JP5267242B2 - 橋脚基礎構造及び橋脚基礎施工方法 - Google Patents

橋脚基礎構造及び橋脚基礎施工方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5267242B2
JP5267242B2 JP2009064160A JP2009064160A JP5267242B2 JP 5267242 B2 JP5267242 B2 JP 5267242B2 JP 2009064160 A JP2009064160 A JP 2009064160A JP 2009064160 A JP2009064160 A JP 2009064160A JP 5267242 B2 JP5267242 B2 JP 5267242B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
steel pipe
steel
pier
footing
pile
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2009064160A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010216150A (ja
Inventor
克佳 中西
正宏 林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
JFE Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Steel Corp filed Critical JFE Steel Corp
Priority to JP2009064160A priority Critical patent/JP5267242B2/ja
Publication of JP2010216150A publication Critical patent/JP2010216150A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5267242B2 publication Critical patent/JP5267242B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Foundations (AREA)

Description

本発明は、道路や鉄道などの橋脚の基礎構造に関するものである。
一般的な橋梁下部工事は、初めに仮設鋼矢板を打ち込み、次に基礎杭を打設して、床掘りの後、杭頭処理してコンクリートによってフーチングを構築し、フーチングの上に橋脚を構築する。その後、仮設鋼矢板を撤去し、埋め戻して完了する。この施工過程において、仮設鋼矢板の打設、撤去の作業は手間とコストがかかり無駄である。そこで、この鋼矢板を有効に活用する技術が提案されている。
例えば、特許文献1には、フーチング構築予定位置の周辺を剛性を持つ矢板によって締め切ると共に、この矢板と結合してフーチングを構築する杭基礎構造が開示されている。この発明では、フーチングの周辺を剛性の大きい矢板で締め切り、剛性の大きい矢板をフーチングに合体した状態で残置する構造としたから、地震時にフーチングに水平方向の荷重が作用しても、その水平荷重は矢板で受け止められ、受働抵抗を大きく採ることができ、水平荷重に対するフーチングの移動量を小さくでき、耐震性を向上させることができる。さらに、施工に要する面積も小さくできるとしている。
