JP2001089762A - セラミックシンチレータ材料とその製造方法、およびそれを用いた放射線検出器と放射線検査装置 - Google Patents

セラミックシンチレータ材料とその製造方法、およびそれを用いた放射線検出器と放射線検査装置

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JP2001089762A JP2000205402A JP2000205402A JP2001089762A JP 2001089762 A JP2001089762 A JP 2001089762A JP 2000205402 A JP2000205402 A JP 2000205402A JP 2000205402 A JP2000205402 A JP 2000205402A JP 2001089762 A JP2001089762 A JP 2001089762A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 セラミックシンチレータ材料において、優れ
た光出力を維持した上で、検出器の小型化などに対応し
得る強度を有すること、さらにアーチファクトの原因と
なる感度の不均一性などを改善することが求められてい
る。 【解決手段】 セラミックシンチレータ材料は、付活剤
としてPrを含有する希土類酸硫化物蛍光体の焼結体か
らなる。この焼結体は不定多角形の粗大結晶粒と細長い
微細結晶粒とが混在した組織を有する。粗大結晶粒は例
えば大きさ(平均値)が50〜100μmの範囲の形状を有
し、微細結晶粒は平均短径が2〜5μmの範囲で、平均長
径が5〜100μmの範囲の形状を有する。これら粗大結晶
粒と微細結晶粒の面積の比は10:90〜60:40の範囲とされ
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、X線などの放射線
を可視光線などに変換するセラミックシンチレータ材料
とその製造方法、およびそれを用いた放射線検出器と放
射線検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】医療診断や工業用非破壊検査などの分野
においては、X線断層写真撮影装置(以下、X線CT装
置と記す)などの放射線検査装置を用いた検査が行われ
ている。X線CT装置は、扇状のファンビームX線を照
射するX線管(X線源)と、多数のX線検出素子を併設
したX線検出器とを、被検査体の断層面を中央として対
向配置して構成されている。X線CT装置においては、
被検査体に対して回転させながらX線管からファンビー
ムX線を照射し、被検査体を透過したX線吸収データを
X線検出器で収集する。この後、このX線吸収データを
コンピュータで解析することによって、断層像が再生さ
れる。
【0003】上述したようなX線CT装置の放射線検出
器には、固体シンチレータを用いた検出素子が広く使用
されている。固体シンチレータを用いた放射線検出器で
は、検出素子を小型化してチャンネル数を増やすことが
容易であることから、X線CT装置の解像度をより一層
高めることができる。
【0004】シンチレータは、X線などの放射線の刺激
により可視光線または可視光線に近い波長の電磁波を放
射する物質である。このようなシンチレータ特性を有す
る固体物質としては、NaI、CsI、CdWO4など
の単結晶体、BaFCl:Eu、LaOBr:Tb、C
sI:Tl、CaWO4、CdWO4などの多結晶体(セ
ラミックス)(特公昭59-45022号公報など参照)、(G
d,Y)2O3:Euのような立方晶構造を有する希土類
酸化物の多結晶体(セラミックス)(特開昭59-27283号
公報など参照)、Gd2O2S:Prのような希土類酸硫
化物の多結晶体(セラミックス)(特開昭58-204088号
公報など参照)などが知られている。
【0005】上述したような各種固体シンチレータのう
ち、特に希土類酸硫化物系の蛍光体セラミックスは、発
光効率が高く、シンチレータに好適な特性を有してい
る。このため、希土類酸硫化物系のセラミックシンチレ
ータとフォトダイオードとを組み合せた放射線検出器が
普及しつつある。
【0006】このようなセラミックシンチレータ材料
(蛍光体セラミックス)は、希土類酸硫化物粉末を適当
な形状に成形し、これを焼結することにより作製されて
いる。得られた焼結体から矩形棒状のシンチレータチッ
プが切り出され、さらにこのシンチレータチップは複数
のセグメントにスライスされる。検出素子は、例えば複
数のセグメントを集積したシンチレータブロックにより
構成される。
【0007】ところで、希土類酸硫化物系の蛍光体セラ
ミックスについては、透明性(透光性)の改良、焼結性
の改良などに関して種々の提案がなされている。例え
ば、特開平7-188655号公報には、Gd2O2S:Prなど
の蛍光体セラミックス中の不純物量、特に燐酸根(PO
4)の含有量を100ppm以下とすることによって、シンチ
レータの光出力を向上させることが記載されている。
【0008】また、特公平5-16756号公報には、希土類
酸硫化物粉末にLiF、Li2GeF6、NaBF4のよ
うなフッ化物を焼結助剤として添加し、これらの混合粉
末を熱間静水圧プレス(HIP)で焼結することによっ
て、高密度化させた蛍光体セラミックスが記載されてい
る。ここでは、蛍光体セラミックスを高密度化すること
によって、シンチレータの光出力の向上などを図ってい
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、希土
類酸硫化物系の蛍光体セラミックスの透明性や焼結性な
どに関しては、従来から種々の提案がなされてきた。し
かし、最近のX線CT装置においては、高解像度化(多
チャンネル化)に伴う検出素子の小型化、さらにはマル
チ断層像化に伴う検出素子の小型・長尺化などが求めら
れており、これら基づいて以下に示すような新たな問題
が生じている。
【0010】すなわち、検出素子の小型化などに伴っ
て、焼結工程により得た蛍光体セラミックスを例えば幅
1mm以下、長さ20〜40mm、奥行き2〜3mmというような大
きさのシンチレータチップに加工する必要が生じてい
る。このような大きさのシンチレータチップは、蛍光体
セラミックスが多結晶体であることに起因して、加工時
や検出器の組み立て時に折れや欠けなどが発生しやす
く、セラミックシンチレータの歩留りを低下させる要因
になっている。
【0011】このような点に対して、例えば特公平5-16
756号公報に記載されているように、蛍光体セラミック
スの高密度化はある程度有効である。しかし、上記公報
に記載されている蛍光体セラミックスは、フッ化物が焼
結助剤として添加されているため、この焼結助剤が蛍光
体セラミックス中に不純物として残留し、発光特性が低
下するという問題がある。これはセラミックシンチレー
タの感度を低下させることになる。また、上記公報では
焼結助剤により結晶粒の一部を柱状に結晶成長させてい
る。しかし、このような焼結組織を有する蛍光体セラミ
ックスでは、柱状粒以外の結晶粒の粒径が小さいことか
ら、十分な強度を得ることができず、また光出力(感
度)の点でも不利になっている。
【0012】さらに、X線CT装置の高解像度化などに
伴って、被検査体を通過したX線吸収データをコンピュ
ータで解析して断層像を再生する際に現れるアーチファ
クト(疑似画像)が問題となっている。アーチファクト
はセラミックシンチレータの局所的な感度の不均一性な
どに起因して発生する。アーチファクトが出現すると医
療診断や非破壊検査の障害となることから、蛍光体セラ
ミックスの感度分布をより均一にすることが望まれてい
る。
【0013】セラミックシンチレータの感度の均一化に
対しては、各シンチレータチップの特性を均一にするこ
とに加えて、1本のシンチレータチップから切り出され
た複数のセグメントで1つのチャンネルを構成すること
が有効である。しかしながら、従来の蛍光体セラミック
スはチップ形状への加工時に折れや欠けなどが発生しや
すいことから、1本のシンチレータチップの長さに限界
がある。すなわち、シンチレータチップはより長くする
