JP4674052B2 - 鋼管矢板継手、鋼管矢板の継手構造および鋼管矢板基礎 - Google Patents

鋼管矢板継手、鋼管矢板の継手構造および鋼管矢板基礎 Download PDF

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本発明は、鋼管矢板基礎および土留め構造など鋼管矢板を連結併合して構築するための鋼管矢板継手および鋼管矢板の継手構造並びに鋼管矢板基礎に関する。
従来、図9および図12〜図13に示すように、複数の鋼管矢板1を連結併合して建設される鋼管矢板構造物または鋼管矢板基礎2は、お互いの鋼管矢板本管3を連結するために、一般に図8(a)に示すように、スリット6を有する円形継手鋼管4が用いられる。そして、継手鋼管4相互を嵌合させて、鋼管矢板1を地中に連続して建て込み、継手鋼管4内の土砂を掘削・洗浄した後に、継手鋼管4内にモルタル5を充填して構築する。
また、一般に、P−P継手に用いる継手鋼管4は、外径が165.2mm、板厚が11mmで、内面に突起などの凹凸の無いものが使用される。また、充填するモルタル5としては、圧縮強度20N/mm程度のものが使用されている。
鋼管矢板1に用いられる継手は、図8、図9および図12〜図13に示すような、スリット6を有する継手鋼管(P:パイプ)4相互を嵌合するP(パイプ)−P(パイプ)継手部8a(8)以外にも、図8(b)に示すように、軸方向にスリット6を有する継手鋼管(P:パイプ)4による雌継手4aとT型鋼からなるT型の雄継手4b相互のかみ合わせによるP−T継手部8b(8)、あるいは図8(c)に示すように、間隔をおいて平行に内向きに設置される2枚のL型鋼による雌継手4aと1枚のT型鋼からなる雄継手4b相互のかみ合わせによるL−T継手部8c(8)が用いられる場合がある。
しかし、鋼管矢板基礎2では、通常P−P継手が用いられている理由として、(1)鋼管矢板基礎2の場合には、仮締め切り部7の止水性を確保するために、継手鋼管4が嵌合した状態で、図9にA、B、Cで示す3室構造となり、止水性が確実なP−P継手が適していること、(2)鋼管矢板基礎2の設計法においては、P−P継手のみを対象とした設計法となっているためである。
ところで、鋼管矢板基礎2に水平方向の外力が作用した場合には、鋼管矢板1の継手鋼管4の管軸方向にせん断力が作用する。この場合、継手部8のせん断耐力が小さいと、継手部で軸方向にずれが生じることから、鋼管矢板基礎2の構造全体の曲げ剛性は継手部8のせん断耐力で規定される。このことから鋼管矢板基礎2の曲げ剛性を向上するためには、継手部8の管軸方向のせん断耐力を向上させることが効果的である。
P−P継手を対象として、継手せん断耐力を増大させる方法としては、鋼管矢板基礎における高耐力継手の実験的研究(片山他:土木学会第49回年次学術講演会、1994年4月)(非特許文献1)、または「特開2000−220135号公報(鋼管矢板及び鋼管矢板の連結構造)、特許文献1」、あるいは「特開2000−355931号公報(鋼管矢板の連結構造)特許文献2」等により公表されている。
上記の3つの文献は、いずれも、継手鋼管に内面突起付き鋼管を用いた構造であり、鋼管径の増大や充填モルタル強度の増大により、継手せん断耐力が増加することが指摘されている。また、継手鋼管のせん断破壊を抑制するために、補強部材を配置した継手構造に関する発明である。
しかし、P−P継手の場合には、継手相互が嵌合した状態の嵌合継手部8a(8)がA、B、Cの三室で形成されるために、継手嵌合後に継手部8a(8)内の土砂掘削・洗浄およびモルタル5の充填を行うためには、継手部8a(8)の狭隘な区間A、B、Cで施工するために、確実な洗浄および密実にモルタル充填を行うことは困難であり、品質が不安定になる恐れがあるため、所定の継手せん断耐力を確実に発揮させることはできない恐れがある。
また、図8(b)(c)に示すような、P−T継手部8b(8)や、L−T継手部8c(8)を対象として、継手せん断耐力を増大させる方法としては、特開平8−27774号公報(特許文献3)あるいは特開平11−140863号公報(特許文献4)により公表されている技術がある。
「特開平8−27774号公報(嵌合継手部材および嵌合継手部構造)(特許文献3)は、雌雄嵌合継手の嵌合面に突起を持つ雄型嵌合継手と、外周面に補強用突条が設けられた雌型嵌合継手による継手構造である。
「特開平11−140863号公報(鋼管矢板の継手部材、継手構造、及びそれらを用いた鋼管矢板基礎)」(特許文献4)は、雌雄嵌合継手であり、鋼管表面に突条を設けたL型継手とT型継手もしくはH型継手の組み合わせにより構成されており、さらに鋼管表面にも突条を有する板状部材を設けた継手構造である。
