JP2003326385A - 補修溶接方法 - Google Patents

補修溶接方法

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JP2003326385A
JP2003326385A JP2002138781A JP2002138781A JP2003326385A JP 2003326385 A JP2003326385 A JP 2003326385A JP 2002138781 A JP2002138781 A JP 2002138781A JP 2002138781 A JP2002138781 A JP 2002138781A JP 2003326385 A JP2003326385 A JP 2003326385A
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Nobuyoshi Komai
伸好 駒井
Toshiyuki Imazato
敏幸 今里
康公 ▲高▼野
Yasukimi Takano
Seiji Yamaguchi
誠二 山口
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶接後に再び亀裂が発生しにくく残寿命の長
い補修溶接方法の提供。 【解決手段】 母材(1、2)が溶接部(3)で溶接さ
れたものの溶接部の近傍に亀裂(4)が入った状態に対
して、亀裂部位を除去し、亀裂部位を除去したところを
溶接材料によって補修溶接をおこない補修溶接部(5)
を形成する。そして、その後、焼鈍をおこなう。補修溶
接部は母材よりも、クリープ破断強さが大きい溶接材料
で補修溶接をおこなうことにより、補修溶接部は母材よ
りもクリープ疲労強度が向上し再び亀裂が入ることが抑
制され残寿命が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は補修溶接方法に関
し、特には疲労およびクリープによって損傷を受けて亀
裂が発生した部位の補修溶接方法に関する。
【0002】
【従来の技術】長期間使用された高温機器、例えば、ボ
イラは、耐圧部に損傷を受けることがある。その原因に
は色々あるが、内圧および熱応力などによる疲労および
クリープによって亀裂等の破損が発生するものが多い。
図10はT字型の高温配管溶接部に熱応力が作用して配
管が繰り返して変位して亀裂が発生する様子を示してい
る。
【0003】従来は亀裂が発生すると亀裂発生部位を含
む部品を交換していたためコストがかさんでいた。そこ
で、部品を交換せずに亀裂発生部位を溶接で補修してコ
ストの低減をはかることが試みられている。ところが、
通常の溶接方法で溶接すると溶接後に再び亀裂が発生し
やすく、残寿命が短い。そこで、溶接後に再び亀裂が発
生しにくく、残寿命の長い補修溶接方法の開発が望まれ
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題に鑑
み、溶接後に再び亀裂が発生しにくく、残寿命の長い補
修溶接方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明によれ
ば、母材の破損部を溶接材料で溶接して補修する補修溶
接方法であって、溶融、固化した後のクリープ延性が母
材よりも大きい溶接材料で溶接することを特徴とする補
修溶接方法が提供される。このような補修溶接方法は補
修溶接部のクリープ延性が母材よりも大きいのでクリー
プ疲労強度が向上し再び亀裂が発生しにくく残寿命が長
い。
【0006】請求項2の発明によれば、母材の破損部を
溶接材料で溶接して補修する補修溶接方法であって、溶
融、固化した後の線膨張係数が母材よりも大きい溶接材
料で溶接することを特徴とする補修溶接方法が提供され
る。このような補修溶接方法では、補修溶接部の線膨張
係数が母材よりも大きいので高温で使用時に補修部付近
に圧縮応力が発生し引張応力による亀裂の発生が抑制さ
れクリープ疲労強度が向上し再び亀裂が発生しにくく残
寿命が長い。
【0007】請求項3の発明によれば、母材の破損部を
溶接材料で溶接して補修する補修溶接方法であって、溶
接後、溶接部分のクリープ延性が母材のクリープ延性よ
りも大きくなるまで溶接部分を焼鈍することを特徴とす
る補修溶接方法が提供される。このような補修溶接方法
では、溶接後、溶接部分のクリープ延性が母材のクリー
プ延性よりも大きくなるまで溶接部分を焼鈍することに
