JP2011086582A - 透明導電性シートの製造方法 - Google Patents

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公彦 金野
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Abstract

【課題】塗布により透明基板と透明導電膜とを含む透明導電性シートを作製するに際し、シートにダメージを与えずに、良好な導電性と透明性とを兼ね備えた透明導電性シートを得る製造方法を提供する。
【解決手段】本発明は、透明基板11と、透明基板11の上に形成された透明導電膜12とを含む透明導電性シート10の製造方法であって、透明基板11の上に透明導電性粒子を含む塗布液を塗布して透明導電膜12を形成する工程と、透明導電膜12を形成して得られた前駆体シートをランプアニール処理する工程とを含む。前記ランプアニール処理は、前記前駆体シートを温度25〜80℃の冷却ロールに沿わせながら高圧水銀ランプを用いて行うか、前記前駆体シートの温度が60〜160℃となるようにハロゲンヒータランプを用いて行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、透明基板上に透明導電膜を設けてなる透明導電性シートの製造方法に関する。
従来から、透明導電膜や透明導電性インクの材料として、酸化スズ粒子、アンチモン含有酸化スズ粒子(ATO)、スズ含有酸化インジウム粒子(ITO)、アルミニウム含有酸化亜鉛粒子(AZO)、ガリウム含有酸化亜鉛粒子(GZO)などが知られている。中でも、酸化インジウムにスズを含有させたスズ含有酸化インジウム粒子は、可視光に対する高い透光性と、高い導電性から、静電防止や電磁波遮蔽が要求されるオフィスオートメーション(OA)機器の陰極線管(CRT)のパネル表面や液晶ディスプレイ(LCD)の表面などに塗布して使用されている。さらに、スズ含有酸化インジウム粒子を含む塗布液(インク)を塗布して作製された透明導電膜は、タッチパネルなどの、より高い透光性と導電性が要求される分野への応用が期待されている。
また、現在、主に用いられている透明導電膜の成膜方法は、真空蒸着法やスパッタリング法などの物理的方法であるが、成膜する基板の大型化に伴い、製造装置が大掛かりとなり、コストが高くなってしまうという問題が生じている。
そこで、コストの面及び簡便であるという点から、塗布法による透明導電膜の成膜が検討されている。例えば、ITO微粒子を含有するシリカゾル液(特許文献1参照)や、ITO微粒子とバインダ用シリケートと極性溶媒とからなる塗布液(特許文献2参照)などの導電性粒子を分散させたインクを用いて、ガラスなどの基板上にスピンコーティング、スプレーコーティング、ディップコーティングなどの方法で塗布・乾燥・焼成してITO透明導電膜を形成する製造方法が知られている。しかし、導電性粒子を分散させたインクを透明基板上に塗布することにより透明導電膜を形成する方法では、通常絶縁性であるバインダによって導電性粒子同士の接触が妨げられるため、成膜される透明導電膜の初期シート抵抗が、スパッタリング法によって成膜された透明導電膜と比較して、2桁以上高くなってしまう問題がある。そのため、透明導電膜の形成工程において、実用的な初期シート抵抗を得るために、透明導電性シートを高温で焼成させて導電性粒子同士の接触を強化する必要がある。透明導電性シートを高温で焼成する方法として、通常、電気炉や高温槽などにより焼成する方法があるが、このように透明導電性シートを高温で焼成する場合は、基板、特にポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムなどの合成樹脂製のフレキシブル基板にダメージを与える恐れがある。
また、特許文献3には、粒子径40nmのスズ含有酸化インジウム粒子を用い、塗膜中の粒子の体積含有率を60〜80%とし、膜厚3μmの乾燥塗布膜を作製した後、スチールロールによって圧延処理を施す方法が提案されている。しかし、80℃程度の温度しかかけられず、全光線透過率が70%程度であれば、初期シート抵抗が500Ω/スクエア以下となるが、全光線透過率が80%程度という高い透明性を保持する場合には、塗布膜厚を薄くする必要があるため、初期シート抵抗が高くなってしまう問題がある。
