JP2003225951A - 補強プラスチック管 - Google Patents

補強プラスチック管

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JP2003225951A
JP2003225951A JP2002027418A JP2002027418A JP2003225951A JP 2003225951 A JP2003225951 A JP 2003225951A JP 2002027418 A JP2002027418 A JP 2002027418A JP 2002027418 A JP2002027418 A JP 2002027418A JP 2003225951 A JP2003225951 A JP 2003225951A
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plastic pipe
resin
reinforcing
reinforced plastic
fiber
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JP2002027418A
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English (en)
Inventor
Takashi Takeuchi
貴司 竹内
Shigeru Gunji
盛 郡司
Takashi Arakawa
崇 荒川
Daiichi Okawa
大一 大川
Shigeaki Aoyanagi
成彰 青柳
Hiroyuki Tadokoro
寛之 田所
Nobuyuki Watanabe
宣行 渡辺
Satoru Araki
悟 荒木
Toshikazu Takeda
敏和 竹田
Shinji Imamura
伸二 今村
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Nippon Steel Corp
Nippon Steel Chemical and Materials Co Ltd
Proterial Ltd
Original Assignee
Hitachi Metals Ltd
Nippon Steel Corp
Nippon Steel Composite Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 強化繊維補強材にてプラスチック管を極めて
有効に補強した、軽量で、しかも耐久性に優れている、
高耐圧、高強度の補強プラスチック管を提供する。 【解決手段】 プラスチック管の外周面に、連続したテ
ープ状或いはシート状とされる強化繊維に樹脂を含浸し
た強化繊維補強材10を、螺旋角度をαとしたとき、5
0°<α<85°にて、密巻き、或いは、所定のピッチ
間隔Pにて巻き付け、少なくとも1層の補強層を形成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、上水、下水及びガ
ス管などの液体、気体の輸送管として使用される補強さ
れたプラスチック管に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、上水、下水、ガスなどの輸送には
鋳鉄管や鋼管などの金属管が使用されてきた。しかし、
このような金属管は、腐食に弱く、例えば水道用管とし
て使用した場合には、赤錆の混じった水が給水されるこ
ととなり衛生の点で問題であり、又、管の寿命が短いと
いった問題がある。更には、金属管は、重量が重く、施
工性が悪いといった欠点を有している。
【0003】このために、近年、塩化ビニルやポリエチ
レンなどの樹脂(プラスチック)製の管が用いられるよ
うになってきた。
【0004】このようなプラスチック管は、腐食し難
く、その上軽量で施工性も良いといった長所を有しては
いるが、強度が弱いという欠点があった。
【0005】従って、プラスチック管にステンレス鋼製
のテープを巻いて強度アップを図ることが行われている
が、重量が重くなるといった問題、更には、耐久性の点
で問題がある。
【0006】そこで、特開平11−325385号公報
に記載されるように、アラミド繊維、ガラス繊維、炭素
