JP4669152B2 - 情報提供システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、インターネット等の広域ネットワークを利用した情報提供システムに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
喫茶店や書店で雑誌を眺めていたときにちょうど自分の欲しかった商品や情報の記事が掲載されていることは、多くの人が経験することである。その際、これらの商品や情報が紹介されたサイトのURLが紹介されていても、それを一々控えるのは面倒である。
【0003】
また、これまでの広告配信サービスにおけるユーザカテゴライズは、利用者が予めインターネット上のサイトにアクセスし、所定のアンケートに答える形式で実行されているが、その際、利用者が正確に答えているかどうかには疑問が残る。また、カテゴリーの分類自体も利用者に飽きられない程度(せいぜい数十)の分類数に抑えられているのが現状である。さらに、現在のところ、利用者がアンケートに回答した後、新たに興味を持ったカテゴリーの情報を配信できる方式はない(利用者がニーズの変更を積極的に行うことを期待するのは現実的ではない)。このため、利用者が自己のニーズに合った商品、サービス、その他の情報を効率的に入手するには限界があった。
【0004】
また、事業活動において名刺は欠かせないが、実際、そのデータの管理は非常に大変である。名刺管理は、名刺ファイル、スキャナ、秘書等活用しても、なかなかうまくいかないのが現状である。そこで、こうした問題に対処すべく、インターネット上には名刺交換のサービスを行うサイトが多数構築されつつある。
【0005】
しかし、これらのサービスは、いずれもインターネット上のバーチャルな世界での完結を目指している。すなわち、例えば「私の名刺データ(メールアドレス等)をあげるから、あなたの名刺データを下さい。」といった直接的なギブアンドテイク(give & take)でしか情報交換できない構成となっている。しかしこの場合、実際にビジネスに有効なリレーションを構築することは、現実的には非常に難しいのが実情である。一方、現実の世界では、名刺交換がビジネスリレーションの構築に必要不可欠な要素であることは異論のないところである。
【0006】
このため、「私の名刺データをあげるけど、あなたの名刺データはもらいません。」とか、「あなたの名刺データをもらうけど、私の名刺データはあげません。」といった情報交換のタイムラグを許容するサイトの構築が望まれる。
さらに、今後は後述するブルートゥース等の送受信モジュールの進歩により携帯電話やPDA(personal Digital Assistance)等の機能が充実し、これらによる名刺データの交換が主流になることも予想される。
【0007】
そこで、本発明は、以上の内容をふまえ、利用者のニーズを的確に捉えて情報を配信し、またそのより効率的かつ効果的な管理を実現する情報提供システムを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題に鑑み、請求項1に記載の情報提供システムは、インターネット等の所定の通信回線を介して接続された顧客の利用端末からの要求に従って、予め登録された複数の配信情報から当該要求に係る特定情報を抽出し、この特定情報を顧客の指定端末に提供するシステムとして構築されている。
【0009】
尚、ここでいう「利用端末」と「指定端末」とは、同一の端末であってもよいし、異なる端末であってもよい。例えば、顧客が「利用端末」として自宅のパーソナルコンピュータ(以下「パソコン」という)を使用して、特定情報の配信先に当該パソコンを指定した場合には、このパソコンが「利用端末」にもなり、「指定端末」にもなる。一方、顧客が外出しているときに「利用端末」として携帯電話やPDA等の携帯端末を使用し、特定情報の配信先に自宅のパソコンを指定した場合には、携帯端末が「利用端末」になり、自宅のパソコンが「指定端末」になる。
【0010】
そして、本情報提供システムでは、記憶手段が、各配信情報を、この配信情報よりも簡略化された識別コードに夫々対応づけて予め記憶し、情報提供手段が、利用端末から上記識別コードが入力された場合に、記憶手段からこの識別コードに対応した配信情報を抽出し、この配信情報を特定情報として指定端末に送信する。
【0011】
このため、顧客(つまり情報提供システムの利用者)は、雑誌等に印刷されたこの簡略化された識別コードを利用端末に入力するだけで、目的の情報(特定情報)を容易に入手することができる。
また、上記識別コードを利用すれば、情報提供システムを、利用者と配信情報の所有者に共に利益を供するシステムとして構成することができる。
例えば請求項1に記載の情報提供システムでは、識別コードに上記配信情報に関する属性を識別するための分類コードを設定し、情報提供手段が、記憶手段に記憶された複数の配信情報から特定情報と同一の分類コードを有する他の配信情報を抽出し、この他の配信情報を特定情報と共に指定端末に送信する。
具体的には、例えば識別コードの頭3桁に業種を表す分類コードを割り当てることにより、利用者が指定したURL(配信情報)が対応する業種と同業種の企業の情報を配信する。或いは、分類コードを、利用者のニーズの分類(例えば、お正月、ハワイ、海外旅行、程度の分類)とすれば、その時利用者が求めている情報と同種の情報を、周辺情報として的確に利用者に配信することができる。
この場合、周辺情報として情報が配信された側の企業等は、実際に利用者が情報の提供を指定した企業等の宣伝に便乗した形で自社の広告を載せることにもなる。従って、雑誌等に巨額の広告宣伝費を費やした企業等が、ライバルである企業等の情報配信に協力することになるとも考えられ、一方の企業の不利益が大きくなることも予想される。
従って、このような場合の情報提供システムの運営にあたっては、利用者によりその識別コードが指定された企業等に対しては情報配信料の課金を行わず、便乗して情報が配信された側の企業等に対して情報配信料を課金するようにして、上記の問題を解決することが考えられる。ただし、便乗により情報提供を指定された側の企業の不利益が過大になる場合等には、これらの企業の許諾があった場合にのみ、他の企業の情報を配信するような形態をとることもできる。
上記配信情報としては、情報提供システム自体が保有する各種情報であってもよいが、インターネット上でより多彩な情報を取得するためには、請求項2に記載のように、特定の情報を取得するためのURL(Uniform Resource Locator)とすることもできる。このように配信情報をURLとすることにより、利用者は、特定の企業や団体或いは個人(以下「企業等」という)の広範な情報に容易にアクセスすることができる。
【0012】
また、このURLとしては、通常のように企業等のホームページのトップページにリンクさせるものであってもよい。しかし、利用者が当該企業等の特定の商品、サービス、その他の特定の詳細情報を要求する場合には、当該トップページから目的の情報が掲載されたページに到達するまでの時間と手間がかかる。
【0013】
そこで、請求項3に記載のように、URLを特定企業等の詳細情報に直接アクセスさせるものとして設定するとよい。つまり、URLとして下位のアドレスまで設定するとよい。
