JP6699309B2 - 袋体 - Google Patents
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そこで、いったん開封されたのちに再封可能な輸送袋が開発されている。
本件の袋体は、上記のような課題に鑑みて創案されたものであり、簡素な構成で再封可能とすることを目的の一つとする。なお、この目的に限らず、後述する「発明を実施するための形態」に示す各構成から導き出される作用および効果であって、従来の技術では得られない作用および効果を奏することも、本件の他の目的として位置付けることができる。
前記フラップは、前記第二端縁部に貼り付けられる第一貼付部と、前記第一貼付部よりも基端側に設けられ、切取部が切り取られた状態で前記第一端縁部に貼り付けられる第二貼付部と、前記第一貼付部および前記第二貼付部よりも基端側に設けられ、開封時に切り取られる前記切取部とを有する。さらに、前記第一貼付部,前記第二貼付部および前記切取部は、それぞれが一箇所だけに設けられている。
(4)前記フラップは、前記第一端縁部または前記第二端縁部に対して折り曲げられる折線を有することが好ましい。
(5)さらに、前記フラップを前記折線で折り曲げることを表示する表示部を備えることが好ましい。
(7)または、前記フラップは、前記第一面部および前記第二面部とは別体に設けられ、前記第一端縁部に貼り付けられる基部を有することが好ましい。
(8)この場合には、前記第一端縁部および前記第二端縁部のそれぞれに前記提げ手を貼り付ける提手貼付部を備え、前記第一貼付部が貼り付けられた状態で、前記基部および前記第一貼付部と前記提手貼付部との少なくとも一部が重複することが好ましい。
本実施形態では、開口を封じるフラップの設けられた提げ手付きの輸送用の袋体(以下「輸送袋」という)について述べる。ここでは、マチ付きの輸送袋を例示する。この輸送袋には、たとえば耐破れ強度や耐水性の確保された塗工紙やラミネート紙といった紙類を用いることが好ましい。ただし、合成樹脂のフィルムや不織布といった他の公知素材を輸送袋に用いてもよい。
なお、水平面に輸送袋が一般的な使用状態で載置されたものとし、また、重力の作用方向を下方とし、下方の反対方向を上方とする。
[1−1.基本的な構成]
まず、図1を参照して、輸送袋の基本的な構成を説明する。
輸送袋には、上部に開口90が形成される本体部100と、開口90を封じる一つのフラップ1とが設けられる。
本体部100は、有底の筒状に形成される。ここでは、角筒状に形成された本体部100の上端が水平に沿って配置され、この上端で囲まれる領域に開口90が形成される。
これらの四つの部位110,120,130,140は、互いに対向する平面状の面部110,120と、これらの面部110,120どうしを接続するひだ状のマチ部130,140とに大別される。
さらに、面部110,120のそれぞれの内側には、当て紙(提手貼付部)210で貼り付けられた提げ手200が配設される。この提げ手200は、折り畳みが可能であり、また、展開することも可能である。未使用の輸送袋では、折り畳まれた状態の提げ手200が面部110,120において上端縁部111,121の内側に設けられる。
なお、図1には平紐の提げ手200を例示するが、丸紐の提げ手を用いてもよい。また、提げ手200には、紙類に限らず、樹脂や木綿といった公知素材を用いてもよい。
マチ部130,140のそれぞれは、第一面部110に連設される前半部131,141と第二面部120に連設される後半部132,142とが谷折線を介して配置される。このように谷折線を介して前半部131,141と後半部132,142とが連設されることで、輸送袋にマチが設けられる。
つぎに、輸送袋の詳細な構成を述べる。
本輸送袋は、いったん封緘された後に開封されてから、再び封緘することができる。すなわち、未使用の輸送袋に物品を入れてから一回目の封緘を経たのちに開封したうえで、二回目の封緘をすることが可能である。以下、「開封」は、特に断らない限り、一回目の封緘後であって二回目の封緘前の開封を意味するものとする。たとえば、単に「開封後」というときは、二回目の封緘前に開封された状態を意味し、さらに、単に「開封前」というときには、一回目の開封後に封緘された状態を意味するものとする。
そこで、フラップ1を詳細に説明する。
フラップ1は、第一面部110の上端縁部(第一端縁部)111から上方に突出して設けられる。また、フラップ1と第一面部110とは、同一のシート片において一体に連設される。
このフラップ1には、先端から基端へ向けて、第一貼付部10,第二貼付部20,切取部30,非貼付部40の順に各部位が設けられる。ここでの貼付部10,20の各形状は、底辺のうち短辺が先端側であって長辺が基端側に配置された対称な台形状に形成されている。また、切取部30および非貼付部40の形状は、矩形の帯状に形成されている
具体的には、二つの切取線C1,C2の間に切取部30が形成される。これらの切取線C1,C2には、断続的に切断線が形成されたミシン目加工が施される。また、第一貼付部10と第二貼付部20との間に第一折線L1(図1では実線で示す)が形成され、第一面部110のうち上端縁部111と非貼付部40との間に第二折線L2(図1では一点鎖線で示す)が形成される。言い換えれば、フラップ1の先端から基端へ向けて、第一折線L1,第一切取線C1,第二切取線C2,第二折線L2の順に各線が形成される。
