JP2010146757A - 透明導電性シートの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】塗布により透明基板に透明導電膜を形成するに際し、透明基板にダメージを与えずに透明導電膜を形成し、良好な導電性と透明性を兼ね備えた透明導電性シートを得る透明導電性シートの製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の透明導電性シート10の製造方法は、透明基板11と、透明基板11の上に形成された透明導電膜12とを含む透明導電性シートの製造方法であって、透明基板11の上に透明導電性粒子を含む塗布液を塗布して透明導電膜12を形成する工程と、透明導電膜12のみを選択的に加熱処理する工程とを含む。
【選択図】図1
【解決手段】本発明の透明導電性シート10の製造方法は、透明基板11と、透明基板11の上に形成された透明導電膜12とを含む透明導電性シートの製造方法であって、透明基板11の上に透明導電性粒子を含む塗布液を塗布して透明導電膜12を形成する工程と、透明導電膜12のみを選択的に加熱処理する工程とを含む。
【選択図】図1
Description
本発明は、透明基板上に透明導電膜を設けてなる透明導電性シートの製造方法に関する。
従来から、透明導電膜や透明導電性インクの材料として、酸化スズ粒子、アンチモン含有酸化スズ粒子(ATO)、スズ含有酸化インジウム粒子(ITO)、アルミニウム含有酸化亜鉛粒子(AZO)、ガリウム含有酸化亜鉛粒子(GZO)などが知られている。中でも、酸化インジウムにスズを含有させたスズ含有酸化インジウム粒子は、可視光に対する高い透光性と、高い導電性から、静電防止や電磁波遮蔽が要求されるオフィスオートメーション(OA)機器の陰極線管(CRT)のパネル表面や液晶ディスプレイ(LCD)の表面などに塗布して使用されている。さらに、スズ含有酸化インジウム粒子を含む塗布液(インク)を塗布して作製された透明導電膜は、タッチパネルなどの、より高い透光性と導電性が要求される分野への応用が期待されている。
また、現在、主に用いられている透明導電膜の成膜方法は、真空蒸着法やスパッタリング法などの物理的方法であるが、成膜する基板の大型化に伴い、製造装置が大掛かりとなり、コストが高くなってしまうという問題が生じている。
そして、コストの面及び簡便であるという点から、塗布法による透明導電膜の成膜が検討されている。例えば、ITO微粒子を含有するシリカゾル液(特許文献1参照)や、ITO微粒子とバインダ用シリケートと極性溶媒からなる塗布液(特許文献2参照)などの導電性粒子を分散させたインクを用いて、ガラスなどの基板上にスピンコーティング、スプレーコーティング、ディップコーティングなどの方法で塗布・乾燥・焼成してITO透明導電膜を形成する製造方法が知られている。しかし、導電性粒子を分散させたインクを透明基板上に塗布することにより透明導電膜を形成する方法では、通常絶縁性であるバインダによって導電性粒子同士の接触が妨げられるため、成膜される透明導電膜の初期シート抵抗値が、スパッタリング法によって成膜された透明導電膜と比較して、2桁以上高くなってしまう問題がある。そのため、透明導電膜の形成工程において、実用的な初期シート抵抗値を得るために、透明導電性シートを高温で焼結させて導電性粒子同士の接触を強化する必要がある。透明導電性シートを高温で焼結する方法として、通常、電気炉や高温槽などにより焼成する方法があるが、このように透明導電性シートを高温で焼結する場合は、基板、特にポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムなどの合成樹脂製のフレキシブル基板にダメージを与える恐れがある。
また、特許文献3には、粒子径40nmのスズ含有酸化インジウム粒子を用い、塗膜中の粒子の体積含有率を60〜80%とし、膜厚3μmの乾燥塗布膜を作製した後、スチールロールによって圧延処理を施す方法が提案されている。しかし、80℃程度の温度しかかけられず、全光線透過率が70%程度であれば、初期シート抵抗が500Ω/スクエア以下となるが、全光線透過率が80%程度という高い透明性を保持する場合には、塗布膜厚を薄くする必要があるため、初期シート抵抗が高くなってしまう問題がある。
