここで、酸化物セラミックスとしては、チタニア、アルミナ、マグネシア、ベリリア、ジルコニア、シリカ等の単純酸化物、シリカ、ホルステライト、ステアタイト、ワラステナイト、ジルコン、ムライト、コージライト、スポジェメン等のケイ酸塩、チタン酸アルミニウム、スピネル、アパタイト、チタン酸バリウム、PZT、PLZT、フェライト、ニオブ酸リチウム等の複酸化物が例示できる。
非酸化物セラミックスとしては、窒化ケイ素、サイアロン、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化チタン等の窒化物、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化チタン、炭化タングステン等の炭化物、アモルファス炭素、黒鉛、ダイヤモンド、案結晶サファイヤ等の炭素が例示できる。その他、ホウ化物・硫化物・ケイ化物が例示できる。
金属としては、金、銀、鉄、銅、ニッケル等が例示できる。
これらのうち少なくとも1つを原料として用いればよく、より好ましいのはシリカ、チタニア、アルミナであり、その他成分や配合は特に制限はない。
透明性樹脂基材上に透明多孔質層を形成する方法は、ウェットプロセス、ドライプロセスのいずれでもよく、特に制限はないが、生産性やコストの面からはウェットプロセスが好ましい。ウェットプロセスでは公知の手法によって、所定の原料を基材上にコーティング(塗布)すればよく、例えばグラビアコーティング、オフセットコーティング、コンマコーティング、ダイコーティング、スリットコーティング、スプレーコーティング、メッキ法、ゾル−ゲル法、LB膜法等が例示でき、特にゾル−ゲル法が好ましい。なお、ドライプロセスとしては、例えばCVD、蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等が例示できる。
本発明で用いられる透明性樹脂基材上に有する透明多孔質層の厚さは、0.05〜20μm程度、特に、0.1〜5μm程度である。
また、該透明多孔質層は、酸化物セラミックス、非酸化物セラミックス及び金属からなる群から選ばれる少なくとも1種を主成分とする微粒子の集合体(凝集体)からなり、該微粒子間に細孔を有している。該透明多孔質層の平均粒子径は10〜100nm程度であり、該細孔径は10〜100nm程度である。本発明では、このような透明多孔質層を有しているため、後述する導電性ペーストとのマッチングが優れており、所望のパターン形成が可能となる。
透明多孔質層を有する透明性樹脂基材の形態は、フィルム状、シート状、平板状等である。フィルム状又はシート状の場合、透明多孔質層を有する透明性樹脂基材の厚さは、通常、25〜200μm程度、好ましくは40〜188μm程度であればよい。特に、液晶表示部(LCD)の発熱体として用いる場合、50〜125μm程度が好ましい。また、板状の場合は、その厚さは、通常、0.5〜5mm程度、好ましくは1〜3mm程度であればよい。
透明多孔質層を有する透明性樹脂基材の透明性は、通常、JIS K7105で測定した全光線透過率が85〜93%程度、及びJIS K7105で測定したヘイズ値が0.1〜3%程度である。
また、本発明で用いられる透明性樹脂基材には、上記の導電性幾何学パターンが形成される面とは反対面に、ハードコート層を設けてもよい。
ハードコート層としては、透明性を損なわないものであれば一般的な材料のものを用いればよく、特に制限はないが、紫外線硬化型アクリレート樹脂が好ましい。その主成分としては、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート等の2官能基以上を有する紫外線硬化型のアクリレートであれば特に限定されるものではない。1,6-ヘキサンジオールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールアクリレート、1,9-ノナンジオールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、ネオペンチルグリコールPO変性ジアクリレート、EO変性ビスフェノールAジアクリレートのような2官能性アクリレートやトリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリメチロールプロパンEO変性トリアクリレート、PO変性グリセリントリアクリレート、トリスヒドロキシエチルイソシアヌレートトリアクリレートのような多官能アクリレート等の使用が好ましい。
