JPWO2008090904A1 - 不織布 - Google Patents

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伸弥 小村
三好 孝則
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Abstract

平均繊維径が小さく、耐熱性に優れた無機化合物繊維を含み、濾材として用いた場合に好適な流体抵抗を有する不織布を提供する。例えば、耐熱性を有する平均繊維径がナノレベルの無機化合物繊維と、平均繊維径がマイクロレベルの無機化合物繊維とを特定の量比で並存させることにより、耐熱温度が1000℃以上の平均繊維径が10nm以上1μm以下である無機化合物繊維(A)を、構成成分全体に対して10質量%以上90質量%以下含み、目付が50g/m2以上200g/m2以下であり、JIS P8117に準じて測定したガーレーP´(秒)を目付(g/m2)で割った値が、0.001(秒・m2/g)以上0.020(秒・m2/g)以下である不織布を得る。

Description

本発明は、平均繊維径の小さい無機化合物繊維を含む不織布に関する。さらに詳しくは、本発明は、平均繊維径が小さく、耐熱性に優れた無機化合物繊維を含み、濾材として用いた場合に好適な流体抵抗を有する不織布に関する。
ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、セラミック繊維等の無機化合物からなる繊維を素材とした濾材は、これら繊維に紙的性質を与える加工を施したものであり、耐熱性、電気特性、機械特性等の様々な特性を有することから、現在では幅広い用途へ展開がなされている。
特に、シリカ・アルミナ繊維等のセラミック系不織布は、優れた耐熱性、断熱性、機械特性を活かして、フィルター、摩擦剤、断熱材等への応用が検討されている。このようなセラミック系不織布を構成するセラミック繊維は、従来、セラミック原料を千数百度の炉で溶融し、圧縮空気やスピナー等で吹き飛ばすことにより作成されている。
しかしながら、この方法によれば、非繊維状粒子が50%程度含まれてしまうため、用途によっては、当該非繊維状粒子を除去しなければならなかった。したがって、非繊維状粒子を含有することなく形成できるセラミック系繊維からなる不織布が望まれていた。
この要望に対して、非繊維状粒子を含有することなく形成されたセラミック系繊維からなる不織布も検討されている。しかしながら、現在得られている不織布は、それを構成する繊維の直径が比較的大きいため、薄膜化が困難という問題があった。
そこで、特許文献1においては、平均繊維径が小さく、かつ、耐熱性の高い無機繊維を使用した紙が提案されている。特許文献1に記載された紙は、耐熱性に優れた非常に小さな繊維径の繊維から形成されるため、繊維自体の特性を維持しつつも薄型化することが可能となった。
特開2006−336120号公報
しかしながら、特許文献1に記載された紙は、非常に小さな繊維径の繊維で構成されているため、当該紙を濾材とした場合には、濾過に要する流体抵抗が高いものとなってしまっていた。このため、特許文献1に記載された紙を濾材として使用するには、困難性を極めるものであった。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、平均繊維径が小さく、耐熱性に優れた無機化合物繊維を含み、濾材として用いた場合に好適な流体抵抗を有する不織布を提供することにある。
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討を重ねた。その結果、耐熱性を有する平均繊維径がナノレベルの無機化合物繊維と、平均繊維径がマイクロレベルの無機化合物繊維とを並存させることにより、薄膜化が可能で、耐熱性を有しつつも、濾過に要する流体抵抗の低い不織布が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、耐熱温度が1000℃以上の平均繊維径が10nm以上1μm以下である無機化合物繊維(A)を、構成成分全体に対して10質量%以上90質量%以下含み、目付が50g/m以上200g/m以下であり、JIS P8117に準じて測定したガーレーP´(秒)を目付(g/m)で割った値が、0.001(秒・m/g)以上0.020(秒・m/g)以下である不織布である。
本発明の不織布は、非常に小さな繊維径を有する繊維から形成されることにより、繊維自体の特性を維持しつつ、薄型化することが可能となる。また、耐熱性を有する繊維で構成されることから、不織布自体も耐熱性を有するようになる。さらに、特定範囲の流体抵抗を有することから、濾材として好適に用いることができる。
したがって、本発明の不織布は、電子回路基板の基材等、耐熱性を必要とする分野においては勿論のこと、とりわけ、透過性が必要となる耐熱フィルター等として好適に用いることができる。
また、得られる不織布はそのまま使用することもできるし、取り扱い性やその他の要求事項に合わせて、他の部材と組み合わせて用いることにより、幅広い分野において活用することができる。