また、特許文献4には、透明導電膜にマイクロ波を照射することによって、低い抵抗値を有する透明導電膜を得ることが提案されている。さらに、特許文献5には、透明導電膜にプラズマ又は電磁波を照射することによって、低抵抗かつ可視光透過率が高い膜を形成することが提案されている。しかし、いずれの場合にも、基板にダメージを与える恐れがある。
特開平2−312136号公報
特開平8−176794号公報
特開平4−237908号公報
特開2000−123658号公報
特開2006−49107号公報
このように塗布により基板上に透明導電膜を形成する場合、従来では、基板にダメージを与えず、良好な導電性と透明性を兼ね備えた透明導電性シートを得ることが困難であった。
本発明は、上記問題を解決するため、塗布により基板に透明導電膜を形成するに際し、基板にダメージを与えずに透明導電膜を形成し、良好な導電性と透明性を兼ね備えた透明導電性シートが得られる透明導電性シートの製造方法を提供する。
本発明の透明導電性シートの製造方法は、透明基板と、上記透明基板の上に形成された透明導電膜とを含む透明導電性シートの製造方法であって、上記透明基板の上に透明導電性粒子を含む塗布液を塗布して透明導電膜を形成する工程と、上記透明導電膜のみを選択的に加熱処理する工程とを含むことを特徴とする。
本発明の透明導電性シートの製造方法によって得られる透明導電性シートは、良好な導電性と透明性を兼ね備えているので、電子ペーパー、フラットパネルディスプレイ(FPD)、太陽電池などの透明電極に応用することができる。また、本発明の透明導電性シートの製造方法によれば、基板にダメージを与えず、PETフィルムなどの合成樹脂製のフレキシブルな基板上に透明導電膜を形成し、良好な導電性と透明性を兼ね備えた透明導電性シートが得られる。
発明者らは、上記の目的を達成するため鋭意検討した結果、透明基板上に塗布により透明導電膜を形成した後、透明導電膜のみを選択的に加熱処理することによって、基板にダメージを与えることもなく、優れた導電性及び透明性を有する透明導電性シートが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
以下、本発明の透明導電性シートの製造方法を説明する。
本発明の透明導電性シートの製造方法は、透明基板と、上記透明基板の上に形成された透明導電膜とを含む透明導電性シートの製造方法であって、上記透明基板の上に透明導電性粒子を含む塗布液を塗布して透明導電膜を形成する工程と、上記透明導電膜のみを選択的に加熱処理する工程とを含む。図1は、本発明の製造方法により得られる透明導電性シートの一例を示す概略断面図である。図1において、本発明の透明導電性シート10は、透明基板11と、透明基板11の一方の主面に透明導電膜12を設けている。
透明基板11としては、透明な透光性を有する材料で形成されていれば特に限定されない。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル類、ポリオレフィン類、セルローストリアセテート、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリスルフオン、アラミド、芳香族ポリアミドなどの材料からなる、フィルム又はシートを用いることができる。透明基板11の厚さは、通常3〜300μmである。また、透明基板11は、ガラス板のような硬質の基板でもよく、フレキシブルであってもよい。
なお、透明基板11には、酸化防止剤、難燃剤、耐熱防止剤、紫外線吸収剤、易滑剤、帯電防止剤などの添加剤が添加されていてもよい。さらに、その上に設けられる膜との密着性を向上させるために、基板表面に易接着層(例えば、プライマー層)を設けたり、コロナ処理、プラズマ処理などの表面処理を行ってもよい。
透明導電膜12は、透明導電性粒子を含む塗布液を上記透明基板上に塗布することにより形成される。上記透明導電膜形成用塗布液は、透明導電性粒子と上記透明導電性粒子を分散し得るバインダと溶剤とを含む。
