JP4675637B2 - 発泡サンドイッチパネルの製造方法 - Google Patents

発泡サンドイッチパネルの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4675637B2
JP4675637B2 JP2005030844A JP2005030844A JP4675637B2 JP 4675637 B2 JP4675637 B2 JP 4675637B2 JP 2005030844 A JP2005030844 A JP 2005030844A JP 2005030844 A JP2005030844 A JP 2005030844A JP 4675637 B2 JP4675637 B2 JP 4675637B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pressure
panel
laminated structure
assembly
face plates
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005030844A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006213037A (ja
Inventor
信行 大滝
貞夫 久田
Original Assignee
住軽エンジニアリング株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 住軽エンジニアリング株式会社 filed Critical 住軽エンジニアリング株式会社
Priority to JP2005030844A priority Critical patent/JP4675637B2/ja
Publication of JP2006213037A publication Critical patent/JP2006213037A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4675637B2 publication Critical patent/JP4675637B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Thermal Insulation (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Description

本発明は、発泡サンドイッチパネルの製造方法に係り、特に、2枚の面板間に発泡体からなる心材が一体的に接着せしめられて構成された発泡サンドイッチパネルの有利な製造方法に関するものである。
従来から、2枚の面板間に心材(コア)を挟み、それら2枚の面板と心材とを一体的に接合せしめてなるサンドイッチパネルが、構造材用や意匠材用等、幅広い用途で使用されている。そして、そのようなサンドイッチパネルのうち、心材が発泡体にて構成された、所謂発泡サンドイッチパネルは、軽量且つ優れた断熱性及び防音性等を有するものであるところから、例えば、保冷車や冷凍車等の温度管理車に搭載される保冷庫や冷凍庫等の構造パネルや、住宅等の内装及び外装用壁材等として、好適に用いられてきている(例えば、特許文献1参照)。
ところで、かくの如き発泡サンドイッチパネルを製造する際には、一般に、先ず、2枚の面板と発泡体からなる心材とがそれぞれ別個に作製され、次いで、2枚の面板のそれぞれの一方の面に接着剤が塗布されるか、又は心材の両面に接着剤が塗布された後、それら2枚の面板が、心材の両面にそれぞれ重ね合わされることにより、互いに対向位置せしめられた2枚の面板間に、発泡体からなる心材が配置されると共に、それら2枚の面板と心材との間に接着剤が介在せしめられてなる組付体が形成される。そして、その後、かかる組付体の接着剤が硬化せしめられることにより、2枚の面板と心材とが一体的に接着せしめられて、目的とする発泡サンドイッチパネルが製造されることとなるのである。
また、このような発泡サンドイッチパネルの製造工程における組付体の接着剤の硬化時には、通常、2枚の面板と心材との接着強度を高めること等を目的として、それら2枚の面板と心材とを圧締する操作が行われる。そして、この圧締操作の実施に際しては、先ず、上面が平滑面とされた定盤上に組付体を載置した後、この組付体を、定盤と共に薄いゴムシート等の加圧シートで被覆して、密閉し、次いで、加圧シート内の空気を真空ポンプ等で吸引して、加圧シート内を真空にすることによって、加圧シート内の組付体に対して、外部からの大気圧を作用せしめ、以て、2枚の面板と心材とを圧締する手法が、多く採用されている。このような圧締操作によれば、大気圧に基づく圧締圧力を各面板の全体に対して略均一に加えることが出来るからである。
ところが、かくの如き大気圧を利用する圧締操作では、組付体を被覆する加圧シートが、剛性に乏しく、容易に撓み変形するゴムシート等にて構成されているため、圧締操作の終了後において、各面板と心材との間に、それらの組付時に巻き込まれる空気の固まりが、比較的に大きな大きさをもって残存せしめられることが避けられなかった。それ故、そのような圧締操作を行った場合、各面板と心材との間における大きな空気の固まりの残存個所で接着不良が生じ、それによって、面板表面に、部分的な膨れが発生する恐れがあった。そして、そうなると、最終的に得られる発泡サンドイッチパネルにおいて、面板表面の見栄えが悪化するだけでなく、剛性や断熱性、防音性等の機能が低下する等の不具合が惹起される懸念さえもあった。また、このような不具合が生じた場合には、その補修作業や、目的とする発泡サンドイッチパネルの再製作が余儀なくされていたのである。
従って、上述の如き大気圧を利用する圧締操作を伴う従来の発泡サンドイッチパネルの製造手法では、信頼性の高い品質性能を有する発泡サンドイッチパネルを安定的に製造することが容易ではなかったのである。
なお、2枚の面板間に心材を挟み込んで、それらを組み付ける際に、例えば、面板の心材側とは反対側の面をローラ等にて押さえ付けて、各面板と心材との間に巻き込まれた空気の固まりを外部に押し出すことにより、それら各面板と心材との間に残存する空気の固まりに起因して生ずる上記の如き問題の解消を図ることも考えられる。然るに、単に、ローラ等によって、面板に押圧力を作用せしめるだけでは、接着剤中に気泡として保持された空気の固まりを消失乃至は小さく分散させることが出来ず、それ故に、そのような空気の固まりによって生ずる問題を完全に解決することが、到底、不可能であったのである。
また、前述の如き大気圧を利用する圧締操作に代えて、(1)上面が平滑面とされた基台上に組付体を載置した状態下で、かかる組付体の上に錘等を置いて、組付体に所定の荷重を負荷する操作や、(2)プレス装置を用いて、組付体をプレスする操作、或いは(3)クランプ等にて、組付体を両側から挟圧する操作等を行うことにより、2枚の面板と心材とを圧締することも、考えられる。
しかしながら、(1)の圧締操作を実施する場合、必要とされる圧締圧力を十分に得るのに錘の合計重量が極めて大きくなってしまうため、そのような大重量の錘の取扱性や圧締操作における作業性の悪化が不可避的に生ぜしめられることとなる。また、(2)の圧締操作を行う場合には、組付体が大型なものになると、それに応じて、大型のプレス装置が必要となって、プレス装置の設備費、ひいては目的とする発泡サンドイッチパネルの製造コストが高騰するといった問題が惹起される。更に、(3)の圧締操作を実施する場合、圧締されるべき組付体の大きさが、クランプにて挟圧可能な大きさのものに制限されてしまうため、製造可能な発泡サンドイッチパネルの大きさが限定されてしまうといった不具合が生ずることとなる。
特開2004−339758号公報
ここにおいて、本発明は、上述せる如き事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、2枚の面板間に発泡体からなる心材が一体的に接着せしめられて構成された発泡サンドイッチパネルを製造するに際して、各面板と心材との間に介在せしめられた接着剤の硬化時に、各面板と心材とが、それらの間に残存せしめられた比較的に大きな空気の固まりが小さな固まりに分散せしめられるか若しくは消失されるように圧締せしめられて、かかる大きな空気の固まりの残存に起因して生ずる様々な問題が有利に解消せしめられ、以て、信頼性の高い機能と優れた品質とを有する発泡サンドイッチパネルが安定的に製造され得るようにした新規な手法を提供することにある。また、本発明は、そのような優れた品質性能を有する発泡サンドイッチパネルが、その全体の大きさに拘わらず、可及的に低いコストと優れた作業性とをもって、工業的に有利に製造され得る手法を提供することをも、その解決課題とするものである。
そして、本発明者は、前記せる二つの課題を解決するために鋭意研究した結果、特定の加圧パネルを複数用いて、それら複数の加圧パネルを対向位置せしめる一方、2枚の面板と心材とが接着剤を介して組み付けられてなる組付体を、対向位置せしめられた複数の加圧パネルの対向面間に挟んで配置せしめた状態下において、それら各加圧パネルを介して、組付体に加圧力を作用せしめることで、2枚の面板と心材とを各加圧パネルにて圧締する操作を行うことによって、また、組付体に加圧力を作用せしめる方法を特定することによって、前記二つの課題を何れも解決出来ることを見出した。そして、加圧パネルの構造等を更に特定することにより、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明は、以下の発明から構成される。
<1>互いに対向位置せしめられた2枚の面板間に、発泡体からなる心材が配置されると共に、それら2枚の面板と心材との間に接着剤が介在せしめられてなる組付体を形成した後、かかる組付体の接着剤を硬化せしめることにより、該2枚の面板と該心材とが一体的に接着せしめられてなる発泡サンドイッチパネルを製造する方法において、(a)前記組付体における前記2枚の面板と実質的に同じか若しくはそれら各面板よりも大なる大きさと所定の厚さとを有する平板形態を呈し、且つ厚さ方向の少なくとも一方の面が、平面度が0.5mm以下の平滑な加圧面とされると共に、単位幅当たりの断面二次モーメントが1000〜50000mm4 /mmの範囲内の値とされた加圧パネルであって、2枚の面板間にハニカムコアが挟まれて一体的に接合されてなるハニカムパネルにて構成されるものの複数を準備する工程と、(b)該複数の加圧パネルのそれぞれを、前記平滑な加圧面同士において互いに上下に対向し、且つ、それら互いに対向する該加圧面同士の間に、前記組付体が、該組付体における前記2枚の面板のそれぞれにおける前記心材側とは反対側の面の全面において、該加圧面に重ね合わされて位置せしめられるように、配置することにより、上下に対向位置する該加圧パネル同士の間に該組付体が挟まれた状態で、それら加圧パネルと組付体とが上下方向に積層されてなる積層構造体を形成する工程と、(c)該積層構造体の上面を下方に押圧すると同時に、該積層構造体の下面を上方に押圧して、該積層構造体に対して、上下両側から加圧力を作用せしめることにより、かかる加圧力に基づいて、前記組付体における前記2枚の面板と前記心材とを、該組付体を挟んで上下両側に位置する前記加圧パネルにて圧締しつつ、前記接着剤の硬化を行う工程とを含むことを特徴とする発泡サンドイッチパネルの製造方法。