これらも、継手嵌合空間は小さく、狭隘な区間で施工するために、確実な洗浄および密実なモルタルの充填を行うことは困難であり、品質が不安定になる恐れがあるため、これらの継手においても確実に所定の継手せん断耐力を発揮させることは困難である。 また、鋼管表面に板状部材を設けるためには、板状部材を鋼管の曲率に応じて曲げ加工した上で、溶接加工するなどの必要があり、加工が煩雑となるのみでなく、加工コストが高価となるため、鋼管矢板が高価になり鋼管矢板基礎の施工コストの増大を伴うことになる。
ところで、図12〜図13に示すように、鋼管矢板基礎2の仮締切り部7や土留め壁の掘削部においては、井筒構造の外部より水圧や土圧が作用する。しかし、前記のような通常の継手構造では面内軸力(井筒円周方向の力)および面外断面力(曲げ力)に抵抗することができないため、仮設時には多くの切梁9aや腹越し9bおよびこれらを支持するための支保工(図示省略)を配置する必要がある。施工においては切梁9aや腹越し9bおよびこれらを支持するための支保工の配置により施工コストが増大し、また多大な工期を要することが課題である。
また、継手部内の軸力(円周方向の圧縮力)に抵抗することを目的として、「特開昭54−154112号公報」(特許文献5)には、雌雄の継手を嵌合配置しコンクリートを充填した土留め壁の構築方法が記載されている。しかし、この公報に記載されている技術は、継手部に作用する軸力(円周方向の圧縮力)に抵抗することを主目的として、コンクリート拘束ピースを鋼管矢板周面に取付けることが記載されているが、継手せん断耐力の向上に関しては記載も示唆もされていない。
また、コンクリート拘束ピースの具体的な部材の形状状態および表面状態についての記載も示唆もされていない。また、この場合には、継手空間中央に間隔保持部材が設置されているので、継手内空間が2つに分断されて継手嵌合空間内の洗浄が煩雑になるという問題もある。
また、「特公昭49−022404号公報」(特許文献6)には、継手部のせん断耐力を増加させることを目的として継手空隙部の鋼管外周面に異径棒鋼を軸線方向に沿って溶接した鋼管矢板の継手が記載されている。この公報ではL型鋼材(山形鋼)を継手に用いて、比較的継手空間を大きくした継手(L−L継手)が記載されているが、L型鋼材を用いた継手では、嵌合余裕が大きいために、鋼管矢板の建て込み精度を確保することが困難であり、また嵌合状態によっては嵌合空間が小さくなる場合があり、継手内の土砂掘削および充填材の注入作業性が不確実となる。また、異径棒鋼の配置方法によっては、継手部のせん断破壊モードが異なり、異径棒鋼と充填材との付着強度を十分に発揮できない。
前記従来のP−P継手、P−T継手およびL−T継手の応用による高耐力継手構造は、いずれも嵌合空間が狭隘であり、嵌合空間内を確実に洗浄し密実にモルタル充填を行うことは困難であり、品質が不安定となるため、確実に所定の継手せん断耐力を発揮させることは困難である。また、前記従来のL−L継手の応用による高耐力継手構造では、鋼管矢板の建て込み精度と継手内の掘削・洗浄の作業性を確保することが困難であり、所定の継手せん断耐力を確実に発揮することができない。また、鋼管矢板基礎の断面内軸力に抵抗できないために、多くの切梁や支保工が必要となる課題を有している。
特開2000−220135号公報 特開2000−355931号公報 特開平8−27774号公報 特開平11−140863号公報 特開昭54−154112号公報 特公昭49−022404号公報 社団法人 日本道路協会発行(平成9年版)の鋼管矢板基礎設計施工便覧(p14)
以上のように、従来の継手構造では、(1)鋼管矢板の建て込み精度を確保し、(2)継手部の土砂の掘削、洗浄およびモルタル充填に関する作業性が良好で、(3)管軸方向の継手せん断耐力を確実に向上させという3つの課題を同時に満足させることができないという問題がある。
そこで、本発明は、これらの3つの課題を同時に満足させることが可能な鋼管矢板継手および鋼管矢板の継手構造並びに鋼管矢板基礎を提供することを目的とする。
前記の課題を有利に解決するために、本発明においては、次のように構成している。
