JP2019113166A - 配管溶接部補強構造及びこれを備えたボイラプラント並びに配管溶接部補強方法 - Google Patents

配管溶接部補強構造及びこれを備えたボイラプラント並びに配管溶接部補強方法 Download PDF

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Abstract

【課題】配管の溶接部の余寿命に影響を与えることなく溶接部を補強することができる配管溶接部補強構造を提供する。【解決手段】配管溶接部補強構造1は、配管2上に周方向に延在するように形成された溶接部W1と、周方向に交差する方向に溶接部W1を挟んで延在するとともに、溶接部W1に対して非接触とされた補強リブ3と、補強リブ3の両端部側のそれぞれに固定されるとともに、溶接部W1から離間した位置にて配管2に対して溶接によって固定された支持板7とを備えている。【選択図】図1

Description

本発明は、溶接部を有する配管の配管溶接部補強構造及びこれを備えたボイラプラント並びに配管溶接部補強方法に関するものである。
例えば発電設備を備えたボイラプラントに使用される配管は、長期寿命を要求されるが、高温で長期間使用されるため、溶接部分で疲労やクリープなどによる損傷が発生する場合がある。ボイラプラントで使用される高温配管は、ボイラで加熱された高温高圧の蒸気を蒸気タービンに通気させるが、溶接箇所で高温かつ長時間の使用によりクリープ損傷が進行してクリープボイドが発生し、これらのボイドがつながることで亀裂が生じ、最終的には破断する。一般的には、母材部に比べて配管の溶接部はクリープ破断リスクが高い。
ボイラで加熱された高温高圧の過熱蒸気が流れる主蒸気管および再熱蒸気管等は、ボイラの起動発停時に配管の温度差が生じ、また、配管の取り回しのために熱伸びによって、配管応力と呼ばれる大きな力が発生する。そのため、配管の中でも亀裂発生源となり易い溶接部において、配管応力のために疲労やクリープ損傷が生じ易い。
配管の溶接部など疲労やクリープ損傷が生じ易い配管の余寿命評価を実施し、リスクが高いと判断された部分の寿命延長のために配管温度を低下させることが提案されている。特許文献1には、配管周囲に設けた保温材を撤去して冷却装置を設置することで、配管温度を低下させるようになっている。
特許文献2には、配管のエルボ部に形成された溶接部に対して直接的に拘束ロッドや拘束ラグを溶接によって取り付けて応力を分散させることが開示されている。
特開2015−45619号公報 特開2004−176791号公報
しかし、特許文献2のように配管の溶接部を補強するために、火力発電設備の高温高圧配管に対して溶接部に直接接触するように補強材を溶接接合して設けると、溶接部の溶接事業者検査が義務付けられるため現地溶接作業が簡易に出来ないという問題がある。
また、配管の溶接部に補強リブを直接溶接することで、配管とリブの溶接加工による入熱によって残留応力が生じて余寿命に影響を及ぼす可能性がある。
このような事情に鑑みてなされたものであって、本開示は、配管の溶接部の余寿命に影響を与えることなく溶接部を補強することができる配管溶接部補強構造及びこれを備えたボイラプラント並びに配管溶接部補強方法を提供することを目的とする。
本開示の一態様に係る配管溶接部補強構造は、配管上に一方向に延在するように形成された溶接部と、前記一方向に交差する方向に前記溶接部を挟んで延在するとともに、該溶接部に対して非接触とされた補強部材と、該補強部材の両端部側のそれぞれに固定されるとともに、前記溶接部から離間した位置にて前記配管に対して溶接によって固定された固定部材と、を備えている。
