JP2009016417A - 透明性を有する電磁波シールド用シート部材の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】透明基材上に導電性ペーストを用いた印刷によるメッシュパターンをベースにして、プラズマディスプレイの前面などに用いることができる電磁波シールド性の高い透明性を有する電磁波シールド用シート部材の製造方法、及び該方法で得られる電磁波シールド用シート部材を提供すること。
【解決手段】透明基材上に導電性ペーストを用いた印刷により、メッシュパターンが形成された電磁波シールド用シート部材の製造方法であって、メッシュパターンが導電性粒子をバインダー樹脂で結着して形成されており、該パターンの線幅が10μm〜30μm、パターン厚みが1〜20μm、該導電性粒子の平均粒径がパターンの線幅及び厚みのいずれか小さい方の4分の1以下で、且つ0.1μm〜5μmであり、該パターンを形成する工程の中に少なくともプレス工程を含む電磁波シールド用シート部材の製造方法、及び該方法で得られる電磁波シールド用シート部材である。
【選択図】なし

Description

本発明は、各種ディスプレイの前面に配置する透明性を有する電磁波シールド用シート部材の製造方法に関する。
PDP(プラズマディスプレイパネル)、CRT(ブラウン管)ディスプレイ等、各種ディスプレイから発生する電磁波をシールドするために、ディスプレイ前面に実質的に透明な電磁波シールド用シート部材が配置される。
そのような実質透明な電磁波シールド用シート部材としては、銀スパッタ薄膜、銅メッシュなどがあるが、銀スパッタ薄膜はコストが高く、また全面を被覆しているため透明性に劣る。
銅メッシュは開口部分があるため透明性は高いが、銅箔をフォトリソグラフィー法でエッチングしてメッシュ形状を作製するため、材料ロスが多く、処理費用が嵩み低コスト化が難しく、環境負荷が大きいという問題があった。
電磁波の反射特性に優れた、シート状の電磁波シールド材として、樹脂と鱗片状金属粒子を分散してなる塗料を、基材の表面に塗布又は印刷して電磁波シールド層を形成し、しかる後、該電磁波シールド層を加圧処理することにより鱗片状金属粒子を樹脂中で平面方向に配向させる電磁波シールド材の製造方法が提案されている(特許文献1参照。)。
しかし、この特許文献1に記載の発明は、透明性電磁波シールド材に関するものではなく、樹脂と鱗片状金属粒子を分散してなる塗料を、基材としてのフィルムや布、不織布などのシート状物の表面に塗布又は印刷するものである。そして印刷をする場合も、塗料を基材表面に、全面べた印刷して電磁波シールド層を形成するものであるから、メッシュ状の開口部がなく、印刷法による透明性電磁波シールド材を開示するものではない。
また、鱗片状金属粒子は、粒子の長さと幅が厚さに対して十分大きな偏平形状を有するものであり、幅及び長さが好ましくは20μm〜100μmというものであり、そのような粒子を含む塗料(インキ)によって、透明性電磁波シールド用シート部材のメッシュパターンのような微細印刷をすることは出来ない。
また、シート材の表面に印刷又は塗布による接着層を形成する工程と、該接着層上に磁性粉体を散布する工程と、該散布された磁性粉体表面を加圧圧縮処理する工程と、前記接着層により磁性粒子をシート材に定着する工程と、余剰の磁性粒子を除去する工程とを有するシート材の表面処理方法が提案されている(特許文献2参照。)。
しかしこの特許文献2に記載の方法は、安価で、軽くしかも柔軟性に富む、広角入射する電磁波を吸収するシート材の表面処理方法およびそれによるシート材を目的とするもので、シート材は、天然繊維、合成樹脂繊維による織布又は不織布、あるいはプラスチック(合成樹脂又は天然樹脂)シートのいずれでもよく、接着層は撚糸および織り目における接着層材料である接着剤、塗料又は印刷用インキが浸透拡散しない範囲の粘性を有している必要があるとされている。
このように、特許文献2記載のシート材も、印刷法の場合においては、べた印刷された接着剤層に磁性粒子を散布するのであって、メッシュ状開口部がないので透明性の電磁波シールド用シート部材を対象とするものではない。そして、磁性粒子は自然落下、吹き付け等により接着層に散布され、しかる後加圧圧縮により磁性粒子をシート材に定着するものである。
