JP4671819B2 - 高温中空部材の補強方法 - Google Patents

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Description

本発明は、火力・原子力発電プラントや化学プラント等で用いられる高温配管や圧力容器といった高温中空部材の補強方法に関し、特にボイラやタービン等に用いられる蒸気配管の母材(特に、溶接熱影響部)におけるクリープ耐久性を高めるのに有効である。
例えば発電プラントで使用されるボイラ蒸気配管といった高温配管は、高温(通常、約450℃以上)且つ長時間の使用によりクリープ損傷が進行してクリープボイド(1/1000mm程度の微小な空隙)が発生し、さらに発生したクリープボイドの連結によって亀裂が生じ、この亀裂が成長すると、ついには破断に至る。従って、クリープ損傷状態を的確に把握すると共に、部材の余寿命評価を行うことは、トラブル防止の観点から、また、部材の更新時期を決定する上でも非常に重要である。
余寿命評価は、組織変化や硬さ変化等をもとにした評価方法が提案され、実用化されている。但し、これらの評価因子は、寿命消費率の前半に大きく変化するものの、寿命消費率の後半に達した場合の変化は少ないため、寿命消費率後半における余寿命評価の精度が低いという問題点がある。そこで、クリープひずみ速度に着目し、寿命消費率後半においても余寿命評価の精度を高くするとの試みがある(特許文献1)。
特開2003−4626号公報
余寿命評価の精度を高めることはそれはそれで重要な研究テーマであるが、クリープ損傷の進行を阻止することにより高温配管の寿命を延ばすことができるならば、配管の補修、取り替えの回数を減らすことができ、保全コストを低減することができるばかりでなく、保全のためのプラントの稼働停止の頻度が減って生産性を高めることもできるので、その方向性での研究も有益である。
この観点での技術の一例としては、特許文献2に開示されたものがある。これは、再生しようとするクリープ劣化部の膨張を拘束するクランプと、クリープ劣化部を加熱する加熱手段とを備えた再生装置を用い、発生する熱膨張の内圧力を利用して、クリープボイドや亀裂を圧接し、補修して延命化を図るものである。因みに、一般的な補修方法は、クリープボイドや亀裂が入った部位を除去し、その部分を肉盛り溶接する方法である。
あるいは、特許文献3に開示されたものもある。これは、配管内の蒸気から受ける圧力によって配管に作用する応力を軽減または分散させる応力分散部材を配管に取り付けるものであり、具体的には、応力に対する抵抗力を発揮する棒材や板材を応力分散部材として用いることにより、クリープ耐久性を高めようとしている。
特開2003−253337号公報 特開2004−176791号公報
しかしながら、前者の場合、既設の配管に外部から熱をかけるので材料組織が変化する可能性があり、強度低下するおそれがあるので安全上行わない。また、再生装置の据え付け等、段取りも極めて煩雑である。さらに、前者はクリープ損傷が進行するのを積極的に防止しようとするものではなく、あくまでも事後の補修的な意味合いでのみ使用されるもので、恒久的な対策とはなり得ない。
その点、後者は、クリープ耐久性を高めることにより、クリープ損傷が進行するのを積極的に防止するものであり、恒久的な対策となり得るが、既に使用されている高温高圧の部位に溶接をすることは安全上好ましくない。また、国の溶接検査も受けなければならず、手間とコストから実用的でない。その上、適用箇所が配管の曲げ部(エルボ管等)や配管同士の突き合わせ溶接部に限定されるという問題がある。