ことが求められているが、従来の蛍光体セラミックスで
はシンチレータチップの長尺化に限界がある。
【0014】特に、マルチ断層像タイプのX線CT装置
では、1つのチャンネルを多数のセグメントで構成して
おり、このために1本のシンチレータチップから切り出
すセグメント数を増やす必要がある。しかし、従来の蛍
光体セラミックスから切り出したシンチレータチップで
は、このような要求に応じることができず、複数のシン
チレータチップから切り出したセグメントで1つのチャ
ンネルを構成しているのが現状である。
【0015】本発明はこのような課題に対処するために
なされたもので、優れた光出力を維持した上で、検出器
の小型化などに対応し得る強度を有するセラミックシン
チレータ材料とその製造方法を提供することを目的とし
ている。より具体的には、長尺なシンチレータチップを
実用化し得る強度を有するセラミックシンチレータ材料
を提供することを目的としている。また、アーチファク
トの原因となる感度の不均一性などを改善したセラミッ
クシンチレータ材料とその製造方法を提供することを目
的としている。さらに、そのようなセラミックシンチレ
ータ材料を使用することによって、解像度や画像精度を
高め、これにより医療診断能や非破壊検査精度の向上を
図った放射線検出器および放射線検査装置を提供するこ
とを目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、希土類酸
硫化物蛍光体の焼結体組織と感度や強度との関係につい
て種々検討した。その結果、蛍光体原料を高純度化して
感度の向上を図った蛍光体セラミックスにおいて、焼結
体組織を比較的大きい不定多角形の結晶粒(本発明では
粗大結晶粒と称する)と比較的小さくかつ細長い結晶粒
(本発明では微細結晶粒と称する)とが混在する組織と
することによって、強度の向上を図ることができると共
に、感度についてもより一層高めることができることを
見出した。さらに、上記したような混在組織を有する蛍
光体セラミックスは感度の均一性にも優れることから、
アーチファクトの出現なども有効に抑制することが可能
となる。
【0017】本発明はこのような知見に基づくものであ
る。すなわち、本発明のセラミックシンチレータ材料
は、請求項1に記載したように、主付活剤としてプラセ
オジムを含有する希土類酸硫化物蛍光体の焼結体を具備
するセラミックシンチレータ材料であって、前記焼結体
は不定多角形の粗大結晶粒と細長い微細結晶粒とが混在
した組織を有することを特徴としている。
【0018】本発明のセラミックシンチレータ材料にお
いて、請求項2に記載したように、焼結体組織を構成す
る粗大結晶粒は大きさの平均値が50〜100μmの範囲であ
ることが、また微細結晶粒は平均短径が2〜5μmの範囲
で、かつ平均長径が5〜100μmの範囲であることが好ま
しい。さらに、請求項3に記載したように、焼結体の断
面における粗大結晶粒の占める面積(S1)と微細結晶
粒の占める面積(S2)の比を、S1:S2=10:90〜60:4
0の範囲とすることが好ましい。
【0019】本発明のセラミックシンチレータ材料は、
使用形態や使用過程などにより種々の形状を有する。セ
ラミックシンチレータ材料の具体的な形状としては、板
状のシンチレータスラブや矩形棒状のシンチレータチッ
プなどが挙げられる。本発明のセラミックシンチレータ
材料は高強度を有することから、シンチレータスラブに
関しては直径が20mm以上、厚さが0.5mm以上の円板、あ
るいは短辺の長さが20mm以上、長辺の長さが110〜500m
m、厚さが0.5mm以上の矩形板を実現することができる。
シンチレータチップに関しては、長さが20mm以上、幅が
0.5〜2mm、厚さが0.5〜3mmというような形状を実現する
ことができる。
【0020】本発明のセラミックシンチレータの製造方
法は、請求項14に記載したように、主付活剤としてプ
ラセオジムを含有する希土類酸硫化物蛍光体の焼結体を
具備するセラミックシンチレータ材料の製造方法におい
て、前記焼結体を作製する際の熱処理条件および/また
は圧力条件を、前記焼結体の組織が不定多角形の粗大結
晶粒と細長い微細結晶粒とが混在した組織となるように
制御することを特徴としている。具体的な制御条件とし
ては、例えばHIP処理条件が挙げられる。
【0021】本発明の放射線検出器は、請求項16に記
載したように、上記した本発明のセラミックシンチレー
タ材料を具備し、入射した放射線に応じて前記セラミッ
クシンチレータ材料を発光させる蛍光発生手段と、前記
蛍光発生手段からの光を受け、前記光の出力を電気的出
力に変換する光電変換手段とを具備することを特徴とし
ている。
【0022】本発明の放射線検出器は、特に蛍光発生手
段が複数のチャンネルを備える構造に対して有効であ
る。この場合、蛍光発生手段における各チャンネルは、
本発明のセラミックシンチレータ材料からなる矩形棒状
のシンチレータチップをスライスして作製した複数のセ
グメントを、複数のチャンネルの配列方向と略直交する
方向に集積したシンチレータブロックにより構成され
る。
【0023】本発明の放射線検査装置は、請求項19に
記載したように、被検査体に向けて放射線を照射する放
射線源と、前記被検査体を透過した放射線を検出する、
上記した本発明の放射線検出器とを具備することを特徴
としている。本発明の放射線検査装置は、X線CT装置
の高解像度化や高精度化などに対して有効であり、さら
にマルチ断層像タイプのX線CT装置の実用化などに寄
与するものである。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施するための形
態について説明する。
【0025】本発明のセラミックシンチレータ材料は、
付活剤としてプラセオジム(Pr)を含有する希土類酸
硫化物蛍光体の焼結体(蛍光体セラミックス)からなる
ものである。希土類酸硫化物蛍光体材料としては、例え
ばイットリウム(Y)、ガドリニウム(Gd)、ランタ
ン(La)、ルテチウム(Lu)などの希土類元素の酸
硫化物が挙げられる。
【0026】本発明のセラミックシンチレータ材料にお
いては、 一般式:RE2O2S:Pr …(1) (式中、REはY、Gd、LaおよびLuから選ばれる
少なくとも1種の元素を示す)で実質的に表される組成
を有する蛍光体材料を使用することが好ましい。
【0027】上述した希土類元素のうち、特にGdはX
線吸収係数が大きく、蛍光体セラミックスの光出力の向
上に寄与する。従って、本発明ではGd2O2S:Pr蛍
光体を使用することが好ましい。なお、Gdの一部は他
の希土類元素で置換してもよい。この際、他の希土類元
素による置換量は10mol%以下とすることが好ましい。
【0028】すなわち、本発明のセラミックシンチレー
タ材料においては、特に 一般式:(Gd1-x,RE′x)2O2S:Pr …(2) (式中、RE′はY、LaおよびLuから選ばれる少な
くとも1種の元素を示し、xは0≦x≦0.1を満足する数
である)で実質的に表される蛍光体材料を使用すること
が望ましい。
【0029】本発明においては、希土類酸硫化物蛍光体
の光出力を増大させる付活剤としてプラセオジム(P
r)を使用している。Prは他の付活剤に比べてアフタ
ーグローの低減などを図ることができる。従って、付活
剤としてPrを含有する希土類酸硫化物蛍光体は、放射
線検出器の蛍光発生手段として有効である。
【0030】Prの含有量は、蛍光体母体(例えばGd
2O2S)に対して0.001〜10mol%の範囲とすることが好
ましい。Prの含有量が10mol%を超えると、逆に光出
力の低下を招くことになる。一方、Prの含有量が0.00
1mol%未満では、主付活剤としての効果を十分に得るこ
とができない。より好ましいPrの含有量は0.01〜1mol
%の範囲である。
【0031】本発明においては、主付活剤としてのPr
に加えて、希土類酸硫化物蛍光体に対してCe、Zrお
よびPから選ばれる少なくとも1種を共付活剤として微
量含有させてもよい。これら各元素は曝射劣化の抑制、
アフターグローの抑制などに対して効果を示す。これら
共付活剤の含有量は総量として、蛍光体母体に対して0.
