以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。
<第1の実施形態>
第1の実施形態を説明する。
まず、事象発生位置を地図にプロットためのシステムの構成例を、図1を参照して説明する。
図1において、本実施形態のシステムは、事象情報集約装置1、事象情報収集装置2、車両3、通信ネットワーク4等を有する。事象情報収集装置2は、従来技術のドライブレコーダ等であり、車両3に搭載され、事象が発生した状況を示す情報と、その事象が発生した位置等とを取得する。事象情報集約装置1は、例えばPC(Personal Computer)やサーバ等の情報処理装置であり、事象情報収集装置2からの事象が発生した状況を示す情報と、その事象が発生した位置情報等とから、事象の発生した位置を地図上にプロットする。
なお、事象情報集約装置1、事象情報収集装置2の数は、図1に示すものに限られるわけではなく、それらの数は任意でよい。また、図示しない情報処理装置が通信ネットワーク4等を介して接続され、後述する情報の入出力を、この情報処理装置で行なっても良い。
図1を参照して、事象情報集約装置1の構成例について説明する。事象情報集約装置1は、CPU(Central Processing Unit)11、メモリ12、記憶装置13、接続インタフェース14、入力装置15、出力装置16、通信インタフェース17等を有する。CPU11、メモリ12、記憶装置13、接続インタフェース14、入力装置15、出力装置16、通信インタフェース17等はバス18により互いに接続されている。
記憶装置13は、例えば、CD-R(Compact Disc-Recordable)やDVD-RAM(Digital Versatile Disk-Random Access Memory)等の記憶メディア及び当該記憶メディアの駆動装置、HDD(Hard Disk Drive)等である。
事象情報集約装置1は、事象情報収集装置2と、接続インタフェース14を介して接続する。また、事象情報集約装置1は、事象情報収集装置2と、通信インタフェース17等を介して接続してもよい。
入力装置15は、例えば、キーボード、マウス、マイク等である。出力装置16は、例えば、ディスプレイ、スピーカ、プリンタ等である。
記憶装置13は、プログラム131、事象情報テーブル132、集約事象テーブル133、地図情報134等を有する。プログラム131は、後述する機能を実現するためのものである。事象情報テーブル132は、事象情報収集装置2の取得した事象情報を格納する。集約事象テーブル133は、地図上にプロットする集約事象情報を格納する。地図情報134は、地図の画像データ等を含む地図情報である。
CPU11は、プログラム131をメモリ12にロードして実行することにより、事象情報受付部111、属性登録受付部112、類似判定部113、表示処理部114等を実現する。事象情報受付部111は、事象情報収集装置2の取得した事象情報を事象情報テーブル132に格納する。属性登録受付部112は、各事象情報の属性情報を受け付けて事象情報テーブル132に追加格納する。類似判定部113は、事象情報テーブル132内の事象情報が、集約事象テーブル133内の事象情報と類似しているか否か判定し、類似する事象がない場合、新たな事象として、集約事象テーブル133に格納する。表示処理部114は、集約事象テーブル133から読み出した集約事象情報と、地図情報134とから、地図上に事象の発生した位置を地図上にプロット等して出力する。さらに、表示処理部114は、指定された集約事象の画像データを出力する。
なお、事象情報集約装置1において、事象情報受付部111、属性登録受付部112、表示処理部114の動作は、テーブル内の事象発生位置を地図上にプロットする従来技術と同じであり、類似判定部113が、事象情報テーブル132内の事象情報が集約事象テーブル133内の事象情報と類似しているか否か判定することにより、類似する事象をプロットしないようにする点が従来技術とは異なる。
次に、記憶装置13内の情報について説明する。
まず、事象情報テーブル132について説明する。
事象情報テーブル132の一例を図2に示す。図2において、事象情報テーブル132は、事象ID201、発生日202、発生時間203、緯度204、経度205、状況206、種別207、公開208、車両情報209等を含む。事象ID201、発生日202、発生時間203、緯度204、経度205、状況206、種別207、公開208、車両情報209等は互いに対応付けられている。
事象ID201は、各事象情報収集装置2で検出した事象の識別情報である。発生日202、発生時間203は、は、対応する事象IDの事象の発生日時である。緯度204、経度205は、対応する事象IDの事象の発生した場所の緯度及び経度である。状況206は、対応する事象IDの事象の発生したときの車両4の運転状況を示す。種別207は、対応する事象IDの事象とは、具体的に何が起こったのかという種別を示す。公開208は、対応する事象IDの事象を公開するか否かを示す。車両情報209は、所定の事象が発生した時を含む所定時間内の、車両の状態を示す。具体的には、例えば、車両情報209は、日時毎の車両位置、速度、加速度、画像データ等を含む。
なお、事象情報テーブル132内の事象ID201、発生日202、発生時間203、緯度204、経度205、車両情報209等は、後述する動作例により事象情報収集装置2から取得した事象情報である。状況206、種別207、公開208等は、後述する動作例により、ユーザ等の指示に従い入力される情報である。
次に、集約事象テーブル133について説明する。
集約事象テーブル133の一例を図3に示す。図3において、集約事象テーブル133は、集約事象ID301、緯度302、経度303、状況304、種別305、事象ID306、特徴情報307等を含む。集約事象ID301、緯度302、経度303、状況304、種別305、事象ID306、特徴情報307等は互いに対応付けられている。
集約事象ID301は、地図上にプロットするアイコンの識別情報である。緯度302、経度303は、対応する集約事象ID301に示される事象が起こった位置の緯度及び経度である。状況304は、対応する集約事象ID301に示される事象が起こったときの車両3の状況である。種別305は、対応する集約事象ID301に示される事象が起こった位置で、具体的に何が起こったのかという種別を示す。事象ID306は、対応する集約事象ID301に示される事象が起こった位置で発生した事象の事象IDである。特徴情報307は、対応する集約事象ID301に示される事象と類似するか否か判定するための情報であり、例えば、事象情報収集装置2により取得された加速度、速度、画像データ等である。
なお、集約事象テーブル133内の情報は、後述する動作例により格納されるものとするが、入力装置15又は通信インタフェース17等を介して入力された情報に従い、新規登録、更新、削除等されてもよい。
次に、事象情報収集装置2の構成例について、図4を参照して説明する。なお、事象情報収集装置2は従来技術と同じものである。
事象情報収集装置2は、カメラ41、加速度センサ42、GPS(Global Positioning System)受信装置43、演算部44、メモリ45、記憶装置46等を有する。カメラ41、加速度センサ42、GPS受信装置43、演算部44、メモリ45、記憶装置46等はバス47を介して接続されている。
