JP4672307B2 - 電解コンデンサ用電解液およびそれを用いた電解コンデンサ - Google Patents

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Description

本発明は、電解コンデンサに使用する電解液に関するものである。
従来、アルミニウム電解コンデンサ用の電解液としては、マレイン酸またはシトラコン酸の第4級アンモニウム塩を電解質とした電解液(例えば特許文献1)、アルキル置換アミジン基を有する化合物の4級化物のカルボン酸塩を電解質とする、いわゆるアミジン系電解液(例えば特許文献2)などが知られている。
米国特許第4715976号公報(第1頁) WO95/15572号公報(第1頁)
しかし、特許文献1などに開示されているマレイン酸またはシトラコン酸の第4級アンモニウム塩を電解質とした電解液は、初期比電導度特性には優れるものの、マレイン酸またはシトラコン酸が高温下で異性化するため、比電導度低下率が大きいという課題を有する。
また、特許文献2に開示されている、アルキル置換アミジン基を有する化合物の4級化物のカルボン酸塩を電解質とするアミジン系電解液では、初期比電導度特性が充分ではないという課題を有する。
すなわち、本発明の課題は、初期比電導度特性に優れ、高温下での比電導度変化率が小さい電解液を提供することにある。
本発明者等は上記問題を解決するべく鋭意検討した結果、本発明に至った。すなわち、3,6−ジフルオロフタル酸、3,6−ジクロロフタル酸、又は3,6−ジブロモフタル酸である多価カルボン酸(F)のアニオン(F1)とオニウムカチオン(B)からなる電解質(G)および有機溶媒(D)からなる電解液(H)であって、該多価カルボン酸(F)のpKaが1.8以下であることを特徴とする電解コンデンサ用電解液、および該電解液を用いた電解コンデンサである。

本発明の電解液は、初期比電導度特性に優れ、高温下での比電導度変化率が小さい電解液を提供することができる。
本出願の第1発明である、上記モノカルボン酸(A)のpKaは、1.8以下であり、好ましくは1.5以下であり、好ましくは−3以上、さらに好ましくは−1以上である。pKaが1.8より大きいカルボン酸を電解質に用いた電解液は、アニオンの解離が不十分であり、初期比電導度特性を充分に満足しない。
上記モノカルボン酸(A)のアニオン(A1)は、上記一般式(1)で示されるモノカルボン酸のアニオンである。
上記モノカルボン酸(A)のアニオン(A1)はカルボキシル基と上記置換基Xの間に分子内水素結合を有するか、またはXが電子吸引基であることから、アニオンの解離が十分となり、初期比電導度特性に優れる。また、A1およびA2に電子吸引性の置換基を有する場合、特にその効果は顕著となる。また、この構造のアニオンはマレイン酸やシトラコン酸の様な異性化による比電導度の低下が少ない。
上記Xは、アニオンの解離の観点から、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン基が好ましく、上記A1およびA2は、アニオンの解離の観点から、少なくとも1種の基がハロゲン基、ニトロ基を表すか、または、相互に結合して1個以上の環を形成し、該環の残基がニトロ基、シアノ基、ハロゲン基、エーテル基を有する炭素数1〜5の2価の飽和または不飽和の炭化水素基であることが好ましい。
上記2価の炭化水素基としては、直鎖もしくは分岐のアルキレン基、例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基などが挙げられ、アルケニレン基、例えばビニレン基、プロペニレン基などが挙げられ、芳香環を形成するジエン基などが挙げられる。
エーテル基を有する炭化水素基は、ジメチレンエーテル基、エチレンメチレンエーテル基、ジエチレンエーテル基、ジビニレンエーテル基、ジプロピニレンエーテル基、ビニレンプロピニレンエーテル基、メチレンビニレンエーテル基、エチレンビニレンエーテル基、などが挙げられる。
上記カルボン酸(A)の例としては、以下のものが挙げられる。
[1]芳香環を有するカルボン酸
2−フルオロ−6−ニトロ−安息香酸、2−クロロ−6−ニトロ−安息香酸、2−ブロモ−6−ニトロ−安息香酸、2,4−ジニトロ安息香酸、2,5−ジニトロ安息香酸、2,6−ジニトロ安息香酸、2,4,6−トリフルオロ安息香酸、2,4,6−トリクロロ安息香酸、2,4,6−トリブロモ安息香酸、2,4,6−トリニトロ安息香酸、2,4,6−トリシアノ安息香酸など。
[2]芳香環を有しないカルボン酸
トリフルオロプロペン酸(一般式(1)において、X、A1およびA2がフルオロ原子である化合物)、トリクロロプロペン酸(一般式(1)において、X、A1およびA2がクロロである化合物)、トリブロモプロペン酸(一般式(1)において、X、A1およびA2がブロモである化合物)など。
この内、初期比電導度が高いという観点から2−フルオロ−6−ニトロ−安息香酸、2−クロロ−6−ニトロ−安息香酸、2−ブロモ−6−ニトロ−安息香酸が好ましい。
本出願の第2発明である、上記多価カルボン酸(F)のpKaは、1.8以下であり、好ましくは1.5以下であり、好ましくは−3以上、さらに好ましくは−1以上である。pKaが1.8より大きいカルボン酸を電解質に用いた電解液は、アニオンの解離が不十分であり、初期比電導度特性を充分に満足しない。
上記多価カルボン酸(F)のアニオン(F1)は上記一般式(2)で示される多価カルボン酸アニオンである。
上記モノカルボン酸(F)のアニオン(F1)はカルボキシル基と上記置換基A3およびA4の間に分子内水素結合を有するか、またはA3およびA4が電子吸引基であることから、アニオンの解離が十分となり、初期比電導度特性に優れる。また、この構造のアニオンはマレイン酸やシトラコン酸の様な異性化による比電導度の低下が少ない。
上記A3およびA4は、水酸基、カルボキシル基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子からなる群より選ばれる少なくとも1種の基が好ましく、少なくとも1種の基が水酸基、カルボキシル基であることがさらに好ましい。
上記2価の炭化水素基としては、直鎖もしくは分岐のアルキレン基、例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基などが挙げられ、アルケニレン基、例えばビニレン基、プロペニレン基などが挙げられ、芳香環を形成するジエン基などが挙げられる。
上記カルボン酸(F)の例としては以下のものが挙げられる。
[1]芳香環を有するカルボン酸