静電紡糸法に用いられる装置の一態様を模式的に示した図である。 静電紡糸法に用いられる装置の別の態様を模式的に示した図である。 比較例1で得られた不織布の表面を走査型電子顕微鏡で撮影(2000倍)して得られた写真図である。 比較例1で得られた不織布の表面を走査型電子顕微鏡で撮影(8000倍)して得られた写真図である。 比較例2で得られた不織布の表面を走査型電子顕微鏡で撮影(2000倍)して得られた写真図である。 比較例2で得られた不織布の表面を走査型電子顕微鏡で撮影(8000倍)して得られた写真図である。
符号の説明
1、1’ 繊維形成用組成物噴出ノズル
2、2’ 繊維形成用組成物
3、3’ 繊維形成用組成物保持槽
4 電極
5、5’ 繊維捕集電極
6、6’ 高電圧発生器
7 マスク
以下、本発明について詳細に説明する。
<不織布>
本発明の不織布は、耐熱温度が1000℃以上の平均繊維径が10nm以上1μm以下である無機化合物繊維(A)を、構成成分全体に対して10質量%以上90質量%以下含み、目付が50g/m以上200g/m以下であり、JIS P8117に準じて測定したガーレーP´(秒)を目付(g/m)で割った値が、0.001(秒・m/g)以上0.020(秒・m/g)以下のものである。
また、本発明の不織布は、耐熱温度が1000℃以上の平均繊維径が10nm以上1μm以下である無機化合物繊維(A)を、構成成分全体に対して10質量%以上90質量%以下含むとともに、平均繊維径が1μmより大きく20μm以下である無機化合物繊維(B)を、構成成分全体に対して10質量%以上90質量%以下含むものであることが好ましい。
なお、本発明の不織布は、短繊維および/または長繊維が交絡して、または交絡することなく集合した状態となっている。
以下に、本発明の不織布の構成成分、物性等について説明する。
<無機化合物繊維(A)>
本発明の不織布に含まれる無機化合物繊維(A)は、断熱性や耐腐食性等の観点からセラミックス繊維であることが好ましく、なかでは、酸化物系セラミックス繊維であることが特に好ましい。
酸化物セラミックス繊維を構成する酸化物としては、特に限定されるものではないが、例えば、Al、SiO、TiO、LiO、NaO、MgO、CaO、SrO、BaO、B、P、SnO、ZrO、KO、CsO、ZnO、Sb、As、CeO、V、Cr、MnO、Fe、CoO、NiO、Y、Lu、Yb、HfO等を挙げることができ、また、これらを複数含むものであってもよい。
無機化合物繊維(A)を構成する無機化合物としては、その入手容易性や熱特性、機械特性等の観点から、アルミニウム元素を含むものが好ましく、アルミニウム元素とともにケイ素元素を含むものがより好ましい。
[無機化合物繊維(A)の平均繊維径]
無機化合物繊維(A)の平均繊維径は、10nm以上1μm以下である。平均繊維径が1μmより大きい場合には、得られる不織布の薄型化が困難となり、また、不織布の表面積も小さくなるため好ましくない。一方で、平均繊維径が10nm未満の繊維は、取り扱いに十分な強度が得られないので好ましくない。好ましい平均繊維径は10nm以上700nm以下の範囲であり、より好ましくは20nm以上500nm以下の範囲である。
[無機化合物繊維(A)の耐熱性]
無機化合物繊維(A)の耐熱温度は、1000℃以上である。耐熱温度が1000℃未満の場合には、得られる不織布の耐熱性も不十分となり好ましくない。なお、「耐熱温度が1000℃以上」とは、無機化合物繊維を空気雰囲気下、1000℃で1時間保持した場合に、溶融、膨張等により繊維形状が破壊されず、繊維形状が保持されていることを意味する。より好ましい耐熱温度は、1100℃以上である。
[無機化合物繊維(A)の製造方法]
無機化合物繊維(A)の製造方法は、特に限定されるものではないが、平均繊維径の小さい繊維を容易に得ることができることから、静電紡糸法を採用することは好ましい。
なお、ここでは、好ましい実施態様であるシリカ・アルミナ繊維を得るための製造方法について説明するが、本発明はこの製造方法に限定されるものではない。
無機化合物繊維(A)として好ましいシリカ・アルミナ繊維の製造方法としては、例えば、アルミニウム化合物、ケイ素化合物、水、および、繊維形成性物質を含む繊維形成用組成物を調製する繊維形成用組成物調製工程と、静電紡糸法にて前記繊維形成用組成物を噴出することにより繊維を得る紡糸工程と、前記繊維を累積させて繊維集合体を得る累積工程と、前記繊維集合体を焼成して繊維構造体を得る焼成工程と、を含む方法を、好ましい一態様として挙げることができる。
以下に、本発明のセラミック繊維を得る方法の好ましい一態様となる繊維形成用組成物の構成成分、および、各製造工程等につき説明する。
[繊維形成用組成物の構成]
好ましい無機化合物繊維であるシリカ・アルミナ繊維を得るための製造方法の一態様に用いられる繊維形成用組成物について説明する。好ましい態様として用いられる繊維形成用組成物は、アルミニウム化合物、ケイ素化合物、水、および、繊維形成性物質を、必須成分として含むものである。繊維形成用組成物の構成について以下に説明する。
〔アルミニウム化合物〕