また、特許文献2には、構造物を支持する複数の杭を囲み、この杭に接触しないように仕切る隔壁を地中に設け、構造物から隔離した杭の深さ方向地中部における隔壁内側地盤に薬液を注入して杭相互を連結する固化体を形成した杭基礎補強構造が開示されている。このような構造では、地上或いは地表近傍の構造物と固化体とが鋼矢板により連結され、複数の杭が固化体により深さ方向地中部において拘束され、これにより複数の杭の剛性は高められ、例えば、地震などにより地盤に液状化現象が生じても、杭と構造物の結合部で生じる曲げひずみは大幅に抑制されるとしている。また、慣用の高圧噴射工法と比較して施工コストを格段に抑制することが可能になり、固化体は地中における隔壁内側に限定的に構築されるものであるため充分な品質確保が可能になるとしている。
また、特許文献3には、多角形の頂点又は頂点及び辺上に配置された継手を有する杭と、配置された杭間に多角形の辺を形成するように配置された継手を有する鋼矢板とを備え、杭と鋼矢板とが継手により嵌合されて形成されている多角形の内側に、経時硬化性材料が充填されている基礎構造が開示されている。この発明は、隣り合う杭と杭の間に鋼矢板を備え、杭と鋼矢板を嵌合させ、連結材を介してフーチングと一体化させる事で、地震が発生した際には、杭の先端支持力、杭と鋼矢板の周面摩擦力、及び杭と鋼矢板の受働抵抗により、地震により発生した応力に抵抗することができる。さらに、基礎を小型化でき、必要な用地を小さくすることができ、コンクリート等の経時硬化性材料の打設量も少なくすみ、地震時の水平力による回転に対して、基礎を構成する杭の本数、径、及び躯体強度を増大させること無く、また水平力、曲げモーメントによる杭体に発生する応力も減るため杭の板厚を低減でき、低コストで確実性の高い耐震性を発揮させることができるとしている。
特開2000−129696号公報 特開2007−032065号公報 特開2007−303099号公報
しかし、特許文献1〜3に記載の技術は、下記のような問題がある。
すなわち、特許文献1に記載の技術では、矢板とフーチングを構成する鉄筋を連結して一体化させるとしているが、具体的な記述が無く、どのようにして行うかが不明である。さらに、大きな曲げモーメントが作用する橋脚下部とフーチングの結合部に従来と変わらず工夫が無く、基礎部の水平荷重に対する剛性は向上しているが、橋脚を含めた全体挙動として耐震性が向上しているとはいえない。全体の耐震性を向上させるには、橋脚を大きくして、それに伴いフーチングも大きくする必要がありコストがかかり、施工スペースも増大する。
また、特許文献2に記載の技術では、薬液を注入した場合に地盤によっては所定の強度を得られないなど不確定要素が大きく、鋼矢板にリブなどを設けないと改良体との一体化を図るのは難しい。また、薬液注入は、地下水汚染などの懸念も生じる。特許文献1と同様に、橋脚基部の剛性をあげるためには、フーチングを大きくするなどの工夫が必要である。
また、特許文献3に記載の技術では、杭と鋼矢板を接続する継ぎ手は、一体化して耐震性を有するに十分な剛性や強度が必要であり、継ぎ手部にモルタル等を充填するのは非常に手間とコストがかかる。鋼矢板に取り付けた連結材でフーチングとの一体化はできるが、橋脚とフーチングの接合構造は従来通りであり、特許文献1と同じ問題点を有する。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、橋脚基礎構造において、これまで仮設として用いられてきた鋼矢板を本設として用いることで鋼矢板を有効に活用するに際して、コンパクトな構造で橋構造全体の耐震性を向上させることができる橋脚基礎構造を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するために、本発明は以下の特徴を有する。
