JP4669818B2 - シャッター - Google Patents

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本発明は、建物躯体の開口部に設けられるサッシ枠の外周に取付けるシャッターに関し、特に既に取付けられたサッシ枠に対して容易に位置決めできるシャッターに関する。
建物躯体の開口部に設けられるサッシ枠の外周にシャッターを設ける場合があり、このシャッターはサッシ枠の外周を囲むように設けられるシャッター枠の上部に、複数枚のスラットを重ねてなる鎧状の扉体を巻き上げて収納するものである。扉体は、シャッター枠の上部から下方に引き出すことができ、引き出されるとサッシ枠の室外側を覆うものである。このように、サッシ枠の外周に設けられるシャッターとしては、例えば特許文献1に挙げるようなものがある。
特開2000−130055号公報
シャッター枠は、建物躯体の開口部に既に取付けられたサッシ枠の外周にさらに取付けられるものであるため、サッシ枠に対して正確に位置決めする必要がある。しかし従来のシャッターにおいては、サッシ枠の上部に位置決め用の金具を設け、その金具を基準にシャッター枠を取付けるようにしていたため、シャッター枠の位置決めを不安定な足場で行う必要があって作業性が悪いものとなっていた。また、シャッター枠の取付後に金具を取り外さなければならないものもあって、この場合には金具を取り外した後にビス孔などが残るために意匠性を悪化させることとなっていた。
本発明は、上記課題を解決すべくなされたものであり、シャッター枠の位置決めにおける作業性を向上させることができ、また位置決め用の部品によって意匠性を損ねることのないシャッターを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係るシャッターは、建物躯体の開口部に取付けられるサッシ枠の外周に取付けられるシャッター枠内の上部に扉体を巻き上げて収納するシャッターにおいて、
前記サッシ枠を構成し縦枠と連結される下枠の下端近傍には建物躯体に対して固定される位置決め部品が設けられ、該位置決め部品は室外側に突出する水平面部と、該水平面部と直交する当接面部とを有し、前記シャッター枠を構成するシャッター下枠は前記位置決め部品の水平面部に載置される基準面部を有し、基準面部は前記シャッター下枠の室内面に長手方向に沿って凹状に形成される溝部の上面により構成され、前記シャッター下枠は前記溝部の縁部から伸び前記建物躯体に対して当接固定される躯体取付片を有し、該躯体取付片により前記位置決め部品の当接面部を覆うことを特徴として構成されている。
さらに、本発明に係るシャッターは、前記シャッター下枠は室内面で前記位置決め部品の室外面全体を覆うことを特徴として構成されている。
さらにまた、本発明に係るシャッターは、前記位置決め部品は前記下枠の下端部に当接して建物躯体に対し取付けられていることを特徴として構成されている。
本発明に係るシャッターによれば、サッシ枠を構成する下枠の下端近傍には建物躯体に対して固定される位置決め部品が設けられ、位置決め部品は室外側に突出する水平面部を有し、シャッター枠を構成するシャッター下枠は位置決め部品の水平面部に載置される基準面部を有することにより、サッシの下部でシャッター枠体の位置決めを行うことができるので、作業性がよく、シャッターの取付けを容易にすることができる。
また、本発明に係るシャッターによれば、基準面部はシャッター下枠の室内面に長手方向に沿って凹状に形成される溝部の上面により構成されることにより、シャッター下枠を位置決め部品に対して容易に位置出しすることができ、作業性をより向上させることができる。
さらに、本発明に係るシャッターによれば、シャッター下枠は室内面で位置決め部品の室外面全体を覆うことにより、シャッター枠体を取付ければ位置決め部品は室外側に露出することがなく、位置決め部品によってシャッターの意匠性を悪化させることがないようにすることができる。
さらにまた、本発明に係るシャッターによれば、位置決め部品は下枠の下端部に当接して建物躯体に対し取付けられていることにより、位置決め部品の位置決めを容易にすることができる。
本発明の実施形態について図面に沿って詳細に説明する。図1には本実施形態におけるシャッターを含むサッシ全体の縦断面図を、図2にはその横断面図を、それぞれ示している。これら各図に示すように、本実施形態におけるシャッターは、建物躯体の開口部に取付けられるサッシ枠体1の外周を囲むようにシャッター枠体2が設けられ、シャッター枠体2の上部には扉体3を巻き上げ収納してなるものである。
