JP3330809B2 - 曲面ハニカムパネルの製造方法 - Google Patents

曲面ハニカムパネルの製造方法

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JP3330809B2 JP02326996A JP2326996A JP3330809B2 JP 3330809 B2 JP3330809 B2 JP 3330809B2 JP 02326996 A JP02326996 A JP 02326996A JP 2326996 A JP2326996 A JP 2326996A JP 3330809 B2 JP3330809 B2 JP 3330809B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、曲面ハニカムパネ
ルの製造方法に関する。すなわち、芯材たるハニカムコ
アの内外両面に、使用面を形成することになる内面板と
外面板とが接着されると共に、全体的に所定曲率を備え
てなり、例えばパラボラアンテナとして用いられる、曲
面ハニカムパネルの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図1,図2は、この種従来例の曲面ハニ
カムパネルの製造方法の説明にも供するものである。そ
して図1の(1)図は、内面板の成形工程の正面説明
図、(2)図は、成形された内面板の正面説明図、
(3)図は、外面板の成形工程の正面説明図、(4)図
は、成形された外面板の正面説明図、(5)図は、発生
した浮き等の正面説明図、(6)図は、同発生した浮き
等の平面説明図、(7)図は、曲率変化の正面説明図で
ある。又、図2の(1)図は、準備された内面板,外面
板,ハニカムコア等の正面説明図、(2)図は、これら
を加熱加圧する工程の正面説明図、(3)図は、得られ
た曲面ハニカムパネルの正面説明図である。
【0003】さて、この種従来例の製造方法において、
曲面ハニカムパネル1は次のように製造されていた。す
なわち、まず図1の(1)図,(2)図,(3)図,
(4)図等に示したように、それぞれ所定曲率を備えた
型2,3を用いて、内面板4と外面板5とを、ストレッ
チフォーミング加工つまり引張り成形等により、それぞ
れの所定曲率に加圧成形し、次に、図2の(1)図,
(2)図,(3)図等に示したように、内面板4と外面
板5間に、芯材たるハニカムコア6を接着剤(図示せ
ず)を介装しつつ挟み込んで、所定曲率を備えた型7を
用いつつ加熱加圧することにより、所定の曲面ハニカム
パネル1を得ていた。すなわち、芯材たるハニカムコア
6の内外両面に、使用面を形成することになる内面板4
と、外面板5とが接着されると共に、全体的に所定曲率
を備えてなる曲面ハニカムパネル1を得ていた。なお図
2の(2)図中8は、加熱加圧装置の1例であるオート
クレーブ、9はそのバキュームシートである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
従来例の曲面ハニカムパネルの製造方法にあっては、次
の問題が指摘されていた。まず第1に、引張り成形等に
より加圧成形する際、内面板4や外面板5がそれらの型
2,3に十分に馴みにくく、図1の(5)図や(6)図
に示したように浮きAが発生しやすかった。すなわち、
内面板4や外面板5について、例えば引張り成形による
発熱等が原因となった残留応力や残留ひずみ等の残存
や、負荷を除去後のスプリングバックの発生,偏在等々
により、型2,3に確実に沿い完全にフィットしたもの
が得られにくかった。つまり、設計値の所定曲率を確実
に備えた内面板4や外面板5が得られにくく、負荷を除
去すると、内面板4や外面板5について型2,3への浮
きAが発生しやすかった。そこで、このような内面板4
や外面板5を芯材たるハニカムコア6の内外面に接着し
てなる、従来の製造方法で製造された曲面ハニカムパネ
