JP4676829B2 - 製鋼スラグの処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、製鋼スラグの処理方法に関するものであり、製鋼スラグの再利用、有効利用を促進して、天然砕石、骨材の代替品を提供することにより、自然環境破壊の低減に寄与するとともに、製鉄プロセスにて排出する炭酸ガスの排出削減にも寄与する技術を提供するものである。
製鋼工程においては精錬剤として石灰源を添加し、CaO分とSiO2分の質量濃度比(以下、塩基度と略す)を高めることにより、りん、硫黄などの鋼中不純物をスラグ側に移行し易いスラグを生成し、そのスラグに除去するスラグ精錬が行われている。一般に、スラグの精錬能力は塩基度が高いほど大きいが、塩基度を高めるためにCaO分を大量に添加すると、2500℃という高い融点をもつ物質であるCaOが未溶融状態で、かつSiO2等他のスラグ成分と未反応のまま残留する場合がある。また、塩基度を高めた場合、溶解度以上のCaO濃度に達すれば、未溶融状態にて残留する。また、生産性を高めるために短時間で処理を行う場合には、やはりCaO分の未反応量を増す結果となる。このため、処理終了後のスラグ中には遊離なCaOが残留するが、これは、大気中の水蒸気や、水と反応し、CaO+H2O→Ca(OH)2の反応によって体積が2倍に膨張するため、土木用材料としてリサイクル利用する場合、膨張することや、風化が問題となる。また、Ca(OH)2は強アルカリであるため、雨水と反応すれば強アルカリ水を生成し、生物を死滅させたり、海、湖沼を白濁させ、環境を破壊する結果を招く。
このように、製鋼スラグは求められる機能によって不可避的に遊離CaOを含み、その安定化が課題である。逆に、遊離CaO分をより安定な化合物に改質できれば、例えば、近年採取場所が枯渇しつつある天然砕石の代替として、土木、建築資材として有効に利用が可能となり、その結果、循環型社会形成に寄与する所も大きい。
この遊離CaO分を炭酸化処理して炭酸カルシウム(CaCO3)系の化合物として安定化するという着想は、本来、CaO源が天然にはCaCO3を主成分とする大理石、石灰石として安定に存在する形態に戻す訳であり、極めて自然な考え方である。この方法はまた、製鉄や、産業排ガス中のCO2を固定化し得るので、排出CO2量を減らす上でも望ましい。
従って、本原理を利用したスラグの処理方法については従来より多くの提案がある。
例えば、特許文献1には、転炉滓をコンクリート骨材等に利用をはかるため、転炉滓を乾燥飽和から湿潤に至るまでの間の表面状態にあるものを-10℃から220℃の範囲で、20〜100%の湿度の条件下で炭酸ガスを10%以上含む空気を主体としたガスと接触させ、炭酸化させる方法が示されている。
しかし、後述のように、反応は途中で停止し、フリーライム濃度を1質量%以下に低下することは困難である。
製鋼スラグは大量に発生するものであり、これに対処し得る、十分に生産性が高く、工業的に意味のある方法とする必要がある。そのために、特許文献1に開示された方法の改善として、800℃〜300℃の高温にて反応を行わせることが提案されている(例えば、特許文献2を参照)。
しかし、後述のように、800℃〜300℃の高温にしても、反応は途中で停止し、フリーライム濃度を1質量%以下に低下することは困難である。
また、例えば特許文献3には、CaOないしCa(OH)2を含む固体粒子集合体に付着水膜を存在させ、CO2を含む排ガスによる炭酸化反応を行わせ、CaCO3を生成させる方法が述べられている。更に、これにより排気ガス中の炭酸ガスを固定し、排出炭酸ガスを削減する方法が述べられている。しかし、1m3のスラグ塊を製造する処理に24時間という長時間を要することが示されている。
また、反応速度を大きくするために、実質的には5mm以下、望ましくは1mm以下の小径粒子のみを対象とすること、或いは、事前に破砕処理を行って新生面を生じさせることが述べられている。しかしながら、特許文献3ではフリーライム濃度を低下させるために粒子径を小さくすることを開示するにすぎず、また粒径を制限することは、それ以上の粒子の破砕、粉砕処理を要し、新に破砕、粉砕設備が必要となり、その処理コストも高価になるという問題や、粉分のみでは路盤材のように規格の粒度分布がある場合には使えず、更に所定粒度の砕石等を加える必要があるという問題があった。
また、後述するように、事前に破砕処理を行っても、反応が停滞し、それ以上反応が進まない、という問題もある。