溶接部が延在する一方向に交差する方向に溶接部を挟んで延在する補強部材を設け、この補強部材の両端を固定部材で配管に対して固定することとした。そして、溶接部に対して補強部材を非接触とし、補強部材が溶接部に対して構造的に悪影響を与えることがない構造とした。このように、溶接部を挟んで所定距離だけ離間した位置同士を補強部材で固定して補強する構造とした。これにより、溶接部に発生していた応力の一部は補強部材で支持されるようになり、溶接部に発生する応力が低減するので溶接部の余寿命を延長することができる。
固定部材は、配管に対して溶接によって固定されているが、溶接部から離間した位置で配管に対して溶接が行われるため、溶接時の熱影響(残留応力など)が配管の溶接部に影響を及ぼすことがない。
さらに、本開示の一態様に係る配管溶接部補強構造では、前記固定部材と前記溶接部との離間距離は、該固定部材の溶接による入熱によって温度上昇した後の前記溶接部の熱影響領域の温度が、前記配管の使用時に内部に流れる加熱流体の温度を超えない温度となる程度の距離とされている。
固定部材を溶接によって配管に固定する際に、溶接する位置が溶接部に近づくにつれて、溶接による入熱によって溶接部の熱影響領域(HAZ:Heat Affected Zone)が加熱されて温度上昇する。この溶接部や熱影響領域の温度上昇が配管の使用時の温度を超えない程度の距離だけ溶接部から離間させて固定部材を固定することとした。これにより、使用時の温度を超えて溶接部を加熱することを回避できるので、固定部材の溶接固定時に溶接部や熱影響領域に損傷を与えることがない。また、溶接部への入熱を抑えることができるので、溶接事業者検査が不要となる。
配管の使用時に内部に流れる加熱流体の温度としては、例えば、配管をボイラの主蒸気管や再熱蒸気管に用いた場合には、500℃以上680℃以下とされる。
さらに、本開示の一態様に係る配管溶接部補強構造では、前記固定部材は、前記配管に対してタック溶接によって固定されたタック溶接固定部が設けられている。
タック溶接によって溶接線を断続的に形成して固定部材を配管に固定することで、溶接部や熱影響領域への入熱を抑制することができる。
固定部材を配管に溶接固定するにあたり、固定部材の全周囲長さは、配管との溶接接合に必要とされる溶接脚長の長さよりも十分に長い場合がある。この場合には、固定部材の全周囲にわたり溶接を行わずにタック溶接を行うことで作業が簡便となる。
さらに、本開示の一態様に係る配管溶接部補強構造では、前記固定部材の前記溶接部に面する側は、溶接による固定が行われていない非溶接部とされている。
固定部材を配管に溶接固定する際に、固定部材の全周囲にわたり溶接を行わずに一部を除いて溶接固定する。固定部材の溶接部に面する側には溶接による固定を行わないことより、溶接部や熱影響領域への入熱を抑制することができる。
さらに、本開示の一態様に係る配管溶接部補強構造では、前記補強部材の前記溶接部に対向する側には、該溶接部から退避するように形成された切欠部が設けられている。
補強部材の溶接部に対向する側に、溶接部から退避するように形成された切欠部を設けることとした。切欠部によって、補強部材が溶接部に直接接触することを確実に防止することができる。切欠部は、溶接部から配管の外周側へ退避するように形成することが好ましい。
切欠部の形状としては、応力集中が生じないようなR部を有する形状が好ましく、例えば円弧形状が挙げられる。
さらに、本開示の一態様に係る配管溶接部補強構造では、前記補強部材は、前記配管とは反対側に、該補強部材の延在方向に交差する方向に固定された付加部材を備えている。
補強部材の配管とは反対側に、補強部材の延在方向に交差する方向に固定された付加部材を設けることとした。これにより、補強部材の断面係数を増加させて、補強部材の強度を向上させることができる。
また、付加部材は、補強部材の表面積が増大させるとともに冷却フィンとして機能することで、補強部材を低下することで補強部材を介して配管からの放熱能力を増加させて配管の溶接部分とその付近の温度を冷却促進することができる。