ル1については、面精度が悪く高精度なものが得られな
い等、精度面に問題が指摘されていた。
【0005】第2に、図2の(3)図に示したように、
内面板4や外面板5を、ハニカムコア6の内外面に加熱
加圧により接着して型7から取外した際、外面板5より
曲率が大きい内面板4が、加熱加圧等により残存する残
留応力や残留ひずみ等の影響と、外面板5にてハニカム
コア6を介しつつ規制されていること、等に起因して、
図1の(7)図に示したようになる、という指摘もあっ
た。すなわち、使用面を形成することになる内面板4
が、予定の曲率Bから収縮して、より深くわん曲した大
きな曲率Cへと変化してしまい、この面からも、従来の
製造方法で製造された曲面ハニカムパネル1について
は、面精度が悪く高精度なものが得られない等、精度面
に問題が指摘されていた。
【0006】本発明の曲面ハニカムパネルの製造方法
は、このような実情に鑑み、上記従来例の課題を解決す
べくなされたものであって、加圧成形した内面板と外面
板をハニカムコアに接着した後、外面板からハニカムコ
アにかけてスリットを形成すると共に、パッチ材にてス
リットを覆って接着,補強するようにしたこと、を特徴
とする。もって本発明は、第1に、浮き等の悪影響が回
避され面精度が向上すると共に、第2に、内面板の曲率
変化も防止され、この面からも面精度が向上する、曲面
ハニカムパネルの製造方法を提案することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
る本発明の技術的手段は、次のとおりである。すなわ
ち、この製造方法は、芯材たるハニカムコアの内外両面
に、使用面を形成することになる内面板と、外面板とが
接着されると共に、全体的に所定曲率を備えてなる曲面
ハニカムパネルの製造方法に関する。
【0008】そして、この曲面ハニカムパネルの製造方
法では、まず、それぞれ所定曲率を備えた型を用いて、
該内面板と該外面板とを引張り成形等により加圧成形
し、次に、該内面板と該外面板間に芯材たる該ハニカム
コアを接着剤を介装しつつ挟み込んで、所定曲率を備え
た型を用いつつ加熱加圧することにより、上記曲面ハニ
カムパネルが得られる。しかる後、上記曲面ハニカムパ
ネルについて、該外面板から該ハニカムコアにかけて複
数のスリットを形成すると共に、該外面板について、各
該スリットを覆うようにそれぞれ補強用のパッチ材を、
所定曲率を備えた型を用いつつ加熱加圧して接着するこ
と、を特徴とする。
【0009】さてこのように、この曲面ハニカムパネル
の製造方法では、加圧成形された内面板や外面板を、加
熱加圧しつつハニカムコアに接着した後、外面板からハ
ニカムコアにかけてスリットを形成すると共に、パッチ
材にてスリットを覆って、加熱加圧することにより接
着,補強する。そこで第1に、この製造方法で製造され
た曲面ハニカムパネルは、加圧成形された内面板や外面
板について、残留応力,残留ひずみ,スプリングバック
等により所定曲率のものが得られず、浮き等が発生して
も、スリットを形成して全体的剛性を一旦細かく遮断し
たことにより、これらの悪影響が是正,回避される。第
2に、この製造方法で製造された曲面ハニカムパネル
は、ハニカムコアに接着した際の残留応力や残留ひずみ
等が存しても、スリットが形成され外面板による規制が
一旦解除されるので、内面板が予定の曲率から収縮し
て、深くわん曲した大きな曲率へと変化することも防止
される。
【0010】
【発明の実施の形態】以下本発明を、図面に示すその発
明の実施の形態に基づいて、詳細に説明する。図1,図
2は、前述したようにこの種従来例の説明に供すると共
に、本発明の実施の形態の説明にも供するものであり、
これらの図面の説明は、前述したのでここでは省略す
る。図3,図4は、本発明の実施の形態の説明に供し、
図3の(1)図は、スリット形成工程の斜視図、(2)
図は、その要部拡大図、(3)図は、その正面説明図で