00001〜0.1mol%の範囲とすることが好ましい。
【0032】さらに、本発明のセラミックシンチレータ
材料を構成する焼結体は、高純度の蛍光体材料からなる
ことが好ましい。不純物はシンチレータの感度の低下要
因となるため、できるだけ不純物量は低減することが好
ましい。特に、燐酸根(PO4)は感度の低下原因とな
るため、その含有量は150ppm以下とすることが好まし
い。なお、特公平5-16756号公報に記載されているよう
に、フッ化物などを焼結助剤として使用して高密度化を
図った場合には、前述したように焼結助剤が不純物とし
て残留するため、感度の低下をもたらすことになる。
【0033】本発明のセラミックシンチレータ材料は、
上述したような希土類酸硫化物蛍光体の焼結体からなる
ものであり、その断面を観察したときに、比較的大きい
不定多角形の粗大結晶粒と比較的小さい長尺な微細結晶
粒とが混在した組織により焼結体組織が構成されている
ことを特徴とするものである。
【0034】ここで、高純度の希土類酸硫化物蛍光体粉
末をラバープレスで適当な形に成形してから、金属容器
などに充填封入して、高温、高圧の条件で熱間静水圧プ
レス(HIP)して焼結させた場合、HIP焼結の進行
に伴って、以下に示すような成長過程で結晶粒が成長す
る。希土類酸硫化物蛍光体の焼結体の結晶粒の成長過程
について、図1(a)〜(c)に示す焼結体の断面拡大
写真を参考にして説明する。
【0035】すなわち、HIP処理の進行に共に、図1
(a)に示すような蛍光体の一次粒子の焼結集合体か
ら、図1(b)に示すように、細長い棒状に見える比較
的小さい結晶粒と不定多角形の比較的大きい結晶粒とが
混在した組織が観察されるようになる。さらに、HIP
処理が進行すると、図1(c)に示すように、焼結体全
体が不定多角形の粗大な結晶粒に成長する。
【0036】上述したような希土類酸硫化物蛍光体の各
焼結体組織について、折れ強度の測定と感度および感度
分布の測定を実施したところ、図1(b)に示した不定
多角形の粗大結晶粒と細長い微細結晶粒との混在組織を
有している場合に、高強度を示すと共に、感度特性およ
び感度の均一性が優れることを見出した。このような希
土類酸硫化物蛍光体の結晶粒の成長過程、およびそれに
基づく強度および感度特性は、HIP処理の条件を変え
て作製した多数の試料について、その断面に現れるグレ
ーン構造の観察、抗折強度の測定、感度および感度分布
の測定を行った結果として初めて見出されたものであ
る。
【0037】従来のセラミックスの常識では、光学的性
質および機械的強度の均一性などの観点から、図1
(c)に示したような均一なグレーン構造を有する蛍光
体セラミックスの方がより良好な特性を有するものと考
えられてきた。しかし、本発明者等は多数の実験結果か
ら、図1(b)に示したように、焼結体が不定多角形の
粗大結晶粒と細長い微細結晶粒との混在組織を有する場
合に、強度、感度および感度分布の均一性に優れたシン
チレータ材料が得られることを見出した。すなわち、混
在組織を有する焼結体はシンチレータ材料として最適な
特性を示すものである。
【0038】図1(b)に示したような焼結体組織は、
不定多角形の粗大結晶粒と細長い微細結晶粒とが混在し
ていることに基づいて、セラミックシンチレータ材料の
機械的強度の向上に大きく寄与する。セラミックシンチ
レータ材料(焼結体)を高強度化することによって、そ
れを例えば長さが20〜300mm、幅が0.5〜2mm、厚さが0.5
〜3mmというような形状を有するシンチレータチップに
加工する際に、折れや欠けなどの発生を大幅に抑制する
ことが可能となる。同様に、シンチレータチップを検出
器に組み込む際の折れや欠けなども抑制することができ
る。
【0039】さらに、図1(b)に示したような混在組
織を有する焼結体は、粗大結晶粒の周囲に存在する微細
結晶粒が歪を緩和するように作用するため、セラミック
シンチレータ材料の感度をより一層高めることができ
る。さらに、感度分布の均一性にも優れることから、ア
ーチファクトの抑制などに対しても効果を発揮する。こ
れらは放射線検出器の小型・高解像度化などに大きく寄
与する。
【0040】一方、HIPによる焼結状態が図1(a)
に示したような場合には、グレーンサイズが小さいこと
から、X線照射による発光は焼結体内部で多重散乱し、
外部に効果的に取り出すことができない。このため、感
度が小さくなる。さらに、蛍光体粒子相互の結合力も弱
く、焼結体自体が脆くなるため、加工時や検出器の組み
立て時に折れや欠けなどが多数発生する。
【0041】図1(c)に示したように、焼結体全体が
ランダムな不定多角形の結晶粒に成長した場合には、図
1(b)に示した混在組織に比べて強度が低下する。さ
らに、結晶歪が増大することによって、感度が低下す
る。感度分布のばらつきも大きくなるために、そのよう
な蛍光体セラミックス(シンチレータ材料)を放射線検
出器に適用すると、アーチファクトが出現しやすくな
る。
【0042】なお、結晶粒の成長過程で図1(b)に示
したような細長い結晶粒が観察される現象は、酸硫化ガ
ドリニウムのような希土類酸硫化物系の蛍光体に固有の
現象である。細長い結晶粒が形成されるメカニズムは十
分には解明されていないが、希土類酸硫化物蛍光体が非
等方的な六方晶系の結晶構造を有することに起因するも
のと考えられる。
【0043】本発明のセラミックシンチレータ材料の微
細組織において、不定多角形の粗大結晶粒は大きさの平
均値が50〜100μmの範囲の形状を有することが好まし
い。一方、細長い微細結晶粒は、平均短径が2〜5μmの
範囲で、かつ平均長径が5〜100μmの範囲の形状を有す
ることが好ましい。不定多角形の粗大結晶粒および細長
い微細結晶粒がこのような形状を有する場合に、強度、
感度および感度分布の均一性をより再現性よく向上させ
ることができる。
【0044】ここで、図2に示すように、不定多角形の
粗大結晶粒G1の大きさは、それを完全に内包する最小
円の直径Dを示すものとする。また、図3に示すよう
に、細長い微細結晶粒G2の長径および短径は、微細結
晶粒G2を平行な2組の直線で囲み、これらの直線で形成
される外接四角形の長辺の長さL1および短辺の長さL2
を示すものとする。
【0045】焼結体の断面における粗大結晶粒の占める
面積(S1)と微細結晶粒の占める面積(S2)の比は、
S1:S2=10:90〜60:40の範囲とすることが好ましい。
粗大結晶粒の占める面積S1の比率が10%未満である
と、光出力(感度)の低下を招くおそれがある。一方、
粗大結晶粒の占める面積S1の比率が60%を超えると、
強度の向上効果を十分に得ることができないおそれがあ
ると共に、感度分布にばらつきが生じる傾向がある。上
記した面積比はS1:S2=20:80〜50:50の範囲とするこ
とがさらに好ましい。
【0046】ここで、本発明における粗大結晶粒および
微細結晶粒の平均形状は、以下のようにして測定するも
のとする。すなわち、まず焼結体の表面を鏡面研磨し、