<2>前記組付体の複数と前記加圧パネルの複数とが、それぞれ一つずつ互い違いに位置せしめられ、且つ最上層と最下層とが該加圧パネルにてそれぞれ構成されるように、それら複数の組付体と複数の加圧パネルとを上下方向に積層して、前記積層構造体を形成するようにした上記<1>に記載の発泡サンドイッチパネルの製造方法。
<3>前記積層構造体に対して前記加圧力を作用せしめるのに先立って、複数の型鋼を該積層構造体の上面に接触配置すると共に、別の複数の型鋼を該積層構造体の下面に接触配置する一方、それら積層構造体の上面に接触配置された複数の型鋼と積層構造体の下面に接触配置された複数の型鋼のそれぞれにおける長さ方向の両側端部を、該積層構造体の上面や下面から側方にそれぞれ突出せしめ、更に、該積層構造体の上面に接触配置された複数の型鋼と、該積層構造体の下面に接触配置された複数の型鋼のうち、該積層構造体を挟んで上下方向に互いに対応位置せしめられた型鋼の端部同士の間に、該型鋼の端部に係合する係合部を備えた二つの雄ねじ部材が、ターンバックル本体の一端部と他端部とに各々螺合せしめられてなるターンバックル装置を、該上下方向に対応位置せしめられた型鋼の端部のそれぞれに対して、該二つの雄ねじ部材の各係合部を係合させた状態で配置し、その後、該ターンバックル装置に対する締付け操作を行って、該上下方向に対応位置せしめられた型鋼の端部のそれぞれに対して、それらが互いに接近せしめられる方向への引張力を作用せしめることにより、該積層構造体の上面を、該上面に接触配置された複数の型鋼にて下方に押圧すると同時に、該積層構造体の下面を、該下面に接触配置された複数の型鋼にて上方に押圧して、該積層構造体に対して、上下両側から前記加圧力を作用せしめるようにした上記<1>又は<2>に記載の発泡サンドイッチパネルの製造方法。
>前記ハニカムパネルにおける前記2枚の面板と前記ハニカムコアとが、所定の接着剤にて接着せしめられることにより、一体的に接合されている上記<1>〜<3>のうちの何れか一つに記載の発泡サンドイッチパネルの製造方法。
>前記ハニカムパネルにおける前記2枚の面板間の周縁部に枠材が配置され、且つ該枠材が、前記ハニカムコアと共に、該2枚の面板に対して一体的に接合されて、前記加圧パネルが構成されている上記<1>〜<3>のうちの何れか一つに記載の発泡サンドイッチパネルの製造方法。
>前記ハニカムパネルにおける前記2枚の面板と前記ハニカムコアと前記枠材とが、所定の接着剤にて接着せしめられることにより、一体的に接合されている上記<>に記載の発泡サンドイッチパネルの製造方法。
>前記ハニカムパネルにおける前記2枚の面板間の周縁部に配置された前記枠材に対して、該ハニカムパネルを支持するための支持部が、該ハニカムパネルの側面から側方に突出するように設けられている上記<>又は<>に記載の発泡サンドイッチパネルの製造方法。
>前記ハニカムパネルが、アルミニウム材料又はアルミニウム合金材料を用いて形成されている上記<>〜<>のうちの何れか一つに記載の発泡サンドイッチパネルの製造方法。
すなわち、本発明に従う発泡サンドイッチパネルの製造方法にあっては、組付体の接着剤の硬化時に、組付体における2枚の面板のそれぞれの心材側とは反対側の全面が、加圧パネルの加圧面に重ね合わされた状態で、加圧力が、組付体に対して、その両側から、加圧パネルを介して作用せしめられて、かかる組付体の2枚の面板と心材とが、組付体の両側から、加圧パネルにて圧締せしめられるようになっている。そして、特に、そのような加圧パネルが、容易には撓み変形しない、十分に高い剛性を有して、構成されている。
それ故、このような本発明手法では、組付体に対する加圧力に基づく圧締圧力が、各加圧パネルから各面板の全面に対して、可及的に均一に作用せしめられるようになる。また、その際、加圧パネルが十分に高い剛性を有しているところから、各面板と心材との間に、比較的に大きな空気の固まりがあっても、そのような大きな空気の固まりが、加圧パネルから作用せしめられる圧締圧力により押潰されて、微小な空気の固まりとなるように分散せしめられる。その結果、組付体の各面板と心材との間に存在する大きな空気の固まりによって、各面板と心材との間に接着不良が生じて、面板表面に部分的な膨れが発生することが効果的に解消され得る。そして、それによって、最終的に得られる発泡サンドイッチパネルの外観が悪化したり、剛性や断熱性、防音性等の機能が低下したりするようなことが、未然に防止され得る。
しかも、本発明手法においては、各面板に重ね合わされる加圧パネルの加圧面の平面度が高く設定されているため、そのような加圧パネルから組付体に作用せしめられる圧締圧力によって、各面板の表面の平滑性が損なわれるようなことも、有利に防止され得る。
従って、かくの如き本発明に従う発泡サンドイッチパネルの製造方法によれば、信頼性の高い機能と優れた品質とを有する発泡サンドイッチパネルが、極めて安定的に製造され得ることとなるのである。
また、本発明に従う発泡サンドイッチパネルの製造方法において、組付体と加圧パネルとが積層されてなる積層構造体を形成した後、かかる積層構造体の上面に、複数の型鋼を、長さ方向の両端部が側方に突出せしめられた状態で接触配置すると共に、積層構造体の下面にも、別の複数の型鋼を、長さ方向の両端部が側方に突出せしめられた状態で接触配置して、それら複数の型鋼の端部のうち、上下方向に対応する端部同士の間に、ターンバックル装置をそれぞれ配置し、その後、このターンバックル装置に対する締付け操作を行うことにより、加圧パネルを介して、組付体に加圧力を作用せしめることで、2枚の面板と心材とに対する圧締操作を実施する場合には、例えば、組付体の上に錘等を載せたり、プレス装置を用いて、組付体をプレスしたり、或いはクランプにて、組付体を挟圧したりして、圧締操作を行う場合とは異なって、大重量の錘や高価なプレス装置等が何等必要とされることがなく、また、クランプの大きさによって、組付体や積層構造体の大きさが制限されることもないのである。
従って、このような本発明に従う発泡サンドイッチパネルの製造方法によれば、上述の如き優れた品質性能を有する発泡サンドイッチパネルが、その全体の大きさに拘わらず、可及的に低いコストと優れた作業性とをもって、工業的に有利に製造され得るのである。
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明することとする。
先ず、図1には、本発明手法に従って製造される発泡サンドイッチパネルの一例が、分解して、示されている。かかる図から明らかなように、発泡サンドイッチパネル10は、矩形の平板形状を呈し、互いに上下方向に対向配置された2枚の面板12,14を有している。そして、そのような2枚の面板12,14間に、それらよりも厚肉の矩形板状の発泡体からなる心材16が、挟まれて配置され、且つ2枚の面板12,14に対して接着されることにより、一体的に接合されて、構成されているのである。
なお、ここでは、上下2枚の面板12,14が、何れも、アルミニウム材料若しくはアルミニウム合金材料を用いて形成されている。また、心材16は、例えば、発泡スチレンや発泡ウレタン、発泡フェノール等の樹脂発泡体からなっている。勿論、各面板12,14は、アルミニウムやその合金以外の金属材料や合成樹脂材料を用いて形成されていても良く、また、心材16も、発泡体からなるものであれば、その種類が、特に限定されるものではない。更に、そのような2枚の面板12,14と心材16とからなる発泡サンドイッチパネル10の全体の大きさも、何等限定されるものではないところではあるが、ここでは、幅が0.6〜3m程度で、長さが1〜13m程度とされている。
ところで、このような構造を有する発泡サンドイッチパネル10を製造する際には、先ず、図2に示される如き平板形状を呈する組付体18が、形成される。この組付体18は、2枚の面板12,14と心材16とが、発泡サンドイッチパネル10での配置形態と同様に、心材16の上面と下面とに対して、2枚の面板12,14を重ね合わせた配置形態をもって組み付けられてなるものであるが、それら2枚の面板12,14と心材16との間には、接着剤20が、所定の厚さを有する層状形態をもってそれぞれ介在せしめられている。なお、この接着剤20は、その種類が何等限定されるものではなく、例えば、従来より公知のものの中から、面板12,14と心材16の材質等に応じて適宜に選択されて使用される。即ち、この接着剤20は、一液型と二液型の何れであっても良く、また、常温硬化型と加熱硬化型の何れのタイプであっても良いのである。
一方、かくして形成される組付体18とは別個に、図3に示される如く、全体として、矩形平板形状を呈し、且つ組付体18と実質的に同じ(組付体18よりも、若干小さなものも含まれる)か若しくはそれよりも大なる大きさを有する加圧パネル22が、準備される。そして、本実施形態手法では、図4に示されるように、準備された加圧パネル22の複数(ここでは、6個)と前記組付体18の複数(ここでは、5個)とが、上下方向において一つずつ交互に位置し、且つ互いに重ね合わされて、積層配置される。これによって、上下方向に対向位置せしめられた加圧パネル22の対向面間に、組付体18がそれぞれ挟まれた状態で、それら複数の加圧パネル22と複数の組付体18とが上下方向に積層されてなる積層構造体23が形成される。その後、そのような積層構造体23に対して、所定の加圧力が加えられることにより、各組付体18における2枚の面板12,14と心材16とに対して、かかる加圧力に基づく圧締圧力が、それら各組付体18の上下にそれぞれ位置せしめられた加圧パネル22を介して作用せしめられ、また、そのような状態下で、接着剤20の硬化操作が行われるのである。