また、この加圧圧縮は、液状の接着剤をその上層に散布された磁性粉末層に染み出させて結着させるという目的であり、強く潰しすぎると逆に接着剤が磁性粒子を包んでしまうため、形成する粒子層の接着剤/磁性粒子比が増加すると、接着剤による粉末表面被覆の割合が増加するという問題がある。このとき、磁性粒子を導電粒子に変えたとすれば、電気抵抗が増加する。また、仮にメッシュ状パターンを接着剤の印刷により形成し、該メッシュ状パターンの接着剤層上に磁性粉粒子を散布し、これを加圧すると、加圧によるパターンの広がりを避けることが難しく、電磁波シールドパターンのような微細パターンを形成することはできない。
一方、かかる樹脂と鱗片状金属粉末を分散してなる塗料(導電性ペースト、或いは導電性インキとも呼称する。)をPET等の透明樹脂のフィルム上にパターン印刷する方法において、導電性ペーストとしては一般的に銀の粒子を用いた銀ペーストや銅の粒子を用いた銅ペーストが用いられ、中でも大気中での電気抵抗(以下、単に「抵抗」とも呼称する。)の安定性などから銀ペーストが良く用いられている。
以下、導電性粒子の大きさと導電性の関係について説明する。導電性と電気抵抗とは相反する為、電磁波シールド性を高める為に導電性を高くすることは、即ち電気抵抗を低くすることに対応する。パターンの導電性は主に導電性粒子同士の物理的接触によって確保されるが、粒子径が小さい導電性粒子同士が接触状態にある場合は、金属自体の抵抗(固有の体積抵抗率)よりも接触抵抗の比率が高くなるため、一般的な導電性ペーストの金属微粒子はなるべく粒子径が大きく、鱗片状のものを使うことが多い。これは単位体積当たりの金属微粒子同士の接触抵抗を抑え、できるだけ金属自身の導電性を利用するためである。粒子径が小さいものを使うと、前述のようにパターンの抵抗のうち接触抵抗の割合が大きくなり、また印刷された塗膜の空隙率も大きくなるため、全体としてパターンの体積抵抗率が増大する。しかしながら、微細なパターンを安定して印刷するには、導電性ペーストの金属微粒子の大きさは小さいほうが好ましいという相反する問題が生じる。
また、金属微粒子同士の良好な接触を確保するためにはペーストに含まれるバインダー樹脂の量もある程度の量が必要である。バインダー樹脂が過剰の場合は、金属微粒子間に電気絶縁体であるバインダー樹脂が介在して接点を被覆して導電性が低下する。このため、バインダー樹脂の量は減らした方がよいが、金属微粒子の接触を図るべくバインダー樹脂の量を減らしすぎると、今度は粒子の接触が緩くなり、結果的にパターンの導電性が低下する。また、パターンの機械的強度が低下し、剥離や脱落などの不良の原因となる。特に微細なパターンの場合、パターンの機械的強度の低下は断線につながり、導電性に大きく影響する。
以上のような理由により、従来は、パターンの十分な微細化と必要な高い導電性との両立が困難であった。
これを改善するためには、焼成によりバインダー樹脂を消失させると共に金属から成る導電性粒子同士を融着させ、導電性粒子を実質一体化させる手法などが一般的にとられるが、焼成には通常数百度の温度が必要であり、基材となる透明フィルムがダメージを受けてしまう問題が起きる。また、低温焼成可能なナノメートル程度の微細粒径の材料も近年検討されてはいるが、非常に高価なものであり、低コスト化しにくい。
特開2003−258490号公報 特開2003−268565号公報
本発明は、導電性ペーストを微細パターン印刷することにより製造される電磁波シールド用シート部材について、パターン精度を出すために微細な導電性粒子を用いてもなお、プラズマディスプレイの前面などに用いることができる高い導電性を発現する、パターンの微細化と高い導電性との両立を可能ならしめた、電磁波シールド用シート部材の製造方法、及び電磁波シールド用シート部材を提供することを目的とする。
本発明者らは、粒径が小さな導電性粒子をペースト(インキ)化して印刷、乾燥すると、印刷されたパターン塗膜を形成する導電性粒子間の空隙が増え、本来導電性粒子の材料自体が持つ体積抵抗率に比べ、塗膜の見かけの体積抵抗率が大きくなる傾向があることを知得し、これに圧力をかけてプレスすることにより、導電性粒子間の接触を改善でき、体積抵抗率を低減できることを見出し、本発明を完成した。すなわち、粒径の小さな導電性粒子からなる導電性ペーストをシート基材上に微細印刷した後、圧力をかけてプレスすることを特徴とする。
すなわち本発明は、
