JP4668685B2 - 紙容器 - Google Patents
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Description
即ち本発明は、
上面に開口を有する箱体と該開口を覆い得る蓋体とを背面側でヒンジ結合し、蓋体に形成した係合片を箱体に形成した係合穴に係合可能とした紙容器であって、蓋体の前板に伸長部を設け、該伸長部をその上下方向中間部であって、折り返し後に該伸長部の先端部分が係合穴と係合可能となる長さだけ該伸長部の基端部より突出する位置で内側に折り返してあり、該伸長部の折り返しにより重畳した部分を接合してつまみ片を形成すると共に、該伸長部の先端部分の非接合部分で係合片を形成し、且つ該伸長部の基端部を屈曲可能とした紙容器である。
図1及び図2に示すように、本発明の紙容器10は、箱体11と蓋体12からなる。
箱体11は、正面板11A、背面板11B、両側面板11C、底面板11Dを有し、上面に開口11Eを有している。正面板11A、背面板11B、両側面板11Cの上辺には、折目線を介して正面板フラップ11AF、背面板フラップ11BF、両側面板フラップ11CFを各々設けており、各々折目線を介して内側又は外側に折り返して重畳部分を全面的又は部分的に接着し、箱体2の開口11Eを補強している。
尚、図1及び図2は、フラップを全て内側に折り返した箱体の例を示している。
但し、蓋体12は箱体11の背面板11Bを延長し、背面板11Bの上端部にヒンジ罫線を設け、内側に折り返すことにより、箱体11と一体に形成することもできる。その場合には、箱体11の背面板11Bのフラップ11BF及びヒンジ結合部12Eは存在しない。
図3に示すように、蓋体12の前板12Aに伸長部21が設けられている。伸長部21は上下方向中間部22から内側に折り返すが、その上下方向中間部22は、図4に示すように、折り返し後において伸長部21の先端部分が係合片20として係合穴30と係合可能な長さXだけ基端部23より突出し得る位置である。
このように、つまみ片24は、折り返しにより重畳した部分を、接着剤等で接合して形成されているので、その強度は倍増しており、又、つまみ片24及びそれと一体の係合片20の動きは、屈曲可能とした基端部23を介して行われるので、へたりが生じたり破損することがない。また、基端部23において屈曲可能としているため、係合片20と係合穴30との係合を極めて簡単に行うことができる。
図6及び図7は、図2におけるB−B' 線断面図であって、係合穴30の上縁部においてフラップとの間に空隙を形成する方法とその場合の係合片と係合穴との接合状態の異なった2つの例を示す断面図である。
図6及び図7において、係合穴30は、箱体11の正面板11Aに抜き穴を設けることにより形成されており、内側は内折りフラップ11AFにより塞がれている。例えば、正面板11Aとフラップ11AFとの間を接着剤等によって、好ましくは隙間なく貼り付けることで、箱体11に収容された収容物が係合穴30から漏れることを防止する。
一方、図7に示す例においては、係合穴30の上縁部31を外側に膨らんだエンボスとすることにより、係合穴30の上縁部31において内折りフラップ11AFとの間に空隙を設けている。
そして、図6及び図7に示すように、上記のようにして設けた空隙に係合片20を挿入する形で、係合を行う。
係合片20の形状については、特に制限はないが、係合穴30の空隙への挿入を容易にするためには、上部が狭まった凸状(山状、円弧状、逆V字状を含む)とするのが好ましく、係合穴30の形状は、このような形状の係合片20が容易に挿入し得る形状である限り、特に制限はない。
家庭用の粉状洗剤は、通常500g〜2.5kg、好ましくは1〜2kg程度の単位で包装される。粉状洗剤用の容器とする場合、本発明の紙容器の材質は、箱体、蓋体共に、対環境性、廃棄時の焼却性、取り扱いの便宜上の観点から、紙単体、又は、紙を主材料としプラスチックフィルムをラミネートした積層素材からなる、坪量350〜700g/m2、厚さ0.3〜1.1mmであることが好ましい。