アルミニウム化合物としては、水を含有する溶媒への溶解性を示し、後の焼成工程においてアルミニウム酸化物が形成されるものであれば用いることができる。このような化合物としては、例えば、塩基性塩化アルミニウムや乳酸アルミニウムが挙げられ、後の紡糸工程における安定性の観点から、塩基性塩化アルミニウムを用いることが好ましい。ここで、塩基性塩化アルミニウムとは、Al(OH)3−XClの一般式で表される化合物であり、必要に応じてXの値を調整することができるが、溶解した水溶液の安定性等の観点から、Xの値は0.3〜1.5の範囲であることが好ましい。
なお、シリカ・アルミナ繊維を得るための好ましい態様においては、アルミニウム化合物は、予め水に溶解して用いることが好ましい。
〔ケイ素化合物〕
ケイ素化合物としては、水を含有する溶媒への溶解性を示し、後の焼成工程においてケイ素酸化物が形成されるものであれば用いることができる。このような化合物としては、例えば、ケイ酸アルキルを水中で加水分解反応させて得られるケイ素化合物等が挙げられる。ケイ酸アルキルとしては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン等を挙げることができるが、紡糸の安定性等の観点から、加水分解反応によって生成するアルコール量が少ないことが好ましいことから、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランがより好ましい。
ここで、ケイ酸アルキルを加水分解反応させる水のpHは、ケイ酸アルキルを加水分解し、水溶性のケイ素化合物に変化させることができる値であれば特に限定されるものではないが、加水分解以外の縮合反応を抑える必要があることから、穏やかな酸性であることが好ましく、より好ましくは2〜4の範囲である。
ケイ酸アルキルと水との反応を行う温度は、ケイ酸アルキルを加水分解反応し、水溶性のケイ素化合物に変化させることができれば特に限定されるものではないが、縮合反応の促進を抑えるためにも加熱しないことが好ましい。より好ましくは、室温で反応を行うことである。
〔水〕
シリカ・アルミナ繊維の好ましい製造方法の態様において用いられる水は、特に限定されるものではなく、繊維の特性を損なうほどの不純物が含まれるものでなければ用いることができる。なかでも、入手容易性の観点から、蒸留水やイオン交換水を用いることが好ましい。
また、添加する水の量は、ケイ素化合物およびアルミニウム化合物を溶解し、得られる繊維形成用組成物から繊維を作製することのできる量であれば特に限定されるものではないが、繊維形成用組成物中に含まれる金属化合物の質量に対して0.5倍量以上100倍量以下であることが好ましく、1倍量以上50倍量以下であることがより好ましい。
〔繊維形成性物質〕
好ましい無機化合物繊維であるシリカ・アルミナ繊維を得るための製造方法の一態様においては、繊維形成用組成物に曳糸を持たせるためことを目的として、繊維形成用組成物に繊維形成性物質を溶解または分散させる必要がある。用いられる繊維形成性物質としては、繊維を作製することのできるものであれば特に限定されないが、取り扱い容易さの観点や焼成工程においてによって除去される必要があることから、有機高分子を用いることが好ましい。
用いられる有機高分子としては、例えば、ポリエチレンオキシド、ポリビニルアルコール、ポリビニルエステル、ポリビニルエーテル、ポリビニルピリジン、ポリアクリルアミド、エーテルセルロース、ペクチン、澱粉、ポリ塩化ビニル、ポリアクリロニトリル、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ乳酸−ポリグリコール酸共重合体、ポリカプロラクトン、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネート、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリヘキサメチレンカーボネート、ポリアリレート、ポリビニルイソシアネート、ポリブチルイソシアネート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリノルマルプロピルメタクリレート、ポリノルマルブチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリエチルアクリレート、ポリブチルアクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリパラフェニレンテレフタラミド、ポリパラフェニレンテレフタラミド−3,4′―オキシジフェニレンテレフタラミド共重合体、ポリメタフェニレンイソフタラミド、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、メチルセルロース、プロピルセルロース、ベンジルセルロース、フィブロイン、天然ゴム、ポリビニルアセテート、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルエチルエーテル、ポリビニルノルマルプロピルエーテル、ポリビニルイソプロピルエーテル、ポリビニルノルマルブチルエーテル、ポリビニルイソブチルエーテル、ポリビニルターシャリーブチルエーテル、ポリビニリデンクロリド、ポリ(N−ビニルピロリドン)、ポリ(N−ビニルカルバゾル)、ポリ(4−ビニルピリジン)、ポリビニルメチルケトン、ポリメチルイソプロペニルケトン、ポリプロピレンオキシド、ポリシクロペンテンオキシド、ポリスチレンサルホン、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン610、ナイロン612、並びにこれらの共重合体等が挙げられる。