カメラ41は、車両3の少なくとも前方を撮影する。加速度センサ42は、車両3の上下、左右、前後方向への加速度を取得する。GPS受信装置43は、GPS人工衛星からの信号を受信する。演算部44は、例えばCPU、MPU(Micro Processing Unit)等である。記憶装置46は、例えばフラッシュメモリ等の不発揮性の記憶装置である。
メモリ45は、ログ情報テーブル431等を有する。ログ情報テーブル431は、車両3が走行等している間、又は、ドライバ等により指示されている間の、車両3の加速度、カメラ41により撮影された撮影データ、車両3の速度、現在位置、日時等の情報を格納する。
記憶装置46は、事象情報テーブル432等を有する。事象情報テーブル432は、危険状態の発生に伴うと考えられる所定の事象が発生した場合に、ログ情報テーブル431内の、その事象が発生した日時を中心とする所定時間分の加速度、撮影データ、現在位置等を格納する。
演算部44は、記憶装置46等から読み出した図示しないプログラムを実行することにより、ログ情報取得部411、事象検出部412を実現する。ログ情報取得部411は、例えば所定時間毎や所定距離走行毎に、カメラ41で撮影した画像データ、加速度センサ42により取得された加速度データ等を取得し、さらに、そのときの現在位置をGPS受信装置43が受信した信号から算出し、今回算出した現在位置と前回算出した現在位置とから車両3の速度を算出し、これらの画像データ、加速度、現在位置、速度、及び、内部時計(図示略)等から取得した現在日時等を対応付けて、ログ情報テーブル431に順次格納していく。ログ情報取得部411は、ログ情報テーブル431内のデータを一定時間保持し、最も時間の古いデータから順次削除していく。
事象検出部412は、危険状態の発生に伴うと考えられる所定の事象を検出すると、事象IDを発行し、ログ情報テーブル431から、その事象の発生日時より所定時間前からの画像データ、加速度、現在位置、速度、日時等を読み出し、発行した事象IDと、読み出した画像データ、加速度、現在位置、速度、日時等を対応付けて事象情報テーブル432に格納する。さらに、事象検出部412は、その事象が発生してから所定時間の間の画像データ、加速度、現在位置、速度、日時等をログ情報テーブル431から読み出し、先に発行した事象IDと対応付けて、上述と同様に事象情報テーブル432に格納する。
ここで、事象検出部412が検出する所定の事象とは、例えば、危険な運転、又は、危険な運転が予想される状況である。具体的には、例えば、事象検出部412は、加速度センサ42からのセンサ値データを、ローパスフィルタ、ハイパスフィルタをかけた後に、データが閾値を越えたか否か判定する。このフィルタは細かい振動や、坂道などの傾斜による誤検知を避けるためのものである。事象検出部412は、データが閾値を越えている場合、危険な運転、又は、危険な運転が予想される状況であると判定する。
また、例えば、事象検出部412は、前方を撮影するカメラ41により異なる日時に撮影された画像の差分画像を取得することで、他車や通行人等の移動体の有無を判定する。この判定の結果、移動体があり、かつ、その移動体が、車両3の進行方向に向かって移動していると判定した場合、事象検出部412は、危険な運転が予想される状況であると判定する。
事象情報テーブル432の一例を、図5に示す。
ここでは、事象情報テーブル432は、所定の事象を検出した時の日時、車両3の位置等を示す情報と、所定の事象を検出した時の前後である所定時間内の車両3の状況を示す情報とを別のテーブルに格納するものとする。以下、これらのテーブルを区別して説明する場合、例えば「事象情報テーブル432a」というように符号を付与する。
図5(a)において、事象情報テーブル432aは、所定の事象を検出した時の日時、車両3の位置等を示す情報を格納するテーブルである。事象情報テーブル432aは、事象ID501、発生日502、発生時間503、緯度504、経度505等を含む。事象ID501、発生日502、発生時間503、緯度504、経度505等は互いに対応付けられている。事象ID501は、所定の事象を検出する毎に、事象検出部412が発行する識別情報である。発生日502、発生時間503は、対応する事象ID501に示される事象が発生した日時である。緯度504、経度505は、対応する事象ID501に示される事象が発生した場所の緯度経度である。
図5(b)において、事象情報テーブル432bは、所定の事象を検出した時を中心とする所定時間内の車両3の状況を示す事象情報を格納するテーブルである。事象情報テーブル432bは、事象ID511、時間512、緯度513、経度514、速度515、加速度516、画像データ517等を含む。事象ID511、時間512、緯度513、経度514、速度515、加速度516、画像データ517等は互いに対応付けられている。事象ID511は、所定の事象を検出する毎に、事象検出部412が発行する識別情報である。時間512は、対応する速度515、加速度516、画像データ517等となった状態の時刻である。緯度513、経度514は、対応する事象ID511に示される事象が発生した場所の緯度経度である。速度515は、対応する事象ID511に示される事象が発生し、対応する時間512のときの車両3の速度である。加速度516は、対応する事象ID511に示される事象が発生し、対応する時間512のときの車両3の加速度である。画像データ517は、対応する事象ID511に示される事象が発生し、対応する時間512のときに、カメラ41により撮影された画像データである。
このようにして取得された事象情報のうち、加速度をグラフ化した例を図6に示す。図6の例は、トリガーがかかった時点を0秒(符号602、612)とし、その前後の速度、上下左右前後の加速度情報などを示している。図6(a)のグラフ601は、急ブレーキをかけ、減速し、その後加速した場合の例である。また、図6(b)のグラフ611は、上下の振動によりトリガーがかかった場合の例である。
このような波形データだけでは、具体的にどのような事象が発生しているのかはわからない。つまり、単に運転が荒かったり、道路の段差により取得されたりしたものかもしれない。これを識別するためには、その前後の映像情報も合わせて見る必要がある。個人や限られた範囲内でのヒヤリハット事象の管理や、閲覧を行うのであれば、1件毎にノイズ事象であるか、どういったヒヤリハットなのかを識別することは可能であるが、複数車両の情報をまとめて収集し、共有化しようとすると、その作業は膨大なものとなる。
本実施形態の事象情報集約装置1は、その作業を効率化するためのものである。
次に、動作例を説明する。
なお、上述のように、事象情報収集装置2の動作は従来技術と同じであるので、事象情報収集装置2の動作例の説明は省略し、事象情報集約装置1の動作例のみ説明する。
まず、図7を参照し、事象情報収集装置2からの事象情報を登録する動作例を説明する。
事象情報収集装置2は、通信ネットワーク4、又は、接続インタフェース14等を介して事象情報集約装置1と接続する。また、事事象情報集約装置1は、事象情報収集装置2の取得した事象情報を、例えば、取り外し可能なフラッシュメモリ等の記憶装置に格納し、接続インタフェース14等にその記憶装置を接続することで取得しても良い。