繊維などの高強度繊維シートを外周面に固着したプラス
チック管が提案されている。
【0007】つまり、特開平11−325385号公報
に記載の方法では、高強度繊維シートをプラスチック管
の外周囲に螺旋状に巻回し、その上から樹脂を含浸させ
て固着し、高強度繊維シートをプラスチック管に一体化
する構成とされている。
【0008】本発明者らは、更に上記公報に記載のプラ
スチック管を改良した補強プラスチック管を特願200
0−116447にて提案した。この補強プラスチック
管は、プラスチック管の外周面に樹脂を含浸した連続繊
維ロービングを連続して螺旋状に巻き付けて少なくとも
1層の補強層を形成する構成とされ、好ましくは、連続
繊維ロービングは、樹脂を含浸した状態で、本願添付の
図1を参照すると、その厚さをt、幅をwとしたとき、
t≦1mm、w≦20mmとされ、又、連続繊維ロービ
ングは、螺旋角度をαとしたとき、0°<α<90°に
て、密巻き、或いは、所定のピッチ間隔Pにて巻き付け
られる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、更に、
このようなプラスチック管について研究実験を継続して
行なった結果、次のことが分かった。
【0010】例えば、上記特願2000−116447
に記載の補強プラスチック管の連続繊維ロービングは、
上述のように、プラスチック管に対して、0°<螺旋角
度α<90°にて、特に、45°<α<90°にて密巻
き、或いは、所定のピッチ間隔Pにて巻き付けられる。
【0011】しかしながら、プラスチック管に内圧をか
けた場合、螺旋角度αが90°に近いところでは、プラ
スチック管に巻き付けた連続繊維ロービングの間が広が
り、隙間が発生し、そこからプラスチック管が破壊し
た。
【0012】又、プラスチック管の補強に際して一般的
に使用される螺旋角度αが45°に近いところでは、円
周方向の応力に耐えられず、連続繊維ロービングが破断
してしまうことが分かった。
【0013】本発明者らは、その原因を見出すべく更に
研究実験を行なった結果、内圧がかかったときのプラス
チック管のような、外径(D)>10t(肉厚)とされ
る薄肉管における応力状態は、円周方向応力:軸方向応
力=2:1となることが分かった。
【0014】従って、連続繊維ロービングは、このよう
な応力状態を考慮して、所定の螺旋角度αにてプラスチ
ック管に巻き付けることが極めて有効であることを見出
した。
【0015】本発明は、本発明者らの斯かる新規な知見
に基づきなされたものである。
【0016】本発明の目的は、強化繊維補強材にてプラ
スチック管を極めて有効に補強した、軽量で、しかも耐
久性に優れている、高耐圧、高強度の補強プラスチック
管を提供することである。
【0017】本発明の他の目的は、強化繊維補強材にて
プラスチック管を極めて有効に補強し、強化繊維の目付
量を減らしたり、或いは、低強度の強化繊維を使用する
ことができる、軽量で、しかも耐久性に優れている、高
耐圧、高強度の補強プラスチック管を提供することであ
る。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記目的は本発明に係る
補強プラスチック管にて達成される。要約すれば、本発
明は、プラスチック管の外周面に、連続したテープ状或
いはシート状とされる強化繊維に樹脂を含浸した強化繊
維補強材を連続して螺旋状に巻き付けて少なくとも1層
の補強層を形成した補強プラスチック管において、前記
強化繊維補強材は、螺旋角度をαとしたとき、50°<
α<85°にて、密巻き、或いは、所定のピッチ間隔P
にて巻き付けられることを特徴とする補強プラスチック
管である。好ましくは、前記螺旋角度αは、52°≦α
≦60°である。
【0019】本発明の他の実施態様によれば、前記強化
繊維は、PAN系或いはピッチ系炭素繊維、ガラス繊
維、又は、アラミド、ナイロン、ポリエステル、PBO
などの有機繊維を、一種或いは複数種混入して使用さ
れ、前記樹脂は、熱硬化性樹脂である。又、前記熱硬化
性樹脂は、常温硬化型或は熱硬化型のエポキシ樹脂、ビ
ニールエステル樹脂、MMA樹脂、不飽和ポリエステル
樹脂、又はフェノール樹脂である。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る補強プラスチ
