JP4365139B2 - プロトン伝導性膜用補強材、プロトン伝導性膜およびそれを用いた燃料電池 - Google Patents

プロトン伝導性膜用補強材、プロトン伝導性膜およびそれを用いた燃料電池 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、燃料電池の電解質膜として利用されるプロトン伝導性膜の補強材、そのプロトン伝導性膜および燃料電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、燃料電池は、発電効率が高くかつ環境負荷が小さいため、環境にやさしい新エネルギーとして注目されている。燃料電池は、一般に電解質の種類によりいくつかのタイプに分類されるが、この中でも固体高分子型燃料電池(PEFC)は、高出力かつ小型軽量化が容易であり、さらに量産効果による低コスト化も期待できることから、小規模オンサイト型、自動車用、携帯用等の燃料電池として次世代の主力とされている。
【0003】
これら固体高分子型燃料電池は、電解質が高分子膜(プロトン伝導性膜)であり、通常は70から90℃程度の比較的低い温度領域で運転が行われている。しかしながら低い温度領域での運転は触媒の一酸化炭素による被毒が生じやすいという問題が生じたり、効率的な廃熱利用ができず発電効率が低くなる等の問題点を抱えており、100℃以上の高い温度領域で運転できる燃料電池が望まれている。例えば100℃以上で運転できれば、発電効率および廃熱利用効率が向上し、効率的にエネルギーを活用できる。さらに、運転温度を140℃まで上昇させることができれば、効率の向上や廃熱利用だけではなく、触媒の一酸化炭素による被毒が軽減され、触媒材料選択の幅が広がり、安価な燃料電池を実現することができる。
【0004】
現在高分子膜(プロトン伝導性膜)として主に使用されているものは、パーフルオロアルキレンを主骨格とし、一部にパーフルオロビニルエーテル側鎖の末端にスルホン酸基、カルボン酸基等のイオン交換基を有するフッ素系膜であり、例えば、Nafion R膜(Du Pont社、特許文献1)、Dow膜(DowChemical社、特許文献2)、Aciplex R膜(旭化成工業(株)社、特許文献3)、Flemion R膜(旭硝子(株)社)等が知られている。これらフッ素系膜は100℃以上の高い温度領域で電解質膜として用いた場合、プロトン伝導に寄与しているイオンチャンネル構造が破壊されたり、ドライアップしてしまうため、プロトン伝導が阻害され、電解質膜として機能しなくなってしまう。このため現状の固体高分子型燃料電池では90℃以下の低い温度領域で運転せざるを得ない状況にある。
【0005】
【特許文献1】
米国特許第4,330,654号明細書
【特許文献2】
特開平4−366137号公報
【特許文献3】
特開平6−342665号公報
【0006】
そこで、これらフッ素系膜の欠点を克服し、固体高分子型燃料電池の運転温度を上昇させるために、種々の電解質膜材料(すなわち、プロトン伝導性材料)が提案されている。代表的なものとしては、従来のフッ素系膜の代わりとなる耐熱性の芳香族系高分子材料があり、例えば、ポリベンズイミダゾール(特許文献4)、ポリエーテルスルホン(特許文献5、特許文献6)、ポリエーテルエーテルケトン(特許文献7)、ポリエチレンオキシド等の有機重合体にケイ素、チタン、ジルコニウム等の金属酸化物3次元架橋構造体を複合化して適度な柔軟性と耐熱性を併せ持たせた膜(特許文献8)等が挙げられる。しかし、これらの高分子材料では、膜強度が充分でなく、膜−電極接合体の形成の際に破損等の可能性が高いという問題がある。
【0007】
【特許文献4】
特開平9−110982号公報
【特許文献5】
特開平10−21943号公報
【特許文献6】
特開平10−45913号公報