また、紫外線硬化型アクリレート樹脂には、通常、光重合開始剤を添加して使用する。光重合開始剤として、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(イルガキュア 184 チバ・スペシャリティー・ケミカルズ株式会社製)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−1−フェニル−プロパン−1−オン等を添加することにより、充分な硬化被膜を得ることができる。その他、ベンゾイン、ベンゾイン誘導体、ベンゾフェノン、ベンゾフェノン誘導体、チオキサントン、チオキサントン、チオキサントン誘導体、ベンジルジメチルケタール、α−アミノアルキルフェノン、モノアシルホスフィンオキサイド、ビスアシルホスフィンオキサイド、アルクルフェニルグリオキシレート、ジエトキシアセトフェノン、チタノセン化合物等の光重合開始剤も使用できる。
これらの光重合開始剤の配合割合は、紫外線硬化型アクリレート樹脂100重量部に対し1〜10重量部が好ましい。1重量部未満では充分に重合が開始せず、また、10重量部を超えると場合によっては耐久性が低下するからである。
なお、前記の紫外線硬化型アクリレート樹脂中には、その透明性を損なわない程度で第三成分(UV吸収剤、フィラー等)を含ませてもよく得に制限はない。
透明性樹脂基材にハードコート層を形成する方法は、一般的な塗布方法を用いればよく、特に制限はない。
透明性樹脂基材にハードコート層を設けることにより、後述する焼成時に、基材樹脂からのオリゴマーの析出による白化や黄変を抑制することができ、これにより本発明の透明面状発熱体は高い透明性が確保される。また、透明面状発熱体の製造工程中でのキズ防止も可能となる。
導電性ペースト
本発明で用いられる導電性ペーストは、粒子状酸化銀、三級脂肪酸銀及び溶媒を含むものである。
この粒子状酸化銀の平均粒径は2μm以下であり、これよりも大きい粒径の酸化銀を用いる場合には、導電性ペーストの製造過程(混練工程、合成工程等)でその平均粒径を2μm以下とすればよい。平均粒径は、200〜500nmがより好ましい。平均粒径が2μm以下の粒子状銀化合物を用いると、スクリーン版のメッシュの通過が容易となり、透明多孔質層に印刷された細線の断線や滲みが抑制されるとともに、より低い温度で酸化銀の還元及び三級脂肪酸銀の熱分解が起こり好ましい。
三級脂肪酸銀塩とは、総炭素数が5〜30、好ましくは10〜30の三級脂肪酸の銀塩であり、ペースト作製時に用いる分散媒に溶解乃至均質に分散し得るものである。この三級脂肪酸銀塩は、滑剤的な役割を果たし、酸化銀と三級脂肪酸銀塩とを混練してペースト状にする際に、酸化銀を粉砕して微粒子化を促進するととともに、酸化銀粒子の周囲に存在して酸化銀粒子の再凝集を抑制し、分散性を向上させる。このため、バインダを添加しなくともペースト状にすることができる。また、この三級脂肪酸銀塩は、加熱時に銀を析出し、酸化銀から還元して生成する銀粒子同士を融着させる働きを有している。
このような三級脂肪酸銀塩の具体例としては、ピバリン酸銀、ネオヘプタン酸銀、ネオノナン酸銀、ネオデカン酸銀などが挙げられる。三級脂肪酸銀塩の製造は、例えば、三級脂肪酸を水中でアルカリ化合物により中和し、これに硝酸銀を反応させることで行われる。
導電性ペーストにおける粒子状酸化銀と三級脂肪酸銀塩との配合割合は、酸化銀の重量をAとし、三級脂肪酸銀塩の重量をBとしたときに、重量比率(A/B)が1/4〜3/1であることが好ましい。
また、導電性ペーストでは、酸化銀と三級脂肪酸銀塩以外に、溶媒が含まれる。この溶媒には、酸化銀および三級脂肪酸銀塩と反応を起こさず、これらを良好に分散するものであれば特に限定されるものではない。例えば、トルエン等の芳香族炭化水素、トリエチレングリコールモノブチルエーテル等のエチレングリコールのエーテルエステル類、トリプロピレングリコールノルマルブチルエーテル等のプロピレングリコールのエーテルエステル類、テルピネオールなどの有機溶剤が使用される。溶媒の使用量は、粒子状酸化銀100重量部に対して1〜100重量部程度であればよい。
