JP4684479B2 - 杭と杭頭構造物の接続部の構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、杭と杭頭構造物を連結する接続部の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
杭を構築する場合に以下のようなケースが生じることがある。
<イ>設計レベルまで杭を埋設したが、目標とする支持力が得られなかったため、更に杭を深く埋設する場合。
<ロ>設計レベルまで杭を埋設したが、掘削時に重機等が接触してしまい、地表近くにて杭を折損又は破損した場合。
<ハ>人為的ミスにより、設計レベルより深いレベルにまで杭を埋設した場合。このような場合、従来、フーチングb1等のような杭頭構造物の平面形状以上の大きさで孔を杭aレベルまで掘削し、開口内底部で鉄筋及び型枠を組立て、設計時に予定をしていたフーチングb1を杭a頭レベルまで増設部b2として構築することにより杭aと接合していた。
また、打設した杭レベルの深度が設計されたレベルに比べて大き過ぎる場合には、当該杭周辺に増杭を行うことで対処し、当該杭は利用しない場合もある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記した従来の杭と杭頭構造物の接続部の構造にあっては、次のような問題点がある。
<イ>予定より杭頭構造物を伸長する為、杭に載荷される重量が大きくなり杭の最終耐力が減少する。
<ロ>杭頭構造物を伸長する分、当該構造物の平面形状を超える大きさで掘下げる必要がある。杭頭構造物の断面は杭断面より大きいので、大きな開口部が必要となる。また、杭頭部周辺まで掘削した孔の底部において鉄筋及び型枠を組み立てる必要がある為、杭頭レベルが低く又地下水位が高い場合には手間と費用がかかる。
<ハ>幾つかの杭頭構造物が地中梁等により連結されている場合には、当該接合部の剛性が他の接合部と比較して大きくなる為、地震力等の水平力が作用した場合には荷重が当該接合部に集中する可能性がある。
【0004】
【発明の目的】
本発明は上記したような従来の問題を解決するためになされたもので、杭本来の耐力の減少を最小限に抑えることができる杭と杭頭構造物の接続部の構造を提供することを目的とする。
特に本発明は、掘削土量を低減し、開口底部での鉄筋の組立て及び型枠組立作業を不要とした杭と杭頭構造物の接続部の構造を提供することを目的とする。
さらに、本発明は折損、破損した杭の耐力を本来の杭と同程度の剛性まで高め、確保する杭と杭頭構造物の接続部の構造を提供することを目的とする。
本発明は、これらの目的の少なくとも一つを達成するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記のような目的を達成するために、本発明の杭と杭頭構造物の接続部は、外殻となる補強管と、前記補強管の内部に充填するセメント系固化材と、前記補強管の内周であって杭側端部周辺に取付けた環状プレートと、前記補強管と杭との接合部及び前記補強管と杭頭構造物との接合部に各々設ける杭頭補強鉄筋と、からなり、前記環状プレートの内径は杭外径より大きく、前記補強管の外径は杭頭構造物の外形より小さいことを特徴としたものである。ここで、前記構成に、補強管に内接し杭の外径より大きい平鋼を曲げ加工したずれ止めを補強管内の両端部周辺に取付けることも可能である。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
【0007】
<イ>全体の構成
外殻となる補強管1と、補強管1の内部に充填するセメント系固化材13と、補強管1の内周であって杭3側端部周辺に取付けた環状プレート11とで構成する。環状プレート11の内径は杭3の外径より大きく、補強管1の外径は杭頭構造物2の外形より小さい。
【0008】
<ロ>補強管
補強管1は、杭頭構造物2と杭3の接続部の外殻をなす筒状物である。
補強管1には、例えば鋼管等が使用できる。
補強管1の内径は、杭3の外径より大きくし、杭3との間隙にセメント系固化材13を充填できる程度の径を確保することとし、耐力を確保する範囲内でできるだけ小さくするのが好ましい。
地下水位の変動等で著しい腐食環境下にある場合は、腐食分を見込んだ鋼管の肉厚とするか又は防蝕処理することが好ましい。