[1]橋脚基礎と複数の杭とを、コンクリートを内部に充填した二重鋼管構造のフーチングにより一体化し、前記複数の杭の上方を鋼矢板で囲み、該鋼矢板の内側にコンクリートを充填して、鋼矢板を杭と一体化したことを特徴とする橋脚基礎構造。
[2]前記二重鋼管構造のフーチングにおいて、コンクリート打設面に突起が付いた鋼管を用いたことを特徴とする前記[1]に記載の橋脚基礎構造。
[3]前記二重鋼管構造のフーチングにおいて、外側の鋼管内側に設置した孔あき鋼板ジベルと内側鋼管の外側に設置した孔あき鋼板ジベルとを、前記孔あき鋼板ジベルにフックの付いた鉄筋を引っ掛けて繋いだことを特徴とする前記[1]または[2]に記載の橋脚基礎構造。
[4]前記鋼矢板に孔あき鋼板ジベルを設置し、孔あき鋼板ジベルにフックの付いた鉄筋を引っ掛けて鋼矢板同士を繋ぐことにより鋼矢板内側のコンクリートを拘束することを特徴とする前記[1]〜[3]のいずれかに記載の橋脚基礎構造。
[5]前記橋脚が鋼製橋脚であり、前記杭が鋼管杭であることを特徴とする前記[1]〜[4]のいずれかに記載の橋脚基礎構造。
[6]鋼製橋脚の下部を二重鋼管構造のフーチングの内側鋼管の軸方向に接合したことを特徴とする前記[5]に記載の橋脚基礎構造。
[7]杭とその外周に孔あき鋼板ジベルを設置した鋼矢板とを施工し、鋼矢板内部の土壌を掘削した後、孔あき鋼板ジベルにフックの付いた鉄筋を引っ掛けて鋼矢板同士を繋ぎ、フーチング設置面までコンクリートを充填し、その後、その上に二重鋼管構造のフーチングの外側鋼管及び内側鋼管を設置し、該フーチングの内側鋼管内に橋脚下部を挿入した後、前記鋼矢板とフーチングの外側鋼管の間、フーチングの外側鋼管と内側鋼管の間及び内側鋼管と橋脚下部の間、橋脚下部内部のそれぞれにコンクリートを充填することを特徴とする橋脚基礎施工方法。
[8]前記橋脚が鋼製橋脚であり、前記杭が鋼管杭であることを特徴とする前記[7]に記載の橋脚基礎施工方法。
[9]杭とその外周に孔あき鋼板ジベルを設置した鋼矢板とを施工し、鋼矢板内部の土壌を掘削した後、孔あき鋼板ジベルにフックの付いた鉄筋を引っ掛けて鋼矢板同士を繋ぎ、フーチング設置面までコンクリートを充填し、その後、その上に二重鋼管構造のフーチングの外側鋼管を設置し、該フーチングの外側鋼管内にフーチングの内側鋼管を兼ねた橋脚下部を挿入した後、前記鋼矢板とフーチングの外側鋼管の間、フーチングの外側鋼管と橋脚下部の間、橋脚下部内部のそれぞれにコンクリートを充填することを特徴とする橋脚基礎施工方法。
本発明においては、これまで仮設として用いられてきた矢板を本設として用いることで、基礎としての耐震性を向上させ、杭頭部の板厚も低減でき、フーチングも小さくすることができることに加えて、曲げモーメントが大きい橋脚基部を2重管構造とし、鋼矢板で囲まれたフーチングと一体構造とすることにより、コンパクトな構造によって橋構造全体の耐震性を向上させることができる。
本発明の一実施形態に係る橋脚基礎構造の概略図である。 本発明の一実施形態に係る橋脚基礎の施工手順1を示す図である。 本発明の一実施形態に係る橋脚基礎の施工手順2を示す図である。 本発明の一実施形態に係る橋脚基礎の施工手順3を示す図である。 本発明の一実施形態に係る橋脚基礎の施工手順4を示す図である。 本発明の一実施形態に係る橋脚基礎の施工手順5を示す図である。 本発明の一実施形態に係る橋脚基礎の施工手順6を示す図である。 本発明の一実施形態における二重鋼管構造のフーチングの詳細図である。 本発明の一実施形態における鋼矢板と孔あき鋼板ジベルとフック付き鉄筋の関係図である。 本発明の他の実施形態に係る橋脚基礎構造の概略図である。