(1)透明基材上に、導電性ペーストを用いた印刷によりメッシュパターンが形成された電磁波シールド用シート部材の製造方法であって、メッシュパターンが導電性粒子をバインダー樹脂で結着して形成されており、該パターンの線幅が10μm〜30μm、パターン厚みが1〜20μm、該導電性粒子の平均粒径がパターンの線幅及び厚みのいずれか小さい方の4分の1以下で、且つ0.1μm〜5μmであり、該パターンを形成する工程の中に少なくともプレス工程を含むことを特徴とする電磁波シールド用シート部材の製造方法、
(2)バインダー樹脂が、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、紫外線硬化樹脂のいずれか、又はそれらの混合物を含む前記(1)に記載の電磁波シールド用シート部材の製造方法、
(3)プレス時のプレスロール温度が室温よりも高く、透明基材の耐熱温度よりも低い温度である前記(1)又は(2)に記載の電磁波シールド用シート部材製造方法、
(4)導電性粒子が銀、銅、ニッケル、又はカーボンのいずれか、あるいはそれらの混合物である前記(1)〜(3)のいずれかに記載の電磁波シールド用シート部材製造方法、及び
(5)前記(1)〜(4)のいずれかに記載の製造方法で得られた透明性を有する電磁波シールド用シート部材、
を提供するものである。
本発明の電磁波シールド用シート部材の製造方法によれば、微細な粒径の導電性ペーストを用いる為、十分微細なメッシュパターンを高精度と再現性を以って、印刷法により直接透明基材上に形成出来、しかも印刷されたパターン塗膜を形成する導電性粒子間の空隙が増え、本来導電性粒子の材料自体が持つ体積抵抗率に比べ、塗膜の見かけの体積抵抗率が大きくなるという不具合を、プレス工程により、パターン塗膜に圧力をかけてプレスすることにより、粒子間の接触を改善し、体積抵抗率を低減することができる。
本発明の製造方法によれば、印刷法により透明性の電磁波シールド用シート部材を得ることができるので、全面に金属薄膜を形成してフォトリソグラフィー法等でメッシュパターンを形成するものと比較して、導電材料のロスが少ないので、導電材料の使用量を減らせ、またエッチングなどの処理が不要になるのでコストを低減することができる。
また副次的なメリットとして、プレスにより導電性パターンの厚みが減るため、このシート部材を粘着材などでラミネートする際の泡噛みを軽減することができる。
本発明の透明性を有する電磁波シールド用シート部材の製造方法は、透明基材上に導電性ペーストを用いた印刷により、メッシュパターンが形成された電磁波シールド用シート部材の製造方法であって、メッシュパターンが導電性粒子をバインダー樹脂で結着して形成されており、該パターンの線幅が10μm〜30μm、パターン厚みが1〜20μm、該導電性粒子の平均粒径がパターンの線幅及び厚みのいずれか小さい方の4分の1以下で、且つ0.1μm〜5μmであり、該パターンを形成する工程の中に少なくともプレス工程を含むものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
〔透明基材〕
透明基材としては、少なくとも可視領域で透明な基材が使用可能であり、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル樹脂、ポリプロピレン、シクロオレフィン系樹脂等のポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート(PC)などの透明樹脂のフィルムや板、或いはソーダ硝子、カリ硝子、硼珪酸硝子等の板などが使用可能である。
なお、プレス工程により抵抗を下げた導電性パターンを別途他の透明基材に転写して用いるような場合には、最初の基材は必ずしも透明である必要はなく、通常のフィルムや板など、転写に適した基材も使用可能である。
また、透明基材は、導電性ペースト塗布側に、適宜、各種機能を付与するための下地層があってもよい。各種機能付与の例としては、コロナ放電処理や易接着プライマー塗工処理などによる密着性改善、耐久性改善、印刷性改善、耐溶剤性改善等が挙げられる。
なお、透明基材の厚さは、用途に応じたものとすればよく、特に制限はないが、透明樹脂フィルムからなる場合は、通常10〜500μm程度であり、透明樹脂板やガラス板である場合は、通常1〜5mm程度が好適である。
また、透明基材は、なるべく耐熱温度が高いものが好ましいが、必要な処理温度や用いる冷却方法、およびコストなどを勘案して、適したものを選択すればよい。