上記透明導電性粒子としては、透明性と導電性を兼ね備えた粒子であればよく、特に限定されず、例えば、導電性金属酸化物粒子や導電性窒化物粒子などを用いることができる。上記導電性金属酸化物粒子としては、酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化カドミウムなどの金属酸化物粒子が挙げられる。また、酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛及び酸化カドミウムからなる群から選ばれる1種類以上の金属酸化物を主成分として、さらにスズ、アンチモン、アルミニウム、ガリウムがドープされた導電性金属酸化物粒子、例えば、アンチモン含有酸化スズ粒子(ATO)、スズ含有酸化インジウム粒子(ITO)、アルミニウム含有酸化亜鉛粒子(AZO)、ガリウム含有酸化亜鉛粒子(GZO)、ITOをアルミニウム置換した導電性金属酸化物粒子などが挙げられる。中でも、透明性、導電性及び化学特性に優れている点から、ITOが特に好ましい。本発明において、主成分とは、導電性金属酸化物粒子において、結晶母体となる金属酸化物のことである。
上記透明導電性粒子の一次粒子径は5〜150nmであることが好ましい。一次粒子径が5nm未満であると、結晶性のよい粒子を得ることが難しい傾向があり、一方、一次粒子径が150nmよりも大きいと、透明性が低下してしまう傾向がある。本発明において、一次粒子径とは、透過型電子顕微鏡(TEM)を用い、粒界で区切られた個々の粒子の粒子径を観察・測定した後、少なくとも20個の粒子の粒子径を平均した平均粒子径をいう。
上記透明導電性粒子を、透明導電膜中の含有量が80〜99重量%の範囲になるようにバインダ溶液中に添加して、分散させることが好ましい。上記透明導電性粒子の透明導電膜中の含有量が80〜99重量%であれば、高い導電性が得られるうえ、透明性も良好となるからである。
上記バインダとしては、上記透明導電性粒子を分散し得るものであればよく、特に限定されない。例えば、塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、塩化ビニル−水酸基含有アルキルアクリレート共重合体、ニトロセルロース、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、UV硬化樹脂などを用いることができる。これらのバインダは、1種又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。光学特性と分散性が良好という点から、アクリル樹脂が好ましい。なお、ポリウレタン樹脂としては、例えば、ポリエステルポリウレタン、ポリエーテルポリウレタン、ポリエーテルポリエステルポリウレタン、ポリカーボネートポリウレタン、ポリエステルポリカーボネートポリウレタンなどが挙げられる。
上記溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族系溶剤、アセトン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチルなどの酢酸エステル系溶剤、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどの炭酸エステル系溶剤、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール系溶剤や、ヘキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミドなどの有機溶剤が挙げられる。
また、透明導電性粒子の分散性を向上させるために、上記透明導電膜形成用塗布液は、分散剤を含んでもよい。このような分散剤としては、特に限定されず、例えば、粒子吸着部位として塩基性官能基を有する櫛型コポリマーなどの公知の分散剤を使用することができる。
上記透明導電膜形成用塗布液を、透明基板11上の一方の主面に塗布することにより透明導電膜12を形成する。塗布方法は、特に限定されず、例えば、ロールコート、ダイコート、エアナイフコート、ブレードコート、スピンコート、リバースコート、グラビアコートなどの塗工法、又はグラビア印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷、インクジェット印刷などの印刷法などを用いることができる。