例えば特許文献4には、製鋼スラグを大気圧下において水蒸気雰囲気でエージング処理を行い、更に水蒸気とCO2ガスの混合ガス雰囲気下で1時間以上保持する方法が開示されている。しかし、この方法では、蒸気エージングに更にあらたな処理設備を要する。また、一般に蒸気エージングも数日を要し、生産性が低いので、大量発生するスラグには部分的にしか適用出来ない。
例えば特許文献5には、製鋼スラグを加圧下に水蒸気およびCO2と反応させる方法が開示されている。加圧の効果により水和反応(CaO+H2O→Ca(OH)2)が促進され、その膨張によりスラグ粒子の自己崩壊が進行するとともに炭酸化も進行すると述べている。
しかし、この方法では大きな加圧処理設備を必要とし、莫大な設備費用とランニングコストを要する。また設備の健全性を維持するためのメンテナンスも容易ではない。
以上述べてきたように、従来の処理方法では、十分に高い生産性を安価に得る方法を見出すことに成功しておらず、製鋼スラグ全量を生産性高く安定化処理する方法は見出されていない。
特開昭50-41772号公報 特開昭52-129672号公報 特許第3248514号公報 特開平8-269282号公報 特開平6-158124号公報
本発明は、大量に発生する製鋼スラグを生産性高く炭酸化処理し、膨張、および溶出pHを低位安定化する方法を提供することを課題とする。また、その副次的作用として、CO2を固定化し、排出CO2量を低減することを課題とする。
上記の課題を解決するためになされた本発明の製鋼スラグの処理方法は、攪拌容器を用いて製鋼スラグ中に存在するCaO分を炭酸化するに際し、製鋼スラグに機械攪拌を付与しつつ、CO2含有ガスを供給して炭酸化反応を行わせしめる製鋼スラグの処理方法であって、前記攪拌容器の内容積に対し、スラグが占める空間充填率ηを0.03〜0.15とし、また製鋼スラグ中に10〜40mmの粒状物を35質量%以上含む状態で機械攪拌を行い、処理後の製鋼スラグ中のフリーライム濃度を1質量%以下とすることを特徴とするものである。
なお、攪拌容器を用いて機械攪拌を行い、[数1]〜[数5]を用いて処理時間を予測し得る式を導出したので、以下に説明する。
Figure 0004676829
Figure 0004676829
Figure 0004676829
Figure 0004676829
Figure 0004676829
(%f-CaO)i:処理前のフリーライム濃度(質量%)
(%f-CaO)f:処理後の目標フリーライム濃度(質量%)
t:処理時間(min)
η:空間充填率(-)
D:容器内径(m)
ω:容器回転数(rpm)
M:水分(質量%)
更に、攪拌容器を用いて機械攪拌を行い、目的の生産性Qが得られるように、容器の内径D、長さL、回転数ωを[数1]〜[数3]および[数6]に従って選定するようにすることができる。
Figure 0004676829
Q目標:目標の生産性(t/h)
η:空間充填率(-)
D:容器内径(m)
L:容器長さ(m)
ω:容器回転数(rpm)
M:水分(質量%)
ρ:製鋼スラグの嵩密度(t/m3)
(%f-CaO)i:処理前のフリーライム濃度(質量%)
(%f-CaO)f:処理後の目標フリーライム濃度(質量%)
以上は、本発明者らが本発明に至る研究の過程で、従来の炭酸化処理方法の限界を決めているものが何かを突き止めたことによるものである。
即ち、製鋼スラグを充填槽に充填し、静止状態下にあるスラグにCO2ガスあるいはアルゴンガスとCO2の混合ガスを通じてスラグ中の遊離CaOの炭酸化を試みた。この場合、800℃〜700℃の高温下、約9気圧の高圧化、70〜80℃の水蒸気飽和条件下、水を並存させた室温下、というように、自由水存在割合、ガス中のH2O分圧、圧力、温度を様々が条件下で実験を行った。
その結果、処理開始初期の反応でフリーライム濃度が低下するものの、いずれの実験条件下においても、フリーライム濃度が1〜2%に低下した段階で実質上反応が停止することを見出した。この現象は、特許文献5のようにCO2分圧を高めたり、特許文献2に示されているように、300℃以上の高温で反応を行わせた場合でも同様である。また、処理後のスラグのミクロ組織観察より、その理由は、スラグ粒子内に存在する遊離CaO粒子の外面が50μm程度の厚みまでCaCO3化した段階で、CaCO3層が強固な膜となり、CO2の粒子内部への拡散を阻害するためであることを見出した。