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、極めて簡単であるがクリープ耐久性を高める効果が十分にあり、しかも、基本的に全領域に適用できるだけの汎用性がある高温中空部材の補強方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決する本発明は、一の板材を管状に丸めて端縁同士を溶接することにより、長手方向に沿って連続する一つの溶接部を有する高温配管、あるいは、一対の半割形状の管部材を管状に合わせて長手方向に端縁同士を溶接することにより、対向位置でそれぞれ長手方向に沿って連続する二つの溶接部を有する高温配管、である高温中空部材同士を突き合わせ溶接したものの補強方法であって、長尺な補強材を、周方向に複数並列すると共に、高温中空部材間の突き合わせ溶接部を跨ぐように且つ長手方向に沿って配置し、高温中空部材の母材よりも熱膨張率が低く且つ柔軟性を有する長尺なセラミック繊維材を、溶接部が露出するように補強材の上から巻き付けることを特徴とする。
本発明によれば、セラミック繊維材を巻き付けた高温中空部材内に高温流体を供給することで高温中空部材が昇温する際、セラミック繊維材及び高温中空部材間の熱膨張率差により、膨張しようとする高温中空部材に対してセラミック繊維材が高温中空部材を径内方向に圧縮しようとする力が発生し、この圧縮応力によりクリープボイドが潰されたり、クリープボイドの発生・連結が抑制される。
例えば、長手方向に沿って溶接部を備えた高温中空部材の場合であれば、高温中空部材が膨張することによって溶接部と直交する方向に引張応力が発生するが、セラミック繊維材はこれを減じるあるいは無くす方向に働く。クリープボイドは特に溶接熱影響部(溶接部に近接する母材の部位)に発生しやすいが、かかるセラミック繊維材の働きに伴う圧縮応力がクリープボイドを好適に潰したり、クリープボイドの発生・連結を抑制することができるのである。
また、溶接熱影響部だけに着目すれば、セラミック繊維材が高温中空部材に巻き付けられるということは、個々のセラミック繊維が溶接熱影響部を挟んで両端が高温中空部材の表面に固定された態様になるということであり、このため、溶接熱影響部に対する補強効果は極めて高いと言える。
ここで、セラミック繊維材は、高温中空部材の膨張に伴う周方向の伸びに対しても破断(切断)されない強度を有するものであることは言うまでもない。また、セラミック繊維材は、絶対に伸びないものである必然性はなく、要は、膨張に伴う高温中空部材の周方向での伸びよりも伸び率が低ければ、高温中空部材に圧縮応力を発生させることができ、クリープボイドを潰したり、クリープボイドの発生・連結を抑制する効果を奏する。
尚、設備を稼働させれば、高温中空部材内で蒸気等の高温流体が流動するわけであるから、本発明を実施するに当たっては、高温中空部材にセラミック繊維材を巻き付けておくだけでよいが、設備の稼働に先立ち、自発的に高温流体を高温中空部材内に供給するようにしてもよい。
この発明は、高温中空部材の一部が露出するようにセラミック繊維材を巻き付ける構成を採用することにより、母材又は溶接部の金属組織を観察可能であるため、余寿命評価を併せて行うことができ、設備の安全性、信頼性を高めることができる。
そして、この発明は、補強材に拘束されて高温中空部材に曲げ応力やねじり応力が生じるのを防止することができる。従って、高温中空部材に自重や機械的振動による曲がりが生じやすい環境での使用に効果的である。
また、この発明は、高温中空部材の突き合わせ溶接部の一部が露出するように、前記補強材を配置すると共に、高温中空部材の突き合わせ溶接部の一部が露出するように、前記セラミック繊維材を巻き付ける構成を採用できる。
また、この発明は、長手方向に沿って連続する溶接部の一部が露出するように、前記セラミック繊維材を巻き付ける構成を採用できる。
また、この発明は、前記セラミック繊維材を、段差ができないように長手方向に少しずつずらしながら巻き付ける構成を採用できる。