ある。図4の(1)図は、パッチ材接着工程の正面説明
図、(2)図は、同正面説明図、(3)図は、要部を拡
大した斜視図である。図5の(1)図は、パラボラアン
テナとしての使用例を示す正断面説明図、(2)図は、
ハニカムコアの斜視図である。
【0011】この曲面ハニカムパネル10の製造方法で
は、まず、図1の(1)図,(2)図,(3)図,
(4)図等等に示したように、それぞれ所定曲率を備え
た型2,3を用いて、曲率の内側用の内面板4と外側用
の外面板5とが、引張り成形等により加圧成形される。
【0012】このような成形工程について、更に詳述す
る。内面板4用の型2や外面板5用の型3は、マンドレ
ルとも称される曲面治具よりなり、それぞれ型面が所定
曲率を備え、例えぱ放物曲面,半球面,その他の2次曲
面や3次曲面をなし、図示例では凸曲面状をなすが凹曲
面状のものも可能である。内面板4や外面板5の素材と
しては、アルミやアルミ合金その他の金属材や、アラミ
ド紙その他の強化紙、塩ビその他のプラスチック材、繊
維強化プラスチック(FRP)材、その他の複合材が用
いられる。そして、このような素材よりなる板材を、型
2,3を用いて加熱加圧成形することにより、それぞれ
所定曲率を備えた内面板4や外面板5が得られる。例え
ば、加熱された板材をフォーミング用の型2,3に馴ま
せつつ、引張力を加えるストレッチフォーミング加工つ
まり引張り成形を実施することにより、内面板4や外面
板5が得られる。なお、内面板4や外面板5の肉厚は、
例えば1mm程度よりなる。
【0013】これと共に、この製造方法ではハニカムコ
ア6が、別途予め準備される。ハニカムコア6につい
て、更に詳述する。ハニカムコア6は、例えば図5の
(2)図に示したように、セル壁11にて各々独立空間
に区画された、中空柱状の多数のセル12の平面的集合
体よりなる。セル壁11そしてセル12の断面形状は、
図示の正六角形状のものが代表的であるが、台形状,三
角形状,四角形状,その他各種形状のものも可能であ
る。セル壁11そしてハニカムコア6の母材としては、
前述した内面板4や外面板5に準じ、アルミやアルミ合
金その他の金属箔や、アラミド紙その他の強化紙、塩ビ
その他のプラスチックシート、繊維強化プラスチック
(FRP)シート、その他の複合材シートが用いられ
る。ハニカムコア6は、重量比強度に優れ、軽量である
と共に高い剛性・強度を備えるのを始め、平面精度,保
温性,断熱性,遮音性等々にも優れる、という特性が知
られている。なお、本発明において用いられるハニカム
コア6は、特に所定曲率へのわん曲可撓性が要求される
ので、所定肉厚にスライスされることに加え、セル壁1
1の開口端面側にスリット加工を施したり、セル壁11
そしてセル12の断面形状を丸味を帯びた略凸字状の特
殊形状としたり、展張成形する際に100%展張せず未
展張や過展張とし、もってセル壁11そしてセル12の
断面形状を縦長や横長六角形状としたもの、等々を使用
するようにすると、次に述べる所定曲率へのわん曲がよ
り一層スムーズ化される。
【0014】次に、この製造方法では、図2の(1)
図,(2)図,(3)図等に示したように、内面板4と
外面板5間に、芯材たるハニカムコア6を接着剤(図示
せず)を介装しつつ挟み込んで、所定曲率を備えた型7
を用いつつ加熱加圧することにより、曲面ハニカムパネ
ル1とする。
【0015】このような加熱加圧工程について、更に詳
述する。図2の(1)図に示したように、前述にて成形
され所定曲率を備えた内面板4と外面板5を、上述によ
り準備され、例えば50mm程度の所定肉厚にスライスさ
れたハニカムコア6の両開口端面に、それぞれ接着剤を
塗布・介装しつつ当てがい、図2の(2)図に示したよ
うに、マンドレルとも称される曲面治具であり型面が所
定曲率を備えた型7上に、積み重ねる(なおこの型7と
して、前述した内面板4成形用の型2を使用することも