本発明の一実施形態を述べる。
本発明の一実施形態においては、鋼管橋脚と複数本の鋼管杭とを、コンクリートを内部に充填した二重鋼管構造のフーチングにより一体化し、複数本の鋼管杭の上方を孔あき鋼板ジベルを設置した鋼矢板で囲み、鋼矢板に設置した孔あき鋼板ジベルにフックの付いた鉄筋を引っ掛けて鋼矢板同士を繋いだ後、鋼矢板内側にコンクリートを充填して鋼管杭と一体化するようにしている。鋼矢板に設置する孔あき鋼板ジベルは、鋼矢板の施工性を考慮して、孔あき鋼板ジベルの長さ方向を鋼矢板の長さ方向とする。
ここで、二重鋼管構造のフーチングは、コンクリート打設面に突起が付いた鋼管を用いることが望ましく、この突起は、鋼材の圧延時に付けたものでも、鋼管のコンクリート打設面に鉄筋やリング、スタッドジベルなどのずれ止めを設置したものでもよい。
さらに、フーチングの鋼管橋脚および鋼管杭への拘束力を高めるため、外側の鋼管の内側および内側の鋼管の外側に孔あき鋼板ジベルを設置し、外側鋼管と内側鋼管とを、孔あき鋼板ジベルにフックの付いた鉄筋を引っ掛けて繋いだ後、コンクリートを充填して一体化する。
なお、鋼管橋脚および鋼管杭をフーチング内に確実に定着させるためには、それぞれの外径の1.5倍の軸長をフーチング内に埋め込むことが望ましい。
上記の説明では、橋脚基礎が鋼管橋脚である場合を示したが、橋脚基礎はコンクリート製であってもよい。ただし、施工性向上の理由から鋼製橋脚とくに鋼管橋脚とすることが望ましい。鋼管で拘束されたコンクリート中にコンクリートを充填した鋼製橋脚を定着させる場合、鋼管がコンクリートの割裂を防止するため、定着部(フーチングとの接合部)の橋脚外面にずれ止めを設置しておけば、橋脚の周囲に鉄筋を設置することなく定着することが可能となり、配筋の手間が省略でき、かつコンクリート充填の施工管理を確実に行うことができる。
とくに、鋼製橋脚が鋼管橋脚である場合、鋼管橋脚径の1.5倍の長さの鋼管橋脚基部をコンクリート内に埋め込ませれば、強固に接合(定着)できることが知られている。その結果、橋脚基部がコンクリート製である場合よりも、フーチングの厚さを薄くすることができ、より経済性が向上する。
また、杭については、鋼管杭、既製コンクリート杭(鉄筋コンクリート杭(RC杭)、プレストレストコンクリート杭(PC杭)、高強度プレストレストコンクリート杭(PHC杭)、外殻鋼管付コンクリート杭(SC杭)等)のいずれでもよいが、前記の橋脚基礎(橋脚基部)を鋼製橋脚とすることが望ましい理由と同じく、施工性が良く、フーチングスペースのコンパクト化が可能な鋼管杭、SC杭、杭の杭頭部にのみジベル付き鋼管を被せた杭とすることが望ましい。
すなわち、以上の杭を用いることで、鋼管杭頭部を鋼管杭頭部径の1.5倍フーチング内に埋め込めば、強固に定着できる。また、前記条件を満たせばフーチングと杭とを接合するための鉄筋が不要となり、鉄筋の輻輳を防ぐことができ、施工性は向上する。とくに、拘束効果を十分発揮させるため、フーチング定着部(接合部)の鋼管内にはコンクリートを充填することが望ましい。
以下に、本発明の一実施形態を図面に基づいて詳しく説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る橋脚基礎構造の概略図である。図1中、3が鋼管橋脚、Fが二重鋼管構造のフーチング、1が鋼管杭、Gが地表面である。鋼管橋脚3および鋼管杭1は二重鋼管構造のフーチングF内で接合されており、二重鋼管構造のフーチングFおよび鋼管杭1の上方は鋼矢板2と鋼矢板2内に充填したコンクリート4により補強されている。
