JP4678924B2 - 放射線検出器およびこれを用いたx線診断装置 - Google Patents

放射線検出器およびこれを用いたx線診断装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、X線診断装置等に用いられる放射線検出器に係り、特に透過X線などの放射線の光変換効率および検出感度が高く高解像度の撮影画像を得ることが可能な放射線検出器に関する。
【0002】
【従来の技術】
X線,中性子線,ガンマ線などの各種放射線を被検体に照射し、被検体を透過した放射線の強度分布を放射線検出器により測定して被検体の構造的または組成的情報を二次元画像として得る方法(ラジオグラフィ)が、医療用のX線診断装置や手荷物の危険物検出装置、各種構造物の非破壊検査装置として広く利用されている。
【0003】
例えば中性子ラジオグラフィは、被検体を透過して減衰した熱中性子線の強度分布を検出することにより、被検体の構造的または組成的情報を二次元画像として得る方法であり、従来のX線やγ線での検査が困難な水素含有化合物や金属と軽元素物質とから成る複合材料の検査に有効であり、プラント機器、航空機や自動車部品等の広い分野において有効な検査法として利用されている。
【0004】
また、X線診断装置(CTスキャナ)は、被検体としての患者の周囲に多数のX線検出器を配置し、これらの検出器で受信した透過X線の信号を計算機で演算処理して断層像として再構成し、CRTなどの表示装置に表示したり、写真として得るものである。このX線診断装置による断層像は、通常のレントゲン写真などと異なり、人体の輪切り像として得られるため、内臓など人体深部の疾患をより高精度に診断することが可能になる。
【0005】
ここで固体の検出素子を内蔵したX線検出器の主要な用途は、上記のようなコンピュータを利用した計算機処理X線断層撮影装置(X線CT装置:CTスキャナ)であるが、前記のようにガンマ線や核放射線の検出を行う環境測定装置や各種計算機処理ラジオグラフィ分野においても有用性が確認されている。
【0006】
特に商業的撮像技術として有用性が確認されているものが、医療診断用に使用されている計算機処理X線断層撮影法である。当初、この種のX線CT検出器としては、ホェッテン(Whetten)等の米国特許第4031396号,シェリー(Shelley)等の米国特許第4119853号,コティック(Cotic)等の米国特許第4161655号の各明細書に記載された各種検出器が一般的に使用されている。これらの検出器は、X線の検出媒体として高圧のキセノンガスを使用し、そのキセノンガスの比例電離により、X線強度を検出するという原理に基づいて動作するものである。
【0007】
現在のCTスキャナでは、被検体が患者である場合には、患者に対して有害な放射線の曝射量を可及的に低減するために、検出時に高い走査速度を達成する必要がある。また、X線装置の操作速度の増大は、被検対象部が人体頭部であるときには勿論達成する必要があるが、人体全身の走査を行う場合でも不可欠となっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来の検出器においては、X線検出媒体としてX線吸収係数が小さい気体を用いているため、所定の検出感度を達成するためには検出器を大型化することが必須であり、慣性重量が必然的に増大化するため、高速走査は困難であり、また表示装置画面での画素サイズを微小化することは不可能であるため、高解像度の撮影画像を得ることが、困難になるという欠点もあった。
【0009】
一方、最新のマルチスライス型のX線CT装置(CTスキャナ)においては、被検体を透過した放射線を入射させる多数の微細な検出チャンネルを互いに近接して配置した検出器列を採用しているため、各検出チャンネルに光電子増倍管およびそれに付随する高圧電源を装備することは不可能である。そのため、透過放射線によるシンチレータでの発光を電気信号に変換するための光応答手段としてフォトダイオードが一般的に使用されている。しかしながら、フォトダイオード自体は、ほとんど光電変換時に増幅作用を発揮しないため、シンチレータでの発光効率が特性上極めて重要である。
【0010】
そこで従来からCdWOなどの単結晶化合物から成るシンチレータを用いた固体検出器が、高速かつ高解像度用のCTスキャナの放射線検出器として使用されている。しかしながら、この単結晶から成るシンチレータの製造性,発光特性,加工性等に難点が多いことが問題になっていた。すなわち、高い発光効率を有するシンチレータの大部分は、結晶化合物にEu,Tb,Prなどの付活剤を添加して形成されるものであるが、高い発光効率を実現するためには、結晶の成長過程において付活剤の空間分布の一様性を達成するとともに、付活剤の最適濃度を厳格に制御することが必要であり、製造性が極めて低いという問題点があった。また、シンチレータ材料として高純度の基材が必要となり、高解像度CT検出器の製造原価が膨大になる問題点もあった。