可能である)。すなわち型7上に、下側から所定曲率の
内面板4、わん曲可能な芯材たるハニカムコア6、所定
曲率の外面板5等の順に積み重ね、図示例では更に外面
板5上に、加熱加圧装置の1例であるオートクレーブ8
のバキュームシート9を被せる。そして、バキュームシ
ート9の周囲を型7にテープ等にて取付け密封した後、
内部をホース13,調整弁14等を介し吸引・バキュー
ムしつつ、外部から加熱加圧することにより、芯材たる
ハニカムコア6の両開口端面に、表裏の面材・スキン材
たる内面板4や外面板5が一体的に接着されると共に、
芯材たるハニカムコア6が内面板4,外面板5,型7等
に沿ってわん曲され、もって、全体的に所定曲率を備え
た曲面ハニカムパネル1が得られる。なお、このような
加熱加圧装置としては、オートクレーブ8のほか、バキ
ュームオーブンやホットプレス等も適宜利用可能であ
る。さて、図2の(3)図に示したように、このように
して、全体的に所定曲率を備えると共に全体的剛性を備
えた曲面ハニカムパネル1が得られるが、ここまでは、
前述したこの種従来例と全く同一である。
【0016】さて、しかる後この製造方法では、図3の
(1)図,(2)図,(3)図等に示したように、この
ように得られた曲面ハニカムパネル1について、後工程
として、外面板5からハニカムコア6にかけて、複数の
スリット15が形成される。このスリット15形成工程
について更に詳述すると、前述により内面板4,ハニカ
ムコア6,外面板5が一体的に接着された曲面ハニカム
パネル1について、カッター刃(図示せず)等を用い
て、その外面板5を切断すると共に、更にハニカムコア
6を外面板5側からその途中、例えば内面板4近くまで
切削することにより、スリット15が形成される。そし
て、このようなスリット15は、X,Y方向に複数個ず
つ形成される。
【0017】それから、この製造方法では、図4の
(1)図,(2)図,(3)図等に示したように、外面
板5について事後、各スリット15を覆うようにそれぞ
れ補強用のパッチ材16を、所定曲率を備えた型7を用
いつつ加熱加圧して接着する。
【0018】このパッチ材16接着工程について、更に
詳述する。前述したスリット15形成工程を辿ることに
より、曲面ハニカムパネル1は、各スリット15にて全
体的剛性が低下するので、これを補強し再び全体的剛性
を修復すると共に所定曲率を保持すべく、パッチ材16
の接着が実施される。すなわち、曲面ハニカムパネル1
を再び型7上に載せると共に、その外面板5の各スリッ
ト15上に、接着剤を介しつつパッチ材16をセットし
てから、例えばバキュームシート9を被せオートクレー
ブ8にて加熱加圧する等、加熱加圧装置を用いることに
より、各スリット15を覆うようにそれぞれパッチ材1
6を接着する。なお、パッチ材16の素材は、前述した
内面板4,外面板5,ハニカムコア6等と同一のものが
選択使用されるが、精度のより向上のため低線膨張材料
も利用される。又、その接着剤による接着を補強すべ
く、リベット止めを併用することも考えられる。
【0019】さて、この製造方法にあっては、このよう
な各工程を辿ることにより、従来の曲面ハニカムパネル
1に対し、スリット15が形成されると共にパッチ材1
6が接着された、本発明の曲面ハニカムパネル10が得
られる。この曲面ハニカムパネル10は、芯材たるハニ
カムコア6の内外両面に、使用面を形成することになる
内面板4と外面板5とが接着され、全体的に所定曲率を
備えてなると共に、外面板5からハニカムコア6にかけ
て複数のスリット15が形成され、かつ外面板5につい
て・各スリット15を覆うようにそれぞれ補強用のパッ
チ材16が接着されている。もって、この製造方法で製
造された曲面ハニカムパネル10は、例えば図5の
(1)図に示したように略半球状をなし、パラボラアン
テナの放物面鏡として使用され、内面板4がその使用面
たる鏡面・反射面を形成する。なお図中17は、パラボ
