JP4669326B2 - 無機繊維紙およびその製造方法 - Google Patents
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Description
特にシリカ・アルミナ繊維よりなるセラミック系無機繊維紙は、優れた耐熱性や断熱性、機械特性を活かして、フィルターや摩擦剤、断熱材などへの応用が検討されている。
また、従来得られている無機繊維紙は、それを構成する繊維の直径が比較的大きいため、薄膜化が困難であるという問題があった。
しかしながら、上記手段においてはいずれもガラスチョップドストランドを含むため耐熱性が不十分であるという問題があった。
さらに本発明の他の目的は、極めて簡便な方法で上記無機繊維紙を製造する方法を提供することにある。
すなわち本発明の目的は、
耐熱温度が1000℃以上である無機化合物からなり、繊維径が1μm以下である繊維が、全構成成分を基準として40重量%以上を占める繊維集合体からなる、無機繊維紙によって達成することができる。
水溶性のアルミニウム塩化物を含む水溶液に繊維形成性の溶質を溶解させる段階と、前記繊維形成性の溶質を含む水溶液から静電紡糸法にて紡糸する段階と、前記紡糸によって捕集基板に累積される繊維構造体を得る段階と、前記累積された繊維構造体を焼成する段階と、前記焼成によって得られる繊維を開繊する段階と、開繊された繊維を抄紙する段階とを含む、繊維径1μm以下の無機化合物からなる繊維が全構成成分を基準として40重量%以上を占める繊維集合体からなる無機繊維紙の製造方法によって達成される。
また、得られる無機繊維紙はそのまま使用することもできるし、また取り扱い性やその他の要求事項に合わせて他の部材と組み合わせて用いることもできる。
本発明の無機繊維紙は、耐熱温度が1000℃以上である無機化合物からなり、繊維径が1μm以下である繊維が全構成成分を基準として40重量%以上を占める繊維集合体からなることを特徴とする。
酸化物には、具体的にAl2O3、SiO2、TiO2、Li2O、Na2O、MgO、CaO、SrO、BaO、B2O3、P2O5、SnO2、ZrO2、K2O、Cs2O、ZnO、Sb2O3、As2O3、CeO2、V2O5、Cr2O3、MnO、Fe2O3、CoO、NiO、Y2O3、Lu2O3、Yb2O3、HfO2などが挙げられ、また前記化合物を複数含むものも含まれる。
なお、本発明において繊維集合体とは、短繊維及び/又は長繊維が交絡して、または交絡することなく集合した状態のものをいう。
また、繊維集合体に更にバインダー成分を混合することで、無機繊維紙の力学特性を改善することも可能である。
前述の電極は、金属、無機物、または有機物のいかなるものでも導電性を示しさえすれば用いることができ、また、絶縁物上に導電性を示す金属、無機物、または有機物の薄膜を持つものであっても良い。
まず、水溶性のアルミニウム塩化物を含む水溶液について説明する。ここで、水溶性のアルミニウム塩化物を含む水溶液に含まれる化合物には、水への溶解性を示し、続く焼成工程によって酸化物系セラミックスが形成されるものであれば用いることが出来きるが、例えば、水酸化物、フッ化物、臭化物、ヨウ化物、硫酸塩、過硫酸塩、亜硝酸塩、硝酸塩、炭酸塩、塩素酸塩、過塩素酸塩、リン酸塩、ピロリン酸塩、ホウ酸塩、スルファミン酸塩、過ヨウ素酸塩、酢酸塩、アンモニウム塩などが代表的な化合物として挙げられる。
珪酸アルキルと反応させる水の量は、加水分解物の安定性や、続く紡糸工程の安定性などから、珪酸アルキルに対する水の重量比は0.5〜2倍が好ましい。