また、補強部材に切欠部が形成されている場合には、切欠部に対応する位置に付加部材を設けることで、切欠部による強度低下を付加部材で補うことができる。
付加部材は、補強部材に対して別途固定することとしても良いが、例えばL字アングルのように補強部材とともに一体で設けても良い。
さらに、本開示の一態様に係る配管溶接部補強構造では、前記補強部材は、前記配管よりも小さい線膨張係数を有する。
配管が熱伸びする場合には、補強部材の線膨張係数を配管よりも小さくしておくことで、補強部材によって配管に対して引張応力を軽減することができる。これにより、溶接部の亀裂発生への負担を軽減して余寿命を延ばすことができる。
さらに、本開示の一態様に係る配管溶接部補強構造では、前記配管は、曲げ形状とされ、該曲げ形状の内周側に形成された前記溶接部を補強するように設けられている。
配管が曲げ形状(エルボ)とされている場合、曲げ形状の腹側の方が背側よりも大きな引張応力が加わるので、曲げ形状の腹側を補強することとした。
また、本開示の一態様に係るボイラプラントは、上記のいずれかに記載された配管溶接部補強構造と、前記配管の内部を流れる蒸気流れの上流側に接続されて蒸気を生成する熱交換器と、該熱交換器に設けられた伝熱管を加熱する燃焼ガスが流通する燃焼ガス流通流路と、を備えている。
上述の配管溶接部補強構造の配管の上流側に、蒸気を生成する熱交換器が接続されている。熱交換器の伝熱管は、燃焼ガス流通流路を流れる燃焼ガスによって加熱される。これにより、配管の溶接部の余寿命が延長されたボイラプラントが提供される。
熱交換器としては、例えば、過熱器や再熱器が挙げられる。
また、本開示の一態様に係る配管溶接部補強方法は、長手方向に延在する補強部材の両端側にそれぞれ固定部材を接続する固定部材接続工程と、配管上に形成された溶接部が延在する一方向に対して前記補強部材の前記長手方向が交差するように前記補強部材を該溶接部に対して非接触となるように配置する補強部材配置工程と、前記溶接部から離間した位置にて前記配管に対して各前記固定部材を溶接によって固定する固定部材溶接固定工程と、を備えている。
補強部材に対して固定部材を固定した後に、固定部材を配管に対して溶接によって固定することとした。このように、配管に対して固定部材を介して補強部材を取り付ける前に、補強部材に対して固定部材を予め固定しておくことで、配管が設置された現場における作業を限定的にして作業性を向上させることができる。
さらに、本開示の一態様に係る配管溶接部補強方法では、前記固定部材溶接固定工程の前に、前記補強部材の前記配管とは反対側に、該補強部材の延在方向に交差する方向に付加部材を固定する付加部材固定工程を備えている。
補強部材に付加部材を固定する工程を、固定部材を配管に対して溶接によって固定する工程よりも前に行うこととした。このように、補強部材に対して付加部材を予め固定しておくことで、配管が設置された現場における作業を限定的にして作業性を向上させることができる。
補強部材を溶接部に対して非接触とした上で、固定部を溶接部から離間した位置に溶接によって固定することとしたので、配管の溶接部の余寿命に影響を与えることなく溶接部を補強することができる。
本開示の第1実施形態に係る配管溶接部補強構造を示した斜視図である。 第1実施形態の変形例とされた補強フレームを示した斜視図である。 本開示の第2実施形態に係る配管溶接部補強構造を示した側面図である。 図3Aの切断線A−Aにおける断面図である。
[第1実施形態]
図1には、配管2に対して補強リブ(補強部材)3が取り付けられた配管溶接部補強構造1が示されている。
配管2は、直線状の中心軸線C1を有する円形断面を有する直管とされている。配管2は、高温高圧の過熱蒸気などの流体が通過可能なものであり、低合金鋼(1Cr-Mo鋼や2Cr-Mo鋼等)、高クロム鋼(9Cr-Mo鋼や12Cr-Mo鋼等)、オーステナイト鋼(SUS304やSUS316等)、Ni基合金鋼等を用いた金属製とされている。配管2は、例えば火力発電プラント等のボイラプラントに用いられる主蒸気管や再熱蒸気管とされている。したがって、配管2の蒸気流れの上流側には、ボイラの過熱器または再熱器が接続されている。過熱器または再熱器は、火炉の下流側の煙道に設けられ、煙道内には高温の燃焼ガスが流通するようになっている。
