JP4672156B2 - 金属粉含有活性エネルギー線硬化型インク - Google Patents

金属粉含有活性エネルギー線硬化型インク Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、貯蔵安定性を顕著に改善した金属粉含有活性エネルギー線硬化型インクに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
色料として銅粉、銅合金粉(ブロンズ粉)、アルミニウム粉などの金属粉を配合したインクが、金インキ、銀インキとして汎用されている。このときの金属粉としては、箔状の細片ないし鱗片状のものが好適に用いられる。このインクを用いて紙やフィルムなどの対象物に印刷を行えば、印刷部が金色や銀色の光輝性を有する美麗な印刷物を得ることができる。また印刷物のコピー時に金属粉の部分が反射するので、オリジナルの印刷物とそれをコピーした印刷物とでは色調が異なるようになり、偽造防止にもなる。
【0003】
金属粉含有インクのビヒクルとしては、たとえばロジン変性アルキッド、ロジン変性フェノール樹脂、クマロン樹脂、環化ゴムなどの低酸価樹脂ワニスが用いられているが、近年においては、高速硬化性、溶剤不使用性、省エネルギー、省スペースなどの点で有利な紫外線硬化型樹脂の使用もなされている。
【0004】
しかしながら、紫外線硬化型樹脂に金属粉を配合したインクは、金属粉がイオン化して、反応性を有するモノマーまたはオリゴマー成分の重合開始剤として作用するため、保存中に短時日でゲル化するという問題点があり、そのためインクメーカーにおいて予め金属粉を配合して調合してユーザーに供給しようとしても、輸送中や保管中にゲル化し、使用不可能になることを免かれなかった。
【0005】
そのため、金属粉含有紫外線硬化型インクを用いる場合は、印刷を行うユーザー側が使用直前に金属粉を混合してインクを調製しなければならず、また調製後のインクは短時間に使い切る必要があった。
【0006】
加えて、金属粉含有紫外線硬化型インクで印刷したものは、印刷後の金属粉が硬化後の樹脂成分中に溶出して酸化されるため、時間経過と共に色相が変化したり光輝性が消失するという問題点を有していた。たとえば、銅粉を配合したインクを使用して印刷した印刷物は、初期には金色に輝いて見えるものの、時間経過と共に緑青の緑色に変化して金属光沢が失われる傾向があり、アルミニウム粉を配合したインクを使用して印刷した印刷物は、経時的にチョーキングを起こして白くなるという傾向があった。
【0007】
そこで、金属粉含有紫外線硬化型インクにおける上述の問題点を解決すべく、本出願人は、特開平5−345874号公報として、「金属粉を配合した活性エネルギー線硬化型インクに、残存水酸基を有しかつ非造膜性の低分子量のアシル化セルロースを含有させたことを特徴とする金属粉含有活性エネルギー線硬化型インキ。」を提案している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述の特開平5−345874号公報に従ってインク中にアシル化セルロースを含有させれば、予め活性エネルギー線硬化型インクに金属粉を配合しておいても、貯蔵安定性が良好で、かつ印刷後においても印刷当初の色相および光輝性を長期間維持することができる。
【0009】
ところが、最近に至り、アシル化セルロースを含有させる方法によっても、金属粉含有紫外線硬化型インクの貯蔵安定性が著しく劣るケースが発生した。この原因をつきとめるべく種々検討を行ったところ、長期間保管している金属粉を用いたときには、アシル化セルロースを含有させれば貯蔵安定性に問題を生じないのに、新しく入手した金属粉を用いたときに、同一処方にかかわらず貯蔵安定性の低下を生じることがわかった。
【0010】
その後の検討によれば、
(イ)インク用の金属粉は、光沢やリーフィング性を与えるために、あるいは重合型樹脂に配合したときに金属の触媒作用により内部重合がはじまって安定性が悪くなるのを防止するために、特に断らなくてもステアリン酸などの高級脂肪酸で処理されているのが通常であること、