さらに塩酸:過酸化水素水:水=1:1:1の割合で調製
したエッチング液によりエッチングする。乾燥後、任意
の表面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察する。観察
結果としての結晶粒の集合を示す拡大写真のうち、まず
倍率100倍の写真で粗大結晶粒と微細結晶粒とに分類す
る。次いで、任意の結晶粒を例えば350倍や700倍といっ
た高倍率に拡大して観察し、それぞれの結晶粒の形状を
測定する。各結晶粒の形状については図2および図3に
示した通りである。各結晶粒について10個以上測定し、
それらの平均値を求める。これらの値を粗大結晶粒およ
び微細結晶粒の平均形状とする。
【0047】同様に、粗大結晶粒の占める面積(S1)
と微細結晶粒の占める面積(S2)の比は、上述した倍
率100倍の拡大写真(SEM写真)から粗大結晶粒の占
める面積を、トレース用紙に写し取るなどしてS1とし
て求める。S2はS1を除く全面積として求める。これら
の値からS1とS2の比を求めるものとする。
【0048】上述したような希土類酸硫化物蛍光体の焼
結体からなる本発明のセラミックシンチレータ材料は、
例えば以下に示す製造方法を適用することにより得るこ
とができる。本発明のセラミックシンチレータ材料(焼
結体)の作製には、例えばHIP処理が適用される。図
1(b)に示したような粗大結晶粒と微細結晶粒との混
在組織は、結晶粒の成長過程の過渡的な状態ということ
ができるため、HIP処理条件を制御することが重要で
ある。
【0049】まず、GdやPrなどの各希土類元素を所
定量秤量し、これらを十分に混合する。この際、各出発
原料には例えば酸化ガドリニウムや酸化プラセオジムな
どの酸化物が用いられる。これら各出発原料の混合物と
しては、以下に示すような均一な混合酸化物を用いるこ
とが好ましい。すなわち、各希土類酸化物を硝酸などで
溶解した後、シュウ酸などにより共沈させる。この各希
土類元素を含む共沈殿物を900〜1000℃で焼成して均一
な混合酸化物を得る。
【0050】次いで、上記したような希土類元素の混合
酸化物粉末、例えば5×10-5〜1×10-2molのPr2O3を
含むGd2O3粉末に、硫黄(S)粉末などの硫化剤と、
A3PO4やA2CO3(AはLi、Na、K、Rbおよび
Csから選ばれる少なくとも1種の元素)などのフラッ
クスとを配合して十分に混合する。このような混合粉末
を1100〜1300℃の温度で5〜10時間焼成した後、酸およ
び水で洗浄することによって、希土類酸硫化物蛍光体粉
末を得る。
【0051】このようにして得た希土類酸硫化物粉末
を、蛍光体セラミックス(焼結体)の原料として用い
る。使用する希土類酸硫化物粉末は、平均粒子径が2〜2
0μmの範囲であることが好ましい。希土類酸硫化物粉末
の平均粒子径が2μm未満であると、例えばラバープレス
成形の段階で充填率が低下する。このため、高温圧縮を
行うHIP処理で収縮が大きくなり、金属カプセルの収
縮量の増大に基づいて破損が生じる可能性が高くなる。
一方、希土類酸硫化物粉末の平均粒子径が20μmを超え
ると、HIP処理でより高温にする必要が生じるため、
強度、感度、感度分布などが低下する傾向がある。希土
類酸硫化物粉末の平均粒子径は3〜10μmの範囲であるこ
とがさらに好ましい。
【0052】上述したような希土類酸硫化物粉末をラバ
ープレスで適当な形に成形した後、金属容器などに充填
封入してHIP処理を施す。この際のHIP処理条件が
本発明では特に重要となる。すなわち、まずHIP温度
は1400〜1600℃の範囲とすることが好ましい。HIP温
度が1400℃未満であると、グレーン成長を十分に促進す
ることができない。一方、HIP温度が1600℃を超える
と、急激にグレーン成長が進行し、本発明の特徴部分で
ある混在組織を得ることが困難となる。より好ましいH
IP温度は1450〜1550℃の範囲である。
【0053】HIP圧力は98MPa以上とする。HIP圧
力が98MPa未満であると、HIP効果を十分に得ること
ができない。HIP時間はHIP温度およびHIP圧力
にもよるが、HIP温度1400〜1600℃、HIP圧力98MP
a以上とした場合に、HIP時間は5〜7時間の範囲とす
ることが好ましい。このような条件下で希土類酸硫化物
粉末にHIP処理を施すことによって、焼結体組織を不
定多角形の粗大結晶粒と細長い微細結晶粒とが混在した
組織に調整することができる。すなわち、本発明のセラ
ミックシンチレータ材料を再現性よく得ることができ
る。
【0054】HIP温度が上記した温度より低かった
り、またHIP時間が上記した時間より短いと、図1
(a)に示したような蛍光体の一次粒子の集合体組織を
有する焼結体となるおそれが大きい。さらに、HIP温
度が上記した温度を超えたり、またHIP時間が上記し
た時間より長いと、図1(c)に示したような結晶粒が
ランダムな不定多角形に成長した焼結体となる可能性が
大きい。
【0055】上述したようなHIP処理を適用した焼結
体の製造工程によれば、希土類酸硫化物蛍光体の高密度
焼結体が得られる。このような焼結体をセラミックシン
チレータとして使用するにあたって、まず焼結体から円
板状や矩形板状のシンチレータスラブが切り出される。
シンチレータスラブの形状は、例えば円板であれば直径
が20mm以上、厚さが0.5mm以上、矩形板であれば短辺の
長さが20mm以上、長辺の長さが110〜500mm、厚さが0.5m
m以上とすることができる。シンチレータスラブの厚さ
が0.5mm未満では、X線阻止能ならびに強度が不十分と
なる。より好ましい厚さは1mm以上である。円板状スラ
ブの直径は、チップの長尺化などに対応するために90mm
以上とすることが好ましく、より好ましくは300mm以上
である。同様に、矩形板状スラブの短辺の長さは90mm以
上とすることが好ましく、より好ましくは300mm以上で
ある。
【0056】本発明による希土類酸硫化物蛍光体の焼結
体は、高強度を有しかつ特性の均一性に優れることか
ら、上記したような大型のシンチレータスラブであって
も安定して得ることができ、さらにその特性を良好に保
つことができると共に、特性のばらつきも大幅に低減す
ることが可能となる。
【0057】さらに、上述したようなシンチレータスラ
ブを加工することによって、矩形棒状のシンチレータチ
ップが作製される。シンチレータチップは、固体シンチ
レータとして放射線検出器などに用いられる。シンチレ
ータチップの形状は、例えば長さが20mm以上、幅が0.5
〜2mm、厚さが0.5〜3mmとすることができる。本発明の
希土類酸硫化物蛍光体の焼結体が有する高強度特性に基
づいて、上記したようなシンチレータチップであっても
歩留りよく得ることができる。すなわち、長さが20mm以
上はもちろんのこと、長さが90mm以上、さらには300mm
以上というようなシンチレータチップに加工するにあた
って、折れや欠けなどの発生を大幅に抑制することが可