そして、図2〜7は、この実施形態に係る橋脚基礎構造の施工手順(施工Step)1〜6を示すものである。
(施工手順1)まず、図2(a)に杭を透過させた縦断面図、図2(b)に図2(a)のA−A断面図を示すように、地中に複数の鋼管杭(ここでは4本)1とその鋼管杭1を囲むように鋼矢板2を施工し、鋼矢板2で囲まれた井筒内の土壌8を掘削する。ここで、井筒内側面の鋼矢板2には孔あき鋼板ジベル5が設置されている。
(施工手順2)土壌掘削後、図3(a)に杭を透過させた縦断面図、図3(b)に図3(a)のA−A断面図を示すように、孔あき鋼板ジベル5の孔にフックの付いた鉄筋6を引っ掛けて鋼矢板2同士を繋ぐ。
(施工手順3)その後、図4(a)に杭を透過させた縦断面図、図4(b)に図4(a)のA−A断面図を示すように、コンクリート4を充填して二重鋼管のフーチングF設置区間を除く鋼管杭1上方と鋼矢板2下方とを一体化する。
(施工手順4)次に、図5(a)に杭を透過させた縦断面図、図5(b)に図5(a)のB−B断面図を示すように、充填したコンクリート4の上方に、全ての鋼管杭1の杭頭を内包するように二重鋼管のフーチングFを構成する外側鋼管7aを設置し、外側鋼管7aと同心円上に内側鋼管7bを設置する。このとき鋼管杭1は外側鋼管7aと内側鋼管7bとの間に位置する。そして、外側鋼管7aの内側には孔あき鋼板ジベル5a、内側鋼管7bの外側には孔あき鋼板ジベル5bが設置されており、相対する外側鋼管7aの孔あき鋼板ジベル5aと内側鋼管7bの鋼板ジベル5bとにフックの付いた鉄筋6を引っ掛けて両者を繋ぐ。
(施工手順5)次に、図6(a)に杭を透過させた縦断面図、図6(b)に図6(a)のB−B断面図を示すように、二重鋼管のフーチングFを構成する内側鋼管7bに鋼管橋脚3を建て込む。
(施工手順6)最後に、図7(a)に杭を透過させた縦断面図、図7(b)に図7(a)のB−B断面図を示すように、コンクリート4を二重鋼管のフーチングF内、鋼矢板2で囲まれた井筒内、および鋼管杭1内、ならびに鋼管橋脚3内に充填する。
図8は、この実施形態における二重鋼管構造のフーチングの詳細図であり、図8(a)は杭を透過させた縦断面図、図8(b)に図8(a)のB−B断面図である。充填コンクリートと一体化させるために、二重鋼管7a、7bのコンクリート打設面に突起9が設置されている。
図9は、この実施形態における鋼矢板2と孔あき鋼板ジベル5とフック付き鉄筋6の関係図であり、鋼矢板2同士は鋼矢板継手部2aにより嵌合されており、鋼矢板2に設置された孔あき鋼板ジベル5の孔にフックの付いた鉄筋6を引っ掛けている。フックの付いた鉄筋6は、施工性向上のため、および鉄筋の長さ調整のため継手6aで継いでいる。
ちなみに、この実施形態に係る橋脚基礎構造の諸元については、対象構造物とその規模に応じて種々異なるが、その一例を示せば、次の通りである。
鋼管橋脚3は外径2.5mで板厚25mm、二重鋼管構造のフーチングFの外側鋼管7aの外径は6.1mで板厚25mm、同内側鋼管7bの外径は3.1mで板厚25mm、4本の鋼管杭1は外径1.2mで板厚40mm、鋼矢板2の形状は幅900mm、高さ230mm、板厚10.8mmである。1辺当たり鋼矢板2を8枚繋げて矩形のフーチングFを取り囲む井筒を形成している。鋼矢板2および二重鋼管のフーチングFの鋼管7a、7bに設置する孔あき鋼板ジベル5、5a、5bは150mm×25mmの断面で、直径50mmの孔が200mmピッチで設けられている。鋼管7a、7bの突起9は高さ2.5mm、幅5mm、突起間隔35mmである。二重鋼管構造のフーチングFの厚さは3.8mで、フーチングF内に鋼管橋脚3が3.75m、鋼管杭1が1.8m埋め込まれている。フックの付いた鉄筋6の径は16mmであり、ネジ式継手によりフック部を取り付けることができる。コンクリート4は、二重鋼管7a、7bのフーチングF内、鋼矢板2で囲まれた井筒内、および鋼管杭1内、ならびに鋼管橋脚3内地上2mより下方に充填している。