【0011】
さらに現在までにCT装置用のX線検出器に商業的に使用されてきたシンチレータの構成材料としては、タングステン酸カドミウム(CdWO)が一般的に使用されてきた。しかしながら、CdWOはX線励起に対しての発光効率が2.5〜3.0%程度と極めて低い欠点がある。そのため、信号出力および雑音レベルが電子雑音レベルと同等近くまで達するため、出力信号の品位が低下し易い問題点がある。
【0012】
またCdWOは切断加工時に、雲母のように劈開し易い性質を有するため、加工性が悪く、損傷や欠陥のない所定寸法のシンチレータ用棒材を得ることが極めて困難になる上に、含有するCdが人体に有害であり、毒性を回避するための設備費が高騰する難点もあった。
【0013】
上記CdWOなどの単結晶化合物から成るシンチレータの問題点を解決する代替手段として、例えば多結晶物質から成るシンチレータも提唱されている。例えば、ユーロピウムで付活した酸化カドミウム・イットリウムなどの希土類酸化物蛍光体から成るシンチレータやプラセオジウムで付活した酸硫化ガドリニウムなどの希土類酸硫化物蛍光体から成るシンチレータも実用化されている。
【0014】
上記シンチレータは、従来から各種のX線診断装置(CTスキャナ)に用いられる検出器ユニット(検出チャンネル)の構成材として使用されている。上記検出器ユニットを一列に配列してシングルスライス型のX線診断装置(CTスキャナ)の検出器が構成される一方、上記検出器ユニットを二次元的に配列してマルチスライス型のX線診断装置の検出器が構成される。上記シングルスライス型CTスキャナにおいては、X線源および検出器の1回転の走査によって1枚の断層画像しか得られないのに対して、マルチスライス型CTスキャナにおいては、複数の断層画像が得られ、より高度な診断操作が可能である。
【0015】
また上記シングルスライス型CTスキャナにおいては、検出器ユニットの高さは30mm程度であるが、マルチスライス型CTスキャナにおいては、より鮮明な断層画像を得るために各検出器ユニットの高さは1mm程度と薄く形成されているため、発光特性が低下し易い問題点があった。
【0016】
すなわち、上記マルチスライス型CTスキャナにおいては、個々の検出器サイズが微小化しているため、シンチレータでの発光の絶対量も小さくなるため、その結果としてフォトダイオードで変換される信号電流も小さくなる欠点がある。
【0017】
一方、被検体が生体であり、特に心臓などの動きのある臓器を鮮明に撮影するために、また患者に対するX線の曝射量を低減するために、走査速度を従来の1回転当り1秒から1回転当り0.5秒程度まで高速化することが実用化の前提になっている。このような技術的要請に対応するために、検出器に用いるシンチレータとしては、より発光効率が高く高感度であること、および残光特性がより短いことが必要である。
【0018】
しかしながら、現在までにCTスキャナで用いられているユーロピウムで活性化した酸化ガドリニウム・イットリウムなどの希土類酸化物蛍光体などから成るシンチレータにおいては、残光特性が長くなるという難点がある。一方、プラセオジウムで活性化した酸硫化ガドリニウムなどの希土類酸硫化物蛍光体などから成るシンチレータにおいては、感度特性が低い難点があり、いずれにしてもX線などの放射線の光変換効率および検出感度が低く、高解像度の撮影画像を得ることは困難であるという問題点があった。
【0019】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、特に透過X線などの放射線の光変換効率およ検出感度が高く高解像度の撮影画像を得ることが可能な放射線検出器を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記目的を達成するため、上記従来の多結晶化合物から成るシンチレータに伴う難点を回避すべく、フォトダイオードに入射するシンチレーション光の強度を高めることが可能な放射線検出器の構成について種々の検討を重ねた。その結果、特に有機蛍光染料や無機蛍光体を含有する透明樹脂から成る光波長変換層を、シンチレータとフォトダイオードなどの光応答手段との間に形成したときに、上記光波長変換層によりシンチレーション光の波長が光応答手段の光応答特性に適合する波長に効果的に変換されるため、光応答手段からの検出信号が大幅に増幅され、結果的に透過X線の光変換効率および検出感度が高くなり、高解像度の撮影画像が初めて得られるという知見を得た。本発明は上記知見に基づいて完成されたものである。
【0021】