図7において、事象情報集約装置1の事象情報受付部111は、事象情報収集装置2の取得した事象情報が入力されると(S701)、入力された事象情報を、事象情報テーブル132に格納する(S702)。具体的には、例えば、事象情報受付部111は、事象情報収集装置2から、事象情報テーブル432を取得する。次に、事象情報受付部111は、取得した事象情報テーブル432内の情報を、事象情報テーブル132に格納する。具体的には、例えば、事象情報受付部111は、事象情報テーブル432aの事象ID501、発生日502、発生時間503、緯度504、経度505等を、事象情報テーブル132の事象ID201、発生日202、発生時間203、緯度204、経度205等として格納する。また、事象情報受付部111は、事象情報テーブル432bの、上記処理で格納した事象IDと対応付けられた速度515、加速度516、画像データ517等を、事象情報テーブル132の車両情報209として格納する。また、ここで、事象情報受付部111は、S702で格納した事象ID201、発生日202、発生時間203、緯度204、経度205等に対応付けて、新に受け付けたデータであることを示すフラグを付与してもよい。
次に、図8を参照し、取得した事象の種別等の属性を取得する動作例を説明する。
図8において、属性登録受付部112は、登録画面データを、出力装置16から出力する(S801)。具体的には、属性登録受付部112は、事象情報テーブル132から、互いに対応する状況206、種別207、公開208等の一部又は全てが格納されていない事象を選択し、その事象の事象ID201、発生日202、発生時刻203、緯度204、経度205等を読み出し、読み出した情報を、地図情報134と、画面に表示するための画面フォーマット等と共に、出力装置16から出力する。この画面データにより出力装置16に出力される画面の例を、図9に示す。図9において、画面901は、事象毎の属性の指示を受け付けるための画面例である。画面901は、領域911、領域912、領域913等を有する。領域911は、事象の発生した位置を地図上にプロットして表示する領域である。この領域911には、地図情報134に、読み出した緯度204及び経度205等を位置付ける等により、事象毎の発生場所を示す事象アイコン921が表示される。領域912には、事象ID201、発生日202、発生時刻203等が表示される。ユーザは、入力装置15、又は、図示しない入力装置等を用いて、領域911に表示された事象アイコン921のうち何れかを選択する。すると、属性登録受付部112は、事象情報テーブル132の、選択された事象アイコン921の位置で発生した事象の事象ID201と対応する車両情報209から画像データを読み出し、読み出した画像データを出力装置16に出力する。この画像データは、画面901の領域913に表示される。ユーザは、入力装置15を用いてコントロールボタン931を押下等することにより、領域913に表示された画像の再生、巻き戻し、早送り等を指示する。これにより、具体的にどういった事象が発生したかを確認することができる。ユーザは、事象発生時の映像を見ることで、事象の内容を認識して、その事象の状況、種別、公開可否等の属性を入力する。ユーザは、入力装置15等を用いて、領域912の、各事象の種別、状況等を例えばプルダウン等して選択することで属性を指定する。この属性の「状況」とは、例えば、右折、左折、直進等の運転状況である。また、「種別」とは、例えば、急ブレーキ、急ハンドル、ノイズ等である。ここで、ノイズとは、例えば、路面状況により発生した事象である。即ち、事象情報集約装置1は、加速度が所定値以上である場合に、事象が発生したと判定し、その事象に関する情報を保持する。ここで、この加速度の変化は、例えば急ブレーキ、急ハンドル等のような、運転手が危険を回避する操作等のために発生するものだけでなく、例えば、路面の段差等の道路状況により同じ場所で常時発生する場合もある。ノイズとは、このような路面状況が原因で発生する事象を示すものである。ユーザは、領域913に表示された画像を参照する等して事象がノイズであるか否か判定し、属性情報として指示する。また、ユーザは、入力装置15等を用いて、例えばチェックボックスをチェック等することで、各事象を公開するか否かを指定する。
なお、属性の種別は、例えば急ブレーキ、急ハンドルのような運転原因に限られるわけではなく、例えば、飛び出し、割り込み等、その事象が発生した外的原因等を含むことも可能である。
図8において、属性登録受付部112は、このように指定された属性情報を受け付けると(S802)、事象情報テーブル132に追加格納する(S803)。具体的には、例えば、属性登録受付部112は、上述の画像901の領域912で指定された状況、種別、公開可否等の情報を、それらの情報が入力された事象を示す事象ID201に対応する状況206、種別207、公開208等として格納する。
次に、図10を参照し、新に受け付けた事象情報と類似する事象が、既に登録されているか否か判定する動作例を説明する。
図10において、類似判定部113は、新に受け付けた事象のうち1つを選択する(S1001)。具体的には、例えば、類似判定部113は、事象情報テーブル132から降順等により1つの行を選択する。ここで、類似判定部113は、事象情報テーブル132内の各事象に、新に受け付けた事象であることを示すフラグが付与されているか否かにより、ここで選択する事象であるか否か判定してもよい。次に、類似判定部113は、集約事象のうち1つを選択する(S1002)。具体的には、例えば、類似判定部113は、集約事象テーブル133から降順等により1つの行を選択する。次に、類似判定部113は、S1002で選択した集約事象と、S1001で選択した事象とが類似しているか否か判定する(S1003)。ここで判定に用いる類似判定の基準は任意であるが、本実施形態では、事象情報収集装置2により取得された情報のみで類似性を判定する場合と、事象情報収集装置2により取得された情報と上述の動作例により指示された属性情報との両方で判定する場合とがあるものとする。
まず、事象情報収集装置2により取得された情報のみで類似性を判定する場合の例を説明する。
この場合、類似判定部113は、事象発生位置、速度、加速度、画像データ等のうち少なくとも事象発生位置を含む1つを用いて判定する。事象発生位置に関しては、例えば、類似判定部113は、事象情報テーブル132から、S1001で選択した事象と対応する緯度204及び経度205を読み出す。さらに、類似判定部113は、集約事象テーブル133から、S1002で選択した集約事象と対応する緯度302及び経度303等を読み出す。類似判定部113は、この読み出した緯度204及び経度205と、緯度302及び経度303との距離が、例えば30メートル以内等の所定距離内である場合、同一の場所と判断する。
また、速度、加速度、画像データ等の類似に関しては、例えば、類似判定部113は、事象情報テーブル132から、S1001で選択した事象と対応する車両情報209を読み出す。さらに、類似判定部113は、集約事象テーブル133から、S1002で選択した集約事象と対応する特徴情報307等を読み出す。類似判定部113は、この車両情報209と、特徴情報307とに含まれる車速の変化、加速度データの変化、画像データの差分等から類似性を算出する。車速の変化、加速度データの変化から判定する場合、例えば、従来の信号処理で利用されるパターンマッチングの技術を利用するとよい。具体的には、例えば、特徴情報307に、特徴ベクトルデータとして波形のデータを格納しておき、類似判定部113は、S1001で選択した事象の車両情報209に含まれる速度、加速度から取得される特徴ベクトルと、この特徴情報307の特徴ベクトルデータとの間の距離を比較し、この距離が所定閾値内であるか否かにより類似しているか否か判定する。また、画像データの差分から判定する場合、例えば、従来の画像処理を利用するとよい。具体的には、例えば、特徴情報307に、基準となる複数の画像データを格納しておき、類似判定部113は、S1001で選択した事象の車両情報209に含まれる画像データと、この特徴情報307の画像データとの差分画像を取得し、この差分画像の画素数が所定閾値内であるか否かにより類似しているか否か判定する。