第1発明の鋼管矢板継手においては、一方の鋼管矢板本管の外面軸方向に一対のL型鋼材が所定の間隔をもって、かつ各L型鋼材のアーム部が内向きに配置されると共に各L型鋼材の脚部が固定された雌型継手と、他方の鋼管矢板本管の外面軸方向に一対のL型鋼材が所定の間隔をもって、かつ各L型鋼材のアーム部が外向きに配置されると共に各L型鋼材の脚部が固定された雄型継手とが嵌合されると共に各鋼管矢板本管と前記各継手で囲まれる空間内にセメント系充填材が充填されて連結される鋼管矢板継手において、前記雌型継手と雄型継手における各L型鋼材で挟まれる前記本管外周面に、管軸方向の継手せん断耐力を高めるためにモルタルからなるセメント系充填材に埋め込まれる複数本の突起付き棒状鋼材が本管軸方向に延長するようにそれぞれ配置されて固定され、かつ本管外周方向に隣り合う突起付き棒状鋼材の中心間の間隔が本管外周方向に前記突起付き棒状鋼材の直径の3倍以上の間隔をおいて配置されていることを特徴とする。
また、第2発明では、第1発明の鋼管矢板継手において、一対の雌型継手を形成するL型鋼材の脚部長さが鋼管矢板の建て込み精度を確保するに必要な長さを有し、かつ一対の雄型継手を形成するL型鋼材の脚部長さが継手内の土砂掘削および充填材の注入作業を確保するに必要な長さを有することを特徴とする。
また、第3発明では、第1発明の鋼管矢板継手において、一対の雄型継手を形成するL型鋼材の脚部長さが鋼管矢板の建て込み精度を確保するに必要な長さを有し、かつ一対の雌型継手を形成するL型鋼材の脚部長さが継手内の土砂掘削および充填材の注入作業を確保するに必要な長さを有することを特徴とする。
また、第4発明では、第1発明〜第3発明のいずれかの鋼管矢板継手において、前記一対のL型鋼材の対向する表面に突起を有することを特徴とする。
また、第5発明の鋼管矢板基礎の継手構造では、第1発明〜第4発明のいずれかの鋼管矢板継手を用いた鋼管矢板基礎の継手構造において、鋼管矢板本管と継手部材で囲まれる空間内に前記セメント系充填材が充填されていることを特徴とする。
また、第6発明の鋼管矢板基礎においては、複数の鋼管矢板を連結すると共に閉合してなる鋼管矢板基礎において、第1発明〜第4発明のいずれかの継手を用いた鋼管矢板を筒状に閉合してなることを特徴とする。
突起付き棒状鋼材が適切な間隔(前記突起付き棒状鋼材の直径の3倍以上)で配置されているために、モルタルとの付着強度を確実に発揮させることができ、優れたせん断耐力を確実に発揮することができる継手および継手構造とすることができる。
L型鋼材の脚部長さが建て込み精度を確保するように適切に設定されている継手部であることにより、継手部が適度な嵌合余裕を有しているために、鋼管矢板の建て込み時のガイドとして用いることができ、かつ鋼管矢板の建て込みを高い精度で実施することができる。
嵌合継手内の土砂掘削洗浄およびモルタル等のセメント系常温硬化性材料の充填作業に十分な空間を有しているために、嵌合継手内の土砂の掘削を確実に行うことができ、かつ嵌合継手内の洗浄を確実に行うことができ、さらに嵌合継手内へのモルタル等のセメント系常温硬化性材料の充填を密実に行うことができ、しかもこれらの施工性が飛躍的に向上し、安定した品質になると共に、鋼管矢板本管の外周面に複数の突起付き棒状鋼材を備えているので、嵌合継手内に充填・硬化されるセメント系常温硬化性材料との付着を確実にし、継手部の剛性特に管軸方向の継手せん断耐力を向上させることができる継手および継手構造とすることができる。
管軸方向の継手せん断耐力を向上することにより、鋼管矢板基礎とした場合にその全体曲げ剛性が大きくなるために、鋼管矢板基礎全体寸法の小型コンパクト化を実現でき、建設コストを大幅に削減できる。
L型鋼材継手および突起付き棒状鋼材は、比較的安価な材料であり、かつ多彩な形状があり、また、継手間隔および突起付き棒状鋼材の配置間隔の自由度が高く、対象構造に応じて自由度の高い継手構造を提供することができる。
継手部において断面内軸力に抵抗できるため、複数の鋼管矢板を連結して、円形あるいは長円形等の筒状(特に円形)に閉合させることにより切梁、支保工を省略することが可能となり、建設コストの削減および施工期間の短縮を実現できる。
次に、本発明を図示の実施形態に基づいて詳細に説明する。
先ず、本発明の基本構造について、図1および図2に示す第1実施形態を参照して説明すると、本発明では、継手嵌合空間を大きくするために一対のL型鋼材10による雌継手13と一対のL型鋼材14による雄継手17を利用したL−L継手を基本とし、継手脚部12、16間の鋼管矢板本管3の表面に突起付き棒状鋼材18からなるずれ止めを配置する。このような雌継手13および雄継手17によるL−L継手の場合には、継手嵌合空間25が1室であるために、比較的大きな継手嵌合空間25を形成することができ、継手嵌合内の土砂の掘削および継手嵌合空間25内の洗浄およびモルタル等のセメント系常温硬化性充填材26の充填が容易となる基本特徴を有している。