4−フルオロ−1,2−フタル酸、4−クロロ−1,2−フタル酸、4−ブロモ−1,2−フタル酸、3,6−ジフルオロフタル酸、3,6−ジクロロフタル酸、3,6−ジブロモフタル酸など。
[2]芳香環を有しないカルボン酸
ジヒドロキシマレイン酸(一般式(2)において、A3およびA4は水酸基)、ヒドロキシエテントリカルボン酸(一般(2)において、A3はカルボキシル基、A4は水酸基)、エテンテトラカルボン酸(一般式(2)において、A3およびA4はカルボキシル基)、ヒドロキシメチルマレイン酸(一般式(2)において、、A3はメチル基、A4は水酸基)、ジニトロマレイン酸(一般式(2)において、A3およびA4はニトロ基)、ジシアノマレイン酸(一般式(2)において、A3およびA4はシアノ基)など。
この内、初期比電導度が高いという観点からジヒドロキシマレイン酸、ヒドロキシメチルマレイン酸、3,6−ジフルオロフタル酸、3,6−ジクロロフタル酸、3,6−ジブロモフタル酸が好ましい。
本願の第1発明および第2発明において、電解質(C)または電解質(G)を構成するオニウムカチオン(B)はアミジニウムカチオン(B1)、グアニジウムカチオン(B2)、が好ましく、さらに好ましくは環状アミジニウムカチオンおよび環状グアニジウムカチオンである。
また、上記環状アミジニウムカチオンおよび上記環状グアニジウムカチオンのうち、5員環および6員環であるものが特に好ましい。
アミジニウムカチオン(B1)の例としては、下記のものが挙げられる。
[1]イミダゾリニウム
1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム、1,3,4−トリメチル−2−エチルイミダゾリニウム、1,3−ジメチル−2,4−ジエチルイミダゾリニウム、1,2−ジメチル−3,4−ジエチルイミダゾリニウム、1−メチル−2,3,4−トリエチルイミダゾリニウム、1,2,3,4−テトラエチルイミダゾリニウム、1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、1,3−ジメチル−2−エチルイミダゾリニウム、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム、1,2,3−トリエチルイミダゾリニウム、4−シアノ−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、3−シアノメチル−1,2−ジメチルイミダゾリニウム、2−シアノメチル−1,3−ジメチルイミダゾリニウム、4−アセチル−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、3−アセチルメチル−1,2−ジメチルイミダゾリニウム、4−メチルカルボオキシメチル−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、3−メチルカルボオキシメチル−1,2−ジメチルイミダゾリニウム、4−メトキシ−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、3−メトキシメチル−1,2−ジメチルイミダゾリニウム、4−ホルミル−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、3−ホルミルメチル−1,2−ジメチルイミダゾリニウム、3−ヒドロキシエチル−1,2−ジメチルイミダゾリニウム、4−ヒドロキシメチル−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、2−ヒドロキシエチル−1,3−ジメチルイミダゾリニウムなど。
[2]イミダゾリウム類
1,3−ジメチルイミダゾリウム、1,3−ジエチルイミダゾリウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリウム、1,3−ジメチル−2−エチルイミダゾリウム、1,2−ジメチル−3−エチル−イミダゾリウム、1,2,3−トリエチルイミダゾリウム、1,2,3,4−テトラエチルイミダゾリウム、1,3−ジメチル−2−フェニルイミダゾリウム、1,3−ジメチル−2−ベンジルイミダゾリウム、1−ベンジル−2,3−ジメチル−イミダゾリウム、4−シアノ−1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、3−シアノメチル−1,2−ジメ
チルイミダゾリウム、2−シアノメチル−1,3−ジメチル−イミダゾリウム、4−アセチル−1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、3−アセチルメチル−1,2−ジメチルイミダゾリウム、4−メチルカルボオキシメチル−1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、3−メチルカルボオキシメチル−1,2−ジメチルイミダゾリウム、4−メトキシ−1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、3−メトキシメチル−1,2−ジメチルイミダゾリウム、4−ホルミル−1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、3−ホルミルメチル−1,2−ジメチルイミダゾリウム、3−ヒドロキシエチル−1,2−ジメチルイミダゾリウム、4−ヒドロキシメチル−1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、2−ヒドロキシエチル−1,3−ジメチルイミダゾリウム
[3]テトラヒドロピリミジニウム類
1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1,2,3−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1,2,3,4−テトラメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1,2,3,5−テトラメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、8−メチル
