JP2015116603A - 溶接部分の補修溶接方法及び補修溶接構造 - Google Patents

溶接部分の補修溶接方法及び補修溶接構造 Download PDF

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Abstract

【課題】補修溶接による強度低下を抑制できる溶接部分の補修溶接方法を提供する。【解決手段】中空筒状の大口径の管材2と、中空筒状の大口径の管材3とを第1の溶接材料4を周方向に施して突き合わせ溶接した溶接部分の補修溶接方法であって、溶接部分に生じた欠陥を第1の管材2または第2の管材3の少なくとも一方を含めて切除するステップと、切除した領域に切除した管材の線膨張係数より大きな線膨張係数を有する第2の溶接材料5で肉盛り溶接するステップとを備えた。【選択図】図3

Description

本発明は、溶接部分の補修溶接方法及び補修溶接構造に関するもので、例えば、火力発電所に設置された陸用ボイラの大口径配管の溶接部分等、熱の影響を受ける配管の補修に好適な溶接部分の溶接方法及び補修溶接構造に関する。
火力発電所に設置された陸用ボイラの大口径配管の溶接部分は、定期的に組織検査、超音波検査等の非破壊検査が行われ、その結果に基づいて、欠陥部分は補修溶接が行われている。補修溶接は、欠陥部分を両側または片側から切除し、その切除した部分に肉盛り溶接を施すのが一般的である。
また、第1の母材と第2の母材とを突き合わせ溶接した溶接部分の補修溶接方法として、第1の母材との境界部及び第2の母材との境界部の両者を含むとともに、第1の母材及び第2の母材の表面から厚み方向に深さを有する領域を当該領域の底面が前記表面に沿うように切除した後、当該領域を肉盛り溶接する溶接部分の補修溶接方法が公知である(例えば、特許文献1参照)。
また、第1の母材と第2の母材とを母材の成分と近い溶接材料で溶接された溶接部分の補修方法として、溶融、固化した後のクリープ延性が母材よりも大きい材料(例えば、母材よりも炭素の含有量が少ない材料)で肉盛り溶接する溶接部分の補修溶接方法が公知である(例えば、特許文献2参照)。
特開2011−194458号公報 特開2003−326385号公報
しかしながら、溶接部分の補修溶接によっても母材や溶接金属に新たに熱が加わり、母材や溶接金属に熱影響部(HAZ(Heat Affected Zone))が形成されるので、意図しない強度低下を招くことがある。
本発明は、上記実情を鑑みて、補修溶接による強度低下を抑制できる溶接部分の補修溶接方法及び補修溶接構造を提供することを目的とする。
本発明は、中空筒状の第1の管材と中空筒状の第2の管材とを第1の溶接材料を周方向に施して突き合わせ溶接した溶接部分の補修溶接方法であって、前記溶接部分に生じた欠陥を前記第1の管材または前記第2の管材の少なくとも一方を含めて切除するステップと、切除した領域に前記切除した管材の線膨張係数より大きな線膨張係数を有する第2の溶接材料で肉盛り溶接するステップとを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、第1の管材と第2の管材とに内圧と熱が作用した場合に第2の溶接材料で肉盛り溶接された部分がほかの部分よりも膨張する。これにより、一部(第2の溶接材料で肉盛り溶接された部分)が欠落した円環状をなす部分には圧縮応力が生じる。この圧縮応力は、第1の管材と第2の管材とにおいて内圧と熱により周方向に生じる引っ張り応力(フープ応力)を緩和する。これにより、溶接による熱影響部に作用する作用応力が低減される。したがって、本発明の溶接部分の補修溶接方法によれば、補修溶接による強度低下を抑制できる。
本発明の一態様では、前記第1の管材及び前記第2の管材と前記第1の溶接材料は、同一材料からなることが好ましい。