中でも、水を含む溶媒に対する溶解性の観点から、ポリエチレンオキシド、ポリビニルアルコール、ポリビニルエステル、ポリビニルエーテル、ポリビニルピリジン、ポリアクリルアミド、エーテルセルロース、ペクチン、澱粉等が好ましく、ポリエチレンオキシドが特に好ましい。
用いられる有機高分子の数平均分子量は、本発明のセラミック繊維を作製することができれば特に限定されるものではないが、数平均分子量が低い場合には、有機高分子の添加量を大きくせねばならないことから、焼成工程において発生する気体が多くなり、また、得られるセラミック繊維の構造に欠陥が発生する可能性が高くなるため好ましくない。一方で、数平均分子量が高い場合には、粘度が高くなりすぎるため紡糸が困難となり好ましくない。用いられる有機高分子の好ましい数平均分子量は、ポリエチレンオキシドの場合には、100,000以上8,000,000以下の範囲であり、より好ましくは100,000以上600,000以下の範囲である。
繊維形成性物質の添加量としては、得られる繊維の緻密性を向上させる観点から、繊維を形成することのできる濃度範囲において可能な限り少量であることが好ましく、繊維形成用組成物全体に対して0.01質量%以上5質量%以下の範囲が好ましく、0.01質量%以上2重量%以下の範囲がより好ましい。
〔その他の成分〕
シリカ・アルミナ繊維の好ましい製造方法の態様においては、繊維形成用組成物から繊維を形成でき、本発明の要旨を超えない範囲であれば、上記の必須成分以外の成分を、繊維形成用組成物の成分として含有させてもよい。
例えば、得られる繊維の力学的強度を向上させることを目的として、ジルコニウムの化合物等を添加することができる。添加することのできるジルコニウム化合物としては、例えば、塩化酸化ジルコニウム、酢酸ジルコニウム、酢酸水酸化ジルコニウム等が挙げられるが、溶液の安定性等の観点から、塩化酸化ジルコニウムを用いることが好ましい。
〔溶媒〕
シリカ・アリミナ繊維を得るための好ましい製造方法の態様においては、水を必須成分として用いるが、この水は溶媒としての役割をも果たすものである。好ましい態様においては、繊維形成用組成物の安定性や紡糸の安定性を向上させる観点から、水以外の溶媒、例えば、アルコール類、ケトン類、アミン類、アミド類、カルボン酸類等を併用することも可能であるし、塩化アンモニウム等の塩を添加することも可能である。とりわけ、紡糸工程における繊維形成用組成物の安定性を向上させるためには、カルボン酸類を用いることが好ましく、特に、酢酸を用いることが好ましい。
[繊維形成用組成物調製工程]
繊維形成用組成物調製工程においては、アルミニウム化合物、ケイ素化合物、水、および、繊維形成性物質を含む繊維形成用組成物を調製する。
シリカ・アルミナ繊維を得るための好ましい製造方法の態様においては、上記の必須成分を含む繊維形成用組成物を調製できる方法であれば、組成物の調製方法は特に限定されるものではなく、例えば、これらを混合することにより、組成物を調製することができる。
シリカ・アルミナ繊維を得るための繊維形成用組成物調製工程においては、好ましくは、アルミニウム化合物、水、および、繊維形成性物質を含むアルミニウム含有溶液を調製する工程と、得られたアルミニウム含有溶液にケイ素化合物を添加する工程と、を含むものとすることが好ましい。これらの2つの工程に分けることによって、繊維形成用組成物調製時間を短縮することができ、繊維形成用組成物の劣化を少なくすることができる。
なお、繊維形成用組成物の溶液の安定性や紡糸の安定性の観点から、水以外の溶媒やその他の任意成分を添加する場合には、繊維形成用組成物調製工程のいずれの時点においても添加することが可能である。
[紡糸工程]
紡糸工程においては、静電紡糸法にて、上記で得られた繊維形成用組成物を噴出することにより、繊維を作製する。以下に、紡糸工程における紡糸方法および紡糸装置について説明する。
〔紡糸方法〕
好ましい態様の紡糸工程においては、静電紡糸法によって繊維を作製する。ここで、「静電紡糸法」とは、繊維形成性の基質等を含む溶液または分散液を、電極間で形成された静電場中に吐出し、溶液または分散液を電極に向けて曳糸することにより、繊維状物質を形成する方法である。なお、紡糸により得られる繊維状物質は、後記する累積工程において、捕集基板である電極上に積層される。
また、形成される繊維状物質は、繊維形成用組成物に含まれていた溶媒が完全に留去した状態のみならず、溶媒が繊維状物質に含まれたまま残留する状態も含む。
静電紡糸法によって繊維形成用組成物を捕集基材に向けて曳糸する間には、条件に応じて、繊維形成用組成物に含まれる溶媒が蒸発して繊維状物質が形成される。通常の室温であれば捕集基材上に捕集されるまでの間に溶媒は完全に蒸発するが、溶媒蒸発が不十分である場合には、減圧条件下で曳糸しても差し支えなく、また、溶媒を完全に蒸発させることなく一部を残留させたままであってもよい。
なお、曳糸する温度は、溶媒の蒸発挙動や繊維形成用組成物(紡糸液)の粘度にあわせて調整すれば良く、通常は、0℃以上100℃以下の範囲である。
〔紡糸装置〕