より具体的には、ここでは、加圧パネル22として、従来より公知のハニカムパネルが準備される。即ち、図3から明らかなように、ここで準備される加圧パネル22は、互いに所定距離を隔てて平行に配置された2本の縦枠材24,24と、それら2本の縦枠材24,24を、それらの両端部で相互に接続する2本の横枠材26,26とによって、全体として略口字状に組み立てられた枠体28を有している。また、この枠体28の内側には、上下方向に延びる多数のセルが水平方向に配列されてなる略蜂の巣状のハニカムコア30が、収容配置されている。そして、そのような枠体28とハニカムコア30とに対して、それらを上下両側から挟むようにして、上面板32と下面板34とが重ね合わされ、一体的に接合されて、構成されている。
換言すれば、互いに対向位置せしめられた上面板32と下面板34との対向面間に、ハニカムコア30が配置されると共に、かかる対向面間の周縁部に、2本の縦枠材24,24と2本の横枠材26,26とが、ハニカムコア30を取り囲む状態で、略口状に組み付けられて、配置され、そして、それら上及び下面板32,34とハニカムコア30と縦及び横枠材24,26とが一体的に接合されて、高強度特性と優れた使用耐久性とが具備せしめられてなる構造をもって、加圧パネル22が、構成されているのである。なお、かかる加圧パネル22の強度や耐久性を高めるために、縦枠材24や横枠材26を、上面板32と下面板34との対向面間の周縁部に加えて、その中間部に設けても良い。
また、このような加圧パネル22においては、上及び下面板32,34とハニカムコア30と縦及び横枠材24,26とが、全て、アルミニウム材料若しくはアルミニウム合金材料からなるアルミニウム材質のものにて構成されている。これによって、十分な軽量性が発揮され、また、目的とする発泡サンドイッチパネル10の後述する製造工程において、例えば、接着剤20を硬化せしめる等のために、前記組付体18と共に加圧パネル22を加熱する操作が実施されても、2枚の面板12,14がアルミニウム材質とされた組付体18との熱膨張差が可及的に小さくされて、かかる熱膨張差に起因する各種の不具合の発生が、有利に防止され得るようになっている。更に、上及び下面板32,34とハニカムコア30と縦及び横枠材24,26の一体的な接合が、接着剤を用いた接着により実現されているため、かかる一体接合がろう付け等によって実施されている場合とは異なって、溶接歪み等を生ぜしめることなく、有利に大型化が可能となっている。
更にまた、加圧パネル22にあっては、その長さ方向に延びる2つの側面のそれぞれを構成する2本の縦枠材24,24の各外側面において、加圧パネル22の長さ方向に所定間隔を隔てた二個所に、例えばアイボルトからなる支持部36が、それぞれ一つずつ、アイボルトのアイ部分38を側方に突出させた状態で、そのボルト部分にて各側面に螺入されて、取り付けられている。これによって、後述する如き複数の加圧パネル22と複数の組付体18の積層作業を行う際等に、支持部36のアイ部分38を利用して、加圧パネル22をワイヤ等にて吊り下げつつ、移動したり、所望の位置に設置したりすることが出来、以て、かかる加圧パネル22の取扱性の向上や、加圧パネル22と組付体18の積層作業における作業性の向上等が、有利に図られ得るようになる。なお、支持部36は、加圧パネル22を支持する構造をもって、加圧パネル22の側面から側方に突出せしめられてなるものであれば、例示のアイボルト等にて構成されたものに、何等限定されるものではない。
また、このような加圧パネル22においては、図4に示されるように、各組付体18の上下両側に配置されて、それら各組付体18と積層せしめられた状態下で、組付体18の2枚の面板12,14のうち、下側に位置する面板14の下面と重ね合わされる上面(上面板32の上面)が、上側加圧面40とされている一方、かかる組付体18の上側に位置する面板12の上面と重ね合わされる下面(下面板34の下面)が、下側加圧面42とされている。
そして、特に、そのような上側加圧面40と下側加圧面42のそれぞれの平面度が、何れも、0.5mm以下の値とされて、それら上側及び下側加圧面40,42が、それらの全面に対して十分に高い平滑性が具備せしめられた平滑面とされている。何故なら、加圧パネル22の上側加圧面40と下側加圧面42の平面度が0.5mmよりも大きな値とされている場合には、それら上側及び下側加圧面40,42が、目立った凹部や凸部を部分的に或いは全面に有する平滑性の低いものとなる。そうすると、図4に示される如き加圧パネル22と組付体18との積層状態下で、組付体18の2枚の面板12,14と心材16とに対して、加圧パネル22を介して圧締圧力が作用せしめられる際に、加圧パネル22の上側加圧面40と下側加圧面42とにそれぞれ重ね合わされる各面板12,14の心材16側とは反対側の表面に対して、それら上側及び下側加圧面40,42の凹部や凸部に対応した凸部や凹部が形成されてしまい、それによって、各面板12,14の心材16側とは反対側の表面の平滑性が大きく損なわれることとなるからである。
なお、この加圧パネル22の上側加圧面40と下側加圧面42の平面度は、0.3mm以下の値とされていることが、より望ましい。また、ここで用いられる加圧パネル22としては、上側加圧面40や下側加圧面42に、例えば、0.5mm以下の高さの波状の凹凸が短い波長で形成されてなるものは、たとえ、平面度が0.5mm以下であっても、平滑とは言えず、その点において除外される。
また、加圧パネル22にあっては、単位幅当たりの断面二次モーメント:Iが1000〜50000mm4 /mmの範囲内の値とされている。この加圧パネル22の単位幅当たりの断面二次モーメント:Iは、加圧パネル22の剛性の大きさを示すものである。即ち、ここでは、加圧パネル22の単位幅当たりの断面二次モーメント:Iが1000〜50000mm4 /mmの範囲内の値とされていることによって、加圧パネル22の剛性の大きさが、特定の範囲内の大きさに設定されているのである。
なお、加圧パネル22の単位幅当たりの断面二次モーメント:Iが、1000mm4 /mmを下回る値とされていると、加圧パネル22が、自重により容易に撓み変形するような剛性の小さなものとなる。そうすると、図4に示される如き加圧パネル22と組付体18との積層状態下で、組付体18の2枚の面板12,14と心材16とに対して、加圧パネル22を介して圧締圧力が作用せしめられる際に、加圧パネル22が変形し、それによって、圧締圧力が、各面板12,14と心材16とに対して不均一に作用せしめられるようになる恐れがある。
一方、加圧パネル22の単位幅当たりの断面二次モーメント:Iが、50000mm4 /mmを越える値とされている場合には、図4に示される如き加圧パネル22と組付体18との積層状態下で、組付体18の2枚の面板12,14と心材16とに対して、加圧パネル22を介して圧締圧力を作用せしめる上において、必要とされるよりも大きな剛性が、加圧パネル22に付与されるようになる。そして、そのように大きな剛性を有する加圧パネル22は、その製作に多大な費用が掛かるばかりでなく、厚さも過剰に大きなものとなる。そのため、使用される加圧パネル22の単位幅当たりの断面二次モーメント:Iが50000mm4 /mmを越える過大な値とされていると、目的とする発泡サンドイッチパネル10の製作に際して余分なコストが掛かるといった不具合が生じる。また、組付体18との積層高さが必然的に大きくなってしまい、そのために、組付体18の各面板12,14と心材16とに対して圧締圧力を作用させる装置や治具が大型化し、これによっても、コストが高騰せしめられる。また、それを回避するためには、積層される組付体18の枚数を減らす必要が生じ、そうすると、組付体18に対する圧締操作の作業効率が低下せしめられるといった不具合も、惹起される。
従って、図4に示される如くして行われる各組付体18の2枚の面板12,14と心材16とに対する圧締操作が、可及的に低いコストで、効率的且つ確実に実施されるように為すために、加圧パネル22の単位幅当たりの断面二次モーメント:Iが1000〜50000mm4 /mmの範囲内の値とされていなけらればならないのである。なお、かかる加圧パネル22の単位幅当たりの断面二次モーメント:Iのより好ましい範囲は、1500〜25000mm4 /mmである。
また、本実施形態では、加圧パネル22が、断面矩形状とされたハニカムパネルにて構成されているところから、かかる加圧パネル22の単位幅当たりの断面二次モーメント:Iは、加圧パネル22の幅:b(mm)と加圧パネル22の厚さ(高さ):H(mm)と、心材(ハニカムコア30)の厚さ(高さ):h(mm)とに基づいて、下記式(ア)にて算出される。
I=b(H3 −h3 )/12b ・・・・・(ア)
従って、単位幅当たりの断面二次モーメント:Iの上記範囲内での所定の値を、上記式(ア)に代入すれば、組付体18の圧締操作に使用されるのに必要な剛性を有する加圧パネル22の全体の幅や厚さ、ハニカムコア30の厚さや上及び下面板32,34の厚さ等が、適宜に決定されるのである。
また、ここでは、加圧パネル22の上及び下面板32,34間に、縦枠材24と横枠材26の2本ずつが、ハニカムコア30を取り囲むように配置されて、一体的に接着せしめられているが、それら各枠材24,26は、その高さが、加圧パネル22に必要な断面二次モーメント:Iに見合った高さとなるように決定され、更に、その幅は、上及び下面板32,34に対して十分な接着幅が確保されるような幅、例えば30〜60mmの範囲内の値とされる。
そして、前述せるように、かくの如き構成を有する加圧パネル22の複数と組付体18の複数とが、それぞれ一つずつ交互に位置せしめられ、且つ最下層と最上層とが加圧パネル22にてそれぞれ構成されるように、上下方向に積層されて、積層構造体23が形成されるのであるが、ここでは、そのような積層構造体23を挟んで、その上側と下側のそれぞれに、複数(ここでは、6個)の型鋼44が、積層構造体23の長さ方向に互いに等間隔をおいて、その幅方向に平行に延びるように配置される。勿論、それら複数の型鋼44を、積層構造体23の幅方向に等間隔をおいて、その長さ方向に平行に延びるように配置しても良い。
すなわち、本実施形態においては、前述せる如くして、複数の組付体18と複数の加圧パネル22が形成乃至は準備される一方で、型鋼44が、複数個(ここでは12個)準備される。なお、この型鋼44は、図5に示されるように、ウェブ46の両端にフランジ48a,48bがそれぞれ一体形成された断面I字形状又はH字形状の鋼材からなり、加圧パネル22の幅よりも所定寸法長い長さを有している(なお、型鋼44が積層構造体23の幅方向に平行に延びるように配置される場合には、かかる型鋼44の長さが、加圧パネル22の長さよりも所定寸法長い長さとされる)。また、かかる型鋼44にあっては、長さ方向の両側端部における一方のフランジ48aに、切欠部50,50が設けられて、かかるフランジ48aの端部の切欠部50,50の形成部分が、狭幅部52とされている。