これは、反応により、CaOがCaCO3に変化すると凡そ2倍のモル体積となることからも想像されるように、スラグ粒子内に存在する気孔を閉塞させるので、それ以上、CO2のスラグ粒子内部への拡散、或いはCO3 2-イオンを溶解した水の浸透が生じなくなる、と理解できる。
これに対し、本願発明者らは、ある程度強い機械攪拌を付与すれば、CaCO3膜が破壊されたり、或いは亀裂を生成する結果、CO2の内部への拡散が維持されるのではないかと着想し、実験研究を行った。結果として、ある程度強い機械攪拌付与下では、短時間で、反応が停止することなく、フリーライム濃度が海水に浸漬した時に白濁を生じることのない、1%以下の低濃度に到達し得ることが分った。また、このような現象であるため、特に反応の比表面積を増加させるためにスラグを粉砕したり、余分な前処理を行う必要はない。
一方、先の特許文献3の請求項9には、スラグ粒子を事前に破砕することが述べられているが、これは、新生面を生成し、反応が生じ易くするためと考えられる。しかし、CaO+CO2→CaCO3の反応でCaOは約2倍の体積になるため、いくら事前に新生面を露出させてあっても、上記メカニズム即ち、表面にCaCO3層を生成し、これが緻密である故、CO2の拡散を妨げてしまうことで反応が停止することに変わりはない。従って、必ず数%レベルの遊離CaOが残留してしまうので、溶出pHは高いままである。
これに対し、本願発明では、CO2化を機械攪拌と同時に行うことにより、常にCaCO3の膜が破壊されたり、あるいはその膜に亀裂が生じるため、より低濃度まで、早く反応が進行するのであり、従来に無い、高い生産性でスラグのフリーライム濃度を低下させることができる。
即ち、従来の知見のごとく、静止状態のスラグにCO2ガス等を供給してスラグ中のCaOの炭酸化を試みてもCaCO3層の膜が邪魔してCaOの炭酸化反応が不十分となる。本発明は、このような問題を、処理するスラグを静止した状態ではなく、機械的な攪拌を行いつつCO2ガスを供給するものであるが、機械攪拌する際の最適な条件を特定することにより、従来の課題を一挙に解決するようにしたものである。
一般に、スラグを処理する際、処理のし易さ等を考慮し、処理するスラグを静止状態で行うものであるが、本発明は、その発想を大きく異にして機械攪拌のごとく、スラグを動的な状態にして処理するに際し、単に機械攪拌するのみでなく、特定の条件下において機械攪拌するという極めて新規な技術思想によりなされたものである。
即ち、後述するように、本願発明者らは生産性を最大化するために、攪拌容器に充填すべき空間充填率に最適値が存在することを見出した。更に、反応速度に及ぼす充填率、攪拌容器の内径、回転数、水分の影響を定量化した。その結果、ある攪拌容器を用いた場合に必要な処理時間を予測することができ、無駄に処理することがない。あるいは、ある処理生産性を得るに必要な容器内径、回転数、長さを選定する、即ち装置設計が可能となるのである。
また、一般に、製鋼スラグは単一サイズの粒子からなる訳ではないが、道路用路盤材などに利用する場合には、規格の粒度分布が決められており、ある粒度分布を持つ方が望ましい。一方、本法では、特許文献3に示されているような、5mm以下、あるいは1mm以下のもののみを処理する、といった必要は無い。なぜならば、本法では、数ミリの微粉とともに10〜40mmの粒状物を含む状態で機械攪拌するものであり、10mm以上の粒子でもその内部まで炭酸化が進行してフリーライムが少なくなるからである。また10mm以上を多く含むスラグの場合には、これがボールミルのボールの役割、即ち、破砕作用を促すから却って都合が良い。一方、小径の粒子しか含まない場合には、意図的に硬質である程度の質量を持つ、例えば鉄球粒子を含めて処理するのが良い。鉄球の場合には後で磁選分離が可能なので好都合である。鉄球の代わりに、磁選工程で得られる磁選粒鉄を利用すれば、新に購入する必要もなく、安価で都合が良い。
また、特許文献3には、排出炭酸ガスの削減方法として、CaOおよび/またはCa(OH)2を含む固体粒子の集合体にCO2を含む排ガスを接触させて、排ガス中のCO2を固体粒子にCaCO3として固定することにより、排ガス中のCO2濃度を低減させる方法が開示されているが、静止スラグ中をCO2含有ガスと反応させる充填槽タイプの形態であるため、反応速度が小さく、生産性が低いという問題があり、製鉄プラントなどのように、単位時間あたりの排出CO2量が大きい場合には、その削減効果を得るためには膨大な数の炭酸化設備を要し、現実的ではない。それに対し、本願発明では、反応速度が大きいので、少ない設備でも大きな削減効果が得られる。