例えば透明基材としては、透明性、機械的強度、耐熱性、コスト等のバランスに優れることから、特にポリエチレンテレフタレート(PET)が奨用できる。
本発明の製造方法において、導電性パターンは、導電性粒子をバインダー樹脂で結着して形成されている。
導電性粒子とバインダー樹脂の比重は一般にかなり異なることが多いため、その配合比率は重量比よりも体積比の方が指標として判りやすい。配合されるバインダー樹脂の体積がそれ以外の成分(導電性粒子、フィラー等)の体積に対し多すぎると粒子の接触を妨げ、少なすぎると結着力が不足する。最適量は材料の種類、形状、濡れ性等によっても変わるが、通常は、体積比すなわち(バインダー樹脂の体積/導電性粒子の体積)の値が10%から70%の間にあることが好ましく、25%〜60%の間にあることが更に好ましい。
このような体積比の導電性パターンは、バインダー樹脂成分と導電性粒子を含むペースト(インキ)を用いて印刷し、溶剤等を揮散させた後、加圧プレスして形成される。
ここで、メッシュに使用されるパターンの線幅は、PDPの画像の観察に影響を与えない程度に細くする必要があり、且つ十分な電磁波シールド性の確保と外力による破断の防止の為には太くする必要が有る。両者の両立を測る為、線幅は通常10〜30μm程度である。また、パターンの厚みも、接着剤層を介して他の部材との貼り合わせをする場合に、開口部内に空気が残留して白濁したり、接着不良を生じ無い為には薄い方が良く、且つ電磁波遮蔽性の点からは厚いほうが良く、通常1〜20μmの範囲から適宜選択される。
導電性粒子の粒径は、このように微細なパターンを印刷するために、必然的に微細なものを使う必要がでてくる。理由の一つは印刷精度の問題で、例えば平均粒径5μmの粒子を含む導電性ペーストで10μmの線幅の印刷をした場合、良好な印刷精度を出すことが出来ない。それは印刷解像度になぞらえても良く、導電性粒子のサイズはパターンの最小幅よりも十分に小さくする必要がある。もう一つは、粒子の接触機会の問題で、例えば10μmの線幅のところに粒径5μmの粒子は幅方向に最大2個しか並ばない。電流は密に並んだ導電性粒子の接触部位を通して流れるため、ある粒子の周囲に存在する近傍粒子数が少ない場合、その接触機会は急激に減少する。これは即ち、パターンサイズに比べ粒子のサイズが十分小さくないと、見かけで均質な導電経路が確保されないということを意味し、実際に導電性のバラツキなどが大きくなってしまう。このような点から、導電性粒子の平均粒径は、パターンの線幅及び厚みのいずれか小さい方の4分の1以下で、且つ0.1〜5μmの範囲のものが用いられる。此の理由は、粒径が0.1μm未満だと前記の理由で粒子同士の接触面積が減少して抵抗が高くなり、プレス成型による抵抗低減化でも補い切れなくなる為である。又、粒径が5μmを超過すると厚みが上限20μmでも導電性粒子の平均粒径が、厚み方向の4分の1以下の条件を満たさ無くなる為である。
また、導電性粒子の粒径及びバインダー樹脂の比率を満足したパターンを得るには、透明基材上にこれらを満足する導電性ペースト(インキ)を用いて、所定のパターンを印刷すればよい。
〔導電性ペースト〕
本発明のメッシュパターンの製造に用いる導電性ペーストは、バインダー樹脂を溶剤に溶解した溶液に導電性微粒子を均一分散させた、以下のようなものである。
導電性微粒子としては、金、銀、白金、銅、鉄、錫、ニッケル、アルミニウムなどの低抵抗率金属粒子やこれら金属の合金粒子、黒鉛やカーボンブラックなどの導電性炭素粒子、或いは他の高抵抗率金属粒子、無機絶縁体粒子、或いは樹脂粒子の表面にこれらの金属や黒鉛を被覆したものなどが使用できる。これらは単独で用いてもよく、混合して用いてもよい。例えば、ディスプレイのコントラスト改善を目的として、カーボンやチタンブラックなどの黒い粒子を金属粒子と混合して用いてもよい。ここで、金、銀、ニッケルなどの金属はパターン印刷直後に通電可能な程度の導電性が発現するが、銅、鉄、アルミニウムなど空気中で酸化されやすい金属はパターン印刷後に電気化学処理や薬品処理などを行うことで通電可能な導電性を発現させることができる。特に銅粉の場合は表面の酸化被膜の抵抗が高く、結着体の抵抗も粒子の酸化被膜同士が接触しているため著しく高い。そのため、薬品処理などで表面の酸化被膜を除去することは必須であるが、この酸化被膜は酸性溶液に浸漬することで容易に除去できるため、塩酸、希硫酸等の酸浴あるいは、酸性のめっき浴などを通過させるだけでよい。空気中であまり安定でないこれらの粒子を使う場合は、適宜防錆処理が必要となる。これは一般的な防錆処理をそのまま使用できる。