配管2の内部には500℃以上680℃以下の高温高圧の過熱蒸気が流れる。配管2の内部の圧力は、1MPa以上50MPa以下とされる。配管2の外部の圧力は大気圧とされる。配管2の外径は、200mm以上1000mm以下とされ、配管2の板厚は、10mm以上200mm以下とされている。
配管2には、周方向(一方向)の全体に連続して形成された溶接部W1が設けられている。周方向の溶接部W1によって配管2の周継手が構成されている。
溶接部W1の両側には、溶接時の入熱によって熱影響領域(HAZ:Heat Affected Zone)4が形成されている。配管2の長手方向の中心軸線C1方向における熱影響領域4の寸法L1は、配管2の外径と板厚に対する溶接時の入熱にもよるが、100mm以上1000mm以下とされる。
配管2の定期検査時には、クリープ破断リスクが高い溶接部W1及び熱影響領域4の検査が主として行われる。また、溶接部W1及び熱影響領域4は、電気事業法により火力発電設備の溶接した構造物に対する必要な検査として、溶接事業者検査が義務付けられる部分である。
補強リブ3は、略長方形とされた板状とされている。補強リブ3は、配管2と同じ材料とされた金属製とされている。補強リブ3は、長手方向が配管2の中心軸線C1に沿って向けられて配置されている。つまり、補強リブ3は、溶接部W1に対して交差するように(より具体的には直交するように)、溶接部W1を跨いで配置されている。補強リブ3の板厚は、例えば10〜50mm、高さは例えば50〜200mmとされる。
補強リブ3の長手方向における中央部には、配管2に対向する端部側に切欠部3aが形成されている。すなわち、切欠部3aは、配管2の溶接部W1の外周側に位置している。切欠部3aは、溶接部W1から配管2の外周側へ退避して、補強リブ3が溶接部W1に接触しない形状とされ、円弧形状(より具体的には半円形状)とされている。なお、切欠部3aの形状は、半円形状に代えて、応力集中が生じないようなR部を有する他の形状であっても良い。
補強リブ3の長手方向における両端には、支持板(固定部材)7が設けられている。支持板7は、平面視した場合に矩形状とされた帯状とされており、配管2の外形状に対応した曲率とされた曲面を有している。支持板7の板厚は、例えば10〜30mmとされている。支持板7の外周面には、補強リブ3の端面が付き合わされた状態で溶接によって固定されている。
支持板7の内周面が配管2の外表面に嵌まるように配置された状態で、支持板7の周囲に沿って溶接により配管2との固定が施されている。支持板7を配管2に溶接固定するにあたり、支持板7の全周囲長さは、配管2との溶接接合に必要とされる溶接脚長の長さよりも十分に長くなる。このため、支持板7の全周囲にわたり溶接を行わずに、タック溶接によって配管2に対して支持板7が直接的に固定されている。このように、支持板7の周囲には、溶接線が断続的に形成されたタック溶接部7aが設けられている。さらに、支持板7の溶接部W1に面する側(すなわち溶接部W1に対向する辺)は、溶接が行われない非溶接部7bとされていてもよい。このように支持板7を配管2に溶接固定するにあたり、タック溶接部7aと非溶接部7bとを設けることによって、溶接部W1及び熱影響領域4に対する入熱を可及的に小さくするようにしている。
各支持板7と溶接部W1との離間距離は、支持板7のタック溶接による入熱によって温度上昇した後の溶接部W1及び熱影響領域4の温度が、配管2の使用時に内部に流れる蒸気(加熱流体)の温度を超えない温度となる程度の距離とされている。具体的には、配管2をボイラの主蒸気管や再熱蒸気管に用いた場合には、500℃以上680℃以下とされた蒸気温度を超えない温度とされる。