上記のように、塗布により形成される透明導電膜12の膜厚は、最終的に0.1〜6μmになるように設定することが好ましい。上記透明導電膜の膜厚が0.1μm未満であると、透明性には優れるが、高い導電性が得られにくい傾向がある。また上記透明導電膜の膜厚が6μmを超えると、高い透明性が得られにくい傾向がある。
上記塗布により形成された透明導電膜に対してプレス加工処理やカレンダ処理を施してもよい。プレス加工処理やカレンダ処理を施すことによって、透明導電性粒子が高充填化され、その結果、透明導電膜中の平均空孔率が減少し、膜の導電性、光学特性が向上する。光学特性においては、特に粒子間空隙による散乱光が減少することにより、光散乱強度を表す値であるヘイズ値が著しく減少し、透明性の高いものとなる。
カレンダ処理する場合は、処理速度1〜30m/分、カレンダ温度は、上記バインダを構成している樹脂のガラス転移温度(Tg)に対し、Tg±50℃の範囲内、加圧条件は面圧力9.8×104〜9.8×106Pa(1〜100kg/cm2)の範囲内が好ましい。また、プレス処理する場合は、プレス温度は、上記バインダを構成している樹脂のガラス転移温度(Tg)に対し、Tg±50℃の範囲内、加圧条件は面圧力9.8×104〜9.8×106Pa(1〜100kg/cm2)の範囲内が好ましい。
上記透明導電膜12は、選択的に加熱処理される。透明導電膜12のみを選択的に加熱処理することにより、基板にダメージを与えずに、良好な導電性と透明性を兼ね備えた透明導電性シート10を得ることができる。
上記選択的な加熱処理としては、透明導電膜のみを選択的に加熱する処理であればよく、特に限定されない。例えば、透明導電膜形成側からの短時間のランプアニール処理、基板側を冷風処理しながら透明導電膜形成側を熱風処理することなどが挙げられる。具体的には、ランプアニール処理、熱風表層アニール処理、フラッシュランプアニール処理などが挙げられる。中でも、基板にダメージを与えず、より優れた導電性と透明性を付与するという点から、フラッシュランプアニール処理が好ましい。
上記フラッシュランプアニール処理において、照射エネルギー密度及び/又は照射時間は、透明導電性シートの初期シート抵抗を低下させることができればよく、特に限定されない。透明導電膜の膜厚にもよるが、最終的な膜厚が0.1〜6μmの範囲において、照射エネルギー密度は、0.5〜10J/cm2の範囲であることが好ましい。本発明において、1パルス、すなわち、1回の照射処理で、サンプル基板の単位面積に照射されるトータルのエネルギーを単位面積あたりの照射エネルギーといい、一回の照射処理で、サンプル基板の1cm2の単位面積に照射されるトータルのエネルギーを照射エネルギー密度という。例えば、透明導電膜の最終的な膜厚が1.1μmの場合において、照射エネルギー密度は2.7J/cm2以下であることが好ましい。また、透明導電膜の最終的な膜厚が2.0μmの場合において、照射エネルギー密度は2.1J/cm2以下であることが好ましい。照射エネルギー密度が0.5J/cm2未満であると、初期シート抵抗の低下率が小さくなる傾向があり、一方、10J/cm2を超えると、透明導電膜にクラックが入ってしまう傾向がある。また、照射時間は10μsから10msまでの範囲であることが好ましく、50μsから1msまでの範囲であることがさらに好ましく、50μsから1msまでの範囲であることが特に好ましい。照射時間が10μsより短いと照射ムラができてしまう傾向があり、一方、10msを超えると、透明基板が変形したり、透明導電膜にクラックが入ってしまう傾向がある。
上記透明導電性シートの初期シート抵抗は、1000Ω/スクエア以下であることが好ましく、300Ω/スクエア以下であることがさらに好ましく、100Ω/スクエア以下であることが特に好ましい。上記初期シート抵抗は、透明導電性シートの導電性を示すものであり、値が低いほど、導電性が高いことを示す。ここで、初期シート抵抗とは、選択的加熱処理直後のシート抵抗をいう。