−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウム、5−メチル−1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]−5−ノネニウム、4−シアノ−1,2,3−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、3−シアノメチル−1,2−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−シアノメチル−1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、4−アセチル−1,2,3−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、3−アセチルメチル−1,2−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、4−メチルカルボオキシメチル−1,2,3−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、3−メチルカルボオキシメチル−1,2−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、4−メトキシ−1,2,3−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、3−メトキシメチル−1,2−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、4−ホルミル−1,2,3−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、3−ホルミルメチル−1,2−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、3−ヒドロキシエチル−1,2−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、4−ヒドロキシメチル−1,2,3−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ヒドロキシエチル−1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムなど。
[4]ジヒドロピリミジニウム類
1,3−ジメチル−1,4−もしくは−1,6−ジヒドロピリミジニウム、[これらを1,3−ジメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウムと表記し、以下同様の表現を用いる。]1,2,3−トリメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、1,2,3,4−テトラメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、1,2,3,5−テトラメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、8−メチル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7,9(10)−ウンデカジエニウム、5−メチル−1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]−5,7(8)−ノナジエニウム、4−シアノ−1,2,3−トリメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、3−シアノメチル−1,2−ジメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−シアノメチル−1,3−ジメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、4−アセチル−1,2,3−トリメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、3−アセチルメチル−1,2−ジメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、4−メチルカルボオキシメチル−1,2,3−トリメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、3−メチルカルボオキシメチル−1,2−ジメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、4−メトキシ−1,2,3−トリメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、3−メトキシメチル−1,2−ジメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、4−ホルミル−1,2,3−トリメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、3−ホルミルメチル−1,2−ジメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、3−ヒドロキシエチル−1,2−ジメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、4−ヒドロキシメチル−1,2,3−トリメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ヒドロキシエチル−1,3−ジメチル−1,4(6)−ヒドロピリミジニウムなど。
グアニジウムカチオン(B2)の例としては、下記のものが挙げられる。
[1]イミダゾリニウム骨格を有するグアニジニウム類
2−ジメチルアミノ−1,3,4−トリメチルイミダゾリニウム、2−ジエチルアミノ−1,3,4−トリメチルイミダゾリニウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチル−4−エチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−1−メチル−3,4−ジエチルイミダゾリニウム、2−ジエチルアミノ−1−メチル−3,4−ジエチルイミダゾリニウム、2−ジエチルアミノ−1,3,4−テトラエチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−1,3−ジメチルイミダゾリニウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−1−エチル−3−メチルイミダゾリニウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジエチルイミダゾリニウム、1,5,6,7−テトラヒドロ−1,2−ジメチル−2H−イミド[1,2a]イミダゾリニウム、1,5−ジヒドロ−1,2−ジメチル−2H−イミド[1,2a]イミダゾリニウム、1,5,6,7−テトラヒドロ−1,2−ジメチル−2H−ピリミド[1,2a]イミダゾリニウム、1,5−ジヒドロ−1,2−ジメチル−2H−ピリミド[1,2a]イミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−4−シアノ−1,3−ジメチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−3−シアノメチル−1−メチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−4−アセチル−1,3−ジメチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−3−アセチルメチル−1−メチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−4−メチルカルボオキシメチル−1,3−ジメチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−3−メチルカルボオキシメチル−1−メチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−4−メトキシ−1,3−ジメチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−3−メトキシメチル−1−メチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−4−ホルミル−1,3−ジメチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−3−ホルミルメチル−1−メチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−3−ヒドロキシエチル−1−メチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−4−ヒドロキシメチル−1,3−ジメチルイミダゾリニウムなど。
[2]イミダゾリウム骨格を有するグアニジニウム類
2−ジメチルアミノ−1,3,4−トリメチルイミダゾリウム、2−ジエチルアミノ−1,3,4−トリメチルイミダゾリウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチル−4−エチルイミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−1−メチル−3,4−ジエチルイミダゾリウム、2−ジエチルアミノ−1−メチル−3,4−ジエチルイミダゾリウム、2−ジエチルアミノ−1,3,4−テトラエチルイミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−1,3−ジメチルイミダゾリウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチルイミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジエチルイミダゾリウム、1,5,6,7−テトラヒドロ−1,2−ジメチル−2H−イミド[1,2a]イミダゾリウム、1,5−ジヒドロ−1,2−ジメチル−2H−イミド[1,2a]イミダゾリウム、1,5,6,7−テトラヒドロ−1,2−ジメチル−2H−ピリミド[1,2a]イミダゾリウム、1,5−ジヒドロ−1,2−ジメチル−2H−ピリミド[1,2a]イミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−4−シアノ−1,3−ジメチルイミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−3−シアノメチル−1−メチルイミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−4−アセチル−1,3−ジメチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−3−アセチルメチル−1−メチルイミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−4−メチルカルボオキシメチル−1,3−ジメチルイミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−3−メチルカルボオキシメチル−1−メチルイミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−4−メトキシ−1,3−ジメチルイミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−3−メトキシメチル−1−メチルイミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−4−ホルミル−1,3−ジメチルイミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−3−ホルミルメチル−1−メチルイミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−3−ヒドロキシエチル−1−メチルイミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−4−ヒドロキシメチル−1,3−ジメチルイミダゾリウムなど。
[3]テトラヒドロピリミジニウム骨格を有するグアニジニウム類