なお、本発明においては、銀、銅、ニッケル、又は導電性カーボンのいずれか、あるいはそれらの混合物が、プレス工程を経た後の導電性向上(表面抵抗値低下)の点から好ましい。
導電性微粒子の粒子サイズは、前述のようにパターンの線幅及び厚みのいずれか小さい方の4分の1以下で、且つ0.1〜5μmの範囲のものが用いられる。また形状は球状、回転楕円体状、多面体状、塊状、鱗片状、円盤状、繊維状ないし針状など特に制限はなく、各種形状、粒径などを持った粒子を適宜混合して用いてもよい。尚、粒径は、球以外の形状の場合は、回転楕円体の場合は最大長径、多面体の場合は外接球の直径、或いは最大の対角線長、繊維状ないし針状の場合は長手方向(長軸方向)の長さ等で評価する。
また、プレス後での導電性が目的に対し不十分である場合は、必要に応じて電解めっき、無電解めっきなどにより、該導電性ペーストのメッシュパターン上に金属を析出させる方法と併用してもよい。
バインダー樹脂としては、導電性微粒子および透明基材に接着性を有し、さらにめっき工程を経る場合にはめっき液に対して安定した塗膜を保てる樹脂であればよく、特に熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、紫外線硬化樹脂のいずれか、又はそれらの混合物を含む樹脂が好ましい。
熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂等、熱硬化性樹脂としては、例えば、ポリエステル−メラミン、メラミン、エポキシ−メラミン、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、その他エポキシ樹脂等を用いることができる。
また、紫外線硬化樹脂としては、少なくとも1個の不飽和結合を有するオリゴマーあるいはプレポリマー、或いはモノマー(単量体)が挙げられる。具体的には、オリゴマーあるいはプレポリマーとしては、ジエチレングリコール/アジピン酸等からなるポリエステルを(メタ)アクリル酸で変性したポリエステル(メタ)アクリレート、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンから得られたエポキシ化合物を(メタ)メタクリル酸で変性したエポキシ(メタ)アクリレート、ポリウレタンを(メタ)アクリル酸で変性したポリウレタン(メタ)アクリレートあるいは不飽和ポリエステル、セルロースポリ(メタ)アクリレート、ポリスチレン、ポリ置換スチレン等に重合性不飽和基を導入した誘導体およびこれらの共重合体等が挙げられる。
また、モノマーとしては、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
なお、ここで、(メタ)アクリレートの表記は、アクリレート又はメタクリレートを意味する。また、(メタ)アクリル酸の表記は、アクリル酸又はメタクリル酸を意味する。
溶剤としては、バインダー樹脂を溶解するものであって、沸点が100〜250℃程度の有機溶剤を用いることができる。沸点が低すぎると、ペースト作製時あるいはパターン印刷時に溶剤が揮散してペースト性状等が変化して不都合が生じ、沸点が高すぎると、印刷後の乾燥に時間がかかりすぎる。
導電性ペーストの粘度については特に制限はなく、用いる印刷方法や材料によって適宜選択すればよい。本発明においては、導電性粒子にサブミクロン〜ミクロン程度の粒子を用い、微細印刷を行うので、グラビア、フレキソ、シルクスクリーン印刷やディスペンサーなどが適している。このとき用いられるペースト(インキ)粘度は一般に数十mPa・s〜数十万mPa・s程度である。
本発明で用いられる導電性ペーストの組成は、導電性粉末の導電性や粉末の形態に応じて任意に選択されるが、例えば導電性ペーストの固形分100質量部のうち、導電性微粒子(金属微粒子)を40〜99質量部の範囲で含有させることができる。また、ペースト固形分は、ペーストの流動性(印刷適性)や乾燥時の負荷などを考慮して適宜選択すればよいが、通常は60〜90質量%程度である。