次に、事象情報収集装置2により取得された情報と上述の動作例により指示された属性情報との両方で判定する場合の例を説明する。
この場合、類似判定部113は、上述の、事象発生位置、速度、加速度、画像データ等に加え、属性情報、即ち、状況、種別等が一致するか否かにより、類似しているか否か判定する。具体的には、例えば、類似判定部113は、事象情報テーブル132から、S1001で選択した事象に対応する状況206、種別207等を読み出す。また、類似判定部113は、集約事象テーブル133から、S1002で選択した事象に対応する状況304、種別305等を読み出す。類似判定部113は、読み出した状況206及び状況304、種別207及び種別305が一致する場合、属性情報が一致すると判定する。ここで、属性情報一致の判定は、状況、種別のうち一方でもよく両方でもよい。類似判定部113は、上述の事象発生位置、速度、加速度、画像データ等の判定と、この属性情報による判定との両方の判定結果により、類似するか否か判定する。
ここで、この類似性判定は、上述の、事象情報収集装置2により取得された情報のみで類似性を判定する場合と、事象情報収集装置2により取得された情報と上述の動作例により指示された属性情報との両方で判定する場合との何れかを行なうだけでなく、両方を行なっても良い。具体的には、例えば、まず、類似判定部113は、上述の位置情報による判定で、同じ位置であると判定し、かつ、その集約事象の種別が「ノイズ」である場合、事象情報収集装置2により取得された情報と上述の動作例により指示された属性情報との両方で判定せずに、その集約事象に類似すると判定してもよい。この場合、さらに、類似判定部113は、事象情報テーブル132の、S1001で選択した事象に対応する状況206、種別207等に、類似すると判定した集約事象の状況、種別等を格納しても良い。これにより、個々のノイズ事象に対して属性を設定する操作が不要となり、また、危険事象のアクセス性を高めることが可能である。
S1003の判定の結果、S1002で選択した集約事象と、S1001で選択した事象とが類似している場合、類似判定部113は、S1001で選択した事象を、S1002で選択した集約事象に属するものとして集約事象テーブル133に格納する(S1004)。具体的には、例えば、類似判定部113は、集約事象テーブル133のS1002で選択した集約事象と対応する事象ID306に、S1001で選択した事象の事象IDを追加する。ここで、類似判定部113は、集約事象テーブル133のS1002で選択した集約事象IDと対応する緯度302、経度303、特徴情報307内の加速度、速度等の値の平均値を算出してもよい。
S1003の判定の結果、S1002で選択した集約事象と、S1001で選択した事象とが類似していない場合、類似判定部113は、集約事象テーブル133内の全ての集約事象に対し、上述の判定を行なったか否か判定する(S1005)。
S1005の判定の結果、集約事象テーブル133内の全ての集約事象に対し上述の判定を行なっていない場合、類似判定部113は、上述のS1002の処理を再度行い、未選択の集約事象のうち1つを選択する。
S1005の判定の結果、集約事象テーブル133内の全ての集約事象に対し、上述の判定を行なった場合、類似判定部113は、S1001で選択した事象を、新たな集約事象として集約事象テーブル133に格納する(S1006)。具体的には、例えば、類似判定部113は、新たな集約事象IDを発行し、集約事象テーブル133に格納する。さらに、類似判定部113は、事象情報テーブル132から、S1001で選択した事象に対応する緯度204、経度205、状況206、種別207、車両情報209等を読み出し、集約事象テーブル133の、新に発行した集約事象IDと対応付けられた緯度302、経度303、状況304、種別305、特徴情報307等に格納する。さらに、類似判定部113は、S1001で選択した事象の事象IDを、集約事象テーブル133の、今回発行した集約事象IDと対応付けられた事象ID306に格納する。
S1004の処理の後、又は、S1006の処理の後に、類似判定部113は、新に受け付けた事象のうち未選択のものがあるか否か判定する(S1007)。
S1007の判定の結果、未選択の事象がある場合、類似判定部113は、再度S1001以降の処理を行う。
S1007の判定の結果、未選択の事象がない場合、類似判定部113は、処理を終了する。
このように、本実施形態では、類似する事象を集約し、集約事象テーブル133内の情報に従い、事象発生位置をプロットすることが可能となる。
ここで、従来の、所定の事象が発生した位置を位置付けてプロットする技術による地図の一例を図23(a)の地図2301に示す。図23(a)において、アイコン2311は、事象の発生した位置を示す。さらに、従来技術において、同一の位置に複数の事象が発生した場合の地図の例を図23(b)に示す。図23(b)の地図2321のように、従来技術では、特定の場所にアイコン2331が密集する場合がある。上述のように、この地図は、危険場所を公知するためのものであるので、発生した事象件数分のアイコンを表示させる必要はなく、逆に、見づらい地図となってしまう。
これに対し、上述の本実施形態の技術では、上述の図23(b)の画面2321となるような場合でも、図11の画面1101のように、類似する事象を1つのアイコン1111で表示することが可能となる。この場合、表示処理部114は、集約事象テーブル133から、集約事象毎の緯度302及び経度303を読み出し、地図情報134から読み出した地図画像の、読み出した集約事象毎の緯度302及び経度303の該当する位置にアイコンを合成等して表示処理する。これにより、見やすい危険場所を公知する地図を作成することが容易となる。
なお、表示処理部114は、各事象の種類毎に、色や形状を変えることで、事象の違いを表すことが可能である。この場合、例えば、予め、事象の種類と、色や形状の異なるアイコンデータ等を対応付けたアイコンテーブル(図示略)を、記憶装置13等に格納しておく。表示処理部114は、集約事象テーブル133から、表示する集約事象に対応する種別305を読み出し、上記テーブルから、読み出した種別305に対応するアイコンデータを読み出す。表示処理部114は、集約事象毎の緯度302及び経度303の該当する地図画像上の位置に、読み出したアイコンデータを合成等して表示する。また、表示処理部114は、類似事象としてひとつのアイコンにまとめた事象の数により、色や形状、大きさを変化させることで、事象の頻度を可視化することも可能である。この場合、例えば、予め、事象の件数と、色や形状の異なるアイコンデータ等を対応付けたアイコンテーブル(図示略)を、記憶装置13等に格納しておく。表示処理部114は、集約事象テーブル133から、表示する集約事象に対応する事象ID306内の事象IDの数をカウントし、上記テーブルから、カウントした数に対応するアイコンデータを読み出す。表示処理部114は、集約事象毎の緯度302及び経度303の該当する地図画像上の位置に、読み出したアイコンデータを合成等して表示する。