上記のようにして、この実施形態においては、橋脚3と複数本の鋼管杭1とを、コンクリート4を内部に充填した二重鋼管構造のフーチングFにより一体化し、さらに複数本の鋼管杭1上方を鋼矢板2で囲み、鋼矢板2内側にコンクリート4を充填して、鋼矢板2を鋼管杭1と一体化するようにしているので、基礎部の水平荷重に対する剛性が向上するとともに、大きな曲げモーメントが作用する橋脚3下部とフーチングFの結合部が強固となり、橋脚3を含めた全体挙動として耐震性が向上する。また、大きな曲げモーメントが作用する基礎杭頭部においては、鋼管杭1の周囲のコンクリート4が鋼矢板2で拘束されコンクリート4のひび割れ分散性が向上するため、高い曲げ耐力が期待できる。この耐力の向上は、施工スペースのコンパクト化にも繋がる。橋脚3とフーチングFとの接合においては、フーチングコンクリート4の周囲を鋼管7a、7bで拘束し、コンクリート4の剥落を防止することにより、橋脚3および鋼管杭1とフーチングFとの間の抜出し抵抗力が上昇する。これにより、フーチングFの減厚が可能となる。なお、二重鋼管構造のフーチングFにおいて、コンクリート打設面に突起9が付いた鋼管を用いた場合、フーチングFの高さ方向のずれをより拘束することができる。また、外側鋼管7aの内側に設置した孔あき鋼板ジベル5aと内側鋼管7bの外側に設置した孔あき鋼板ジベル5bとを、孔あき鋼板ジベル5a、5bにフックの付いた鉄筋6を引っ掛けて繋いだ場合、鋼管7a、7bの円周方向の弾性変形がより拘束されるため、鋼管7a、7bの減厚が可能となる。
さらに、鋼矢板2に孔あき鋼板ジベル5を設置し、孔あき鋼板ジベル5にフックの付いた鉄筋6を引っ掛けて鋼矢板2同士を繋いだ上で鋼矢板2内側にコンクリートを打設するようにしているので、鋼矢板2内側のコンクリート4は、硬化後、鋼矢板2により拘束される。そのため、内側の鋼管杭1とコンクリート4とが強固に一体化されるばかりでなく、鋼矢板2に設置した孔あき鋼板ジベル5とフックの付いた鉄筋6とがずれ止めの役割を果たし、鋼矢板2も鋼管杭1、コンクリート4とともに基礎部に発生する曲げモーメントおよびせん断力に確実に抵抗する。また、土壌8への薬液注入の必要がないため、地下水汚染などの懸念も生じない。
しかも、橋脚3と鋼管杭1と鋼矢板2は直接相互に干渉せずコンクリート4を介して一体化されるため、施工誤差を吸収する余地がある。そのため、相互の接続に要する手間を省力化できるとともに、ミリ単位の施工精度を確保する必要がないため、施工期間の短縮が可能となる。また、鋼材同士の溶接量が減少するため、鋼部材の加工コストを縮減できる。
図10は本発明に係る橋脚基礎構造の他の実施形態を示す図であり、さきに示した図7に対応した図である。図10(a)は杭を透過させた縦断面図、図10(b)は図10(a)のB−B断面図である。
この実施形態では、図2〜図7に示した実施形態において、橋脚下部が二重鋼管構造のフーチングの内側鋼管を兼ねた構造となっている。この実施形態(構造)の場合、フーチングの鋼管が1つ減るため部材コストが縮減でき、経済性がさらに優れる。
1 鋼管杭
2 鋼矢板
2a 鋼矢板継手部
3 鋼管橋脚
4 コンクリート
5 孔あき鋼板ジベル
5a 孔あき鋼板ジベル
5b 孔あき鋼板ジベル
6 フックの付いた鉄筋
6a フックの付いた鉄筋の継手
7a 外側鋼管
7b 内側鋼管
8 土壌
9 突起
F フーチング
G 地表面