また、こ発明は、セラミック繊維材として、炭素系、炭化物系、酸化物系、窒化物系の何れか1種類又は2種類以上のセラミック繊維を用いることができる。その場合、セラミック繊維材は、単一種類のセラミック繊維を束にしたもの、または種類の異なるセラミック繊維の束同士を混合したもの、若しくは種類の異なるセラミック繊維を適宜混合して束にしたもの、あるいはセラミック繊維を製織してテープ状にしたものを採用することができる。
また、セラミック繊維と高温中空部材の接触部や、セラミック繊維同士の接触部での応力集中を低減する目的、または高温中空部材へセラミック繊維材を巻き付ける際の繊維飛散防止や施工性向上のために、セラミック繊維材の柔軟性を損なわないような高分子や展延性の金属をセラミック繊維同士の間隙に配置した、複合化したセラミック繊維材を用いてもよい。
以上の如く、本発明は、高温配管等の高温中空部材にセラミック繊維材を巻き付けておき、且つ内部に高温流体が供給されることにより、クリープボイドを潰したり、クリープボイドの発生・連結を抑制することができるため、高温中空部材のクリープ耐久性が増し、クリープ損傷の進行を阻害することができ、その結果、高温中空部材の寿命延長を図ることができる。しかも、所定のテンションを付加した状態でセラミック繊維材を巻き付けるだけでよいので、極めて簡単に施工ができると共に、セラミック繊維材は柔軟性を有するため、基本的に高温中空部材の全領域に適用することができる。
ボイラやタービン等で用いられる高温配管は、一般的に、一対の半割形状の管部材を管状に合わせて長手方向に端縁同士を溶接して配管構造にしたもの(いわゆるモナカ合わせ構造)や、一の板材を管状に丸めて端縁同士を溶接して配管構造(いわゆる板曲げ長手溶接構造)にしたものが採用される。また、これら配管の端部同士を溶接して繋ぎ合わせ、配管系統を構築する。以下においては、これらの配管を対象として本発明に係る実施形態を説明する。
図1(イ)は、上述したいわゆる板曲げ長手溶接構造を有し、長手方向に沿って連続する一つの溶接部1’を有する直管1である。同図(ロ)は、上述したいわゆるモナカ合わせ構造を有し、対向位置でそれぞれ長手方向に沿って連続する二つの溶接部2’,2’を有するエルボ管2である。同図(ハ)は、直管1,1同士を突き合わせ溶接することにより、連結部(直管1,1の端部)で周方向に沿って連続する一つの突き合わせ溶接部3’を有する連続配管構造3である。それぞれ配管は、一例として、直径が700mm、肉厚50mm、材質2.25Cr−1Mo鋼のものを用いる。
本実施形態の特徴は、配管の母材に比べて熱膨張率が低く且つ比重が軽く、強度のあるセラミック繊維材を配管に巻き付け、固定することにある。セラミック繊維材を巻き付けた配管が昇温する際の該配管とセラミック繊維材との熱膨張率差により、膨張(により拡径)しようとする配管に対してセラミック繊維材が配管を径内方向に圧縮しようとする力が発生し、この圧縮応力により(特に溶接部近傍における熱影響部で発生しやすい)クリープボイドが潰されたり、クリープボイドの発生・連結が抑制され、クリープ耐久性が増し、クリープ損傷の進行を阻害することができる。
昇温のための入熱は、配管内部に高温高圧の流体を供給することにより与えられるが、通常は、ボイラやタービン等の稼働によって水蒸気(温度600℃、蒸気圧4MPa)が配管内部で必然的に流動するのでそれで足りる。
図1(イ)から(ハ)において図示される螺旋状線Lは、セラミック繊維材を巻き付けていく手順(軌跡)を示す。そして、セラミック繊維材の巻き付け厚み(セラミック繊維材層の厚み)は、配管の直径や肉厚により変化するが、1〜20mm程度であるのが好ましいので、セラミック繊維材としては、テープ状(帯状)のものを用い、一箇所で約40重に巻き付ける感覚で、しかし段差ができないよう配管の長手方向に少しずつずらしながらセラミック繊維材を巻き付けていき、配管全体をセラミック繊維材で被覆する。