ック管を図面に則して更に詳しく説明する。
【0021】図1(A)に、本発明に係る補強プラスチ
ック管の一実施例を示す。本実施例によると、補強プラ
スチック管1は、プラスチック管2の外周面に所定の厚
さ(t)にて補強層3を形成することにより構成され
る。
【0022】プラスチック管2は、上水、下水、及びガ
ス管などの液体、気体の輸送管として使用可能な、塩化
ビニル、ポリフェノール、ポリエチレンなどで作製され
たプラスチック製のパイプである。
【0023】プラスチック管2としては、特に、大荷重
が付加される場合、流体を高圧輸送する場合、スラリー
を輸送する場合などには、耐圧強度、耐摩耗性の高いポ
リエチレン、特には、高密度ポリエチレン(HDPE)
にて、又、高温流体を輸送する場合などには、架橋ポリ
エチレン(XLPE)にて作製されたものが好適に使用
される。
【0024】本発明によると、補強層3は、図1(B)
に示すように、プラスチック管1の外周面に、連続した
強化繊維補強材10を螺旋状に巻き付けることにより形
成される。強化繊維補強材10は、螺旋角度をαとした
とき、50°<α<85°にて、密巻き、或いは、所定
のピッチ間隔Pにて巻き付けられる。螺旋角度αについ
ては、後で更に説明する。
【0025】ピッチ間隔Pは、これに限定されるもので
はないが、通常、P=0〜20w(wは、強化繊維補強
材10の幅)とされる。
【0026】強化繊維補強材10は、連続したテープ状
或いはシート状とされる強化繊維に樹脂を含浸して形成
される。強化繊維補強材10は、樹脂を含浸した状態
で、その厚さをt、幅をwとしたとき、 t≦1mm、1mm≦w≦1000mm とすることができる。通常、t=0.1〜0.5mm、
w=2〜20mmとされる。
【0027】強化繊維としては、PAN系或いはピッチ
系炭素繊維の他に、ガラス繊維、又は、アラミド、ナイ
ロン、ポリエステル、PBOなどの有機繊維を、一種或
いは複数種混入して使用される。又、樹脂は、熱硬化性
樹脂とすることができ、熱硬化性樹脂としては、常温硬
化型或は熱硬化型のエポキシ樹脂、ビニールエステル樹
脂、MMA樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、又はフェノ
ール樹脂を好適に使用し得る。
【0028】強化繊維補強材10における樹脂含浸量、
即ち、次式で定義される繊維割合Vfは、10〜99.
9%、好ましくは、40〜70%、通常60%程度とさ
れる。 繊維割合Vf(%)=(繊維の全体積)/(樹脂の全体
積+繊維の全体積)
【0029】上述のように、本発明によると、強化繊維
補強材10は、プラスチック管2の外周面に、螺旋角度
をαとしたとき、50°<α<85°にて、密巻き、或
いは、所定のピッチ間隔Pにて巻き付けられる。その理
由について以下に説明する。
【0030】図4は、ポリエチレン製のプラスチック管
2の外周面に強化繊維として炭素繊維を使用した強化繊
維補強材10を螺旋状に巻き付けたときの、螺旋角度α
と、強化繊維補強材10及びプラスチック管2にかかる
応力との関係を示す。本実施例にて、使用したプラスチ
ック管の外径(D)は180mm、肉厚(T)は5.5
mmであった。又、使用した炭素繊維は、弾性率が23
500kg/mm2(230GPa)、強度が490k
g/mm2(480MPa)であった。
【0031】強化繊維補強材10に着目すると、プラス
チック管内に所定大きさの圧力がかかったとき、強化繊
維補強材10の軸線方向応力σ1は、螺旋角度0°から
螺旋角度αが増大すると共に減少し、一方、強化繊維補
強材10の円周方向応力σ2は、螺旋角度αが0°から
増大すると共に増大し、螺旋角度αが45°にて、強化
繊維補強材10の軸線方向応力σ1と円周方向応力σ2
とは同じとなる。
【0032】螺旋角度αが45°を超えると、強化繊維
補強材10の円周方向応力σ2の方が軸線方向応力σ1
より大となる。
【0033】又、図4には、本実施例で使用したポリエ
チレン製プラスチック管2に、強化繊維として炭素繊維
を使用した強化繊維補強材10を巻き付けた補強プラス
チックの軸線方向の応力σを示す。この補強プラスチッ
ク管1の軸線方向の応力σは、強化繊維補強材10の軸
線方向応力σ1と、プラスチック管1の軸線方向応力と