上記透明導電性シートの380〜780nmの波長領域における全光線透過率は、80%以上であることが好ましく、85%以上であることがさらに好ましい。上記全光線透過率は、透明導電性シートの透明性を示すものであり、値が高いほど、透明性が高いことを示す。
上記のように、本発明の透明導電性シートの製造方法によれば、基板にダメージを与えず、優れた導電性と透明性との両立を実現することができる。
以下、実施例に基いて本発明を詳細に説明する。但し、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
<透明導電膜形成用塗布液の調製>
一次粒子径が30nmのITO粒子5.85gと、バインダとしてアクリル樹脂(“BR−113”、三菱レイヨン社製)0.15gとを、メチルエチルケトン、トルエン、イソプロパノール(IPA)をそれぞれ等モル数混合した有機溶剤14gに加えて混合した後、拡散分散用ジルコニアビーズを用いてペイントコンディショナーにより分散処理を施し、透明導電膜形成用塗布液を調製した。
<透明導電膜形成用塗布液の調製>
一次粒子径が30nmのITO粒子5.85gと、バインダとしてアクリル樹脂(“BR−113”、三菱レイヨン社製)0.15gとを、メチルエチルケトン、トルエン、イソプロパノール(IPA)をそれぞれ等モル数混合した有機溶剤14gに加えて混合した後、拡散分散用ジルコニアビーズを用いてペイントコンディショナーにより分散処理を施し、透明導電膜形成用塗布液を調製した。
<透明導電膜形成>
先ず、透明基板として幅100mm、長さ200mm、厚さ100μmのPETフィルムを準備した。次に、調製した透明導電膜形成用塗布液を、#12のバーを用いてバーコーターにより、上記のPETフィルム上に塗布して透明導電膜を形成した。続いて、80℃でカレンダ処理を施した後、透明導電膜側から、透明導電膜のみを、2.7J/cm2の照射エネルギー密度で、200μsの照射時間でフラッシュランプアニール処理(以下において、FLAともいう。)を行い、膜厚1.1μmの実施例1の透明導電性シートを得た。
先ず、透明基板として幅100mm、長さ200mm、厚さ100μmのPETフィルムを準備した。次に、調製した透明導電膜形成用塗布液を、#12のバーを用いてバーコーターにより、上記のPETフィルム上に塗布して透明導電膜を形成した。続いて、80℃でカレンダ処理を施した後、透明導電膜側から、透明導電膜のみを、2.7J/cm2の照射エネルギー密度で、200μsの照射時間でフラッシュランプアニール処理(以下において、FLAともいう。)を行い、膜厚1.1μmの実施例1の透明導電性シートを得た。
(実施例2)
フラッシュランプアニール処理の照射エネルギー密度を2.3J/cm2に設定した以外は、実施例1と同様にして、実施例2の透明導電性シートを得た。
フラッシュランプアニール処理の照射エネルギー密度を2.3J/cm2に設定した以外は、実施例1と同様にして、実施例2の透明導電性シートを得た。
(実施例3)
フラッシュランプアニール処理の照射エネルギー密度を2.0J/cm2に設定した以外は、実施例1と同様にして、実施例3の透明導電性シートを得た。
フラッシュランプアニール処理の照射エネルギー密度を2.0J/cm2に設定した以外は、実施例1と同様にして、実施例3の透明導電性シートを得た。
(実施例4)
フラッシュランプアニール処理の照射エネルギー密度を1.0J/cm2に設定した以外は、実施例1と同様にして、実施例4の透明導電性シートを得た。
フラッシュランプアニール処理の照射エネルギー密度を1.0J/cm2に設定した以外は、実施例1と同様にして、実施例4の透明導電性シートを得た。
(実施例5)
#20のバーを用いてバーコーターで塗布したこと、及び2.1J/cm2の照射エネルギー密度でフラッシュランプアニール処理を施した以外は、実施例1と同様にし、膜厚2.0μmの実施例5の透明導電性シートを得た。
#20のバーを用いてバーコーターで塗布したこと、及び2.1J/cm2の照射エネルギー密度でフラッシュランプアニール処理を施した以外は、実施例1と同様にし、膜厚2.0μmの実施例5の透明導電性シートを得た。
(実施例6)
フラッシュランプアニール処理の照射エネルギー密度を2.0J/cm2に設定した以外は、実施例1と同様にして、実施例6の透明導電性シートを得た。