【特許文献7】
特開平9−87510号公報
【特許文献8】
特開2001−35509号公報
【0008】
一方、特許文献9では、ポリエチレンオキシド等の有機重合体にケイ素、チタン、ジルコニウム等の金属酸化物3次元架橋構造体を複合化した膜に織布等の補強材を用いてその強度を増すことが示されてる。こうした補強用の繊維としては、アクリル、ポリエステル、ポリプロピレン、フッ素樹脂等の高分子素材の繊維、絹、綿、紙等の天然素材系の繊維、ガラス繊維等の素材の繊維及びそれらの織物が挙げられる。これらの中でも、強度や膜組成物との親和性からガラス繊維及びその織物を用いることが好ましいことが、上記特許文献に記載されている。
【0009】
【特許文献9】
特開2001−307545号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献9では電解質膜組成物中に長さ70μm、繊維直径10μmの粉砕ガラス繊維を混入しているが、このような繊維長の極めて短い繊維では電解質硬化時の収縮により膜形状が著しく変形するとともに、硬化後の膜の引張強度向上への寄与も小さい。硬化時の膜変形の抑制や硬化後の引張強度の向上には、補強材が引張強度と剛性に優れる連続ガラス長繊維であることが好ましく、あらゆる方向の強度向上のためには織布であることがより好ましい。しかしながら上記電解質膜の内部は酸性環境下にあり、酸性環境下での使用に適したCガラス組成からなるガラス繊維は、極細の長繊維化が難しいため、このガラス繊維を用いて厚さ50μm以下の極薄ガラス繊維織布を作製することは極めて困難である。そのため、厚さ50μm以下のガラス繊維織布を製造するには、Eガラス組成からなるガラス繊維を用いる必要がある。しかし、Eガラス組成からなるガラス繊維では耐酸性が充分でないなどの問題があった。
【0011】
Eガラス組成からなるガラス繊維織布の耐酸性を向上させるには、その表面をシリカで被覆したり、表面をリーチングしてシリカ以外の成分を溶出させたりする方法が考えられる。しかしながら、ガラス繊維の表面に単にシリカの被膜を成形しただけでは、シリカ膜と繊維基材との密着性が充分でなく、シリカ膜が容易に剥離してしまう。また、リーチングを行うことにより、ガラス繊維の表面にシリカ成分の多いシリカリッチ層を成形することができるが、このシリカリッチ層は多孔質であるため積が比表面極めて大きく、またガラス繊維内部からの成分の溶出を完全に抑えられるものではないことから、長期間の使用においては、ガラス繊維内部からアルカリ成分等が溶出し、電解質膜の強度を低下させたり、電解質特性に悪影響を与えてしまうという問題があった。
【0012】
なお、Cガラス組成の場合、短繊維であれば製造可能であり、不織布に成形することはできる。しかし、この不織布は、厚さが100μm以下になると引張強度および剛性の低下が著しくなる。繊維直径を細くすることにより引張強度を向上させることは可能であるが、この場合は剛性が著しく低下する。したがって、燃料電池への組み込みの際のハンドリング、組み込み後の電解質膜の補強、および膜硬化時の収縮による変形に対して、十分な引張強度と剛性を同時に得ることができない。
【0013】
以上のように、高温(例えば100℃以上)で充分な耐久性を有し、しかも機械的性能等を満足したプロトン伝導性膜またはその補強材は、未だ存在しなかった。この発明は、上記の固体高分子型燃料電池の電解質膜およびその補強材における問題点を解決するためになされたものである。その目的とするところは、耐熱性および耐久性に優れ、かつ、高強度のプロトン伝導性膜の補強材を安価に提供することにある。さらには、その補強材を用いたプロトン伝導性膜および燃料電池を提供することにある。
ここで言うEガラスおよびCガラス組成の一般的な成分含有率を下記表1に示す。
