JP2001241574A - 可とう性管状体 - Google Patents

可とう性管状体

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JP2001241574A
JP2001241574A JP2000049819A JP2000049819A JP2001241574A JP 2001241574 A JP2001241574 A JP 2001241574A JP 2000049819 A JP2000049819 A JP 2000049819A JP 2000049819 A JP2000049819 A JP 2000049819A JP 2001241574 A JP2001241574 A JP 2001241574A
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Japan
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resin
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flexible tubular
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JP2000049819A
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Masafumi Nakatani
政史 中谷
Nobuhiro Goto
信弘 後藤
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】管状体自体の可とう性を維持しながら、耐熱性
・耐圧性を付与する。 【解決手段】低弾性樹脂からなる管状体1に、ノルボル
ネン系樹脂からなる線状補強部材2を、管状体1に対し
て螺旋状(または管状体1の周方向に平行なリング状)
に設けるとともに、その線状補強部材2を管状体1に一
体化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は合成樹脂製の可とう
性管状体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、鋳鉄管に比べて軽量で耐食性
に優れる管として合成樹脂製の管が各種用途に使われて
いる。合成樹脂製の管を、狭い場所や入り組んだ場所に
施工する場合、あるいは土中の他の管をまたぐ必要があ
る場所に施工する場合はもちろんのこと、管路には必ず
曲がり管が必要とされる。曲がり管には可とう管が用い
られている。
【0003】可とう管としては、柔軟で変形しやすい低
弾性合成樹脂またはゴム製の管に、硬質塩化ビニルやポ
リエチレン等の熱可塑性合成樹脂からなる線材、あるい
は、鉄、ステンレス等の金属製の線材を補強部材として
螺旋状に巻回した管が知られている(例えば特開平10
−696号公報)。このような補強部材を設けること
で、可とう性を維持しながら、管の直径方向に作用する
圧力による変形を抑えることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、熱可塑
性合成樹脂製の線材を補強部材として設けた可とう管に
よれば、補強部材が硬質塩化ビニルやポリエチレンであ
る場合、材料として本質的に熱変形温度が低いという問
題があり、耐熱性を必要とする用途には用いることがで
きない。例えば、管路内に熱水が流れた場合や、管路内
に通された電線ケーブルが発熱して補強部材の熱変形温
度以上になった場合には、土圧等の外部からの圧力によ
って直径方向に管が変形してしまい、管として十分な機
能を果たせなくなる。
【0005】また、金属製の線材を補強部材として設け
た可とう管によれば、金属材料が塑性変形しやすい材料
であるため、管の直径方向に一定以上の圧力が加わった
場合には、金属製の補強部材が塑性変形してしまい、圧
力が取り除かれた後も管が扁平したままの状態になって
しまう可能性がある。さらに、金属線材に予めコイル形
状の癖を与えてから管に巻きつけるという方法で製造し