フラッシュランプアニール処理の照射エネルギー密度を2.0J/cm2に設定した以外は、実施例1と同様にして、実施例6の透明導電性シートを得た。
(実施例7)
フラッシュランプアニール処理の照射エネルギー密度を2.8J/cm2に設定した以外は、実施例1と同様にして、実施例7の透明導電性シートを得た。
フラッシュランプアニール処理の照射エネルギー密度を2.8J/cm2に設定した以外は、実施例1と同様にして、実施例7の透明導電性シートを得た。
(実施例8)
フラッシュランプアニール処理の照射エネルギー密度を2.3J/cm2に設定した以外は、実施例5と同様にして、実施例8の透明導電性シートを得た。
フラッシュランプアニール処理の照射エネルギー密度を2.3J/cm2に設定した以外は、実施例5と同様にして、実施例8の透明導電性シートを得た。
(比較例1)
フラッシュランプアニール処理を施していないこと以外は、実施例1と同様にして、比較例1の透明導電性シートを得た。
フラッシュランプアニール処理を施していないこと以外は、実施例1と同様にして、比較例1の透明導電性シートを得た。
(比較例2)
フラッシュランプアニール処理を施していないこと以外は、実施例5と同様にして、比較例2の透明導電性シートを得た。
フラッシュランプアニール処理を施していないこと以外は、実施例5と同様にして、比較例2の透明導電性シートを得た。
(比較例3)
実施例1における、フラッシュランプによる加熱処理を施していない状態の透明導電性シート全体を、80℃の高温槽で10分間加熱処理して、比較例3の透明導電性シートを得た。
実施例1における、フラッシュランプによる加熱処理を施していない状態の透明導電性シート全体を、80℃の高温槽で10分間加熱処理して、比較例3の透明導電性シートを得た。
(比較例4)
実施例5における、フラッシュランプによる加熱処理を施していない状態の透明導電性シート全体を、80℃の高温槽で10分間加熱処理して、比較例4の透明導電性シートを得た。
実施例5における、フラッシュランプによる加熱処理を施していない状態の透明導電性シート全体を、80℃の高温槽で10分間加熱処理して、比較例4の透明導電性シートを得た。
(比較例5)
実施例1における、フラッシュランプによる加熱処理を施していない状態の透明導電性シート全体を、150℃の高温槽で10分間加熱処理して、比較例5の透明導電性シートを得た。
実施例1における、フラッシュランプによる加熱処理を施していない状態の透明導電性シート全体を、150℃の高温槽で10分間加熱処理して、比較例5の透明導電性シートを得た。
実施例1〜8、及び比較例1〜5の透明導電性シートについて、下記のとおり、初期シート抵抗、全光線透過率、膜厚、表面性及び基板のダメージを測定・評価し、その結果を下記表1に示した。
<初期シート抵抗>
抵抗率測定装置“ロレスタAP MCP−T400”(三菱化学社製)を用い、初期シート抵抗を測定した。
抵抗率測定装置“ロレスタAP MCP−T400”(三菱化学社製)を用い、初期シート抵抗を測定した。
<全光線透過率>
紫外可視近赤外分光光度計“V−570”(日本分光社製)を用い、透明導電性シートの380〜780nmの波長領域における全光線透過率を測定した。
紫外可視近赤外分光光度計“V−570”(日本分光社製)を用い、透明導電性シートの380〜780nmの波長領域における全光線透過率を測定した。
<膜厚>
走査型電子顕微鏡(SEM)による透明導電膜の断面形状観察を行ない、膜厚を測定した。
走査型電子顕微鏡(SEM)による透明導電膜の断面形状観察を行ない、膜厚を測定した。
<表面性>
目視で、透明導電膜側の表面を観察し、クラックが入ってないものをA、クラックが入っているものをBと評価した。
目視で、透明導電膜側の表面を観察し、クラックが入ってないものをA、クラックが入っているものをBと評価した。
<基板のダメージ>
目視で、透明導電性シートの基板側を観察して以下のように判断した。
A:形状に変化がない場合は、基板のダメージがないと判断した。
B:収縮又は伸張がある場合、焦げている場合のいずれかに該当する場合は、基板にダメージがありと判断した。
目視で、透明導電性シートの基板側を観察して以下のように判断した。