すなわち本発明に係る放射線検出器は、放射線源から投射され被検体を透過した放射線を入射させるための複数の検出チャンネルと、各検出チャンネルに入射した放射線の強度に応じたシンチレーション光を出射するシンチレータと、各シンチレータからの出射光を電気信号に変換するフォトダイオードからなる光応答手段と、上記シンチレーション光の波長を光応答手段の光応答特性に適合する波長に変換する光波長変換層とを備え、この光波長変換層を上記各シンチレータと光応答手段との間に形成した放射線検出器において、上記各シンチレータは、一般式BaFX(但し、XはCl,BrおよびIの少なくとも1種のハロゲン元素である。)で表わされるバリウムフロロハロゲン化物にユーロピウムを添加して形成された多結晶質セラミックスから成り、上記波長変換層は、上記シンチレータから発せられる青色ないし紫外発光を吸収し、550nm以上700nm以下の赤色光ないし赤外光に変換するローダミン系有機蛍光染料またはYS:Eu無機蛍光体を含む樹脂層から成ると共に、上記波長変換層におけるFM17C成分含有量が重量%であり、かつこの波長変換層の厚さが8〜55μmであるか、または上記波長変換層におけるスルフォ・ローダミン成分含有量が0.02重量%であり、かつこの波長変換層の厚さが10〜20μmであるか、もしくは上記波長変換層におけるY S:Eu無機蛍光体成分含有量が30重量%であり、かつこの波長変換層の厚さが20μmであることを特徴とする。
【0022】
また、前記光波長変換層は、透明な合成樹脂に有機蛍光染料を均一に溶解した樹脂層から構成するとよい。さらに、前記光波長変換層は、透明な合成樹脂に無機蛍光体を均一に分散した樹脂層から構成することもできる。
【0023】
また、前記有機蛍光染料は、クマリン系化合物,ローダミン系化合物,スルフォローダミン系化合物,ジシアノメチル系化合物(DCM),スチリル系化合物およびパイロメタン系化合物から選択される少なくとも1種の有機化合物であることが好ましい。さらに前記無機蛍光体は、マンガン付活マグネシウムフルオロジャーマネート(2.5MgO・MgF:Mn4+),セリウム付活イットリウムアルミネート(YAl12:Ce)およびユーロピウム付活酸硫化イットリウム(Y S:Eu)から選択される少なくとも1種の蛍光体粒子であることが好ましい。
【0024】
また、前記各シンチレータは、一般式BaFX(但し、XはCl,BrおよびIの少なくとも1種のハロゲン元素である。)で表わされるバリウムフロロハロゲン化物にユーロピウムを添加して形成された多結晶質セラミックスから構成するとよい。さらに前記各シンチレータの気孔率は0.1%以下であることが好ましい。
【0025】
また、本発明に係るX線診断装置は、上記の放射線検出器をX線検出器として備えたことを特徴とする。
【0026】
上記本発明に係る放射線検出器によれば、シンチレータから出射されたシンチレーション光の波長が、光波長変換層によって光応答手段の光応答特性に適合する波長に効果的に変換されるため、光応答手段からの検出信号が大幅に増加し、結果的に透過X線などの放射線の光変換効率および検出感度が高くなり、高解像度の撮影画像が得られる。
【0027】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。図1は本発明に係る放射線検出器としてのX線検出器を備えたX線診断装置(X線CTスキャナ)の一実施例の概略構成を示す断面図である。
【0028】
図1に示すX線診断装置10は、X線などの放射線を放射する放射線源11と、放射されたX線を細い扇形のX線ビーム13にするコリメータ12と、被検体14を透過したX線ビーム13を検出する放射線検出器としてのX線検出器1と、X線検出器1の検出信号を計算機処理して被検体画像17を再構成するコンピュータ15と、被検体画像17を表示するディスプレイ(CRT)16とを備えて構成される。
【0029】
また、放射線源11は、通常、回転陽極式のX線管で構成され、図1に示すようにマルチ断層型のCT装置においては、多数の検出チャンネル(検出セル)1aを二次元的に配置した検出器列としてX線検出器1が構成される。
【0030】
上記X線検出器1を構成する各検出チャンネル(検出セル)1aは、図2および図1に示すように、放射線源11から投射され被検体14を透過した放射線(X線)13を入射させるための複数の検出チャンネル1aと、各検出チャンネル1aに入射した放射線13の強度に応じたシンチレーション光を出射するシンチレータ2と、各シンチレータ2からの出射光を電気信号に変換する光応答手段3とを備えた放射線検出器1において、上記シンチレーション光の波長を光応答手段3の光応答特性に適合する波長に変換する光波長変換層4を上記各シンチレータ2と光応答手段3との間に形成して構成される。
【0031】
X線源11から投射されたX線はコリメータ(スリット窓)12を通過することによって、所定の開口角を有する四角錐状のX線ビーム13となる。X線ビーム13は、その通路中に配置固定された患者などの被検体14を透過して、多数の検出チャンネル1aを二次元配列して構成されたX線検出器1に達する。被検体14を透過したX線ビーム13は、被検体14の各部分の密度に応じて減衰する。各透過X線ビーム13は、X線源11に対向したX線検出器1の各検出チャンネル1aに入射する。