にて負担される。
【0034】尚、補強プラスチック管1の円周方向の応
力σ2は、実質的に強化繊維補強材10にて負担される
と考える。
【0035】本実施例では、補強プラスチック管1の軸
線方向の応力σが、強化繊維補強材10の軸線方向応力
σ1と同じとなる螺旋角度αは52°であった。
【0036】一方、上述したように、本発明者らの研究
実験の結果によれば、内圧Pがかかったときのプラスチ
ック管2のような、外径(D)>10t(肉厚)とされ
る薄肉管における応力状態は、円周方向応力(σ2):
軸方向応力(σ1)=2:1となることが分かった。
【0037】その理由について説明すれば、次の通りで
ある。
【0038】強化繊維補強材10の角度に対する面内剛
性は、次のようにして求めることができる。強化繊維補
強材10は、繊維方向に関して異方性を示すものであ
り、異方性板であると理解することができる。
【0039】そこで、X、Y軸を主軸とする直交異方性
板のX軸からθ(図1(B)参照)の角度をなすx、y
軸に関する弾性係数Aijは、直交異方性板の縦弾性係
数をEX、EY、横弾性係数をGXY、ポアソン比をνX
νYとすると、各応力成分(σ、τ)と歪み(ε、γ)
成分との関係は次の式で示される。
【0040】
【数1】 ここで、 A11=l4X’+m4Y’+2l22XνY+4l2
2XY A22=m4X’+l4Y’+2l22XνY+4l2
2XY A66=l22X’(1−νY)+122Y’(1−
νY)+(l2−m2)GXY A12=l2(m2+l2νY)EX’+m2(l2+m
2νX)EY’−4l22XY A16=−l3mEX’(1−νY)+lm3Y’(1−
νX)+2lm(l2−m2)GXY A26=−lm3X’(1−νY)+l3mEY’(1−
νX)−2lm(l2−m2)GXY ただし、EX’=EX/(1−νXνY)、 EY’=EY/(1−νXνY)、 νY=νX(EY/EX) であり、x、y軸のX、Y軸に関する方向余弦は、それ
ぞれ(l,m)、(−m,l)で、(m=sinθ、l
=cosθ)である。
【0041】また、角度θをなすX軸方向の弾性率をE
1、Y軸方向の弾性率をE2とすると、 E1=(A11×A22−A122)/A22 E2=(A11×A22−A122)/A11 となる。
【0042】これより、図2のような弾性率の変化が計
算される。
【0043】なお、強化繊維補強材10の物性値は、繊
維割合Vfが60%の場合、EX=13000kg/c
2、EY=900kg/cm2、νX=0.34、GXY
700kg/cm2である。
【0044】また、図3に示されるように、パイプの破
断強度については、弾性率と同様の変化を示すこと(σ
1はE2に比例し、σ2はE1に比例する)を実験で確認し
た(α=90°−θ)。
【0045】この結果から、図4に示すように、角度α
=52°で強化繊維補強材10の円筒体は最高の強度を
示すことが判った。
【0046】薄肉円筒の円周方向の応力は、 σ2=Pr/t また、円筒端に作用する圧力はπrPで、これが均一に
分布する軸応力と釣り合わなければならないので、 πrP=2πrtσl 軸方向の応力は σl=Pr/2t となり、σ2=2σlである。ここで、rは、内径でr=
D/2である。
【0047】しかしながら、プラスチック管2も強度を
受け持ち、プラスチックは等方性であり、円周方向と軸
方向の応力比は2倍であるため、円周方向が破断応力に
達しても軸方向の強度に余裕がある。
【0048】すなわち、角度α=52°(強化繊維補強
材10の円周方向の破断応力:軸方向の破断応力=2:
1)以上の強化繊維補強材10の応力σ2とプラスチッ
ク管2の負担応力を2倍した応力が軸方向の応力レベル
σとなり、この線とσ1の交わるところが破断時の最大
応力値となる。
【0049】これから、破壊する圧力を加えたとき軸方
向のプラスチックの応力余裕分を加えた応力で破断する
ので補強プラスチック管1は52°より大きい角度で破
壊圧力の最大値を見せることが予想される。
【0050】この解析では、炭素繊維の目付量を300
g/m2とし、プラスチック管はポリエチレン(PE)
管で外径180mm、肉厚5.5mm(即ち、SDR=
(外径/肉厚)比=33(実線))を使用して、また、
PEの物性は、E=100kg/cm2で、ν=0.