また、表示処理部114は、画面1101のような地図へのプロットだけでなく、事象情報集約装置1の取得した画像データ等を出力しても良い。その場合の画面例を図12に示す。図12において、1つのディスプレイ等の出力装置16には、画面1201、画面1211等が表示される。画面1201は、事象発生位置を地図上にプロットしたものであり、上述の画面1101と同じである。画面1211は、事象情報集約装置1の取得した画像データ等を表示するためのものである。なお、この画面1211で表示される画像データは、公開可能と登録されている画像データのみである。ユーザが、入力装置15を用いて画面1201の何れかのアイコンを指定すると、表示処理部114は、集約事象テーブル133から、指定された集約事象を示す集約事象ID301と対応付けられた事象ID306を読み出す。次に、表示処理部114は、事象情報テーブル132から、読み出した事象ID306のうち、公開208「公開」と対応付けられた発生日202等を読み出し、画面1211内の領域1212に表示するように制御する。ユーザが、入力装置15を用いて領域1212内の何れかの事象を指定すると、表示処理部114は、事象情報テーブル132から、指定された事象の事象IDと対応付けられた車両情報209に含まれる画像データ等を読み出し、読み出した画像データを出力装置16に出力する。この画像データは、画面1211の領域1213に表示される。
なお、画面1201の地図、及び、画面1211の画像データは、図9に示すように、1画面内に配置しても良い。このとき、領域1212の発生日も同一画面内に配置されることとなる。
以上のように、収集した事象情報は、表示処理部114により閲覧することができる。表示処理部114は、集約事象テーブル133に格納された事象毎の属性に従って選択的に閲覧処理を行う。具体的には、非公開と指定された事象は表示しないようにすることにより、ヒヤリハットの体験者の意思を反映し情報公開の制御を行うことができる。
なお、上述の図10に一例を示す類似性判定の動作例が起動されるタイミングは任意である。例えば、所定時間毎、ユーザ等による指示が入力された場合、事象情報収集装置2から新たな事象情報が入力された場合等がある。
また、図8に一例を示す属性情報の登録動作と、図10に一例を示す類似性判定動作とを行なう順番は任意であり、属性情報の登録を行なった後に類似性判定を行なってもよく、また、類似性判定を行なった後に属性情報の登録を行なっても良い。類似性判定を行なった後に属性情報の登録を行なう場合、属性情報を登録するための画面例は、上述の図9のように、事象毎の属性情報の入力を受け付けるのではなく、集約事象毎の属性情報の入力を受け付けても良い。
また、上述の第1の実施形態で、事象情報集約装置1がネットワーク上のサーバである場合、上記の公開、非公開の属性は、例えばユーザIDとパスワード等とでユーザ認証を行い、事象を発生させたユーザだけに設定できるように制御することができる。また、このとき、公開、非公開の属性を設定していない事象データに関しては、事象を発生させたユーザだけに公開し、それ以外のユーザには非公開とするとよい。これにより、個人の情報を守ることができる。また、公開となった場合には、種別は他のユーザからも変更できるように制御してもよい。これにより、上述の事象情報集約装置1による処理だけでなく、複数のユーザからの意見を元に事象の集約化を行うことができるので、集約の自動化精度を高めることが可能となる。さらに、事象毎に、他のユーザからのコメントを付加させ、閲覧できるようにすることで、事象を客観的に分析することができ、安全運転のための指導効果を高めることが可能となる。
<第2の実施形態>
第2の実施形態を説明する。
上述の第1の実施形態は、1つの装置の記憶装置に、公開可能な情報と公開不可の情報との両方を格納し、その装置が公開可能な事象の情報を出力するものであった。以下で説明する第2の実施形態は、例えば、個人や事務所等の端末で事象の公開可否を登録し、公開可能と登録された事象の情報のみ、他のサーバ等情報処理装置の記憶装置に格納させ、その情報処理装置が事象情報を出力するものである。
第2の実施形態のシステム構成例を、図13を参照して説明する。なお、以下では、上述の第1の実施形態と同じものは同じ符号を付与して説明を省略し、異なるもののみ詳細に説明する。
第2の実施形態のシステムは、事象情報処理装置5、事象集約装置6、通信ネットワーク4等を有する。事象情報処理装置5、事象集約装置6は、通信ネットワーク4を介して接続されている。
事象情報処理装置5は、例えば個人や事務所等で用いるPC等の情報処理装置である。ユーザは、事象情報収集装置2の取得した事象情報等の公開可否等を、事象情報処理装置5を用いて登録する。事象情報処理装置5は、事象情報のうち、公開可能と登録されたもののみを、事象集約装置6に送信する。
事象集約装置6は、各事象情報処理装置5から送信された事象情報から、事象発生位置を上述と同様に地図上にプロットし、事象情報処理装置5等に、事象発生位置をプロットした地図、事象発生時の画像データ等を送信する。
なお、事象情報処理装置5、事象集約装置6の数は、図13に示すものに限られるわけではなく、その数は任意でよい。また、図13の図では、車両3を省略しているが、各事象情報収集装置2は、各車両3に搭載されているものとする。また、図示しない情報処理装置が通信ネットワーク4等を介して事象情報処理装置5、事象集約装置6に接続され、後述する情報の入出力を、この情報処理装置で行なっても良い。
次に、事象情報処理装置5、事象集約装置6の構成例を説明する。
まず、事象情報処理装置5について説明する。
事象情報処理装置5は、CPU51、メモリ52、記憶装置53、接続インタフェース54、入力装置55、出力装置56、通信インタフェース57等を有する。CPU51、メモリ52、記憶装置53、接続インタフェース54、入力装置55、出力装置56、通信インタフェース57等はバス58により互いに接続されている。
記憶装置53は、例えば、CD-RやDVD-RAM等の記憶メディア及び当該記憶メディアの駆動装置、HDD等である。記憶装置53は、プログラム1311、事象情報テーブル132等を有する。プログラム1311は、後述する機能を実現するためのものである。事象情報テーブル132は、事象情報収集装置2の取得した事象情報を格納するものであり、上述の第1の実施形態と同じである。
事象情報処理装置5は、事象情報収集装置2と、接続インタフェース14を介して接続する。また、事象情報集約装置1は、事象情報収集装置2と、通信インタフェース57等を介して接続してもよい。
入力装置55は、例えば、キーボード、マウス、マイク等である。出力装置56は、例えば、ディスプレイ、スピーカ、プリンタ等である。