尚、セラミック繊維材は、ロールに巻かれたものを繰り出しながら配管に巻き付けていくが、巻き付けにある程度のテンション(張力)が掛かるよう、ロールを配管から離間させるようにしてセラミック繊維材にテンションを加えながらロールを配管の回りに周回させていってセラミック繊維材を巻き付けていくようにするのが好ましい。
また、セラミック繊維材は、配管との熱膨張差で焼きばめ状態となって固定されるが、念のため、セラミック繊維材の全長に亘って、あるいは端末及びその間の適宜箇所に接着剤を塗布し、該接着剤でセラミック繊維材が配管に対してゆるまないようにするのも好ましい。この場合、接着剤は、セラミック繊維材との親和性から、セラミック系接着剤が好ましい。
このように、本実施形態は、セラミック繊維材を巻き付けた配管が昇温し、セラミック繊維材及び配管の熱膨張差を利用して配管に(主としてフープ方向に)圧縮応力を発生されるものである。フープ応力で配管を圧縮させることにより、経年劣化や製造不良等により生じた溶接部や母材における金属組織中のクリープボイド等の空孔欠陥が潰されたり、クリープボイドの発生・連結が抑制される。そして、その結果、クリープ耐久性が高まり、配管の寿命延長を図ることができる。
しかも、特に図1(ハ)に示す場合は、補強材4を溶接部3’を跨ぐように配置させた上でセラミック繊維材を巻き付けているため、連続配管構造3が自重や機械的振動により曲がろうとしても、それが補強材4により規制されて配管に曲げ応力やねじり応力が生じるのを防止することができ、そのゆえ、同図(イ)や(ロ)と異なるケース、即ち、溶接部が配管の周方向に形成されているために溶接部の方向性とセラミック繊維材の巻き付け方向性とが略一致するようなケースでも、溶接部3’近傍におけるクリープ耐久性を高めることができる。尚、一例において、補強材4は、厚みが最大で20mm、長さが最大で10mの部材(セラミック繊維複合材、あるいはステンレス、クロム合金、ニッケル合金、チタン合金、インバー、低合金鋼等の金属系耐熱合金)とされる。
ここで、セラミック繊維としては、大別すると、ピッチ系炭素繊維やPAN系炭素繊維等の炭素系、炭化ケイ素繊維等の炭化物系、アルミナ繊維等の酸化物系あるいは窒化ケイ素繊維等の窒化物系のセラミック繊維であって、配管の熱膨張作用に対する繊維の破断強度が上回っており、配管の昇温後の到達温度によっても酸化等により消耗しないものの何れをも選択できる。
具体的には、炭素系としては、例えば、東レ株式会社製の商品名「トレカ」を選択でき、炭化物系としては、例えば、Si−Ti−C−O、Si−Zr−C−O又はSi−Al−C−Oからなる繊維である宇部興産株式会社製の商品名「チラノ繊維」(登録商標)、Si−C−Oからなる繊維である日本カーボン株式会社製の商品名「ニカロン」(登録商標)及び商品名「ハイニカロン」(登録商標)、米国 Textron社製のSCSシリーズの繊維、Si−C−Nからなる繊維である米国 Dow Corning社製の商品名「HPZ繊維」の他、米国特許明細書第5,366,943号に記載の実質的にSi、C、O、Bからなる無機強化繊維を選択でき、酸化物系としては、例えば、米国デュポン社製、米国3M社製、住友化学工業株式会社製のそれぞれAl23繊維を選択でき、窒化物系としては、例えば、東燃株式会社製のSi34繊維を選択可能である。但し、配管母材の材質(圧縮座屈強度)、配管の到達温度の範囲、配管母材及びセラミック繊維の熱膨張係数やヤング率やポアソン比を勘案しながら、配管に発生する最大圧縮応力下でも配管を圧縮座屈させないように選択される。