(ロ)そのような処理を施された金属粉は、該処理を行うことにより単分子膜を形成してから時間を経て徐々に金属粉との間で反応を生じて金属粉との間で金属石鹸を形成して安定化するため、実際の使用までに3年間程度は放置しておかなければならないこと、
(ハ)ところが、最近の逼迫した市場状況下においては、処理金属粉の製造から出荷までの期間に余裕がとれず、金属石鹸への反応が充分に進まないまま上市されてインクに配合されるため、貯蔵安定の低下を招いていること、
などの事情があることが判明した。そのため、特開平5−345874号公報に従ってアシル化セルロースを含有させる方法を採用しても、貯蔵安定性に問題を生じたのである。
【0011】
本発明は、このような背景下において、アシル化セルロースに代わる他の添加剤を見い出すことにより、金属粉として、高級脂肪酸による処理後の放置期間が短いものを用いたり、高級脂肪酸による処理を行わないものを用いたりした場合でも、すぐれた貯蔵安定性を有する金属粉含有活性エネルギー線硬化型インクを提供することを主たる目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の金属粉含有活性エネルギー線硬化型インクは、
金属粉含有活性エネルギー線硬化型インクであって、
該インクが、
(A) 表面処理が施されまたは施されていない銅系またはアルミニウム系の金属粉、
(B) 反応性オリゴマーと反応性モノマーとを必須成分とする活性エネルギー線硬化型樹脂組成物、および、
(C) ニトロ基置換グルコース単位の平均重合度が35〜55でかつニトロ化したグルコース残基のニトロ基の平均置換度pが 1.9〜2.3 である低重合度のニトロセルロース
の組成物からなること、
ここで、
(D) 前記(B) の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物のうちの反応性モノマーとして、前記(C) の低重合度のニトロセルロースを溶解するものを用いていること、および、
(E) インク組成物全体に占める前記(C) の低重合度のニトロセルロースの割合が 0.5〜25重量%であること、
を特徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下本発明を詳細に説明する。
【0014】
金属粉としては、本発明においては、銅粉、銅合金粉、アルミニウム粉、アルミニウム合金粉などの銅系またはアルミニウム系の金属粉が用いられる。銅合金粉としては、銅と亜鉛(さらには必要に応じ第3成分)とからなるブロンズ粉が重要である。
【0015】
金属粉の形状は、インク膜中で木の葉状に重なるリーフィング効果により金属性の光輝を与えるように、箔状の細片ないし鱗片状であることが特に好ましい。
【0016】
これらの銅系またはアルミニウム系の金属粉は、ステアリン酸、パルミチン酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノール酸、ラウリン酸などの高級脂肪酸で処理されているのが通常であるが(処理量は単分子膜が形成される程度でよい)、本発明においては、処理後の放置期間が通常要求される3年程度よりもずっと短くてもよく、処理直後のものであってもよい。また本発明においては、そのような処理を行わない金属粉を用いることもできる。
【0017】
上記の金属粉を含有する活性エネルギー線硬化型インクにおけるビヒクルは、反応性オリゴマー(プレポリマー)、反応性モノマー、ポリマーなどからなる紫外線硬化型または電子線硬化型樹脂組成物で構成される。これらの成分のうち反応性オリゴマー(プレポリマー)と反応性モノマーとは必須成分であって、これら両者を併用する。ポリマーは必要に応じて用いられる任意成分である。溶剤は必要としないことが多いが、少量であれば使用しても差し支えない。
【0018】
反応性オリゴマー(プレポリマー)としては、たとえば、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレートなどの多価アルコールのアクリル酸エステル;ビスフェノールAジグリシジルエーテルアクリレート、変性ビスフェノールAエポキシアクリレート、脂肪族エポキシアクリレートなどのエポキシアクリレート;ロジン変性ウレタンアクリレート、アルキッド変性ウレタンアクリレート、乾性油変性ウレタンアクリレート、カルバミン酸ポリアクリレートなどのウレタンアクリレート;ポリエステルアクリレート;ポリエーテルアクリレート;アクリレートアルキッド;メラミンアクリレート;などがあげられる。