さらに、このような利点は、継手嵌合内の土砂の確実な排出、継手嵌合空間25内の確実な洗浄および継手嵌合空間25内への密実なモルタルの充填に結びつき、鋼矢板構造物または鋼管矢板基礎23の剛性を大きく左右する。さらに説明すると、鋼管矢板基礎の設計においては、継手部のせん断ずれを考慮した仮想井筒により設計されるため、橋脚における鋼管矢板基礎に水平力が作用した場合には、継手部に鋼管軸方向のせん断力が作用し、作用せん断力が継手せん断耐力を上回ると、継手部にずれが発生して、橋脚全体の曲げ剛性が低下することになり、橋脚全体の曲げ剛性は継手のせん断耐力に大きく影響するため特に重要になる。
また、継手嵌合空間25内に突出する突起を用いた場合には、突起部分の土砂の付着が、継手せん断性能に大きな影響を及ぼすために、嵌合継手内の洗浄、モルタル等のセメント系常温硬化性充填材26の充填はさらに重要となる。
さらに、具体的に図1を参照して説明すると、鋼管矢板本管3の一側外面に外面軸方向に一対のL型鋼材10が所定の間隔をもって、かつ各L型鋼材10のアーム部11が接近するように内向きに配置されると共に、各L型鋼材10の脚部12が平行に配置されてその基端部が溶接により固定されて、雌継手13が構成されている。前記の一対のL型鋼材10の配置間隔は、雌・雄の継手嵌合状態での雌・雄継手と各鋼管矢板本管3の外周面とで形成される継手嵌合空間25を大きくし、継手部の剛性を高める上でも間隔を広くすることが望ましい。
また、前記鋼管矢板本管3の他側外面にその外面軸方向に、一対のL型鋼材14が所定の間隔をもって、かつ各L型鋼材14のアーム部15が互いに離反するように外向きに配置されると共に各L型鋼材14の脚部16が平行に配置されてその基端部が溶接により固定されて、雄継手17が構成されている。雄継手17における一対のL型鋼材14の間隔は、継手嵌合状態での継手内側空間を大きくし、継手の剛性を高める上でも、脚部16間の間隔を雌継手13内に配置可能なように広く設定されている。
前記のように、鋼管矢板本管3の一側面に雌継手13を備えていると共に、他側面に雄継手17を備えているL型の雌・雄の継手を備えた鋼管矢板28とされている。図1には、前記の鋼管矢板28を直列に配置すると共に継手相互を嵌合させ、継手嵌合空間25内の土砂を掘削排土すると共に、継手嵌合空間25内を洗浄し、継手嵌合空間25内にモルタルからなるセメント系常温硬化性材料26が充填・硬化された状態が示されている。
ここで、鋼管矢板の施工においては、L型鋼材をガイドとして建て込むため、雌雄継手の嵌合余裕が大きいと、鋼管矢板の建て込み精度を確保することができないばかりでなく、嵌合空間が極端に大きい場合や極端に小さい場合が存在するため、嵌合空間内の土砂洗浄および充填材の注入作業性を確保することができない。そこで、雌雄継手のL型鋼材の脚部長さを異なる長さに設定することにより、鋼管矢板の建て込み精度を確保し、かつ継手内の土砂掘削および充填材の注入作業性を確保することができる。
前記の各L型鋼材10、14としては、例えば、各種の等辺山形鋼あるいは不等辺山形鋼等の断面L型鋼製部材を使用することができ、そのため、施工する構造物に合わせた鋼管矢板1に構成することができる。
また、雌継手13を構成する各L型鋼材10における脚部12で挟まれる部分、および雄継手17を構成する各L型鋼材14における脚部16で挟まれる部分のそれぞれ鋼管矢板本管3の外周面には、雌継手13および雄継手17の上下方向の全長にわたって鋼管矢板本管3の鋼管軸方向に延長するように、複数本の突起付き棒状鋼材18が周方向に間隔をおいて平行に配置されて溶接により固定されている。
また、突起付き棒状鋼材18の配置間隔は、突起付き棒状鋼材18がセメント系の常温硬化性材料26と充分付着し、突起付き棒状鋼材18の付着強度を発揮するために、突起付き棒状鋼材18の中心間の間隔を、突起付き棒状鋼材18の直径の3倍以上の間隔にすることが最適である。
例えば、突起付き棒状鋼材18の配置間隔がその直径の3倍より下まわると、図6(b)に実線で示すように、突起付き棒状鋼材18の頂部を連ねたほぼ平面上のせん断破壊面Aによるせん断破壊となるが、3倍以上の間隔にすると、図6(a)に示すように、突起付き棒状鋼材18の頂部とこれらの間の中間部底まで湾曲したせん断破壊面Bによるせん断破壊となり、図6(a)の方が、せん断破壊面積が大きく高いせん断破壊抵抗がある。したがって、突起付き棒状鋼材18の配置間隔は3倍より下回る間隔とすると、異径鉄筋等の突起付き棒状鋼材18の十分な付着強度が発揮できないが、配置間隔を3倍以上に配置すると、突起付き棒状鋼材18の十分な付着強度を発揮することができる。