補強リブ3の外周側の端部すなわち配管2側とは反対側の端部には、長手方向の中央に、付加板(付加部材)8が溶接によって固定されている。付加板8は、補強リブ3の延在方向に交差する方向(具体的には直交する方向)に延在するように設けられている。補強リブ3に付加板8を設けることによって、補強リブ3の横断面形状がT字形状となる。なお、付加板8は、横断面形状がT字形状となるように取り付ける代わりに、L字形状となるように取り付けても良い。この場合、補強リブ3としてL字アングル材を用いることとして補強リブ3と付加板8とを一体的に構成しても良い。
図1に示した配管溶接部補強構造1は、以下のように組み立てられる。
配管2の定期検査時に、MT検査(Magnetic Particle Testing:磁粉探傷検査)やPT検査(Penetrant Testing:浸透探傷検査)等の非破壊検査、非破壊評価または解析法を用いた配管2のクリープ破断の余寿命評価が行われる。この定期検査時に、クリープ破断リスクの高い溶接部W1が確認され、定常の継続使用が出来ない、または、このまま継続使用すると次の定期検査まで余寿命が期待できないと判断された場合に、補強リブ3が配管2に対して取り付けられる。
補強リブ3と支持板7と付加板8は、工場や現場隣接場所などの配管2が設置された現場とは別の場所で事前に予め組み立てられていともよい。具体的には、補強リブ3の両端部側に対して、それぞれ支持板7を溶接によって固定済とする(固定部材接続工程)。
その後、補強リブ3の長手方向における中央部に、付加板8を溶接によって固定済とする(付加部材固定工程)。この様にして組み立てられた補強フレーム10を、補強する必要があると判断された配管2の溶接部W1まで持って行き、溶接部W1に対して補強リブ3が直交するように配置する(補強部材配置工程)。
そして、支持板7を配管2に対してタック溶接して固定する(固定部材溶接固定工程)。
以上の通り、本実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
溶接部W1が延在する周方向に交差する方向に溶接部W1を挟んで延在する補強リブ3を設け、この補強リブ3の長手方向の両端を支持板7で配管2に対して固定することとした。そして、溶接部W1に対して補強リブ3を非接触とし、補強リブ3が溶接部W1に対して構造的に悪影響を与えることがない構造とした。このように、溶接部W1を挟んで所定距離だけ離間した位置同士を補強リブ3で固定して補強する構造とした。これにより、溶接部W1への応力発生を低減して、また溶接部W1への引張応力を軽減して亀裂発生を抑制して、溶接部W1の余寿命を延長することができる。
支持板7は、配管2に対して溶接によって固定されているが、溶接部W1から離間した位置で溶接が行われるため、溶接時の熱影響(残留応力など)が配管2の溶接部W1に影響を及ぼすことがない。
支持板7を溶接によって配管2に固定する際に、溶接による入熱によって溶接部W1の熱影響領域4が加熱されて温度上昇する。この溶接部W1や熱影響領域4の温度が配管2の使用時の温度を超えない程度の距離だけ溶接部W1から離間させて支持板7を固定することとした。これにより、使用時の温度を超えて溶接部W1を加熱することを回避できるので、支持板7の溶接固定時に溶接部W1や熱影響領域4に損傷を与えることがない。また、溶接部W1への入熱を抑えることができるので、溶接事業者検査が不要となる。
タック溶接によって溶接線を断続的に形成して支持板7を配管2に固定することとしたので、溶接部W1や熱影響領域4への入熱を抑制することができる。
支持板7の溶接部W1に面する側には非溶接部7bを設けて溶接による固定を行わないこととした。これにより、溶接部W1や熱影響領域4への入熱を抑制することができる。