【0019】
反応性モノマーとしては、粘度が低く、皮膚刺激性および臭気が少なく、溶解力および硬化性にすぐれたものを用いることが好ましく、具体的には、ヒドロキシブチルアクリレート、ジシクロペンタジエンアクリレート、1,6−ヘキサンジオールモノアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル、アクリル酸−2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピルなどの単官能モノマー、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレートなどの二官能モノマー、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートなどの三官能モノマーなどがあげられる。反応性モノマーとしては、後述の低重合度のニトロセルロースに対する溶解力を有するものを用いていることが必要である。
【0020】
必要に応じて用いるポリマーとしては、ポリエステル、ポリメチルメタクリレート、石油樹脂をはじめとする種々のポリマーがあげられる。ポリマーの配合は、接着性向上、膜強度向上、柔軟性付与などに貢献する。
【0021】
そして本発明においては、金属粉を配合した活性エネルギー線硬化型インクに、特定の低重合度のニトロセルロース、すなわち、ニトロ基置換グルコース単位の平均重合度が35〜55でかつニトロ化したグルコース残基のニトロ基の平均置換度pが 1.9〜2.3 である低重合度のニトロセルロースを含有させる。この点が本発明のポイントとなる特徴点である。
【0022】
このニトロセルロースとしては、「硝化綿」と呼ばれる工業用ニトロセルロースを用いることが多い。硝化綿は、工業的には、精製した天然セルロースを混酸で硝酸エステル化し、セルロース中のOH基を硝酸基 -ONO2で置換することにより製造される。
【0023】
ニトロセルロース(硝化綿)には種々の重合度(1分子当りのニトロ基置換グルコース単位の数)のものがあるが、反応性モノマーに溶解した形態で混合に供することから、反応性モノマーとの溶解性のよい低重合度のもの、すなわち平均重合度が35〜55のものが用いられ、なかんずく平均重合度が35〜45のものを用いることが好ましい。
【0024】
セルロース中のグルコース残基は -C6H7O2(OH)3-で表わされ、ニトロ化(硝化)したグルコース残基は -C6H7O2(OH)3-p(ONO2)p- で表わされる。このときのニトロ基の平均置換度は、pが1のときには窒素分(窒素原子の重量%)で6.76%、pが2のときには窒素分で 11.11%、pが3のときには窒素分で 14.14%となる。本発明の目的には、このうち平均置換度pが 1.9〜2.3 の低重合度のニトロセルロースが用いられ、殊に平均置換度pが 2.1〜2.3 の低重合度のニトロセルロースが好適である。
【0025】
インク組成物全体に占める上記の低重合度のニトロセルロースの割合は、 0.5〜25重量%、殊に1〜20重量%に設定される。低重合度のニトロセルロースの過少は安定性改善効果を欠き、その過多はインク膜の物性を損なう。
【0026】
本発明のインクが電子線硬化型であるときは特に光重合開始剤や増感剤を用いる必要はないが、紫外線硬化型であるときは光重合開始剤や増感剤を適当量用いることが好ましい。
【0027】
本発明のインクには、さらに、トリフェニルリンをはじめとする酸化防止剤を添加することが好ましい。そのほか、本発明のインクには、必要に応じ、キレート剤(ヒドラジン誘導体等)、銅系またはアルミニウム系の金属粉以外の色料、熱重合禁止剤、消泡剤、スリップ剤などの添加剤を配合することができる。本発明の趣旨を損なわない量であれば、従来の技術の項で述べたアシル化セルロースを併用配合することは特に支障とはならない。
【0028】
本発明のインクの調合に際しての各成分の混合順序には特に限定はないものの、ポリマー成分や低重合度のニトロセルロースは予め反応性モノマーに溶解した形態で混合に供することが均一混合性の点で有利である。