【0014】
【表1】
Figure 0004365139
【0015】
本発明は平均繊維直径の異なるガラス繊維を少なくとも2種類組み合わせたガラス繊維不織布からなるプロトン伝導性膜用補強材であって、前記少なくとも2種類のガラス繊維のうち、最も大きい平均繊維直径を有するガラス繊維は最も小さい平均繊維直径を有するガラス繊維の平均繊維直径の少なくとも3倍の平均繊維直径を有するプロトン伝導性膜用補強材である。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について、詳細に説明する。
この発明においては、プロトン伝導性膜の補強材として、平均繊維直径の異なる2種類以上のガラス繊維を組み合わせた不織布を用いる。
固体高分子型燃料電池の電解質膜の機能を確保するためには、ガラス不織布の厚さは100μm以下であることが好ましくより好ましくは50μm以下であることから、使用されるガラス繊維の平均直径は、0.2〜20μmであることが好ましい。0.2μm未満では、製造コストが極端に高くなり現実的でない。一方、20μmを超えると、50μm以下の厚みで均一な不織布の形成ができなくなる。
【0017】
2種類以上の繊維のうち、繊維直径の細いガラス繊維は微小領域において均一に電解質を保持し電解質膜の厚さ方向に対するガス透過を阻止したり、電解質膜そのものの引張強度を向上させたりことを目的として用いられ、太いガラス繊維は不織布の剛性を向上させ、電解質膜の収縮に伴う変形を抑制することを目的として用いられる。その際、用いる最も太いガラス繊維の平均繊維直径と最も細いガラス短繊維の平均繊維直径の比は式1で示される値として3以上とする
繊維直径の比 =最も太いガラス繊維の平均繊維直径/最も細いガラス繊維の平均繊維直径 ・・ 式1
【0018】
繊維直径の比が3未満であると、それぞれのガラス繊維の持つ特性が似たものになり、不織布の機械的性質に対する相補的な効果が低くなってしまう。より好ましい繊維直径の比は3〜40である。また、平均繊維直径の異なるガラス繊維のそれぞれの平均長さは2〜50mmであることが好ましい。2mm未満の場合は、絡みが弱くなり不織布の引張強度が低下する。一方、50mmを超えると、その繊維の開繊性が低下し、不織布に均一に分散させることが難しくなり、結果として均一なガラス繊維不織布を作製することが困難になる。
【0019】
用いるガラス繊維の最適値範囲は、その組み合わせ方によって大きく異なるため、以下に2種類のガラス繊維を混合する場合を例示する。
例えば細いガラス繊維として平均直径が0.3〜1.2μm、例えば約0.6μmの繊維を用い、太いガラス繊維として平均直径が2.5〜10μm、例えば約5μmの繊維を用いる場合、細いガラス繊維の含有率は30質量%〜90質量%、すなわち太いガラス繊維の含有率が、70質量%〜10質量%であることが好ましい。細いガラス繊維の含有率が30質量%未満の場合は、太いガラス繊維の間が大きく広がってしまい、引張強度が低下し、微小領域で電解質が均一に保持できなくなるとともに、ガス透過を阻止することが困難になってしまう。90質量%を超えると太いガラス繊維の補強効果が極めて小さくなり、剛性が低下してしまう。
【0020】
3種類以上のガラス繊維を混合する場合、一番細いガラス繊維の平均繊維直径D1と一番太いガラス繊維の平均繊維直径D2から下記の相乗平均Dgを計算する。
Dg=√(D1×D2)
不織布を構成するガラス繊維を、このDgに等しいかまたはこれより太い繊維とこれより細い繊維の2グループに分ける。このとき、細いグループの含有率が30〜90質量%、太いグループの含有率が70〜10質量%であることが好ましく、その理由は2種類のガラス繊維を混合する場合での上記説明と同じである。
【0021】