また、必要に応じて、分散剤を添加して粒子状酸化銀を良好に分散させて、粒子状酸化銀の二次凝集を防止することもできる。この分散剤には、ヒドロキシプロピルセルロース等の繊維素系高分子、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール等の水溶性高分子などが用いられる。その使用量は、粒子状酸化銀100重量部に対して0〜20重量部であればよい。
本発明の導電性ペーストの製造は、例えば粒子状酸化銀と三級脂肪酸銀塩と溶媒を混合した後、ロールミルなどで混練してペースト状にする方法などで行われる。この導電性ペーストは、平均粒子径が2μm以下の粒子状酸化銀を有しているため、比較的低温の加熱条件でも容易に金属銀粒子を生成し互いに融着して連続した金属銀の塗膜もしくは塊となる。
また、導電性ペーストは、スクリーン印刷に適した粘度及びチキソトロピー性に調製されてスクリーン印刷に供される。粘度及びチキソトロピー性の調製は、粒子状酸化銀の粒径、三級脂肪酸銀塩の種類、溶媒の種類等に応じて適宜選択することができる。例えば、導電性ペーストの粘度は、10〜10000dPa・s程度であればよく、チキソトロピーインデックスは0.1〜0.9程度の範囲で適宜選択すればよい。
このような導電性ペーストには、例えば、藤倉化成社製、商品名「ドータイトXA−9080」がある。
透明面状発熱体
本発明の透明面状発熱体は、上記の導電性ペーストを、透明性樹脂基材の透明多孔質層面上にスクリーン印刷した後、加熱処理して製造される。
本発明では、特定の導電性ペーストを所定の透明多孔質層上にスクリーン印刷することを特徴としており、これにより塗布された導電性ペーストの細線の断線や滲みがほとんどない導電部が形成される。
スクリーン印刷の方法は特に限定はなく、公知の方法を用いて行うことができる。印刷に用いるスクリーン版は、抵抗値が低く、かつ十分な透視性が確保できる程度の導電部が形成されるようなパターン、特に格子状、網目状などの連続した幾何学パターンを有するものが用いられる。例えば、直径11〜23μmのステンレスワイヤで織られた360〜700メッシュのステンレス紗に、線幅10〜30μm程度、模様ピッチ200〜400μm程度の格子状パターンを設けたスクリーン版が挙げられる。
本発明のスクリーン印刷では、微細な粒子状酸化銀を含む導電性ペーストを用いているため、パターンにムラの発生がほとんどなく、また、該導電性ペーストと透明多孔質層とのマッチングがよいため、透明多孔質層上に形成されたパターンの細線に、断線や滲みがほとんど発生しないという特徴がある。
一般に、スクリーン印刷されるパターンの線幅は、原理上、スクリーン版の線幅より少し太くなる傾向があるが、線間隔のズレやパターンの歪みがほとんど発生せず、スクリーン版のパターンに対しほぼ忠実なパターンが透明多孔質層上に再現されることとなる。パターンの線幅が少し太くなる傾向を嫌う場合、スクリーン版のスリット幅を、透明多孔質層に形成される所望の線幅よりも小さく設定すればよく、当業者であればかかる設定は容易に行うことができる。
続いて、スクリーン印刷されたパターンを有する透明性樹脂基材を、150〜200℃程度(特に、160〜180℃程度)の低温で加熱処理(焼成)して、透明多孔質層に導電性パターンを形成する。上述したように、特定の導電性ペーストを用いているため、比較的低温の加熱条件でも容易に金属銀粒子の融着が起こり、連続した金属銀の塗膜を形成することができる。加熱時間は、通常、10分〜120分程度、好ましくは10分〜40分程度である。
なお、前記加熱処理(焼成)を多段階で行っても良い。例えば、第一段階として50〜60℃で10〜20分程度加熱処理した後、引き続き、第二段階として160〜180℃で10分〜40分程度加熱処理することも可能である。多段階にすることで、先に溶媒を揮発させることで、さらに滲みを抑制することができる。
このように、上記の導電性ペーストを用いると、低温且つ短時間で銀塗膜を形成することができるため、熱による透明性樹脂基材への悪影響を回避できる。即ち、熱により透明性樹脂基材からのオリゴマー析出によって該基材が白化したり、熱により基材が黄変したりすることを抑制できる。
また、透明性樹脂基材の透明多孔質層と反対面にハードコート層を有する場合、焼成時の熱の伝わりを抑えて透明基材樹脂の白化や黄変がさらに抑制される。
以上のようにして、本発明の透明面状発熱体が製造される。本発明の透明面状発熱体は、高い開口率を有し、例えば75%以上、特に80〜95%程度となる。そのため、高い透視性が達成される。なお、本明細書で、開口率(%)とは、図4に示される透明面状発熱体の格子状の1パターンにおいて、(面積B/面積A)×100、或いは(P−W)2/P2×100を意味する。
また、導電部の格子状又は網目状パターンの線幅(W)は、通常、10〜30μm程度、好ましくは15〜20μm程度である。線幅が約10μm未満である幾何学パターンは、その作製が困難となる傾向にあり、30μmを越えるとパターンが目に付きやすくなる傾向にあるため好ましくない。
なお、印刷される格子状又は網目状パターンの線の間隔(ピッチ)(P)は、上記の開口率及び線幅を満たす範囲で適宜選択することができる。通常、200〜400μm程度の範囲であればよい。
細線の厚み(透明多孔質層面から垂直方向の細線の最大高さ)は、線幅等によって変動し得るが、通常約1μm以上であり、特に1〜30μm程度である。
また、本発明のパターン細線の断面はほぼ半円形状を有しているため、粘着層等を貼り合わせた時に密着性が高く気泡が残存しにくい。そのため、透視性に優れ、視野角が大きい透明面状発熱体が得られるというメリットを有する(図5(a))。これに対し、リソグラフィー、メッキ等によるパターン細線を用いた場合では、細線の断面は矩形を有しているものがほとんどであり、この上に粘着層等を貼り合わせた時には気泡が残存しやすく、透視性に悪影響を与える。(図5(b))。
本発明の透明面状発熱体は、抵抗が小さくしかも抵抗値にムラが少ないという特徴も有している。これは、導電部の細線の断線がほとんどないため抵抗が低くなると考えられる。本発明の透明面状発熱体の表面抵抗値は、5Ω/□以下、好ましくは3Ω/□以下、更に好ましくは2Ω/□以下である。表面抵抗値が大きすぎる場合には、発熱させる際に高電圧を要するため好ましくない。
ここで、次式から、線幅およびピッチを任意に設定することにより、導電性パターンを有する透明面状発熱体の表面抵抗値(あるいは体積抵抗値)を設計することが出来る。
R=Rs×(P/W)
Rs=ρv/t
R:導電性パターンを有する透明面状発熱体の表面抵抗値(Ω/□)
Rs:導電性ペーストの表面抵抗値(Ω・cm)
ρv:導電性ペーストの体積固有抵抗
t:導電性ペーストの膜厚
P:格子状又は網目状パターンの間隔(ピッチ)
W:格子状又は網目状パターンの線幅
本発明の透明面状発熱体の全光線透過率(JIS K7105)は、68〜91%程度と高い値を達成できる。また、ヘイズ値(JIS K7105で測定した)は、0.5〜6%程度と低い。
さらに、透明多孔質層上に形成された導電性パターンは、バインダ、硬化剤、触媒などの添加剤が実質的に含まれず、実質的にその大部分が銀粒子からなり、かつ、この銀粒子が直接融着し結合した高純度の銀の塊となる。このため、本発明の透明面状発熱体は、より低く且つ安定な抵抗値を有している。
また、本発明の透明面状発熱体は、透明多孔質層上に形成された導電部上に、保護フィルム、透明絶縁フィルムなどが積層されていてもよい。その保護フィルムとしては、一般的に用いられる公知の樹脂が用いられる。それらの樹脂をドライラミネート、ウェットラミネート等の公知の方法により積層する。
本発明の透明面状発熱体は、さらに機能性フィルム等が積層されていてもよい。機能性フィルムとしては、フィルムの表面の光反射を防止する反射防止層が設けられた反射防止フィルム、着色や添加剤によって着色された着色フィルム、近赤外線を吸収又は反射する近赤外線遮蔽フィルム、指紋など汚染物質が表面に付着することを防止する防汚性フィルムなどが挙げられる。
本発明の透明面状発熱体は、さらに該透明多孔質層面に設けられた導電性幾何学パターンに一対以上の電極を設けて、この電極に通電することにより発熱体として機能する。用いられる電極としては、導電性を有するものであれば特に限定はなく、例えば、導電性樹脂、導電性樹脂と金属箔、金属メッキ、金属ナノ粒子等が挙げられる。接触抵抗の観点からすると、より抵抗値が低いものの方が好ましい。これら電極は、いずれも公知のもの採用し、公知の方法で形成することができる。
かくして得られる透明面状発熱体は、液晶表示体が低温環境下で、スイッチング特性の改善、駆動回路の簡略化等を図る目的に用いられ、かかる目的に用いるものであれば特にその使用形態に限定はない。