【0029】
印刷方法としては、オフセット印刷が好ましく、そのほか、平版印刷、凸版印刷、スクリーン印刷、パッド印刷などが採用される。印刷対象物は、紙、プラスチックス、金属、木板、ガラス、繊維製品をはじめ特に限定はない。パターン印刷のみならず、全面印刷することも多い。印刷後は、紫外線、電子線などの活性エネルギー線を照射して硬化を図る。
【0030】
〈作用〉
一般にインク用の金属粉は、光沢やリーフィング性を与えるために、あるいは重合型樹脂に配合したときに金属の触媒作用により内部重合がはじまって安定性が悪くなるのを防止するために、高級脂肪酸で処理されている。この高級脂肪酸は、その処理後、数年間(3年間程度)をかけて金属粉と反応して金属石鹸を形成する。このとき、充分の期間をかけて反応を進めておかないと、活性エネルギー線硬化型インクに配合したときに保存安定性が不足し、また印刷後の色相が変化したり光輝性が消失したりするなどの種々のトラブルを生じる。
【0031】
しかるに、本発明に従って系に上記特定の低重合度のニトロセルロースを含有させると、高級脂肪酸による処理後の保存期間の短い金属粉(銅系またはアルミニウム系の金属粉)を用いても、あるいは高級脂肪酸による処理を行わない金属粉を用いても、貯蔵時の保存安定性が確保される上、印刷後の色相の変化や光輝性の消失も有効に防止される。このようなすぐれた作用効果が奏される理由については必ずしも明らかではないが、低重合度のニトロセルロースのニトロ基と金属粉表面の金属との間で迅速な反応が起こり、金属の触媒作用が効果的に阻止されるためではないかと思われる。
【0032】
【実施例】
次に実施例をあげて本発明をさらに説明する。以下「部」、「%」とあるのは重量基準で示したものである。
【0033】
実施例1、比較例1、対照例1
〈インクの調製〉
下記の処方の金属粉含有紫外線硬化型のオフセットインクを調製した。下記の処方において、ニトロセルロース、金属粉としては、次のものを用いた。
【0034】
ニトロセルロースとしては、平均重合度が35〜45でかつセルロース中のグルコース残基 -C6H7O2(OH)3-p(ONO2)p- における平均置換度pが 1.9〜2.1 である低重合度の硝化綿を用いた。
【0035】
金属粉としては、高級脂肪酸(ステアリン酸)による処理を行ってから、それぞれ、3ケ月、6ケ月、1年、3年を経過したもの、およびそのような高級脂肪酸による処理を行わないものを用いた。
【0036】
〈処方1/実施例1〉
・50部 鱗片状の銅合金粉(ブロンズ粉)
・20部 ロジン変性ウレタンアクリレート
・10部 トリメチロールプロパントリアクリレート
・15部 硝化綿(低重合度品)10部をアクリル酸−2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル90部に溶解した溶液
・ 5部 2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン
(増感剤)
・0.05部 トリフェニルリン(酸化防止剤)
・500ppm ハイドロキノンモノメチルエーテル(熱重合禁止剤)
【0037】
〈処方2/比較例1〉
・50部 鱗片状の銅合金粉(ブロンズ粉)
・20部 ロジン変性ウレタンアクリレート
・10部 トリメチロールプロパントリアクリレート
・15部 セルロースアセテートブチレート(アセチル基 2.0%、ブチリル基53%、
OH基含有量 1.5%、分子量16000、ガラス転移点85℃、ASTM D817 による粘度0.01秒)10部をアクリル酸−2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル90部に溶解した溶液
・ 5部 2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(増感剤)
・0.05部 トリフェニルリン(酸化防止剤)
・500ppm ハイドロキノンモノメチルエーテル(熱重合禁止剤)
【0038】
〈処方3/対照例1〉
・50部 鱗片状の銅合金粉(ブロンズ粉)
・20部 ロジン変性ウレタンアクリレート
・10部 トリメチロールプロパントリアクリレート