このようにすれば、第1の管材と第2の管材とに内圧と熱が作用した場合に第2の溶接材料で溶接した部分が第1の溶接材料で溶接した部分よりも膨張する。これにより、一部が欠落した円環状をなす部分(第1の溶接材料で溶接された部分)には圧縮応力が生じる。この圧縮応力は、第1の管材と第2の管材とにおいて内圧と熱により周方向に生じる引っ張り応力(フープ応力)を緩和する。これにより、溶接による熱影響部に作用する作用応力が低減される。したがって、この溶接部分の補修溶接方法によれば、補修溶接による強度低下を抑制できる。
本発明の一態様では、前記第2の溶接材料は、前記第1の管材及び前記第2の管材よりもクリープ強度が大きいことが好ましい。
このようにすれば、第2の溶接材料で肉盛り溶接された部分のクリープ強度を向上させることができる。
本発明は、中空筒状の第1の管材と中空筒状の第2の管材とを第1の溶接材料を周方向に施して突き合わせ溶接した溶接部分の補修溶接構造であって、前記溶接部分に生じた欠陥を切除した領域に前記第1の管材または前記第2の管材よりも線膨張係数が大きな第2の溶接材料で肉盛り溶接した補修溶接部を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、第1の管材と第2の管材とに内圧と熱が作用した場合に第2の溶接材料で肉盛り溶接された部分がほかの部分よりも膨張する。これにより、一部(第2の溶接材料で肉盛り溶接された部分)が欠落した円環状をなす部分には圧縮応力が生じる。この圧縮応力は、第1の管材と第2の管材とにおいて内圧と熱による周方向に生じる引っ張り応力(フープ応力)を緩和する。これにより、溶接による熱影響部に作用する作用応力が低減される。したがって、本発明の溶接部分の補修溶接構造によれば、補修溶接による強度低下を抑制できる。
本発明の一態様では、前記第1の管材及び前記第2の管材と前記第1の溶接材料は、同一材料からなることが好ましい。
このようにすれば、第1の管材と第2の管材とに内圧と熱が作用した場合に第2の溶接材料で溶接した部分が第1の溶接材料で溶接した部分よりも膨張する。これにより、一部が欠落した円環状をなす部分(第1の溶接材料で溶接された部分)には圧縮応力が生じる。この圧縮応力は、第1の管材と第2の管材とにおいて内圧と熱により周方向に生じる引っ張り応力(フープ応力)を緩和する。これにより、溶接による熱影響部に作用する作用応力が低減される。したがって、この溶接部分の補修溶接方法によれば、補修溶接による強度低下を抑制できる。
本発明の一態様では、前記第2の溶接材料は、前記第1の管材及び前記第2の管材よりもクリープ強度が大きいことが好ましい。
このようにすれば、第2の溶接材料で肉盛り溶接された部分のクリープ強度を向上させることができる。
以上説明したように、本発明によれば、第1の管材と第2の管材とに内圧と熱が作用した場合に第2の溶接材料で肉盛り溶接された部分がほかの部分よりも膨張する。これにより、一部(第2の溶接材料で肉盛り溶接された部分)が欠落した円環状をなす部分には圧縮応力が生じる。この圧縮応力は、第1の管材と第2の管材とにおいて内圧と熱とにより周方向に生じる引っ張り応力(フープ応力)を緩和する。これにより、溶接による熱影響部に作用する作用応力が緩和される。したがって、本発明によれば、補修溶接による強度低下を抑制できる。