更に、幅広い粒度分布を持ったスラグを処理対象とすることで、粒度の大きなものは、回転容器内での落下に伴い、他粒子へ付与する落下に伴う衝撃エネルギーが大きく作用し、反応速度を維持する上で好都合であることが分った。更に、本発明では製鋼スラグを構成する粒子に10〜40mmの粒状物を含むことが望ましいことが分った。即ち、10mm未満では、落下に伴う衝撃エネルギーが小さく、効果が顕著ではない。また、40mmより大きいと、処理後スラグが路盤材規格の上限を上回り、不都合となる。従って、粒状物の径は10mm〜40mmの範囲とする。
また、本願発明者らは経験則として、反応速度を予測し得る式を導出した。これによれば、初期のフリーライム濃度の経過は、時間に対して対数プロットすると直線になる、所謂、一次反応的な挙動を示すことが分った。これは、フリーライム粒子の他粒子との衝突過程によって反応速度が律速されていることを示唆するが、反応速度の大小は上記対数プロットの傾き、即ち、下記[数7]式のK値で評価できることを明らかにした。
Figure 0004676829
K:フリーライム低下反応速度の容量係数(1/min)
(%f-CaO)i:処理前のフリーライム濃度(質量%)
(%f-CaO)f’:処理後のフリーライム濃度(質量%)
t:処理時間(min)
さらに、本願発明者らは、様々な大きさの反応容器を用いた実験を行って最終的に、フリーライム低下反応速度の容量係数Kと処理条件の関係式として、[数4]が成り立つことを見出した。
[数4]
K=0.00215(1−η)11.88D0.56ω1.04M0.23
K:フリーライム低下反応速度の容量係数(1/min)
η:空間充填率(-)
D:容器内径(m)
ω:容器回転数(rpm)
M:水分(質量%)
また、[数4]に示したK値は、あるD、ω、Mの条件の元では、ηが0.03〜0.15の範囲で、K値が極大となる。即ち、図2に示した様に、与えられた攪拌装置で最大の生産性が得られるのはη=0.078の時である。実際には、ηの上限は0.15とする。そうすると、生産性の低下は30%以内に収まり、高い生産性が維持できる。一方、ηの下限は、0.03とすれば、最大値に対する生産性低下は30%に収まるが、図2に示したように、この領域ではηが低めに外れると、急に生産性が低下するため、0.04以上に設定するのが妥当である。
このように、攪拌時の諸条件と反応速度の関係を求めたので、装置の内径、長さ、回転速度から、スラグのフリーライム濃度を、ある初期値から目的の1%以下に低下させるのに必要な処理時間が推定できる。また、これにより、処理装置の生産性が推定できる。
更に、これを逆に利用すると、下記の[数8]式に示すように、ある必要処理能力に対し、装置の内径、長さ、回転速度などの仕様を決定すること、即ち、設備の設計が可能になる。
Figure 0004676829
W:容器内の処理スラグ量(t)
一方、容器の内容積はπD2L/4であり、充填率ηとかさ密度ρを用いて、Wは[数9]式で表される。
Figure 0004676829
[数4]式から、処理時間tが、下記の[数5]式で求められる。
t=ln[(%f-CaO)i/(%f-CaO)f]/K
[数5]式に[数4]式を代入して整理すると、処理の生産性を表す[数10]の次式を得る。
Figure 0004676829
図2に示すように、[数10]式は、η=0.078で最大となる。また、実生産役備においては、設備投資効果を最大化するため、生産性最大を目指すのは当然のことであるが、図2から、MAX生産性の70%以上を確保するためには、[0027]に述べたように、η=0.03〜0.15とする。
さらに、この考えを拡張し、連続式反応装置の条件を決定する際には、必要な処理生産性Q目標と処理前後のフリーライム濃度に対し、[数6]式を満たすような、内径D、長さL、回転数ωの組み合わせを求める。また、ηについては、上記理由から、0.03〜0.15とするのが良い。更に、Mに関しては、5〜20質量%確保すれば良い。これは、5質量%未満では、CO2の水を介した反応サイトへの拡散、即ちCO3 2-イオンによる拡散効果が不足するためであり、また、これ以下になると発塵が激しくなるためである。一方、20質量%を超える水分を与えると、質量が大きくなり、攪拌動力が余分に必要となるからである。