次いで、静電紡糸法で用いる装置について説明する。
静電場を形成するための電極は、導電性を示しさえすれば、金属、無機物、または有機物等のいかなるものであってもよい。また、絶縁物上に導電性を示す金属、無機物、または有機物等の薄膜を設けたものであってもよい。
また、静電場は一対または複数の電極間で形成されるものであり、静電場を形成するいずれの電極に高電圧を印加してもよい。これは、例えば、電圧値が異なる高電圧の電極2つ(例えば15kVと10kV)と、アースにつながった電極1つの合計3つの電極を用いる場合をも含み、または3つを越える数の電極を用いる場合も含むものとする。
また、繊維形成用組成物を静電場中に吐出する方法としては、任意の方法を採用することができ、例えば、繊維形成用組成物を静電場中の適切な位置に置き、ノズルに供給し、当該ノズルから繊維形成用組成物を電界によって曳糸して繊維化する方法が挙げられる。
図1は、静電紡糸法に用いられる装置の一態様を示す図である。図1に示される静電紡糸装置においては、繊維形成用組成物保持槽3の先端部に、高電圧発生器6にて電圧をかけた注射針状の繊維形成用組成物噴出ノズル1を設置し、繊維形成用組成物2を繊維形成用組成物噴出ノズル1の先端部まで導く。なお、図1に示される装置おいては、高電圧発生器6を用いているが、適宜の手段を用いることが可能である。
次に、繊維形成用組成物噴出ノズル1の先端を、接地した繊維捕集電極5(本形態においてはドラム)から適切な距離をとって配置し、繊維形成用組成物2を繊維形成用組成物噴出ノズル1の先端部から噴出させることにより、繊維形成用組成物噴出ノズル1の先端部分と繊維捕集電極5との間に繊維状物質を形成させることができる。
このとき、繊維捕集電極5上にマスク7を置くと、繊維状物質を所望の形状に高効率で製造できるためより好ましい。用いるマスク7としては、誘電率が2.4以上の有機高分子からなるマスクが有効である。
なお、繊維形成用組成物を噴出するためのノズルの形状は、先端が鋭角を形成していることが好ましい。噴出ノズルの先端が鋭角を形成している場合には、ノズルの先端における液滴形成を制御しやすくなる。
図2は、静電紡糸法に用いられる装置のまた別の態様を示す図である。図2に示されるように、静電紡糸法においては、繊維形成用組成物の微細滴(図示せず)を、静電場中に導入することもできる。その際の唯一の要件は、繊維形成用組成物2’を静電場中に置いて、繊維化が起こりうるような距離をとって、繊維捕集電極5’から離して配置することである。また、図2に示される装置においては、繊維形成用組成物噴出ノズル1’を有する繊維形成用組成物保持槽3’中の繊維形成用組成物2’に、直接、繊維捕集電極5’に対抗する電極4を挿入するものである。
なお、図1および図2に示される二つの態様はいずれも、繊維形成用組成物保持槽3および3’がそれぞれ、繊維形成用組成物噴出ノズル1および1’に連結している場合であるが、繊維形成用組成物保持槽と繊維形成用組成物噴出ノズルが離れており、繊維形成用組成物保持槽から繊維形成用組成物噴出ノズルへと繊維形成用組成物を供給してもよい。
また、図1および図2に示される二つの態様はいずれも、電極が捕集基板を兼ねる場合であるが、電極間に捕集基板となりうる物を設置することで、電極とは別に捕集基板を設け、そこに繊維状物質を捕集することもできる。この場合、例えばベルト状物質を電極間に設置して、これを捕集部材とすることで、連続的な生産も可能となる。
また、繊維形成用組成物をノズルから静電場中に供給する際に、複数個のノズルを並列的に用いることにより、繊維の生産速度を上げることもできる。
繊維形成用組成物噴出ノズルと繊維捕集材との距離は、帯電量、ノズル寸法、繊維形成用組成物のノズルからの噴出量、繊維形成用組成物の溶液濃度等に依存するが、10kV程度の場合には5cm以上20cm以下程度の距離が好ましい。また、印加する静電気電位は、好ましくは3kV以上100kV以下、より好ましくは5kV以上50kV以下、一層好ましくは5kV以上30kV以下の範囲である。ここで、所望の電位は、従来公知の任意の適切な方法によって作製すればよい。
[累積工程]
累積工程においては、上記の紡糸工程で得られた繊維を累積させて、繊維集合体を得る。具体的には、上記の紡糸工程で形成される繊維状物質を、電極等の捕集基板上に累積(積層)することによって繊維集合体を得る。
なお、繊維集合体が捕集基板上の一箇所に集中して累積(積層)される等、均一性が低い場合には、基板を揺れ動かしたり、回転させたりすることも可能である。
また、繊維集合体は上記同様に、繊維形成用組成物に含まれていた溶媒が完全に留去して集合体となっている状態のみならず、溶媒が繊維状物質に含まれたまま残留する状態も含まれる。
[焼成工程]
焼成工程においては、上記の累積工程において得られた繊維集合体を焼成することにより、シリカ・アルミナ繊維の繊維構造体を得る。
焼成にあたっては、一般的な電気炉を用いることができるが、必要に応じて、焼成雰囲気の気体を置換することが可能な電気炉を用いてもよい。また、焼成温度は、800℃以上1400℃以下の範囲とすることが好ましい。800℃以上で焼成することにより、耐熱性に優れたセラミック繊維を作製するができる。しかしながら、1400℃以上で焼成すると、セラミック繊維中の粒成長が大きくなったり、低融点物が溶融したりすることから、力学強度の低下してしまう。より好ましい焼成温度は、900℃以上1300℃以下の範囲である。