よりクリープ延性が向上するので再び亀裂が発生しにく
く残寿命が長い。
【0008】請求項4の発明によれば、母材の破損部を
溶接材料で溶接して補修する補修溶接方法であって、破
損部の補修のための溶接部分の外側にさらに溶接ビード
を形成することを特徴とする補修溶接方法が提供され
る。このような補修溶接方法では、破損部の補修のため
の溶接部分の外側にさらに溶接ビードを形成するので、
溶接の履歴でクリープ延性が回復し、また形状が変更さ
れて応力集中が緩和されるので、再び亀裂が発生しにく
く残寿命が長い。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、添付の図面を参照して本発
明の実施の形態について説明する。第1の実施の形態は
母材よりもクリープ延性の大きな溶接材料で補修溶接を
したものであり、第2の実施の形態は母材よりも線膨張
率の大きな溶接材料で補修溶接をしたものであり、第3
の実施の形態は補修溶接をした後の熱処理時間を大きく
したものであり、第4の実施の形態は溶接材料で補修溶
接をしたものに、さらに、同じ溶接材料で外側に溶接ビ
ードを設けたものである。
【0010】図1、2は各実施の形態における補修溶接
の手順を示す図であって、第1、2、3の実施の形態に
おいては、図1の左に示すように母材1、2が溶接部3
で溶接されたものの溶接部3の近傍に亀裂4が入った状
態に対して、図1の中央に示すように亀裂部位を除去
し、図1の右に示すように除去した部分を溶接材料によ
って溶接をおこない補修溶接部5を形成する。そして、
その後、焼鈍をおこなう。
【0011】第4の実施の形態においては、図2の左に
示すように母材1、2が溶接部3で溶接されたものの溶
接部3の近傍に亀裂4が入った状態に対して、図2の中
央に示すように亀裂部位を除去し、図2の右に示すよう
に除去した部分を溶接材料によって溶接をおこない補修
溶接部5を形成し、さらにその外側に溶接ビード6を設
ける。そして、その後、焼鈍をおこなう。
【0012】そして、各実施の形態について、標準的な
試験片を用いてクリープ疲労試験をおこない、各実施の
形態の効果を確認したのでその試験について説明をす
る。図3は各試験片を説明する図である。(A)は比較
のために母材の性能を試験するためのものであって、断
面が20mm×20mmの正方形である角柱に、対向す
る2面から半径5mmの切り欠きを設けたものである。
(B)は比較のために母材に切り欠きが入ったものの性
能を試験するためのものであって、(A)の切り欠きの
底部中央に深さ2mmで隙間が0.1mmで先端が0.
05Rの丸みを有する予亀裂を形成したものである。
(C)は溶接材料で溶接をおこなったものの試験をする
ためのものであって(B)で形成した予亀裂部を除去
し、除去した部分を溶接材料で溶接したものである。
(D)は第4の実施の形態の効果を確認するためのもの
であって、(B)で形成した予亀裂を除去し、除去した
部分を溶接材料で溶接し、さらにその外側を溶接ビード
で覆ったものである。
【0013】図4はクリープ疲労により破断するまで試
験片に加える力を示す図であって、交互に引っ張りと圧
縮を繰り返すものであり、1時間かけて最大圧縮歪み状
態から最大引っ張り歪み状態に移行させ、最大引っ張り
歪み状態で3時間保持し、1時間かけて最大引っ張り歪
み状態から最大圧縮歪み状態に移行させるものである。
最大引っ張り歪みから最大圧縮歪みまでを全歪み範囲と
いう。
【0014】以下、第1〜第4の実施の形態の効果の確
認試験について説明する。第1の実施の形態の効果の確
認試験は図5にまとめて示され、第2の実施の形態の効
果の確認試験は図6にまとめて示され、第3の実施の形
態の効果の確認試験は図7にまとめて示され、第4の実
施の形態の効果の確認試験は図8にまとめて示され、て
いる。
【0015】以下、第1の実施の形態の効果の確認試験
について図5を参照して説明する。第1の実施の形態の
効果の確認試験では、図5の(A)に示されるようにボ
イラ高温配管用に大量に使用されている市販のJISの
STPA24(2.25Cr−1Mo鋼)を母材とし
て、符号M1、M1c、A、Bで示される試験片を用意
した。試験片M1は図3の(A)の形状を有し、試験片
M1cは図3の(B)の形状を有し、試験片Aは図3の
(C)の形状を有し溶接は溶接材料W1でおこなわれ、
試験片Bは図3の(C)の形状を有し溶接は溶接材料W
2でおこなわれている。
【0016】図5の(B)は溶接材料W1、W2に含ま
れる化学成分を示しており、溶接材料W1は母材のJI
SのSTPA24の溶接に通常使われる溶接材料であっ
て、母材が含む成分に近いものである。そして、溶接材
料Aに比べて溶接材料W2はC(炭素)が少ないことが
わかる。図5の(C)は試験片A,Bを作成する時の溶
接材料W1、W2を用いた溶接の条件を示し、溶接は手
動TIG溶接でおこなわれ、溶接後は720℃×0.5
hの焼鈍がおこなわれる。
【0017】図5の(D)は上記のような溶接材料W
1、W2のクリープ破断特性を示すものであって、同じ
母材から成る別の部材を同じ溶接材料W1、W2で溶接
後、720℃×0.5hの溶接後熱処理後の溶接金属か
ら標準試験片を採取して長時間一定の力で引っ張るクリ
ープ破断試験をおこなった時の値である。参考に母材
(溶融せず)の値も示してある。図9に示すのが、上記
のクリープ破断試験をおこなう標準試験片を採取するた
めにおこなう溶接を説明する図であって、厚さ30mm
の母材の端部を5度の角度で削り底部に半径10mmの
Rを設けて先端が厚さ1mmになるようにしたものを先
端を突き合わせてU字形の開先にして、溶接材料W1、
W2で溶接するものである。そして、その溶接部から、
溶接金属、溶接熱影響部、および、母材を含んだ直径6
mm、長さ100mmのクリープ破断試験片を採取して
クリープ破断試験をおこなう。図5の(D)に示される
ように、溶接材料W1は母材よりも伸びにくいが、溶接
材料Bは母材よりも伸びやすい。すなわち、溶接材料W
2は母材よりもクリープ延性が大きい。
【0018】図5の(E)に示すのが第1の実施の形態
の効果を確認するためにおこなったクリープ疲労試験の
結果である。この図に示されるように、延性の大きい溶
接材料W2で溶接した試験片Bは、母材のみの試験片M
1よりもすぐれたクリープ疲労強度を有することがわか
る。これに対して、溶接材料W1で溶接した試験片Aは
母材のみの試験片M1を上回ってはいない。
【0019】次に、第2の実施の形態の効果の確認試験
について図6を参照して説明する。第2の実施の形態の
効果の確認試験では、図6の(A)に示されるようにボ
イラ高温配管用に大量に使用される市販のボイラ用の火
技解釈材料の火STPA28(9Cr−1Mo−V−N
b鋼)を母材として、符号M2、M2c、C,D,Eで
示される試験片を用意した。試験片M2は図3の(A)
の形状を有し、試験片M2cは図3の(B)の形状を有
し、試験片Cは図3の(C)の形状を有し溶接は溶接材
料W3でおこなわれ、試験片Dは図3の(C)の形状を
有し溶接は溶接材料W4でおこなわれ、試験片Eは図3
の(C)の形状を有し溶接は溶接材料W5でおこなわれ
る。
【0020】図6の(B)は溶接材料W3,W4,W5
に含まれる化学成分を示しており、溶接材料W3は母材
のJISの火STPA28の溶接に通常使われる溶接材
料であって、母材が含む成分に近いものである。溶接材
料W2は一般的にオーステナイト系ステンレス鋼の溶接
に使用される溶接材料であり、溶接材料W3は一般的に
インコネル系の母材の溶接に使用される溶接材料であ
る。
【0021】図6の(C)は試験片C,D,Eを作成す
る時の溶接材料W3,W4,W5を用いた溶接の条件を
示し、溶接は手動TIG溶接でおこなわれ、溶接後は7
40℃×0.5hの焼鈍がおこなわれる。図6の(D)
は上記のような溶接材料W3,W4,W5の線膨張係数
を示すものであって、第1の実施の形態と同様に図9に
示すような部材を、それぞれ、溶接材料W3,W4,W
5で溶接後、740℃×0.5hの溶接後熱処理を施し
たものから試験片を採取して線膨張係数をもとめた結果
である。
【0022】図6の(E)に示すのが第2の実施の形態
の効果を確認するためにおこなったクリープ疲労試験の
結果であって、母材よりも線膨張率の大きい溶接材料W
4、W5で溶接すると、母材なみのよりもクリープ疲労
強度が大きくなることがわかる。これは、高温で荷重を
受けるときに、溶接材料W4、W5が溶融、固化した溶
接金属の線膨張率が大きいので、補修溶接部分に圧縮応
力が発生し、引張応力で亀裂が発生するのを抑制するた
めである。
【0023】次に、第3の実施の形態の効果の確認試験
について図7を参照して説明する。第3の実施の形態の
効果の確認試験では、図7の(A)に示されるように第
1の実施の形態の効果の確認試験と同じJISのSTP
A24(2.25Cr−1Mo鋼)を母材として、符号
M1、M1c、Fで示される試験片を用意した。試験片
M1は、試験片M1cは第1の実施の形態の試験片M
1、M1cと同じである。試験片Fは図3の(C)の形
状を有し溶接は第1の実施の形態の効果の確認試験でも
使用された母材に略等しい成分を有する溶接材料W1で
おこなわれている。
【0024】図7の(B)は、図5の(B)の溶接材料
W1に関する記載と同じであるので説明は省略する。し
かし、図7の(C)に示されているように、溶接後熱処
理の仕方が第1の実施の形態の効果の確認試験では、7
20℃×0.5hであったのに対して、この第3の実施
の形態の効果の確認試験では、720℃×3h、また
は、720℃×10hと長くされている。図7の(D)
は、クリープ延性に及ぼす溶接後の熱処理の影響を示す
ものであって、第1の実施の形態と同様に図9に示すよ
うな部材を、溶接材料W1で溶接し、溶接後熱処理の条
件を上記のように変えたものから試験片を採取して実施
したクリープ破断試験の結果である。
【0025】同図に示されるように、溶接後の熱処理時
間を長くすることにより、クリープ破断時間は短く、す
なわち、クリープ強度は低下するが、クリープ破断延び
が著しく向上している。例えば、溶接後の熱処理が72
0℃×0.5hの場合はクリープ破断延びが18%で母
材のクリープ破断延び21%よりも小さいが、溶接後の
熱処理が720℃×3hの場合はクリープ破断延びが3
0%に、さらに溶接後の熱処理が720℃×10hの場
合はクリープ破断延びが46%に大幅に向上し、クリー
プ延性が母材よりも大きくなっている。図7の(E)に
示すのが第3の実施の形態の効果を確認するためにおこ
なったクリープ疲労試験の結果であって、母材よりも延
性の小さい溶接材料W1で溶接しているにもかかわら
ず、母材よりもクリープ疲労強度が大きいことがわか
る。これは、上述のように、補修溶接後の熱処理時間を
長くすることにより補修溶接部のクリープ延性が向上す
ることによるものである。
【0026】次に、第4の実施の形態の効果の確認試験
について図8を参照して説明する。第4の実施の形態の
効果の確認試験では、第1の実施の形態の効果の確認試
験と同じJISのSTPA24(2.25Cr−1Mo
鋼)を母材として、符号M1、M1c、G、Hで示され
る試験片を用意した。試験片M1は、試験片M1cは第
1の実施の形態の試験片M1、M1cと同じである。試
験片Cは図3の(D)の形状を有し溶接とビードの形成
は第1の実施の形態の効果の確認試験で使用された溶接
材料W1でおこなわれ、試験片Bは図3の(D)の形状
を有し溶接とビードの形成は第1の実施の形態の効果の
確認試験で使用された溶接材料W2でおこなわれてい
る。図8の(B)、(C)は、図5の(B)、(C)と
同じであるので説明は省略する。図8の(D)は、クリ
ープ延性に及ぼす溶接後の熱処理の影響を示すものであ
って、第1の実施の形態と同様に図9に示すような部材
を、溶接材料W1で溶接し、その後、さらに溶接部の上
にビードを形成したものから試験片を採取して実施した
クリープ破断試験の結果である。
【0027】図8の(E)に示すのが第4の実施の形態
の効果を確認するためにおこなったクリープ疲労試験の
結果である。この図に示されるように、延性の大きい溶
接材料W2で溶接とビード形成した試験片Dのみなら
ず、延性の小さい溶接材料W1で溶接とビード形成した
試験片Cも母材のみの試験片M1よりもすぐれたクリー
プ疲労強度を有することがわかる。これは、溶接の繰り
返しにより、延性が向上するのと、形状が変更されて応
力集中が緩和されるためである。
【0028】
【発明の効果】請求項1の発明は、母材の破損部を溶接
材料で溶接して補修する補修溶接方法であるが、溶接と
同じように溶融、固化した後のクリープ延性が母材より
も大きい、溶接材料で溶接するので、補修溶接部のクリ
ープ延性が母材よりも大きくなりクリープ疲労強度が向
上し再び亀裂が発生しにくく残寿命が長い。
【0029】請求項2の発明は、母材の破損部を溶接材
料で溶接して補修する補修溶接方法であるが、溶接と同
じように溶融、固化した後の線膨張係数が母材よりも大
きい溶接材料で溶接するので、補修溶接部の線膨張係数
が母材よりも大きいので補修部付近に圧縮応力が発生し
引張応力による亀裂の発生が抑制されクリープ疲労強度
が向上し再び亀裂が発生しにくく残寿命が長い。
【0030】請求項3の発明は、母材の破損部を溶接材
料で溶接して補修する補修溶接方法であるが、溶接後、
溶接部分のクリープ延性が母材のクリープ延性よりも大
きくなるまで溶接部分を焼鈍するので、溶接部のクリー
プ延性が向上して再び亀裂が発生しにくく残寿命が長
い。
【0031】請求項4の発明は、母材の破損部を溶接材
料で溶接して補修する補修溶接方法であるが、破損部の
補修のための溶接部分の外側にさらに溶接ビードを形成
するので、溶接の繰り返しでクリープ延性が向上し、応
力集中も緩和され、再び亀裂が発生しにくく残寿命が長
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1,2,3の実施の形態における補修溶接を
示す図である。
【図2】第4の実施の形態における補修溶接を示す図で
ある。
【図3】各実施の形態の評価試験に使用する試験片の形
状を示す図である。(A)は母材に応力集中用の切り込
みを形成したものであり、(B)は(A)の切り込みの
底部に予亀裂を形成したものであり、(C)は(B)の
切り込みを削り取り溶接したものであり、(D)は
(B)の切り込みを削り取り溶接し、その上に溶接ビー
ドを形成したものである。
【図4】評価試験の際に試験片に作用させる力を示す図
である。
【図5】第1の実施の形態の評価試験の概要をまとめて
示すものであり、(A)は試験片の諸元の一覧であり、
(B)は溶接材料の化学成分の一覧であり、(C)は溶
接条件の一覧であり、(D)は溶接材料(溶解、固化
後)のクリープ破断特性の一覧であり、(E)は結果の
一覧である。
【図6】第2の実施の形態の評価試験の概要をまとめて
示すものであり、(A)は試験片の諸元の一覧であり、
(B)は溶接材料の化学成分の一覧であり、(C)は溶
接条件の一覧であり、(D)は溶接材料(溶解、固化
後)の線膨張係数の一覧であり、(E)は結果の一覧で
ある。
【図7】第3の実施の形態の評価試験の概要をまとめて
示すものであり、(A)は試験片の諸元の一覧であり、
(B)は溶接材料の化学成分の一覧であり、(C)は溶
接条件の一覧であり、(D)は溶接材料(溶解、固化
後)のクリープ破断特性の一覧であり、(E)は結果の
一覧である。
【図8】第4の実施の形態の評価試験の概要をまとめて
示すものであり、(A)は試験片の諸元の一覧であり、
(B)は溶接材料の化学成分の一覧であり、(C)は溶
接条件の一覧であり、(D)は溶接材料(溶解、固化
後)のクリープ破断特性の一覧であり、(E)は結果の
一覧である。
【図9】各実施の形態においておこなうクリープ破断試
験に使用する試験片を採取するための溶接を説明する図
である。
【図10】亀裂の発生を説明する図である。
【符号の説明】
1、2…母材 3…溶接部 4…亀裂 5…補修溶接部 6…溶接ビード
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ▲高▼野 康公 長崎県長崎市飽の浦町1番1号 三菱重工 業株式会社長崎造船所内 (72)発明者 山口 誠二 長崎県長崎市飽の浦町1番1号 三菱重工 業株式会社長崎造船所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 母材の破損部を溶接材料で溶接して補修
    する補修溶接方法であって、溶融、固化した後のクリー
    プ延性が母材よりも大きい溶接材料で溶接することを特
    徴とする補修溶接方法。
  2. 【請求項2】 母材の破損部を溶接材料で溶接して補修
    する補修溶接方法であって、溶融、固化した後の線膨張
    係数が母材よりも大きい溶接材料で溶接することを特徴
    とする補修溶接方法。
  3. 【請求項3】 母材の破損部を溶接材料で溶接して補修
    する補修溶接方法であって、溶接後、溶接部分のクリー
    プ延性が母材のクリープ延性よりも大きくなるまで溶接
    部分を焼鈍することを特徴とする補修溶接方法。
  4. 【請求項4】 母材の破損部を溶接材料で溶接して補修
    する補修溶接方法であって、破損部の補修のための溶接
    部分の外側にさらに溶接ビードを形成することを特徴と
    する補修溶接方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015116603A (ja) * 2013-12-20 2015-06-25 三菱重工業株式会社 溶接部分の補修溶接方法及び補修溶接構造
JP2017164783A (ja) * 2016-03-16 2017-09-21 中国電力株式会社 鋳鋼部材の溶接方法

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