ラアンテナの放射器、18は放射されるマイクロ波を示
す。
【0020】本発明は、以上説明したように構成されて
いる。そこで以下のようになる。このように、この曲面
ハニカムパネル10の製造方法では、まず、図1の
(1)図,(2)図,(3)図,(4)図等に示したよ
うに、型2,3を用い引張り成形等にて加圧成形された
内面板4や外面板5を、図2の(1)図,(2)図,
(3)図等に示したように、型7を用い加熱加圧しつつ
ハニカムコア6に接着する。そして後工程として、この
ようにして得られた曲面ハニカムパネル1について、ま
ず、図3の(1)図,(2)図,(3)図等に示したよ
うに、外面板5からハニカムコア6にかけてスリット1
5を形成すると共に、事後、図4の(1)図,(2)
図,(3)図等に示したように、再び型7を用いつつ加
熱加圧することにより、パッチ材16にてスリット15
を覆う接着,補強が実施され、もって、所定の曲面ハニ
カムパネル10が得られる。
【0021】さてそこで、この曲面ハニカムパネル10
の製造方法によると、次の第1,第2のようになる。ま
ず第1に、引張り成形等にて加圧成形された内面板4や
外面板5について、例えば引張り成形による発熱等が原
因となって残留応力,残留ひずみ,スプリングバック等
により所定曲率のものが得られず、例えば図1の(5)
図,(6)図に示したような浮きA等が発生した場合に
ついては、次のようになる。すなわち、このように所定
曲率が得られず、浮きA等が存した曲面ハニカムパネル
1について、外面板5からハニカムコア6にかけてスリ
ット15を形成して、全体的剛性を一旦細かく遮断する
ようにしたことにより、これらの悪影響は是正,回避さ
れる(内面板4における浮きA等も付随的に是正され
る)。
【0022】つまり、この製造方法で製造された曲面ハ
ニカムパネル10は、スリット15にて切断,切削,分
離されることにより、残留応力,残留ひずみ等が解消さ
れ、偏在するスプリングバックによる曲げの減少も回復
され、もって、全体的に所定曲率のものとすることが可
能となる。そしてこの曲面ハニカムパネル10は、この
ようにスリット15が形成された後、再び型7を用いつ
つ加熱加圧され、もって、補強用のパッチ材16が接着
され一旦遮断されていた全体的剛性が修復されると共
に、最終的に型7に沿った所定曲率のものとされる。
【0023】第2に、内面板4や外面板5をハニカムコ
ア6に接着した際、その加熱加圧により残留応力や残留
ひずみ等が存しても、この製造方法で製造された曲面ハ
ニカムパネル10では、曲率変化が生じてしまうことは
ない。つまり前述したように、この曲面ハニカムパネル
10にあっては、スリット15が形成されることによ
り、外面板5による規制が一旦解除され残留応力や残留
ひずみ等は解消されるので、内面板4が、図1の(7)
図に示したように予定の曲率Bから収縮して、より深く
わん曲した大きな曲率Cへと変化してしまうことは、確
実に防止される。そして、事後の型7上での加熱加圧に
より、補強用のパッチ材16が接着されて全体的剛性が
回復せしめられると共に、予定された曲率Bに保持され
る。
【0024】
【発明の効果】本発明に係る曲面ハニカムパネルの製造
方法は、以上説明したように、加圧成形した内面板と外
面板をハニカムコアに接着した後、外面板からハニカム
コアにかけてスリットを形成すると共に、パッチ材にて
スリットを覆って接着,補強するようにしたことによ
り、次の効果を発揮する。
【0025】第1に、浮き等の悪影響が回避され、面精
度が向上する。すなわち、この曲面ハニカムパネルの製
造方法によると、引張り成形等により加圧成形された内
面板や外面板について、残留応力,残留ひずみ,スプリ
ングバック等により所定曲率のものが得られず浮き等が
発生した場合でも、スリットを形成して全体的剛性を一
旦細かく遮断することにより、これらの悪影響が是正,