これらのガラス繊維としては溶融ガラスを遠心力その他により吹き飛ばして製造するいわゆる短繊維(平均直径0.2〜10μm、平均長さ0.5〜10mm)および溶融ガラスを引き伸ばして製造するいわゆる長繊維(平均直径2〜20μm、長さは連続)のいずれも使用することができる。不織布製造のために組み合わせる2種類以上のガラス繊維のうち、最も小さい平均繊維直径を有するガラス繊維として短繊維を用いることが好ましく、最も大きい平均繊維直径を有するガラス繊維として長繊維を所定長さ、例えば2〜50mmに切断したものまたは短繊維を用いることが好ましい。
【0022】
平均繊維直径の異なる2種類以上のガラス繊維を組み合わせた不織布は、例えば、硫酸によってpHを1.5〜4.0に調製した酸性溶液中に、それらを混合し、液体の流動によって分散した溶液を用いて、通常の湿式抄造法で作製することができる。3種類以上のガラス繊維を混合する場合も、最も細いガラス繊維と最も太いガラス繊維の平均直径の間にあるガラス繊維を用いることができ、それぞれの場合に応じて混合比等の最適範囲を決めることができる。
【0023】
ガラス繊維の組成としては、鉛蓄電池等酸性雰囲気で用いられるCガラス組成のものが好ましい。ガラス繊維用の公知の組成の中で、Cガラス組成が最も耐酸性が高いからである。なお、Eガラス組成からなる繊維にリーチングないしシリカ等の被膜成形を行ったものでもよい。また、Cガラス組成の繊維にシリカ等の被膜を形成するなどの表面処理を施してもよい。表面処理の方法は、ガラス繊維の耐熱性および耐酸性を損なわないものであれば特に限定されるものではない。
【0024】
また、このガラス繊維不織布の補強のためにバインダーを使用してもよい。バインダーとしては耐熱性および耐酸性が良いものであれば材質は特に限定されず、叩解セルロース、アクリル繊維、アクリル樹脂エマルジョン、フッ素樹脂ディスパージョン、コロイダルシリカ等が例示できる。ただし、液状バインダーの場合、添加量が多すぎるとガラス繊維間に膜を形成し、プロトン伝導を阻害するので、ガラス繊維の質量を100部とした場合、液状バインダーの固形分の質量は10部以下とすることが好ましい。また、繊維状バインダーの場合、繊維直径が20μmを超えると50μm以下の厚みの不織布に局所的な凸部を生じ、均一な不織布の形成を阻害するので、繊維直径は20μm以下であることが好ましい。ただし、抄造の過程で変形あるいは溶解して、不織布作製完了後に凸部を生じない場合はこの限りではない。
【0025】
電解質膜の機能を確保するためには、ガラス不織布の厚さは100μm以下であることが好ましく、より好ましくは50μm以下である。そのためにガラス繊維不織布の目付(単位面積あたりの質量)は、2〜50g/m2であることが好ましい。2g/m2以下では、ガラス短繊維同士の絡みが少なくなり充分な引張強度を得ることができない。一方、50g/m2を超えると、電解質膜の補強材としては厚くなりすぎ、これを薄くするためにプレス等によって密度を高くすれば、ガラス繊維がその交接点で折れて短くなり、引張強度が著しく低下するなどの問題が生じる。より好ましいガラス繊維不織布の目付は3〜25g/m2である。
【0026】
また、ガラス繊維不織布は、その空隙率が60〜98体積%であることが好ましい。空隙率が98体積%を超えると、強度が著しく低くなり、補強材としての役割を果たさなくなる。また、剛性の低下も著しくなり、電解質の収縮による変形を抑える役割も果たさなくなる。一方、60体積%未満では、プロトン伝導率が低下する。より好ましい空隙率は80〜98体積%であり、更に好ましい空隙率は90〜95体積%である。ちなみに、平均直径0.6μm、平均長さ3mmのガラス短繊維を60質量%、平均直径5μm、平均長さ約6mmのガラス繊維を40質量%混合し、機械的な圧縮工程なしに湿式抄造した場合、厚さ30μmで空隙率95体積%程度の補強材を作製することができる。なお、空隙率の値は不織布の厚み(20kPaに加圧してダイヤルゲージで測定)、不織布の単位面積当たりの質量、ガラス繊維の密度(約2.5g/cm3)およびバインダー材料の真密度(空隙を含まない、物質自身が占める体積だけを密度算定用の体積とする密度)から計算により求めることができる。