3、破断応力=200kg/cm2として破壊圧力を計
算で予想した。
【0051】図5に、この計算値と実験値を示した。内
圧Pをかけて破壊する実験は、計算通りにSDR=33
で、α=60°で破壊圧力が最大になる結果を得た。
【0052】異なる厚さ16.4mm(SDR=11)
についても実験を行い、その結果を図5に示す。SDR
=11についても同様の結果が得られた。
【0053】即ち、角度α=52°は、強化繊維補強材
10のみ(即ち、プラスチック管2の肉厚が0のとき)
の破壊最大圧力の角度であり、角度α=60°は、プラ
スチック管2の肉厚が、SDR=33のときの角度であ
り、補強プラスチック管1の破壊最大圧力の角度であ
る。
【0054】従って、螺旋角度αは、好ましくは52≦
α≦60°である、と考えられる。図5の実験から、角
度α=60°以上についても補強効果はみられ、ほぼ5
0°以上85°以下で著しい補強効果が得られることが
判った。
【0055】つまり、図4及び図5から理解されるよう
に、補強プラスチック管1の、円周方向応力(σ2):
軸方向応力(σ1)=2:1で著しく補強効果が得られ
る螺旋角度αは、50°<α<85°とされる。
【0056】螺旋角度αが52°以下では、強化繊維補
強材10の円周方向応力σ2が、補強プラスチック管1
の軸方向応力σ1の2倍以下となり、強化繊維補強材1
0の強度を十分には発揮しておらず、材料効率の問題
で、不経済である。一方、螺旋角度が60°以上となる
と、強化繊維補強材10の円周方向応力σ2が、補強プ
ラスチック管の軸方向応力σ1の2倍以上となり、好ま
しくない。
【0057】実施例2 本発明の補強プラスチック管1にて、補強層3は、図1
に示すように、1層である必要はなく、必要に応じて、
複数層積層して設けることができる。このとき、各補強
層3は、その螺旋角度、螺旋方向、ピッチ間隔などは、
必要に応じて任意に設定することができる。
【0058】例えば、図6に示すように、補強層3を第
1、第2及び第3の補強層3a、3b、3cにて構成
し、少なくともいずれかの層を、上述したように、本発
明に従って、強化繊維補強材10をプラスチック管に巻
き付けることができる。
【0059】第1、第2及び第3の補強層3a、3b、
3cは、異なる強化繊維とすることもでき、例えば、最
内層の第1の補強層3aはガラス繊維、第2の補強層3
bは炭素繊維、第3の補強層3cはアラミド繊維とする
ことができる。
【0060】このとき、補強層3が、図6に示すよう
に、複数層にて形成された場合で、その最外層の補強層
3cが炭素繊維を使用した強化繊維補強材10にて形成
された場合には、更にその外層として保護層4を形成す
るのが好ましい。
【0061】保護層4を形成する第2の強化繊維補強材
10Aは、図1(B)に示す強化繊維補強材10と同様
にして、螺旋角度をαとしたとき、−90°<α<0°
或いは0°<α<90°(マイナス符号は螺旋方向が逆
方向を意味する。)にて、密巻き、或いは所定のピッチ
間隔Pにて巻き付けられる。この保護層4を形成する第
2の強化繊維補強材10Aに使用する樹脂は、補強層3
の場合と同様とすることができ、熱硬化性樹脂を使用す
ることができ、熱硬化性樹脂としては、常温硬化型或は
熱硬化型のエポキシ樹脂、ビニールエステル樹脂、MM
A樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、又はフェノール樹脂
を好適に使用することができる。
【0062】保護層4は、補強プラスチック管1が土中
に埋設された場合、補強層3を構成する炭素繊維が補強
プラスチック管1の外周囲に存在する異物にて損傷され
るのを防止する。又、補強プラスチック管1が空中に敷
設された場合には、補強層3が紫外線などにより劣化す
るのを防止することができる。
【0063】上記実施例では、保護層4は、第2の強化
繊維補強材10Aを使用して形成するものとして説明し
たが、この保護層4の代わりに、補強プラスチック管1