内容物である粉状洗剤等の粉・粒体を使用する際には、未開封の箱体11に被せられた蓋体12の係合片20又はつまみ片24を部分接着した部分で引き剥がし、蓋体12をヒンジ結合部12Eを介して回転させて開き、更に封緘紙を剥がして必要量の粉状洗剤等の粉・粒体を計量スプーン等ですくう等の手段で取り出す。
尚、図8に示すように、未開封の箱体11に蓋体12の係合片20又はつまみ片24を接着剤等で部分接着した箇所の周囲にミシン目(又は切り込み線と点付き部分)等による切断誘導線26により区画された切り離し部25を形成することによって、開封時に切断誘導線26に沿って箱体11の一部である切り離し部25が切離され、切離された穴部を係合穴30とすることも可能である。(図8は、つまみ片24を部分接着した箇所の周囲に切断誘導線26により区画された切り離し部25を形成した例である。)
この状態から、係合を解除して蓋体12を開く場合には、つまみ片24を指で持って屈曲部を介して回転させる方向に引けばよく、それにより係合片20と係合穴30との係合容易に解くことができる。
なお、係合片20又はつまみ片24を部分接着した部分で引き剥がすと、箱体11側の相対部分に痕が残るが、その部分は蓋体を被せることに隠れるので、美観を損なうことはない。また、係合片20又はつまみ片24と接着した箱体11の一部である切り離し部25を切断誘導線26に沿って切離した場合には、係合片20又はつまみ片24と箱体11の接着した部分の剥離痕が露出することがないから、蓋体12を開いた状態でも美観を損なうことはない。また、箱体11の一部である切り離し部25を切断誘導線26に沿って切離した場合には、伸長部21の折り返しによる重畳に加えて、箱体11から切離された切り離し部25が接着された3枚板で構成する強固な係合片20又はつまみ片24を形成する。
把持部の材質は、特に制限はなく、箱体11、蓋体12と同様に、紙単体、又は、紙を主材料としプラスチックフィルムをラミネートした積層素材を使用してもよいし、ポリオレフィン樹脂等の厚手のシートを用いてもよい。
(1)係合片と係合穴との係合が容易であって、閉蓋状態で蓋体をより強くロックすることができる。
(2)係合片を直接指で持つのではなく、係合片と一体でしかも2層が接合されて形成されたつまみ片を指でもち、且つ屈曲部を介して回転させることにより、係合片を動かすので、繰り返し使用によるヘタリがない。
(3)使用時までは、係合片又はつまみ片を箱体側に部分接着しておくが、使用に際して部分接着した部分で引き剥がした痕は、蓋体を被せることに隠れるので、美観を損なうことはない。
11A:箱体の正面板 11AF:箱体の正面板フラップ
11B:箱体の背面板 11BF:箱体の背面板フラップ
11C:箱体の両側面板 11CF:箱体の両側面板フラップ
11D:箱体の底面板 11E:開口 12:蓋体 12A:蓋体の前板
12B:蓋体の後板 12C:蓋体の両側板 12D:蓋体の天板
12E:ヒンジ結合部 12F:覗き穴 20:係合片 21:伸長部
22:上下方向中間部(折り返し部) 23:基端部(屈曲部) 24:つまみ片
25:切り離し部 26:切断誘導線 30:係合穴 31:係合穴上縁部
Claims (3)
- 上面に開口を有する箱体と該開口を覆い得る蓋体とを背面側でヒンジ結合し、蓋体に形成した係合片を箱体に形成した係合穴に係合可能とした紙容器であって、蓋体の前板に伸長部を設け、該伸長部をその上下方向中間部であって、折り返し後に該伸長部の先端部分が係合穴と係合可能となる長さだけ該伸長部の基端部より突出する位置で内側に折り返してあり、該伸長部の折り返しにより重畳した部分を接合してつまみ片を形成すると共に、該伸長部の先端部分の非接合部分で係合片を形成し、且つ該伸長部の基端部を屈曲可能とした紙容器。
- 前記係合穴の上縁部において、箱体の正面板又はフラップにエンボスを形成することにより、箱体の正面板とフラップとの間に空隙を形成し、係合片を該空隙に挿入可能とした請求項1に記載の紙容器。
- 蓋体の前板の前記係合片に相対する部位に、係合状態を視認するための覗き穴を形成した請求項1又は2に記載の紙容器。
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