また、これらの繊維は、通常、数百から数千本の単繊維を束ね、ボビンに巻かれて市販されているが、これを織布状に製織してテープ状(帯状)にしたものをセラミック繊維材として用いる。具体的には、製織機械に複数の繊維ボビンをセットし、(平織り、朱子織り、ブレーディング等の方法によって)製織してセラミック繊維材を製造する。セラミック繊維を折り込むことによるメリットは、織布として扱えるのでハンドリング性が良く、また、三次元的に曲率を持たせてフレキシブルに形状を変えられるため、配管の全領域に適用が可能となるということである。しかも、繊維束が切断されたとしても、織布を形成する他の繊維により強度は維持され、セラミック繊維材としての耐久性が担保される。
配管としては、上記列挙したセラミック繊維よりも熱膨張率が高い母材ということになるが、例えば、炭素鋼鋼管、合金鋼鋼管、ステンレス鋼鋼管の他、圧力容器用鋼板、炭素鋼鍛鋼品、合金鋼鍛鋼品、炭素鋼鋼材、ニッケルクロム鋼鋼材、ニッケルクロムモリブデン鋼鋼材、クロム鋼鋼材、アルミニウムクロムモリブデン鋼鋼材、圧延鋼材、ステンレス鋼棒、ステンレス鋼板、耐熱鋼板、炭素鋼鋳鋼品、ステンレス鋳鋼品、高温高圧用鋳鋼品、鋳鉄品、Ni基耐熱合金材等を選択可能である。
ここで、本実施形態に係る配管補強方法の材料力学的裏付けを検証する。
1:配管の内圧
2:配管がセラミック繊維材へ与える内圧=セラミック繊維材が配管へ与える外圧
3:外部からセラミック繊維材へ与える外圧(=0)
σ1:配管の外周面における周方向応力
1:配管のポアソン比
2:セラミック繊維材のポアソン比
1:配管のヤング率
2:セラミック繊維材のヤング率
δ:熱膨張による配管の半径増加量
1:配管の内周半径
2:配管の外周半径
3:セラミック繊維材の巻き付け外周半径
とすると、以下の関係が成立する。
Figure 0004671819
即ち、配管にセラミック繊維材を巻き付けると、σ1(配管の外周面に働く周方向応力)が{(R1 2+R2 2)/(R2 2−R1 2)}P2分だけ減じられる。これにより、クリープ損傷が最も大きい部位である外側のσ1が減じることにより、配管のクリープ寿命が増すこととなる。もし、2R1 21<(R1 2+R2 2)P2ならば、σ1はマイナスとなり、圧縮となる。これはクリープボイドを潰すこととなり、寿命が回復するのである。
尚、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、上記実施形態のように、セラミック繊維材は恒久的に配管に巻き付けておいてもよいが、処理(クリープボイド消去処理:無害化処理)が完了し、配管等のクリープ耐久性が高められたならば、その時点で取り外すようにしてもよい。
また、上記実施形態においては、束状のセラミック繊維を製織したセラミック繊維材を用いているが、束状の繊維のままで配管等に巻き付けるようにしてもよい。
また、セラミック繊維材は、単一種類のセラミック繊維で構成してもよいし、種類の異なるセラミック繊維同士を適宜混合して束とし、あるいは種類の異なるセラミック繊維の束同士を混合し、それらを配管等に巻き付けるようにしてもよいし、あるいはその混合した繊維を製織してテープ状(帯状)にしたものを配管等に巻き付けるようにしてもよい。
また、セラミック繊維と配管等の接触部や、セラミック繊維同士の接触部での応力集中を低減する目的、または配管等へセラミック繊維材を巻き付ける際の繊維飛散防止や施工性向上のために、セラミック繊維材の柔軟性を損なわないような高分子や展延性の金属をセラミック繊維同士の間隙に配置した、複合化したセラミック繊維材を用いてもよい。
また、上記実施形態においては、配管の全領域にセラミック繊維材を巻き付けるようにしているが、局所的であってもよい。その場合、有限要素法等の力学的解析結果によりクリープ損傷が進行しやすい箇所を求め、そこを巻き付け箇所として決定する方法が一例として考えられる。