の最外層として、プラスチック製の外管を一体に設ける
ことができる。プラスチック製外管としては、プラスチ
ック管2と同様に、塩化ビニル、ポリフェノール、ポリ
エチレンなどで作製されたプラスチック製のパイプとす
ることができる。プラスチック管2とプラスチック外管
とは同じ材料でも良く、又、異なる材料とすることもで
きる。
【0064】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、プラス
チック管の外周面に、連続したテープ状或いはシート状
とされる強化繊維に樹脂を含浸した強化繊維補強材を連
続して螺旋状に巻き付けて少なくとも1層の補強層を形
成した補強プラスチック管において、強化繊維補強材
は、螺旋角度をαとしたとき、50°<α<85°に
て、密巻き、或いは、所定のピッチ間隔Pにて巻き付け
られる、構成とされるので、 (1)強化繊維補強材にてプラスチック管を極めて有効
に補強することができ、軽量で、しかも耐久性に優れて
おり、又、高耐圧、高強度である。 (2)強化繊維補強材にてプラスチック管を極めて有効
に補強することができ、強化繊維の目付量を減らした
り、或いは、低強度の強化繊維を使用することができ
る。 といった効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(A)は本発明に係る補強プラスチック管
の一実施例の構成を示す断面図、図1(B)は本発明に
係る補強プラスチック管の一実施例の構成を示す斜視図
である。
【図2】本発明に係る補強プラスチック管における、強
化繊維補強材の弾性率と角度θとの関係を示すグラフで
ある。
【図3】本発明に係る補強プラスチック管における、強
化繊維補強材の応力と螺旋角度αとの関係を示すグラフ
である。
【図4】本発明に係る補強プラスチック管における、強
化繊維補強材の螺旋角度αと応力状態との関係を示すグ
ラフである。
【図5】本発明に係る補強プラスチック管における、螺
旋角度αと応力状態との関係を示すグラフである。
【図6】本発明に係る補強プラスチック管の他の実施例
の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1 補強プラスチック管 2 プラスチック管 3 補強層 4 保護層 10、10A 強化繊維補強材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹内 貴司 東京都千代田区大手町2−6−3 新日本 製鐵株式会社内 (72)発明者 郡司 盛 東京都千代田区大手町2−6−3 新日本 製鐵株式会社内 (72)発明者 荒川 崇 東京都千代田区大手町2−6−3 新日本 製鐵株式会社内 (72)発明者 大川 大一 東京都千代田区大手町2−6−3 新日本 製鐵株式会社内 (72)発明者 青柳 成彰 東京都千代田区大手町2−6−3 新日本 製鐵株式会社内 (72)発明者 田所 寛之 東京都千代田区大手町2−6−3 新日本 製鐵株式会社内 (72)発明者 渡辺 宣行 東京都港区芝浦一丁目2番1号 日立金属 株式会社内 (72)発明者 荒木 悟 東京都港区芝浦一丁目2番1号 日立金属 株式会社内 (72)発明者 竹田 敏和 東京都中央区日本橋小舟町3−8 日鉄コ ンポジット株式会社内 (72)発明者 今村 伸二 東京都中央区日本橋小舟町3−8 日鉄コ ンポジット株式会社内 Fターム(参考) 3H111 AA01 BA15 BA25 CA53 CB03 CB05 CB14 CB23 CB29 CC13 CC19 DA08 DB03 DB05 4F205 AA03 AA15 AA36 AA37 AA39 AA41 AA43 AB11 AC03 AD04 AD05 AD16 AG01 AG08 AH43 HA02 HA06 HA23 HA33 HA37 HA43 HB13 HC12 HC16 HC17 HL11 HL21 HM13 HT13 HT21 4F211 AA04 AA11 AA15 AA36 AA37 AA39 AA41 AD05 AD12 AD16 AG03 AG08 SC01 SD01 SD23 SG07