【0027】
上記電解質膜の補強材に電解質を固着させるが、その電解質は、プロトン伝導型のものであればどのような組成のものでもよい。例えば、前記特許文献9に記載のポリエチレンオキシド等の有機重合体にケイ素、チタン、ジルコニウム等の金属酸化物3次元架橋構造体を複合化したものが挙げれらる。この電解質は、100℃以上の酸性雰囲気下での使用にも耐えられる。
【0028】
この発明のプロトン伝導性膜は、公知の手段を用いて、燃料電池の電解質膜として使用することができる。また、この発明の燃料電池は、プロトン伝導型高分子固体電解質燃料電池であればどのような構成でもよいが、特に100℃以上の酸性雰囲気下で使用するものが好ましい。
【0029】
この発明によれば、繊維直径の異なる2種類以上のガラス繊維を組み合わせた不織布を用いることによって、強度、耐熱性および耐酸性が高く、かつより均一で強度のある電解質膜の補強材を提供することができる。さらに、これら電解質膜の補強材を用いることにより、高温でも優れたプロトン伝導性を示すプロトン伝導性膜および発電効率のよい安価な燃料電池を提供することができる。
【0030】
【実施例】
以下、実施例および比較例により、この発明をさらに具体的に説明する。なお、この発明の要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
平均直径0.6μmおよび平均長さ約3mmの表1のCガラス組成からなるガラス短繊維を55質量%、平均直径10μmのCガラス組成からなるガラス長繊維を長さ約6mmにカットした繊維を40質量%、叩解セルロース繊維を5質量%、同時にパルパーに投入し、硫酸でpH2.5に調製した水溶液中で充分に解離、分散させ、抄紙用のスラリーを作製した。これらのガラス繊維分散液を、湿式抄紙装置を用いて、上記繊維3種を上記配合比と同じ割合で含有し、厚み30μm、目付6g/m2の、電解質膜の補強材であるガラス繊維不織布を作製した。この補強材の空隙率は約95体積%であった。
【0031】
(実施例2)
平均直径約0.6μmおよび平均長さ約3mmの表1のCガラス組成からなる細いガラス短繊維を55質量%、平均直径約4μmおよび平均長さ約6mmのCガラス組成からなる細いガラス短繊維を20質量%、平均直径約10μmのCガラス組成からなるガラス長繊維を長さ約6mmにカットした繊維を20質量%、叩解セルロース繊維を5質量%、同時にパルパーに投入し、硫酸でpH2.5に調製した水溶液中で充分に解離、分散させ、抄紙用のスラリーを作製した。これらのガラス繊維分散液を、湿式抄紙装置を用いて、上記繊維3種を上記配合比と同じ割合で含有し、厚み30μm、目付6g/m2の電解質膜の補強材であるガラス繊維不織布を作製した。この補強材の空隙率は約95体積%であった。
【0032】
(比較例1)
実施例1で用いた平均直径約0.6μmの表1のCガラス組成からなる細いガラス短繊維を95質量%、叩解セルロースを5質量%、同時にパルパーに投入し、硫酸でpH2.5に調製した水溶液中で充分に解離、分散させ、抄紙用のスラリーを作製した。これらのガラス繊維分散液を、湿式抄紙装置を用いて6g/m2となるように抄紙して、上記繊維2種を上記配合比と同じ割合で含有し、厚み30μmの電解質膜の補強材であるガラス不織布を作製した。この補強材の空隙率は約95体積%であった。
【0033】
(比較例2)