CPU51は、プログラム1311をメモリ52にロードして実行することにより、事象情報受付部111、属性登録受付部112、送信処理部1301等を実現する。事象情報受付部111、属性登録受付部112は、上述の第1の実施形態と同じである。送信処理部1301は、事象情報テーブル132内の各事象情報のうち、公開208「可」と対応する事象情報、及び、種別207「ノイズ」と対応する事象情報と、車両3、又は、その車両3に設置された事象情報収集装置2の識別情報とを、事象集約装置6に送信する。この事象情報は、例えば、事象情報テーブル132内の事象ID201、発生日202、発生時刻203、緯度204、経度205、状況206、種別207、車両情報209等である。また、この識別情報は、例えば、事象情報収集装置2から事象情報と共に入力されたものでもよく、また、ユーザ等が指示した識別情報でもよい。この、送信処理部1301による事象情報の送信のタイミングは任意でよく、例えば、上述と同じ動作により、各事象情報の属性情報が登録された後に送信してもよく、また、所定の時間毎に送信してもよい。
次に、事象集約装置6について説明する。
事象集約装置6は、CPU61、メモリ62、記憶装置63、入力装置64、出力装置65、通信インタフェース66等を有する。CPU61、メモリ62、記憶装置63、入力装置64、出力装置65、通信インタフェース66等はバス67により互いに接続されている。
記憶装置63は、例えば、CD-RやDVD-RAM等の記憶メディア及び当該記憶メディアの駆動装置、HDD等である。記憶装置63は、プログラム1312、事象情報テーブル1321、集約事象テーブル133、地図情報134等を有する。プログラム1312は、後述する機能を実現するためのものである。事象情報テーブル1321は、事象情報処理装置5から送信された事象情報を格納するものである。集約事象テーブル133、地図情報134は、上述の第1の実施形態と同じである
入力装置64は、例えば、キーボード、マウス、マイク等である。出力装置65は、例えば、ディスプレイ、スピーカ、プリンタ等である。
CPU61は、プログラム1312をメモリ62にロードして実行することにより、事象情報受付部1302、類似判定部113、表示処理部114等を実現する。類似判定部113、表示処理部114は、上述の第1の実施形態と同じである。事象情報受付部1302は、事象情報処理装置5から送信された事象情報を事象情報テーブル1321に格納する。
ここで、事象情報テーブル1321の一例を図14に示す。
図14において、事象情報テーブル1321は、事象ID201、車両ID210、発生日202、発生時間203、緯度204、経度205、状況206、種別207等を含む。事象ID201、車両ID210、発生日202、発生時間203、緯度204、経度205、状況206、種別207等は互いに対応付けられている。事象ID201、発生日202、発生時間203、緯度204、経度205、状況206、種別207等は、上述の事象情報テーブル132と同じである。車両ID210とは、各車両3、又は、その車両3に設置された事象情報収集装置2の識別情報である。この識別情報は、事象情報処理装置5から、事象情報と共に送信される。
類似判定部113は、上述の第1の実施形態と同じ動作により、事象情報テーブル1321内の事象と、集約事象テーブル133内の集約事象とが類似するか否か判定等する。表示処理部114は、事象情報処理装置5、又は、ブラウザ等を有する情報端末(図示略)からの情報要求を受信した場合、上述の第1の実施形態と同じ動作により、事象発生位置をプロットした地図、事象発生時の画像等のデータを送信する。このデータにより出力される画面例は、上述の第1の実施形態と同じである。
このように、第2の実施形態では、公開/非公開をデータのユーザが指定して、公開可能な情報のみを、情報を公開する装置の記憶装置に格納するため、個人情報の保護を行うことが可能である。
また、第1の実施形態で示したように、事象毎の属性を体験者以外の一般の閲覧ユーザが映像を見て、設定するように構成することも可能である。これにより、体験者の設定操作の軽減や、客観的な意見の収集を行うことが可能となる。
<第3の実施形態>
第3の実施形態について説明する。
以下で説明する第3の実施形態は、上述の第2の実施形態の事象集約装置6が、各事象情報処理装置5から送信された事象情報のうち、所定回数以上起きている集約事象を各事象情報処理装置5にフィードバックするものである。
第3の実施形態のシステム構成例を、図15を参照して説明する。なお、以下では、上述の第1の実施形態、第2の実施形態と同じものは同じ符号を付与して説明を省略し、異なるもののみ詳細に説明する。
第3の実施形態の事象情報処理装置5は、上述の第2の実施形態の事象情報処理装置5が、多発情報受付部1502、多発類似判定部1503、多発情報テーブル1521等をさらに有するものである。多発情報送信部1501、多発情報受付部1502は、CPU51が、プログラム1512を実行することにより実現する機能である。多発情報送信部1501は、事象集約装置6から送信される多発事象情報を受信し、多発情報テーブル1521に格納する。多発情報受付部1502は、事象情報収集装置2から入力された事象情報と、多発情報テーブル1521内の多発事象情報とが類似しているか否か判定し、類似していると判定した場合、多発事象情報の属性情報を、入力された事象の属性情報として登録する。
第3の実施形態の事象集約装置6は、上述の第2の実施形態の事象集約装置6が、多発情報送信部1501等をさらに有するものである。多発情報送信部1501は、CPU61が、プログラム1511を実行することにより実現する機能である。多発情報送信部1501は、集約事象テーブル133から、所定数以上発生している集約事象を選択し、その集約事象の情報を事象情報処理装置5に送信する。
ここで、図16を参照し、多発情報テーブル1521の一例を説明する。
図16において、多発情報テーブル1521は、集約事象ID1601、緯度1602、経度1603、状況1604、種別1605、特徴情報1606等を含む。集約事象ID1601、緯度1602、経度1603、状況1604、種別1605、特徴情報1606等は互いに対応付けられている。集約事象ID1601、緯度1602、経度1603、状況1604、種別1605、特徴情報1606等は、上述の集約事象テーブル133の集約事象ID301、緯度302、経度303、状況304、種別305、特徴情報307等と同じである。
なお、多発情報テーブル1521内の情報は、後述する動作例により格納されるものとするが、入力装置55又は通信インタフェース57等を介して入力された情報に従い、新規登録、更新、削除等されてもよい。
次に、動作例を説明する。
まず、事象集約装置6が、所定回数以上起きている事象を各事象情報処理装置5に送信する動作例を、図17を参照して説明する。
多発情報送信部1501は、集約事象テーブル133から、所定数以上発生している集約事象の集約事象情報を読み出す(S1701)。そのために、多発情報送信部1501は、集約事象テーブル133から、各事象ID306内の事象IDを読み出して事象IDの数をカウントし、カウントされた数が所定の閾値以上である場合、その事象ID306と対応する集約事象情報301、緯度302、経度303、状況304、種別305、特徴307等を読み出す。この閾値は、予め定められてもよく、また、入力装置64又は通信インタフェース66等を介して入力された情報に従い、更新等されてもよい。次に、多発情報送信部1501は、S1701で読み出した情報を、事象情報処理装置5に送信する(S1702)。ここで、多発情報送信部1501は、全ての事象情報処理装置5に同じ情報を送信してもよく、また、事象情報処理装置5毎に異なる情報を送信してもよい。