Claims (10)

  1. 橋脚基礎と複数の杭とを、コンクリートを内部に充填した二重鋼管構造のフーチングにより一体化し、前記複数の杭の上方を鋼矢板で囲み、該鋼矢板の内側にコンクリートを充填して、鋼矢板を杭と一体化し、
    前記二重鋼管構造のフーチングにおいて、外側の鋼管内側に設置した孔あき鋼板ジベルと内側鋼管の外側に設置した孔あき鋼板ジベルとを、前記孔あき鋼板ジベルにフックの付いた鉄筋を引っ掛けて繋いだことを特徴とする橋脚基礎構造。
  2. 橋脚基礎と複数の杭とを、コンクリートを内部に充填した二重鋼管構造のフーチングにより一体化し、前記複数の杭の上方を鋼矢板で囲み、該鋼矢板の内側にコンクリートを充填して、鋼矢板を杭と一体化し、
    前記鋼矢板に孔あき鋼板ジベルを設置し、孔あき鋼板ジベルにフックの付いた鉄筋を引っ掛けて鋼矢板同士を繋ぐことにより鋼矢板内側のコンクリートを拘束することを特徴とする橋脚基礎構造。
  3. 前記二重鋼管構造のフーチングにおいて、外側の鋼管内側に設置した孔あき鋼板ジベルと内側鋼管の外側に設置した孔あき鋼板ジベルとを、前記孔あき鋼板ジベルにフックの付いた鉄筋を引っ掛けて繋いだことを特徴とする請求項に記載の橋脚基礎構造。
  4. 前記橋脚が鋼製橋脚であり、前記杭が鋼管杭であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の橋脚基礎構造。
  5. 鋼製橋脚の下部を二重鋼管構造のフーチングの内側鋼管の軸方向に接合したことを特徴とする請求項に記載の橋脚基礎構造。
  6. 橋脚基礎と複数の杭とを、コンクリートを内部に充填した二重鋼管構造のフーチングにより一体化し、前記複数の杭の上方を鋼矢板で囲み、該鋼矢板の内側にコンクリートを充填して、鋼矢板を杭と一体化し、
    前記橋脚が鋼製橋脚であり、前記杭が鋼管杭であり、
    鋼製橋脚の下部を二重鋼管構造のフーチングの内側鋼管の軸方向に接合したことを特徴とする橋脚基礎構造。
  7. 前記二重鋼管構造のフーチングにおいて、コンクリート打設面に突起が付いた鋼管を用いたことを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれかに記載の橋脚基礎構造。
  8. 杭とその外周に孔あき鋼板ジベルを設置した鋼矢板とを施工し、鋼矢板内部の土壌を掘削した後、孔あき鋼板ジベルにフックの付いた鉄筋を引っ掛けて鋼矢板同士を繋ぎ、フーチング設置面までコンクリートを充填し、その後、その上に二重鋼管構造のフーチングの外側鋼管及び内側鋼管を設置し、該フーチングの内側鋼管内に橋脚下部を挿入した後、前記鋼矢板とフーチングの外側鋼管の間、フーチングの外側鋼管と内側鋼管の間及び内側鋼管と橋脚下部の間、橋脚下部内部のそれぞれにコンクリートを充填することを特徴とする橋脚基礎施工方法。
  9. 前記橋脚が鋼製橋脚であり、前記杭が鋼管杭であることを特徴とする請求項に記載の橋脚基礎施工方法。
  10. 杭とその外周に孔あき鋼板ジベルを設置した鋼矢板とを施工し、鋼矢板内部の土壌を掘削した後、孔あき鋼板ジベルにフックの付いた鉄筋を引っ掛けて鋼矢板同士を繋ぎ、フーチング設置面までコンクリートを充填し、その後、その上に二重鋼管構造のフーチングの外側鋼管を設置し、該フーチングの外側鋼管内にフーチングの内側鋼管を兼ねた橋脚下部を挿入した後、前記鋼矢板とフーチングの外側鋼管の間、フーチングの外側鋼管と橋脚下部の間、橋脚下部内部のそれぞれにコンクリートを充填することを特徴とする橋脚基礎施工方法。
JP2009064160A 2009-03-17 2009-03-17 橋脚基礎構造及び橋脚基礎施工方法 Active JP5267242B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009064160A JP5267242B2 (ja) 2009-03-17 2009-03-17 橋脚基礎構造及び橋脚基礎施工方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009064160A JP5267242B2 (ja) 2009-03-17 2009-03-17 橋脚基礎構造及び橋脚基礎施工方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010216150A JP2010216150A (ja) 2010-09-30
JP5267242B2 true JP5267242B2 (ja) 2013-08-21