また、上記実施形態においては、表面が見えなくなる程度に配管をセラミック繊維材で被覆するものであったが、図2(イ)に示す如く、長手方向における巻き付けピッチを長く取ったり、同図(ロ)に示す如く、セラミック繊維材を近接する二箇所位置に巻き付け、その間に非巻き付け部5を形成することで、配管等の表面が一部露出する態様にしてもよい。この場合、母材又は溶接部の金属組織を観察可能となるので、余寿命評価を併せて行うことができ、設備の安全性、信頼性を高めることができる。
また、上記実施形態においては、配管に直接セラミック繊維材を巻き付けるようにしているが、セラミック繊維の損傷を防止するため、又は配管等との接触面積調整を目的として、窒化ホウ素等の、コーティングすることにより摩擦係数を低下させる固体潤滑性物質をスプレー又はブラッシング等で配管等の表面に塗布した状態でセラミック繊維材を巻き付けるようにしてもよい。
また、上記実施形態においては、既設の配管に対してセラミック繊維材を巻き付けるようにしているが、最初からセラミック繊維材を巻き付けた配管等を用意しておき、これを設備構築時に用いることも可能である。この場合、セラミック繊維材を巻き付けておくことで強度が増すため、母材の薄肉化あるいは低級材質への転換を図ることができ、コスト削減を可能にする。
本実施形態に係る高温配管の補強方法の説明図である。 他実施形態に係る高温配管の補強方法の説明図である。
符号の説明
1…直管、1’…溶接部、2…エルボ管、2’…溶接部、3…連続配管構造、3’…溶接部(突き合わせ溶接部)、4…補強材、5…非巻き付け部、L…セラミック繊維材の巻き付け軌跡線

Claims (8)

  1. 一の板材を管状に丸めて端縁同士を溶接することにより、長手方向に沿って連続する一つの溶接部を有する高温配管、あるいは、一対の半割形状の管部材を管状に合わせて長手方向に端縁同士を溶接することにより、対向位置でそれぞれ長手方向に沿って連続する二つの溶接部を有する高温配管、である高温中空部材同士を突き合わせ溶接したものの補強方法であって、
    長尺な補強材を、周方向に複数並列すると共に、高温中空部材間の突き合わせ溶接部を跨ぐように且つ長手方向に沿って配置し、
    高温中空部材の母材よりも熱膨張率が低く且つ柔軟性を有する長尺なセラミック繊維材を、溶接部が露出するように補強材の上から巻き付けることを特徴とする高温中空部材の補強方法。
  2. 高温中空部材の突き合わせ溶接部の一部が露出するように、前記補強材を配置すると共に、高温中空部材の突き合わせ溶接部の一部が露出するように、前記セラミック繊維材を巻き付ける請求項1に記載の高温中空部材の補強方法。
  3. 長手方向に沿って連続する溶接部の一部が露出するように、前記セラミック繊維材を巻き付ける請求項1又は2に記載の高温中空部材の補強方法。
  4. 前記セラミック繊維材を、段差ができないように長手方向に少しずつずらしながら巻き付ける請求項1〜3の何れか1項に記載の高温中空部材の補強方法。
  5. 前記セラミック繊維材として、炭素系、炭化物系、酸化物系、窒化物系の何れか1種類又は2種類以上のセラミック繊維を用いる請求項1〜の何れか1項に記載の高温中空部材の補強方法。
  6. 前記セラミック繊維材は、セラミック繊維を束にしたものである請求項に記載の高温中空部材の補強方法。
  7. 前記セラミック繊維材は、セラミック繊維を製織してテープ状にしたものである請求項に記載の高温中空部材の補強方法。
  8. 前記セラミック繊維材を構成するセラミック繊維同士の間隙に、高分子や展延性の金属を配置する請求項5〜7の何れか1項に記載の高温中空部材の補強方法。
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