能となる。さらに、HIP時の焼結体クラックの発生を
抑制することができる。
【0058】本発明のセラミックシンチレータ材料は、
前述したように感度特性に優れ、さらに感度分布の均一
性にも優れることから、上記したような形状を有するシ
ンチレータチップを放射線検出器の蛍光発生手段として
使用することによって、検出素子の小型化、放射線の検
出感度の向上、アーチファクトの抑制などが実現可能と
なる。これは放射線検出器の小型・高解像度化などに大
きく寄与する。
【0059】シンチレータチップは、放射線検出器の1
つのチャンネル当たりのセグメント数の増加などに対応
するために、より長くすることが求められている。本発
明のセラミックシンチレータ材料を用いれば、例えば長
さが40mm以上のシンチレータチップが実現可能となる。
さらに、長さが90mm以上、またさらには300mm以上のシ
ンチレータチップであっても、実用化することできる。
このような本発明の材料を適用したシンチレータチップ
は、3点曲げ試験による抗折強度が80MPa以上というよう
な強度を有する。
【0060】上記したような長尺なシンチレータチップ
によれば、1本のチップから切り出された複数のセグメ
ントで1つのチャンネルを構成することができる。すな
わち、放射線検出器の各チャンネルの特性をそれぞれ均
一化することが可能となる。例えば、マルチ断層像タイ
プのX線CT装置では、1つのチャンネルが多数のセグ
メントで構成されている。本発明のシンチレータチップ
は、このような用途に好適なものである。
【0061】次に、本発明の放射線検出器および放射線
検査装置の実施形態について、図4、図5および図6を
参照して説明する。
【0062】図4は本発明を適用したX線検出器の一実
施形態の概略構成を示す図である。同図に示すX線検出
器1は、蛍光発生手段としてシンチレータブロック2を
有している。シンチレータブロック2は、図5に示すよ
うに、前述した本発明のシンチレータチップから切り出
した複数のセグメント3を、縦横方向に多数集積して構
成したものである。
【0063】シンチレータブロック2においては、各チ
ャンネル2a、2a…毎に、例えば1本のシンチレータ
チップから切り出した複数のセグメント3が用いられて
いる。そして、この1本のシンチレータチップから切り
出した複数のセグメント3を縦列方向に整列させること
によって、各チャンネル2a、2a…が構成されてい
る。シンチレータブロック2において、各チャンネル2
a、2a…間には反射材4が介在されている。
【0064】シンチレータブロック2の各チャンネル2
a、2a…の前方には、X線の入射方向を規制するコリ
メータ5が設けられており、斜め方向から入射するX線
を遮断して、垂直に入射するX線のみをシンチレータブ
ロック2に導いている。コリメータ5は、各チャンネル
2a、2a…毎にX線の入射方向を規制するように配置
されている。また、シンチレータブロック2の後方に
は、光電変換部6が設けられている。光電変換部6は、
シンチレータブロック2の各セグメント3、3…に対応
させて配置された複数のフォトダイオード7を有してい
る。
【0065】上記したX線検出器1においては、シンチ
レータブロック2にX線が入射し、この入射したX線量
に応じてシンチレータブロック2の各セグメント3が発
光する。各セグメント3から放射された光は、フォトダ
イオード7でそれぞれ検出される。すなわち、入射した
X線量に基づいて発光する光の出力は、フォトダイオー
ド7により電気的出力に変換され、これにより入射X線
量が測定される。
【0066】このような本発明のX線検出器1では、シ
ンチレータブロック2のチャンネル2aを本発明のシン
チレータチップから切り出した複数のセグメント3で構
成しているため、X線の検出感度を向上させることがで
きると共に、各チャンネル2a、2a…毎の感度(出
力)の均一性を高めることができる。これらによって、
X線検出器1の特性ならびに精度が大幅に向上する。X
線検出器1はマルチ断層像タイプのX線CT装置に好適
に用いられるものである。さらに、このようなX線検出
器1を精度よくかつ高歩留りで作製することができる。
【0067】図6は本発明を適用したX線CT装置の一
実施形態の概略構成を示す図である。同図に示すX線C
T装置10は、上述した実施形態のX線検出器1を有し
ている。X線検出器1は、被験者12の撮像部位を安置
する円筒の内壁に張り付けられている。X線検出器1が
張り付けられた円弧の略中心には、X線を出射するX線
管11が配置されている。X線検出器1とX線管11と
の間には、固定された被験者12が配置される。X線検
出器1とX線管11は、固定された被験者12を中心に
して、X線による撮影を行いながら回転する。このよう
にして、被験者12の画像情報が異なる角度から立体的
に集められる。
【0068】X線撮影により得られた信号はコンピュー
タ13で処理され、ディスプレイ14上に被験者画像1
5として表示される。被験者画像15は、例えば被験者
12の断層像である。マルチ断層像タイプのX線CT装
置では、被験者12の断層像が複数同時に撮影される。
このようなマルチ断層像タイプのX線CT装置によれ
ば、撮影結果を立体的に描写することもできる。
【0069】上述したようなX線CT装置10において
は、長尺化した場合においても感度分布の均一性に優れ
る本発明のシンチレータチップを用いているため、アー
チファクト(疑似画像)の出現などを有効に防ぐことが
できる。さらに、各シンチレータからの出力も高いた
め、解像度の向上などを図ることができる。これらによ
って、X線CT装置10による医療診断能を大幅に高め
ることが可能となる。
【0070】なお、本発明の放射線検査装置は、医療診
断用のX線検査装置に限らず、工業用途のX線非破壊検
査装置などに対しても適用可能である。本発明はX線非
破壊検査装置による検査精度の向上などに対しても寄与
するものである。
【0071】
【実施例】次に、本発明の具体的な実施例およびその評
価結果について述べる。
【0072】実施例1 まず、平均粒子径が6μmのGd2O2S:Pr(Pr濃度
=0.05mol%)蛍光体粉末をラバープレスにより成形し
た。この成形体をTa製のカプセル中に密封した後、こ
れをHIP処理装置にセットした。HIP処理装置にア
ルゴンガスを加圧媒体として封入し、圧力147MPa、温度
1500℃の条件で5時間処理した。このようにして、直径
約80mm×高さ約120mmの円柱状の焼結体(蛍光体セラミ
ックス)を作製した。この焼結体を後述する特性評価に
供した。
【0073】実施例2 平均粒子径が10μmのGd2O2S:Pr(Pr濃度=0.0
5mol%)蛍光体粉末をラバープレスにより成形した。こ
の成形体をTa製のカプセル中に密封した後、これをH
IP処理装置にセットした。HIP処理装置にアルゴン
ガスを加圧媒体として封入し、圧力147MPa、温度1550℃
の条件で5時間処理した。このようにして、実施例1と