2−ジメチルアミノ−1,3,4−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3,4−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチル−4−エチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−1−メチル−3,4−ジエチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1−メチル−3,4−ジエチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3,4−テトラエチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−1−エチル−3−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジエチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1,3,4,6,7,8−ヘキサヒドロ−1,2−ジメチル−2H−イミド[1,2a]ピリミジニウム、1,3,4,6−テトラヒドロ−1,2−ジメチル−2H−イミド[1,2a]ピリミジニウム、1,3,4,6,7,8−ヘキサヒドロ−1,2−ジメチル−2H−ピリミド[1,2a]ピリミジニウム、1,3,4,6−テトラヒドロ−1,2−ジメチル−2H−ピリミド[1,2a]ピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−4−シアノ−1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−3−シアノメチル−1−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、、2−ジメチルアミノ−4−アセチル−1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−3−アセチルメチル−1−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−4−メチルカルボオキシメチル−1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−3−メチルカルボオキシメチル−1−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−4−メトキシ−1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−3−メトキシメチル−1−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−4−ホルミル−1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−3−ホルミルメチル−1−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−3−ヒドロキシエチル−1−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−4−ヒドロキシメチル−1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムなど。
[4]ジヒドロピリミジニウム骨格を有するグアニジニウム類
2−ジメチルアミノ−1,3,4−トリメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3,4−トリメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチル−4−エチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−1−メチル−3,4−ジエチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1−メチル−3,4−ジエチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3,4−テトラエチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−1,3−ジメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−1−エチル−3−メチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジエチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、1,6,7,8−テトラヒドロ−1,2−ジメチル−2H−イミド[1,2a]ピリミジニウム、1,6−ジヒドロ−1,2−ジメチル−2H−イミド[1,2a]ピリミジニウム、1,6,7,8−テトラヒドロ−1,2−ジメチル−2H−ピリミド[1,2a]ピリミジニウム、1,6−ジヒドロ−1,2−ジメチル−2H−ピリミド[1,2a]ピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−4−シアノ−1,3−ジメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−3−シアノメチル−1−メチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−4−アセチル−1,3−ジメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−3−アセチルメチル−1−メチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−4−メチルカルボオキシメチル−1,3−ジメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−3−メチルカルボオキシメチル−1−メチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−4−メトキシ−1,3−ジメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−3−メトキシメチル−1−メチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−4−ホルミル−1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−3−ホルミルメチル−1−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−3−ヒドロキシエチル−1−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−4−ヒドロキシメチル−1,3−ジメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウムなど。
なお、上記アミジニウムカチオン(B1)、グアニジウムカチオン(B2)は一種または二種以上を併用してもよい。