このように設定することで、利用者は、雑誌等に掲載された特定の商品、サービス、その他の詳細情報、又はこれらの類似情報に直接アクセスでき、まさに欲しいピンポイント情報を迅速に取得することができる。例えば、レコード会社のURLにアクセスするのではなく、新譜CDそのものにアクセスすることができるのである。
【0014】
また、上記識別コードは、数値、ローマ字、記号等、種々の文字列により構成することができる。例えば企業独自の発想で、利用者に訴えかける識別コードを自由に創造し、自社URLにリンクさせることもできる。
しかし、上記利用端末として携帯電話等を用いる場合には、ローマ字や記号等を入力するのは手間がかかる。
【0015】
そこで、請求項4に記載のように、当該識別コードを数値の組合せにより構成するのがより好ましい。尚、識別コードに一定の有効期限を設定することも考えられる。
またこの場合、一つの識別コードは、過去において他の会社が利用していた可能性がある。このため、その識別コードの現在のリンク先だけでなく、過去のリンク先情報も合わせて利用者に配信するようにしてもよい。
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
また、このような情報提供システムにおいては、情報の配信側でその配信先を限定できるような構成をとることもできる。
例えば請求項5に記載の情報提供システムでは、上記情報提供手段が、利用端末から識別コードが入力された後、配信情報の所有者端末にその旨を通知すると共に、特定情報の配信を待機状態とする。そしてその後、所定期間内に所有者端末からの拒否通知があった場合には、指定端末への特定情報の送信を禁止し、一方、所定期間内に所有者端末からの拒否通知がない場合には、指定端末に特定情報を送信する。
【0021】
このように配信処理に一定の待機状態を設けることにより、配信者側の意向を反映させることができる。特に、「所定期間」というタイムラグを設けることで、配信者側にその配信の適否を熟慮する余裕を与えることができ、配信者側の事情を考慮したシステムの運営を行うことができる。尚、この「所定期間」については、システムの内容(対象)により運営者側で適宜設定することとなる。このようなシステムは、通常の企業広告を行うにあたってはあまり考え難いともいえるが、後述の実施例でも述べるように、学生のコンパ等での情報交換に本情報提供システムを利用するような場合には、その効果を顕著に発揮する。
【0022】
尚、上記においては、所有者端末からの「拒否通知」があったか否かにより、その後の配信処理の可否を判断する形態をとったが、この形態では、所有者が失念或いは特段の事情により「拒否通知」を発信できなかった場合には、自動的に特定情報が配信されてしまうことになる。
【0023】
そこで、請求項6に記載のように、情報提供手段が、利用端末から識別コードが入力された後、配信情報の所有者端末にその旨を通知すると共に、特定情報の配信を待機状態とし、その後、所定期間内に所有者端末からの許諾通知があった場合に、指定端末に特定情報を送信し、一方、所定期間内に所有者端末からの許諾通知がない場合には、指定端末への特定情報の送信を禁止するようにしてもよい。
【0024】
このように「許諾通知」があったか否かにより、その後の配信処理の可否を判断する形態とすることにより、所有者の意に反した特定情報の配信が防止される。
さらに、請求項7に記載のように、情報提供手段が、利用端末から識別コードが入力された後、予め定める期間を待って、所有者端末にその旨を通知するように構成してもよい。
【0025】
かかる構成は、例えば特定情報の所有者とその配信を望む者とが、居合わせたときの情報交換にその効果を発揮する。すなわち、発信を望む者が特定情報の所有者にその配信を要求するが、所有者側でこれを望まない場合、とりあえずその場では、「後ほど配信依頼の通知が来ますので、その時に対処しておきます。依頼通知後でないと配信の指示ができませんので。」と言って、その場を取り繕うことができる。そして、両者が別れ、その後実際に依頼通知が来た場合に、「配信不可」とすればよい。このような構成により、人的信頼関係等に基づいた、より実用的なシステムの構築を図ることができる。
【0026】
また、本情報提供システムにて上記配信情報を取得した取得者は、その配信情報の管理を自己管理することもできるが、情報提供システム側でこれを管理する構成とすることもできる。
すなわち、請求項8に記載のように、上記記憶手段が、指定端末が所得した配信情報を、上記指定端末専用の記憶領域に格納し、情報提供手段が、利用端末からの要求に応じて、指定端末専用の記憶領域に格納された配信情報を送信するように構成することができる。
【0027】
かかる構成によれば、個人の取得情報がシステム側で自動的に管理されるため、情報の取得者は必要に応じて適宜当該取得情報を取り出すことができる。
また、その際には、請求項9に記載のように、情報提供手段が、所有者端末から配信情報の更新情報を受け取った場合に、利用端末又は指定端末に対し、指定端末専用の記憶領域に格納された配信情報の更新を促す旨の通知を行うようにするとよい。そして、記憶手段が、利用端末からの要求により、この指定端末専用の記憶領域に格納された配信情報の更新を行うように構成するとよい。
【0028】
かかる構成によれば、上記配信情報の取得者は、自己が興味を持っている配信情報について常に最新の情報を入手することができ、当該取得者の便宜に供することができる。
また、当初友好関係にあったため、特定情報を特定者に配信したが、その後、友好関係が崩れたり、或いは相手に対して一方的に興味が無くなった場合に、配信先である相手側に配信情報をストックさせておきたくない場合も想定される。
【0029】
そこで、請求項10記載の情報提供システムでは、抹消手段が、上記指定端末専用の記憶領域に格納された配信情報を、この配信情報の所有者端末からの要求により抹消する。
かかる構成により、配信者側の事情を考慮したシステム運営を行うことができる。ただし、かかる構成は、情報の取得者の利益に関わるので、システムの運営上は、予め利用者にその旨を了解させておくことが必要である。また、逆の発想からは、このように情報取得者の許可無く、取得済データの一部を抹消する機能を設けることにより、ゲーム的要素を提供すると考えることもできる。
【0030】
また、将来的には、携帯電話やPDA等に内蔵された送受信モジュールを利用した通信技術により、上述のような情報提供処理が行われることも予想される。具体的にはブルートゥース(短距離ワイアレス双方向通信システム)や赤外線通信システムによるものが考えられる。尚、このブルートゥースとは、エリクソンにより開発された次世代の双方向送受信モジュールの規格のことであり、通信距離が比較的短距離であり、消費電力も小さく、1対多の通信を可能とするものである。
【0031】
しかし、例えばこのブルートゥースは、無線免許申請の必要ない周波数帯の電波を利用したものであるため、どのような電波が飛んでくるか分からないという問題がある。従って、本人にとって必要の無い電波によって本来必要とする電波を受信できない可能性もある。
【0032】
そこで、このような場合には、逆に利用者側から配信情報の属性を限定して、その属性の配信情報のみを配信させるのが好ましいと考えられる。
そこで、請求項11に記載の情報提供システムでは、限定手段が、利用端末からの要求により、指定端末へ送信する配信情報の属性を予め限定して抽出する構成とし、情報提供手段が、この限定手段が抽出した配信情報のみを、指定端末に送信するようにしている。
【0033】
かかる構成によれば、無用な配信情報の受信により、利用者がその配信情報の選別に負担をかけられたりする等の問題を未然に防止することができる。
【0034】
【0035】
【0036】
【0037】
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【0040】
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【0058】
【0059】
【0060】
【0061】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施例を図面に基づいて説明する。
[実施例]
本実施例の情報提供システムは、携帯電話等の携帯端末を用いることにより、雑誌等に掲載された商品又は情報を入手するためのURLを簡単にクリッピングし、自宅のパーソナルコンピュータ(パソコン)に転送させるシステムである。図1は、本実施例の情報提供システムの全体構成を表すブロック図である。
【0062】
同図に示すように、情報提供システム1は、広域ネットワークとしてのインターネット2に接続されたサービスセンタ3から登録顧客の端末に対して情報を提供するシステムとして構築されている。情報提供システム1は、様々な属性を有する登録顧客により利用され得るが、本実施例においては説明の便宜上、インターネット2上でホームページを開設して自社の宣伝広告を行っている企業A及び企業Bと、一般消費者により利用された例を示す。従って、同図においては、企業Aの端末である企業A端末4と、企業Bの端末である企業B端末5と、一般消費者の端末である携帯端末6及び自宅端末7とが、ISP(Internet Service Provider)8を介してインターネット2に接続されている。
【0063】
尚、同図では、説明の便宜上、ISP8一つを示しているが、各端末が異なるISPを介してインターネット2に接続してもよいことはいうまでもない。また、本実施例において、企業A端末4及び企業B端末5が所有者端末に該当し、携帯端末6が利用端末に、自宅端末7が指定端末に、夫々該当する(以下、端末4〜7を総称して「登録端末4,5,6,7」ともいう)。
【0064】
サービスセンタ3は、専用のWWW(World Wide Web)サーバを保有しており、ISP8を介してインターネット2に接続された登録端末4,5,6,7からの要求に従って情報を提供すると共に、登録端末4,5,6,7との間で所定の通信を行う。
【0065】
一方、登録端末4,5,6,7には、キーボードやマウス等の入力装置や、サービスセンタ3のWWWサーバから提供される情報を表示するための表示装置が設けられている。このため、情報提供システム1の利用者は、表示装置に表示される画面に従って入力装置により入力することにより、所定の手続を行ったり、所望の商品,サービス,その他の情報を選択して入手することができる。尚、登録端末4,5,6,7とISP8とを接続する通信手段としては、一般的な電話回線網を使ってISP8に接続するためのモデムやターミナルアダプタ等の電話用通信装置でもよいし、或いは、携帯電話、PHS等の無線電話用通信装置であってもよい。
【0066】
サービスセンタ3のデータベースには、企業A及び企業Bの夫々のホームページのトップページにアクセスするためのURLや、ホームページに掲載された情報のうち下位の階層(ページ)に属する商品,サービス,その他の情報に直接アクセスするための複数のURLの情報が配信情報として格納されている。
【0067】
サービスセンタ3は、企業Aや企業Bとの情報提供システム1の利用契約に際し、予め企業A又は企業BのホームページのURLや新商品の紹介ページのURLを取得するための複数の識別コード(以下「クリップコード」という)を発行する。
【0068】
このクリップコードは、携帯電話等の携帯端末からでも入力が容易に構成され、例えば「123123」のように数値の配列により簡略化されたコードとなっている。また、このクリップコード頭3桁には、属性(業種、業態等)を表す分類コードが割り当てられており、サービスセンタ3側では、各クリップコードの分類コードを参照することにより、対応する情報の属性が識別できるようになっている。
【0069】
企業Aは、このクリップコードを取得すると、これをサービスセンタ3のURLと共に、雑誌の所定記事の欄に印刷する。例えば企業Aが旅行代理店である場合に、雑誌に掲載された「ハワイ旅行」の記事の欄に所定のクリップコードを印刷する。この雑誌には、この他にも異なる企業の異なる情報に異なるクリップコードが夫々併記して印刷されている。また、これらの情報の総括欄には、情報提供システム1を利用するために、サービスセンタ3にアクセスするためのURLが記載されている。
【0070】
この雑誌等を見てその内容に興味を持った利用者(一般消費者で情報提供システム1に登録した者)は、この雑誌に掲載されたURLを用いて、サービスセンタ3にアクセスする。そして、自己の携帯端末6からサービスセンタ3にアクセスした後、目的の情報(特定情報)該当するクリップコードをキー入力する。
【0071】
すると、そのクリップコードに対応した正規のURL(つまり、雑誌に掲載された特定の商品,サービス,その他の情報に直接アクセスできるURL)が、予め登録した自己の自宅端末7(受信先に携帯端末6を指定した場合には当該携帯端末6)に送信される。
【0072】
またその際、サービスセンタ3は、当該利用者が入力したクリップコードに含まれる分類コードを参照して自己のデータベースを検索し、当該クリップコードに対応した情報に類似する他の企業の情報を抽出する。そして、この他の企業の情報を抽出することができた場合には、その情報にアクセスするためのURLを自宅端末7に同時に配信する。
【0073】
具体的には、上記企業Bが企業Aと同業種の旅行代理店であり「ハワイ旅行」の情報を取得するためのURLをクリップコードに対応させて登録している場合に、携帯端末6からのクリップコードの入力により、企業Aのピンポイント情報(例えば上記「ハワイ旅行」)についてのURLの転送が要求されたときには、サービスセンタ3は、当該企業AのURLと共に企業BのURLをも同時に配信する。
【0074】
従って上記の場合、「ハワイ旅行」に関する情報又はその周辺情報に直接アクセスするための複数のURLが、自宅端末7に送信されることになる。尚、上記他の企業の情報がない場合には、利用者が指定したURLのみが送信される。
このため、利用者は、自宅に帰ってから自宅端末7に送信されたURLをクリックすることにより(或いは携帯端末6に送信されたURLをその場でクリックすることにより)、上記「ハワイ旅行」に関する情報の詳細を入手することができる。この際、利用者が取得したURLは、「ハワイ旅行」の情報にピンポイント的にアクセスできるものであるため、利用者は、必要な情報を迅速に入手することができる。