回避されると共に、パッチ材にて補強が実施され、もっ
て、最終的に設計値通りの所定曲率のものが得られる。
従って、この製造方法によると、面精度例えば鏡面精度
に優れ、高精度な曲面ハニカムパネルが得られるように
なる。
【0026】第2に、内面板の曲率変化も防止される。
すなわち、この曲面ハニカムパネルの製造方法による
と、内面板や外面板をハニカムコアに加熱加圧して接着
した際、その残留応力や残留ひずみ等により、内面板が
予定の曲率から収縮して、より深くわん曲した大きな曲
率へと変化してしまうことは、スリットを形成して外面
板による規制を一旦解除するようにしたことにより、確
実に防止される。従って、この製造方法によると、この
面からも面精度例えば鏡面精度に優れ、高精度な曲面ハ
ニカムパネルが得られるようになる。このように、この
種従来例に存した課題が確実に解決される等、本発明の
発揮する効果は、顕著にして大なるものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る曲面ハニカムパネルおよびその製
造方法の発明の実施の形態、およびこの種従来例の説明
に供し、(1)図は、内面板の成形工程の正面説明図、
(2)図は、成形された内面板の正面説明図、(3)図
は、外面板の成形工程の正面説明図、(4)図は、成形
された外面板の正面説明図、(5)図は、発生した浮き
等の正面説明図、(6)図は、同発生した浮き等の平面
説明図、(7)図は、曲率変化の正面説明図である。
【図2】同発明の実施の形態およびこの種従来例の説明
に供し、(1)図は、準備された内面板,外面板,ハニ
カムコア等の正面説明図、(2)図は、これらを加熱加
圧する工程の正面説明図、(3)図は、得られた曲面ハ
ニカムパネルの正面説明図である。
【図3】同発明の実施の形態の説明に供し、(1)図
は、曲面ハニカムパネルへのスリット形成工程の斜視
図、(2)図は、その要部拡大図、(3)図は、その正
面説明図である。
【図4】同発明の実施の形態の説明に供し、(1)図
は、パッチ材接着工程の正面説明図、(2)図は、同正
面説明図、(3)図は、要部を拡大した斜視図である。
【図5】(1)図は、パラボラアンテナとしての使用例
を示す正断面説明図、(2)図は、ハニカムコアの斜視
図である。
【符号の説明】
1 曲面ハニカムパネル(従来例の製造方法によるも
の) 2 型 3 型 4 内面板 5 外面板 6 ハニカムコア 7 型 8 オートクレーブ 9 バキュームシート 10 曲面ハニカムパネル(本発明の製造方法によるも
の) 11 セル壁 12 セル 13 ホース 14 調整弁 15 スリット 16 パッチ材 17 放射器 18 マイクロ波 A 浮き B 予定の曲率 C 大きな曲率

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芯材たるハニカムコアの内外両面に、使
    用面を形成することになる内面板と、外面板とが接着さ
    れると共に、全体的に所定曲率を備えてなる曲面ハニカ
    ムパネルの製造方法であって、 まず、それぞれ所定曲率を備えた型を用いて、該内面板
    と該外面板とを引張り成形等により加圧成形し、次に、
    該内面板と該外面板間に芯材たる該ハニカムコアを接着
    剤を介装しつつ挟み込んで、所定曲率を備えた型を用い
    つつ加熱加圧することにより、上記曲面ハニカムパネル
    を得た後、 上記曲面ハニカムパネルについて、該外面板から該ハニ
    カムコアにかけて複数のスリットを形成すると共に、該
    外面板について、各該スリットを覆うようにそれぞれ補
    強用のパッチ材を、所定曲率を備えた型を用いつつ加熱
    加圧して接着すること、を特徴とする曲面ハニカムパネ
    ルの製造方法。
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