ているので(特開昭57−57634号公報参照)、製
造装置が複雑になる。また、コイル形状が常に一定では
ないことから製品の品質が安定しないという問題もあ
る。
【0006】本発明はそのような実情に鑑みてなされた
もので、良好な可とう性を有し、しかも耐熱性・耐圧性
にも優れた可とう性管状体の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の可とう性管状体
は、低弾性樹脂からなる管状体に、ノルボルネン系樹脂
からなる線状補強部材が、管状体に対して螺旋状または
管状体の周方向に平行なリング状に設けられ、その線状
補強部材が管状体に一体化されていることによって特徴
づけられる。
【0008】本発明の可とう性管状体において、ノルボ
ルネン系樹脂を得るノルボルネン系モノマーとしてシク
ロペンタジエンを用いることが好ましい。
【0009】なお、本発明の可とう性管状体には、パイ
プ、継手、ホースを初めとするくだ状の物の全てが含ま
れる。
【0010】本発明の可とう性管状体の詳細を以下に説
明する。
【0011】本発明の可とう性管状体の具体的な構造と
しては、図1〜図5に例示するように、低弾性樹脂から
なる管状体1の外周面に、架橋ノルボルネン系樹脂から
なる線状補強部材2、21を設けた構造(図1、図
2)、低弾性樹脂からなる管状体11、12の管壁内部
に架橋ノルボルネン系樹脂からなる線状補強部材22を
埋設した構造(図3、図4)、あるいは低弾性樹脂から
なる管状体1の内周面に架橋ノルボルネン系樹脂からな
る線状補強部材23を設けた構造(図5)などを挙げる
ことができる。これらの構造のいずれを採用してもよ
く、実用化する場合、管状体の用途、要求される曲げ剛
性・圧縮強度、コスト等を考慮して最適な構造を選択す
ればよい。
【0012】例えば、本発明品を、電線ケーブルや通信
ケーブル管として用いる場合には、図1〜図4のよう
に、管状体の内周面がフラットになるように線状補強部
材を設けることで、管内にケーブルを通す際にケーブル
をスムーズに通すことができ、施工性が向上する。
【0013】本発明の可とう性管状体においては、ノル
ボルネン系樹脂からなる線状補強部材を、図1のように
管状体1に対して螺旋状に設けるか、図2のように管状
体1の周方向に平行に設ける必要がある。補強部材を他
の形態で設けた場合には、本発明の効果を十分に発現す
ることができない。
【0014】例えば、線状補強部材を管長手方向に平行
に設けた場合には、可とう性が悪くなってしまい、さら
には直径方向の圧力に対しても十分な補強効果が現れな
い。また、面状の補強部材で管全体を覆ってしまった場
合、本発明の可とう性管状体よりも可とう性が悪くなっ
てしまう。
【0015】なお、線状補強部材のピッチは必ずしも均
等でなくてもよく、必要とする可とう性・耐圧性・耐熱
性に応じて適宜設計すればよい。特に、耐圧性が必要と
される部分や、ツルハシによる耐衝撃性が必要な部分に
ついては、ピッチを狭くすると効果的である。また、線
状補強部材の形状・大きさついても、管状体の肉厚等の
条件を含めて要求されるスペックに応じて設計すればよ
い。
【0016】本発明において、管状体に用いる低弾性樹
脂としては、軟質塩化ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、
エチレン−プロピレン共重合ゴム、フッ素ゴム、シリコ
ンゴム、ニトリルゴム、ネオプレンゴム、天然ゴム、ブ
タジエンゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエン
−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−
スチレンブロック共集合体、エチレン−酢酸ビニル共集
合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、クロロ
プレン、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体、
及び、これらの水素化物、さらにはノルボルネン系樹脂