【0032】
そして図2に示すように各検出チャンネル1aに入射した透過X線ビーム13がシンチレータ2を通過する間に、透過X線ビーム13の強度に応じたシンチレーション光が出射される。このシンチレーション光は、光波長変換層4によって波長が変換される。すなわち、光波長変換層4の二次側に配置されたフォトダイオードなどの光応答手段3の光応答特性に適合する波長に変換される。したがって、光応答手段3から出力される電気信号は大幅に増加させることが可能になり、結果的にX線の検出感度を増大させることが可能になる。
【0033】
上記光応答手段3から出力される電気信号の強度は、X線ビームが透過した被検体の各部分におけるX線ビーム13の減衰度を表わす尺度となる。
【0034】
実際のX線撮影において、上記X線源11およびX線検出器1は、開口内部で固定された被検体(患者)14を中心にして、X線撮影を行いながら回転され、被検体14に対する複数の角度位置において、各検出チャンネル1aからの電気信号が画像情報として読み取られる。そして上記X線撮影によって読み取られた電気信号はディジタル化され、コンピュータ15により計算機処理される。すなわち、コンピュータ15は、複数の利用可能なアルゴリズムのうちの1種を使用することにより、扇形X線ビーム13が透過した被検体14の横断面の映像を算出し、被検体画像17として再構成する。再構成された画像はディスプレイ16に表示される。被検体画像17は、例えば被検体14の断層像である。マルチスライス型のX線CT装置では、被検体14の断層像が複数同時に撮影される。このようなマルチスライス型のX線CT装置によれば、撮影結果を立体的に描写することもできる。
【0035】
図1に示すX線診断装置(CTスキャナ)10において、X線源11はX線検出器1に対して対向するように固定され、両者の相対位置が固定された状態で被検体14の周囲を高速度で回転するように構成されている。この場合において、より高い空間解像度を達成するためには、二次元配列された多数の検出チャンネル1a列の中央部分の検出器セルの位置においては、そのセル間隔を可及的に微細にすることが要求される。
【0036】
上記観点から本実施例によって構成される検出チャンネルは上記検出チャンネル列を構成する上で極めて望ましい形態である。図2に本実施例で使用するX線検出器1の各検出チャンネル(単一セル)1aの構造を示しているように、各検出チャンネル1aのセル幅は扇形X線ビーム13の対面部分に沿ったX線を入射させる入射窓5の厚さを規定する一対のコリメータ板6,7の間隔によって決定される。
【0037】
ここで良好な空間解像度を達成するためには、扇形X線ビームを可及的に多くの画素チャンネルに分割することが重要であり、そのためには、X線検出器1を構成する各検出チャンネル1aのセルサイズを可及的に小さくすることが必要である。本実施例では、二次元的に配列した多数の検出チャンネル全体のセル長、すなわち、扇形X線ビームの平面に垂直な方向のセル寸法は40〜60mmに設定され、1列の長さは1〜2mmとされ、セル幅は1mm程度に規定される。
【0038】
上記検出チャンネル1aにおいて、コリメータ板6,7の間を通過してシンチレータ2に入射した透過X線13は、可視または近可視スペクトル範囲内の低エネルギ輻射線(シンチレーション光)に変換される。
【0039】
従来のX線検出器においては、シンチレータから出射されたシンチレーション光は直接、フォトダイオードなどの光応答手段に供給され、この光応答手段においてシンチレーション光の強度に比例した電気信号に変換されていた。しかしながら、上記シンチレーション光の波長は、フォトダイオードの分光応答特性(エネルギ変換効率)に適合した波長ではないため、光変換効率が低いという致命的な問題点があった。
【0040】
図3はX線診断装置(CTスキャナ)に一般的に用いられる光応答手段としてのフォトダイオードの分光応答特性(エネルギ変換効率)を示すグラフである。シンチレーション光を高い変換効率で電気信号に変換するためには、シンチレーション光は550〜850nmのスペクトル領域に波長を有する輻射線であることが好ましい。しかしながら、X線を可視光線等の輻射線に変換する蛍光体材料は広く知られているが、必ずしも上記フォトダイオードの分光応答特性に適合した発光波長である550〜850nmのスペクトル領域に発光スペクトルを有する高効率のシンチレータ用蛍光体は未だ開発されていない。
【0041】
そこで本願発明では、図2に示すように、シンチレータ2と光応答手段としてのフォトダイオードアセンブリ3との間に光波長変換層4を設けている。この光波長変換層4は、シンチレータ2の発光波長を、フォトダイオードの光応答特性に適合した発光波長の輻射線に変換し、X線の検出感度をより高める作用を発揮する。