上記(B1)および(B2)のうち、最も好ましくは、1−エチル-3−メチル−イミダゾリウムカチオン、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウムカチオン、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウムカチオンである。
第1発明において電解質(C)を形成する該カルボン酸(A)のモル数を該オニウムカチオン(B)のモル数で除した数値(以下酸塩基比と記載)は、初期比電導度特性の観点から、0.90以上1.1以下が好ましく、0.95以上1.05以下であることがより好ましく、0.97以上1.02以下がさらに好ましい。
第2発明において電解質(G)を形成する該多価カルボン酸(F)のモル数を該オニウムカチオン(B)のモル数で除した数値(以下酸塩基比と記載)は、初期比電導度特性の観点から、0.90以上1.1以下が好ましく、0.95以上1.05以下であることがより好ましく、0.97以上1.02以下がさらに好ましい。
第1発明および第2発明において、有機溶媒(D)の具体例は以下のとおりであり、2種以上を併用することもできる。このうち、好ましいのは、ラクトン類、エーテル類、スルホキシド類からなる群より選ばれる少なくとも1種を主体とする溶媒であり、さらに好ましくは、γ−ブチロラクトン、スルホランおよびエチレングリコールからなる群より選ばれる少なくとも1種を主体とする溶媒であり、最も好ましくは、γ−ブチロラクトンを主体とする溶媒である。(D)中におけるラクトン類およびγ−ブチロラクトンの含有量は、好ましくは50〜100重量%、さらに好ましくは80〜100重量%である。
(1)アルコール類
1価アルコール(メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、ジアセトンアルコール、ベンジルアルコール、アミノアルコール、フルフリルアルコールなど)、2価アルコール(エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ヘキシレングリコールなど)、3価アルコール(グリセリンなど)、4価以上のアルコール(ヘキシトールなど)など;
(2)エーテル類
モノエーテル(エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、テトラヒドロフラン、3−メチルテトラヒドロフランなど)、ジエーテル(エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテルなど)など;
(3)アミド類
ホルムアミド類(N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−エチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミドなど)、アセトアミド類(N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−エチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミドなど)、プロピオンアミド類(N,N−ジメチルプロピオンアミドなど)、ピロリドン類(N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドンなど)、ヘキサメチルホスホリルアミドなど;
(4)オキサゾリジノン類
N−メチル−2−オキサゾリジノン、3,5−ジメチル−2−オキサゾリジノンなど;
(5)ラクトン類
γ−ブチロラクトン、α−アセチル−γ−ブチロラクトン、β−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトンなど;
(6)ニトリル類
アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、アクリロニトリル、メタクリルニトリル、ベンゾニトリルなど;
(7)カーボネート類
エチレンカーボネート、プロピオンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートなど;
(8)スルホキシド類
ジメチルスルホキシド、スルホラン、3−メチルスルホラン、2,4−ジメチルスルホランなど;
(9)ケトン系溶剤:
アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、アセトフェノン、シクロヘキサノン、シクロペンタノンなど。
(10)その他の有機溶剤
1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルピロリドン、芳香族系溶剤(トルエン、キシレンなど)パラフィン系溶剤(ノルマルパラフィン、イソパラフィンなど)など;
第1発明および第2発明において、電解液には必要により、電解液に通常用いられる種々の添加剤を添加することができる。該添加剤としては、リン酸誘導体(例えば、リン酸、リン酸エステルなど)、ホウ酸誘導体(例えば、ホウ酸、ホウ酸と多糖類〔マンニット、ソルビットなど〕との錯化合物、ホウ酸と多価アルコール〔エチレングリコール、グリセリンなど〕との錯化合物など)、ニトロ化合物(例えば、o−ニトロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、m−ニトロ安息香酸、o−ニトロフェノール、p−ニトロフェノールなど)などを挙げることができる。その合計添加量は、電気伝導度と電解液への溶解度の観点から、電解質(C)または電解質(G)に対して好ましくは20重量%以下、さらに好ましくは0.01〜10重量%である。
第1発明において、電解質(C)の含量は比電導度と電解液溶剤への溶解度の観点から電解液(E)の重量に基づいて、好ましくは5〜70重量%、さらに好ましくは10〜50重量%、最も好ましくは25〜50重量%である。
第2発明において、電解質(G)の含量は比電導度と電解液溶剤への溶解度の観点から電解液(H)の重量に基づいて、好ましくは5〜70重量%、さらに好ましくは10〜50重量%、最も好ましくは25〜50重量%である。
本発明の電解液に、水を電解液重量に対して2〜8重量%添加すると初期比電導度が向上し好ましい。水の添加量は、5〜8重量%がさらに好ましい。
本発明における電解液は、電解コンデンサに用いられる。上記電解コンデンサとしては特に限定されず、例えば、巻き取り形のアルミ電解コンデンサにおける、表面に酸化アルミニウム箔と陰極アルミニウム箔をその間にセパレータを介在させて捲回することにより構成されたコンデンサ素子等であってよく、この素子に、本発明の電解液を駆動用電解液として含浸し、前記コンデンサ素子を、例えば、有底筒状のアルミニウムケースに収納した後、アルミニウムケースの開口部を封口剤で密閉してアルミニウム電解コンデンサを構成することができる。