また、反応時間が長く、水分がこの範囲以下になる場合は、適宜、加えるか、蒸発を抑制するため、供給するCO2含有ガスに水蒸気を含ませても良い。
なお、攪拌容器としては、同一内径の円筒型に限定されるものではなく、その他円錐体であったり、ファンネル形のものであってもよく、容器内径Dは、内容積と長さから計算される実行径をDとして用いれば良い。
Figure 0004676829
本発明によれば、少ない処理コストで生産性の高い製鋼スラグの安定化処理、即ち、海水に浸漬しても白濁が生じないスラグに安定化処理することが可能となる。また、CO2排出量を削減することができる。
図1は本発明を実施するに好適な設備例の概念図である。
機械攪拌する容器は、回転するドラム1と内部に攪拌羽2を備えており、スラグ等の原料の投入口、およびガス供給設備3よりなる。原料のスラグをドラム1内に装入し、ドラム1を回転させ、機械攪拌を付与しつつ、CO2含有ガスを供給して処理を行う。所定時間の処理後、排出孔よりスラグを排出する。
また、本発明の処理方法は、例えば、入りロから原料を連続供給しつつ、排出孔より連続的に取り出す、といった連続処理プロセスであっても良い。機械攪拌の効果を有効にするため、攪拌羽2を設置する。攪拌羽2は必要に応じた枚数でよい。
また、機械攪拌する容器として、ミキサー車を用いることもできる。
この場合は、製鉄所で発生した製鋼スラグをミキサー車の回転ドラム内に投入し、例えば石灰キルン排ガス等を供給しつつ機械攪拌を行い炭酸化反応を行わせしめる。その後、ミキサー車を現場へ直行させ使用に供すればよい。その他、現場へ直行した後、そこでCO2含有ガスを供給しつつ機械攪拌して炭酸化反応を行わせしめることも可能である。
転炉型反応容器を用いて溶銃の脱珪脱りん処理を行った。この際のスラグ組成および粒度分布は表1のものである。このスラグ3.2tを円筒型攪拌容器に充填し、9.6質量%の水分とともに、4rpmの回転数にて攪拌を付与しつつ、装入孔より、製鉄所内で発生する石灰焼成釜の排ガスを120Nm3/hの流量で供給した。CO2の含有濃度は14〜26モル%であった。8時間後、フリーライム濃度は1.0質量%を下回り、海水に投入しても白濁が生じなかった。
一方、同一スラグの5mmアンダーのみを用いた場合、ほぼ同じ処理条件で、フリーライム到達値は、2.1質量%となるに留まった(比較例1)。
Figure 0004676829
溶銑の脱珪脱りんスラグをコンクリートミキサー車に装入し、処理した。充填率は0.095とし、4時間の処理後、初期8.1質量%のフリーライム濃度が0.88質量%と1.0質量%以下に低下した。
一方、充填率が0.3と過剰な条件では、他条件は同一であったが6.22質量%までしか低下しなかった(比較例2)。
Figure 0004676829
表3に示す条件で脱珪脱りんスラグを処理した。この場合、フリーライム濃度4.08質量%のスラグ2.3tを処理した。製鉄所内で発生する石灰焼成釜の排ガスを120Nm3/hの流量で供給した。CO2の含有濃度は17〜20モル%であった。処理後のフリーライム濃度が0.95質量%まで低下した。
Figure 0004676829
表4に示す条件にて連続処理を実施した。内径3.1m、長さ36mの円筒型の反応装置を用い、21t/hの速度で試料を通過させた。反応器内には、燃焼排ガスを4000Nm3/h流した。ガス中のCO2濃度は18〜27モル%であった。入り口で4.18質量%あったフリーライム濃度が0.97質量%に低下した。
Figure 0004676829
本願発明を実施するのに好適な装置を示す概観図である。 処理生産性と充填率の関係を示すグラフである。 スラグの累積粒度分布を示すグラフである。
符号の説明
1 回転ドラム
2 攪拌羽
3 ガス導入パイプ

Claims (1)

  1. 攪拌容器を用いて製鋼スラグ中に存在するCaO分を炭酸化するに際し、製鋼スラグに機械攪拌を付与しつつ、CO2含有ガスを供給して炭酸化反応を行わせしめる製鋼スラグの処理方法であって、前記攪拌容器の内容積に対し、スラグが占める空間充填率ηを0.03〜0.15とし、また製鋼スラグ中に10〜40mmの粒状物を35質量%以上含む状態で機械攪拌を行い、処理後の製鋼スラグ中のフリーライム濃度を1質量%以下とすることを特徴とする製鋼スラグの処理方法。
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