【0042】
上記光波長変換層は、透明な合成樹脂に有機蛍光染料を均一に溶解した樹脂層から構成してもよいが、透明な合成樹脂に無機蛍光体を均一に分散した樹脂層から構成してもよい。
【0043】
上記有機蛍光染料および無機蛍光体の担体となる樹脂材料としては、ポリメタクリル酸エステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、アルキド樹脂、芳香族スルフォンアミド樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂などが好適に使用できる。
【0044】
また上記有機蛍光染料は、クマリン系化合物,ローダミン系化合物,スルフォローダミン系化合物,ジシアノメチル系化合物(DCM),スチリル系化合物およびパイロメタン系化合物から選択される少なくとも1種の有機化合物であることが好ましい。上記DCMの具体例としては、4−(ジシアノメチレン)−2−メチル−6−(P−ジメチルアミノスチリル)−4H−ピランなどがある。
【0045】
また上記無機蛍光体は、マンガン付活マグネシウムフルオロジャーマネート(2.5MgO・MgF:Mn4+),セリウム付活イットリウムアルミネート(YAl12:Ce)およびユーロピウム付活酸硫化イットリウム(Y S:Eu)から選択される少なくとも1種の蛍光体粒子であることが好ましい。
【0046】
上記光波長変換層は、単層のみならず相互に特性が異なる蛍光材料を含有した複数層で構成することも可能である。例えば、波長が400mm近傍のシンチレーション光を、より長波長である450〜550nm程度の波長を有する青緑発光に変換し、さらに、この変換発光をより長波長のシンチレーション光に変換し、最終的にローダミン系またはスルフォローダミン系の赤色系発光に変換することにより、フオトダイオードにおける光電変換効率をさらに高めることも可能である。
【0047】
また、図2に示すX線検出器1において、シンチレータ2によって出射されたシンチレーション光を、効率的にフオトダイオード3の活性表面に導くために、次のような表面処理を実施するとよい。例えば、シンチレータ2のフォトダイオード3に接する側面以外の表面を処理することによってシンチレータ2の内側に向ってシンチレーション光が反射するように構成することによってシンチレーション光の散乱を防止するとよい。
【0048】
本発明に係るX線検出器1で使用するシンチレータ2を構成する材料としては、高効率でX線を可視光線等の輻射線(シンチレーション光)に変換できるものである限り、特に限定されるものではない。しかしながら、特性の安定性の観点から前記各シンチレータは、一般式BaFX(但し、XはCl,BrおよびIの少なくとも1種のハロゲン元素である。)で表わされるバリウムフロロハロゲン化物にユーロピウムを添加して形成されたアルカリ土類金属弗化ハロゲン化物蛍光体の多結晶質セラミックスから成ることが、より好ましい。
【0049】
上記多結晶質セラミックスから成るシンチレータは下記のような製造方法によって調製される。すなわち、所定組成の蛍光体粉末を冷間静水圧プレス(CIP)法や金型成形法などによって成形し、得られた成形体を真空中または不活性ガス雰囲気中あるいは弱還元性雰囲気中で焼結し、得られた焼結体について切削,研磨などの機械加工を施すことにより、所定寸法を有する棒状のシンチレータが容易に調製できる。
【0050】
特に高密度で緻密な多結晶質セラミックスを形成するためには、粒子径を最適領域に調整した蛍光体原料粉末を使用することが必要である。具体的に原料粉末の粒子径は3μm以下が好ましく、さらに0.5〜1.5μmの範囲がより好ましい。
【0051】
また、蛍光体原料粉末をCIPプロセスで成形する場合には、147MPa(1.5ton/cm)以上の静水圧を付加させるとよい。この成形操作によって得られる成形体の充填密度は、理論密度の60〜80%に達する。
【0052】
さらに焼結操作はホットプレス法,熱間静水圧プレス(HIP)法などの高温圧縮技術を利用して実施される。焼結温度は600〜1200℃の範囲に設定することが好ましい。この焼結温度が600℃未満の場合には、セラミックス焼結体中に形成された気孔の除去が困難になる。一方、焼結温度が1200℃を超えると、多結晶質セラミックスの結晶サイズが粗大化して機械的強度等が低下し、加工性が悪化するとともに加工の仕上り寸法精度も低下するため、好ましくない。また、焼結圧力は、特に緻密なシンチレータを形成するために、40MPa以上であることが必要である。
【0053】
また本発明に係るX線検出器において、シンチレーション光の透過性を良好にするために、各シンチレータの気孔率が0.1%以下であることが好ましい。上記気孔率が0.1%を超えると、シンチレーション光が散乱し易くなるとともに、シンチレーション光が光応答手段に伝達されにくくなるためである。