事象情報処理装置5の多発情報受付部1502は、上述の動作により事象集約装置6から送信された情報を、多発情報テーブル1521に格納する。具体的には、例えば、多発情報受付部1502は、受信した集約事象情報301、緯度302、経度303、状況304、種別305、特徴307等を、多発情報テーブル1521の集約事象ID1601、緯度1602、経度1603、状況1604、種別1605、特徴情報1606等として格納する。
次に、受信した多発集約事象情報から、事象情報の属性情報を設定する動作例を、図18を参照して説明する。
図18において、多発類似判定部1503は、事象のうち1つを選択する(S1801)。具体的には、例えば、多発類似判定部1503は、事象情報テーブル132から降順等により1つの行を選択する。なお、ここで、多発類似判定部1503は、事象情報テーブル132の状況206、種別207が空欄等であり、属性情報が設定されていないと判定される事象のみを選択してもよい。
次に、多発類似判定部1503は、多発集約事象のうち1つを選択する(S1802)。具体的には、例えば、多発類似判定部1503は、多発情報テーブル1521から降順等により1つの行を選択する。次に、多発類似判定部1503は、S1802で選択した多発集約事象と、S1801で選択した事象とが類似しているか否か判定する(S1803)。ここで判定に用いる類似性判定の基準は任意であるが、本実施形態では、事象情報収集装置2により取得された情報のみで類似性を判定する場合ものとする。この動作例は、上述のS1003と同じであるので省略する。
S1803の判定の結果、S1802で選択した多発集約事象と、S1801で選択した事象とが類似している場合、多発類似判定部1503は、S1802で選択した多発集約事象の属性情報を、S1801で選択した事象の属性情報として事象情報テーブル132に格納する(S1804)。具体的には、例えば、多発類似判定部1503は、多発情報テーブル1521から、S1802で選択した多発集約事象と対応する状況1604、種別1605等を読み出し、事象情報テーブル132の、S1801で選択した事象に対応する状況206、種別207等として格納する。
S1803の判定の結果、S1802で選択した多発集約事象と、S1801で選択した事象とが類似していない場合、多発類似判定部1503は、多発情報テーブル1521内の全ての多発集約事象に対し、上述の判定を行なったか否か判定する(S1805)。
S1805の判定の結果、多発情報テーブル1521内の全ての多発集約事象に対し上述の判定を行なっていない場合、多発類似判定部1503は、上述のS1802の処理を再度行い、未選択の多発集約事象のうち1つを選択する。
S1805の判定の結果、多発情報テーブル1521内の全ての多発集約事象に対し、上述の判定を行なった場合、又は、上述のS1804の処理の後、多発類似判定部1503は、新に受け付けた事象のうち未選択のものがあるか否か判定する(S1806)。
S1806の判定の結果、未選択の事象がある場合、多発類似判定部1503は、再度S1801以降の処理を行う。
S1806の判定の結果、未選択の事象がない場合、多発類似判定部1503は、処理を終了する。
上述の第1、第2の実施形態では、ユーザは、画像等を参照して、種別や状況等の属性情報を判断して登録する。しかし、これでは、同一の場所で同一の事象が発生した場合でも、各事象に属性情報を登録する必要がある。ここで、上述の第3の実施形態のように、事象情報収集装置2により取得された情報と集約事象とが類似しているか否か判定し、類似している場合に、その集約事象の属性を、事象情報の属性とすることで、すべての事象に対し属性を設定しなくてもよくなる。特に、ノイズ事象を集中管理することで、不要に配信されるノイズを分類することが可能となる。道路の段差のようなノイズ事象を複数の個人ユーザから集中して集め、それを多発事象として再び個人の事象管理に戻すことにより、例えば、ユーザが初めて通る道路の段差でも、ノイズであると認識することが可能となる。
<第4の実施形態>
第4の実施形態を説明する。
第4の実施形態は、上述の第3の実施形態の多発類似判定部1503等の機能、多発情報テーブル1521を、事象情報収集装置2が有し、事象がノイズであると判定した場合に、その事象の情報を格納しないようにするものである。
第4の実施形態の事象情報収集装置2の構成例を、図19を参照して説明する。なお、以下では、上述の第1〜第3の実施形態と同じものは同じ符号を付与して説明を省略し、異なるもののみ詳細に説明する。
第4の実施形態の事象情報収集装置2は、上述の第1〜第3の実施形態の事象情報収集装置2が、多発情報テーブル1521等をさらに有し、事象検出部412の代わりに、事象検出部1901を有するものである。この多発情報テーブル1521内の情報は、事象情報処理装置5を介して送信されたものでもよく、また、事象集約装置6から直接送信されたものでもよい。また、フラッシュメモリ等の記憶装置に格納された多発情報テーブル1521の情報を記憶装置46にコピー等してもよい。
事象検出部1901は、上述の多発類似判定部1503と同様に、多発情報テーブル1521の情報から事象情報の属性情報を取得する。さらに、事象検出部1901は、事象情報の種別「ノイズ」である場合に、その事象情報を削除等する。
次に、事象検出部1901の動作例を、図20を参照して説明する。この動作例は、例えば、事象検出部1901が、上述の事象検出部412と同じ動作例により事象発生を検出し、その事象の情報を格納した後に起動される。
図20において、事象検出部1901は、多発集約事象のうち1つを選択する(S2001)。具体的には、例えば、事象検出部1901は、多発情報テーブル1521から降順等により1つの行を選択する。次に、事象検出部1901は、S2001で選択した多発集約事象と、今回発生した事象とが類似しているか否か判定する(S2002)。ここで判定に用いる類似性判定の基準は任意であるが、本実施形態では、事象情報収集装置2により取得された情報のみで類似性を判定する場合ものとする。この動作例は、上述のS1003と同じであるので省略する。
S2002の判定の結果、S2001で選択した多発集約事象と、今回発生した事象とが類似していない場合、事象検出部1901は、多発情報テーブル1521内の全ての多発集約事象に対し、上述の判定を行なったか否か判定する(S2003)。
S2003の判定の結果、多発情報テーブル1521内の全ての多発集約事象に対し上述の判定を行なっていない場合、事象検出部1901は、上述のS2001の処理を再度行い、未選択の多発集約事象のうち1つを選択する。
S2003の判定の結果、多発情報テーブル1521内の全ての多発集約事象に対し、上述の判定を行なった場合、事象検出部1901は処理を終了する。
一方、S2002の判定の結果、S2001で選択した多発集約事象と、今回発生した事象とが類似している場合、事象検出部1901は、S2001で選択した多発集約事象の種別が「ノイズ」であるか否か判定する(S2004)。具体的には、例えば、事象検出部1901は、多発情報テーブル1521から、S2001で選択した多発集約事象と対応する種別1605等を読み出し、この種別1605が「ノイズ」であるか否か判定する。
S2004の判定の結果、多発集約事象の種別が「ノイズ」である場合、事象検出部1901は、事象情報テーブル432から、今回追加した事象情報を削除する(S2005)。具体的には、事象情報テーブル432から、今回追加した事象情報の事象ID501、事象ID511と、その事象ID501、事象ID511の各々と対応付けられた発生日502、発生時間503、緯度504、経度505、発生日512、発生時刻513、緯度514、経度515、速度515、加速度516、画面データ517等を削除する。