注射器の筒状の溶液保持槽(図1中3)の先端部に適宜の手段、例えば高電圧発生器(図1中6)にて電圧をかけた注射針状の溶液噴出ノズル(図1中1)を設置して、溶液(図1中2)を溶液噴出ノズル先端部まで導く。接地した繊維状物質捕集電極(図1中5)から適切な距離で該溶液噴出ノズル(図1中1)の先端を配置し、溶液(図1中2)が該溶液噴出ノズル(図1中1)の先端部から噴出させ、このノズル先端部分と繊維状物質捕集電極(図1中5)との間で繊維状物質を形成させることができる。
また、繊維構造体が基板上の一箇所に集中して積層されるなど、均一性が低い場合には、基板を揺動させたり、回転させたりすることも可能である。
また、その他の繊維や添加剤を同時に分散させ、湿紙を作成することにより各種機能を付与した無機繊維紙を得ることが出来る。
(1)繊維の平均径:
得られた繊維構造体の表面を走査型電子顕微鏡(株式会社日立製作所製S−2400)により撮影(倍率20000倍)して得た写真から無作為に20箇所を選んで繊維の径を測定し、すべての繊維径(n=20)の平均値を求めて、繊維の平均径とした。
(2)繊維長5μm以下の繊維の存在確認:
得られた繊維構造体の表面を走査型電子顕微鏡(株式会社日立製作所製S−2400)により撮影(倍率20000倍)して得た写真を観察し、繊維長5μm以下の繊維が存在するかどうか確認した。
オルト珪酸テトラエチル(和光純薬工業株式会社製)1重量部にpH3に調製した硫酸水溶液を1重量部添加した。硫酸水溶液を添加した溶液は、添加直後は相分離しているが、室温にて10分間激しく攪拌することにより相溶化した。この相溶化した溶液に、塩基性塩化アルミニウム水溶液(大明化学工業株式会社製、商品名:アルファイン83、Al2O3換算含有量:23.3wt%、塩基度:83.1wt%)、ポリエチレンオキシド(シグマアルドリッチ社製、平均分子量200,000)を混合し、珪素とアルミニウムの混合比がSiO2/Al2O3換算で1/1(重量比)であり、ポリエチレンオキシドが1wt%含まれる紡糸溶液を調整した。この紡糸溶液から図1に示す装置を用いて、繊維構造体を作製した。噴出ノズル1の内径は0.4mm、電圧は15kV、噴出ノズル1から電極4までの距離は15cmであった。得られた繊維構造体を空気雰囲気下で電気炉を用いて1150℃まで1.8時間で昇温し、その後1150℃で2時間保持することにより焼成した。得られた繊維構造体0.5gとイオン交換水300gをミキサー(株式会社東芝製、MX−L20GA)にて1分間攪拌することで繊維を水に分散させた。この分散液を吸引ろ過により捕集することで、目付0.5g/m2の無機繊維紙を作成した。
更に、各種電子基板材料や支持体として用いることが出来る。また、本発明の無機繊維紙は目が細かいことから、各種フィルターに用いることも出来る。
2 溶液
3 溶液保持槽
4 電極
5 繊維状物質捕集電極
6 高電圧発生器
7 マスク
Claims (4)
- 水溶性のアルミニウム塩化物を含む水溶液に繊維形成性の溶質を溶解させる段階と、前記繊維形成性の溶質を含む水溶液から静電紡糸法にて紡糸する段階と、前記紡糸によって捕集基板に累積される繊維構造体を得る段階と、前記累積された繊維構造体を焼成する段階と、前記焼成によって得られる繊維を開繊する段階と、開繊された繊維を抄紙する段階とを含む、繊維径1μm以下の無機化合物からなる繊維が全構成成分を基準として40重量%以上を占める繊維集合体からなる無機繊維紙の製造方法。
- 繊維形成性の溶質が分子量10,000〜10,000,000の有機高分子である、請求項1記載の無機繊維紙の製造方法。
- 有機高分子がポリエチレングリコールである、請求項2記載の無機繊維紙の製造方法。
- 水溶性のアルミニウム塩化物を含む水溶液が、水溶性のアルミニウム塩化物または、水溶性のアルミニウム塩化物と水溶性の珪素化合物を含む水溶液である、請求項1記載の無機繊維紙の製造方法。
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