そして、図4に示される如く、そのような複数の型鋼44のうちの半分のものが、図示しない床面上や所定の基台の上面上に、それぞれのフランジ48bにおいて接触せしめられた状態で、互いに一定の距離を隔てて、平行に延びるようにして、例えば左右に並列配置される。このとき、左端の列に配置された型鋼44の狭幅部52の左端縁から、右端の列に配置された型鋼44の狭幅部52の右端縁までの距離が、有利には、加圧パネル22の長さと同じか又はそれよりも所定寸法だけ小さな値とされる。
その後、並列配置された複数の型鋼44の各フランジ48a上に、加圧パネル22が、その下側加圧面42において接触せしめられた状態で載置される。そしてまた、その上に、複数の組付体18と複数の加圧パネル22とが、それぞれ一つずつ交互に重ね合わされて、更に位置せしめられ、且つ最上部(最上層)に加圧パネル22が位置せしめられるように、上下方向に積層される。これによって、並列配置された複数の型鋼44の各フランジ48a上に、積層構造体23が形成される。換言すれば、複数の型鋼44が、積層構造体23の下面(最下層に位置する加圧パネル22の下側加圧面42)に接触配置されるのである。
なお、このとき、各組付体18の各面板12,14における心材16側とは反対側の面の全面が、各加圧パネル22の上側加圧面40や下側加圧面42に接触せしめられるようにして、各組付体18と各加圧パネル22とが積層される。また、それら各組付体18と各加圧パネル22とが積層されてなる積層構造体23の下面に接触配置された各型鋼44は、長さ方向両端部におけるフランジ48aの狭幅部52,52が、積層構造体23の下面から側方に、それぞれ突出位置せしめられるようにされる。更に、加圧パネル22は、側面に設けられた各支持部36のアイ部分38において、ワイヤ等で吊り下げられ得るようになっていることで、組付体18よりも重量が大きくされているものの、容易に取り扱われる。
そして、かくして並列配置された複数の型鋼44の各フランジ48a上に、積層構造体23が形成されたら、積層構造体23の上面(最上層に位置する加圧パネル22の上側加圧面40)に、先に準備された複数の型鋼44のうちの残りのものが、それぞれのフランジ48aにおいて接触せしめられた状態で、互いに一定の距離を隔てて、平行に延びるように並列配置される。このとき、かかる積層構造体23の上面と下面とにそれぞれ接触配置される各型鋼44が、積層構造体23を挟んで、上下に対応位置せしめられるようにされる。また、かかる積層構造体23の上面側に配置される各型鋼44にあっても、その長さ方向両端部におけるフランジ48aの狭幅部52,52が、積層構造体23の上面から側方に、それぞれ突出位置せしめられる。これによって、積層構造体23の上面側と下面側とに各々配置される複数の型鋼44が、それぞれの長さ方向両端部におけるフランジ48aの狭幅部52同士を、上下に対応位置せしめた状態とされるのである。
なお、ここでは、加圧パネル22と組付体18とが略同一の長さとされているため、積層構造体23の上面側と下面側とに、型鋼44が、互いに同じ数だけ配置されていたが、加圧パネル22の長さが、組付体18よりも長い場合には、積層構造体23の最下層を構成する加圧パネル22の組付体18と重ね合わされていない長さ方向端部の下側のみに、型鋼44を余分に配置して、かかる加圧パネル22が、複数の型鋼44上に安定的に位置せしめられるようにしても良い。
そして、その後、積層構造体23を間に挟んで上下方向に対応位置せしめられた各型鋼44におけるフランジ48aの狭幅部52同士の間に、二つの雄ねじ部材54,56が螺合されてなるターンバックル装置58が、それぞれ、一つずつ、配置される。また、このターンバックル装置58は、その締付け操作(回転操作)に基づいて、二つの雄ねじ部材54,56との間で構成されるねじ送り機構により、それら二つの雄ねじ部材54,56が互いに接近移動せしめられ得るように位置せしめられる。
すなわち、このターンバックル装置58は、全体として、長手の枠体形状を呈し、その長さ方向の一端部に右雌ねじ孔60が設けられる一方、他端部に左雌ねじ孔62が設けられたターンバックル本体59を有している。また、かかるターンバックル本体59の右雌ねじ孔60には、一つの雄ねじ部材54が、その一端部に設けられた右雄ねじ部64において螺合されている一方、左雌ねじ孔62には、別の一つの雄ねじ部材56が、その一端部に設けられた左雄ねじ部66において螺合されている。更に、それら各雄ねじ部材54,56の他端部には、鉤形状を呈する、係合部としての一対の係合爪68,68が、それぞれ設けられている。
そして、このようなターンバックル装置58が、積層構造体23を間に挟んで上下方向に対応位置せしめられた各型鋼44におけるフランジ48aの狭幅部52同士の間において、上下方向に延びるように配置されて、各雄ねじ部材54,56の他端部に設けられた一対の係合爪68,68が、各型鋼44のフランジ48aの狭幅部52における積層構造体23側とは反対側の面に対して、それぞれ回転不能に係合して、位置せしめられる。つまり、ターンバックル装置58が、上下方向に対応位置せしめられた各型鋼44におけるフランジ48aの狭幅部52同士を相互に連結するように配置されるのである。
そして、その後、各ターンバックル装置58に対する締付け操作、つまり、二つの雄ねじ部材54,56を右雌ねじ孔60と左雌ねじ孔62とにそれぞれ螺入させるように、各ターンバックル本体59を回転させる操作が行われる。これにより、前記ねじ送り機構にて、各ターンバックル装置58の二つの雄ねじ部材54,56が相互に接近移動せしめられて、それら各雄ねじ部材54,56が各々係合せしめられた、上下に対応位置する二つの型鋼44,44の各フランジ48aの狭幅部52に対して、互いの接近方向への引張力が作用せしめられる。以て、積層構造体23の上面が、かかる上面側に配置された複数の型鋼44にて、下方に押圧されると同時に、その下面が、かかる下面側に配置された複数の型鋼44にて上方に押圧される。
かくして、積層構造体23に対して、上下両側から加圧力が作用せしめられるようになる。そして、そのような加圧力に基づいて、積層構造体23を構成する複数の加圧パネル22と複数の組付体18のうち、各組付体18の2枚の面板12,14と心材16とが、それらを上下両側から挟んで位置せしめられた加圧パネル22のそれぞれにて、圧締せしめられる。つまり、上述の如きターンバックル装置58の回転操作(締付け操作)によって、積層構造体23を構成する複数の組付体18のそれぞれに対して、圧締圧力が、それら各組付体18を挟んで上下両側に位置せしめられた各加圧パネル22を介して作用せしめられるようになるのである。
なお、このような圧締操作を行う場合、積層構造体23の上面側と下面側とにそれぞれ配置された型鋼44の間隔、つまりターンバックル装置58の配置間隔が特に限定されるものではないが、かかる配置間隔は30〜50cmの範囲内の値とされていることが望ましい。何故なら、ターンバックル装置58(型鋼44)の配置間隔が50cmを越えるような場合には、かかる配置間隔が広過ぎるため、各組付体18の2枚の面板12,14の一部分のみに、大きな圧締圧力が加えられないようにする上で、加圧パネル22の剛性を、より大きく為す必要が生じる。そうすると、加圧パネル22の厚さや重量が必然的に大きくなって、加圧パネル22の製作コストが高騰するばかりでなく、その取扱性が低下して、圧締操作における作業性も低下するといった問題が惹起されるからである。一方、ターンバックル装置58(型鋼44)が30cmを下回る間隔で配置される場合には、ターンバックル装置58(型鋼44)の使用数が過剰に多くなり、その分だけ、コストの高騰や作業性の悪化が惹起されるからである。なお、ターンバックル装置58(型鋼44)の配置間隔が、隣り合う型鋼44のフランジ48同士が重なり合うことのないような大きさとされることは言うまでもないところである。
そして、本圧締操作の実施に際して、ターンバックル装置58(型鋼44)の配置間隔:L(cm)を、上記の好適な配置間隔とするには、ターンバックル装置58(型鋼44)の使用数:n(本)(但し、ターンバックル装置58については、積層構造体23の幅方向一方側のみにおいて使用される数であり、且つ型鋼44については、積層構造体23の上面側と下面側の何れか一方の面側のみにおいて使用される数である。)が、組付体18の長さ:a(cm)に応じて、適宜に決定されることとなる。つまり、好ましくは、下記式(イ)において、Lの値が30〜50の範囲内の値となるように、nの値が決定されるのである。
L=a/(n−1) ・・・・・(イ)
また、前述せるように、本圧締操作では、ターンバックル装置58の回転操作により、圧締圧力が、各加圧パネル22を介して、各組付体18に作用せしめられるが、この圧締圧力は、好適には0.03〜0.11MPaの範囲内の値とされる。何故なら、圧締圧力が0.03MPaよりも小さいと、各組付体18における2枚の面板12,14や加圧パネル22の上及び下面板32,34に歪みがある場合に、圧締圧力にて、そのような歪みを修正することが困難であるため、目的とする発泡サンドイッチパネル10の平滑性が低下する恐れが生じ、また、接着剤20の厚さの均一化も難しくなるからである。一方、圧締圧力が0.11MPaよりも大きい場合には、そのように過剰に大きな圧締圧力にて、型鋼44が、大きく撓み変形することのないように、型鋼44の剛性をより大きくする必要が生じ、そうすると、型鋼44の重量が大きくなって、その取扱性が低下するだけでなく、そのような型鋼44が上面側に配置される加圧パネル22を傷付ける懸念さえもあるからである。
そして、上記の如き範囲内の圧締圧力を、ターンバックル装置58の回転操作により、各加圧パネル22を介して、各組付体18に作用せしめるには、ターンバックル装置58に掛けるべきトルク:T(N・m)は、例えば、下記式(ウ)によって求められる。
T=α×a×b×p/n ・・・・・(ウ)
〔但し、a(cm):組付体18の長さ、b(cm):組付体18の幅、p(M Pa):圧締圧力、n(本):ターンバックル装置58の本数、α(m):タ ーンバックル58の種類によって決まる係数で、予め、トルクレンチの目盛り と軸力(即ち、ターンバックル装置58の回転操作によって生ずる引張力)と の関係を測定して決定される数値である〕