突起付き棒状鋼材の中心間の間隔を突起付き棒状鋼材の直径の3倍以上の間隔にする理由を詳しく説明する。鋼管外周面に突起付き棒状鋼材が配置されモルタルを充填した継手のせん断耐力は、モルタルのせん断破壊と突起付き棒状鋼材の付着破壊に分類できる。ここで、突起付き棒状鋼材の中心間の配置間隔をL3、直径をd、棒状鋼材の本数をNとし、継手内に充填するモルタルの圧縮強度をσとすると、モルタルのせん断破壊の耐力(Pc)は、式1により決定されることを実験により解明した。
Pc = L3 x 0.1σ x N (式1)
一方、突起付き棒状鋼材の付着破壊耐力(Pb)は、式2により決定されることを同様の実験により解明した。
Pb = 0.5πD x 0.2σ x N (式2)
これは、モルタルの一面せん断強度がモルタルの圧縮強度の約10%であるのに対し、突起付き棒状鋼材の付着強度はモルタルの圧縮強度の約20%であるためである。ここで、継手部に安定して確実なせん断耐力を発揮させるためには、付着破壊が発生することが必要であり、せん断破壊耐力(Pc)が、付着破壊耐力(Pb)を上回るためには、式1、式2より、以下の式が導き出される。
L3 > πD ≒ 3D
すなわち、突起付き棒状鋼材の付着を十分に発揮させるためには、配置間隔を直径の3倍以上にすべきであることが明白である。
前記の突起付棒状鋼材18としては、異径鉄筋あるいは異径棒鋼あるいは、ふし付き異径棒鋼などを使用すると経済的であるが、棒状鋼材の長手方向に間隔をおいて付着強度を向上させるための多数の突起を有する棒状鋼材であればよい。
前記実施形態のように、本発明においては、鋼管矢板本管3における鋼管表面にずれ止め部材として突起付き棒状鋼材を鉛直方向に配置する理由は、連続溶接が可能であり、自動溶接化を容易とし、加工コストが大幅に削減できるためである。
前記のように突起付き棒状鋼材を鉛直配置しない他の方法が考えられるが、例えば、(a)突起付き帯状鋼板をスパイラルに巻いて構成した鋼管矢板本管3自体全体に突起を有する外面突起付き鋼管を用いる方法、(b)鋼管矢板本管3の外周面に多数の頭付きスタッドを設置する方法や、(c)多数の短尺棒状鋼材を上下方向に間隔をおくと共に水平方向に溶接により取り付ける方法がある。
しかし、前記(a)の外面突起付き鋼管矢板本管を用いると材料コストが高くなる。また、前記(b)の頭付きスタッドを設置すると加工費の増大のみならず、鋼管矢板を地中に建て込む時に抵抗となり、頭付きスタッドが損傷する恐れがある。また、継手空間内の洗浄掘削作業の障害となる。また、前記(c)の棒状鋼材を水平方向に溶接により取り付ける方法は、多数の短尺の棒状鋼材を取付けるようになり、全体として、溶接延長が長く加工費が高くなる。そのため、本発明では、前記のように突起付き棒状鋼材を鉛直方向に設置している。また、コスト低減の観点から、突起付き棒状鋼材として異径鉄筋棒鋼などを用いるのが望ましい。
前記の施工余裕および継手内部の土砂洗浄および充填材の注入作業に必要な間隔について、図2および図3を参照しながら説明する。先ず、図2の(a)(b)(c)の各図は、雌継手13におけるL型鋼材10の脚部12の長さを、雄継手17におけるL型鋼材14の脚部16の長さよりも長くした場合の嵌合状態を示したもので、(a)は雌雄の継手に接近方向あるいは離反する方向に余裕のある中立嵌合状態を示し、(b)は雌雄の継手が最も接近した状態で、離反する方向にのみ余裕のある圧縮嵌合状態を示し、(c)は雌雄の継手が最も離反した状態で、接近する方向にのみ余裕のある引張嵌合状態を示している。すなわち、嵌合余裕は雄継手の脚部長さで規定され、土砂掘削および充填材の注入作業に必要な間隔は雌継手の脚部長さで規定されることとなる。
また、図3の(a)(b)(c)の各図は逆に、雄継手17におけるL型鋼材14の脚部16の長さを、雌継手13におけるL型鋼材10の脚部12の長さよりも長くした場合の嵌合状態を示したもので、前記と同様に、(a)は中立嵌合状態、(b)は圧縮嵌合状態を示し、(c)は引張嵌合状態を示している。すなわち、嵌合余裕は雌継手の脚部長さで規定され、土砂掘削および充填材の注入作業に必要な間隔は雄継手の脚部長さで規定されることとなる。なお、図2および図3では、鋼管矢板本管3の外周面に周方向に間隔をおいて4本の異径鉄筋からなる突起付き棒状鋼材18を溶接により固定した形態である。