建物躯体の開口部に取付けられるサッシ枠体1は、サッシ上枠10とサッシ下枠11及び左右のサッシ縦枠12、12を方形状に枠組みしてなるものであり、その内部には内外の障子5、5が引き違い状に納められている。また、障子5の室外側には網戸6が納められている。サッシ枠体1は、外周面の室内外中間位置に四周に渡ってフィン部15が形成されており、このフィン部15が建物躯体の室外面に当接し、ビス止めされることによって、建物躯体に対して固定される。
シャッター枠体2は、それぞれサッシ枠体1を構成する各枠材の外周側に配置されるシャッター上枠20とシャッター下枠21、左右のシャッター縦枠22とを備えている。シャッター縦枠22はシャッター上枠20より上方まで延びており、その上端部には屋根枠23が設けられる。これによってシャッター枠体2の上部には、シャッター上枠20と屋根枠23との間に収容部26が形成され、ここに扉体3が収納される。
収容部26の室外面側には、カバー部24が設けられて、収容部26内を室外側から見えないようにカバーしている。また、収容部26の室内面側には背面板25が設けられており、これが建物躯体の室外面に当接する。
扉体3は、複数枚のスラット30を重ねて鎧状としたものであり、シャッター枠体2の収容部26内に設けられる巻き芯部27に巻回され納められる。またその下端部には下端把手部31が設けられ、この下端把手部31を手で下方に引くことにより、収容部26内の扉体3が引き出される。そして下端把手部31をシャッター下枠21の上面室外端部に当接する位置まで引くと、扉体3でサッシ枠体1の室外側を覆った状態とすることができる。
次に、シャッター枠体2の位置決めについて説明する。シャッター枠体2の位置決めは、左右方向にはシャッター枠体2のサッシ枠体1との間隔を左右均等になるように調整して行う。一方、上下方向にはサッシ下枠11の近傍に設けられる位置決め部品40にシャッター下枠21を位置合わせすることによって行う。
図3には、図1の縦断面図におけるシャッター下枠21付近の拡大図を示している。この図に示すように、サッシ下枠11の下端部を構成するフィン部15の下方には、ピース状の金具からなる位置決め部品40が建物躯体に対してビス止め固定されている。位置決め部品40の上端部は、サッシ下枠11のフィン部15の下端部と当接するように配置されている。またこの位置決め部品40は、サッシ下枠11の長手方向両端部近傍にそれぞれ設けられる。
図4には、位置決め部品40の正面図を示している。位置決め部品40は、薄板状の金属材を折り曲げ加工してなるものであり、上下方向中央部に平面状の水平面部42を有している。さらに水平面部42から下方に折り曲げられた固定部41と、上方に折り曲げられた当接部43とを有している。固定部41には貫通孔41aが形成されており、ここにビスが挿通され建物躯体に対して固定がなされる。当接部43は、建物躯体に対して当接し、位置決め部品40のがたつきやずれを防止する。
図5には位置決め部品40の側面図を示しており、この図に示すように固定部41及び当接部43は、水平面部42に対して直角となるように折り曲げられると共に、建物躯体に対する当接面が面一状となるように形成されている。
図6には、シャッター下枠21の建物躯体に対する取付図を示している。位置決め部品40は、前述のように面一状の固定部41と当接部43が建物躯体に対して当接し、固定部41がビス止めにより建物躯体に対して固定されている。また、位置決め部品40の上端をサッシ下枠11の下端部であるフィン部15の下端に当接させることで、位置決め部品40を上下方向に正確に位置決めしておくことができる。この状態で水平面部42は、建物躯体に対して直角に突出する方向に向かって延びている。
一方、シャッター下枠21の室内面には、長手方向に沿って凹状に溝部21aが形成される。溝部21aの上面には、シャッター縦枠22との連結のためのビス孔を構成するビス孔部21cが形成されると共に、溝部21aの開口端には突起状の突片21dが形成されている。これらビス孔部21c及び突片21dの下端面は面一状となるように形成されており、これらによって基準面部21bを構成している。基準面部21bは、建物躯体に対して固定された位置決め部品40の水平面部42の上面に当接するように位置決めされる。