【0075】
尚、特定のクリップコードに対する独占という問題を解決するために、サービスセンタ3側で上記クリップコードに期限を設け、その後は他の企業に開放するようにしてもよい。また、このクリップコードの発行に際し、サービスセンタ3は、申込時に自動で符番されるクリップコードと、他社が利用中のクリップコードとその社名、その有効期限の一覧を公表するようにしてもよい。すなわち、企業Aが、自動符番又は上記一覧にないクリップコードを自ら定めてクリップコードの発行を受けるように構成してもよい。
【0076】
また、この場合のサービスセンタ3の収益モデルとしては、例えばクリップコードの発行を依頼する企業(上記企業A)の登録、及び利用者の登録を無料とし、比較広告をピンポイントで配信したい企業(上記企業B)から、配信メールの実績に応じた広告配信料を受け取るようにすることが考えられる。
【0077】
このように設定することで、企業Bは、顧客吸引力の大きい企業Aの広告に便乗して自社の広告を載せることができる。ただしこの場合、雑誌等に巨額の広告宣伝費を費やした企業Aが、ライバルである企業Bの情報配信に協力することになるため、企業A側の不利益が大きくなることも考えられる。このため、このような配信を企業Aが許諾した場合にのみ、企業Bの情報を配信するように設定してもよい。
【0078】
一方、企業Bの便乗を許可した企業Aは、当該広告の配信料を企業Bに支払わせることで、広告費用の節減を図ることができる。
また、当該広告を利用する利用者は、クリップコードの入力という簡易な操作(ワン・アクション)で目的の商品、サービス、及び情報を迅速に、しかも無料で入手することができる。このため、当該情報提供システム1の利用を促進することができ、その活性化を図ることができる。さらに、利用者は、上記のような同業者(企業A及び企業B)による比較広告を利用することにより、自己のニーズにより適合した情報を選択することができる。
【0079】
尚、企業A、企業Bが共にクリップコードを取得しており、本システムを利用している場合が想定されるが、この場合は、利用者によりアクセスされた企業とは別の企業側に広告配信料を課金するように設定してもよい。一般的には、利用者は、企業広告(雑誌等)に費用を費やしてより顧客吸引力を高めた企業に対してアクセスする可能性が高いと考えられるからである。
【0080】
次に、情報提供システム1の具体的な運用方法について、図2〜4に示すフローチャートに基づいて説明する。
まず、企業A及び企業B(以下、単に「企業」ともいう)が情報提供システム1を利用するために行われる登録処理について、図2のフローチャートに沿って説明する。
【0081】
企業は、情報提供システム1を利用するために、まず企業A端末4又は企業B端末5(以下、これらを総称して「企業端末」ともいう)をISP8を介してインターネット2に接続し、サービスセンタ3への接続指令を入力する(S110)。
【0082】
サービスセンタ3側では、企業端末からの接続があるか否かを判断し(S210)、その接続があったと判断すると(S210:YES)、企業端末に対して企業情報を要求する(S220)。この企業情報には、企業の名称、業種、業態、居所等といった属性を表す情報や、企業が配信を求める配信情報(上述のURL等)が含まれる。尚、この企業情報は、企業の担当者が、企業端末側の表示装置に表示された選択画面に沿って所定の入力装置により入力する。
【0083】
このとき、企業端末から企業情報の入力がなく、その受信が確認されない場合には(S230:NO)、サービスセンタ3は、企業に会員登録の意思がないと判断し、登録処理を終了する。
一方、企業端末の入力装置から企業情報が入力され(S120)、サービスセンタ3においてその受信が確認された場合には(S230:YES)、サービスセンタ3は、その企業情報を所定の記憶領域(データベース)に格納する。そして、企業が情報提供システム1を利用する際の認証等に用いる企業IDと、各配信情報についてのクリップコードとを決定する(S240)。
【0084】
そして、サービスセンタ3は、企業端末に対してこれら企業ID及びクリップコードを発行し(S250)、企業はこれを取得する(S130)。
次に、利用者(一般消費者)が情報提供システム1を利用するために行われる登録処理について、図3のフローチャートに沿って説明する。
【0085】
利用者は、情報提供システム1を利用するために、まず自己の携帯端末6や自宅端末7(以下「個人端末」ともいう)をISP8を介してインターネット2に接続し、サービスセンタ3への接続指令を入力する(S310)。
サービスセンタ3側では、個人端末からの接続があるか否かを判断し(S310)、その接続があったと判断すると(S410:YES)、個人端末に対して個別情報を要求する(S420)。この個別情報には、利用者の氏名、電話番号、住所、職種、メールアドレス等といった属性を表す情報や、利用者が要求した配信情報の転送先の端末(指定端末)の情報等が含まれる。尚、この個別情報は、利用者が、個人端末側の表示装置に表示された選択画面に沿って所定の入力装置により入力する。
【0086】
このとき、個人端末から個別情報の入力がなく、その受信が確認されない場合には(S430:NO)、サービスセンタ3は、利用者に会員登録の意思がないと判断し、登録処理を終了する。
一方、個人端末の入力装置から個別情報が入力され(S320)、サービスセンタ3においてその受信が確認された場合には(S430:YES)、サービスセンタ3は、その個別情報を所定の記憶領域(データベース)に格納する。そして、利用者が情報提供システム1を利用する際の認証等に用いる個人IDを決定する(S440)。
【0087】
そして、サービスセンタ3は、個人端末に対してこの個人IDを発行し(S450)、利用者はこれを取得する(S330)。
次に、情報提供システム1による情報提供処理について、図4に示すフローチャートに沿って説明する。
【0088】
例えば外出先で雑誌等を見てその内容に興味を持った利用者は、この雑誌に掲載されたURLを用い、自己の携帯端末6(利用端末)をISP8を介してインターネット2に接続し、サービスセンタ3への接続指令を入力する(S510)。
【0089】
サービスセンタ3は、その接続があったと判断すると(S610:YES)、携帯端末6に対して上述した個人IDを要求する(S620)。このとき、携帯端末6からの個人IDの入力がなく、その受信が確認されない場合には(S630:NO)、サービスセンタ3は、利用者が本システムの会員ではないと判断し、情報提供処理を終了する。
【0090】
一方、携帯端末6から個人IDが入力され(S520)、サービスセンタ3においてその受信が確認された場合には(S630:YES)、サービスセンタ3は、その個人IDを用いて認証処理を行う(S640)。このとき、認証が行われない場合には(S650:NO)、情報提供処理を終了する。
【0091】
そして、S650において、認証が正常に行われた場合には(S650:YES)、続いて、利用者が要求する配信情報のクリップコードの入力を促す(S660)。このとき、クリップコードの入力が行われず、これを受信できない場合には(S670:NO)、情報提供処理を終了する。