次に本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
ジメチルカーボネート(0.2mol)を74重量%含有するメタノール溶液に2,4−ジメチルイミダゾリン(0.1mol)を滴下して、120℃で15時間攪拌することで、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウムメチルカーボネート塩を生成した。
アセチレンジカルボン酸ジメチル(0.1mol)と水酸化ナトリウム(1mol)を含有する水溶液に、氷浴下でトリエチルアミン(0.2mol)を滴下することで、ジヒドロキシマレイン酸ジメチル含有水溶液を得た。ジヒドロキシマレイン酸メチル含有水溶液を、40℃で12時間撹拌し、pH2となるまで塩酸水溶液を滴下し、ジヒドロキシマレイン酸[一般式(2)において、A3,A4は水酸基]を得た。ジヒドロキシマレイン酸のpKaは、0.01mol/L水溶液(25℃)で1.1であった。
ジヒドロキシマレイン酸(0.1mol)を1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウムメチルカーボネート塩溶液に加えることで塩交換反応を行い、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウムジヒドロキシマレイン酸モノアニオン塩溶液を得た。上記溶液を1.0kPa以下の減圧度で110℃加熱蒸留し、溶媒のメタノールを除去することで、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウムジヒドロキシマレイン酸モノアニオン塩を得た。酸塩基比は1.00、収率は99%であった。
1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウムジヒドロキシマレイン酸モノアニオン塩を電解液重量に対して濃度35重量%となるようにγ−ブチロラクトンで希釈することで電解液を得た。電解液の水分は0.2重量%であった。
実施例1で得た1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウムジヒドロキシマレイン酸モノアニオン塩にγ−ブチロラクトンおよび水を加えて電解液を調製した。該電解液重量に対し、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウムジヒドロキシマレイン酸モノアニオン塩35重量%、水5重量%であった。
ジメチルカーボネート(0.2mol)を74重量%含有するメタノール溶液に2,4−ジメチルイミダゾリン(0.1mol)を滴下して、120℃で15時間攪拌することで、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウムメチルカーボネート塩を生成した。
2−ブロモ−6−ニトロ−安息香酸(0.1mol)を1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウムメチルカーボネート塩溶液に加えることで塩交換反応を行い、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム2−ブロモ−6−ニトロ−安息香酸モノアニオン塩溶液を得た。上記溶液を1.0kPa以下の減圧度で110℃加熱蒸留し、溶媒のメタノールを除去することで、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム2−ブロモ−6−ニトロ−安息香酸モノアニオン塩を得た。酸塩基比は1.00、収率は99%であった。
1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム2−ブロモ−6−ニトロ−安息香酸モノアニオン塩にγ−ブチロラクトンおよび水を加えて電解液を調製した。該電解液重量に対し、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム2−ブロモ−6−ニトロ−安息香酸モノアニオン塩35重量%、水5重量%であった。2−ブロモ−6−ニトロ−安息香酸のpKaは、0.01mol/L水溶液(25℃)で1.37であった。
ジメチルカーボネート(0.2mol)を74重量%含有するメタノール溶液に2,4−ジメチルイミダゾリン(0.1mol)を滴下して、120℃で15時間攪拌することで、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウムメチルカーボネート塩を生成した。
3,6−ジクロロフタル酸(0.1mol)を1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウムメチルカーボネート塩溶液に加えることで塩交換反応を行い、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム3,6−ジクロロフタル酸モノアニオン塩溶液を得た。上記溶液を1.0kPa以下の減圧度で110℃加熱蒸留し、溶媒のメタノールを除去することで、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム3,6−ジクロロフタル酸モノアニオン塩を得た。酸塩基比は1.00、収率は99%であった。
1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム3,6−ジクロロフタル酸モノアニオン塩にγ−ブチロラクトンおよび水を加えて電解液を調製した。該電解液重量に対し、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム3,6−ジクロロフタル酸モノアニオン塩35重量%、水5重量%であった。3,6−ジクロロフタル酸のpKaは、0.01mol/L水溶液(25℃)で1.43であった。
<比較例1>
ジメチルカーボネート(0.2mol)を74重量%含有するメタノール溶液に2,4−ジメチルイミダゾリン(0.1mol)を滴下して、120℃で15時間攪拌することで、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウムメチルカーボネート塩を生成した。