平均直径約0.9μmおよび平均長さ約4mmの表1のCガラス組成からなる細いガラス短繊維を95質量%、叩解セルロースを5質量%、同時にパルパーに投入し、硫酸でpH2.5に調製した水溶液中で充分に解離、分散させ、抄紙用のスラリーを作製した。これらのガラス繊維分散液を、湿式抄紙装置を用いて6g/m2となるように抄紙して、上記繊維2種を上記配合比と同じ割合で含有し、厚み30μmの電解質膜の補強材であるガラス繊維不織布を作製した。この補強材の空隙率は約94体積%であった。なお、この比較例2は、比較例1の剛性を向上させるために、補強材として必要な引張強度を維持できる範囲で繊維直径を太くしたものである。
【0034】
(比較例3)
平均直径約4μmおよび平均長さ6mmの表1のCガラス組成からなる細いガラス短繊維を95質量%、叩解セルロースを5質量%、同時にパルパーに投入し、硫酸でpH2.5に調製した水溶液中で充分に解離、分散させ、抄紙用のスラリーを作製した。これらのガラス繊維分散液を、湿式抄紙装置を用いて6g/m2となるように抄紙して、上記繊維3種を上記配合比と同じ割合で含有し、厚み30μmの電解質膜の補強材であるガラス繊維不織布を作製した。この補強材の空隙率は約94体積%であった。
【0035】
実施例1〜2および比較例1〜3で作製した電解質膜の補強材について、下記の試験を行った。試験の結果を表2に示す。
【0036】
〔模擬電解質による収縮試験〕
不飽和ポリエステル樹脂の主剤に適当な硬化剤、添加剤、有機溶剤を混合し、硬化時の線収縮率が3%以上となるように調製したものを模擬電解質として準備した。得られたラス繊維不織布サンプルにその空隙体積の1.2〜2.0倍の体積の模擬電解質を含浸させ、60℃で30分間予備乾燥した後、150℃で30分間加熱することにより収縮させ、サンプルのカールまたはシワの発生状況を目視で観察し、シワの大きい順に、「シワ激しい」、「シワ多い」、「シワ少ない」、「シワ微量」の4段階に評価する。
【0037】
〔剛性の評価〕
図1に示すように、幅20mm、長さ120mmの試験片1を、デシケータ内に設置した直方体形状の台2の上に置き、試験片の一端より50mmの部分3を台の端部よりはみ出させた後、台の上部に残った部分(70mm)4を、その上に置いた板5により固定する。デシケータを閉じ、空気の流れの影響を遮断して静置し、サンプルの自重による垂下が安定した後、サンプルの先端位置と、台の上面との垂直方向の距離h(mm)を測定する。ここで、台からはみ出させた部分のサンプル長さ(本方法では50mm)を自由長f、サンプルの先端と台の上面との垂直方向の距離を垂下量hと呼ぶこととする。サンプルの剛性が高いほど、この垂下量は小さくなり、剛性の代用特性として使用することが可能である。
【0038】
〔引張り強度測定〕
幅20mm、長さ100mmの試験片を準備し、チャック間隔50mmで、10mm/分の速度で引っ張って、破断時の荷重(N)を測定する。
【0039】
〔プロトン伝導度評価〕
高分子固体電解質樹脂としてNafion117(DuPont社の商標)を用い、この5質量%溶液をガラス繊維不織布に含浸した後、溶媒を除去して厚み約40μmのガラス繊維複合高分子固体電解質膜を得た。この高分子電解質膜(湿潤状態)について、インピーダンスアナライザを用い、直流2端子法にてプロトン伝導度(S/cm)を測定した。
【0040】
【表2】
Figure 0004365139
【0041】
上記実施例および比較例の結果から明白なように、比較例では電解質の収縮によってシワが生じているが、実施例ではほとんどそれがなく、収縮に対して強くなっていることが分かる。比較例1は極細繊維のみのため引張強度は高いが、剛性が極めて低く、収縮による形状維持が激しいと同時に、組み込み作業時のハンドリング性が極めて悪い。比較例2は、繊維直径が太いため剛性は多少改善しているが、その改善の程度は、実施例1〜2に比べれば低い。比較例3は、繊維直径がさらに太いため剛性は非常に高く、耐収縮性も良好であるが、引張強度が極めて低く、実用に適さない。なお、実施例1〜2、比較例1〜3を用いて得られた高分子電解質膜はいずれも良好なプロトン伝導性を示した。