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラスチック管の外周面に、連続したテ
    ープ状或いはシート状とされる強化繊維に樹脂を含浸し
    た強化繊維補強材を連続して螺旋状に巻き付けて少なく
    とも1層の補強層を形成した補強プラスチック管におい
    て、 前記強化繊維補強材は、螺旋角度をαとしたとき、50
    °<α<85°にて、密巻き、或いは、所定のピッチ間
    隔Pにて巻き付けられることを特徴とする補強プラスチ
    ック管。
  2. 【請求項2】 前記螺旋角度αは、52°≦α≦60°
    であることを特徴とする請求項1の補強プラスチック
    管。
  3. 【請求項3】 前記強化繊維は、PAN系或いはピッチ
    系炭素繊維、ガラス繊維、又は、有機繊維を、一種或い
    は複数種混入して使用され、前記樹脂は、熱硬化性樹脂
    であることを特徴とする請求項1又は2の補強プラスチ
    ック管。
  4. 【請求項4】 前記熱硬化性樹脂は、常温硬化型或は熱
    硬化型のエポキシ樹脂、ビニールエステル樹脂、MMA
    樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、又はフェノール樹脂で
    あることを特徴とする請求項3の補強プラスチック管。
  5. 【請求項5】 前記強化繊維補強材の強化繊維として炭
    素繊維を使用した場合には、前記強化繊維補強材にて形
    成される補強層の最外層に、強化繊維としてガラス繊
    維、又は、有機繊維を使用し、樹脂を含浸して形成され
    た第2の強化繊維補強材を螺旋状に巻き付けて保護層を
    形成したことを特徴とする請求項3又は4の補強プラス
    チック管。
  6. 【請求項6】 前記第2の強化繊維補強材は、螺旋角度
    をαとしたとき、0°<α<90°にて、密巻き、或い
    は、所定のピッチ間隔にて巻き付けられることを特徴と
    する請求項5の補強プラスチック管。
  7. 【請求項7】 前記第2の強化繊維補強材に使用する前
    記樹脂は、熱硬化性樹脂であることを特徴とする請求項
    5又は6の補強プラスチック管。
  8. 【請求項8】 前記熱硬化性樹脂は、常温硬化型或は熱
    硬化型のエポキシ樹脂、ビニールエステル樹脂、MMA
    樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、又はフェノール樹脂で
    あることを特徴とする請求項7の補強プラスチック管。
  9. 【請求項9】 前記強化繊維補強材における、次式で定
    義される繊維割合Vfは、 繊維割合Vf(%)=(繊維の全体積)/(樹脂の全体
    積+繊維の全体積) 10〜99.9%であることを特徴とする請求項1〜8
    のいずれかの項に記載の補強プラスチック管。
  10. 【請求項10】 前記プラスチック管は、ポリエチレ
    ン、ポリプロピレン、塩化ビニル、ポリフェノールにて
    作製されることを特徴とする請求項1〜9のいずれかの
    項に記載の補強プラスチック管。
  11. 【請求項11】 前記補強プラスチック管は、更に、最
    外層としてプラスチック製の外管を設けたことを特徴と
    する請求項1〜10のいずれかの項に記載の補強プラス
    チック管。
  12. 【請求項12】 前記プラスチック外管は、ポリエチレ
    ン、ポリプロピレン、塩化ビニル、ポリフェノールにて
    作製されることを特徴とする請求項11の補強プラスチ
    ック管。
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