おおよそ同形状の焼結体(蛍光体セラミックス)を作製
した。この焼結体を後述する特性評価に供した。
【0074】実施例3 平均粒子径が3μmのGd2O2S:Pr(Pr濃度=0.05
mol%)蛍光体粉末をラバープレスにより成形した。こ
の成形体をTa製のカプセル中に密封した後、これをH
IP処理装置にセットした。HIP処理装置にアルゴン
ガスを加圧媒体として封入し、圧力147MPa、温度1400℃
の条件で6時間処理した。このようにして、実施例1と
おおよそ同形状の焼結体(蛍光体セラミックス)を作製
した。この焼結体を後述する特性評価に供した。
【0075】実施例4 平均粒子径が12μmのGd2O2S:Pr(Pr濃度=0.0
5mol%)蛍光体粉末をラバープレスにより成形した。こ
の成形体をTa製のカプセル中に密封した後、これをH
IP処理装置にセットした。HIP処理装置にアルゴン
ガスを加圧媒体として封入し、圧力147MPa、温度1580℃
の条件で7時間処理した。このようにして、実施例1と
おおよそ同形状の焼結体(蛍光体セラミックス)を作製
した。この焼結体を後述する特性評価に供した。
【0076】実施例5 平均粒子径が20μmのGd2O2S:Pr(Pr濃度=0.0
5mol%)蛍光体粉末をラバープレスにより成形した。こ
の成形体をTa製のカプセル中に密封した後、これをH
IP処理装置にセットした。HIP処理装置にアルゴン
ガスを加圧媒体として封入し、圧力147MPa、温度1600℃
の条件で6時間処理した。このようにして、実施例1と
おおよそ同形状の焼結体(蛍光体セラミックス)を作製
した。この焼結体を後述する特性評価に供した。
【0077】実施例6 平均粒子径が6μmの(Gd0.9La0.1)2O2S:Pr
(Pr濃度=0.05mol%)蛍光体粉末をラバープレスに
より成形した。この成形体をTa製のカプセル中に密封
した後、これをHIP処理装置にセットした。HIP処
理装置にアルゴンガスを加圧媒体として封入し、圧力14
7MPa、温度1500℃の条件で5時間処理した。このように
して、実施例1とおおよそ同形状の焼結体(蛍光体セラ
ミックス)を作製した。この焼結体を後述する特性評価
に供した。
【0078】実施例7 平均粒子径が6μmの(Gd0.9Y0.1)2O2S:Pr(P
r濃度=0.05mol%)蛍光体粉末をラバープレスにより
成形した。この成形体をTa製のカプセル中に密封した
後、これをHIP処理装置にセットした。HIP処理装
置にアルゴンガスを加圧媒体として封入し、圧力147MP
a、温度1500℃の条件で5時間処理した。このようにし
て、実施例1とおおよそ同形状の焼結体(蛍光体セラミ
ックス)を作製した。この焼結体を後述する特性評価に
供した。
【0079】実施例8 平均粒子径が12μmの(Gd0.9Lu0.1)2O2S:Pr
(Pr濃度=0.05mol%)蛍光体粉末をラバープレスに
より成形した。この成形体をTa製のカプセル中に密封
した後、これをHIP処理装置にセットした。HIP処
理装置にアルゴンガスを加圧媒体として封入し、圧力14
7MPa、温度1580℃の条件で6時間処理した。このように
して、実施例1とおおよそ同形状の焼結体(蛍光体セラ
ミックス)を作製した。この焼結体を後述する特性評価
に供した。
【0080】実施例9 平均粒子径が6μmのGd2O2S:Pr,Ce(Pr濃度
=0.05mol%,Ce濃度=0.0005mol%)蛍光体粉末をラ
バープレスにより成形した。この成形体をTa製のカプ
セル中に密封した後、これをHIP処理装置にセットし
た。HIP処理装置にアルゴンガスを加圧媒体として封
入し、圧力147MPa、温度1500℃の条件で5時間処理し
た。このようにして、実施例1とおおよそ同形状の焼結
体(蛍光体セラミックス)を作製した。この焼結体を後
述する特性評価に供した。
【0081】実施例10 平均粒子径が6μmのGd2O2S:Pr,Zr(Pr濃度
=0.05mol%,Zr濃度=0.002mol%)蛍光体粉末をラ
バープレスにより成形した。この成形体をTa製のカプ
セル中に密封した後、これをHIP処理装置にセットし
た。HIP処理装置にアルゴンガスを加圧媒体として封
入し、圧力147MPa、温度1550℃の条件で5時間処理し
た。このようにして、実施例1とおおよそ同形状の焼結
体(蛍光体セラミックス)を作製した。この焼結体を後
述する特性評価に供した。
【0082】実施例11 平均粒子径が6μmのGd2O2S:Pr(Pr濃度=0.1m
ol%)蛍光体粉末をラバープレスにより成形した。この
成形体をTa製のカプセル中に密封した後、これをHI
P処理装置にセットした。HIP処理装置にアルゴンガ
スを加圧媒体として封入し、圧力147MPa、温度1500℃の
条件で5時間処理した。このようにして、実施例1とお
およそ同形状の焼結体(蛍光体セラミックス)を作製し
た。この焼結体を後述する特性評価に供した。
【0083】実施例12 平均粒子径が6μmのGd2O2S:Pr(Pr濃度=0.2m
ol%)蛍光体粉末をラバープレスにより成形した。この
成形体をTa製のカプセル中に密封した後、これをHI
P処理装置にセットした。HIP処理装置にアルゴンガ
スを加圧媒体として封入し、圧力147MPa、温度1500℃の
条件で5時間処理した。このようにして、実施例1とお
およそ同形状の焼結体(蛍光体セラミックス)を作製し
た。この焼結体を後述する特性評価に供した。
【0084】比較例1 平均粒子径が6μmのGd2O2S:Pr(Pr濃度=0.05
mol%)蛍光体粉末をラバープレスにより成形した。こ
の成形体をTa製のカプセル中に密封した後、これをH
IP処理装置にセットした。HIP処理装置にアルゴン
ガスを加圧媒体として封入し、圧力147MPa、温度1250℃
の条件で5時間処理した。このようにして、実施例1と
おおよそ同形状の焼結体(蛍光体セラミックス)を作製
した。この焼結体を後述する特性評価に供した。
【0085】比較例2 平均粒子径が30μmのGd2O2S:Pr(Pr濃度=0.0
5mol%)蛍光体粉末をラバープレスにより成形した。こ
の成形体をTa製のカプセル中に密封した後、これをH
IP処理装置にセットした。HIP処理装置にアルゴン
ガスを加圧媒体として封入し、圧力147MPa、温度1650℃
の条件で2時間処理した。このようにして、実施例1と
おおよそ同形状の焼結体(蛍光体セラミックス)を作製
した。この焼結体を後述する特性評価に供した。
【0086】比較例3 平均粒子径が6μmのGd2O2S:Pr(Pr濃度=0.05
mol%)蛍光体粉末に、焼結助剤としてLiFを0.08質
量%添加して十分に混合した後、ラバープレスにより成
形した。この成形体をTa製のカプセル中に密封した
後、HIP処理装置にセットした。HIP処理装置にア
ルゴンガスを加圧媒体として封入し、圧力100MPa、温度
1300℃の条件で3時間処理した。このようにして、実施
例1とおおよそ同形状の焼結体(蛍光体セラミックス)
を作製した。この焼結体を後述する特性評価に供した。