マレイン酸(0.1mol)を1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウムメチルカーボネート塩溶液に加えることで塩交換反応を行い、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウムマレイン酸モノアニオン塩溶液を得た。上記溶液を1.0kPa以下の減圧度で110℃加熱蒸留し、溶媒のメタノールを除去することで、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウムマレイン酸モノアニオン塩を得た。収率は99%であった。
1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウムマレイン酸モノアニオン塩をγ−ブチロラクトンで35重量%に希釈することで電解液を得た。電解液の水分は0.2重量%であった。マレイン酸のpKaは、0.01mol/L水溶液(25℃)で1.91であった。
<比較例2>
比較例1で得た1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウムマレイン酸モノアニオン塩にγ−ブチロラクトンおよび水を加えて電解液を調製した。該電解液重量に対し、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウムマレイン酸モノアニオン塩35重量%、水5重量%であった。
<比較例3>
ジメチルカーボネート(0.2mol)を74重量%含有するメタノール溶液に2,4−ジメチルイミダゾリン(0.1mol)を滴下して、120℃で15時間攪拌することで、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウムメチルカーボネート塩を生成した。
オルソフタル酸(0.1mol)を1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウムメチルカーボネート塩溶液に加えることで塩交換反応を行い、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウムフタル酸モノアニオン塩溶液を得た。上記溶液を1.0kPa以下の減圧度で110℃加熱蒸留し、溶媒のメタノールを除去することで、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウムフタル酸モノアニオン塩を得た。収率は99%であった。
1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウムフタル酸モノアニオン塩をγ−ブチロラクトンで35重量%に希釈することで電解液を得た。電解液の水分は0.2重量%であった。フタル酸のpKaは、0.01mol/L水溶液(25℃)で2.9であった。
<比較例4>
比較例1で得た1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウムフタル酸モノアニオン塩にγ−ブチロラクトンおよび水を加えて電解液を調製した。該電解液重量に対し、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウムジヒドロキシフタル酸モノアニオン塩35重量%、水5重量%であった。
本発明の実施例1〜4および比較例1〜4の電解液について、以下の方法で、30℃における初期比電導度、比電導度変化率を測定し、結果を表1に示した。
Figure 0004672307
<初期比電導度>
電解液の30℃における初期比電導度(初期K30)は、電解液を30℃で測定した比電導度であり、低インピーダンス特性が良好なほど初期K30は高くなる。初期K30が高いほど初期比電導度特性に優れる。測定機器として比電導度測定装置[品名(CM−40S)、メーカー名(東亜電波工業株式会社)]を使用し、電解液を仕込んだ測定用セルを30℃に温度調節して比電導度を測定した。
<比電導度変化率>
電解液を密閉ガラスアンプル中で125℃×100時間の耐熱試験を実施した後の30℃における比電導度変化率、すなわち、[{(耐熱試験前の初期比電導度)−(耐熱試験後の比電導度)}/(耐熱試験前の初期比電導度)]×100(単位は「%」)を測定した。
表1から明らかなように、本発明の実施例1〜4の電解液は、比較例1〜2と同等の初期比電導度特性を有し、高温下での安定性に優れる。また、比較例4,5と比較して、初期比電導度特性に優れる。
本発明の電解液は、初期比電導度特性に優れ、高温下での比電導度変化率が小さい電解液を提供することができる。上記効果を奏することから、本発明の電解液をコンデンサ電解液に用いれば、抵抗を小さくすることが可能であり、コンデンサの高性能化がはかれるため、市場価値は大きい。

Claims (7)

  1. 3,6−ジフルオロフタル酸、3,6−ジクロロフタル酸、又は3,6−ジブロモフタル酸である多価カルボン酸(F)のアニオン(F1)とオニウムカチオン(B)からなる電解質(G)および有機溶媒(D)からなる電解液(H)であって、該多価カルボン酸(F)のpKaが1.8以下であることを特徴とする電解コンデンサ用電解液。
  2. 上記オニウムカチオン(B)が、アミジニウムカチオン(B1)および/またはグアニジウムカチオン(B2)である請求項1に記載の電解液。
  3. 上記アミジニウムカチオン(B1)がイミダゾリウムカチオンおよび/またはイミダゾリニウムカチオンである請求項2に記載の電解液。
  4. 上記イミダゾリウムカチオンおよび/またはイミダゾリニウムカチオンが、1−エチル−3−メチル−イミダゾリウムカチオン、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウムカチオン、および1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウムカチオンからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項3に記載の電解液。
  5. 上記有機溶媒(D)がγ−ブチロラクトン、スルホランおよびエチレングリコールからなる群より選ばれる少なくとも1種を主体とする溶媒である請求項1〜4のいずれかに記載の電解液。
  6. 上記電解液(E)又は上記電解液(H)の重量に対して2〜8重量%の水をさらに添加してなる請求項1〜5のいずれかに記載の電解液。
  7. 電解液として請求項1〜6いずれかに記載の電解液を用いてなることを特徴とする電解コンデンサ。
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