ここで、前記の嵌合余裕Dは、直線状の直列連結方向では、図2(b)または図3(b)に示す雄継手17のアーム部15の外面と雌継手13のアーム部11の内面との間の寸法D1であり、また、これに直角方向については、雌継手13の各アーム部11先端と雄継手17の各脚部外面との間の部分E、または雌継手13の各脚部12の内面と雄継手17の各アーム部先端との間の部分Fである。前記の寸法D1で示す嵌合余裕は、鋼管矢板本管の直径や長さにより異なるが、鋼管径を600mm〜2000mmを対象とした場合、鋼管矢板の建て込み精度を確保する上で、40mm〜80mm程度であることが望ましい。また、前記のEおよびFについては、嵌合余裕が大きくなると継手部が離脱する恐れがあることから、寸法D1より小さくすることが必要であり、10mm〜30mm程度であることが望ましい。
つぎに、継手内の土砂掘削および充填材の注入作業性に必要な嵌合空間について説明する。 継手内の土砂掘削方法としては、ウォータージェットによる方法と、土砂の排出を容易にするためのエアリフト併用方式がある。幅の広い継手嵌合空間を入念に掘削・洗浄するための装置を継手内に挿入する必要があり、鋼管同士の最小間隔を広くすることが望ましいが、広くなり過ぎると継手せん断耐力が低下する恐れがあるため、鋼管同士の最小間隔を150mm〜250mmにするのが望ましい。
さらに、雄継手17と雌継手13の配置間隔は、継手内の施工作業性と断面内軸力(円周方向の圧縮力または引張力)により設定することができるが、これらの配置間隔は、実用上は、300mm以上で、鋼管矢板本管3の鋼管径の1/2以下の配置間隔(鋼管径600mmから2000mmで、300mm〜1000mm以下の配置間隔)にするのが望ましい。
さらに前記の点を含めて具体的に検討すると、鋼管矢板本管3の外周面に各L型鋼材10(14)を取付ける場合、これらの取り付け位置と継手連結方向の中心軸線Cとの位置関係について図7を参照しながら説明する。直列連結方向の鋼管矢板本管3の中心軸線Cから等間隔(L)をおいて対向する各L型部材10(14)における脚部12(16)の取り付け位置Pと、L型部材10(14)の取り付け中央位置(中心軸線C上の位置)Qとの中心軸線方向の寸法差L2(雄継手側は省略した)は、鋼管矢板本管3の半径をRとした場合に、式3により算出できる。
ここで、鋼管矢板本管3の直径が600mm〜2000mmを対象とし、L型鋼材10における各脚部12の位置を鋼管矢板本管3の鋼管径の1/3の間隔で取付けることを前提とした場合、前記寸法差L2は式3により算出され約20〜60mmとなる。例えば、直列に連結する方向の嵌合余裕Dを60mmと設定し、かつL型部材10(14)の板厚を15mm程度とした場合に、L型部材10(14)のアーム部11までの脚部12の長さ寸法は110mm〜150mmとなる。
Figure 0004674052
前記の嵌合余裕Dの60mmは、一例であって、嵌合余裕Dとしては、40mm〜80mm程度がよく、40mmより下回ると、多数の鋼管矢板を閉鎖環状に設置する場合等に嵌合作業性が低下したり嵌合不能になる恐れがあり、また、嵌合余裕80mmを越えると施工精度が低下する恐れが生じる。
継手内の土砂掘削および充填材の注入作業性を確保するためには、鋼管矢板本管の間隔を150mm〜250mmに設定することが必要である。そのために、雌雄継手の内、脚部長さが長い方のL型鋼材の脚部長さにより鋼管矢板本管の間隔を確保するように設定する。すなわち、鋼管矢板本管の間隔を180mmとし、前記寸法差L2が約20mm〜60mmとなるため、L型鋼材の脚部長さは200mm〜240mmとなる。
前述のように、鋼管矢板の建て込み精度を確保するに必要なL型鋼材の脚部長さおよび、継手内の土砂掘削および充填材の注入作業性を確保するに必要なL型鋼材の脚部長さの設定方法を示した。しかし、これらL型鋼材の脚部長さは、鋼管径、L型鋼材の配置間隔により異なるため、実際には寸法を設定した上で脚部長さを自由に決定することができる。
次に、鋼管矢板本管3の外周面に突起付き棒状鋼材を設置する点に加えて、さらに継手部のせん断耐力を高めることも可能であるので、この形態について、図4および図5を参照して説明する。
図4に示す形態では、雌継手13を構成する各L型鋼材10における対向する脚部12の継手嵌合空間側となる内面側に突起19を設けたり、雄継手17を構成する各L型鋼材14における対向する脚部16の継手嵌合空間側となる内面側に突起20を設けたりすることにより、嵌合継手内に充填されるセメント系硬化材料との付着を高めるようにした形態である。
また、L型鋼材10(14)の表面に突起を設ける方法としては、図示を省略するが、帯状の縞鋼板あるいは突起を有する突起付き帯状鋼板を横断面L型に成形する方法でもよいし、図5に示すように、表面が平坦なL型鋼材10、14の表面に、前記実施形態において使用した突起付き棒状鋼材18と同様な突起付き棒状鋼材21を使用し、各L型鋼材10、14における脚部12(16)の継手嵌合空間内に対向する内面側に鉛直方向に配置し溶接などにより固定する方法でもよい。突起付き棒状鋼材21の取り付けは、図示のように、各L型鋼材10、14に予め取付けても、各L型鋼材10、14が鋼管矢板本管3に取付けられた後に取付けてもいずれでもよい。