基準面部21bが位置決め部品40の水平面部42に当接し位置決めされると、シャッター枠体2全体の上下方向位置が正確に位置決めされる。この状態で図3に示すようにシャッター下枠21は建物躯体に対してビス止め固定され、さらに外壁7がシーリング材8を介して設けられる。また、位置決め部品40の室外面は、シャッター下枠21の室内面によって全て覆われるため、シャッター枠体2を取付けてしまうと位置決め部品40は室外側に露出しない。このため、位置決め部品40を設けても意匠性を悪化させることがないようにすることができる。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。第1の実施形態では建物躯体の開口部に設けられたサッシ枠体1の外周に、シャッター枠体2を位置決め部品40によって位置決めしつつ取付け、さらにその外周に外壁7を設けるようにしたが、第2の実施形態は、サッシ枠体1の外周に既に外壁7が設けられている状態から後付でシャッター枠体2を取付ける場合について説明する。
図7には、本実施形態におけるシャッターのシャッター下枠21付近の拡大図を示している。この図は第1の実施形態における図3に対応するものである。本実施形態ではサッシ枠体1及びシャッター枠体2自体の構成については、第1の実施形態と同様のものを用いている。
図7に示すように、サッシ枠体1の外周に外壁7が設けられている状態では、位置決め部品40を建物躯体に対して直接取付けることはできないので、これを外壁7の所定位置に当接させてビス止め固定し、これを基準にシャッター枠体2を上下方向に位置決めする。
位置決め部品40の取付位置は、サッシ下枠11の下端部から所定間隔だけ下方に、位置決め部品40の上端面が配置されるように設定する。これによって位置決め部品40の水平面部42の上下方向位置が定まり、ここにシャッター下枠21の基準面部21bを当接させることによって、シャッター枠体2の上下方向位置を定めることができる。
シャッター枠体2を位置決めしたら、シャッター下枠21は外壁7を介して建物躯体に対してビス止め固定される。ここで、シャッター下枠21の下端部におけるビス止め部分にはカバー材45が設けられる。カバー材45は、図示しないがシャッター下枠21だけでなくシャッター上枠20及びシャッター縦枠22にも設けられる。
カバー材45は、シャッター下枠21の下端部に当接し、それと共に外壁7を介して建物躯体に対してビス止めされる断面略コ字状の下地材45aと、下地材45aに対して係合してビスの取付部分を被覆する化粧カバー45bとからなっている。カバー材45を四周に渡って設けることで、外壁7に対して直接取付けられるビス止め部分が室外側に露出しないようにすることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の適用はこれら実施形態には限られず、その技術的思想の範囲内において様々に適用されうるものである。
第1の実施形態におけるシャッターを含むサッシ全体の縦断面図である。 第1の実施形態におけるシャッターを含むサッシ全体の横断面図である。 図1の縦断面図におけるシャッター下枠付近の拡大図である。 位置決め部品の正面図である。 位置決め部品の側面図である。 シャッター下枠の建物躯体に対する取付図である。 第2の実施形態におけるシャッターのシャッター下枠付近の拡大図である。
符号の説明
1 サッシ枠体
2 シャッター枠体
3 扉体
7 外壁
8 シーリング材
10 サッシ上枠
11 サッシ下枠
12 サッシ縦枠
20 シャッター上枠
21 シャッター下枠
21a 溝部
21b 基準面部
22 シャッター縦枠
23 屋根枠
26 収容部
40 位置決め部品
41 固定部
41a 貫通孔
42 水平面部
43 当接部

Claims (3)

  1. 建物躯体の開口部に取付けられるサッシ枠の外周に取付けられるシャッター枠内の上部に扉体を巻き上げて収納するシャッターにおいて、
    前記サッシ枠を構成し縦枠と連結される下枠の下端近傍には建物躯体に対して固定される位置決め部品が設けられ、該位置決め部品は室外側に突出する水平面部と、該水平面部と直交する当接面部とを有し、前記シャッター枠を構成するシャッター下枠は前記位置決め部品の水平面部に載置される基準面部を有し、基準面部は前記シャッター下枠の室内面に長手方向に沿って凹状に形成される溝部の上面により構成され、前記シャッター下枠は前記溝部の縁部から伸び前記建物躯体に対して当接固定される躯体取付片を有し、該躯体取付片により前記位置決め部品の当接面部を覆うことを特徴とするシャッター。
  2. 前記シャッター下枠は室内面で前記位置決め部品の室外面全体を覆うことを特徴とする請求項記載のシャッター。
  3. 前記位置決め部品は前記下枠の下端部に当接して建物躯体に対し取付けられていることを特徴とする請求項1または2記載のシャッター。
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