[無機化合物繊維(A)の含有量]
本発明の不織布において、無機化合物繊維(A)の不織布全体に占める割合は、10質量%以上90質量%以下の範囲である。10質量%より小さい場合には、得られる不織布の表面積が小さくなり好ましくない。また、90質量%よりも大きい場合には、濾過抵抗が大きくなることから濾過効率が低下するため好ましくない。無機化合物繊維(A)の不織布全体に対する含有量は、30質量%以上90質量%以下の範囲であることがより好ましく、30質量%以上70質量%以下であることが特に好ましい。
<無機化合物繊維(B)>
本発明の不織布は、上記した無機化合物繊維(A)以外に、無機化合物繊維(B)を含むものであることが好ましい。
本発明の不織布に含むことのできる無機化合物繊維(B)は、特に限定されるものではないが、耐熱性や耐腐食性等の観点から、セラミックス繊維であることが好ましく、なかでは、酸化物系セラミックス繊維であることが特に好ましい。
酸化物セラミックス繊維を構成する酸化物としては、特に限定されるものではなく、上記の無機化合物繊維(A)を構成することのできるものを用いることができる。また、無機化合物繊維(B)を構成する無機化合物としては、その入手容易性や熱特性、機械特性等の観点から、アルミニウム元素を含むものが好ましく、アルミニウム元素とともにケイ素元素を含むものがより好ましい。
また、本発明においては、耐熱性の点から、無機化合物繊維(A)および無機化合物繊維(B)のいずれもがセラミックス繊維であることが好ましく、耐酸化性に優れることから、いずれもが酸化物系セラミックス繊維であることが最も好ましい。
[無機化合物繊維(B)の平均繊維径]
無機化合物繊維(B)の平均繊維径は、1μmより大きく20μm以下の範囲である。無機化合物繊維(B)の平均繊維径が1μm以下の場合には、通気度が低くなるため好ましくない。一方で、平均繊維径が20μmを超える場合には、不織布の目付けが大きくなるため好ましくない。好ましい平均繊維径は1μm以上15μm以下の範囲であり、より好ましくは1μm以上10μm以下の範囲である。
[無機化合物繊維(B)の耐熱性]
無機化合物繊維(B)の耐熱温度は、1000℃以上であることが好ましい。1000℃以下であると、不織布の耐熱性が低下するために好ましくない。より好ましい耐熱温度は、1100℃以上である。
[無機化合物繊維(B)の製造方法]
無機化合物繊維(B)の製造方法としては、本発明の無機化合物繊維(B)が作製できれば特に限定はされないが、セラミックス繊維の一般的な作製法である溶融法、スピンドル法、ブローイング法などが適用できる。また、本発明においては、市販のセラミックをそのまま用いることも可能である。
[無機化合物繊維(B)の含有量]
本発明の不織布において、無機化合物繊維(B)の不織布全体に占める割合は、10質量%以上90質量%の範囲である。10質量%より小さい場合には、濾過抵抗が大きくなることから濾過効率が低下するため好ましくない。また、90質量%よりも大きい場合には、得られる不織布の表面積が小さくなり好ましくない。無機化合物繊維(B)の不織布全体に対する含有量は、10質量%以上70質量%以下であることがより好ましく、30質量%以上70質量%以下であることが特に好ましい。
<その他任意成分>
本発明の不織布には、本発明の要旨を超えない範囲で、無機化合物繊維(A)および無機化合物繊維(B)以外の任意成分が含まれていてもよい。任意成分としては、例えば、合成繊維、天然繊維等を挙げることができ、また、繊維形状以外の成分(例えば、無機粒子、接着剤等)を用いることもできる。さらには、バインダー成分を混合することで、得られる不織布の力学的特性を改善することも可能である。
<不織布の製造方法>
本発明の不織布を製造する方法としては、特に限定されるものではなく、公知のいずれの方法を採用することもできる。なかでは、均一性の高い不織布が得られやすいことから、例えば、無機化合物繊維(A)と無機化合物繊維(B)とを水等に分散させて水性スラリーを作成した後、湿紙を作成し、この湿紙を脱水、乾燥する湿式抄紙法を用いることが好ましい。
このとき、繊維とともにバインダー成分等を同時に分散させることで、バインダー成分等を均一に含浸することができる。また、その他の繊維や添加剤を同時に分散させて湿紙を作成することにより、各種機能を付与した不織布を得ることができる。
<目付>
本発明の不織布は、目付が50g/m以上200g/m以下の範囲である。目付が50g/mより小さい場合には、十分な強度が得られないことから、取り扱いや濾過の過程で破損してしまうため好ましくない。一方で、目付が200g/mより大きい場合には、濾過抵抗が大きくなり、エネルギー損失が大きくなるため好ましくない。より好ましい目付は、70g/m以上150g/m以下の範囲である。
なお、本発明の不織布において、目付けの制御は、水性スラリーの濃度を変えることにより行うことができる。
<ガーレー/目付>
本発明の不織布は、耐熱性の繊維径の小さい繊維を含むことから表面積が大きく、また、濾過抵抗も小さいため、耐熱性の必要な環境において高効率な濾材として使用することができる。