【0092】
利用者が該当するクリップコードを入力し(S530)、これを受け取った場合には(S670:YES)、サービスセンタ3は、自己のデータベースを検索して、該当する配信情報(特定情報)を抽出する(S680)。またその際、サービスセンタ3は、当該利用者が入力したクリップコードに含まれる分類コードを参照して自己のデータベースを検索し、当該クリップコードに対応した情報に類似する他の企業の配信情報を抽出する。
【0093】
そして、サービスセンタ3は、抽出した特定情報(URL等)及び他の企業の配信情報を携帯端末に対して送信し(S690)、利用者はこれを取得する(S540)。
以上のように、本実施例においては、簡易なクリップコードの入力により、利用者が、雑誌等に掲載された特定の商品、サービス、その他の詳細情報、又はこれらの類似情報に直接アクセスできる配信情報を受け取ることができるようになっている。このため、利用者がまさに欲しいピンポイント情報を迅速に取得することができる。
【0094】
また、利用者が指定した配信情報(特定情報)に類似した他の企業の配信情報も同時に配信される構成をとるため、利用者と配信情報の所有者(企業B)に共に利益を供することができる。
尚、本実施例においては、図2のフローチャートに示したS240の処理が記憶手段としての処理に該当し、図4のフローチャートに示したS680及びS690の処理が情報提供手段としての処理に該当する。
[変形例1]
情報の提供という観点からは、情報提供システム1は、例えば若者向け合コン盛り上げツールとして利用することもできる。具体的には、以下の事例が挙げられる。
<事例>
“1”利用者(合コン参加者)は、例えば自分の携帯電話にクリップコードを記入したシールを貼っておく。このシールは、単にクリップコードを印刷したものでもよいし、図柄や写真等のシール(例えばプリントクラブ(登録商標)等)の片隅にクリップコードを印字して構成したものでもよい。
“2”そして、合コンで気に入った者同士がそれを見せ合う。
“3”利用者は、その場でクリップコードを入力するが、その時点ではデータ取得の予約ができるだけで、データはすぐには取得できないものとする。
“4”深夜2:00を過ぎるとデータの被取得者の元へ、データ取得依頼が到着する。
“5”翌朝10時までに被取得者が相手からの取得依頼を断ると、データの代わりに相手に不通知メッセージが届き、そのまま何もしないと相手にデータが届く。
【0095】
このように、携帯電話にクリップコードを入力してから、相手に取得依頼が届くまでにタイムラグを設けることにより、相手のことが気に入っていなくても、その場だけ取り繕って済ますことができる。
また、被取得者にデータを公開するかどうかの選択権を持たせ、その選択権に時間的制限を加える構成をとるため、予め定められた選択権の行使が自動的に行えることになる。
【0096】
また、上記のように合コンで意気投合して互いのデータを交換したが、その後、不仲になったり、或いは相手に対して一方的に興味が無くなった場合、相手側に
自己のデータをストックさせておきたくない場合も考えられる。このため、以下に示すような、データ抹消機能を設定することも有効である。
“1”既に、相手に取得されたデータを消したい場合には、サービスセンタ3にアクセスしてその相手を選択し、予め設定された図示しない「絶交ボタン」を押す。
“2”この「絶交ボタン」が押されると、相手がそれ以降最初にサービスセンタ3にアクセスした段階で、データベースに格納された相手側のリストと空データとを強制的に同期させる。これにより自分のデータを相手側のリストから抹消することができる。その際、相手側には、「絶交なのでデータを消した」旨のメッセージが残される(ただし、相手側で別に保管されたデータや、紙に書き写されたデータを抹消することができないことはいうまでもない)。
【0097】
このように取得者の許可無く、取得済データの一部を抹消する機能によりゲーム的要素を提供することができる。
尚、上記において、絶交ボタンが押されたことにより実行される処理が、抹消手段としての処理に該当する。
[変形例2]
また、情報処理の観点からは、将来的には携帯電話やPDA等に内蔵された送受信モジュールを利用した通信処理によって行うことも予想される。具体的にはブルートゥース(短距離ワイアレス双方向通信システム)や赤外線通信システムによるものが考えられる。尚、ブルートゥースとは、エリクソンにより開発された次世代の双方向送受信モジュールの規格のことであり、通信距離が比較的短距離であり、消費電力も小さく、1対多の通信を可能とするものである。
【0098】
本情報提供システムは、このようなブルートゥース等が一般利用者に広まったときに更に威力を発揮する。以下に具体的事例を示す。
<事例>
ブルートゥースのパブリックな利用形態において、例えば2005年の愛知万博の会場にブルートゥース等に対応のPDA等を持ち込むと、会場各所に備え付けられた発信機からPDAにデータが送られることになる。
【0099】
しかし、ブルートゥースは、無線免許申請の必要ない周波数帯の電波を利用したものであるため、どのような電波が飛んでくるか分からないという問題がある。また、本人にとって必要の無い電波によって本来必要とする電波を受信できない可能性もある。
【0100】
そこで、本情報提供システムのクリップコードを利用して、事前にサービスセンタ3で必要情報のカテゴリー(属性)や種類を選択できるようにしておく。こうすることにより、会場においては、PDA等に登録された所有者情報のクリップコードをキーとして、利用者は自分の欲しい情報に関する電波だけを受信することができる。
【0101】
このようにクリップコードを利用することにより、1対多で情報を双方向に送受信できるブルートゥースの利点であり弱点でもある、受信情報の選別の機能を提供することができる。
しかも、情報の選別キーを、情報発信側に持たせるのではなく、受信者側の利用者一人一人を特定できる形で持たせられるため、どの利用者がどんな情報を求めているのかというマーケティング情報を有効に集めることができる。
【0102】
この場合、情報発信側にカテゴリーを内在するコードを割り当てる方法をとれば、更に有効なマーケティング情報が収集できる。
尚、上記において、「クリップコードを利用して、事前にサービスセンタ3で必要情報のカテゴリー(属性)や種類を選択する」処理が限定手段としての処理に該当する。
[参考例]
本実施例は、本発明の情報提供システムを、名刺管理システムとして構成したものであり、事業活動の中でビジネスマンが実際に交換する名刺にwebコードを印刷し、名刺を受け取った人がインターネット上のそのwebコードにアクセスすると、その名刺データが、その人のパソコンに取り込まれるものである。
【0103】
尚、本実施例の情報提供システム201の全体構成等については、上記実施例にて説明した図1において、企業A端末4又は企業B端末5を、名刺を渡す側の利用者Aの端末とし、携帯端末6又は自宅端末7を、名刺を受け取る側の利用者Bの端末として構成したものと考えられるので、その詳細な説明については省略する。また、情報提供システム1の登録処理や情報提供処理についてもほぼ同様であるため、その説明については下記の概念図に従ったものに留め、詳細については省略する。