補強リブ3の溶接部W1に対向する端部に、溶接部W1から配管2の外周側へ退避するように形成された切欠部3aを設けることとした。切欠部3aによって、補強リブ3が溶接部W1に直接接触することを確実に防止して、支持板7の溶接固定時に溶接部W1に影響を与えないようにすることができる。また、補強リブ3に切欠部3aを設けているため、溶接部W1に直接接触する場合と比較して、溶接部W1近傍からの放熱を促進させることができる。
補強リブ3の配管2とは反対側に、補強リブ3の長手方向に直交する方向に延在する付加板8を設けることとした。これにより、補強リブ3の断面係数を増加させて、補強リブ3の強度を向上させることができる。
また、付加板8は、補強リブ3の表面積が増大させるとともに冷却フィンとして機能することで、補強リブ3の温度を低下することで補強リブ3を介した配管2の放熱能力を増加させることができ、配管2の溶接部W1とその付近の熱影響領域4の冷却を促進することができる。
また、補強リブの切欠部3aに対応する位置に付加板8を設けることで、切欠部3aによる強度低下を付加板8で補うことができる。
なお、図1に示した実施形態では、2つの補強リブ3を配管2の中心軸線C1を挟んで反対側にそれぞれ設けることとしたが、補強リブ3の数はこれに限定されるものではない。
また、図2に示すように、支持板7に対して複数(同図の例では3つ)の補強リブ3を並列に設けた補強フレーム10’としても良い。また、補強リブ3を並列に配置する際のピッチ(間隔)は任意である。図2に示したように、支持板7は、配管2の周囲の略180°にわたって設けても良い。このように、支持板7の周方向の長さは適宜調整される。
また、補強リブ3に設けた切欠部3aは、省略しても良い。例えば、溶接部W1の配管2の外周面より突出量が少ない場合や、補強リブ3と溶接部W1との接触を避けることができる程度の厚さを支持板7が有していることで、補強リブ3と配管2の外周面との隙間に溶接部W1が入り込む場合には、切欠部3aを省略できる。この場合の補強リブ3の配管2側の端面は、長手方向に直線状とされた形状となる。
[第2実施形態]
次に、本開示の第2実施形態について、図3A及び図3Bを用いて説明する。第1実施形態と同様の構成については、同一符号を付しその説明を省略する。
図3Aには、曲げ形状すなわちエルボとされた配管12が示されている。配管12には、図3Bに示すように、曲げ形状とされた配管12の腹側(曲げ形状の内周側)と背側(曲げ形状の外周側)にそれぞれ溶接部W2,W3が形成されている。このように、溶接部W2,W3が配管2の長手方向に形成された長手継手とされている。
配管12の腹側(曲げ形状の内周側)に補強リブ3が取り付けられており、背側には補強リブ3が取り付けられていない。これは、高温高圧の蒸気が流通した配管12がエルボの場合、腹側の方が背側よりも大きな引張応力が加わるためである。ただし、背側にも許容値を超える応力が加わる場合には、背側にも補強リブ3が取り付けられてもよい。
補強リブ3は、溶接部W2が延在する長手方向(一方向)に対して交差する方向(具体的には直交する方向)に向けて配置されている。
このように補強リブ3を配管12に対して取り付けることで溶接部W2の余寿命を延長することができる。その他の作用効果については、第1実施形態と同様なので省略する。
なお、上述した各実施形態では、配管2,12と補強リブ3とは同じ材料を用いることとした。配管2,12に対して補強リブ3の温度は低くなるので、補強リブ3は配管2,12よりも熱膨張量が小さくなり、溶接部W2には引張応力が軽減するので、溶接部W1,W2への亀裂発生を低減して、溶接部W1,W2の余寿命を延長することができる。また、補強リブ3として、配管2,12の線膨張係数よりも小さい材料を用いることとしても良い。例えば、配管2,12に9〜12%程度のクロムを含有する高クロム鋼(線膨張係数:11〜13×10−6/K)を用いる場合には、フェライト系ステンレス鋼(線膨張係数:10〜12×10−6/K)などを用いる。これにより、補強リブ3の線膨張係数を配管2,12よりも小さくしておくことで、補強リブ3によって配管2,12の熱伸びを抑制することができる。これにより、溶接部W1,W2の応力負担を軽減し、また溶接部W1,W2への引張応力を軽減して亀裂発生を低減して、余寿命を延ばすことができる。