濾過抵抗の指標としては、JIS P8117に準じて測定したガーレーP´(秒)を目付(g/m)で割った値を用いた場合、0.001(秒・m/g)以上0.020(秒・m/g)以下の範囲であることが好ましい。前記指標が0.001より小さい場合には、捕集性が低下してしまうため好ましくない。一方で、前記指標が0.020よりも大きい場合には、濾過抵抗が大きくなり、エネルギー損失が大きくなるため好ましくない。より好ましい値としては、0.005(秒・m/g)以上0.020g/m以下の範囲である。
なお、本発明の不織布において、ガーレーの制御は、不織布に含まれる無機化合物繊維(A)の割合を変えることによって行うことができる。したがって、本発明のガーレー/目付は、水性スラリー中の無機化合物繊維(A)と無機化合物繊維(B)の比を変えることによって行うことにより、所望の値に制御することが可能である。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例により何等限定を受けるものではない。
<測定・評価方法>
実施例および比較例においては、以下の項目について、以下の方法によって測定・評価を実施した。
[平均繊維径]
走査型電子顕微鏡(日立製作所製、商品名:S−2400)により、繊維の表面を撮影(倍率:2000倍または8000倍)することにより写真図を得た。得られた写真図から無作為に20箇所を選択してフィラメントの径を測定し、繊維径のすべての測定結果(n=20)の平均値を、繊維の平均繊維径とした。
[ガーレーP´]
ガーレーP´の測定は、B型ガーレー試験機を用いて、JIS P8117に準じて実施した。操作は、JIS P8117に規定される通り、JIS P8111に規定された標準条件に従い、また、試験片の前処理は行わなかった。それぞれ3枚の試験片につき測定を実施し、測定結果の平均値をガーレーP’とした。
<実施例1>
[繊維形成用組成物調製工程]
オルト珪酸テトラエチル(和光純薬工業製)1質量部に、pH3に調製した硫酸水溶液を1質量部添加した。硫酸水溶液を添加した溶液は、添加直後は相分離しているが、室温にて10分間激しく攪拌することにより相溶化した。
得られた相溶化した溶液に、塩基性塩化アルミニウム水溶液(大明化学工業製、商品名:アルファイン83、Al換算含有量:23.3wt%、塩基度:83.1wt%)、ポリエチレンオキシド(シグマアルドリッチ製、平均分子量:200,000)を混合し、珪素とアルミニウムの混合比がSiO2/Al換算で1/1(質量比)であり、ポリエチレンオキシドが1wt%含まれる繊維形成用組成物(紡糸溶液)を調製した。
[紡糸工程・累積工程]
上記で得られた繊維形成用組成物(紡糸溶液)を用いて、図1に示す静電紡糸装置にとり繊維形成用組成物を噴出し、繊維を紡糸した。さらに、紡糸した繊維を蓄積させて、繊維集合体を作製した。なお、このときの噴出ノズル1の内径は0.4mm、電圧は15kV、噴出ノズル1から電極4までの距離は15cmであった。
[焼成工程]
上記で得られた繊維集合体を、空気雰囲気下で、電気炉を用いて1000℃まで100分かけて昇温し、その後、1000℃で2時間保持することにより焼成し、無機化合物繊維(A)を得た。得られた無機化合物繊維(A)の平均繊維径は、330nmであった。
[不織布の製造]
得られた無機化合物繊維(A)0.67質量部、セラミックス繊維(新日化サーマルセラミックス製、商品名:SCバルク1260、平均繊維径:2.5μm)0.33質量部、および、イオン交換水200質量部を、ミキサー(東芝製、型式:MX−L20GA)にて1分間攪拌することにより、2種類の繊維を水に分散させた。引き続き、分散液を吸引濾過により捕集して、不織布を作成した。得られた不織布につき無作為に3領域の目付を測定し、すべての測定結果(n=3)の平均値をとったところ、139g/mであった。
[測定・評価]
得られた不織布のガーレーP´を測定したところ、ガーレーP´は2.6秒であり、ガーレーP´(秒)を目付(g/m)で割った値は、0.019であった。
<実施例2>
[繊維形成用組成物調製工程・紡糸工程・累積工程・焼成工程]
実施例1と同様の操作により、無機化合物繊維(A)を得た。
[不織布の製造]
得られた無機化合物繊維(A)0.5質量部、セラミックス繊維(新日化サーマルセラミックス製、商品名:SCバルク1260、平均繊維径:2.5μm)0.5質量部、および、イオン交換水200質量部を、ミキサー(東芝製、型式:MX−L20GA)にて1分間攪拌することにより、2種類の繊維を水に分散させた。引き続き、分散液を吸引濾過により捕集して、不織布を作成した。実施例1と同様に、無作為に3領域の目付を測定したところ、その平均値は92g/mであった。
[測定・評価]
得られた不織布のガーレーを測定したところ、ガーレーP´は1.1秒であり、ガーレーP´(秒)を目付(g/m)で割った値は、0.012であった。
<実施例3>
[繊維形成用組成物調製工程・紡糸工程・累積工程・焼成工程]
実施例1と同様の操作により、無機化合物繊維(A)を得た。
[不織布の製造]