等が挙げられる。
【0017】低弾性樹脂の弾性率は、必要とする形状の
管状体を作製したときに、容易に手曲げできる弾性率で
あればよいが、具体的には1.3GPa以下であること
が好ましい。
【0018】線状補強部材として用いるノルボルネン系
樹脂は、耐衝撃性及び耐熱性の観点から架橋しているこ
とが好ましい。架橋ノルボルネン系樹脂は、少なくとも
3環体以上のノルボルネン系モノマーを含む1種類以上
のノルボルネン系モノマーをメタセシス重合触媒によ
り、開環メタセシス重合させることにより得ることがで
きる。
【0019】ノルボルネン系モノマーとしては、2−ノ
ルボルネン、ノルボルナジエンなどの二環体、ジシクロ
ペンタジエンやジヒドロジシクロペンタジエンなどの三
環体、テトラシクロドデセン、エチリデンテトラシクロ
ドデセン、フェニルテトラシクロドデセンなどの四環
体、トリシクロペンタジエンなどの五環体、テトラシク
ロペンタジエンなどの七環体、及び、これらのアルキル
置換体(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル置
換体など)、アルキリデン置換体(例えば、エチリデン
置換体)、アリール置換体(例えば、フェニル、トリル
置換体)はもちろんのこと、エポキシ基、メタクリル
基、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、シアノ基、ハ
ロゲン基、エーテル基、エステル結合含有基等の極性基
を有する誘導体が挙げられる。これらは、単独で使用し
てもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
【0020】以上列記したノルボルネン系モノマーのう
ち、入手の容易さ、反応性及び耐熱性等の物性バランス
が優れている点から、ノルボルネン型モノマーを用いる
ことが好ましい。ジシクロペンタジエンの融点は34℃
程度であるので、融点以上に加熱した状態で型に導入す
ればよい。
【0021】また、上記ノルボルネン系モノマーの1種
以上と共に開環重合可能なシクロブテン、シクロペンテ
ン、シクロペンタジエン、シクロオクテン、シクロドデ
センなどの単環シクロオレフィンあるいはインデン、ク
マロン、クマロン−インデン系コモノマーのようなメタ
セシス重合活性を有する環状モノマーなどを、本発明の
目的を損なわない範囲で使用することができる。
【0022】メタセシス重合触媒としては、例えばタン
グステン、モリブデン、タンタル、ルテニウム、レニウ
ム、オスミウム、チタンなどのハロゲン化物、オキシハ
ロゲン化物、酸化物、有機アンモニウム塩などが挙げら
れる。プロセスとして空気中で重合を行う必要がある場
合には、空気中での経時安定性に優れる触媒を選択すれ
ばよい。具体的には、下記の一般式(I)のルテニウム
カルベン触媒や、一般式(II)のルテニウムビニリデ
ン触媒が好ましい。
【0023】
【化1】
【0024】式中、R1及びR2は、互いに独立に、水
素、C2〜C20−アルケニル、C1〜C20−アルキ
ル、アリール、C1〜C20−カルボキシレート、C1
〜C20−アルコキシ、C2〜C20−アルケニルオキ
シ、アリールオキシ、C2〜C20−アルコキシカルボ
ニル、C1〜C20−アルキルチオ(これらは、C1〜
C5−アルキル、ハロゲン、C1〜C5−アルコキシに
よって必要に応じて置換されていてもよいし、あるいは
C1 〜C5 −アルキル、ハロゲン、C1 〜C5−アルコ
キシによって置換されたフェニルによって必要に応じて
置換されていてもよい)、フェロセン誘導体を意味し、
また、式中、X1 及びX2 は、互いに独立に、任意のア
ニオン性配位子を意味し、L1 及びL2 は、互いに独立
に、任意の中性電子供与体を意味している。そして、X
1 、X2 、L1 及びL2 の2個または3個は、一緒に多
座キレート化配位子を形成してもよい。
【0025】更に好ましくは、一般式(I)及び一般式
(II)の式中において、R1及びR2が、互いに独立
に、水素、メチル、エチル、フェニル、フェロセニル、
または、メチル、エチル、フェニルもしくはフェロセニ