【0104】
以下、本実施例の具体的流れを図5の概念図に基づいて説明する。
(1)利用者Aは、このシステムを利用するために、インターネット上のサービスセンタ3(専用WWWサーバ)にアクセスし、自分の名刺データと、自己紹介や商品説明など自分がアピールしたい内容等を配信情報として登録する。
(2)サービスセンタ3は、そのデータベースに利用者Aについての管理領域を設定して、これにアクセスするための専用のwebコード(上記クリップコードに相当)を発行する。このwebコードは、アクセスコードとkeyコードからなる。
【0105】
このアクセスコードは、名刺データに含まれる一般情報を取得するためコードであり、keyコードは、名刺データに含まれる詳細情報を取得するためのコードである。また、このkeyコードを数種類設定して、詳細情報の内容を異ならせることも可能になっている。
(3)利用者Aは、このアクセスコードとkeyコードを取得し、これを自己の名刺に印刷し、その際、このシステムの簡単なインフォメーション文書をタックシールの形式でこのサイトから取得し自分の名刺に貼る(又はその内容を印刷する)。このインフォメーション文書(内容)としては、例えば「http://www.meisidesu.com(サービスセンタ3)にアクセスし、"アクセスコード"と"keyコード"を入力下さい。この名刺のデータが簡単に取得できます。」等の記載をすることができる。
(4)利用者Aは、これらのコードを印刷した名刺を利用者Bに渡す。
(5)利用者Bは、利用者Aに対して興味をもった場合には、サービスセンタ3に自分のメールアドレス等を登録することにより、サービスセンタ3に自由にアクセスして、利用者Aの名刺データと、自己紹介や商品説明等の情報を取得することができる。
(6)この際、サービスセンタ3は、そのデータベースに利用者Bについての管理領域を設定すると共に、利用者B専用のパスワードを発行し、利用者Aの名刺データと、自己紹介や商品説明等の情報を利用者Bの端末に送信する。
(7)そして、サービスセンタ3は、利用者Bの情報、及び、利用者Bが利用者Aの情報を取得した旨の情報を利用者Aの管理領域に記録する。
(8)また、利用者Bは、自分の名刺データに追加又は変更をしたい場合、或いはその他の新規の情報を追加配信したい場合には、その内容をサービスセンタ3に登録することができる。
(9)すると、サービスセンタ3は、利用者Aの情報を取得したことのある利用者Bの管理領域内の情報の更新処理を行い、利用者Bがアクセスした際に更新情報を表示してダウンロードを促す(又は利用者Bにその情報を添付したメールを配信する)。この更新管理機能を利用すれば、ビジネスマンのパーソナルな情報発信網が、通常の営業活動を通じて自然に構築できることとなる。
【0106】
ただし、上記(5)において利用者Bが自分の情報を登録しない場合には、上記(6)において利用者Aの名刺データを送信し、上記(7)において利用者Aの情報の取得があった旨の情報を利用者Aの管理領域に記録するにとどまる。
また、名刺管理においては、カテゴリー分類を行うことが実用上必須となる。従来は、名刺を受け取った側でこのカテゴリー分類を行っていたが、本実施例ではこれを名刺の発行者側で行う構成をとっている。
【0107】
すなわち、利用者Aがサービスセンタ3に自己の名刺データを登録する際には、利用者Aの端末に図6(a)に示す画面が現れる。この画面は、サービスセンタ3側で予め設定された区分(汎用的な区分)に従ったカテゴリー分類を促すものであり、分類コードを作成するためのものである。利用者Aは、業種、業態、区分1、区分2として区分けされたカテゴリーの中から自己に該当するものを選択して登録する。
【0108】
すると、利用者Aが選択した区分がサービスセンタ3側に登録されると共に、同図(b)に示す画面が現れ、その選択結果が表示される。
そして、この利用者Aに関するカテゴリー分類は、同時に利用者Bの管理領域にも格納される。利用者Bがサービスセンタ3にアクセスすると、同図(c)に示すカテゴリー分類の画面を選択することができる。
【0109】
このため、利用者Bは、受け取った名刺のカテゴリー分類という煩雑な作業を強いられることもなく、効率的な名刺管理を行うことができる。このため、本システム利用の活性化を図ることができる。
またこの際、利用者Bは、上記のように設定されたカテゴリー分類に加え、更に詳細な区分3を設定することもできる。例えば「見込客」,「好きな人」,「嫌いな人」・・・といったように、自己の名刺管理の上で自己の取扱いに応じた区分を設定することができる。このため、自己のニーズに合った名刺管理を行うことができる。
【0110】
ただし、この区分3については、名刺を受け取った側の都合により設定するものであって、強制されるものではない。従って、必要のない場合には、これを省略することができる。
営業情報や商品情報等を更新情報として配信すれば、ある程度自分に興味を持ってくれている面識のある人達に対する情報発進網が、メールアドレスの聞き取りや入力なくして、通常の営業活動や名刺交換だけで自然に構築できる。
[変形例1]
上記においては、利用者Aの名刺にサービスセンタ3へのアクセスのためのURLを印刷することになるが、企業側にとっては、このような他社(サービスセンタ3)のURLを自社の名刺に印刷することを好まない場合がある。
【0111】
そこで、本変形例では、名刺には当該企業のホームページからサービスセンタ3へリンクさせる例について説明する。尚、本変形例では、利用者Bは、未だサービスセンタ3への登録をしていないことを前提に説明する。
利用者Bが利用者A(X社の営業マンA)の名刺に記載されたURLに基づいてX社のホームページ(http:/www.Xcompany.com)にアクセスすると、利用者Bの端末に図7(a)に示すようなTOPページが表示される。このTOPページには、本システムで管理されているX社の社員情報を取得するために、サービスセンタ3にリンクさせるためのリンクボタン「社員情報」が付いている。つまり、X社のホームページのトップページは、本システムの隠しTOPページとしてもとらえることができる。
【0112】
そして、利用者Bがこのリンクボタンをクリックすると、サービスセンタ3にリンクして同図(b)に示す画面が現れ、「当社の社員情報はここから取得ください」とのコメントと共に、「アクセスコード」と「keyコード」の入力が促される。
【0113】
そして、利用者Bが、営業マンAから受け取った名刺に基づいて、これら「アクセスコード」と「keyコード」を入力して所定のボタン「i−clipへ」をクリックすると、同図(c)に示す情報提供システムのTOP画面が現れる。この画面には、本システムの諸機能を選択できる複数のボタンが設定されており(図示略)、利用者Bは、この画面の指示に従ってボタンを操作することにより、営業マンAの情報を取得することができる。
【0114】