得られた無機化合物繊維(A)0.33質量部、セラミックス繊維(新日化サーマルセラミックス製、商品名:SCバルク1260、平均繊維径:2.5μm)0.67質量部、および、イオン交換水200質量部を、ミキサー(東芝製、型式:MX−L20GA)にて1分間攪拌することにより、2種類の繊維を水に分散させた。引き続き、分散液を吸引濾過により捕集して、不織布を作成した。実施例1と同様に、無作為に3領域の目付を測定したところ、その平均値は130g/mであった。
[測定・評価]
得られた不織布のガーレーを測定したところ、ガーレーP´は0.8秒であり、ガーレーP´(秒)を目付(g/m)で割った値は、0.006であった。
<比較例1>
[繊維形成用組成物調製工程・紡糸工程・累積工程・焼成工程]
実施例1と同様の操作により、無機化合物繊維(A)を得た。
[不織布の製造]
得られた無機化合物繊維(A)1質量部とイオン交換水200質量部を、ミキサー(東芝製、型式:MX−L20GA)にて1分間攪拌することにより、無機化合物繊維(A)を水に分散させた。引き続き、分散液を吸引濾過により捕集して、不織布を作成した。実施例1と同様に、無作為に3領域の目付を測定したところ、その平均値は90g/mであった。
[測定・評価]
得られた不織布のガーレーを測定したところ、ガーレーP´は3.1秒であり、ガーレーP´(秒)を目付(g/m)で割った値は、0.034であった。
また、得られた不織布を走査型電子顕微鏡(日立製作所製、型式:S−2400)で測定したところ、平均繊維径は330nmであった。得られた不織布表面の走査型電子顕微鏡写真図を、図3、4に示す。
<比較例2>
セラミックス繊維(新日化サーマルセラミックス製、商品名:SCバルク1260、平均繊維径:2.5μm)1質量部とイオン交換水200質量部を、ミキサー(東芝製、型式:MX−L20GA)にて1分間攪拌することにより、無機化合物繊維(B)を水に分散させた。引き続き、分散液を吸引濾過により捕集して、不織布を作成した。実施例1と同様に、無作為に3領域の目付を測定したところ、その平均値は100g/mであった。
[測定・評価]
得られた不織布のガーレーを測定しようとしたところ、不織布の強度が弱すぎて破損してしまうため、測定が行えなかった。
また、得られた不織布を走査型電子顕微鏡(日立製作所製、型式:S−2400)で測定したところ、平均繊維径は2.5μmであった。得られた不織布表面の走査型電子顕微鏡写真図を、図5、6に示す。
<比較例3>
[繊維形成用組成物調製工程・紡糸工程・累積工程・焼成工程]
実施例1と同様の操作により、無機化合物繊維(A)を得た。
[不織布の製造]
得られた無機化合物繊維(A)1質量部とイオン交換水200質量部を、ミキサー(東芝製、型式:MX−L20GA)にて1分間攪拌することにより、無機化合物繊維(A)を水に分散させた。引き続き、分散液を吸引濾過により捕集して、無機化合物繊維(A)のみからなる不織布を作成した。実施例1と同様に、無作為に3領域の目付を測定したところ、その平均値は50g/mであった。
[測定・評価]
得られた不織布のガーレーを測定しようとしたところ、不織布の強度が弱すぎて破損してしまうため、測定が行えなかった。
本発明の不織布は、単独で使用してもよいが、取り扱い性やその他の要求事項に合わせて、他の部材と組み合わせて使用してもよい。したがって、本発明の不織布は、幅広い分野において活用することができる。例えば、他の不織布や織布、フィルム等と積層したり、樹脂を含浸させたりしてプリプレグを得ることも可能である。
また、得られた不織布に対して熱処理や化学処理を施してもよく、さらには、エマルジョン、有機物もしくは無機物の粉末、フィラー等が不織布に含まれていてもよい。したがって、本発明の不織布は、例えば、各種触媒を担持させるための触媒担持基材として用いることもできる。
また、、本発明の不織布は、耐熱性を有することから、各種電子回路基板材料や支持体等の耐熱性が必要な分野に用いることも可能である。
さらには、本発明の不織布は、濾過に要する流体抵抗が低いことから、耐熱性を必要とする各種フィルター等に好適に用いることができる。

Claims (7)

  1. 耐熱温度が1000℃以上の平均繊維径が10nm以上1μm以下である無機化合物繊維(A)を、構成成分全体に対して10質量%以上90質量%以下含み、
    目付が50g/m以上200g/m以下であり、
    JIS P8117に準じて測定したガーレーP´(秒)を目付(g/m)で割った値が、0.001(秒・m/g)以上0.020(秒・m/g)以下である不織布。
  2. さらに、平均繊維径が1μmより大きく20μm以下である無機化合物繊維(B)を、構成成分全体に対して10質量%以上90質量%以下含む請求項1記載の不織布。
  3. 前記不織布が、湿式不織布である請求項1または2記載の不織布。
  4. 前記無機化合物繊維(A)および無機化合物繊維(B)が、セラミックス繊維である請求項2または3記載の不織布。
  5. 前記セラミックス繊維が、酸化物系セラミックス繊維である請求項4記載の不織布。
  6. 前記無機化合物繊維(A)および/または前記無機化合物繊維(B)が、アルミニウム元素を含むものである請求項1から5いずれか記載の不織布。
  7. 前記不織布が、濾材である請求項1から6いずれか記載の不織布。
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