ルによって必要に応じて置換されたビニルであり、X1
及びX2が、互いに独立に、Cl、Brであり、L1及
びL2が、互いに独立に、トリメチルホスフィン、トリ
エチルホスフィン、トリイソプロピルホスフィン、トリ
フェニルホスフィン、またはトリシクロヘキシルホスフ
ィンである、ルテニウムカルベン触媒やルテニウムビニ
リデン触媒である。
【0026】なお、ルテニウムビニリデン触媒の具体的
な例として、下記の構造式(III)の触媒を挙げるこ
とができる。
【0027】
【化2】
【0028】上記メタセシス触媒の添加量は触媒の活性
によって異なるので、一概には言えないが、全モノマー
に対して1/5〜1/500000モル当量であること
が好ましい。1/5当量よりも多いと得られる樹脂の分
子量が上がらず、1/500000当量よりも少ないと
重合速度が遅くなるので好ましくない。
【0029】そして、本発明の可とう性管状体には、酸
化防止剤、充填材、補強材、発泡剤、消泡剤、揺変性付
与剤、帯電防止剤、分子量調整剤、高分子改質剤、難燃
剤、可塑剤、顔料、染料、着色剤、エラストマー等の種
々の添加剤を配合することができる。
【0030】充填材としては、炭酸カルシウム、水酸化
アルミニウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素ナトリウ
ム、クレー、タルク、マイカ、シリカ、カオリン、フラ
イアッシュ、モンモリロナイト、ガラスバルーン、シリ
カバルーン、熱膨張性塩化ビニリデン粒子等が挙げられ
る。
【0031】補強材の種類としては、ガラス繊維、カー
ボン繊維、アラミド繊維等の有機繊維が挙げられる。
【0032】エラストマーとしては、天然ゴム、ポリブ
タジエン、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエン−ス
チレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチ
レンブロック共集合体、EPDM、エチレン−酢酸ビニ
ル共集合体、及び、これらの水素化物が挙げられる。
【0033】本発明の可とう性管状体において、管を曲
げた後の形状保持性能を高めたい場合には、塑性変形部
材を管状体に埋め込むか、あるいは管状体表面に設ける
ことにより達成できる。塑性変形部材としては、鉄やア
ルミニウム等の金属類や結晶性の低いプラスチック部材
が挙げられる。塑性変形部材を設ける場所及び塑性変形
部材の形状・厚さについては、必要とされる管状体の性
能に応じて適宜設定すればよい。
【0034】本発明の可とう性管状体を成形するプロセ
スとしては、RIM成形、注型、押出、RI等の一般的
な成形法への展開が可能であるが、製品形状、生産性等
を考慮して最適なプロセスを選定すればよい。その成形
法の具体例を以下に示す。 (1)注型型内にセットした低弾性樹脂からなる管状体
の外周面に、触媒と混合したノルボルネン系樹脂組成物
を流し込み、硬化させるとともに一体化させることによ
り、低弾性樹脂製の管状体の外周面に架橋ノルボルネン
系樹脂製の線状補強部材を設ける方法を挙げることがで
きる。この方法の場合、低弾性樹脂がポリエチレンやス
チレン−イソプレン−スチレンブロック共集合体等のオ
レフィン系樹脂であると、架橋ノルボルネン系樹脂の重
合発熱によって低弾性樹脂製管状体と線状補強部材が良
好に融着一体化する。 (2)架橋ノルボルネン系樹脂の線状部材を、硬化途中
の柔らかい状態で低弾性樹脂製管状体の外周面に巻き付
けた後、完全硬化させて一体化させる方法。 (3)予め型内に架橋ノルボルネン系樹脂の線状補強部
材をセットした後、その周囲に液状の低弾性樹脂を流し
込んで硬化一体化させることで可とう性管状体とする方
法。
【0035】ここで、可とう管としての信頼性を高める
ためには、低弾性樹脂製の管状体と架橋ノルボルネン系
樹脂製の線状補強部材とが良好に接着一体化しているこ
とが望ましい。
【0036】接着性を高める方法としては、予め接着良
好なプライマー処理を行うか、あるいは接着剤を用いて
接着する等の方法がある。プライマー・接着剤は、低弾