また、本圧締操作において使用される加圧パネル22は、前述せる如く、単位幅当たりの断面二次モーメント:Iが1000〜50000mm4 /mの範囲内の値とされて、容易に撓み変形しない十分な剛性が具備せしめられている。そのため、積層構造体23の上面側や下面側に配置される型鋼44については、ターンバックル装置58の回転操作に伴って作用せしめられる引張力によって、多少の撓みが生ずることが許容される。
従って、このような型鋼44にあっては、例えば、型鋼44を梁と見なし、ターンバックル装置58の回転操作によって生ずる引張力にて型鋼44が撓み変形した際に、加圧パネル22の幅方向両端部のみに反力が生ずると仮定した4点曲げにおける最大撓みが、好ましくは0.5mm以下、より好ましくは0.3mm以下となるような横断面寸法を有するように構成されていることが、望ましい。なお、このような型鋼44の横断面寸法は、好ましくは、型鋼44が例示の断面I字形状又はH字形状の鋼材からなる場合、JIS G 3192「熱間圧延鋼の形状・質量及びその許容差」に記載される呼称寸法(高さ×辺)が、150〜350mm×75〜200mmの範囲内の値とされる。
また、かかる型鋼44が、上記の如き範囲内最大撓みとなるような横断面寸法を有していても、加圧パネル22の幅が、組付体18よりも過剰に大きい場合には、ターンバックル装置58の回転操作に伴って作用せしめられる引張力によって、型鋼44の撓みが大きくなり過ぎる傾向がある。それ故、そのような問題を回避する上で、加圧パネル22の幅は、組付体18の最大幅よりも200mm以下の範囲内において大きくされていることが望ましい。また、組付体18の最大幅よりも大きくされた加圧パネル22の幅と、組付体18の最大幅との差が余りに小さいと、組付体18の各面板12,14の全面が、加圧パネル22の上及び下面板32,34と重ね合わされるように、組付体18と加圧パネル22とを積層することが容易でなくなるため、加圧パネル22の幅は、組付体18の最大幅よりも50mm以上大きくされていることが、好ましい。なお、当然のことながら、各型鋼44が、積層構造体23の上面側と下面側とにおいて、加圧パネル22の長さ方向に平行に延びるように配置される場合には、加圧パネル22の長さが、組付体18の最大長さよりも50〜200mmの範囲内において大きくされていることが、好ましいのである。
そうして、かくの如き各組付体18に対する圧締操作と共に、それら各組付体20の接着剤20の硬化操作が同時に行われる。そして、かかる接着剤20が硬化せしめられた後、各ターンバックル装置58を緩める操作(ターンバックル本体59を締付け時とは反対方向に回転させる操作)が行われることで、圧締圧力が解消されて、積層構造体23が解体せしめられることにより、各組付体18の2枚の面板12,14と心材16とが一体的に接着せしめられた、目的とする発泡サンドイッチパネル10が得られるのである。
なお、かくの如き圧締操作と同時に行われる接着剤20の硬化操作は、接着剤20の種類に応じた適切な操作によって、実施される。つまり、例えば、接着剤20が常温硬化型のものである場合には、各組付体の2枚の面板12,14と心材16とに対して上述の如き圧締圧力を作用せしめた状態のままで、それらを、所定の時間の間、常温で放置する操作が行われる。
また、接着剤20が加熱硬化型である場合には、例えば、積層構造体23を断熱性を有するテント等で覆うか、又は断熱性を有する養生室内で、積層構造体23を形成した後、それらテント内や養生室内に、蒸気等で熱交換した熱風や、或いは熱風発生装置やジェットヒータ等によって発生させた熱風を供給せしめて、積層構造体23の全体を加熱する操作が行われるか、或いは、積層構造体23の内部に面状発熱体を挿入して、積層構造体23の全体を加熱する操作が行われる。なお、ここでは、加圧パネル22がアルミハニカムパネルにて構成されていることにより、組付体18よりも容易に加熱されるようになっているため、上記のようにして、積層構造体23の全体を加熱する場合には、加圧パネル22により、各組付体18の全体への熱伝達が有利に促進され得、以て、接着剤20の硬化時間の短縮化が十分に図られ得るばかりでなく、最終的に得られる発泡サンドイッチパネル10において、歪み発生が効果的に抑制され得るようになる。
このように、本実施形態においては、前述せる如き十分な剛性を有する加圧パネル22の上側及び下側加圧面32,34が、組付体18の2枚の面板12,14の心材16側とは反対側の全面に接触せしめられて、重ね合わされた状態下において、組付体18に対する圧締操作が行われるようになっているところから、そのような圧締操作において、圧締圧力が、十分な剛性を有する加圧パネル22から、組付体18の2枚の面板12,14の全面に対して、略均一に作用せしめられるようになる。
それ故、かかる本実施形態手法では、組付体18の各面板12,14と心材16との間に大きな空気の固まりがあっても、加圧パネル22から作用せしめられる圧締圧力により、そのような大きな空気の固まりが押し潰されて、微小な空気の固まりとなるように分散せしめられる。そして、それにより、組付体18の各面板12,14と心材16との間に存在する空気の固まりに起因して、各面板12,14の表面に部分的な膨れが生ずるようなことが、各面板12,14と心材16との間の接着力にて効果的に抑制され得、以て、かかる各面板12,14表面の部分的な膨れによって、発泡サンドイッチパネル10の外観の悪化や、剛性、断熱性、防音性等の機能の低下等が生ずることが、未然に防止され得る。
しかも、本実施形態においては、各加圧パネル22の上側及び下側加圧面32,34が、平面度の小さな平滑面とされているため、それら上側及び下側加圧面32,34に重ね合わされる各組付体18の2枚の面板12,14が、圧締圧力によって、平滑性が損なわれるようなことも、有利に防止され得る。
従って、かくの如き本実施形態手法によれば、信頼性の高い機能と優れた品質とを有する発泡サンドイッチパネル10が、極めて安定的に製造され得ることとなるのである。
また、本実施形態では、複数の組付体18が複数の加圧パネル22と積層された状態で、それら複数の組付体18に対する圧締操作が同時に行われるようになっているため、目的とする発泡サンドイッチパネル10の複数が、一挙に且つ効率的に得られ、それによって、発泡サンドイッチパネル10の生産性の向上が、極めて有利に図られ得る。
さらに、本実施形態においては、加圧パネル22が、軽量で且つ高強度特性を有し、しかも、十分な剛性と高い平面度が比較的に容易に実現可能なアルミハニカムパネルにて構成されているところから、目的とする発泡サンドイッチパネル10の製造作業における作業性が効果的に高められ得ると共に、所望の品質性能を有する発泡サンドイッチパネル10が、容易に且つ確実に得られることとなる。
更にまた、本実施形態手法では、積層構造体23の上面側と下面側とに、各々上下方向に対応して配置された複数の型鋼44の互いに対応する端部同士のそれぞれが、ターンバックル装置58にて連結されて、それら端部同士が、かかるターンバックル装置58の回転操作にて引張せしめられることにより、各組付体18に対して圧締圧力が作用せしめられるようになっているところから、かかる圧締圧力を得るために、例えば、プレス装置等の大がかりで高価な装置や、極めて大きな重量を有する錘等を何等用いる必要がなく、それによって、可及的に低いコストと優れた作業性とをもって、目的とする発泡サンドイッチパネル10が、工業的に有利に製造され得るのである。
ところで、上記せる実施形態では、加圧パネル22がハニカムパネルにて構成されていたが、この加圧パネル22は、組付体18の2枚の面板12,14と実質的に同じか若しくはそれよりも大なる大きさと所定の厚さとを有する平板形態を呈し、且つ単位幅当たりの断面二次モーメント:Iの値や平面度が、前記せる特定の範囲内の値とされてなるものであれば、その構造が、特に限定されるものではない。
また、積層構造体23に対して、その上下両側から加圧力を作用せしめて、各組付体18を各加圧パネル22にて圧締させるには、例示のターンバックル装置58を用いる方法以外に、各種公知の手法が採用され得る。
なお、例示の手法により、組付体18を圧締する場合には、積層構造体23の上面側や下面側に配置される型鋼44は、I型鋼やH型鋼に、何等限定されるものではない。
さらに、積層構造体23を構成する組付体18と加圧パネル22のそれぞれの積層個数は、組付体18や加圧パネル22の厚さ等に応じて適宜に変更されるものであることは、言うまでもないところである。
更にまた、積層構造体23の最上層に位置せしめられる加圧パネル22の上面板32や、最下層に位置せしめられる加圧パネル22の下面板34は、平面度が0.5mmを越える値とされていても良い。
また、組付体18の形成に際しては、例示の如く、2枚の面板12,14の大きさ(目的とする発泡サンドイッチパネル10の大きさ)と同じ大きさの心材16を、それら2枚の面板12,14間に配置して、組付体18を形成する方法の他、例えば、2枚の面板12,14よりも大きな心材16を準備し、これを2枚の面板12,14間に配置した後や接着剤20の硬化後、或いは各面板12,14間に配置する前等に、各面板12,14と同じ大きさにカットして、組付体18を形成する方法、或いは2枚の面板12,14よりも小さな心材16を複数準備し、それら複数の心材16を、所定寸法にカット(カットするタイミングは上記と同じ)して、或いはカットせずに、2枚の面板12,14間に並べて配置して、組付体18を形成する方法等が、採用され得る。なお、このような組付体18の形成方法は、心材16の大きさや各面板12,14の大きさ(目的とする発泡サンドイッチパネル10の大きさ)等に基づいて、適宜に選択されることとなる。
加えて、本発明手法は、発泡サンドイッチパネルの製造方法のみならず、例えば、2枚の面板間に、ハニカムコアからなる心材やハニカムコア以外のものからなる心材がそれぞれ配置されて、それらが一体的に接着されてなるサンドイッチパネルの製造方法にも、有利に適用され得る。
その他、本発明は、各種の形態において実施され得るものであって、当業者の知識に基づいて採用される本発明についての種々なる変更、修正、改良に係る各種の実施の形態が、何れも、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、本発明の範疇に属するものであることが、理解されるべきである。
以下に、本発明の幾つかの実施例を示し、本発明の特徴を更に明確にすることとするが、本発明が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも受けるものでないことは、言うまでもないところである。