例えば、偏光板(1)/液晶素子/偏光板(2)で構成された液晶表示体の、表示画面と反対面の偏光板(1)に接着剤等で固定して液晶表示体とすることができる。また、偏光板(1)/液晶素子/透明面状発熱体/液晶素子/偏光板(2)の順で積層された液晶表示体としても良い。透明面状発熱体の使用方法は、液晶表示体が低温環境下で、スイッチング特性の改善、駆動回路の簡略化等が図れるものであれば特に限定はない。
或いは、本発明の透明面状発熱体を、偏光板保護フィルムや位相差フィルム等として用いることもできる。これにより、液晶表示体に新たな透明面状発熱体層を設ける必要がない。
偏光板保護フィルムは、偏光板の表面及び裏面を挟んで液晶表示素子を形成するが、本発明の透明面状発熱体からなる偏光板保護フィルムを、偏光板の表面及び裏面の少なくとも一方に設けて液晶表示素子とすることができる(例えば、図6(a))。この場合は透明性樹脂基材が光学等方性なものを選択する必要がある。また、位相差フィルムは、偏光板の表面及び裏面を挟んで液晶表示素子を形成するが、本発明の透明面状発熱体からなる偏光板保護フィルムを、偏光板の表面及び裏面の少なくとも一方に設けて液晶表示素子とするともできる(例えば、図6(b))。この場合は透明性樹脂基材が適当なリタデーションを持つものを選択する必要がある。
本発明の透明面状発熱体の製造方法では、特定の導電性ペーストを、基材に設けた特定の透明多孔質層の上にスクリーン印刷することを特徴とし、これにより細線の断線や線太りがほとんどない導電性パターンを形成することができる。
また、パターン形成された該導電性ペーストは低い温度で焼成が可能であるため、透明性樹脂基材の白化や黄変を抑制でき透明性を保持できる。ハードコート層を有する透明性樹脂基材の場合、該導電性ペーストの焼成時に、ハードコート層により熱や水分の基材への影響が抑制されるため、より高い透明性が保持される。もちろん、本発明の製法ではスクリーン印刷を用いるため、工程数が少なく簡便でコスト面でも有利であり、透明面状発熱体の大量生産性及び連続生産性も高い。
また、本発明の透明面状発熱体は、細線の断線がほとんどない均一な導電性パターンとなるため、バラツキのない低い抵抗値が達成される。そのため、発熱の立ち上がりが速やかであり、均一な面発熱特性を有している。また細線の線太りも抑制できるため、高い開口率及び透視性が確保される。
従って、本発明の透明面状発熱体は、液晶表示素子の加熱に用いられる発熱体として特に有用である。
次に本発明を、比較例と共に実施例によって更に詳述する。
実施例、比較例に示した本発明の透明面状発熱体の全光線透過率、ヘイズ値、シート抵抗、線幅、開口率、線厚みは、以下の測定方法で測定した。
1.全光線透過率
JIS K7105に従って、濁度計NDH−20D型(日本電色工業株式会社製)で測定した。
2.ヘイズ値
JIS K7105に従って、濁度計NDH−20D型(日本電色工業株式会社製)で測定した。
3.シート抵抗
ロレスタEP(ダイヤインスツルメンツ社製)を用いて測定した。
4.線幅
光学顕微鏡を用いて測定した。
5.開口率
開口率は、光学顕微鏡を用いて、透明面状発熱体の格子状1パターンの線幅(W)と線間隔(P)を測定し、図4に示される面積Aと面積Bを算出して、これを次式にあてはめることにより算出した。
開口率(%)=(面積B/面積A)×100=(P−W)2/P2×100
6.線厚み
表面粗さ計を用いて測定した。
実施例1
透明性樹脂基材として、アルミナ膜の透明多孔質層(層厚さ10μm)を有するポリエチレンテレフタレートフィルム透明基板(透明多孔質層を含む厚さ120μm、ピクトリコ社製、商品名「TPX」)を用いた。該透明基板の透明多孔質層とは反対面に、紫外線硬化型アクリレートハードコート剤(大日本塗料社製、商品名「UVクリア」固形分濃度50重量%)を、硬化後の膜厚が2μmになるようにマイヤーバーで塗工し、80℃で2分間乾燥した後、紫外線を照射量300mJ/cm2で照射して、該透明基板上にハードコート層を形成した。
該フィルムの透明多孔質層に、スクリーン印刷機(ニューロング精密工業社製)により、導電性ペースト(藤倉化成社製、商品名「ドータイトXA−9080」)を用いて、格子状パターンのスクリーン印刷を行った。