本発明の実施の形態1である溶接部分の補修溶接方法を適用した大口径配管を示す図である。 本発明の実施の形態1である溶接部分の補修溶接方法により補修された溶接部分の外表面を示す図である。 本発明の実施の形態1である溶接部分の補修溶接方法を説明するための断面図である。 補修溶接長さと重複HAZの作用応力との関係を示す図である。 補修溶接長さと重複HAZのクリープ寿命比との関係を示す図である。 補修溶接を検討するに際して用いた条件(計算条件)を示す図である。 補修溶接の検討結果を示す図である。 補修溶接長さとひずみ応力との関係を示す図である。 本発明の実施の形態2である溶接部分の補修溶接方法を適用した大口径配管を示す図である。 本発明の実施の形態2である溶接部分の補修溶接方法により補修された溶接部分の外表面を示す図である。 本発明の実施の形態2である溶接部分の補修溶接方法を説明するための断面図である。
以下に添付図面を参照して、本発明に係る溶接部分の補修溶接方法及び補修溶接構造の実施の形態を詳細に説明する。ここでは、火力発電所に設置された陸用ボイラの大口径配管の溶接部分を例に説明するが、これに限定されるものではなく、熱の影響を受ける配管の溶接部分全般に適用可能であり、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
[実施の形態1]
図1は、本発明の実施の形態1である溶接部分の補修溶接方法を適用した大口径配管を示す図である。図2は、本発明の実施の形態1である溶接部分の補修溶接方法により補修された溶接部分の外表面を示す図である。図3は、本発明の実施の形態1である溶接部分の補修溶接方法を説明するための断面図である。
本発明の実施の形態1である溶接部分の補修溶接方法は、陸用ボイラの大口径配管の溶接部分に適用される。図1に示すように、陸用ボイラの大口径配管は、外径及び内径、材質が等しい中空筒状の大口径の管材2,3に突き合わせ溶接されることにより構成される。突き合わせ溶接に際しては、大口径の管材2,3の周方向において溶接材料(第1の溶接材料4)が溶融される。陸用ボイラの大口径配管には、クロム(Cr)を含有したフェライト系耐熱鋼による大口径の管材2,3が用いられる。クロムを含有したフェライト系耐熱鋼は、9〜12wt%のクロムを含むフェライト系耐熱鋼であって、高クロム耐熱鋼とも称されるものである。大口径の管材2,3の周方向において溶融される溶接材料(第1の溶接材料4)には、大口径の管材2,3と同一材料の溶接材料が用いられる。
図3(a)に示すように、突き合わせ溶接される一方の大口径の管材2と他方の大口径の管材3との間にはV形の開先が設けられ、開先に沿って溶接材料(第1の溶接材料4)が溶融され、固まった溶接材料(以下「溶接金属4」という)を介して、一方の大口径の管材2と他方の大口径の管材3とが接合(溶接)される。そして、一方の大口径の管材2と他方の大口径の管材3において溶融された第1の溶接材料4の熱の影響を受けた領域には熱影響部(HAZ)24,34が形成される。熱影響部24,34は、一方の大口径の管材2と他方の大口径の管材3とにおいて溶接金属4と接する境界面に沿って形成される。具体的には、図2及び図3(a)に示すように、開先に沿って略一定の深さで形成される。
陸用ボイラの大口径配管は、内圧や熱応力等による疲労等により、溶接部分に亀裂等の欠陥を生じる。この場合には、本発明の実施の形態1である溶接部分の補修溶接方法を実行することになる。
ここでは、図3(a)に示すように、大口径の管材3と溶接金属4とにわたり生じた欠陥Cの補修方法を例に説明する。
本発明の実施の形態1である溶接部分の補修溶接方法では、まず、機械的又は電気的な方法で、亀裂等の欠陥Cが生じた部分を切除するステップを実行する(図3(b)参照)。具体的には、図3(b)に示すように、溶接部分に生じた欠陥を大口径の管材3を含めて切除する。
つぎに、欠陥が切除された領域を大口径の管材2,3よりも線膨張係数が大きくクリープ強度も大きな溶接材料(第2の溶接材料5)で補修(肉盛り溶接)するステップを実行する(図3(c)参照)。大口径の管材2,3よりも線膨張係数が大きくクリープ強度も大きな材料には、インコネル(登録商標)系の溶接材料(ニッケル基合金)が用いられる。