上記のような本発明で用いられる導電性ペーストとしては、FA−333(藤倉化成(株)製)などの市販の銀ペースト、ACP−051((株)アサヒ化学研究所製)などの市販の銅ペーストを用いることもできるが、導電性微粒子結着体の空隙率調整やペーストの塗工適性調整のため、導電性微粒子の形状や粒径を調整したり、結着材としてのバインダー樹脂比率を調整したり、固形分を調整して使用することが好ましい。また、これらのペーストには、例えばペーストの塗工適性調整、ペーストの安定性改善、導電性微粒子結着体の強度改善や基材との密着改善、導電性微粒子結着体の空隙調整、導電性微粒子結着体の色味調整などの各種目的に応じて、別途フィラーや添加剤を追加したりしてもよい。
なお、フィラーは球状、塊状、鱗片状、円盤状、繊維状などの各種形状から選ぶことができる。フィラーはめっきをする場合、めっき時に塗膜中に残っていてもよく、めっき時に溶解(分解)して、空隙を形成するようなものでもよい。
〔パターン形状〕
本発明の透明性電磁波シールド部材は、導電性を保ちつつ透明性を確保する必要があるため、細かい開口部を無数に設けたようなメッシュパターン形状にすればよい。メッシュパターン形状としては、開口部の形状は任意で特に限定されず、例えば、正三角形等の三角形、正方形、長方形、菱形、台形等の四角形、六角形、八角形等の多角形、円形、楕円形などであり、それが2次元方向(縦横)に配列して格子模様、ハニカム模様、ランダム網目模様などのメッシュパターンを構成したものを挙げることができる。透明性すなわち光透過性と電磁波シールド性との両立の点から、線幅が10〜30μmである。また、開口率が64〜94%であることが好ましい。
〔印刷法〕
導電性ペーストを透明基材上にメッシュパターンに印刷する印刷法は特に制限されないが、導電性ペーストの性状により適宜選択される。
本発明においては、導電性粒子にサブミクロン〜ミクロン程度の粒径の粒子を用い、微細印刷を行うので、グラビアやグラビアオフセットなどの凹版印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷やディスペンサーなどが適している。印刷後、たとえば100〜150℃程度で熱風乾燥して、溶剤を揮散させ微細パターンを形成した後に、後述するプレス工程において、加圧により中の導電性微粒子(金属微粒子)の接触性を向上させる。
〔プレス工程〕
本発明の電磁波シールド用シート部材の製造方法における、プレス工程(加圧工程)は、プレスロールにより加圧圧縮するのが電磁波シールド用シート部材全体を連続して均一にプレスできる点から好ましい。
プレス時のプレスロール温度は、バインダー樹脂を軟化させる観点から室温以上とし、透明基材の耐熱温度より低い温度とすることが好ましい。
プレスによる加圧力は、もともとの塗膜パターンの空隙率やバインダー樹脂の種類及びパターン部の予備加熱又はプレスロール温度により異なるが、概ねパターン厚みをプレス前と比較して、10〜60%低減する程度の線圧が好ましい。通常は、線圧を大きくしていくと圧縮率も上がり、導電性も向上するが、途中から圧縮率が飽和して上がりにくくなる。ここから更に線圧を高くしていくと基材へのダメージなどの影響も出てくるため、必要以上に線圧を高くしなくてもよい。また、1回でプレスを行っても、複数回プレスを繰り返してもよい。
プレス工程による効果として、導電性粒子同士の接触面積の増加によるメッシュパターンの抵抗の低減に加えて、プレスにより塗膜の緻密さが改善され、塗膜強度や基材との密着性も改善されるため、塗膜中のバインダー樹脂の比率を、プレスをしない場合に比べ、より少なくすることができる。バインダー樹脂の配合比率を下げることは導電性粒子の接触可能部位を多くすることにつながり、結果的に塗膜の体積抵抗率を下げることが出来る。
また、プレス時に加熱をすることでバインダー樹脂の塑性変形が起こりやすくなり、導電性粒子の接触をより安定して改善することができる。
本発明の製造方法で得られた透明性を有する電磁波シールド用シート部材は、例えば、開口率が64〜94%程度の実質透明な導電性パターンを有しつつ、導電性パターン中の導電性粒子の接触を向上させているので、シート部材の体積抵抗率を低減できるので高い電磁波シールド性を有しており、プラズマディスプレイの前面などに好適に用いることができる電磁波シールド用シート部材である。
以下、実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。
実施例1