スクリーン版は、直径18μmのステンレスワイヤで織られた500メッシュのステンレス紗に、線幅20μm、模様ピッチ250μm、開口率84.6%の格子状乳剤パターンを設けたスクリーン版(中沼アートスクリーン社製)を用いた。
印刷後、フィルムごと銀化合物ペーストを55℃で15分間焼成後に150℃で30分間焼成して、正方形模様を格子状に描いた導電部を形成し、透明面状発熱体を製造した。
得られた透明面状発熱体の導電部の格子線を、光学顕微鏡(倍率:×100)で観察したところ、断線および線のにじみ(線太り)はほとんどなかった(図1)。
比較例1
透明性樹脂基材として、透明多孔質層を設けていない厚さ175μmのポリエチレンテレフタレートフィルム透明基板(東洋紡績社製、商品名『A4100』)を用い、その易接着面に、紫外線硬化型アクリレートハードコート剤(大日本塗料社製、商品名「UVクリア」固形分濃度50重量%)を、硬化後の膜厚が2μmになるようにマイヤーバーで塗工した。80℃で2分間乾燥した後、紫外線を照射量300mJ/cm2で照射して、該透明基板上にハードコート層を形成した。上記操作以外は、実施例1と同様にして透明面状発熱体を製造した。なお、該フィルムのハードコート層と反対面にスクリーン印刷を行った。
得られた透明面状発熱体の導電部の格子線を、光学顕微鏡(倍率:×100)で観察したところ、オリゴマー及び線のにじみが多数発生していた(図2)。
比較例2
粒子状の酸化銀と三級脂肪酸銀、溶媒とを含有する銀化合物ペースト(藤倉化成社製)の代わりに、ポリマータイプの銀ペースト[アサヒ化学研究所製SW−1100−1 成分比:銀粒子(粒経3〜5μm)58.0〜64.0%、カーボン粉末(一次粒子0.1μm以下)0.8〜1.2%、ポリエステル樹脂11.0〜14.0%、添加剤0.05〜0.15%、エチルカルビトールアセテート(残量)粘度200〜300ps(ビスコテスターVT−04型)]を用いた以外は、実施例1と同様にして透明面状発熱体を製造した。
得られた透明面状発熱体の導電部の格子線を、光学顕微鏡(倍率:×100)で観察したところ、断線および線のにじみが多数発生していた(図3)。
比較例3
比較例1と同様にして、ハードコート層を有する透明性樹脂基材フィルムを作成した。該基材フィルムに、ガス圧5.0×10 -2 Pa、スパッタリング電力840kW、スパッタリング時間53秒間の条件でITOをスパッタリングで製膜して、透明面状発熱体を製造した。
比較例4
スパッタリング時間を15秒間とした以外は、比較例3と同様にして透明面状発熱体を作成した。
上記実施例1、比較例1〜4の透明面状発熱体における、全光線透過率、ヘイズ値、シート抵抗等の評価結果を表1に示す。
表1の結果より、比較例1及び2の透明面状発熱体は、全光透過率が低く、線幅が太いため開口率も小さくなっている。これに対し、実施例1の透明面状発熱体では、高い全光透過率を有し、しかも線幅が細いため開口率も大きい。よって、実施例1は、比較例1及び2に対し、優れた視認性を有している。
また、比較例3及び4透明面状発熱体は、シート抵抗値が極めて高いため電流量が小さくなり発熱に時間がかかる。これに対し、実施例1の透明面状発熱体では、シート抵抗値が小さいため電流量が多くなり速やかに発熱できる。従って、本発明の透明面状発熱体は、例えば、寒冷地における作動性に優れた液晶表示素子として好適に用いることができる。
試験例1(面発熱特性)
実施例1で得られる本発明の透明面状発熱体と比較例3及び4で得られるITOでスパッタリングした透明面状発熱体について、面発熱特性(印加電圧−端子間電流特性、及び電圧−表面温度特性)を評価した。
試験方法は、図7に示すサンプルを用いて行った。電極幅10cm、電極間10cmの透明面状発熱体の両端に、ナノ粒子の銀ペーストを用いて電極を作成した。電極は、透明面状発熱体の左右それぞれ3箇所から取り出して、サンプルは空中に浮かして設置した。測定位置は、面内中央とした。その結果を、図8及び図9に示す。
図8及び図9より、実施例1の透明面状発熱体は、抵抗値が小さいため低い電圧でも端子間電流が大きく、速やかに発熱できることが分かる。これに対し、比較例3及び比較例4の透明面状発熱体は、抵抗値が大きいため電流量が小さくなり発熱が遅くなり、実施例1と同等の発熱量を得るにはより大きな電圧が必要となってしまう。
試験例2(面内温度分布)
実施例1で得られる本発明の透明面状発熱体と、比較例3で得られるITOでスパッタリングした透明面状発熱体について、面内温度分布を評価した。
測定方法は、試験例1で用いたサンプルを用いて、図7のように電極及び電源を設定した。測定条件は、各透明面状発熱体に所定の電圧を印加して電流を流し3分経過したときの、各発熱体の面上16箇所の位置における発熱温度を測定した。各測定点(A〜D及び1)〜4)の位置)の模式図を図10に示す。表2及び表3に面内温度分布の結果を示す。
上記の結果より、実施例1の透明面状発熱体は、均一な面発熱特性を有することが分かった。これは、基材上に導電性パターンが均一に形成されていることに起因すると考えられる。また、温度分布のバラツキも少なく、実施例1と比較例3ではほとんど差異がなく良好であった。
実施例1で得られる透明面状発熱体における導電部の格子線の光学顕微鏡(倍率:×100)観察図である。 比較例1で得られる透明面状発熱体における導電部の格子線の光学顕微鏡(倍率:×100)観察図である。 比較例2で得られる透明面状発熱体における導電部の格子線の光学顕微鏡(倍率:×100)観察図である。 開口率の測定方法を模式的に示した図である。 パターンの細線の断面を示す図である。 本発明の透明面状発熱体の液晶表示素子としての具体例を示す図である。 試験例1の面発熱特性の測定方法を模式的に示す図である。 実施例1と比較例3の透明面状発熱体の面発熱特性(印加電圧−端子間電流特性)を示すグラフである。 実施例1と比較例3の透明面状発熱体の面発熱特性(電圧−表面温度特性)を示すグラフである。 試験例1の透明面状発熱体発熱温度測定位置(16箇所)を模式的に示す図である。

Claims (9)

  1. 透明性樹脂基材の少なくとも一面に導電性幾何学パターンを有する透明面状発熱体の製造方法であって、該透明性樹脂基材の少なくとも一面に設けられた、酸化物セラミックス、非酸化物セラミックス及び金属からなる群から選ばれる少なくとも1種を主成分として含有する透明多孔質層面に、粒子状酸化銀、三級脂肪酸銀及び溶媒を含む導電性ペーストを幾何学パターンにスクリーン印刷した後、該スクリーン印刷された透明性樹脂基材を加熱処理して該透明多孔質層面に導電性幾何学パターンを形成し、該導電性幾何学パターンに一対以上の電極を設けることを特徴とする透明面状発熱体の製造方法。
  2. 前記透明多孔質層が、シリカ、チタニア及びアルミナからなる群から選ばれる少なくとも1種を主成分とする微粒子の集合体からなり、該微粒子間に細孔を有するものである請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記微粒子の平均粒子径が10〜100nm程度であり、前記細孔径が10〜100nm程度である請求項2に記載の製造方法。
  4. 前記透明多孔質層の厚みが0.05〜20μm程度である請求項1記載の製造方法。
  5. 前記導電性ペーストが、平均粒子径2μm以下の粒子状酸化銀、総炭素数が5〜30の三級脂肪酸の銀塩、並びに芳香族炭化水素、エチレングリコールのエーテルエステル類、プロピレングリコールのエーテルエステル類及びテルピネオールからなる群から選ばれる少なくとも1種を主成分とする溶媒を含む導電性ペーストである請求項1に記載の製造方法。
  6. 前記透明性樹脂基材が、導電性幾何学パターンが形成される面と反対面に、ハードコート層を有している請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
  7. 前記透明性樹脂基材が、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸エステル樹脂、シリコーン樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、ポリアリレート樹脂、及びポリエーテルスルホン樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法。
  8. 前記加熱処理の温度が150〜200℃程度である請求項1〜7のいずれかに記載の製造方法。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の製造方法により製造される透明面状発熱体。
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