このように、欠陥が切除された領域を第2の溶接材料5で補修すると、図2及び図3(c)に示すように、欠陥Cを切除した部分に沿って溶接材料(第2の溶接材料5)が溶融され、固まった溶接材料(以下「補修溶接金属5」という)を介して、大口径の管材3と溶接金属4とが接合(溶接)される。そして、大口径の管材3と溶接金属4とにおいて溶融された第2の溶接材料5の熱の影響を受けた領域には熱影響部(HAZ)35,45が形成される。熱影響部35,45は、大口径の管材3と溶接金属4とにおいて補修溶接金属5と接する境界面に沿って形成される。具体的には、欠陥が切除された領域に沿って略一定の深さで形成される。そして、第1の溶接材料4の熱の影響を受け、さらに、第2の溶接材料5の熱の影響を受けた領域には重複熱影響部(重複HAZ)345が形成される。
これにより、本発明の実施の形態1である溶接部分の補修溶接構造は、図2及び図3(c)に示すように、突き合わせ溶接される一方の大口径の管材2と他方の大口径の管材3との間にはV形の開先が設けられ、開先に沿って第1の溶接材料4が溶融され、固まった溶接金属4を介して、一方の大口径の管材2と他方の大口径の管材3とが接合(溶接)される。さらに、欠陥を切除した部分に沿って第2の溶接材料5が溶融され、固まった補修溶接金属(補修溶接部)5を介して、大口径の管材3と溶接金属4とが接合(溶接)される。そして、一方の大口径の管材2と他方の大口径の管材3とにおいて溶融された第1の溶接材料4の熱の影響を受けた領域には熱影響部(HAZ)24,34が形成され、大口径の管材3と溶接金属4とにおいて溶融された第2の溶接材料5の熱の影響を受けた領域には熱影響部(HAZ)35,45が形成される。また、第1の溶接材料4の熱の影響と第2の溶接材料5の熱の影響を受けた領域には重複熱影響部(重複HAZ)345が形成される。
上述した本発明の実施の形態1である溶接部分の補修溶接構造によれば、陸上ボイラの大口径配管に陸上ボイラの内圧と熱が作用した場合に補修溶接された補修溶接部(補修溶接金属5)がほかの部分(大口径の管材2,3及び溶接金属4)よりも膨張する。これにより、一部(補修溶接金属5)が欠落した円環状をなす溶接部分(大口径の管材2,3及び溶接金属4)には圧縮応力が生じる。この圧縮応力は、大口径配管において内圧と熱により周方向に生じる引っ張り応力(フープ応力)を緩和する。これにより、補修溶接による熱影響部に作用する作用応力が低減される。この作用応力の低減により、補修溶接による強度低下を抑制できる。この結果、補修溶接による熱影響部のクリープ寿命の長寿命化も可能になる。
また、第2の溶接材料5には、大口径の管材2,3よりもクリープ強度も大きなインコネル(登録商標)系の溶接材料が用いられるので、補修溶接金属5によってもクリープ寿命の長寿命化が可能になる。
図4は、補修溶接長さと重複HAZの作用応力との関係を示す図であり、図5は、補修溶接長さと重複HAZのクリープ寿命比との関係を示す図である。
図4に示すように、溶接金属の材料と補修溶接金属の材料とが同じ同材補修の場合には、補修溶接長さを長くしても重複HAZの作用応力は一定となるので、補修溶接によって重複HAZの作用応力を減ずることはできない。一方、溶接金属の材料よりも線膨張係数が大きい異材補修の場合には、補修溶接長さを長くすると重複HAZの作用応力は減少(反比例)する。
また、図5に示すように、同材補修の場合には、補修溶接長さを長くしても重複HAZのクリープ寿命比は一定となるので、補修溶接によって重複HAZのクリープ寿命を長寿命化することはできない。一方、溶接金属の材料よりも線膨張係数が大きい異材補修の場合には、補修溶接長さを長くすると重複HAZのクリープ寿命比は大きくなり、クリープ寿命は長くなる。これにより、溶接金属の材料よりも線膨張係数が大きい異材補修により熱影響部のクリープ寿命の長寿命化が可能になる。