A:形状に変化がない場合は、基板のダメージがないと判断した。
B:収縮又は伸張がある場合、焦げている場合のいずれかに該当する場合は、基板にダメージがありと判断した。
表1から、以下のことが分かる。
実施例1と比較例1、及び実施例5と比較例2の比較から、透明導電膜を選択的に加熱処理、例えばフラッシュランプアニール処理することで、高い透明性を維持しつつ、初期シート抵抗が20分の1以下に大幅に低下することが分かった。
実施例1〜4の比較から、透明導電膜の膜厚が同じである場合、フラッシュランプの照射エネルギー密度が小さいほど、初期シート抵抗の低下率が減少することが分かった。
実施例1と実施例7、及び実施例5と実施例8を比較すると、照射エネルギー密度が最適値を超えると、透明導電膜の表面にクラックが発生して好ましくないことが分かった。
実施例1と実施例5を比較すると、透明導電膜の膜厚により照射エネルギー密度の最適範囲が異なり、膜厚に応じて最適な照射エネルギー密度を選択することにより、透明導電膜のクラックの発生を抑えながら、初期シート抵抗を低下させることができることが分かった。
比較例3及び4の結果から、80℃の高温槽を用いた通常の加熱処理では、初期シート抵抗の低下は見られないことが分かった。また、150℃の高温槽を用いて加熱処理を行った比較例5の透明導電性シートでは、ある程度初期シート抵抗を低下させることはできたが、加熱処理の温度が高いためPETフィルムが収縮して、白濁してしまった。すなわち、比較例5の透明導電性シートでは、基板にダメージがあるうえ、透明導電性シートとはいえないほど透明性が著しく低くなっていた。
フラッシュランプアニール処理のような、透明導電膜のみを選択的に加熱処理する方法を用いれば、スパッタ膜に匹敵する低抵抗化が実現でき、低抵抗が必要なフラットパネルディスプレイ(FPD)や電子ペーパーなどの表示素子の透明電極、太陽電池の透明電極などの用途が考えられ、かつ、基板にダメージを与えることがないことから、フレキシブルな基板への応用も考えられ、広範囲の用途が期待できる。
10 透明導電性シート
11 透明基板
12 透明導電膜
11 透明基板
12 透明導電膜
Claims (7)
- 透明基板と、前記透明基板の上に形成された透明導電膜とを含む透明導電性シートの製造方法であって、
前記透明基板の上に透明導電性粒子を含む塗布液を塗布して透明導電膜を形成する工程と、
前記透明導電膜のみを選択的に加熱処理する工程とを含むことを特徴とする透明導電性シートの製造方法。 - 前記加熱処理が、ランプアニール処理、熱風表層アニール処理及びフラッシュランプアニール処理からなる群から選ばれる一種により行われる請求項1に記載の透明導電性シートの製造方法。
- 前記透明導電性粒子が、導電性金属酸化物粒子であり、前記導電性金属酸化物粒子が、酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛及び酸化カドミウムからなる群から選ばれる少なくとも一種の金属酸化物粒子である請求項1又は2に記載の透明導電性シートの製造方法。
- 前記導電性金属酸化物粒子が、さらにスズ、アンチモン、アルミニウム及びガリウムからなる群から選ばれる少なくとも一種の元素でドープされている請求項3に記載の透明導電性シートの製造方法。
- 前記透明導電性粒子が、スズ含有酸化インジウム粒子、アンチモン含有酸化スズ粒子、アルミニウム含有酸化亜鉛粒子、ガリウム含有酸化亜鉛粒子及びスズ含有酸化インジウムをアルミニウム置換したものからなる群から選ばれる少なくとも一種である請求項4に記載の透明導電性シートの製造方法。
- 前記透明導電性シートの初期シート抵抗が、1000Ω/スクエア以下である請求項1〜5のいずれか1項に記載の透明導電性シートの製造方法。
- 前記透明導電性シートの380〜780nmの波長領域における全光線透過率が、80%以上である請求項1〜6のいずれか1項に記載の透明導電性シートの製造方法。
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-
2008
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