先ず、厚さが0.8mmで、幅と長さとが下記表1に示される如き寸法(目的とする発泡サンドイッチパネルと同じ寸法)とされた、アルミニウム合金板(JIS H 4000 A5052P−H34)製のカラーアルミやベアアルミからなる面板の多数と、幅:910mm、長さ:1820mmで、厚さが下記表1に示される如き寸法とされた、発泡スチレン製若しくは発泡フェノール製の心材の多数と、2液型エポキシ系接着剤の所定量と、2液型ウレタン系接着剤の所定量と、1液型変性シリコーン系接着剤の所定量とを、それぞれ準備した。
そして、それら準備された面板と心材と接着剤とを、下記表1に示される如き9種類の組合せにより用いて、互いに対向位置せしめられた2枚の面板間に心材が配置されると共に、それら2枚の面板と心材との間に接着剤が介在せしめられて、組み付けられた、図2に示される構造を有する9種類の組付体A〜Iを、それぞれ複数個ずつ作製した。なお、心材は、各面板の大きさに応じて、1枚又は複数枚のものをそれぞれ使用し、各面板の寸法より大きくなる部分についてはカットして、2枚の面板間に配置した。また、接着剤は、ロールコータを用いて、心材の上下両面同時に、300g/m2 の塗布量で塗布した。
Figure 0004675637
また、かくして作製された9種類の組付体A〜Iとは別に、複数の加圧パネルと、複数の型鋼と、複数のターンバックル装置とを準備した。ここで、加圧パネルとしては、アルミニウム合金板(JIS H 4000 A3004P−H32)製で、厚さ:2mmの2枚の面板間に、厚さ:0.076mmのアルミニウム合金はく(A3003−H19)製で、厚さ(高さ):40mm、セルサイズ:12.7mmのハニカムコアと、アルミニウム合金押出形材(JIS H 4100 A6063S−T5)製で、高さ:40mm、幅:40mmの矩形断面押出形材からなる枠材とが、図3に示される如き構造において組み付けられて、一体的に接着せしめられて作製されたハニカムパネルを、準備した。このハニカムパネルからなる加圧パネルの寸法は、厚さ(高さ):44mm、幅:2800mm、長さ:11000mmとした。なお、この加圧パネルの単位当たりの断面二次モーメント:Iは、前記せる(ア)の式により求めたところ、1765mm4 /mmであった。また、かかる加圧パネルの上下両面(表面)の平面度は、0.2mmであった。この平面度は、加圧パネルの表面に、長さ3mの直尺を接触位置せしめた状態下で、それら加圧パネルの表面と直尺との間に形成される隙間の大きさ(面板と直尺との対向面間の距離)の最大値によって決定した。更に、型鋼としては、フランジ幅:125mm、高さ:250mm、長さ:3100mmのH型鋼を準備した。また、ターンバックル装置としては、図4に示される如き構造を有するものを準備した。
そして、上記の如くして作製された9種類の組付体A〜Iのうち、組付体Aの5個と、それらとは別に準備された加圧パネルの6個と、型鋼の30本と、ターンバックル装置の30個とを用い、先ず、15本の型鋼を、略35cm間隔で、互いに平行に延びるように、並列配置した。
次いで、図4と同様な状態となるように、並列配置された15本の型鋼の各フランジ上に、6個の加圧パネルと5個の組付体Aとを、上下方向に積層配置して、積層構造体を形成した後、残りの15本の型鋼を、積層構造体の上面側に配置し、その後、積層構造体の上面側と下面側とにそれぞれ配置された型鋼のうち、上下方向に対応するものの端部同士を、30個のターンバックル装置にて、それぞれ連結した。
その後、ターンバックル装置を、トルクレンチにより、90N・mのトルクで回転操作して、5個の組付体Aのそれぞれに対して、0.05MPaの圧締圧力を作用せしめ、また、このような圧締圧力を各組付体Aに作用させたままの状態で、室温において14時間放置して、接着剤を硬化せしめた。これにより、目的とする発泡サンドイッチパネルAを、本発明手法に従って、5個同時に得た。
そして、かくして得られた5個の発泡サンドイッチパネルAのそれぞれにおける上面板と下面板での部分的な膨れの有無を視認により調べた後、上面板と下面板とを心材から剥離して、部分的な膨れの発生原因となる空気の固まりの痕跡の有無を視認により調べた。その結果、上面板と下面板での部分的な膨れが無く、また、そのような部分的膨れの発生原因となる空気の固まりの痕跡も無いことが、確認された。更に、各発泡サンドイッチパネルAにおける2枚の面板の平面性状を、それぞれ目視により調べたところ、圧締しながらの接着前(組付体A)に対して、各面板の歪みが良く修正され、また、複数枚並べた心材の継ぎ目が目立たず、十分な平面性が確保されていることが、認められた。
また、それとは別に、前記の如くして作製された9種類の組付体A〜Iのうち、組付体Aを除く、残りの8種類の組付体B〜Iの5個ずつを用い、5個の組付体Aを用いて5個の発泡サンドイッチパネルAを作製した上記の手法と同様な手法により、8種類の組付体B〜Iのそれぞれからなる8種類の発泡サンドイッチパネルB〜Iを、本発明手法に従って、各々5個ずつ作製した。
その後、かくして5個ずつ作製された8種類の発泡サンドイッチパネルB〜Iのそれぞれについて、上面板と下面板での部分的な膨れの有無を視認により調べた後、上面板と下面板とを心材から剥離して、部分的な膨れの発生原因となる空気の固まりの痕跡の有無を視認により調べた。その結果、8種類の発泡サンドイッチパネルB〜Iの何れにおいても、上面板と下面板での部分的な膨れが無く、また、そのような部分的膨れの発生原因となる空気の固まりの痕跡も無いことが、確認された。更に、それら8種類の発泡サンドイッチパネルB〜Iのそれぞれにおける2枚の面板の平面性状を、それぞれ目視により調べたところ、何れも、圧締しながらの接着前(組付体B〜I)に対して、各面板の歪みが良く修正され、また、複数枚並べた心材の継ぎ目が目立たず、十分な平面性が確保されていることが、認められた。
一方、比較のために、前記9種類の発泡サンドイッチパネルA〜Iの作製に用いられた加圧パネルと材質、構造及び平面度が同一とされたハニカムパネルではあるものの、各面板の厚さが2mm、ハニカムコア及び枠材の厚さ乃至は高さが28mmとされて、前記せる(ア)の式により求めた単位当たりの断面二次モーメント:Iが901mm4 /mmで、本発明の規定範囲外の値とされた加圧パネルを複数個準備した。そして、この加圧パネルの6個と、5個の組付体Aとを用いて、上記5個の発泡サンドイッチパネルAを作製する際と同様な手法により、発泡サンドイッチパネルJを、5個同時に得た。
その後、かくして作製された5個の発泡サンドイッチパネルJのそれぞれについて、上面板と下面板での部分的な膨れの有無を視認により調べたところ、全てのパネルについて、軽度の部分的な膨れが認められた。また、上面板と下面板とを心材から剥離して、部分的な膨れの発生原因となる空気の固まりの痕跡の有無を視認により調べた結果、全てのものにおいて、僅かながらではあるものの、空気の固まりの痕跡が認められた。
また、それとは別に、5個の組付体Aを用い、これら5個の組付体Aを互いに積層配置すると共に、その最下層の組付体Aの下側と最上層の組付体Aの上側のみに、前記9種類の発泡サンドイッチパネルA〜Iの作製に用いられた加圧パネルと同じ加圧パネルをそれぞれ配置して、積層構造体を形成する以外は、上記の如くして、5個の発泡サンドイッチパネルAを作製する際と同様な手法により、発泡サンドイッチパネルKを、5個同時に得た。
さらに、組付体Aの1個を用い、これを定盤上に載置した後、それら組付体Aと定盤とを、共にトラックシートからなる加圧シートで覆った。次いで、加圧シートの周囲をクランプで密閉した後、加圧シート内部の空気を真空ポンプで吸引して、定盤と加圧シート間の圧力を50kPaとして、組付体Aに圧締圧力を作用せしめた。そして、そのような圧締圧力を作用させたままの状態で、組付体Aを14時間放置して、組付体Aの接着剤を硬化させた。かくして、本発明手法とは異なる手法により、目的とする発泡サンドイッチパネルLを得た。
更にまた、組付体Aの5個を用い、これらを上下に積層せしめた状態で、プレス装置にセットして、それら5個の組付体Aに対して、0.05MPaのプレス圧力を作用せしめることにより、各組付体Aを圧締せしめた。そして、そのような圧締圧力を作用させたままの状態で、14時間放置して、各組付体Aの接着剤を硬化させた。かくして、本発明手法とは異なる手法により、発泡サンドイッチパネルMを5個同時に得た。
そして、本発明手法とは異なる手法にて各々作製された3種類の発泡サンドイッチパネルK〜Mのそれぞれについて、上面板と下面板での部分的な膨れの有無を視認により調べたところ、全てのものにおいて、そのような部分的な膨れが存在することが認められた。また、上面板と下面板とを心材から剥離して、部分的な膨れの発生原因となる空気の固まりの痕跡の有無を視認により調べた結果、全てのものにおいて、かかる空気の固まりの痕跡が存在することも、認められた。
このような本発明手法とは圧締方法や使用される加圧パネルの単位幅当たりの断面二次モーメントが異なる手法にて各々作製された4種類の発泡サンドイッチパネルJ〜Mの観察結果と、前述せる如き本発明手法に従って作製された9種類の発泡サンドイッチパネルA〜Iの観察結果とから、本発明手法に従う発泡サンドイッチパネルの製造方法を実施することによって、初めて、優れた機能と品質とを有する発泡サンドイッチパネルが確実に製造され得ることが、明確に認識され得るのである。
本発明手法に従って製造された発泡サンドイッチパネルの一例を示す分解斜視説明図である。 本発明手法に従って発泡サンドイッチパネルを製造するのに形成される組付体の一例の要部を拡大して示す縦断面説明図である。 本発明手法に従って発泡サンドイッチパネルを製造するのに準備される加圧パネルの一例を示す一部分解斜視説明図である。 本発明手法に従って発泡サンドイッチパネルを製造する工程の一例を示す説明図であって、複数の組付体と複数の加圧パネルとにて形成された積層構造体に対して、加圧力を作用せしめ得るように準備された状態を示している。 図4に示された一工程例において使用される型鋼の要部を拡大して示す斜視説明図である。
符号の説明
10 発泡サンドイッチパネル 12,14 面板
16 心材 18 組付体
20 接着剤 22 加圧パネル
23 積層構造体 24 縦枠材
26 横枠材 36 支持部
40 上側加圧面 42 下側加圧面
44 型鋼 54,56 雄ねじ部材
58 ターンバックル装置 59 ターンバックル本体
68 係合爪