【0087】上記した実施例1〜12および比較例1〜
3による各焼結体(蛍光体セラミックス)から、それぞ
れまず1×80×30mmの矩形板状のシンチレータスラブを
切り出した。次いで、各シンチレータスラブから1×2×
30mmの矩形棒状のシンチレータチップをそれぞれ切り出
した。このシンチレータチップへの加工時の歩留りを評
価した。さらに、得られたシンチレータチップを用い
て、以下のようにしてそれぞれ特性を評価した。
【0088】まず、各シンチレータチップの切断面を無
機酸などで軽くエッチングし、その表面を電子顕微鏡
(SEM)で観察した。図7(a)〜(c)は実施例1
によるシンチレータチップの切断面を拡大して示すSE
M写真である。図7(b)は図7(a)の一部を拡大し
て示すSEM写真、図7(c)は図7(b)の一部をさ
らに拡大して示すSEM写真である。このようなSEM
による観察結果から結晶粒の分布を求めた。具体的な結
晶粒の測定方法は前述した通りである。
【0089】さらに、各シンチレータチップの強度を、
JIS R 1604のファインセラミックスの高温曲げ試験方法
の3点曲げ試験にしたがって測定した。これらの結果を
表1に示す。
【0090】次に、各シンチレータチップの1×30mmの
面にX線(120kV,300mA)を照射し、背面に設置したシ
リコンフォトダイオードに流れる電流を、各シンチレー
タチップの感度とした測定した。感度分布はX線を全面
に照射する代わりに、スリット幅1mmのX線をシンチレ
ータチップの端から照射位置を変えて順に照射し、各部
の感度のばらつきから求めた。感度の比較標準試料とし
ては、CdWO4単結晶から同一寸法の試料を切り出し
て用いた。これらの結果を表1に示す。
【0091】
【表1】 表1に示したように、各実施例のセラミックシンチレー
タ材料からなるシンチレータチップは、いずれも不定多
角形の粗大結晶粒と細長い微細結晶粒とが混在した組織
を有している。図7(a)〜(c)に明確に示されてい
るように、本発明のシンチレータ材料は不定多角形の粗
大結晶粒の周囲を細長い微細結晶粒が埋めるように存在
した焼結体組織を有するものである。各実施例によるシ
ンチレータチップは、切断面における粗大結晶粒の占め
る面積と微細結晶粒の占める面積の比が10:90〜60:40の
範囲である。そして、このような微細組織を有する焼結
体からなるシンチレータチップは、感度特性および感度
分布に優れると共に、良好な強度を有していることが分
かる。
【0092】一方、微細結晶粒の集合体組織を有する比
較例1は感度が低く、また強度も劣っている。ランダム
な不定多角形の粗大結晶粒のみからなる組織を有する比
較例2は強度が低く、感度が若干劣ると共に、感度分布
のばらつきも大きい。焼結助剤を使用した比較例3は、
感度および強度共に劣っている。
【0093】さらに、実施例1〜12の各焼結体は、1
×2×30mmの矩形棒状のシンチレータチップへの加工時
に80〜100%という高歩留りを示した。これに対して、
比較例1〜3ではいずれも歩留りが60%以下であり、到
底実用に供することはできないことが明らかとなった。
このように、本発明のセラミックシンチレータ材料は、
シンチレータチップの長尺化に対応し得るものである。
【0094】実施例13、14 実施例1および実施例9と同様にして作製した各焼結体
から、まず矩形板状のシンチレータスラブを切り出し
た。次いで、各シンチレータスラブから0.5×0.5×100m
mの矩形棒状のシンチレータチップをそれぞれ切り出し
た。このシンチレータチップへの加工時の歩留りを評価
した。これらの結果を表2に示す。
【0095】比較例4、5 比較例1および比較例3と同様にして作製した各焼結体
から、まず矩形板状のシンチレータスラブを切り出し
た。次いで、各シンチレータスラブから0.5×0.5×100m
mの矩形棒状のシンチレータチップをそれぞれ切り出し
た。このシンチレータチップへの加工時の歩留りを評価
した。これらの結果を表2に示す。
【0096】
【表2】 表2から明らかなように、本発明による焼結体(セラミ
ックシンチレータ材料)によれば、0.5×0.5×100mmと
いうような長尺なシンチレータチップへの加工時におい
ても高歩留りを得ることができる。さらに、長さが330m
mのシンチレータチップへの加工時においても、同様な
効果が得られることが確認された。このように、本発明
のセラミックシンチレータ材料は、シンチレータチップ
の長尺化に十分に対応し得るものである。
【0097】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のセラミッ
クシンチレータ材料によれば、優れた光出力(感度特
性)に加えて、例えば検出器の小型化などに対応し得る
強度が得られ、さらには均一な感度分布を実現すること
ができる。このようなセラミックシンチレータ材料を用
いた本発明の放射線検出器および放射線検出装置によれ
ば、解像度や画像精度などを高めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1はセラミックシンチレータ材料を構成す
る焼結体の結晶粒の成長過程を示す焼結体組織の断面拡
大写真であり、図1(a)は微細な結晶粒の集合体から
なる焼結体組織を拡大して示す断面写真、図1(b)は
本発明のセラミックシンチレータ材料の焼結体組織を拡
大して示す断面写真、図1(c)は不定多角形の粗大な
結晶粒の集合体からなる焼結体組織を拡大して示す断面
写真である。
【図2】 不定多角形の粗大結晶粒の大きさを説明する
ための図である。
【図3】 細長い微細結晶粒の短径と長径を説明するた
めの図である。
【図4】 本発明の放射線検出器の一実施形態としての
X線検出器の概略構成を示す図である。
【図5】 図4に示すX線検出器に用いたシンチレータ
ブロックを示す図である。
【図6】 本発明の放射線検査装置の一実施形態として
のX線CT装置の概略構成を示す図である。
【図7】 本発明の実施例1によるセラミックシンチレ
ータ材料の焼結体組織を拡大して示す断面写真である。
【符号の説明】
1……X線検出器 2……シンチレータブロック 2a…チャンネル 3……セグメント 6……光電変換部 7……フォトダイオード 10……X線CT装置 11……X線管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福田 幸洋 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 小柳津 英二 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 玉谷 正昭 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 東 芝リサーチコンサルティング株式会社内

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主付活剤としてプラセオジムを含有する