【0009】
<ハ>セメント系固化材
セメント系固化材13は、補強管1内部に充填する充填材である。
例えば、コンクリート、モルタル、ソイルセメント等を使用する。
杭頭構造物2から作用する力を杭3へ確実に伝達させるため、補強管1及び杭3頭内部にセメント系固化材13を充填して、両者を一体化させる。
【0010】
<ニ>環状プレート
環状プレート11は、その内径が杭3の外径より大きく補強管1に内接した環形状のプレートである。環状プレート11は、補強管1の一方の端部周辺に取付けて構成する。
例えば、曲げ加工した環状の平鋼などが使用できる。
環状プレート11は、補強管1の先端部の補強、杭3挿入時のスペーサー及びセメント系固化材13充填時の漏れ防止を目的とするものである。
【0011】
<ホ>ずれ止め
ずれ止め12は、補強管1に内接しその内径が杭3の外径より大きい形状をした環状のプレートである。ずれ止め12を補強管1の両端部周辺の内面に取付けることが可能である。
例えば、曲げ加工した環状の平鋼などが使用できる。
ずれ止め12は、補強管1に伝わる外力をセメント系固化材13を介して補強管1内面に確実に伝達することを目的として取り付ける。
【0012】
<ヘ>杭頭補強鉄筋
杭頭補強鉄筋14,15は、主筋を平行に環状又は多角状に配置し、帯筋を主筋に対し直角に結び合わせた筒形状とする。
杭頭補強鉄筋14、15を構成する鉄筋は、発生する断面力により必要な鉄筋径及び本数とする。
杭頭補強鉄筋14は、補強管1内に挿入可能な大きさとする。ここで、補強管1の杭頭構造物2内への挿入長が長い場合は、杭頭補強鉄筋14を省略することができる。
杭頭補強鉄筋15は、杭3内へ挿入可能な大きさとする。ここで、杭3の補強管1内への挿入長が長い場合は、杭頭補強鉄筋15を省略することができる。
【0013】
<ト>本発明の施工方法
埋設した杭3頭周辺のレベルまで、補強管1の環状プレート11を設置した側が底になるように補強管1を挿入する。これにより、杭3頭部周辺は、補強管1で覆われる。
杭頭補強鉄筋15を杭3と補強管1との結合部に、埋設する長さが均等になるように設置する。
また、杭頭補強鉄筋14を杭頭構造物2と補強管1との結合部に、埋設する長さが均等になるように設置する。
セメント系固化材13を杭3頭部及び補強管1内に充填し、固化させる。
ここで、一体化して固化することが困難な場合には、杭3に杭頭補強鉄筋15を設置して中詰めコンクリート16を先に施工することもできる。
その後、補強管1の上端部に結合するように杭頭構造物2を構築する。
【0014】
【発明の効果】
本発明の杭と杭頭構造物の接続部の構造は、以上説明したように次のような効果を得ることができる。
<イ>自重を大幅に小さくすることができるため、杭の最終耐力の減少を最小限に抑えることができる。
<ロ>剛性が本来の杭に近いものとなるため、いくつかの杭頭構造物が地中梁等により連結されている場合の水平荷重の集中を最小限に抑えることができる。
<ハ>補強管を埋設し、セメント系固化材を充填するという簡単な作業により構築できる。このため、掘削土量の減少及び鉄筋組立て及び型枠組立作業の不必要により、経済的に最小限に抑えることができる。
<ニ>外的要因等により本来の目的を達し得ない構造となった杭を再利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の杭と杭頭構造物の接続部の構造の実施例の断面図。
【図2】図1のA−A矢視断面図。
【図3】従来の杭と杭頭構造物の接続部の構造の実施例の断面図。
【符号の説明】
1・・・補強管
11・・環状プレート
13・・セメント系固化材
2・・・杭頭構造物
3・・・杭
Claims (1)
- 外殻となる補強管と、
前記補強管の内部に充填するセメント系固化材と、
前記補強管の内周であって杭側端部周辺に取付けた環状プレートと、
前記補強管と杭との接合部及び前記補強管と杭頭構造物との接合部に各々設ける杭頭補強鉄筋と、からなり、
前記環状プレートの内径は杭外径より大きく、
前記補強管の外径は杭頭構造物の外形より小さいことを特徴とする、
杭と杭頭構造物の接続部の構造。
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