S2004の判定の結果、多発集約事象の種別が「ノイズ」でない場合、事象検出部1901は、処理を終了する。なお、ここで、事象検出部1901は、S2001で選択した多発集約事象の属性情報を、今回発生した事象の属性情報として事象情報テーブル432aに格納してもよい。具体的には、例えば、事象検出部1901は、多発情報テーブル1521から、S2001で選択した多発集約事象と対応する状況1604、種別1605等を読み出し、事象情報テーブル432aの、今回発生した事象に対応する状況、種別等として格納してもよい。
上述の第4の実施形態では、上述の第3の実施形態で格納した属性情報を、事象情報収集装置2で利用するものである。これにより、道路の段差のようなノイズ事象を、車両の位置と挙動の類似性を利用し識別することができ、事象情報テーブル432に不要な事象を格納することを省くことが可能となり、記憶領域を有効に使用することが可能となる。
なお、第4の実施形態の事象情報収集装置2において、事象がノイズであるか否か判定するための情報は、上述のように、第3の実施形態で作成した多発情報テーブル1521内の特徴情報を用いても良いが、これに限られるわけではない。例えば、ノイズであるか否か判定するためのパターン情報により判定してもよい。このようなパターン情報は、例えば、代表的な道路形状を用いて実験的に取得するとよい。また、ノイズの発生する位置情報は、道路工事などの道路設備情報を監視したり、別途プローブカーなどのような特殊な車両で集めたデータを用いたりすることにより取得しても良い。また、事象がノイズであるか否か判定するためには、パターン情報、及び、位置情報のうち何れか一方のみで判定してもよい。これにより、データの作成処理、認識処理を軽減することができる。
<第5の実施形態>
第5の実施形態について説明する。
以下で説明する第5の実施形態は、上述の第1の実施形態の事象情報集約装置1、上述の第2〜第4の実施形態の事象情報処理装置5が、公開する事象情報から個人を特定可能な情報を削除するものである。
事象情報集約装置1、事象情報処理装置5の構成例を、図21を参照して説明する。なお、図21の例では、上述の第3、第4の実施形態の事象情報処理装置5の場合を例として説明する。
事象情報処理装置5は、個人情報削除部2101をさらに有する。この個人情報削除部2101は、例えば、画像データの、人物の顔や車両のナンバープレート等に対し、モザイクやマスク処理を行っている。このような、顔領域やナンバープレート領域の認識アルゴリズムは、顔位置の認識技術、車番認識技術など従来技術のものであり、画像内に現れる対象物の色や形、画像パターンにより認識する。個人情報削除部2101が、画像データに対し処理を行なうタイミングは任意であるが、例えば、事象情報収集装置2からの画像データを含む事象情報が入力された場合や、上述の事象情報の属性情報の登録処理起動時等が考えられる。いずれにせよ、個人情報削除部2101が、画像データに対し処理を行なうタイミングは、事象情報の公開するまえであればいつでも良い。
個人情報削除部2101により処理された画像の例を、図22を参照して説明する。
図22(a)において、画面2201は、個人情報削除部2101による処理前の画像である。この画面2201が個人情報削除部2101により処理されることにより、図22(b)の画面2202のようになる。画面2202において、領域2211、領域2212は、モザイクやマスク処理が行なわれた領域である。
第5の実施形態により、一般に公開可能な個人情報を除去した映像を配信することが可能となる。また、個別管理手段には個人情報を除去しない情報が残っているため、事故などの検証として利用することが可能である。
以上説明した第1〜第5の実施形態により、重複する事象を、異なる事象情報として公開することを防ぐことが可能となる。特に、道路の段差など固定の場所で発生するノイズ事象は取得するデータが多くなるとその処理が膨大になる。また、ノイズだけでなく、飛び出しなどによる急ブレーキが頻発する場所では、同じような事象が複数登録されてしまう。このとき、運転教育などのために代表例だけ閲覧するだけで良いユーザにとっては事象をすべて閲覧する必要なく、効率的に閲覧することができない。上述の実施形態では、このような事象の重複登録を防ぐことが可能となるので、効率的に閲覧することが可能となる。
以上、この発明の実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
例えば、収集した事象情報から、ノイズの多発する地点を可視化することができる。これにより、道路の状態の監視システムを構成することが可能である。この監視システムでは、ノイズの多発する地点と、その地点の車両挙動から、道路の状態の悪い場所と悪化状態を推測する。推測は、悪化のレベルによる標準的な挙動データをサンプリングしておき、取得したノイズデータと比較することで行う。
また、例えば、急ハンドルや急ブレーキの事象が多発する地点に関しては、道路形状や交通標識などに問題がある場合もある。これら危険事象が同じ地点で多発するようになったら、道路のユーザに警告を発するようにシステムを構成することも可能である。これにより、路側の改善を図ることが可能となる。
また、例えば、自動車のナビゲーションシステムなどの経路誘導システムと連携することで、目的地までの経路上での危険な場所を可視化することができる。これにより、運行前に注意場所を指導することができる。また、危険な場所を回避した運行経路を探索することも可能である。
また、例えば、事象情報集約装置1、事象情報処理装置5が、ユーザ毎に、事象を公開した数、属性やコメントを設定した数、閲覧した数をカウントする構成を設けてもよい。この場合、事象の共有化、利用に対して、ユーザへの課金の減額および増額を行ってもよい。これにより、事象に対する貢献のインセンティブと安全運転への意識向上を図ることが可能となる。
1:事象情報集約装置、11:CPU、12:メモリ、13:記憶装置、14:接続インタフェース、15:入力装置、16:出力装置、17:通信インタフェース、18:バス、2:事象情報収集装置、3:車両、4:通信ネットワーク、111:事象情報受付部、112:属性登録受付部、113:類似判定部、114:表示処理部、131:プログラム、132:事象情報テーブル、133:事象集約テーブル、134:地図情報、41:カメラ、42:加速度センサ、43:GPS受信装置、45:演算部、46:メモリ、47:記憶装置、411:ログ情報取得部、412:事象検出部、431:ログ情報テーブル、432:事象情報テーブル、5:事象情報処理装置、51:CPU、52:メモリ、53:記憶装置、54:接続インタフェース、55:入力装置、56:出力装置、57:通信インタフェース、58:バス、1301:送信処理部、1311:プログラム、6:事象集約装置、61:CPU、62:メモリ、63:記憶装置、64:入力装置、65:出力装置、66:通信インタフェース、67:バス、1302:事象情報受付部、1312:プログラム、1321:事象情報テーブル、1501:多発情報送信部、1502:多発情報受付部、1503:多発類似判定部、1511:プログラム、1512:プログラム、1521:多発情報テーブル、1901:事象検出部、2101:個人情報削除部