【0054】
本発明で使用するシンチレータの好適な製造方法として、以下のような方法を採用することができる。すなわち、白金箔をライニングした軟鋼製カプセルに、前記のように形成したCIP成形体を収容し、アルゴンガス雰囲気中で45MPaの加圧力を作用させた状態で温度900℃で2時間HIP処理を行う方法、あるいは、上記CIP成形体をグラファイト型に収容し、5×10−2Torrの真空下で、温度650℃、50MPaの加圧力を作用させて3時間ホットプレス処理する方法などが好適に用いられる。
【0055】
なお、これらの好適な製造方法においてBaFXなる組成の蛍光体本体に対して付活剤としてのEuなどの希土類元素が0.1〜5mol%の範囲で添加される。上記希土類元素から成る付活剤は、シンチレータに入射した透過X線を、フォトダイオードなどの光応答手段の光応答特性に適合した波長を有するシンチレーション光に変換する効率をより高めるために、シンチレータの含有成分として添加されるものである。
【0056】
上記のような製造方法によれば、過大な製造コストを必要とせずに、加工性が良好で緻密な多結晶質セラミックスから成るシンチレータが得られる。上記の製造方法によって得られたシンチレータ用多結晶質セラミックスは、気孔率が0.1%以下となるような理論密度にほぼ等しい高密度を有し、X線照射による可視光線変換効率が高いものである。
【0057】
しかしながら、上記多結晶質セラミックス製シンチレータは、波長380〜400nm付近に発光ピークを有する青色ないし紫外線発光性を呈し、前記のようなフォトダイオードの分光感度特性に適合しない難点がある。すなわち、上記シンチレータは青色から紫外線領域で発光するため、シンチレーション光を電気信号に変換するシリコンフォトダイオードに直接照射しても光電変換効率が低い欠点がある。
【0058】
そこで本発明では図2に示すように、シンチレータ2とフォトダイオード3との間に光波長変換層4を形成している。この光波長変換層4は、シンチレータ2における青色ないし紫外線発光の波長を550〜700nmの赤色ないし赤外線領域の波長に変換してフォトダイオード3の分光応答特性に適合させることにより、フォトダイオード3における光電変換効率を大幅に増加させる。
【0059】
本発明者らがシンチレータの構成材料として検討した各種アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物の中では、下記の理由でBaFClが特性的に最も好適である。すなわち、診断用X線装置を含めて放射線医学分野において一般的に使用される放射線のエネルギ範囲の全域に亘って、上記BaFClはかなり大きなX線阻止能を有しており、特に被検体が人体である場合に余剰なX線を照射することが少なくなり、有害な放射線の被曝量を大幅に低減することができる。
【0060】
また、BaFClは、セラミックス焼結体の製法として一般的に使用されている高温圧縮技術を使用することにより、ほぼ理論密度に近く、気孔の発生が少なく発光効率が高い多結晶質セラミックスとして形成することが可能である。ちなみに、付活剤としてユーロピウム(Eu)を添加したBaFCl:Euシンチレータの発光効率は約13%にも達する。
【0061】
上記BaFClに類似した結晶学的性質およびCTスキャナ用シンチレータ用途として有効なシンチレーション特性を有することが判明した他の蛍光体としては、BaFBrおよびBaFIがある。これらの蛍光体はBaFClと同等以上のX線阻止能を有する点で有利である。しかしながら、BaFIは潮解性を有し化学的に若干不安定であるという欠点を有する。したがって、シンチレータ構成材としては化学的安定性が良好で放射線脆化が少ないBaFClなどの多結晶質セラミックスが最適である。
【0062】
上記のような多結晶質セラミックスから成るシンチレータにおいて、シンチレーション光の波長,減衰時間,残光量,ヒステリシス現象の程度などの変換特性は、シンチレータに含有される希土類元素から成る付活剤の種類に大きく依存する。なお、付活剤として0.1〜5mol%の最適濃度でユーロピウムを添加した場合、シンチレータでの主たる発光波長は360〜400nmの範囲になる。
【0063】
上記シンチレータで出射されたシンチレーション光の波長を、フォトダイオードの分光応答特性に適合させるために、本発明では図2に示すように有機蛍光染料または無機蛍光体を含有する光波長変換層4を、シンチレータ2とフォトダイオード3との間に配設形成している。
【0064】