性樹脂とノルボルネン系樹脂の双方に接着良好なもので
あれば、特に限定されないが、好ましくはエポキシ系、
ウレタン系、ポリエステル系、メタクリレート系のもの
がよい。このようなプライマー・接着剤は、必要に応じ
て多層構造とすることもできる。また、塗布厚さ等につ
いても、必要に応じて適宜選択すればよい。 <作用>本発明によれば、低弾性樹脂からなる管状体
に、ノルボルネン系樹脂からなる線状補強部材を設けて
いるので、管状体自体の可とう性を維持しながら耐圧性
を付与することができる。しかも、ノルボルネン系樹脂
は熱変形温度が高いので、耐熱性にも優れた可とう性管
状体とすることができる。
【0037】
【発明の実施の形態】本発明の可とう性管状体の実施形
態を図1〜図5に示す。
【0038】図1の可とう性管状体P1 は、低弾性樹脂
からなる管状体1の外周面に、架橋ノルボルネン系樹脂
からなる線状補強部材2が螺旋状に巻付けられており、
その線状補強部材2が管状体1に一体化されているとこ
ろに特徴がある。
【0039】図2の可とう性管状体P2 は、低弾性樹脂
からなる管状体1の外周面に、架橋ノルボルネン系樹脂
からなる線状補強部材21・・21が、管状体1の周方向
と平行に巻付けられており、その各線状補強部材21・・
21が管状体1に一体化されているところに特徴があ
る。
【0040】図3の可とう性管状P3 は、低弾性樹脂か
らなる管状体11の管壁内部に、架橋ノルボルネン系樹
脂からなる線状補強部材22が螺旋状に埋設されている
ところに特徴がある。
【0041】なお、管状体の管壁内部に線状補強部材を
埋設する場合、図4に示すように、管状体12の外周面
を波形状とし、線状補強部材22を設ける部分の肉厚を
厚く、その他の部分を薄くするという形態も考えられ
る。また、管状体の管壁内部に線状補強部材を埋設する
場合、線状補強部材を管状体の周方向と平行に設けても
よい。
【0042】図5の可とう性管状体P4 は、低弾性樹脂
からなる管状体1の内周面に、架橋ノルボルネン系樹脂
からなる線状補強部材23が螺旋状に設けられており、
その線状補強部材23が管状体1に一体化されていると
ころに特徴がある。このように、線状補強部材23を管
状体1の内周面に配置する場合においても、線状補強部
材を管状体の周方向と平行に設けてもよい。
【0043】
【実施例】本発明の実施例を、以下、比較例とともに説
明する。 <実施例1> ・低弾性樹脂製管状体 材質:スチレン−イソプレン−スチレンブロック共集合
体 弾性率:4.2MPa 管形状:外径60mm、肉厚約3mm ・線状補強部材 ノルボルネン系モノマー:ジシクロペンタジエン メタセシス重合触媒:ビス(トリシクロヘキシルホスフ
ィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド 形状:螺旋状で直径5mm、ピッチ20mm ノルボルネン型モノマーとしてジシクロペンタジエンを
用い、トルエン200部に、ビス(トリシクロヘキシル
ホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド10部
を溶解させた溶液を、ビス(トリシクロヘキシルホスフ
ィン)ベンジリデンルテニウムジクロリドのジシクロペ
ンタジエンに対するモル比が1/10000になるよう
に、40℃で混合攪拌して重合性樹脂組成物とした。
【0044】次に、60℃に温調した内径5mmの軟質
塩化ビニル製チューブに上記重合性樹脂組成物を流し込
み、1分後に脱型を行って、この時点では完全硬化せず
に柔軟な状態にあるジシクロペンタジエン樹脂の線状体
を取り出した。取り出した線状体をすぐさまスチレン−
イソプレン−スチレンブロック共集合体樹脂製の管状体
の外周面に螺旋状に巻き付け、その後、60℃で10分
間加熱硬化させて一体化させることで、可とう性管状体
(図1)を得た。なお、トータルの成形時間は17分で
あった。
【0045】得られた可とう性管状体の曲げ剛性を測定
したところ、3kgmであった。
【0046】また、得られた可とう性管状体から長さ1
0cmのサンプルを切り出し、そのサンプルの直径方向
に3kgfの加重を加えて耐圧試験を行ったところ、2