平均粒径約1μmの銀粒子92質量部とポリエステル系の樹脂8質量部、溶剤としてエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートからなるインキ(導電性ペースト)を調製し、厚み100μmのPETフィルム上にシルクスクリーン印刷した。次いでこれを150℃で熱風乾燥して溶剤を揮散させて、線幅20μm、ピッチ300μm、厚み10μmの格子状パターンを有し開口率87%で実質透明のシートを作製した。銀粒子の粒径はメッシュパターンの厚み及び線幅の何れか小さい方の寸法、すなわち、本実施例においては厚み10μmの1/4よりも小さく、(0.4/4)であった。
得られたシートをロールプレスにて線圧600kg/cmで、室温(23℃)でプレスしたところ、パターン厚みは約14%減少し、厚み8.6μm、線幅20μmの電磁波シールド部材シートを得た。得られた電磁波シールド部材シートの表面抵抗値は、プレス前のシートの表面抵抗値より約30%低減し、6Ω/□であった。
実施例2
実施例1と同じインキ(導電性ペースト)を用い、PETフィルム上にシルクスクリーン印刷にて線幅20μm、ピッチ300μm、厚み10μmの格子状パターンを形成した。得られたシートを熱ロールプレスにて50℃に加温し線圧600kg/cmでプレスしたところ、パターン厚みは約18%減少し、厚み8.2μm、線幅20μmの電磁波シールド部材シートを得た。得られた電磁波シールド部材シートの表面抵抗値は、プレス前のシートの表面抵抗値より約38%低減し、5Ω/□であった。
比較例1
平均粒径7μmの銀粒子を用いる以外は実施例1と同じインキ(導電性ペースト)を用い、PETフィルム上にシルクスクリーン印刷にて線幅20μm、ピッチ300μm、厚み10μmの格子状パターンを有し開口率87%で実質透明のシートを作製した。銀粒子の粒径はメッシュパターンの厚み及び線幅の何れか小さい方の寸法、すなわち、本比較例1においては、厚みの1/4よりも大きく、(2.8/4)であった。
次いで、実施例1と同じロールプレスにて線圧600kg/cmで室温プレスした。得られたパターンを顕微鏡で観察したところ、パターンエッジの直線性は悪く、また、表面抵抗も実施例1に比べ10倍以上の値を示した。
また、プレスによる表面抵抗値の低減効果はほとんど見られなかった。
本発明の電磁波シールド用シート部材の製造方法は、導電性ペーストを透明基材に直接メッシュパターンを印刷し、しかる後、プレス工程により導電性粒子同士を接触させるため、表面抵抗を低減した電磁波シールド用シート部材を得ることができ、各種ディスプレイの前面に配置する透明性を有する高い電磁波シールド性を有するシート部材の製造方法として有効に利用できる。
また、本発明の製造方法で得られる電磁波シールド用シート部材は、PDP等の各種ディスプレイの前面に配置する透明性を有する高い電磁波シールド性を有する電磁波シールド用シート部材として有効に利用できる。

Claims (5)

  1. 透明基材上に、導電性ペーストを用いた印刷により、メッシュパターンが形成された電磁波シールド用シート部材の製造方法であって、メッシュパターンが導電性粒子をバインダー樹脂で結着して形成されており、該パターンの線幅が10μm〜30μm、パターン厚みが1〜20μm、該導電性粒子の平均粒径がパターンの線幅及び厚みのいずれか小さい方の4分の1以下で、且つ0.1μm〜5μmであり、該パターンを形成する工程の中に少なくともプレス工程を含むことを特徴とする電磁波シールド用シート部材の製造方法。
  2. バインダー樹脂が、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、紫外線硬化樹脂のいずれか、又はそれらの混合物を含む請求項1に記載の電磁波シールド用シート部材の製造方法。
  3. プレス時のプレスロール温度が室温よりも高く、透明基材の耐熱温度よりも低い温度である請求項1又は2に記載の電磁波シールド用シート部材の製造方法。
  4. 導電性粒子が銀、銅、ニッケル、又はカーボンのいずれか、あるいはそれらの混合物である請求項1〜3のいずれかに記載の電磁波シールド用シート部材の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法で得られた透明性を有する電磁波シールド用シート部材。
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