図4は、有機蛍光染料としてのスルフォローダミン他を含有した光波長変換層を形成した場合におけるシンチレータの発光スペクトルを示すグラフである。図4に示すように光波長変換層を有するシンチレータの発光スペクトルのピーク波長は560〜620nmであり、この値は、図3に示すようなCTスキャナ用途に使用される光応答手段としてのシリコンフォトダイオードのピーク応答波長に極めて近接している。したがって上記のような光波長変換層を形成することにより、光応答手段に適合した波長を有する光に変換し得るシンチレータが得られると同時に光応答手段における光電変換効率が大幅に増加し、X線の検出精度が向上し、高い解像度を有する被検体画像を得ることが可能となる。
【0065】
前記のように多結晶質セラミックスで形成されたシンチレータの全ての変換特性はCT(コンピュータトモグラフィー)用途およびDR(デジタル・ラジオグラフィー)用途の放射線検出器のシンチレータとして同様に好適に利用できる。なお、上記シンチレータから出射されたシンチレーション光の一次減衰時間は、10マイクロ秒以下であるが、シンチレータに含有される付活剤としてのユーロピウムの濃度を上昇させたり、またはセリウム(Ce)を併用添加することにより、さらに低減させることが可能である。
【0066】
図2に示す本実施例に係るX線検出器は、図5に示すようなシングルスライス型CT装置の他に、図6に示すようなマルチスライス型CT装置のX線検出器として同様に適用することができる。図5に示すCT装置では、X線源11から照射されたX線ビーム13は被検体14を透過する。透過X線は単列で配設されたX線検出器1にて検出され、電気信号に変換される一方、図6に示すCT装置では、X線源11から照射されたX線ビーム13は被検体14を透過する。透過X線は複列で配設されたX線検出器1にて検出され、電気信号に変換される。
【0067】
上記図5に示すシングルスライス型CT装置においては、X線源11およびX線検出器1が一回転する撮影操作で1枚の断層画像しか得られない。これに対して図6に示すマルチスライス型CT装置においては、複数の断層画像が得られるため、より高度で精密な診断が可能になる。上記断層画像は、図1に示すようなディスプレイ(CRT)17上に表示される一方、後日の診断医による検査に資するためにフィルム等の形態で保管される。
【0068】
次に、本発明に係る放射線検出器のさらに具体的な実施例について説明する。
【0069】
実施例
まず、平均粒子径が2μmのBaFCl:Eu(Eu濃度=0.2mol%)蛍光体粉末をラバープレスにより成形した。この成形体をTa製のカプセル中に収容し、アルゴンガスによる45MPaの静水圧をカプセルに作用させると同時に温度900℃に加熱して2時間熱間静水圧加圧(HIP)処理を実施して多結晶質セラミックスを多数製造した。得られた多結晶質セラミックスの気孔率は0.05%であった。この多結晶質セラミックスを切削・研磨加工することより、各実施例用のシンチレータを製造した。
【0070】
一方、透明な合成樹脂材料としてのポリビニルブチラールをエタノールに溶かした溶液に、表1に示すようにFM17C(ローダミン系有機染料:シンロイヒ社製)を2重量%または有機蛍光染料としてのスルフォ・ローダミンを0.02重量%の割合で配合して、それぞれ樹脂スラリーを調製した。
【0071】
次に前記のように調製した各実施例用のシンチレータのX線入射側と反対側の側面に上記樹脂スラリーを塗布する操作と乾燥硬化させる操作とを繰り返して、最終的に表1に示す厚さを有する光波長変換層を一体に形成した各実施例1〜8用のシンチレータを調製した。
【0072】
図4は、有機蛍光染料としてのスルフォローダミン他を含有した光波長変換層4を形成した実施例1〜5用のシンチレータ2の発光スペクトルを示すグラフである。図4に示すように光波長変換層4を有するシンチレータ2の発光スペクトルのピーク波長は560〜620nmであり、この値は、図3に示すようなCTスキャナ用途に使用される光応答手段としてのシリコンフォトダイオードのピーク応答波長に極めて近接している。
【0073】
次に、図2に示すように1対のコリメータ板6,7で区画されたセル幅1mmの検出セルの端部に上記光波長変換層4を一体に形成した各シンチレータ2を嵌装し、さらに光波長変換層4の二次側に光応答手段としてのフォトダイオードアセンブリ3を一体に組み込むことにより、実施例1〜8に係る放射線検出器としてのX線検出器1をそれぞれ調製した。
【0074】
比較例
一方、有機蛍光染料などを含有した樹脂スラリーを塗布せず、光波長変換層を全く形成しない点以外は、各実施例と同一性状のシンチレータおよびフォトダイオードアセンブリを用いることにより、各実施例と同一寸法を有する比較例に係るX線検出器を調製した。
【0075】
そして上記のように調製した各実施例および比較例に係るX線検出器の光電変換効果を比較評価するために、各X線検出器に所定強度のX線を入射させ、フオトダイオードアセンブリから出力される電気信号強度を測定した。但し、電気信号強度は光波長変換層を形成しない比較例の検出器から出力される電気信号強度を基準値(100%)にして相対値として示した。測定結果を下記表1に示す。