5℃雰囲気では加重方向の変位量が約5mmであり、9
0℃雰囲気においては加重方向の変位量が約6mmであ
った。加重除去後は25℃、90℃いずれにおいても変
位量が0mmとなり元通りの形状に戻った。なお、耐圧
試験は一般的な引張−圧縮試験器で行い、管の変位量は
クロスヘッドの変位量とした。 <実施例2> ・低弾性樹脂製管状体 材質:スチレン−イソプレン−スチレンブロック共集合
体 弾性率:4.2MPa 管形状:外径60mm、肉厚約3mm ・線状補強部材 ノルボルネン系モノマー:ジシクロペンタジエン メタセシス重合触媒:ビス(トリシクロヘキシルホスフ
ィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド 形状:螺旋状で直径5mm、ピッチ20mm ノルボルネン型モノマーとしてジシクロペンタジエンを
用い、トルエン200部に、ビス(トリシクロヘキシル
ホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド10部
を溶解させた溶液を、ビス(トリシクロヘキシルホスフ
ィン)ベンジリデンルテニウムジクロリドのジシクロペ
ンタジエンに対するモル比が1/10000になるよう
に、40℃で混合攪拌して重合性樹脂組成物とした。
【0047】次に、60℃に温調した注型型内にスチレ
ン−イソプレン−スチレンブロック共集合体樹脂製の管
状体をセットし、型内に上記重合性樹脂組成物を流し込
み、10分後に脱型することにより、外周面に周方向に
平行に線状補強部材が一体化した可とう性管状体(図
2)を得た。なお、トータルの成形時間は12分であっ
た。
【0048】得られた可とう性管状体の曲げ剛性を測定
したところ、3kgmであった。
【0049】また、得られた可とう性管状体から長さ1
0cmのサンプルを切り出し、そのサンプルの直径方向
に3kgfの加重を加えて耐圧試験を行ったところ、2
5℃雰囲気では加重方向の変位量が約5mmであり、9
0℃雰囲気においても加重方向の変位量は約5mmであ
った。加重除去後は25℃、90℃いずれにおいても変
位量が0mmとなり元通りの形状に戻った。なお、耐圧
試験は一般的な引張−圧縮試験器で行い、管の変位量は
クロスヘッドの変位量とした。 <比較例1> ・低弾性樹脂製管状体 材質:スチレン−イソプレン−スチレンブロック共集合
体 弾性率:4.2GPa 管形状:外径60mm、肉厚約3mm ・補強部材 なし スチレン−イソプレン−スチレンブロック共集合体樹脂
製の管状体単体で、以下の性能評価を行った。
【0050】曲げ剛性を測定したところ、2.5kgm
であった。また、管状体から長さ10cmのサンプルを
切り出し、そのサンプルの直径方向に3kgfの加重を
加えて耐圧試験を行ったところ、25℃雰囲気では加重
方向の変位量が約21mmであり、90雰囲気での加重
方向の変位量は約32mmであった。加重除去後は25
℃雰囲気で変位量が0mmとなり元通りの形状に戻った
が、90℃では変位量が約15mmで扁平してしまっ
た。なお、耐圧試験は一般的な引張−圧縮試験器で行
い、管の変位量はクロスヘッドの変位量とした。 <比較例2> ・低弾性樹脂製管状体 材質:スチレン−イソプレン−スチレンブロック共集合
体 弾性率:4.2GPa 管形状:外径60mm、肉厚約3mm ・補強部材 材質:ポリエチレン 形状:螺旋状で直径5mm、ピッチ20mm スチレン−イソプレン−スチレンブロック共集合体樹脂
製の管状体の周囲に、ポリエチレン製の線状体を巻き付
け、溶剤型のスチレンブタジエン/スチレンイソプレン
系接着剤で接着一体化させ、25℃で24時間放置して
管状体を得た。なお、巻き付け作業は、予め90℃に加
熱して柔軟化させたポリエチレン製線状体を用いた。
【0051】得られた可とう性管状体の曲げ剛性を測定
したところ、3kgmであった。
【0052】また、得られた可とう性管状体から長さ1
0cmのサンプルを切り出し、そのサンプルの直径方向
に3kgfの加重を加えて耐圧試験を行ったところ、2
5℃雰囲気では加重方向の変位量は約6mmであった
が、90℃雰囲気での加重方向の変位量は約19mmで