次に、本発明者によって、独自に前記実施形態の雌継手13と雄継手17によるL−L継手を用い、嵌合継手内にモルタルを充填・硬化した継手部の継手せん断試験を実施した。その結果、鋼管矢板本管3の鋼管外表面に直径22mmの異径鉄筋を配置した継手の押し抜きせん断試験では、継手内に充填されるモルタル強度が20N/mmの場合には1000kN/m(図9に示す従来継手のせん断耐力の5倍)のせん断強度があり、モルタル強度が40N/mmの場合には2000kN/m(従来継手のせん断耐力の10倍)を確認した。
また、前記の実験において、図6(b)に示すように、鋼管矢板本管3の外表面に溶接により固定する複数の突起付き棒状鋼材18として、全て異径鉄筋18aを使用し、これら異径鉄筋18aの配置間隔の異なる試験を実施したが、異径鉄筋中心間の配置間隔L3が異径鉄筋18aの直径の3倍より下回ると、異径鉄筋18aの頂部を連ねたほぼ平面状のせん断破壊面Aによるせん断破壊が発生するようになり、また、図6(a)に示すように、異径鉄筋中心間の配置間隔L3が異径鉄筋18aの直径の3倍以上になると、異径鉄筋間のせん断破壊面が鋼管矢板本管3の表面に近づくように湾曲したせん断破壊面Bになり、せん断破壊に必要な押し抜き力も高くなる。
前記のことから、異径鉄筋中心間の配置間隔L3は、異径鉄筋の直径の3倍より下回る配置間隔L3とすると異径鉄筋の十分な付着強度が発揮できなくなることが判明した。従って、異径鉄筋中心間の配置間隔L3を、異径鉄筋の直径の3倍以上の間隔に配置することにより、異径鉄筋、すなわち、突起付き棒状鋼材18の十分な付着強度を発揮することができる。
図10および図11には、本発明の実施形態の継手を有する鋼管矢板を直列に配置すると共に鋼管矢板相互の継手を噛み合わせて水底地盤24に打設すると共に、井筒状(円形または小判形などの長円形、図示の場合は円形)に閉合し、かつ各継手部内にモルタル5を充填・硬化し、本体構造物の一部を兼ねた仮締め切り壁状態の鋼管矢板基礎23が示されている。
前記のような井筒状の鋼管矢板基礎23では、直列に隣り合う鋼管矢板相互の雌継手13と雄継手17が噛み合わされた継手嵌合内の土砂を掘削し、継手空間内を洗浄した後、継手部内にモルタル5を充填・硬化することにより、継手部は、軸力(土圧・水圧による円周方向の圧縮力または引張力)に抵抗できる効果のある構造となる。また、このような鋼管矢板基礎23では井筒状断面の面外方向の力にも抵抗できる構造であるために、図12および図13に示すような腹越しあるいは切梁ならびにこれらを支持する仮設支保工を省略することができ、建設コストを削減するとともに、建設工期を大幅に短縮することができる効果がある。
前記のような円周方向の軸力に抵抗でき、仮設支保工の省略あるいは建設コストの削減および建設後記の短縮の効果は、井筒状の鋼管矢板基礎23の断面形状が円形断面の場合に特に有効である。断面形状が円形の場合には、井筒状の鋼管矢板基礎23に作用する土圧、水圧はフープ方向の荷重(圧縮力または引張力)として作用し、継手内には周方向の軸力のみ作用することとなるため、周方向の軸力伝達が可能な前記実施形態のような雌継手13と雄継手17と突起付き棒状鋼材18を使用したL−L継手の場合には、仮設支保工を大幅に省略することができる。
なお、鋼管矢板基礎23において、鋼管矢板本管3の鋼管内にコンクリートを充填しても良く、このように鋼管矢板本管3内にコンクリートを充填することにより、鋼管矢板の曲げ剛性を向上させることができる。また、鋼管矢板基礎23に円周方向の大きな軸力(圧縮力または引張力)が作用した場合にも、鋼管矢板本管3を構成する鋼管そのものが押し潰されることなく抵抗することができる。
なお、図10中の、符号27は、鋼管矢板内側に一体化される底板コンクリートで、この底板コンクリートを構築した後の一施工形態として、この底板コンクリート27上に、図示を省略するが、鉄筋コンクリート製の頂版およびコンクリート構造物の躯体が立ち上げられ、上部構造物が築造され、鋼管矢板基礎23の上部は前記頂版付近で水中切断される。
前記実施形態のように、本発明では、継手嵌合空間25内に、この空間25を左右方向あるいは前後方向さらには上下方向等に分割あるいは分断するような部材が配置されておらず、一つの大きな継手嵌合空間25とされ、突起19および突起付き棒状鋼材18、21もL型鋼材の表面あるいは鋼管矢板本管の外周面からの突出寸法が小さいので、継手嵌合空間25内に施工上、大きな邪魔になる部材がない。