Claims (8)

  1. 互いに対向位置せしめられた2枚の面板間に、発泡体からなる心材が配置されると共に、それら2枚の面板と心材との間に接着剤が介在せしめられてなる組付体を形成した後、かかる組付体の接着剤を硬化せしめることにより、該2枚の面板と該心材とが一体的に接着せしめられてなる発泡サンドイッチパネルを製造する方法にして、
    前記組付体における前記2枚の面板と実質的に同じか若しくはそれら各面板よりも大なる大きさと所定の厚さとを有する平板形態を呈し、且つ厚さ方向の少なくとも一方の面が、平面度が0.5mm以下の平滑な加圧面とされると共に、単位幅当たりの断面二次モーメントが1000〜50000mm4 /mmの範囲内の値とされた加圧パネルであって、2枚の面板間にハニカムコアが挟まれて一体的に接合されてなるハニカムパネルにて構成されるものの複数を準備する工程と、
    該複数の加圧パネルのそれぞれを、前記平滑な加圧面同士において互いに上下に対向し、且つ、それら互いに対向する該加圧面同士の間に、前記組付体が、該組付体における前記2枚の面板のそれぞれにおける前記心材側とは反対側の面の全面において、該加圧面に重ね合わされて位置せしめられるように、配置することにより、上下に対向位置する該加圧パネル同士の間に該組付体が挟まれた状態で、それら加圧パネルと組付体とが上下方向に積層されてなる積層構造体を形成する工程と、
    該積層構造体の上面を下方に押圧すると同時に、該積層構造体の下面を上方に押圧して、該積層構造体に対して、上下両側から加圧力を作用せしめることにより、かかる加圧力に基づいて、前記組付体における前記2枚の面板と前記心材とを、該組付体を挟んで上下両側に位置する前記加圧パネルにて圧締しつつ、前記接着剤の硬化を行う工程と、
    を含むことを特徴とする発泡サンドイッチパネルの製造方法。
  2. 前記組付体の複数と前記加圧パネルの複数とが、それぞれ一つずつ互い違いに位置せしめられ、且つ最上層と最下層とが該加圧パネルにてそれぞれ構成されるように、それら複数の組付体と複数の加圧パネルとを上下方向に積層して、前記積層構造体を形成するようにした請求項1に記載の発泡サンドイッチパネルの製造方法。
  3. 前記積層構造体に対して前記加圧力を作用せしめるのに先立って、複数の型鋼を該積層構造体の上面に接触配置すると共に、別の複数の型鋼を該積層構造体の下面に接触配置する一方、それら積層構造体の上面に接触配置された複数の型鋼と積層構造体の下面に接触配置された複数の型鋼のそれぞれにおける長さ方向の両側端部を、該積層構造体の上面や下面から側方にそれぞれ突出せしめ、更に、該積層構造体の上面に接触配置された複数の型鋼と、該積層構造体の下面に接触配置された複数の型鋼のうち、該積層構造体を挟んで上下方向に互いに対応位置せしめられた型鋼の端部同士の間に、該型鋼の端部に係合する係合部を備えた二つの雄ねじ部材が、ターンバックル本体の一端部と他端部とに各々螺合せしめられてなるターンバックル装置を、該上下方向に対応位置せしめられた型鋼の端部のそれぞれに対して、該二つの雄ねじ部材の各係合部を係合させた状態で配置し、その後、該ターンバックル装置に対する締付け操作を行って、該上下方向に対応位置せしめられた型鋼の端部のそれぞれに対して、それらが互いに接近せしめられる方向への引張力を作用せしめることにより、該積層構造体の上面を、該上面に接触配置された複数の型鋼にて下方に押圧すると同時に、該積層構造体の下面を、該下面に接触配置された複数の型鋼にて上方に押圧して、該積層構造体に対して、上下両側から前記加圧力を作用せしめるようにした請求項1又は請求項2に記載の発泡サンドイッチパネルの製造方法。
  4. 前記ハニカムパネルにおける前記2枚の面板と前記ハニカムコアとが、所定の接着剤にて接着せしめられることにより、一体的に接合されている請求項1乃至請求項3のうちの何れか1項に記載の発泡サンドイッチパネルの製造方法。
  5. 前記ハニカムパネルにおける前記2枚の面板間の周縁部に枠材が配置され、且つ該枠材が、前記ハニカムコアと共に、該2枚の面板に対して一体的に接合されて、前記加圧パネルが構成されている請求項1乃至請求項3のうちの何れか1項に記載の発泡サンドイッチパネルの製造方法。
  6. 前記ハニカムパネルにおける前記2枚の面板と前記ハニカムコアと前記枠材とが、所定の接着剤にて接着せしめられることにより、一体的に接合されている請求項に記載の発泡サンドイッチパネルの製造方法。
  7. 前記ハニカムパネルにおける前記2枚の面板間の周縁部に配置された前記枠材に対して、該ハニカムパネルを支持するための支持部が、該ハニカムパネルの側面から側方に突出するように設けられている請求項又は請求項に記載の発泡サンドイッチパネルの製造方法。
  8. 前記ハニカムパネルが、アルミニウム材料又はアルミニウム合金材料を用いて形成されている請求項乃至請求項のうちの何れか1項に記載の発泡サンドイッチパネルの製造方法。
JP2005030844A 2005-02-07 2005-02-07 発泡サンドイッチパネルの製造方法 Expired - Fee Related JP4675637B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005030844A JP4675637B2 (ja) 2005-02-07 2005-02-07 発泡サンドイッチパネルの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005030844A JP4675637B2 (ja) 2005-02-07 2005-02-07 発泡サンドイッチパネルの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006213037A JP2006213037A (ja) 2006-08-17
JP4675637B2 true JP4675637B2 (ja) 2011-04-27