また、特許文献4には、透明導電膜にマイクロ波を照射することによって、低い抵抗を有する透明導電膜を得ることが提案されている。さらに、特許文献5には、透明導電膜にプラズマ又は電磁波を照射することによって、低抵抗かつ可視光透過率が高い膜を形成することが提案されている。しかし、いずれの場合にも、基板にダメージを与える恐れがある。
特開平2−312136号公報 特開平8−176794号公報 特開平4−237908号公報 特開2000−123658号公報 特開2006−49107号公報
このように塗布により基板上に透明導電膜を形成する場合、従来では、基板にダメージを与えず、ひいてはシートにダメージを与えずに良好な導電性と透明性とを兼ね備えた透明導電性シートを得ることが困難であった。
本発明は、上記問題を解決するため、塗布により基板に透明導電膜を形成するに際し、シートにダメージを与えずに透明導電膜を形成し、良好な導電性と透明性とを兼ね備えた透明導電性シートが得られる透明導電性シートの製造方法を提供する。
本発明の第1の透明導電性シートの製造方法は、透明基板と、前記透明基板の上に形成された透明導電膜とを含む透明導電性シートの製造方法であって、前記透明基板の上に透明導電性粒子を含む塗布液を塗布して透明導電膜を形成する工程と、前記透明導電膜を形成して得られた前駆体シートをランプアニール処理する工程とを含み、前記ランプアニール処理は、前記前駆体シートを冷却ロールに沿わせながら高圧水銀ランプを用いて行い、前記冷却ロールの温度が25〜80℃であることを特徴とする。
また、本発明の第2の透明導電性シートの製造方法は、透明基板と、前記透明基板の上に形成された透明導電膜とを含む透明導電性シートの製造方法であって、前記透明基板の上に透明導電性粒子を含む塗布液を塗布して透明導電膜を形成する工程と、前記透明導電膜を形成して得られた前駆体シートをランプアニール処理する工程とを含み、前記ランプアニール処理は、ハロゲンヒータランプを用いて行い、前記ランプアニール処理時の前記前駆体シートの温度が60〜160℃であることを特徴とする。
本発明の透明導電性シートの製造方法によって得られる透明導電性シートは、良好な導電性と透明性とを兼ね備えているので、電子ペーパー、フラットパネルディスプレイ(FPD)、太陽電池などの透明電極に応用することができる。また、本発明の透明導電性シートの製造方法によれば、基板にダメージを与えず、PETフィルムなどの合成樹脂製のフレキシブルな基板上に透明導電膜を形成し、良好な導電性と透明性とを兼ね備えた透明導電性シートが得られる。
本発明の製造方法により得られる透明導電性シートの一例を示す概略断面図である。 実施例1で用いた搬送装置の概略模式図である。 実施例5で用いたコンベア装置の概略模式図である。
発明者らが鋭意検討した結果、透明基板上に塗布により透明導電膜を形成した後、透明導電膜をランプアニール処理することによって、シートにダメージを与えることもなく、優れた導電性及び透明性を有する透明導電性シートが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
以下、本発明の透明導電性シートの製造方法を説明する。
本発明の透明導電性シートの製造方法は、透明基板と、上記透明基板の上に形成された透明導電膜とを含む透明導電性シートの製造方法であって、上記透明基板の上に透明導電性粒子を含む塗布液を塗布して透明導電膜を形成する工程と、上記透明導電膜を形成して得られた前駆体シートをランプアニール処理する工程とを含む。図1は、本発明の製造方法により得られる透明導電性シートの一例を示す概略断面図である。図1において、本発明の透明導電性シート10は、透明基板11と、透明基板11の一方の主面に透明導電膜12を設けている。
透明基板11としては、透明な透光性を有する材料で形成されていれば特に限定されない。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル類、ポリオレフィン類、セルローストリアセテート、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリスルフオン、アラミド、芳香族ポリアミドなどの材料からなる、フィルム又はシートを用いることができる。また、透明基板11は、ガラス板のような硬質の基板でもよく、フレキシブルであってもよい。透明基板11の厚さは、通常3〜1000μmである。
透明基板11には、酸化防止剤、難燃剤、耐熱防止剤、紫外線吸収剤、易滑剤、帯電防止剤などの添加剤が添加されていてもよい。さらに、その上に設けられる膜との密着性を向上させるために、基板表面に易接着層(例えば、プライマー層)を設けたり、コロナ処理、プラズマ処理などの表面処理を行ってもよい。
透明導電膜12は、透明導電性粒子を含む透明導電膜形成用塗布液を透明基板11上に塗布することにより形成される。上記透明導電膜形成用塗布液は、透明導電性粒子と、上記透明導電性粒子を分散し得るバインダと、溶剤とを含む。
上記透明導電性粒子としては、透明性と導電性とを兼ね備えた粒子であればよく、特に限定されず、例えば、導電性金属酸化物粒子や導電性窒化物粒子などを用いることができる。上記導電性金属酸化物粒子としては、酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化カドミウムなどの金属酸化物粒子が挙げられる。また、酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛及び酸化カドミウムからなる群から選ばれる1種類以上の金属酸化物を主成分として、さらにスズ、アンチモン、アルミニウム、ガリウムがドープされた導電性金属酸化物粒子、例えば、スズ含有酸化インジウム粒子(ITO)、アンチモン含有酸化スズ粒子(ATO)、アルミニウム含有酸化亜鉛粒子(AZO)、ガリウム含有酸化亜鉛粒子(GZO)、ITOをアルミニウム置換した導電性金属酸化物粒子などが挙げられる。中でも、透明性、導電性及び化学特性に優れている点から、ITOが特に好ましい。本発明において、主成分とは、導電性金属酸化物粒子において、結晶母体となる金属酸化物のことである。
上記透明導電性粒子の一次粒子径は5〜150nmであることが好ましい。一次粒子径が5nm未満であると、結晶性のよい粒子を得ることが難しい傾向があり、一方、一次粒子径が150nmよりも大きいと、透明性が低下してしまう傾向がある。本発明において、一次粒子径とは、透過型電子顕微鏡(TEM)を用い、粒界で区切られた個々の粒子の粒子径を観察・測定した後、少なくとも20個の粒子の粒子径を平均した平均粒子径をいう。
上記透明導電膜形成用塗布液は、バインダと溶剤との溶液中に上記透明導電性粒子を混合して分散させることにより作製できる。上記透明導電膜形成用塗布液中の透明導電性粒子の含有量は、バインダと透明導電性粒子との合計重量に対して60〜95重量%とすることが好ましい。上記透明導電性粒子の含有量が60〜95重量%であれば、作製された透明導電膜において高い導電性が得られる上、透明性も良好となるからである。
上記バインダとしては、上記透明導電性粒子を分散し得るものであればよく、特に限定されない。例えば、塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、塩化ビニル−水酸基含有アルキルアクリレート共重合体、ニトロセルロース、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、放射線硬化性樹脂などを用いることができる。これらのバインダは、1種又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。光学特性と分散性とが良好という点から、アクリル樹脂が好ましい。
上記ポリウレタン樹脂としては、例えば、ポリエステルポリウレタン、ポリエーテルポリウレタン、ポリエーテルポリエステルポリウレタン、ポリカーボネートポリウレタン、ポリエステルポリカーボネートポリウレタンなどが挙げられる。
上記バインダとして放射線硬化性樹脂を用いた場合、紫外線、電子線、β線などの放射線により硬化処理を行ってもよい。これらのうち紫外線を用いることが簡便であり、この場合、放射線硬化性樹脂に、さらに紫外線重合開始剤を含ませることが好ましい。
上記溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族系溶剤;アセトン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチルなどの酢酸エステル系溶剤;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどの炭酸エステル系溶剤;エタノール、イソプロパノールなどのアルコール系溶剤や、ヘキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミドなどの有機溶剤が挙げられる。
また、透明導電性粒子の分散性を向上させるために、上記透明導電膜形成用塗布液は、分散剤を含んでもよい。このような分散剤としては、特に限定されず、例えば、官能基としてカルボン酸などの酸性官能基を含むポリマー、櫛形コポリマーなどの公知の樹脂などを使用することが好ましい。
上記透明導電膜形成用塗布液を、透明基板11上の一方の主面に塗布することにより透明導電膜12を形成する。塗布方法は、特に限定されず、例えば、ロールコート、ダイコート、エアナイフコート、ブレードコート、スピンコート、リバースコート、グラビアコートなどの塗工法、又はグラビア印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷、インクジェット印刷などの印刷法などを用いることができる。
上記のように、塗布により形成される透明導電膜12の膜厚は、最終的に0.1〜10μmになるように設定することが好ましい。上記透明導電膜の膜厚が0.1μm未満であると、透明性には優れるが、高い導電性が得られにくい傾向がある。また、上記透明導電膜の膜厚が10μmを超えると、高い透明性が得られにくい傾向がある。
上記塗布により形成された透明導電膜12に対してプレス加工処理やカレンダ処理を施してもよい。プレス加工処理やカレンダ処理を施すことによって、透明導電性粒子が高充填化され、その結果、透明導電膜12中の平均空孔率が減少し、膜の導電性、光学特性が向上する。光学特性においては、特に粒子間空隙による散乱光が減少することにより、光散乱強度を表す値であるヘイズ値が著しく減少し、透明性の高いものとなる。
カレンダ処理する場合は、処理速度は1〜30m/分、カレンダ温度は上記バインダを構成している樹脂のガラス転移温度(Tg)に対し、Tg±50℃の範囲内、加圧条件は線圧力1000〜10000N/cmの範囲内が好ましい。また、プレス処理する場合は、プレス温度は上記バインダを構成している樹脂のガラス転移温度(Tg)に対し、Tg±50℃の範囲内、加圧条件は面圧力9.8×104〜9.8×106Pa(1〜100kg/cm2)の範囲内が好ましい。
続いて、上記透明導電膜12を形成して得られた前駆体シートは、ランプアニール処理される。前駆体シートにダメージを与えず加熱処理することにより、良好な導電性と透明性とを兼ね備えた透明導電性シート10を得ることができる。
上記ランプアニール処理は、上記前駆体シートに所定のランプを用いて所定の照射光量を所定の時間照射して加熱する方法である。照射光量及び照射時間は、透明導電性シートのシート抵抗を低下させることができればよく、特に限定されない。上記ランプとしては、高圧水銀ランプ又はハロゲンヒータランプを用いる。
上記高圧水銀ランプを用いるランプアニール処理では、上記前駆体シートを冷却ロールに沿わせながら、上記冷却ロールの温度を25〜80℃に設定して行い、好ましくは25〜75℃に設定して行う。冷却ロールの温度が上記範囲内であれば、シート抵抗を確実に低下させることができると共に、前駆体シートに熱的ダメージを与えることを防止できるからである。また、上記透明導電膜の厚さが、0.1〜10μmの場合、照射光量は、0.5〜10J/cm2が好ましく、0.5〜2J/cm2がより好ましい。
また、上記ハロゲンヒータランプを用いるランプアニール処理では、上記ランプアニール処理時の上記前駆体シートの温度を60〜160℃に設定して行い、好ましくは75〜160℃に設定して行う。前駆体シートの温度が上記範囲内であれば、シート抵抗を確実に低下させることができると共に、前駆体シートに熱的ダメージを与えることを防止できるからである。
上記透明導電性シートのシート抵抗は、5000Ω/スクエア以下であることが好ましく、2000Ω/スクエア以下であることがさらに好ましく、1000Ω/スクエア以下であることが特に好ましい。上記シート抵抗は、透明導電性シートの導電性を示すものであり、値が低いほど導電性が高いことを示す。本明細書では、シート抵抗とは、ランプアニール処理後、10日目以後の抵抗をいう。
上記透明導電性シートの380〜780nmの波長領域における全光線透過率は、80%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましい。上記全光線透過率は、透明導電性シートの透明性を示すものであり、値が高いほど、透明性が高いことを示す。
以下、実施例に基いて本発明を詳細に説明する。但し、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。また、以下の実施例で「部」とは、「重量部」を意味する。
(実施例1)
<透明導電膜形成用塗布液の作製>
先ず、下記成分(1)〜(4)をペイントコンディショナーを用いて分散処理して分散液を調製した。分散メディアには直径0.3mmのジルコニアビーズを用いた。
(1)ITO粉末(平均粒子径:30nm、酸化スズ含有率:10重量%) 90部
(2)酸性官能基含有分散剤(アビシア社製“ソルスパーズ32000”)3.0部
(3)メチルエチルケトン 75部
(4)トルエン 75部
次に、上記分散液に下記成分(5)〜(7)を添加、混合した後、フィルターを通してジルコニアビーズを除去して透明導電膜形成用塗布液を得た。
(5)バインダ(三菱レイヨン社製のアクリル系樹脂“ダイヤナールBR113”)
7.0部
(6)シクロヘキサノン 42.5部
(7)トルエン 42.5部
<前駆体シートの作製>
上記透明導電膜形成用塗布液をマイクログラビアコータを用いて基板(東レ社製のポリエステルフィルム“ルミラー”、厚さ:100μm)上にカレンダ処理後の塗膜厚さが1.5μmとなるように塗布、乾燥し、さらにカレンダ処理を行い、透明導電膜付き原反ロール(前駆体シート)を得た。カレンダ処理は、表面をハードクロムメッキした1対の金属ロール(Ry:0.8μm)を有するロール処理機を用い、ロール温度110℃、線圧3000N/cm、搬送速度5m/分の条件で行った。
<ランプアニール処理>
図2に示すように、原反21の搬送設備20に、高圧水銀ランプをコールドミラー集光タイプの照射器に組み合わせた紫外線照射装置22を2組セットした。また、図2において、原反21は、繰り出しロール23から冷却ロール24を通り、巻き取りロール25に巻き取られる。なお、図2の26は側板を示す。ランプ中心と原反表面との距離を120mmに設定し、原反21の光照射の背面側に冷却ロール24が接するように調整した。また、冷却ロール温度を25℃、原反21の搬送速度を7m/分、照射光量を1.0J/cm2に設定して、ランプアニール処理を行い、実施例1の透明導電性シートを得た。
(実施例2)
照射光量を0.5J/cm2、搬送速度を14m/分とした以外は、実施例1と同様にして実施例2の透明導電性シートを得た。
(実施例3)
冷却ロール温度を75℃とした以外は、実施例1と同様にして実施例3の透明導電性シートを得た。
(実施例4)
冷却ロール温度を60℃とした以外は、実施例1と同様にして実施例4の透明導電性シートを得た。
(実施例5)
図3に示すように、シート搬送用のコンベア装置30に、ハロゲンヒータランプをアルミニウム製集光タイプの照射器に組み込んだ照射装置31を3組みセットした。また、実施例1で作製した原反から100mm角のシート32を切り出し、シート温度を測定するため、シート32の末端に熱電対(図示せず。)を取り付けた。また、シート32をシート固定板33に載置し、照射器の下面とシート表面との距離Tを25mmに設定した。なお、図3の34は側板を示す。続いて、シート温度が80℃となるようにコンベア装置の搬送速度を12m/分に設定して、ランプアニール処理を行い、実施例5の透明導電性シートを得た。
(実施例6)
シート温度を150℃、搬送速度を6.5m/分とした以外は、実施例5と同様にして実施例6の透明導電性シートを得た。
(実施例7)
シート温度を160℃、搬送速度を5.7m/分とした以外は、実施例5と同様にして実施例7の透明導電性シートを得た。
(比較例1)
ランプアニール処理を行わなかった以外は、実施例1と同様にして比較例1の透明導電性シートを得た。
(比較例2)
冷却ロール温度を20℃とした以外は、実施例1と同様にして比較例2の透明導電性シートを得た。
(比較例3)
冷却ロール温度を85℃とした以外は、実施例1と同様にして比較例3の透明導電性シートを得た。
(比較例4)
実施例1で作製した原反から100mm角のシートを切り出し、150℃の恒温槽で30分間保存して、比較例4の透明導電性シートを得た。
(比較例5)
シート温度を180℃、搬送速度を4.1m/分とした以外は、実施例5と同様にして比較例5の透明導電性シートを得た。
(比較例6)
シート温度を50℃、搬送速度を14.3m/分とした以外は、実施例5と同様にして比較例6の透明導電性シートを得た。
実施例1〜7及び比較例1〜6の透明導電性シートについて、下記のとおり、シート抵抗を測定し、シートのダメージを評価した。その結果を表1に示す。