また、このTOP画面に表示された別のボタンを選択することにより、利用者Bは、本システムにおいて自己の名前を登録している人(つまり、自分に関心をもっている人)の情報を知ることができる。つまり、本システムでは、自分が相手のことを登録していなくても、相手が自分のことを登録している場合に、その人物を検索することが可能となっている。今仮に、利用者Bがディーラーを訪れてある営業マンAから名刺を受け取り、それと引き替えに必要最小限の情報として自己の名前と電話番号のみを記載して帰った場合等を想定する。この場合、営業マンAがその後の営業のために自己の情報を本システムに登録しているとする。
【0115】
すなわち、利用者BがTOPページの「あなたの名前を登録している人の検索」のボタン(図示略)をクリックすると、同図(d)に示す画面が現れ、利用者Bの氏名と電話番号(プライバシー保護のため下4ケタとしてもよい)の入力が促される。そして、利用者Bが自己の氏名と電話番号を入力して所定のボタンをクリックすると、サービスセンタ3側で利用者Bを登録している人の検索処理が実行される。
【0116】
そして、検索が終了すると、同図(e)に示す画面が現れる。この画面には、例えば「利用者Bを登録している人の人数」、「ある地域におけるその人数」等の情報が示される。
その後、同図(f)に示す画面が現れ、利用者Bに対して本システムの利用者登録が促される。利用者Bは、ここで登録を拒否して情報の取得を止めることもできるが、自分を登録している人物(つまり、面識があり以前名刺を渡された人物であって自分に興味を抱いている人物)が誰であるかが知りたくなり、本システムの利用を行う場合にはこれに従う。そして、利用者Bが所定の利用者登録を済ませると、同図(g)に示す画面が現れ、利用者Bが検索開始を指示する所定のボタン「push」をクリックすると、同図(h)に示す検索結果が表示される。
【0117】
この検索結果には、利用者Bを登録する人と、その登録の内容が示される。同図(h)に示す例では、利用者Bの登録者としてAさん(営業マンA)、Cさん(営業マンC)、及びDさん(営業マンD)が検出され、いずれも利用者Bの氏名「○山花子」と電話番号「2266(プライバシー保護のため下4ケタを表示)」のみの不完全な情報を登録している。また、図示しないが、その横欄には各登録者の簡単なコメントが記載されている。
【0118】
そして、利用者Bは、このAさん、Cさん、及びDさんの中から、自己の詳細情報(メールアドレス、住所、職種等の既にサービスセンタ3に登録している自己の情報)を公開することができる。すなわち、利用者Bは、営業マンA,C,Dと知り合って名刺を受け取ったが、自分のお気に入りの営業マン等にのみ自己の詳細情報を公開することができる。同図(h)の例では、利用者Bは、Aさん、Cさんに対してチェック記号を付与している。このため、利用者Bがこの状態で「同期ボタン」をクリックすると、同図(i)に示す確認画面が現れて公開の確認が行われ、利用者Bが了承して「OKボタン」をクリックすると、サービスセンタ3のデータベースにおけるAさんとCさんのデータに当該詳細情報が追加されると共に、同一内容がAさんとCさんの端末に送信される(同図(j))。
【0119】
すると、その後Aさん又はCさんが本システムにアクセスした際に、その端末の画面上に図8(a)に示すように、利用者Bからの詳細情報が送信された旨を表す画面が現れる。このとき、Aさん又はCさんは、「グリーティングメール送信ボタン」をクリックすることにより、利用者Bに対して詳細情報のお礼や挨拶等を示すメッセージを送信することができる(このグリーティングメールはサービスセンタ3側で予め用意されている)。
【0120】
また、利用者Bの氏名が表記された部分のボタンをクリックすることにより、同図(b)に示す上記詳細情報を確認することができる。
尚、この場合、図7(h)に示す場面で、自己の情報を全く提供したくない人がいる場合に、その人の情報から利用者Bの「氏名」及び「電話番号」さえも削除できる「除外機能」を設けてもよい。例えば、自己の情報を登録している人のリストの横に「除外チェック欄」を設定し、そこにチェックした者の情報から自己の情報を削除できるように構成してもよい。
【0121】
このように設定することで、利用者B側(顧客側)の意思に応じた一方的な個人情報の提供が可能となる。これは、インターネット上での名刺交換のように、相手データとの交換を前提とするものではないため、広告メール過多の時代の流れに即したシステム(顧客重視のシステム)を構築することができる。
[変形例2]
また、このような名刺交換は、将来的には紙の名刺を媒体として行うのではなく、携帯電話やPAD等に内蔵された送受信モジュールを利用した通信処理によって行うことも予想される。具体的には上述したブルートゥースや赤外線通信システムによるものが考えられる。
【0122】
本情報提供システムは、このようなブルートゥース等が一般利用者に広まったときに更に威力を発揮する。以下に具体的事例を示す。
<事例1>
例えば、名刺交換の代わりに、ブルートゥース等の機能を組み込んだ携帯電話やPADを利用してお互いの名刺データを交換する場合に、そのデータは当然その時点でメンテナンスフリーではない。
【0123】
そこで、これをメンテナンスフリーの情報とする為に、予め上述したクリップコード等が付いた名刺データをPAD等で交換しておく。
そして、会社(又は自宅)に戻り、このPAD等をデスクの上に置いてパソコンと同期させる。このとき、クリップコードをキーにしてインターネット上のサービスセンタ3にその名刺データが自動的に登録される。
【0124】
このようにして一旦登録された名刺データは、その後は通常の名刺データと同じくメンテナンスフリーとなる。また同時に、双方向性を利用して最新の更新情報も自動的に取得できる。
<事例2>
目の前にブルートゥース対応の端末を持った人が複数人いるが、そのうち1人だけと名刺データの交換がしたい等の場合に本情報提供システムを利用することができる。
【0125】
目前の複数のブルートゥース端末のうち特定の端末と情報のやり取りをする場合に、各端末に事前にクリップコードを割り当てておくと、特定の端末との通信が簡便に行なえる。
利用者は、まず通信したい端末のクリップコードを相手から聞き取り、そのコードを自分の端末に入力する。そして、自分の端末の送信ボタンを押す。
【0126】
すると、コードが一致する端末にだけ自分の名刺情報が送られ、その情報を受取った端末は、その送信元のクリップコード情報を頼りに、送信元の端末にだけ届く返信を行なうことができる。
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明の実施の形態は、上記実施例に何ら限定されることなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態をとり得ることはいうまでもない。
【0127】
例えば、上記情報提供システムは、図9に示すような番号案内サービスの応用として構成することも可能である。
すなわち、図9に示す携帯チェンジャーシステムは、特定人の携帯電話番号が変更されたとき、その過去の携帯電話番号を入力することにより最新の携帯電話番号を入手可能にするものである。
【0128】