本発明の第1実施形態の鋼管矢板継手およびその継手を備えた鋼管矢板を使用した鋼管矢板継手構造を示す横断平面図である。 本発明の他の実施形態の鋼管矢板継手および鋼管矢板継手構造を示す横断平面図である。 本発明のさらに他の実施形態の鋼管矢板継手および鋼管矢板継手構造を示す横断平面図である。 対向するL型鋼材の対向面に突起を設ける場合の一形態を示す平面図である。 対向するL型鋼材の平坦なアーム内面に、異径棒鋼を固着して内面突起付継手片とする場合の形態を示すものであって、(a)は雌継手の一方とする場合、(b)は雄継手の一方とする場合を示す概略斜視図である。 (a)および(b)は、突起付棒状鋼材の設置間隔を変化させた場合におけるモルタルのせん断破壊面の違いを説明するための説明図である。 L型部材取り付け位置と、L型部材取り付け位置中央の差を説明するための説明平面図である。 (a)(b)(c)は、それぞれ従来の継手構造を示す平面図である。 従来のP−P継手による鋼管矢板基礎等における鋼管矢板継手構造を示す平面図である。 本発明の鋼管矢板継手構造による鋼管矢板基礎の一実施形態を示すものであって、(a)は平面図、(b)は縦断正面図である。 図10(a)の一部を拡大して示す平面図である。 従来の鋼管矢板継手構造による鋼管矢板基礎の一形態を示すものであって、(a)は平面図、(b)は縦断正面図である。 従来の鋼管矢板継手構造による他の鋼管矢板基礎の他の形態を示すものであって、(a)は平面図、(b)は縦断正面図である。
符号の説明
1 鋼管矢板
2 鋼管矢板構造物または鋼管矢板基礎
3 鋼管本管
4 継手鋼管
4a 雌継手
4b 雌継手
5 モルタル
6 スリット
7 仮締め切り部
8 継手部
9 切梁
10 L型鋼材
11 アーム部
12 脚部
13 雌継手
14 L型鋼材
15 アーム部
16 脚部
17 雄継手
18 突起付き棒状鋼材
18a 異径鉄筋
19 突起
20 突起
21 突起付き棒状鋼材
23 鋼管矢板基礎
24 水底地盤
25 継手嵌合空間
26 セメント系常温硬化性充填材
27 底板コンクリート
28 鋼管矢板

Claims (6)

  1. 一方の鋼管矢板本管の外面軸方向に一対のL型鋼材が所定の間隔をもって、かつ各L型鋼材のアーム部が内向きに配置されると共に各L型鋼材の脚部が固定された雌型継手と、他方の鋼管矢板本管の外面軸方向に一対のL型鋼材が所定の間隔をもって、かつ各L型鋼材のアーム部が外向きに配置されると共に各L型鋼材の脚部が固定された雄型継手とが嵌合されると共に各鋼管矢板本管と前記各継手で囲まれる空間内にセメント系充填材が充填されてにより連結される鋼管矢板継手において、前記雌型継手と雄型継手における各L型鋼材で挟まれる前記本管外周面に、管軸方向の継手せん断耐力を高めるためにモルタルからなるセメント系充填材に埋め込まれる複数本の突起付き棒状鋼材が本管軸方向に延長するようにそれぞれ配置されて固定され、かつ本管外周方向に隣り合う突起付き棒状鋼材の中心間の間隔が本管外周方向に前記突起付き棒状鋼材の直径の3倍以上の間隔をおいて配置されていることを特徴とする鋼管矢板継手。
  2. 前記一対の雌型継手を形成するL型鋼材の脚部長さが鋼管矢板の建て込み精度を確保するに必要な長さを有し、かつ前記一対の雄型継手を形成するL型鋼材の脚部長さが継手内の土砂掘削および充填材の注入作業性を確保するに必要な長さを有することを特徴とする請求項1記載の鋼管矢板継手。
  3. 前記一対の雄型継手を形成するL型鋼材の脚部長さが鋼管矢板の建て込み精度を確保するに必要な長さを有し、かつ前記一対の雌型継手を形成するL型鋼材の脚部長さが継手内の土砂掘削および充填材の注入作業性を確保するに必要な長さを有することを特徴とする請求項1記載の鋼管矢板継手。
  4. 前記一対のL型鋼材の対向する表面に突起を有することを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の鋼管矢板継手。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の継手を用いた鋼管矢板基礎の継手構造において、鋼管矢板本管と継手部材で囲まれる空間内に前記セメント系充填材が充填されていることを特徴とする鋼管矢板基礎の継手構造。
  6. 複数の鋼管矢板を連結すると共に閉合してなる鋼管矢板基礎において、請求項1〜4いずれかに記載の継手を用いた鋼管矢板を筒状に閉合してなることを特徴とする鋼管矢板基礎。
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