【0076】
【外1】
Figure 0004678924
【0077】
【表1】
Figure 0004678924
【0078】
上記表1に示す結果から明らかなように、シンチレータ2と光応答手段としてのフォトダイオード3との間に、所定の蛍光体を含有する光波長変換層4を形成した各実施例に係るX線検出器1によれば、シンチレータ2において出射されたシンチレーション光の波長が上記光波長変換層4によりフォトダイオード3の光応答特性に適合する波長に効果的に変換されるため、比較例の検出器に較べてフォトダイオード3における光電変換効率が大幅に改善されることが判明した。その結果、X線検出器1としての検出感度が向上し、高解像度の撮影画像が得られることが判明した。
【0079】
なお、以上の実施例においては、医療用のX線診断装置に使用されるX線検出器を例にとり説明してきたが、本発明に係る放射線検出器は上記医療診断用のX線検査装置に限らず、工業用途のX線非破壊検査装置などに対しても同様に適用可能である。本発明に係る放射線検出器は、X線非破壊検査装置による検出精度の向上に対しても大きく寄与するものである。
【0080】
【発明の効果】
以上説明の通り、本発明に係る放射線検出器は、シンチレータから出射されたシンチレーション光の波長が、光波長変換層によって光応答手段の光応答特性に適合する波長に効果的に変換されるため、光応答手段からの検出信号が大幅に増加し、結果的に透過X線などの放射線の光変換効率および検出感度が高くなり、高解像度の撮影画像が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る放射線検出器を使用したX線診断装置(CT装置)の一実施例の概略構成を示す断面図。
【図2】図1に示すX線診断装置に使用した放射線検出器を構成する1個の検出チャンネルの構成を示す断面図。
【図3】シリコンフォトダイオードの分光応答特性を示すグラフ。
【図4】光波長変換層の発光スペクトルを示すグラフ。
【図5】シングルスライス型のCT装置による診断操作を示す模式図。
【図6】マルチスライス型のCT装置による診断操作を示す模式図。
【符号の説明】
1 放射線検出器(X線検出器)
1a 検出チャンネル(検出セル)
2 シンチレータ
3 光応答手段(フォトダイオード)
4 光波長変換層
5 入射窓
6,7 コリメータ板
10 X線診断装置(CTスキャナ)
11 放射線源(X線管)
12 コリメータ(スリット窓)
13 X線ビーム
14 被検体(患者)
15 コンピュータ
16 ディスプレイ(CRT)
17 被検体画像

Claims (5)

  1. 放射線源から投射され被検体を透過した放射線を入射させるための複数の検出チャンネルと、各検出チャンネルに入射した放射線の強度に応じたシンチレーション光を出射するシンチレータと、各シンチレータからの出射光を電気信号に変換するフォトダイオードからなる光応答手段と、上記シンチレーション光の波長を光応答手段の光応答特性に適合する波長に変換する光波長変換層とを備え、この光波長変換層を上記各シンチレータと光応答手段との間に形成した放射線検出器において、上記各シンチレータは、一般式BaFX(但し、XはCl,BrおよびIの少なくとも1種のハロゲン元素である。)で表わされるバリウムフロロハロゲン化物にユーロピウムを添加して形成された多結晶質セラミックスから成り、上記波長変換層は、上記シンチレータから発せられる青色ないし紫外発光を吸収し、550nm以上700nm以下の赤色光ないし赤外光に変換するローダミン系有機蛍光染料またはYS:Eu無機蛍光体を含む樹脂層から成ると共に、
    上記波長変換層におけるFM17C成分含有量が重量%であり、かつこの波長変換層の厚さが8〜55μmであるか、または
    上記波長変換層におけるスルフォ・ローダミン成分含有量が0.02重量%であり、かつこの波長変換層の厚さが10〜20μmであるか、もしくは
    上記波長変換層におけるY S:Eu無機蛍光体成分含有量が30重量%であり、かつこの波長変換層の厚さが20μmであることを特徴とする放射線検出器。
  2. 前記光波長変換層は、透明な合成樹脂に有機蛍光染料を均一に溶解した樹脂層から成ることを特徴とする請求項1記載の放射線検出器。
  3. 前記光波長変換層は、透明な合成樹脂に無機蛍光体を均一に分散した樹脂層から成ることを特徴とする請求項1記載の放射線検出器。
  4. 前記各シンチレータの気孔率が0.1%以下であることを特徴とする請求項1記載の放射線検出器。
  5. 前記請求項1ないし4のいずれかに記載の放射線検出器をX線検出器として備えたことを特徴とするX線診断装置。
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