利用者は、まず検索画面に従って、繋がらない携帯電話番号(過去の携帯電話番号)を入力し、「検索」スイッチをクリックする。システム側では、この特定人の現在の携帯電話番号と過去の複数の携帯電話番号の情報を保有しており、特定人がアクセスフリーに設定していた場合には、この過去のいずれかの携帯電話番号の入力により、そのまま新しい携帯電話番号(09010001000)を表示する。
【0129】
一方、特定人がアクセスフリーに設定していない場合には、一般モードに移行して画面に検索結果を表示し、特定した人物で良いか否かの入力を促す。そして、「はい」が入力されると送信画面に移行し、利用者の氏名、携帯電話番号、メールアドレスの入力と送信指令を促す。ここで、これらの入力がされない場合には、携帯電話番号を取得出来なかった旨を通知する。
【0130】
一方、上記入力がされた場合には、特定人に利用者(Aさん)が最新の携帯電話番号を要求している旨を通知し、その許否の入力を促す。ここでは、Aさんを正確に特定するためにAさんの携帯電話番号(09012341234)及びメールアドレスが表示される。
【0131】
そして、特定人が「はい」を入力した場合には、当該利用者に対して当該特定人の最新の携帯電話番号を表示する。一方、「いいえ」が入力された場合には、携帯電話番号を取得出来なかった旨を通知する。また、「今後着信許否」が選択されると、利用者側からの以降の要求に対しては、携帯電話番号を取得出来なかった旨を通知する。
【0132】
こうして当該利用者が最新の携帯電話番号を受け取った際には、情報提供システム(iclip)への登録が促され、以降の特定人の携帯電話番号の取得が当該情報提供システムを介して取得可能になる。
尚、以上においては、携帯電話番号の取得に関する例を示したが、携帯電話番号ではなく、過去の複数のURLのいずれかを用いて最新のURLを検索するシステムへの応用も同様に可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例にかかる情報提供システムの全体構成を示す説明図である。
【図2】 実施例における企業情報の登録処理を示すフローチャートである。
【図3】 実施例における個人情報の登録処理を示すフローチャートである。
【図4】 実施例における情報提供処理を示すフローチャートである。
【図5】 本発明の参考例にかかる情報提供システムの概略構成を示す説明図である。
【図6】 参考例にかかる情報提供システムの具体的運用を示す説明図である。
【図7】 参考例にかかる情報提供システムの具体的運用を示す説明図である。
【図8】 参考例にかかる情報提供システムの具体的運用を示す説明図である。
【図9】 本発明の情報提供システムの応用例を示す説明図である。
【符号の説明】
1・・・情報提供システム、 2・・・インターネット、
3・・・サービスセンタ、 4・・・企業A端末、 5・・・企業B端末、
6・・・携帯端末、 7・・・自宅端末
Claims (11)
- 所定の通信回線を介して接続された顧客の利用端末からの要求に従って、予め登録された複数の配信情報から該要求に係る特定情報を抽出し、該特定情報を前記顧客の指定端末に提供する情報提供システムであって、
前記各配信情報を、該配信情報よりも簡略化された識別コードに夫々対応づけて予め記憶した記憶手段と、
前記利用端末から前記識別コードが入力された場合に、前記記憶手段から該識別コードに対応した前記配信情報を抽出し、該配信情報を前記特定情報として前記指定端末に送信する情報提供手段と、
を備え、
前記識別コードには、前記配信情報に関する属性を識別するための分類コードが含まれ、
前記情報提供手段は、前記記憶手段に記憶された複数の配信情報から前記特定情報と同一の分類コードを有する他の配信情報を抽出し、該抽出した他の配信情報を前記特定情報と共に前記指定端末に送信することを特徴とする情報提供システム。 - 前記配信情報が、特定の企業、団体又は個人の情報を取得するためのURLであることを特徴とする請求項1記載の情報提供システム。
- 前記配信情報が、前記特定の企業、団体又は個人の情報の特定の詳細情報に直接アクセスするためのURLであることを特徴とする請求項2記載の情報提供システム。
- 前記識別コードが、数値の組合せにより構成されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の情報提供システム。
- 前記情報提供手段は、
前記利用端末から前記識別コードが入力された後、前記配信情報の所有者端末にその旨を通知すると共に、前記特定情報の配信を待機状態とし、その後、
所定期間内に前記所有者端末からの拒否通知があった場合に、前記特定情報の前記指定端末への送信を禁止し、
該所定期間内に前記所有者端末からの拒否通知がない場合に、前記特定情報を前記指定端末に送信すること、
を特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の情報提供システム。 - 前記情報提供手段は、
前記利用端末から前記識別コードが入力された後、前記配信情報の所有者端末にその旨を通知すると共に、前記特定情報の配信を待機状態とし、その後、
所定期間内に前記所有者端末からの許諾通知があった場合に、前記特定情報を前記指定端末に送信し、
該所定期間内に前記所有者端末からの許諾通知がない場合に、前記特定情報の前記指定端末への送信を禁止すること、
を特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の情報提供システム。 - 前記情報提供手段は、
前記利用端末から前記識別コードが入力された後、予め定める期間を待って、前記所有者端末にその旨を通知することを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の情報提供システム。 - 前記記憶手段は、前記指定端末が所得した前記配信情報を、該指定端末専用の記憶領域に格納し、
前記情報提供手段は、前記利用端末からの要求に応じて、該指定端末専用の記憶領域に格納された配信情報を送信すること、
を特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の情報提供システム。 - 前記情報提供手段は、
前記所有者端末から前記配信情報の更新情報を受け取った場合に、前記利用端末又は前記指定端末に対し、前記指定端末専用の記憶領域に格納された配信情報の更新を促す旨の通知を行い、
前記記憶手段は、前記利用端末又は前記指定端末からの要求により、該指定端末専用の記憶領域に格納された配信情報の更新を行うこと、
を特徴とする請求項8記載の情報提供システム。 - 請求項8又は請求項9に記載の情報提供システムにおいて、さらに、
前記指定端末専用の記憶領域に格納された前記配信情報を、該配信情報の所有者端末からの要求により抹消する抹消手段を備えたことを特徴とする情報提供システム。 - 請求項1〜10のいずれかに記載の情報提供システムにおいて、さらに、前記利用端末からの要求により、前記指定端末へ送信する配信情報の属性を予め限定して抽出する限定手段を備え、
前記情報提供手段は、該限定手段が抽出した配信情報のみを、前記指定端末に送信することを特徴とする情報提供システム。
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