あった。加重除去後は、25℃で変位量が約1mmとな
り、ほぼ元通りの形状に戻ったが、90℃では変位量が
約11mmで扁平してしまった。なお、耐圧試験は、一
般的な引張−圧縮試験器で行い、管の変位量はクロスヘ
ッドの変位量とした。 <比較例3> ・低弾性樹脂製管状体 材質:スチレン−イソプレン−スチレンブロック共集合
体 弾性率:4.2GPa 管形状:外径60mm、肉厚約3mm ・補強部材 材質:綱線 形状:直径1.5mm、ピッチ20mm スチレン−イソプレン−スチレンブロック共集合体樹脂
製の管状体の周囲に、鋼線を巻き付け、溶剤型のスチレ
ンブタジエン/スチレンイソプレン系接着剤で接着一体
化させて25℃で24時間放置した。さらに鋼線の上か
ら幅約10mmのビニールテープを巻きつけて補強する
ことにより、可とう性管状体を得た。
【0053】得られた可とう性管状体の曲げ剛性を測定
したところ、3kgmであった。
【0054】また、得られた可とう性管状体から長さ1
0cmのサンプルを切り出し、そのサンプルの直径方向
に3kgfの加重を加えて耐圧試験をしたところ、25
℃雰囲気では加重方向の変位量が約4mmであり、90
℃雰囲気においては加重方向の変位量が約6mmであっ
た。加重除去後は25℃雰囲気では変位量が約2mmと
なり、僅かではあるが扁平し、90℃では変位量が約4
mmとなり扁平してしまった。なお、耐圧試験は、一般
的な引張−圧縮試験器で行い、管の変位量はクロスヘッ
ドの変位量とした。
【0055】以上の実施例1及び2と、比較例1〜3の
各測定結果を、下記の表1にまとめて示す。
【0056】
【表1】
【0057】以上の表1に示す結果から、本発明の可と
う性管状体は、未補強のものと同等の可とう性をもち、
管直径方向に圧力が加わったときの扁平が少なくて、9
0℃の高温時においても25℃の常温時と変わらない耐
熱性を有していることが確認できた。さらに、圧力を除
加した後も扁平することなく、元の形状に戻ることも確
認できた。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
可とう性が良好な低弾性樹脂からなる管状体を、物性が
良好なルボルネン系樹脂からなる線状補強部材で補強し
ているので、可とう性が良好で、耐熱性・耐圧性にも優
れた軽量な可とう性管状体を提供することができる。
【0059】本発明による可とう性管状体は、高密度ポ
リエチレン管では展開が困難である、耐熱性が要求され
る電力・通信管にも展開可能である。さらに、ノルボル
ネン系樹脂はオレフィンであることから、サーマルリサ
イクル性に優れている。
【0060】本発明による可とう性管状体は、複雑な成
形設備を用いることなく、簡易な設備、プロセスで短時
間に作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の可とう性管状体の実施形態の構造を示
す部分断面図である。
【図2】本発明の可とう性管状体の他の実施形態の構造
を示す部分断面図である。
【図3】本発明の可とう性管状体の別の実施形態の構造
を示す部分断面図である。
【図4】図4の実施形態の変形例を示す部分断面図であ
る。
【図5】本発明の可とう性管状体の更に別の実施形態の
構造を示す部分断面図である。
【符号の説明】
P1 可とう性管状体 1 管状体(低弾性樹脂製) 2 線状補強部材(ノルボルネン系樹脂製)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 低弾性樹脂からなる管状体に、ノルボル
    ネン系樹脂からなる線状補強部材が、管状体に対して螺
    旋状または管状体の周方向に平行なリング状に設けら
    れ、その線状補強部材が管状体に一体化されていること
    を特徴とする可とう性管状体。
  2. 【請求項2】 ノルボルネン系樹脂を得るノルボルネン
    系モノマーとしてシクロペンタジエンが用いられている
    ことを特徴とする請求項1記載の可とう性管状体。
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