図6は、補修溶接を検討するに際して用いた条件を示す図である。図7は、補修溶接の検討結果を示す図であり、図8は、補修溶接長さとひずみ応力との関係を示す図である。
図6に示すように、大口径配管の径600mm、大口径配管の管周長1885mm、溶接金属に9〜12wt%のクロムを用いるフェライト系耐熱鋼、補修溶接金属にインコネル(登録商標)用いた検討結果である。補修溶接長さRを50mmから10mm刻みで検討する。
図6に示した条件によると、熱伸び差Lは、下記の数式1で求めることができる。
Figure 2015116603
また、歪応力Sは、下記の数式2で求めることができる。
Figure 2015116603
これらを整理すると、図7及び図8に示す結果が得られる。図7及び図8によると、歪応力Sは、補修溶接長さに比例することがわかる。
[実施の形態2]
図9は、本発明の実施の形態2である溶接部分の補修溶接方法を適用した大口径配管を示す図である。図10は、本発明の実施の形態2である溶接部分の補修溶接方法により補修された溶接部分の外表面を示す図である。図11は、本発明の実施の形態2である溶接部分の補修溶接方法を説明するための断面図である。
ここでは、図11(a)に示すように、大口径の管材3と溶接金属4とにわたり生じた欠陥Cの補修方法を例に説明する。
本発明の実施の形態2である溶接部分の補修溶接方法では、一方の大口径の管材2との境界部及び他方の大口径の管材3との境界部の両者を含むとともに、一方の大口径の管材2及び他方の大口径の管材3の表面から厚み方向に深さを有する領域を当該領域の底面が前記表面に沿うように切除するステップを実行する(図11(b)参照)。
つぎに、切除された領域を切除した領域よりも線膨張係数が大きくクリープ強度も大きな溶接材料(第2の溶接材料6)で補修(肉盛り溶接)するステップを実行する(図11(c)参照)。切除した領域よりも線膨張係数が大きくクリープ強度も大きな溶接材料(第2の溶接材料6)には、インコネル(登録商標)系の溶接材料(ニッケル基合金)が用いられる。
このように、欠陥が切除された領域を第2の溶接材料6で補修すると、図10及び図11(c)に示すように、欠陥Cを切除した部分に沿って溶接材料(第2の溶接材料6)が溶融され、固まった溶接材料(以下「補修溶接金属6」という)を介して、一方の大口径の管材2と他方の大口径の管材3とが接合(溶接)される。そして、一方の大口径の管材2と溶接金属4、他方の大口径の管材3と溶接金属4とにおいて溶融された第2の溶接材料6の熱の影響を受けた領域には熱影響部(HAZ)26,36が形成される。熱影響部26,36は、一方の大口径の管材2、溶接金属4、他方の大口径の管材3において補修溶接金属6と接する境界面に沿って形成される。具体的には、欠陥が切除された領域に沿って略一定の深さで形成される。そして、第1の溶接材料4の熱の影響を受け、さらに、第2の溶接材料6の熱の影響を受けた領域には重複熱影響部(重複HAZ)246,346が形成される。
これにより、本発明の実施の形態2である溶接部分の補修溶接構造は、図11(c)に示すように、突き合わせ溶接される一方の大口径の管材2と他方の大口径の管材3との間にはV形の開先が設けられ、開先に沿って第1の溶接材料4が溶融され、固まった溶接金属4を介して、一方の大口径の管材2と他方の大口径の管材3とが接合(溶接)される。さらに、欠陥を切除した部分に沿って第2の溶接材料6が溶融され、固まった補修溶接金属6(補修溶接部)を介して、大口径の管材2,3と溶接金属4とが接合(溶接)される。そして、一方の大口径の管材2と他方の大口径の管材3とにおいて溶融された第1の溶接材料4の熱の影響を受けた領域には熱影響部(HAZ)24,34が形成され、大口径の管材2,3と溶接金属4とにおいて溶融された第2の溶接材料6の熱の影響を受けた領域には熱影響部(HAZ)26,36が形成される。また、第1の溶接材料4の熱の影響と第2の溶接材料6の熱の影響を受けた領域には重複熱影響部(重複HAZ)246,346が形成される。