・ 5部 2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン
(増感剤)
・0.05部 トリフェニルリン(酸化防止剤)
・500ppm ハイドロキノンモノメチルエーテル(熱重合禁止剤)
【0039】
〈貯蔵安定性〉
上記のインク 1.0kgを亜鉛鋼板製の容器に貯蔵し(上部空間は空気)、50℃の条件下に所定日数放置し、流動性を保っているかどうか、ゲル化などの異常が見られるかどうかを調べた(なお、50℃×20日の条件は、常温放置では6ケ月間に相当するものである)。
【0040】
〈印刷物の安定性〉
また、上記のインク(新しく調製したもの)を用いてオフセット印刷により厚紙およびポリエステルフィルム上に印刷を行ってから紫外線照射し、厚さ約2μm の印刷膜を形成させた。この印刷物につき、経時的に印刷面の異常の有無を観察した。
【0041】
〈条件および結果〉
条件および結果を表1に示す。評価基準は次の通りである。「−」は評価を行っていない。
・放置安定性
◎:20日経過後も流動性維持、ゲル化などの異常なし
○:15日経過後も流動性維持、ゲル化などの異常なし
△:10日経過後も流動性維持、ゲル化などの異常なし
×:5日目でゲル化
XX:24時間以内にゲル化
・印刷物の安定性
◎:変色や光輝性の低下なし
○:変色や光輝性の低下ほぼなし
△:変色や光輝性の低下が若干あり
×:2週間経過後にはチョーキング発生
XX:1週間程度でチョーキング発生
【0042】
【表1】

金属粉に対する 貯蔵安定性 印刷物の安定性
高級脂肪酸処理 処方1 処方2 処方3 処方1 処方2 処方3
無処理品 ○ × XX ○ × XX
処理品
3月放置品 ○ △ XX ○ △ XX
6月放置品 ◎ △ XX ◎ △ XX
1年放置品 ◎ ○〜△ XX〜× ◎ ○〜△ XX〜×
3年放置品 ◎ ◎ × ◎ ◎ ×
【0043】
実施例2、比較例2、対照例2
ブロンズ粉に代えてアルミニウム粉を用いたほかは上記の実験を繰り返したところ、上記の実施例1、比較例1、対照例1の場合とほぼ同様の結果が得られた。
【0044】
実施例3、比較例3、対照例3
ブロンズ粉に代えて鱗片状の銅粉を用い、かつロジン変性ウレタンアクリレートに代えてエポキシアクリレートを用いたほかは上記の実験を繰り返したところ、上記の実施例1、比較例1、対照例1の場合とほぼ同様の結果が得られた。
【0045】
【発明の効果】
本発明の金属粉含有活性エネルギー線硬化型インクにあっては、銅系またはアルミニウム系の金属粉を配合した活性エネルギー線硬化型インクにさらに特定の低重合度のニトロセルロースを含有させるという特別の工夫を講じてある。
【0046】
そのため、高級脂肪酸による処理後の保存期間の短い金属粉を用いても、あるいは高級脂肪酸による処理を行わない金属粉を用いても、貯蔵時の保存安定性が確保される。そのほか、印刷後における色相の変化や光輝性の消失も有効に防止されるという効果も奏される。

Claims (1)

  1. 金属粉含有活性エネルギー線硬化型インクであって、
    該インクが、
    (A) 表面処理が施されまたは施されていない銅系またはアルミニウム系の金属粉、
    (B) 反応性オリゴマーと反応性モノマーとを必須成分とする活性エネルギー線硬化型樹脂組成物、および、
    (C) ニトロ基置換グルコース単位の平均重合度が35〜55でかつニトロ化したグルコース残基のニトロ基の平均置換度pが 1.9〜2.3 である低重合度のニトロセルロース
    の組成物からなること、
    ここで、
    (D) 前記(B) の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物のうちの反応性モノマーとして、前記(C) の低重合度のニトロセルロースを溶解するものを用いていること、および、
    (E) インク組成物全体に占める前記(C) の低重合度のニトロセルロースの割合が 0.5〜25重量%であること、
    を特徴とする金属粉含有活性エネルギー線硬化型インク。
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