Family

ID=36976634

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005030844A Expired - Fee Related JP4675637B2 (ja) 2005-02-07 2005-02-07 発泡サンドイッチパネルの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4675637B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5651375B2 (ja) * 2010-05-31 2015-01-14 株式会社菊池製作所 トラスコアを用いた加圧マガジン
JP5599252B2 (ja) * 2010-07-29 2014-10-01 株式会社菊池製作所 積層式ダンパ装置
JP6278776B2 (ja) * 2014-03-27 2018-02-14 川崎重工業株式会社 サンドイッチパネルとその製造方法
AU2022355808A1 (en) * 2021-09-30 2024-01-25 Sekisui Chemical Co., Ltd. Laminated structure

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001301092A (ja) * 2000-04-20 2001-10-30 Unitika Ltd アルミニウム積層板

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6182999A (ja) * 1984-09-28 1986-04-26 Showa Aircraft Ind Co Ltd 高周波加熱プレス装置用絶縁材
JPS63312031A (ja) * 1987-06-15 1988-12-20 Ngk Insulators Ltd 建築用パネルの製造方法
JP2828949B2 (ja) * 1995-03-14 1998-11-25 住友軽金属工業株式会社 ハニカムパネルの製造方法

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001301092A (ja) * 2000-04-20 2001-10-30 Unitika Ltd アルミニウム積層板

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006213037A (ja) 2006-08-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20170305102A1 (en) Panel with core layer
JP4675637B2 (ja) 発泡サンドイッチパネルの製造方法
JP2008068487A (ja) 繊維強化樹脂製ハニカムの製造方法及びこの方法で製造されたハニカム、並びに繊維強化樹脂製ハニカムサンドイッチ構造体及びこれを用いた構造用又は装飾用の柱材、梁材又は壁材
CA2650873A1 (en) Elastic waved wood assembly and method of making same
EP1603703B1 (en) Method for connecting by welding structural sandwich plate members with channel-shaped connecting members
JP2017529471A (ja) 軽量構成要素用のハニカム、特に変形可能なハニカム、対応する生産方法、及びサンドイッチ構成要素
US9802382B2 (en) Honeycomb structural body and method of manufacturing honeycomb structural body
US20150041057A1 (en) Lightweight reinforced phenolic structural sandwich panel based on aramid honeycomb core and method
JP3298782B2 (ja) 緩衝用ハニカムコアおよびその製造方法
JP3107477B2 (ja) ハニカムパネル
CA3012935C (en) Insulating glass spacer construction
JP2839454B2 (ja) 曲面を有するろう付けパネルの製造方法
US9315000B2 (en) Platen reinforcing tension directed pressure materials manufacturing press
JP2546963B2 (ja) ろう付けハニカムパネルの製造方法及び製造用スペーサ
JP3370852B2 (ja) わん曲を備えたハニカムパネル、およびその製造方法
WO2002095157A1 (en) Method for curving plasterboard panels, and component thus obtained
JP2577072B2 (ja) 防火、断熱パネル
WO2004026572A1 (en) Honeycomb core, mold and method of manufacturing the same
JPH09193267A (ja) 曲面ハニカムパネルおよびその製造方法
JP2011194817A (ja) サンドイッチパネル及びサンドイッチパネル製造方法
JP2000015724A (ja) ハニカムパネル及びその製造方法
JP4452812B2 (ja) Cfrp表面板を使用した軽金属ハニカムパネル製造方法とその装置
WO2019214408A1 (zh) 芯材及其制作方法、复合材料
JP3330809B2 (ja) 曲面ハニカムパネルの製造方法
JP2000054555A (ja) 金属製ハニカムパネルの強制曲げ取付構法

Legal Events

Date Code Title Description
A625 Written request for application examination (by other person)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A625

Effective date: 20071227

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100629

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100713

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100902

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110125

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110126

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140204

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4675637

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees