JP2006088184A - 耐脆性破壊発生特性に優れた大入熱突合せ溶接継手及び大入熱突合せ溶接継手の耐脆性破壊発生特性検証方法 - Google Patents

耐脆性破壊発生特性に優れた大入熱突合せ溶接継手及び大入熱突合せ溶接継手の耐脆性破壊発生特性検証方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 高強度厚鋼板の大入熱突合せ溶接において、耐脆性破壊発生特性(破壊靭性値Kc)の優れた溶接継手を形成するとともに、該特性を検証する。
【解決手段】 (a1)溶接金属の硬さHv(WM)と母材の硬さHv(BM)の比Hv(WM)/Hv(BM)が1.1未満、又は、(a2)溶接金属の硬さHv(WM)が210以下で、かつ、溶接部の破壊靭性値Kcが、(b1)2000N/mm1.5超、又は、(b2)Kc≧Kq(=σD√(πa)、σD:設計応力、a:想定欠陥寸法)を満たす溶接継手であって、その耐脆性破壊発生特性(破壊靭性値Kc)を、実測硬さ値が上記(a1)又は(a2)を満たすこと、及び、実測吸収エネルギーvEが要求vEを満たすことを確認し、遷移温度vTrsに基づ予測Kc値を用いて検証する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、溶接構造体、特に、板厚50mm超の鋼板を突合せ溶接して構成した溶接構造体における溶接継手と、該溶接継手において耐脆性破壊発生特性を検証する方法に関する。
溶接構造体において、最も破壊発生の可能性の高い部位は、溶接継手部である。その理由として、溶接時に溶接欠陥が生じ、この欠陥が、破壊の起点となる応力集中部となる可能性が高いこと、さらに、溶接熱の影響により鋼板組織が粗大化し、溶接継手部の耐脆性破壊に対する抵抗値である破壊靭性値Kcが低下すること等が挙げられる。
それ故、溶接構造体の安全性を確保するためには、溶接継手部の破壊靭性値Kcを正しく評価する必要があり、その評価試験として、溶接継手部の残留応力が厳しく作用する中央切欠き付き広幅引張試験が提案され、これまで広く用いられている。
この試験をディープノッチ試験と称し、線形破壊力学に基づいて、溶接継手部における脆性破壊の発生限界値を破壊靭性値Kcとして評価する。
ディープノッチ試験は、図4に示すように、溶接金属2を中央に抱える標準的には幅400mmの試験片1の中央部において、溶接継手の最脆弱部と想定される位置に、標準的には長さ240mmの切欠き3を機械加工で形成した試験片を、矢印方向に引張る試験である。
即ち、ディープノッチ試験においては、大きな試験片、大きな試験機が必要で、費用も多大に要するので、溶接施工時の品質管理や鋼材出荷試験には、その代替試験として、Vノッチシャルピー衝撃試験が広く用いられている。
例えば、船級協会で規定する材料規格は、シャルピー試験特性値(試験温度での吸収エネルギーvE値又は破面遷移温度vTrs)と、ディープノッチ試験で得られる破壊靭性値Kcとの相関関係の上に成り立っている(非特許文献1、参照)。
そして、これまで、上記相関関係に従い、主として板厚50mm以下の船体構造用鋼板の溶接継手の破壊靭性値を評価し、その結果に基づいて、船体用鋼板に必要な性能・特性が論じられてきた。
その結果、溶接部の破壊靭性値を考慮した船体用鋼板として、脆性破壊特性と疲労特性に優れた鋼板(TMCP鋼板)が開発され(特許文献1、参照)、板厚50mm程度のTMCP鋼板が、大型タンカーや6000TEU以下のコンテナー船の建造に使用されているが、近年、6000TEU以上の大型コンテナー船の建造ニーズが高まり、板厚60mmや、それ以上の板厚の鋼板も、船体用構造鋼板として実用化されている。
しかし、現在、実用化されている船体用構造鋼板の強度は、降伏強さで390MPaレベルである。即ち、降伏強さが390MPa以上で、かつ、板厚が50mm以上の鋼板において、シャルピー試験結果とディープノッチ試験結果との相関関係は十分解明されておらず、板厚50mm以上の高強度鋼板を溶接した構造体における溶接継手の機械的特性を検証し、溶接継手の品質を管理するためには、従来知見を適用できるか否かを含めて検討する必要がある。
通常、溶接継手部に変形や歪が集中するのを阻止するために、溶接金属の強度や硬さを母材の強度や硬さよりも高くすることが、溶接継手部の設計指針における基本であり、溶接金属を選定する際には、母材強度との比較でオーバーマッチングとなる継手設計がなされている。しかし、上記継手設計が、板厚50mm以上の高強度鋼板を溶接した構造体における溶接継手の設計に適用できるか否かについても検討する必要がある。
特開平6−88161号公報 日本海事協会会誌No.248、1999(III )、pp.158−167
溶接構造物の大型化が進み、例えば、6000TEUを超えるコンテナ船の建造においては、板厚50mmを超え、かつ、設計応力が高い高張力厚鋼板を用い建造することが要望されている。
そこで、本発明者は、溶接継手部が最も破壊発生の可能性の高い部位になり得ることから、板厚50mm超の高強度鋼板を突合せ溶接して形成した溶接継手の性能・特性について調査した。
その結果、上記溶接継手(大入熱溶接継手)の性能・特性は、小型試験であるVノッチシャルピー衝撃試験で良好な結果を示しても、大型破壊試験であるディープノッチ試験では、必ずしも良好な破壊靭性値Kcを示さないことを知見した。
即ち、これまで、降伏強さ390MPa級、板厚50mm以下の鋼板を突合せ溶接した場合の溶接継手の性能・特性において確認されていた“シャルピー試験結果と破壊靭性値Kcとの相関関係”が成立しないことを知見した。
そこで、本発明は、上記知見を踏まえ、降伏強度が460MPaクラスで、板厚が50mm超の高強度鋼板、特に、船体用高強度鋼板を大入熱突合せ溶接する場合に、破壊靭性値Kcが十分に高い溶接継手を形成すること、及び、その継手形成を確実にするための特性検証方法を提供することを課題とする。
従来、溶接継手の設計においては、溶接継手部に変形や歪が集中するのを阻止するため、溶接金属の強度や硬さを、母材の強度や硬さよりも高くすること(オーバーマッチング)を基本としていたが、本発明者は、前述した“シャルピー試験結果と破壊靭性値Kcとの相関関係”が成立しないとの知見を踏まえ、従来のオーバーマッチングに問題があると発想し、該発想の下に上記課題を解決するため、溶接継手部の破壊靭性値Kcを支配する因子について系統的に調査した。
その結果、降伏強度が460MPaクラスで、板厚が50mm超の高強度鋼板を大入熱突合せ溶接する場合においては、溶接金属の硬さが、シャルピー試験特性値と破壊靭性値Kcとの相関関係に大きく影響することを見出した。
即ち、大入熱突合せ溶接継手においては、溶接金属の硬さと母材の硬さとの関係が、溶接継手のフュージョンライン部での破壊靭性値Kcに大きな影響を及ぼすという事実を発見し、従来知られていた“Vノッチシャルピー衝撃試験結果と破壊靭性値との相関関係”が、溶接金属の硬さの影響を大きく受けるということを知見した。
そして、上記知見に基づき、溶接金属の硬さとシャルピー衝撃試験結果の両者から予測破壊靭性値Kc値と要求Kc値に基づき、大入熱突合せ溶接継手の破壊靭性値を検証する手法を確立し、本発明を完成した。本発明の要旨は、以下のとおりである。
(1) 高強度鋼板を大入熱突合せ溶接した構造体における溶接継手であって、
(a1)溶接金属の硬さHv(WM)と母材の硬さHv(BM)の比Hv(WM)/Hv(BM)が1.1未満であり、かつ、
(b1)溶接部の破壊靭性値Kcが2000N/mm1.5超である
ことを特徴とする耐脆性破壊発生特性に優れた大入熱突合せ溶接継手。
(2) 高強度鋼板を大入熱突合せ溶接した構造体における溶接継手であって、
(a2)溶接金属の硬さHv(WM)が210以下であり、かつ、
(b1)溶接部の破壊靭性値Kcが2000N/mm1.5超である
ことを特徴とする耐脆性破壊発生特性に優れた大入熱突合せ溶接継手。
(3) 前記溶接部の破壊靭性値Kcが3580N/mm1.5超である
ことを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の耐脆性破壊発生特性に優れた大入熱突合せ溶接継手。
(4) 前記溶接部の破壊靭性値Kcが4354N/mm1.5以上である
ことを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の耐脆性破壊発生特性に優れた大入熱突合せ溶接継手。
(5) 高強度鋼板を大入熱突合せ溶接した構造体における溶接継手であって、
(a1)溶接金属の硬さHv(WM)と母材の硬さHv(BM)の比Hv(WM)/Hv(BM)が1.1未満であり、かつ、
(b2)溶接部の破壊靭性値Kcが下記式を満たす
ことを特徴とする耐脆性破壊発生特性に優れた大入熱突合せ溶接継手。
Kc≧Kq
ここで、Kq=σD√(πa)、σD:設計応力、a:想定欠陥寸法
(6) 高強度鋼板を大入熱突合せ溶接した構造体における溶接継手であって、
(a2)溶接金属の硬さHv(WM)が210以下であり、かつ、
(b2)溶接部の破壊靭性値Kcが下記式を満たす
ことを特徴とする耐脆性破壊発生特性に優れた大入熱突合せ溶接継手。
Kc≧Kq
ここで、Kq=σD√(πa)、σD:設計応力、a:想定欠陥寸法
(7) 前記高強度鋼板が降伏点390MPa級の船体用溶接構造用鋼板であることを特徴とする前記(1)〜(6)のいずれかに記載の耐脆性破壊発生特性に優れた大入熱突合せ溶接継手。
(8) 前記高強度鋼板が降伏点460MPa級の船体用溶接構造用鋼板であることを特徴とする前記(1)〜(6)のいずれかに記載の耐脆性破壊発生特性に優れた大入熱突合せ溶接継手。
(9) 前記高強度鋼板が板厚50mm超の高強度鋼板であることを特徴とする前記(1)〜(8)のいずれかに記載の耐脆性破壊発生特性に優れた大入熱突合せ溶接継手。
(10) 高強度鋼板を大入熱突合せ溶接した構造体における溶接継手の機械的特性を検証する方法において、
(a)溶接金属の硬さHv(WM)を測定し、
(b)Vノッチシャルピー衝撃試験により溶接継手部の吸収エネルギーvEと遷移温度vTrsを測定し、
(c)上記実測Hv(WM)値が要求Hv値を満たすこと、及び、上記実測vE値が要求vE値を満たすことを確認し、
(d)実測遷移温度vTrsに基づく予測破壊靭性値Kc値が要求Kc値であることを検証する
ことを特徴とする大入熱突合せ溶接継手の耐脆性破壊発生特性検証方法。
(11) 前記要求Hv値が、母材の硬さHv(BM)×1.1未満、又は、210以下であることを特徴とする前記(10)に記載の大入熱突合せ溶接継手の耐脆性破壊発生特性検証方法。
(12) 前記要求vE値が、(構造体設計温度−10)℃での測定値で53J以上であることを特徴とする前記(10)又は(11)に記載の大入熱突合せ溶接継手の耐脆性破壊発生特性検証方法。
(13) 前記要求Kc値が2000N/mm1.5超であることを特徴とする前記(10)〜(12)のいずれかに記載の大入熱突合せ溶接継手の耐脆性破壊発生特性検証方法。
(14) 前記要求Kc値が3580N/mm1.5超であることを特徴とする前記(10)〜(12)のいずれかに記載の大入熱突合せ溶接継手の耐脆性破壊発生特性検証方法。
(15) 前記要求Kc値が4354N/mm1.5超であることを特徴とする前記(10)〜(12)のいずれかに記載の大入熱突合せ溶接継手の耐脆性破壊発生特性検証方法。
(16) 前記要求Kc値が下記式Kq値以上であることを特徴とする前記(10)〜(12)のいずれかに記載の大入熱突合せ溶接継手の耐脆性破壊発生特性検証方法。
Kq=σD√(πa)
ここで、σD:設計応力、a:想定欠陥寸法
(17) 前記予測破壊靭性値Kcを、下記式(1)〜(3)で算定することを特徴とする前記(10)〜(16)のいずれかに記載の大入熱突合せ溶接継手の耐脆性破壊発生特性検証方法。
Kc(T)=5.6σy0・exp(k0(1/iTk−1/T)) …(1)
iTk=(0.00321σy0+0.391)vTrs+A√t+X …(2)
0=C・iTk−D …(3)
ここで、σy0:室温での降伏強さ(kg/mm2)
t:板厚(mm)、T:試験温度
A:板厚効果に係る係数で、1.5≦A≦3.5
X:切り欠き先鋭度に係る係数で、−20≦X≦80
C:kに係る係数で、4≦C≦89
D:kに係る係数で、100≦D≦600
(18) 前記(2)式において、2.5≦A≦3.0、及び、15≦X≦70であることを特徴とする前記(17)に記載の大入熱突合せ溶接継手の耐脆性破壊発生特性検証方法。
(19) 前記(3)式において、6.5≦C≦7.0、及び、400≦D≦500であることを特徴とする前記(17)又は(18)に記載の大入熱突合せ溶接継手の耐脆性破壊発生特性検証方法。
(20) 前記(2)式において、A=2.74、及び、X=66.1であることを特徴とする前記(17)に記載の大入熱突合せ溶接継手の耐脆性破壊発生特性検証方法。
(21) 前記(3)式において、C=6.65、及び、D=440であることを特徴とする前記(17)又は(20)に記載の大入熱突合せ溶接継手の耐脆性破壊発生特性検証方法。
(22) 前記高強度鋼板が降伏点390MPa級の船体用溶接構造用鋼板であることを特徴とする前記(10)〜(21)のいずれかに記載の大入熱突合せ溶接継手の耐脆性破壊発生特性検証方法。
(23) 前記高強度鋼板が降伏点460MPa級の船体用溶接構造用鋼板であることを特徴とする前記(10)〜(21)のいずれかに記載の大入熱突合せ溶接継手の耐脆性破壊発生特性検証方法。
(24) 前記高強度鋼板が板厚50mm超の高強度鋼板であることを特徴とする前記(10)〜(23)のいずれかに記載の大入熱突合せ溶接継手の耐脆性破壊発生特性検証方法。
本発明によれば、降伏強度が460MPaクラスで、板厚が50mm超の高強度鋼板、特に、船体用溶接用高強度鋼板を突合せ溶接した溶接継手において、適正な溶接方法、溶接材料、鋼材を選定することにより、溶接構造物、特に、厚手高強度鋼板を用いて建造する溶接構造物、例えば、船体用溶接構造物の脆性破壊に対する抵抗特性を従来以上に確保することができる。
これまで、溶接継手の設計においては、溶接継手部に変形や歪が集中することを阻止するため、溶接金属(WM)の強度や硬さを、母材(BM)の強度や硬さよりも高くすることが基本であり、溶接材料は、その強度が母材の強度と比較してオーバーマッチングとなるよう選定されていた。
「高強度厚鋼板の溶接継手を設計する場合、このオーバーマッチングに問題がある」と本発明者が発想したことは前述したとおりであるが、この問題の実態を解明するため、本発明者は、降伏強さで460MPaクラスの鋼板を用い、溶接金属がオーバーマッチングとなるように選定した溶接材料を用いて溶接継手を形成し、ディープノッチ試験で、その機械的性質を評価した。
その結果、上記溶接継手は、溶接継手部のVノッチシャルピー試験で、−20℃(試験温度)で90J以上の十分な吸収エネルギー値を示し、かつ、破面遷移温度も−20℃と極めて良好な値を示したにもかかわらず、ディープノッチ試験では、破壊靭性値Kcが2000N/mm1.5以下で、極めて低い値を示した。
結局、これらの試験結果から、従来のオーバーマッチング方式に従って高強度厚鋼板の溶接継手を設計した場合、溶接継手の性能・特性は、従来知られている“Vノッチシャルピー試験結果とディープノッチ試験結果との相関関係”から大きく逸脱することが判明した。
そこで、ディープノッチ試験での破壊発生点を詳細に調査した結果、
(i)破壊の発生位置は、溶接金属(WM)と溶接熱影響部(HAZ)の境界(溶接溶融線[FL])であること、及び、
(ii)破壊の発生した部分の微視的組織は、シャルピー試験片で観察された破壊発生部の微視的組織と同じであること、
を突き止め、さらに、
(iii)ディープノッチ試験とシャルピー試験において、破壊のドライビングフォースとなる局所応力の分布形態を3次元有限要素法で解析した結果,両分布形態は著しく異なること、
を予見した。
図1は、板厚70mmの試験片につき、溶接金属(WM)と溶接熱影響部(HAZ)との境界部(FL)、及び、溶接熱影響部(HAZ)にノッチを設け、ノッチ先端でのCTOD(Crack Tip Openninng Displacement:亀裂端開口変位)が0.05mmになる場合のノッチ先端から亀裂進展方向に離れた各位置における亀裂開口応力分布をFEM(3次元有限要素法)で解析した結果の一例を示す。
この図から、(iv)板厚が50mmを超え70mm程度になると、板厚方向での拘束度(力)が著しく増大して、溶接金属(WM)の強度が、母材(BM)や溶接熱影響部(HAZ)の強度よりも高いと(WM−Hの場合)、局所応力が、溶接金属(WM)と溶接熱影響部(HAZ)との境界で著しく増大することが解る(図中、□[WM−H]及び黒四角[WM−L]、参照)。
一方、溶接金属(WM)の強度が、母材(BM)や溶接熱影響部(HAZ)の強度よりも高い場合(WM−Hの場合)であっても、溶接熱影響部(HAZ)では、局所的な応力は増大せず、溶接金属(WM)の強度が低い場合(WM−Lの場合)とほぼ同じになる。
このことから、Kc値が低下する理由は、溶接金属(WM)の強度が、母材(BM)や溶接熱影響部(HAZ)の強度よりも高い場合(WM−Hの場合)に、溶接金属(WM)と溶接熱影響部(HAZ)との境界で、局所的な応力が増大するためであると考えられる。
即ち、上記解析の結果、本発明者は、(v)溶接金属(WM)と溶接熱影響部(HAZ)との境界での局所応力の著しい増大を抑制し、Kc値を向上させるためには、溶接金属(WM)の強度をできるだけ低くすることが必要であることを見出した。
ここで、上記解析結果を踏まえ、溶接金属(WM)の硬さ(Hv(WM))を種々変化させて破壊靭性値Kcを測定し、Kc測定値を“溶接金属の硬さ[Hv(WM)]/母材の硬さ[Hv(BM)]”に対してプロットした。
その結果、本発明者は、図2中「●」に示すように、溶接金属の硬さ[Hv(WM)]を、“母材の硬さ[Hv(BM)]×1.1以下”に抑制すれば、局所的な応力の増大による破壊靭性値の低下を防止できて、5000N/mm1.5程度の破壊靭性値を確保できることを知見した。
特に、YPが390Mpa以上の高強度鋼においては、局所応力の増大がより顕著となるので、上記程度の破壊靭性値を確保するため、溶接金属の硬さ[Hv(WM)]を、数値をもって“210以下”に限定することが望ましい。
このように、溶接金属の硬さ[Hv(WM)]を、母材の硬さ[Hv(BM)]より低くすることが、溶接継手において、微視的組織で支配される破壊特性(靭性)に見合った破壊靭性値Kc、即ち、少なくとも2000N/mm1.5を超えるKc値、好ましくは3580N/mm1.5を超えるKc値、より好ましくは4354N/mm1.5以上のKc値を確保するために必要であることを知見した。
ここで、確保すべき“少なくとも2000N/mm1.5超”(本発明で“破壊靭性値Kcが2000N/mm1.5超”と規定)の破壊靭性値Kcは、日本海事協会が、船体用鋼溶接構造物を設計する場合において定める船体設計温度(−10℃:船舶の最低使用温度)に準拠し、−10℃(基準温度)での値とする。
なお、好ましいKc値3580N/mm1.5は、疲労き裂を導入した試験片で評価した場合に必要な値であり、また、より好ましいKc値4354N/mm1.5は、切り欠き先端幅が0.1mm程度である試験片で評価した場合に必要な値である。
また、下記式(1)〜(3)に従えば、シャルピー試験結果(vE)に基づいてKc値を推定できるので、推定Kc値を併せて図2に示した。
Kc(T)=5.6σy0・exp(k0(1/iTk−1/T)) …(1)
iTk=(0.00321σy0+0.391)vTrs+A√t+X …(2)
0=C・iTk−D …(3)
ここで、σy0:室温での降伏強さ(kg/mm2)
t:板厚(mm)、T:試験温度
A:板厚効果に係る係数で、1.5≦A≦3.5
X:切り欠き先鋭度に係る係数で、−20≦X≦80
C:kに係る係数で、4≦C≦89
D:kに係る係数で、100≦D≦600
上記式(2)及び(3)は、Kcとシャルピー特性との相関式である。Aは、力学的に決定される板厚効果に係る係数であり、通常、1.5〜3.5であるが、推定精度の点から、2.5〜3.0が好ましい。Xは、鋼板の製造方法や溶接継ぎ手における溶接方法に依存する定数であり、通常、−20〜80であるが、TMCP鋼では、15〜70が好ましい。
上記式(3)は、Kcと試験温度の関係において基準となる値を表す式である。C及びDは、鋼材の製造方法や溶接方法、組織等により定まる定数であり、通常、Cは4〜89、Dは100〜600であるが、TMCP鋼を適用する点から、Cは6.5〜7.0が好ましく、また、Dは400〜500が好ましい。
なお、上記式(2)及び(3)において、最も好ましい値は、A=2.74、X=66.1、C=6.65、D=440である。
本発明で用いた式(2)及び(3)は、従来からKcとシャルピー特性との相関関係を表す式として知られているものである。しかし、この式は実験式であり、鋼材の強度や溶接方法によって大きな影響を受けることも広く知られている事実である。これまでには、船体用鋼板としては存在しなかった降伏点390MPa以上の鋼板や、板厚が50mmを超える鋼板において、Kcとシャルピーの相関関係を系統的に調査した事実はない。
本発明によって、はじめて、降伏点390MPa以上の鋼板で、かつ、板厚が50mmを超える鋼板においても、Kcとシャルピーの相関関係を、上記式の形を適用できることを突き止め、上記適用範囲で適用し得る定数又は係数の範囲及び適正値を明らかにしたのである。
推定Kc値とHv(WM)/Hv(BM)の間に相関関係はないが、“Hv(WM)/Hv(BM)≦1.1”の範囲で、推定Kc値と測定Kc値はほぼ対応関係にあるので、本発明者は、該対応関係について詳細に調査した。その結果を図3に示す。
図3に示すように、“Hv(WM)/Hv(BM)≦1.1”において、シャルピー試験結果(vE)に基づく推定Kc値と測定Kc値は対応する。このことは、上記硬さ比範囲においては、従来のVノッチシャルピー衝撃試験の結果で、大入熱突合せ溶接継手の耐脆性破壊発生特性を評価できることを意味している。
即ち、溶接継手において所定の破壊靭性値Kcを確保するためには、溶接継手の最脆弱部である溶接溶融線(FL)において局所応力が増大しないようにすることが肝要であることは前述したが、同時に、FL近傍での微視的な耐脆性破壊発生特性を確保する必要があり、その評価は、“Hv(WM)/Hv(BM)≦1.1”であれば、従来のVノッチシャルピー衝撃試験により可能であることを知見した。
本発明において、溶接金属の硬さ[Hv(WM)]は、“Hv(WM)/Hv(BM)≦1.1”を満たす必要があるが、降伏点460MPa級で板厚50mmを超える船体用高強度構造用厚鋼板を突合せ溶接し、溶接部において、2000N/mm1.5を超えるKc値、好ましくは3580N/mm1.5を超えるKc値、より好ましくは4354N/mm1.5以上のKc値を確保するには、溶接金属の硬さを210以下にする必要がある。
溶接構造物においては、線形破壊力学を用いて、設計応力σDと想定欠陥寸法aより要求破壊靭性値:Kq=σD√(πa)を容易に算出できる。それ故、KqとKcを比較してKq≦Kcであれば、溶接構造物は脆性亀裂の発生に対して安全であると評価できる。
例えば、船体用構造用鋼板の要求靭性値等の規格が、上記のような評価思想に基づいて成り立っている(非特許文献1、参照)。そして、−10℃(日本海事協会が定めた船体設計温度に準拠する基準温度)で、Kq≦Kcであることが求められる。
そこで、本発明においては、(a1)溶接金属の硬さHv(WM)と母材の硬さHv(BM)の比Hv(WM)/Hv(BM)が1.1未満、又は、(a2)溶接金属の硬さHv(WM)が210以下の場合において、(b2)溶接部の破壊靭性値Kcが下記式を満たすこととする。
Kc≧Kq=σD√(πa)(σD:設計応力、a:想定欠陥寸法)
なお、破壊靭性値Kcは、前述したように、日本海事協会が定める船体設計温度(−10℃)に準拠して、−10℃での値である。
ここで、想定欠陥寸法(a)は、溶接した際に生じる欠陥や、それを起点にして成長した疲労亀裂などの欠陥が溶接継手に存在すると想定して定めた欠陥の寸法値である。
本発明において対象とする溶接構造用高強度鋼板は、高強度であればよく、この限りで強度や用途に制限はないが、本発明は、降伏点390MPa級ないし460MPa級の船体用溶接構造用鋼板の大入熱突合せ溶接において、耐脆性破壊発生特性に優れた溶接継手を形成することができる。
本発明の溶接継手が、確かに所要の破壊靭性値Kcを備えているか否かは、ディープノッチ試験により破壊靭性値を測定することにより確認できる。
しかし、ディープノッチ試験は、前述したように、シャルピー試験に比べ大掛かりな試験であり、試験片を作製するのにも手間がかかり、必要な時に迅速に対応し難いのが難点である。
そこで、本発明者は、Hv(WM)/Hv(BM)≦1.1において、シャルピー試験結果(vE)に基づく予測Kc値と測定Kc値は対応し(図3、参照)、このことは、上記範囲においては、従来のVノッチシャルピー衝撃試験の結果で、大入熱突合せ溶接継手の耐脆性破壊発生特性を評価できるとの知見に基づいて、耐脆性破壊発生特性を、Vノッチシャルピー衝撃試験の結果で検証する方法を発明した。
本発明の検証方法は、
(a)溶接金属(WM)の硬さHv(WM)を測定し、
(b)Vノッチシャルピー衝撃試験により溶接継手部の吸収エネルギーvEと遷移温度vTrsを測定し、
(c)上記実測Hv(WM)値が要求Hv値を満たすこと、及び、上記実測vEが要求vE値を満たすことを確認し、
(d)実測遷移温度vTrsに基づく予測破壊靭性値Kcが要求Kc値であることを検証する。
上記検証を有効に実施するためには、母材の硬さHv(BM)×1.1未満、又は、要求Hv値を210以下と設定し、かつ、要求vE値を、(構造体設計温度[船体用の場合、−10℃]−10)℃での測定値で53J以上と設定することが好ましい。
上記要求Kc値は、溶接構造物の用途や鋼板強度に応じて、適宜、数値で設定する。また、線形破壊力学のKq=σD√(πa)(σD:設計応力、a:想定欠陥寸法)に基づいて設定してもよい。
そして、破壊靭性値Kcを、測定した吸収エネルギーvEに基づいて下記式(1)〜(3)で算定し、該破壊靭性値Kcが要求Kc値であるか否かを検証する。
Kc(T)=5.6σy0・exp(k0(1/iTk−1/T)) …(1)
iTk=(0.00321σy0+0.391)vTrs+A√t+X …(2)
0=C・iTk−D …(3)
但し、σy0:室温での降伏強さ(kg/mm2)、t:板厚(mm)、T:試験温度
X=66.1、C=6.65、D=440
ここで、σy0:室温での降伏強さ(kg/mm2)
t:板厚(mm)、T:試験温度
A:板厚効果に係る係数で、1.5≦A≦3.5
X:切り欠き先鋭度に係る係数で、−20≦X≦80
C:kに係る係数で、4≦C≦89
D:kに係る係数で、100≦D≦600
上記式(2)及び(3)の技術的意味、及び、定数A、X、C及びDの通常の範囲、好ましい範囲、さらに、最も好ましい値については、前述したとおりである。
このように、シャルピー衝撃試験の結果に基づいて、大入熱突合せ溶接継手の耐脆性破壊発生特性を、ディープノッチ試験に比べ迅速かつ簡便に検証することができる。
本発明で用いる溶接構造体や船殻外板用の高強度鋼板は、公知の成分組成の溶接用構造用鋼から製造したものでよい。
例えば、質量%で、C:0.02〜0.20%、Si:0.01〜1.0%、Mn:0.3〜2.0%、Al:0.001〜0.20%、N:0.02%以下、P:0.01%以下、S:0.01%以下を基本成分とし、母材強度や継手靭性の向上等、要求される性質に応じて、Ni、Cr、Mo、Cu、W、Co、V、Nb、Ti、Zr、Ta、Hf、REM、Y、Ca、Mg、Te、Se、Bの内の1種又は2種以上を含有した鋼が好ましい。
鋼板の板厚は特に限定されないが、本発明は、例えば、板厚が50mm超の大型船殻外板用の高強度鋼板に適用するのが好ましい。
以下、本発明を、実施例に基づいて説明するが、実施例における条件は、本発明の実施可能性及び効果を確認するために採用した一条件例であり、本発明は、該一条件例に限定されるものではない。
本発明は、本発明の要旨を逸脱せず、本発明の目的を達成する限りにおいて、種々の条件ないし条件の組合せを採用し得るものである。
(実施例1)
板厚50mm〜100mmの厚鋼板を準備し、各種の溶接方法で形成した溶接継手の特徴及び性能を試験、調査した。その結果を表1及び表2(表1の続き)に示す。
表1中「継手種類」欄において、SEG−ARCは簡易エレクトロガス溶接、EGは通常のエレクトロガス溶接、SMAWは、被覆アーク溶接、SAWは潜弧溶接、VEGA2は、2電極の立向きエレクトロガスアーク溶接である。
Hv(BM)は、10kgの圧痕により測定した母材の板厚方向における硬さの平均値である。Hv(WM)は、溶接金属の板厚中央部において、10kgの圧痕により測定した硬さの値である。
溶接継手において、板厚の表面下1mm(表1で“S”と表示)、板厚の1/4(表1で“Q”と表示)、及び、板厚の1/2(表1で“C”と表示)の位置で試験片を採取し、溶接金属、溶接溶融線(FL)、及び、FLからHAZ側の1mm、3mm、5mmの各部位に切欠きが一致するように切欠を形成しシャルピー試験片を作製した。
上記シャルピー試験片につき、試験温度を変化させてシャルピー試験を実施し、vTrsが最も高温にあった部位の値をvTrsとして表に示した。その値を用い、下記式に従い、推定破壊靭性値Kc(FC)及びKc(MN)を算定した。
iTk=(0.00321σy0+0.391)vTrs+2.74√t+X
0=C・iTk−D
Kc(T)=5.6σy0・exp(k0(1/iTk−1/T))
ここで、Tは試験温度(K)、σy0は室温での降伏強さ、tは板厚であり。C、Dは定数で、C=6.65、D=440である。
溶接構造物の溶接継手に存在する疲労亀裂や割れ等の欠陥は、その先端半径がゼロであることを前提とするので、前述したKc値は、本来、疲労亀裂付きの中央亀裂付き引張試験片を用いて求められるKc値であり、その値が、前述したように継手設計に使用される。このKc値を、次に説明するKc(MN)と区別するため、Kc(FC)と称する。
しかしながら、大型引張試験に疲労亀裂を導入することは多大な費用と時間を必要とし、能率的でないので、通常は、先端幅が0.1mmの機械切欠付きの中央切欠付き引張試験片を用いて、破壊靭性値Kcを求める。このKcをKc(MN)と称する。
溶接金属の硬さが本発明の範囲内に制御したことを前提に、Kc(MN)を求めるときは、X=56.1とし、Kc(FC)を求めるときは、X=66.1とすれば、実験結果とKc推定値との間に良好な相関関係を与えることを実験的に確認したので、Xについては、上記値を用いた。
破壊靭性値Kc(N/mm1.5)は、ディープノッチ試験において、表2に示す所定の試験温度で求めた値である。
表2において、ディープノッチ試験結果である実測Kc値と推定Kc値を比較する際には、推定Kc(MN)値を参照すればよい。また、推定Kc(MN)値に対応する疲労亀裂の場合の推定Kc値が、推定Kc(FC)値である。
なお、前記(1)〜(3)式は、降伏強さが390MPa級の鋼材の溶接継手におけるKc値とシャルピー特性値との相関関係を基盤として、さらに、板厚70mm程度(厚手材)でかつ降伏強さが460MPa級程度までの高強度鋼の溶接継手に係る数多くのシャルピー試験結果とディープノッチ試験結果に基づいて相関性を検討して決定した定数を係数とする式であるから、上記式も本発明の範囲内のものである。
表2に示すように、本発明例のNo.1〜13は、Hv(WM)/Hv(BM)の値が1.1以下、または、Hv(WM)が210以下であり、推定Kc(MN)値及び推定Kc(FC)値が、実測Kc値と略一致している。このことから、シャルピー試験結果に基づいて溶接継手の破壊靭性値を推定して、溶接継手の耐脆性破壊発生特性を管理、確認し、溶接構造物の安全性を確保することができる。
これに対し、比較例No.14〜25は、Hv(WM)/Hv(BM)が、本発明で規定する1.1を超えていて、推定Kc(MN)値及び推定Kc(FC)値が、実測Kc値と大きく異なり、実測Kc値は、推定Kc値よりも大きく低下している。
即ち、Hv(WM)/Hv(BM)が本発明で規定する範囲外の場合、シャルピー試験結果で溶接継手の品質・特性を管理しても、破壊靭性値は、実際には大きく低下していることになるので、溶接構造物の安全性を管理、確認したことにはならず、危険である。
Figure 2006088184
Figure 2006088184
本発明によれば、降伏強度が460MPaクラスで、板厚が50mm超の高強度鋼板、特に、船体用溶接用高強度鋼板を突合せ溶接した溶接継手において、適正な溶接方法、溶接材料、鋼材を選定することにより、溶接構造物、特に、厚手高強度鋼板を用いて建造する溶接構造物の脆性破壊に対する抵抗特性を確保することができる。
したがって、万一、溶接継手に溶接欠陥が存在したり、疲労亀裂が発生し、成長しても、脆性破壊が発生し難い溶接構造体を確実に提供することができる。
よって、本発明は、溶接構造体の安全性を顕著に高めるので、産業上の利用価値の高い発明である。
板厚70mmの試験片につき、溶接金属(WM)と溶接熱影響部(HAZ)との境界部(FL)、及び、溶接熱影響部(HAZ)にノッチを設け、ノッチ先端でのCTOD(Crack Tip Openninng Displacement:亀裂端開口変位)が0.05mmになる場合のノッチ先端から亀裂進展方向に離れた各位置における亀裂開口応力分布をFEM(3次元有限要素法)で解析した結果の一例を示す図である。 Kc値に及ぼす、溶接金属(WM)と母材(BM)の硬さ比(Hv(WM)/Hv(BM))の影響を示す図である。 シャルピー試験結果(vTrs)から推定されるKc値と、ディープノッチ試験による実測Kc値との対応関係を示す図である。 ディープノッチ試験片を示す図である。
符号の説明
1 試験片
2 溶接金属
3 切欠き

Claims (24)

  1. 高強度鋼板を大入熱突合せ溶接した構造体における溶接継手であって、
    (a1)溶接金属の硬さHv(WM)と母材の硬さHv(BM)の比Hv(WM)/Hv(BM)が1.1未満であり、かつ、
    (b1)溶接部の破壊靭性値Kcが2000N/mm1.5超である
    ことを特徴とする耐脆性破壊発生特性に優れた大入熱突合せ溶接継手。
  2. 高強度鋼板を大入熱突合せ溶接した構造体における溶接継手であって、
    (a2)溶接金属の硬さHv(WM)が210以下であり、かつ、
    (b1)溶接部の破壊靭性値Kcが2000N/mm1.5超である
    ことを特徴とする耐脆性破壊発生特性に優れた大入熱突合せ溶接継手。
  3. 前記溶接部の破壊靭性値Kcが3580N/mm1.5超である
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の耐脆性破壊発生特性に優れた大入熱突合せ溶接継手。
  4. 前記溶接部の破壊靭性値Kcが4354N/mm1.5以上である
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の耐脆性破壊発生特性に優れた大入熱突合せ溶接継手。
  5. 高強度鋼板を大入熱突合せ溶接した構造体における溶接継手であって、
    (a1)溶接金属の硬さHv(WM)と母材の硬さHv(BM)の比Hv(WM)/Hv(BM)が1.1未満であり、かつ、
    (b2)溶接部の破壊靭性値Kcが下記式を満たす
    ことを特徴とする耐脆性破壊発生特性に優れた大入熱突合せ溶接継手。
    Kc≧Kq
    ここで、Kq=σD√(πa)、σD:設計応力、a:想定欠陥寸法
  6. 高強度鋼板を大入熱突合せ溶接した構造体における溶接継手であって、
    (a2)溶接金属の硬さHv(WM)が210以下であり、かつ、
    (b2)溶接部の破壊靭性値Kcが下記式を満たす
    ことを特徴とする耐脆性破壊発生特性に優れた大入熱突合せ溶接継手。
    Kc≧Kq
    ここで、Kq=σD√(πa)、σD:設計応力、a:想定欠陥寸法
  7. 前記高強度鋼板が降伏点390MPa級の船体用溶接構造用鋼板であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の耐脆性破壊発生特性に優れた大入熱突合せ溶接継手。
  8. 前記高強度鋼板が降伏点460MPa級の船体用溶接構造用鋼板であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の耐脆性破壊発生特性に優れた大入熱突合せ溶接継手。
  9. 前記高強度鋼板が板厚50mm超の高強度鋼板であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の耐脆性破壊発生特性に優れた大入熱突合せ溶接継手。
  10. 高強度鋼板を大入熱突合せ溶接した構造体における溶接継手の機械的特性を検証する方法において、
    (a)溶接金属の硬さHv(WM)を測定し、
    (b)Vノッチシャルピー衝撃試験により溶接継手部の吸収エネルギーvEと遷移温度vTrsを測定し、
    (c)上記実測Hv(WM)値が要求Hv値を満たすこと、及び、上記実測vE値が要求vE値を満たすことを確認し、
    (d)実測遷移温度vTrsに基づく予測破壊靭性値Kc値が要求Kc値であることを検証することを特徴とする大入熱突合せ溶接継手の耐脆性破壊発生特性検証方法。
  11. 前記要求Hv値が、母材の硬さHv(BM)×1.1未満、又は、210以下であることを特徴とする請求項10に記載の大入熱突合せ溶接継手の耐脆性破壊発生特性検証方法。
  12. 前記要求vE値が、(構造体設計温度−10)℃での測定値で53J以上であることを特徴とする請求項10又は11に記載の大入熱突合せ溶接継手の耐脆性破壊発生特性検証方法。
  13. 前記要求Kc値が2000N/mm1.5超であることを特徴とする請求項10〜12のいずれか1項に記載の大入熱突合せ溶接継手の耐脆性破壊発生特性検証方法。
  14. 前記要求Kc値が3580N/mm1.5超であることを特徴とする請求項10〜12のいずれか1項に記載の大入熱突合せ溶接継手の耐脆性破壊発生特性検証方法。
  15. 前記要求Kc値が4354N/mm1.5超であることを特徴とする請求項10〜12のいずれか1項に記載の大入熱突合せ溶接継手の耐脆性破壊発生特性検証方法。
  16. 前記要求Kc値が下記式Kq値以上であることを特徴とする請求項10〜12のいずれか1項に記載の大入熱突合せ溶接継手の耐脆性破壊発生特性検証方法。
    Kq=σD√(πa)
    ここで、σD:設計応力、a:想定欠陥寸法
  17. 前記予測破壊靭性値Kcを、下記式(1)〜(3)で算定することを特徴とする請求項10〜16のいずれか1項に記載の大入熱突合せ溶接継手の耐脆性破壊発生特性検証方法。
    Kc(T)=5.6σy0・exp(k0(1/iTk−1/T)) …(1)
    iTk=(0.00321σy0+0.391)vTrs+A√t+X …(2)
    0=C・iTk−D …(3)
    ここで、σy0:室温での降伏強さ(kg/mm2)
    t:板厚(mm)、T:試験温度
    A:板厚効果に係る係数で、1.5≦A≦3.5
    X:切り欠き先鋭度に係る係数で、−20≦X≦80
    C:kに係る係数で、4≦C≦89
    D:kに係る係数で、100≦D≦600
  18. 前記(2)式において、2.5≦A≦3.0、及び、15≦X≦70であることを特徴とする請求項17に記載の大入熱突合せ溶接継手の耐脆性破壊発生特性検証方法。
  19. 前記(3)式において、6.5≦C≦7.0、及び、400≦D≦500であることを特徴とする請求項17又は18に記載の大入熱突合せ溶接継手の耐脆性破壊発生特性検証方法。
  20. 前記(2)式において、A=2.74、及び、X=66.1であることを特徴とする請求項17に記載の大入熱突合せ溶接継手の耐脆性破壊発生特性検証方法。
  21. 前記(3)式において、C=6.65、及び、D=440であることを特徴とする請求項17または20に記載の大入熱突合せ溶接継手の耐脆性破壊発生特性検証方法。
  22. 前記高強度鋼板が降伏点390MPa級の船体用溶接構造用鋼板であることを特徴とする請求項10〜21のいずれか1項に記載の大入熱突合せ溶接継手の耐脆性破壊発生特性検証方法。
  23. 前記高強度鋼板が降伏点460MPa級の船体用溶接構造用鋼板であることを特徴とする請求項10〜21のいずれか1項に記載の大入熱突合せ溶接継手の耐脆性破壊発生特性検証方法。
  24. 前記高強度鋼板が板厚50mm超の高強度鋼板であることを特徴とする請求項10〜23のいずれか1項に記載の大入熱突合せ溶接継手の耐脆性破壊発生特性検証方法。
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