    希土類酸硫化物蛍光体の焼結体を具備するセラミックシ
    ンチレータ材料であって、 前記焼結体は不定多角形の粗大結晶粒と細長い微細結晶
    粒とが混在した組織を有することを特徴とするセラミッ
    クシンチレータ材料。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のセラミックシンチレータ
    材料において、 前記粗大結晶粒は大きさの平均値が50〜100μmの範囲の
    形状を有し、かつ前記微細結晶粒は平均短径が2〜5μm
    の範囲で、平均長径が5〜100μmの範囲の形状を有する
    ことを特徴とするセラミックシンチレータ材料。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のセラミックシンチレータ
    材料において、 前記焼結体の断面における前記粗大結晶粒の占める面積
    と前記微細結晶粒の占める面積の比が10:90〜60:40の範
    囲であることを特徴とするセラミックシンチレータ材
    料。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3のいずれか1項
    記載のセラミックシンチレータ材料において、 前記希土類酸硫化物蛍光体は、 一般式:RE2O2S:Pr (式中、REはY、Gd、LaおよびLuから選ばれる
    少なくとも1種の元素を示す)で実質的に表される組成
    を有することを特徴とするセラミックシンチレータ材
    料。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項3のいずれか1項
    記載のセラミックシンチレータ材料において、 前記希土類酸硫化物蛍光体は、 一般式:(Gd1-x,RE′x)2O2S:Pr蛍光体 (式中、RE′はY、LaおよびLuから選ばれる少な
    くとも1種の元素を示し、xは0≦x≦0.1を満足する数
    である)で実質的に表される組成を有することを特徴と
    するセラミックシンチレータ材料。
  6. 【請求項6】 請求項4または請求項5記載のセラミッ
    クシンチレータ材料において、 前記希土類酸硫化物蛍光体は、セリウム、ジルコニウム
    およびリンから選ばれる少なくとも1種を共付活剤とし
    て含有することを特徴とするセラミックシンチレータ材
    料。
  7. 【請求項7】 請求項1記載のセラミックシンチレータ
    材料において、 前記セラミックシンチレータ材料は板状のシンチレータ
    スラブを具備することを特徴とするセラミックシンチレ
    ータ材料。
  8. 【請求項8】 請求項7記載のセラミックシンチレータ
    材料において、 前記シンチレータスラブは、直径が20mm以上、厚さが0.
    5mm以上の円板を有することを特徴とするセラミックシ
    ンチレータ材料。
  9. 【請求項9】 請求項7記載のセラミックシンチレータ
    材料において、 前記シンチレータスラブは、短辺の長さが20mm以上、長
    辺の長さが110〜500mm、厚さが0.5mm以上の矩形板を有
    することを特徴とするセラミックシンチレータ材料。
  10. 【請求項10】 請求項1記載のセラミックシンチレー
    タ材料において、 前記セラミックシンチレータ材料は矩形棒状のシンチレ
    ータチップを具備することを特徴とするセラミックシン
    チレータ材料。
  11. 【請求項11】 請求項10記載のセラミックシンチレ
    ータ材料において、 前記シンチレータチップは、長さが20mm以上、幅が0.5
    〜2mm、厚さが0.5〜3mmの形状を有することを特徴とす
    るセラミックシンチレータ材料。
  12. 【請求項12】 請求項11記載のセラミックシンチレ
    ータ材料において、 前記シンチレータチップの長さは40mm以上であることを
    特徴とするセラミックシンチレータ材料。
  13. 【請求項13】 請求項11または請求項12記載のセ
    ラミックシンチレータ材料において、 前記シンチレータチップは、3点曲げ試験による抗折強
    度が80MPa以上であることを特徴とするセラミックシン
    チレータ材料。
  14. 【請求項14】 主付活剤としてプラセオジムを含有す
    る希土類酸硫化物蛍光体の焼結体を具備するセラミック
    シンチレータ材料の製造方法において、 前記焼結体を作製する際の熱処理条件および/または圧
    力条件を、前記焼結体の組織が不定多角形の粗大結晶粒
    と長尺な微細結晶粒とが混在した組織となるように制御
    することを特徴とするセラミックシンチレータ材料の製
    造方法。
  15. 【請求項15】 請求項14記載のセラミックシンチレ
    ータ材料の製造方法において、 前記焼結体をHIP処理により作製する工程を有し、前
    記熱処理条件および/または圧力条件としてHIP処理
    条件を制御することを特徴とするセラミックシンチレー
    タ材料の製造方法。
  16. 【請求項16】 請求項1ないし請求項6のいずれか1
    項記載のセラミックシンチレータ材料を具備し、入射し
    た放射線に応じて前記セラミックシンチレータ材料を発
    光させる蛍光発生手段と、 前記蛍光発生手段からの光を受け、前記光の出力を電気
    的出力に変換する光電変換手段とを具備することを特徴
    とする放射線検出器。
  17. 【請求項17】 請求項16記載の放射線検出器におい
    て、 前記蛍光発生手段は、前記セラミックシンチレータ材料
    からなるシンチレータチップをスライスして作製したセ
    グメントを縦横方向に複数集積して構成したシンチレー
    タブロックを有することを特徴とする放射線検出器。
  18. 【請求項18】 請求項17記載の放射線検出器におい
    て、 前記蛍光発生手段は複数のチャンネルを備え、前記複数
    のチャンネルはそれぞれ前記シンチレータチップをスラ
    イスして作製した複数のセグメントを、それぞれ前記複
    数のチャンネルの配列方向と略直交する方向に集積した
    構成を有することを特徴とする放射線検出器。
  19. 【請求項19】 被検査体に向けて放射線を照射する放
    射線源と、 前記被検査体を透過した放射線を検出する、請求項16
    ないし請求項18のいずれか1項記載の放射線検出器と
    を具備することを特徴とする放射線検査装置。
  20. 【請求項20】 請求項19記載の放射線検査装置にお
    いて、 前記放射線検査装置はX線断層写真撮影装置であること
    を特徴とする放射線検査装置。
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