また、上述した各実施形態では、ボイラからの主蒸気や再熱蒸気が流れる配管2,12の補強構造として説明したが、例えば500℃以上とされた高温の流体が流れる配管の溶接接合部分に対しても同様な適用可能である。
1 配管溶接部補強構造
2 配管
3 補強リブ(補強部材)
3a 切欠部
4 熱影響領域
7 支持板(固定部材)
7a タック溶接部
7b 非溶接部
8 付加板(付加部材)
10,10’ 補強フレーム
12 配管
W1 溶接部
W2 (腹側の)溶接部
W3 (背側の)溶接部

Claims (11)

  1. 配管上に一方向に延在するように形成された溶接部と、
    前記一方向に交差する方向に前記溶接部を挟んで延在するとともに、該溶接部に対して非接触とされた補強部材と、
    該補強部材の両端部側のそれぞれに固定されるとともに、前記溶接部から離間した位置にて前記配管に対して溶接によって固定された固定部材と、
    を備えている配管溶接部補強構造。
  2. 前記固定部材と前記溶接部との離間距離は、該固定部材の溶接による入熱によって温度上昇した後の前記溶接部の熱影響領域の温度が、前記配管の使用時に内部に流れる加熱流体の温度を超えない温度となる程度の距離とされている請求項1に記載の配管溶接部補強構造。
  3. 前記固定部材は、前記配管に対してタック溶接によって固定されたタック溶接固定部が設けられている請求項1又は2に記載の配管溶接部補強構造。
  4. 前記固定部材の前記溶接部に面する側は、溶接による固定が行われていない非溶接部とされている請求項1から3のいずれかに記載の配管溶接部補強構造。
  5. 前記補強部材の前記溶接部に対向する側には、該溶接部から退避するように形成された切欠部が設けられている請求項1から4のいずれかに記載の配管溶接部補強構造。
  6. 前記補強部材は、前記配管とは反対側に、該補強部材の延在方向に交差する方向に固定された付加部材を備えている請求項1から5のいずれかに記載の配管溶接部補強構造。
  7. 前記補強部材は、前記配管よりも小さい線膨張係数を有する請求項1から6のいずれかに記載の配管溶接部補強構造。
  8. 前記配管は、曲げ形状とされ、
    該曲げ形状の内周側に形成された前記溶接部を補強するように設けられている請求項1から7のいずれかに記載の配管溶接部補強構造。
  9. 請求項1から8のいずれかに記載された配管溶接部補強構造と、
    前記配管の内部を流れる蒸気流れの上流側に接続されて蒸気を生成する熱交換器と、
    該熱交換器に設けられた伝熱管を加熱する燃焼ガスが流通する燃焼ガス流通流路と、
    を備えているボイラプラント。
  10. 長手方向に延在する補強部材の両端側にそれぞれ固定部材を接続する固定部材接続工程と、
    配管上に形成された溶接部が延在する一方向に対して前記補強部材の前記長手方向が交差するように前記補強部材を該溶接部に対して非接触となるように配置する補強部材配置工程と、
    前記溶接部から離間した位置にて前記配管に対して各前記固定部材を溶接によって固定する固定部材溶接固定工程と、
    を備えている配管溶接部補強方法。
  11. 前記固定部材溶接固定工程の前に、前記補強部材の前記配管とは反対側に、該補強部材の延在方向に交差する方向に付加部材を固定する付加部材固定工程を備えている請求項10に記載の配管溶接部補強方法。
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