<シート抵抗>
抵抗率測定装置“ロレスタAP MCP−T400”(三菱化学社製)を用い、シート抵抗を測定した。測定はランプアニール処理後10日目に行った。
<シートのダメージ>
目視で、透明導電性シートを観察して以下のように判断した。
A:形状に変化がない場合は、シートのダメージがないと判断した。
B:収縮又は伸張がある場合、ランプアニール処理前に比較してシートの曇りが増した場合のいずれかに該当する場合は、シートにダメージがありと判断した。
Figure 2011086582
表1から、以下のことが分かる。
実施例1〜4では、高圧水銀ランプを用い、冷却ロール温度を25〜75℃の範囲に設定したので、未処理のシートを用いた比較例1に比較してシート抵抗が低い、導電性が向上したシートを作製できた。これに対し、比較例2では、高圧水銀ランプを用いたが、冷却ロール温度が20℃と低かったので、シート抵抗が比較例1と変わらなかった。また、比較例3では、冷却ロール温度が85℃と高かったので、シートにダメージが生じた。
実施例5〜7では、ハロゲンヒータランプを用い、シート温度を80〜160℃の範囲に設定したので、未処理のシートを用いた比較例1に比較してシート抵抗の低い、導電性が向上したシートを作製できた。これに対し、比較例4では、150℃の環境に30分間保存したので、シートにダメージが生じた。また、比較例5では、ハロゲンヒータランプを用いたが、シート温度が180℃と高かったので、シートにダメージが生じた。また、比較例6では、シート温度が50℃と低かったので、シート抵抗が比較例1と変わらなかった。
本発明は、塗布により透明基板と透明導電膜とを含む透明導電性シートを作製するに際し、シートにダメージを与えずに、良好な導電性と透明性とを兼ね備えた透明導電性シートを提供することができる。また、本発明に係る透明導電性シートは、電子ペーパー、フラットパネルディスプレイ(FPD)、太陽電池などの透明電極に応用することができる。
10 透明導電性シート
11 透明基板
12 透明導電膜
20 搬送設備
21 原反
22 紫外線照射装置
23 繰り出しロール
24 冷却ロール
25 巻き取りロール
26 側板
30 コンベア装置
31 照射装置
32 シート
33 シート固定板
34 側板

Claims (5)

  1. 透明基板と、前記透明基板の上に形成された透明導電膜とを含む透明導電性シートの製造方法であって、
    前記透明基板の上に透明導電性粒子を含む塗布液を塗布して透明導電膜を形成する工程と、
    前記透明導電膜を形成して得られた前駆体シートをランプアニール処理する工程とを含み、
    前記ランプアニール処理は、前記前駆体シートを冷却ロールに沿わせながら高圧水銀ランプを用いて行い、前記冷却ロールの温度が25〜80℃であることを特徴とする透明導電性シートの製造方法。
  2. 透明基板と、前記透明基板の上に形成された透明導電膜とを含む透明導電性シートの製造方法であって、
    前記透明基板の上に透明導電性粒子を含む塗布液を塗布して透明導電膜を形成する工程と、
    前記透明導電膜を形成して得られた前駆体シートをランプアニール処理する工程とを含み、
    前記ランプアニール処理は、ハロゲンヒータランプを用いて行い、前記ランプアニール処理時の前記前駆体シートの温度が60〜160℃であることを特徴とする透明導電性シートの製造方法。
  3. 前記透明導電性粒子が、導電性金属酸化物粒子であり、前記導電性金属酸化物粒子が、酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛及び酸化カドミウムからなる群から選ばれる少なくとも一種の金属酸化物粒子である請求項1又は2に記載の透明導電性シートの製造方法。
  4. 前記導電性金属酸化物粒子が、さらにスズ、アンチモン、アルミニウム及びガリウムからなる群から選ばれる少なくとも一種の元素でドープされている請求項3に記載の透明導電性シートの製造方法。
  5. 前記導電性金属酸化物粒子が、スズ含有酸化インジウム粒子、アンチモン含有酸化スズ粒子、アルミニウム含有酸化亜鉛粒子、ガリウム含有酸化亜鉛粒子及びスズ含有酸化インジウムをアルミニウム置換したものからなる群から選ばれる少なくとも一種である請求項4に記載の透明導電性シートの製造方法。
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