【0042】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、この発明における電解質膜の補強材は、繊維直径の異なる2種類以上のガラス繊維を組み合わせた不織布であって、前記2種類以上のガラス繊維のうち、最も大きい平均繊維直径を有するガラス繊維は最も小さい平均繊維直径を有するガラス繊維の平均繊維直径の少なくとも3倍の平均繊維直径を有するので、より均一で強度のある電解質膜の補強材を提供することができる。また、用いられるガラス繊維がCガラス組成であるため高温の酸性環境下でも補強材として必要な強度を充分に保ちつことができる。したがって、この補強材を用いることにより、高温でも優れたプロトン伝導性を示すプロトン伝導性膜、さらには発電効率の高い燃料電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のガラス繊維不織布補強材の剛性を評価するための装置を示す概略図

Claims (9)

  1. 平均繊維直径の異なるガラス繊維を少なくとも2種類組み合わせたガラス繊維不織布からなるプロトン伝導性膜用補強材であって、前記少なくとも2種類のガラス繊維のうち、最も大きい平均繊維直径を有するガラス繊維は最も小さい平均繊維直径を有するガラス繊維の平均繊維直径の少なくとも3倍の平均繊維直径を有するプロトン伝導性膜用補強材
  2. 前記少なくとも2種類のガラス繊維のうち、最も大きい平均繊維直径を有するガラス繊維は最も小さい平均繊維直径を有するガラス繊維の平均繊維直径の3〜40倍の平均繊維直径を有する請求項1に記載のプロトン伝導性膜用補強材。
  3. 前記ガラス繊維不織布が、大きい平均繊維直径を有するガラス繊維と小さい平均繊維直径を有するガラス繊維からなり、前記大きい平均繊維直径を有するガラス繊維の含有率が、大きい平均繊維直径を有するガラス繊維と小さい平均繊維直径を有するガラス繊維の合計100質量%に対して、10質量%〜70質量%である請求項1〜2のいずれか1項に記載のプロトン伝導性膜用補強材。
  4. 前記ガラス繊維不織布が平均繊維直径の異なるガラス繊維の少なくとも3種類を含有し、最も大きい平均繊維直径を有するガラス繊維の平均繊維直径と最も小さい平均繊維直径を有するガラス繊維の平均繊維直径との相乗平均値に等しいかまたは大きい平均繊維直径を有するガラス繊維Aの含有率が、ガラス繊維Aと前記相乗平均値よりも小さい平均繊維直径を有するガラス繊維Bの合計100質量%に対して、10質量%〜70質量%である請求項1〜2のいずれか1項に記載のプロトン伝導性膜用補強材。
  5. 前記ガラス繊維はCガラス組成を有する請求項1〜4のいずれか1項に記載のプロトン伝導性膜用補強材。
  6. 前記少なくとも2種類のガラス繊維の各々は0.2μm〜20μmの平均繊維直径および2〜50mmの平均長さをそれぞれ有する請求項1〜2のいずれか1項に記載のプロトン伝導性膜用補強材。
  7. 前記ガラス繊維不織布は2〜50g/m2の目付を有する請求項1〜4のいずれか1項に記載のプロトン伝導性膜用補強材。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のプロトン伝導性膜用補強材を用いたプロトン伝導性膜。
  9. 請求項8に記載のプロトン伝導性膜を用いた燃料電池。
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