Family

ID=42975263

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009064160A Active JP5267242B2 (ja) 2009-03-17 2009-03-17 橋脚基礎構造及び橋脚基礎施工方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5267242B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114808928B (zh) * 2022-06-10 2024-03-22 中国建筑第七工程局有限公司 一种装配式桩板结构连接节点及施工方法

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6157721A (ja) * 1984-08-28 1986-03-24 Nippon Steel Corp マルチパイルジヤケツト構造の水中基礎施工法
JPH1018310A (ja) * 1996-07-02 1998-01-20 Tokyu Constr Co Ltd 構造物の耐震補強方法
JP2000129696A (ja) * 1998-10-28 2000-05-09 Pacific Consultants Co Ltd 杭基礎工法及びこの工法で構築された杭基礎
JP2000290936A (ja) * 1999-04-12 2000-10-17 Shimizu Corp 橋脚フーチングの構築方法および橋脚フーチング構築用ケーソン
JP4705513B2 (ja) * 2006-05-09 2011-06-22 新日本製鐵株式会社 基礎構造
JP2008045370A (ja) * 2006-08-21 2008-02-28 Ihi Corp 鋼製橋脚と杭の定着方法及び装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010216150A (ja) 2010-09-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2006104747A (ja) 脚柱の接合部構造および接合方法
JP2010222870A (ja) ソイルセメントコラム山留壁
JP5976373B2 (ja) 杭基礎の補強構造および補強方法
JP2008223339A (ja) 中空杭の杭頭部強化方法及び杭頭部強化用補強材
JP2003232033A (ja) 基礎杭構造
KR20120030493A (ko) 기존 콘크리트 기초 구조물의 보강 공법 및 보강 구조
JP2004244955A (ja) 場所打ちコンクリート充填鋼管杭、場所打ちコンクリート充填鋼管杭の構築方法、及び構造物の基礎構造
KR101210368B1 (ko) 커플러와 볼트를 활용하여 가설 흙막이벽과 지하실 외벽을 일체화하는 공법
JP2006316495A (ja) 橋脚基礎構造とその施工方法
JP5456627B2 (ja) 杭と鉄骨柱との接合構造および接合方法
JP3831737B2 (ja) 鉄塔の基礎構造
JP5423134B2 (ja) 基礎構造
JP2010126900A (ja) 免震装置の取付工法
JP5267242B2 (ja) 橋脚基礎構造及び橋脚基礎施工方法
JP2016223208A (ja) 杭基礎構造
JP6461690B2 (ja) 基礎構造及び基礎施工方法
JP2004027727A (ja) 基礎杭、及び基礎杭の構築方法
JP4612422B2 (ja) 構造物の施工方法とこれに使用される基礎構造
JP3899307B2 (ja) 場所打ちコンクリート充填鋼管杭、及び場所打ちコンクリート充填鋼管杭の構築方法
JP4684479B2 (ja) 杭と杭頭構造物の接続部の構造
JP3963326B2 (ja) 橋脚の耐震補強構造及びその施工方法
KR200427561Y1 (ko) 복합 프리스트레스트 콘크리트 널말뚝
JP3832845B2 (ja) 鋼矢板併用式直接基礎、及び鋼矢板併用式直接基礎の施工方法
JP5439918B2 (ja) 橋脚基礎構造及びその施工方法
JP3082054B2 (ja) 大規模、大深度の鋼製連続地下壁及びその構築方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120223

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20120321

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20120327

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20121122

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121204

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130117

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130409

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130422

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 5267242

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250