上述した本発明の実施の形態2である溶接部分の補修溶接構造によれば、陸上ボイラの大口径配管に陸上ボイラの内圧と熱が作用した場合に補修溶接された補修溶接部(補修溶接金属部分)がほかの部分(大口径の管材2,3及び溶接金属4)よりも膨張する。これにより、一部(補修溶接金属部分)が欠落した円環状をなす部分(大口径の管材2,3及び溶接金属4)には圧縮応力が生じる。この圧縮応力は、大口径配管において内圧と熱により周方向に生じる引っ張り応力(フープ応力)を緩和する。これにより、補修溶接による熱影響部に作用する作用応力が低減される。また、この作用応力の低減により、補修溶接による強度低下を抑制できる。この結果、補修溶接による熱影響部のクリープ寿命の長寿命化も可能になる。
また、第2の溶接材料6には、大口径の管材2,3よりもクリープ強度も大きなインコネル(登録商標)系の溶接材料が用いられるので、補修溶接金属6によってもクリープ寿命の長寿命化が可能になる。
以上説明したように、本発明は、補修溶接による強度低下を抑制できるので、火力発電所に設置された陸用ボイラの大口径配管の溶接部分等、熱の影響を受ける配管の溶接部分の補修に好適である。
2 第1の管材
24 熱影響部(HAZ)
26 熱影響部(HAZ)
3 第2の管材
34 熱影響部(HAZ)
345 重複熱影響部(重複HAZ)
346 重複熱影響部(重複HAZ)
35 熱影響部(HAZ)
36 熱影響部(HAZ)
4 第1の溶接材料(溶接金属)
45 熱影響部
5 第2の溶接材料(補修溶接金属)(補修溶接部)
6 第2の溶接材料(補修溶接金属)(補修溶接部)

Claims (6)

  1. 中空筒状の第1の管材と中空筒状の第2の管材とを第1の溶接材料を周方向に施して突き合わせ溶接した溶接部分の補修溶接方法であって、
    前記溶接部分に生じた欠陥を前記第1の管材または前記第2の管材の少なくとも一方を含めて切除するステップと、切除した領域に前記切除した管材の線膨張係数より大きな線膨張係数を有する第2の溶接材料で肉盛り溶接するステップとを備えたことを特徴とする溶接部分の補修溶接方法。
  2. 前記第1の管材及び前記第2の管材と前記第1の溶接材料は、同一材料からなることを特徴とする請求項1に記載の溶接部分の補修溶接方法。
  3. 前記第2の溶接材料は、前記第1の管材及び前記第2の管材よりもクリープ強度が大きいことを特徴とする請求項1または2に記載の溶接部分の補修溶接方法。
  4. 中空筒状の第1の管材と中空筒状の第2の管材とを第1の溶接材料を周方向に施して突き合わせ溶接した溶接部分の補修溶接構造であって、
    前記溶接部分に生じた欠陥を切除した領域に前記第1の管材または前記第2の管材よりも線膨張係数が大きな第2の溶接材料で肉盛り溶接した補修溶接部を備えたことを特徴とする溶接部分の補修溶接構造。
  5. 前記第1の管材及び前記第2の管材と前記第1の溶接材料は、同一材料からなることを特徴とする請求項4に記載の溶接部分の補修溶接構造。
  6. 前記第2の溶接材料は、前記第1の管材及び前記第2の管材よりもクリープ強度が大きいことを特徴とする請求項4または5に記載の溶接部分の補修溶接構造。
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