第一貼付層11は、接着材あるいは粘着材からなる材料層である。この第一貼付層11は、第一貼付部10の内側に接着材や粘着材が塗布されて設けられてもよいし、接着テープや粘着テープが第一貼付部10の内側に貼り付けられて設けられてもよい。
たとえば、第一貼付部10に対して貼り付けられた両面テープは、第一貼付層11および第一剥離層12を構成する。この場合には、両面テープのうちの接着テープ部が第一貼付層11に対応し、剥離紙が第一剥離層12に対応する。
この第二貼付部20も、第一貼付部10と同様に、第二貼付層21および第二剥離層22が内側に設けられる。第二貼付層21と第一貼付層11とは、個別に設けられてもよいし、互いに連設されてもよい。ただし、第二剥離層22は、第一剥離層12とは個別に設けられる。
なお、開封前には、開口90を覆う箇所に切取部30が位置する。この開口90の一側(図1では右上側)には第一面部110の上端縁部111が配置され、他側(図1では左下側)には第二面部120の上端縁部121が配置される。
ここでは、切取部30や非貼付部40に貼付層や剥離層は設けられていない。ただし、切取部30や非貼付部40に貼付層や剥離層を設けてもよい。
ここで、フラップ1の各部位における突出方向の寸法(以下、単に「突出寸法」という)について、第一貼付部10の突出寸法を「M1」とし、第二貼付部20の突出方向の寸法を「M2」とし、非貼付部40の突出寸法(第一面部110の上端〈第一端部〉112から切取部30までの突出寸法)を「M3」とする。また、図3(D)に示すように、面部110,210の上端112,122に対する展開された提げ手200の突出寸法を「M4」とし、当て紙210の上端211に対する面部110,210の上端112,122の突出寸法を「M5」とする。
等式1は、第二貼付部20の突出寸法M2と非貼付部40の突出寸法M3とが等しく設定されることを意味する。これは、開封前に、面部110,120どうしが離隔する方向の中央に切取部30が配置されることも意味する。
不等式3は、当て紙210の上端211に対する面部110,120の上端112,122の突出寸法M5よりも第一貼付部10の突出寸法M1が大きく設定されることを意味する。これは、第一貼付部10が貼り付けられた状態において、第一貼付部10と当て紙210との少なくとも一部が側面視で重複することも意味する。
なお、図案標記の表示部150が第二面部120の外側に印刷されたものを図1に例示するが、これに替えてまたは加えて、第一面部110やフラップ1に印刷された文字表記の表示部を設けてもよい。これに加えて、切取部30の切り取り処理や提げ手200の展開処理を案内表示する表示部を設けてもよい。
つぎに、図3を参照して、輸送袋の使用方法を説明する。
はじめに、未使用の輸送袋に物品を入れる。それから、図3(A)に示すように、フラップ1の第一剥離層12を剥がして、第二面部120の上端縁部121に第一貼付部10を貼り付ける。このようにして、輸送袋の一回目の封緘が行なわれる。
それから、図3(C)に示すように、表示部150に表示される通り、面部110,120から上方の突出する第二貼付部20および非貼付部40を折線L1,L2で外側に折り曲げる。また、図3(D)に示すように、折り畳まれた提げ手200を展開して面部110,120から上方に突出させる。このようにして、輸送袋を手提げ袋として使用することができる。
本実施形態の輸送袋は、上述のように構成されるため、以下のような作用および効果を得ることができる。
(1)第一面部110の上端縁部111から突出する一つのフラップ1に二つの貼付部10,20および切取部30が設けられることにより、簡素な構成で、一回目に封緘された輸送袋を開封したのちに再封することができる。そのうえ、面部110,120のそれぞれの内側に提げ手200が折り畳まれているため、輸送袋を開封した後に手提げ袋として使用することができ、利便性を向上させることができる。
発送元から店舗に荷物を発送するときには、物品を輸送袋に入れたうえで、第一貼付部10を第二面部120の上端縁部121に貼り付ける。このとき、輸送袋の内部に提げ手200が折り畳まれた状態となっている。そのため、外部に提げ手が設けられた荷物に比較して、配送作業性を高めることができる。
仮に、利用者が返品する場合には、輸送袋に物品を入れたうえで提げ手200および非貼付部40を内部に折り畳み、第一面部110の上端縁部111に第二貼付部20を貼り付ける。そして、発送元に荷物を返送する。このときにも提げ手200が内部に折り畳まれているため、配送作業性を向上させることができる。
さらに、上記の不等式3に示すように、第一貼付部10が貼り付けられた状態において、第一貼付部10と当て紙210との少なくとも一部が側面視で重複する。そのため、封緘用の第一貼付部10を利用して、第二面部120の上端縁部121に対して内側に配設された提げ手200の周辺部を補強することができる。
(7)そのほか、フラップ1の切取部30や非貼付部40には、貼付層や剥離層が設けられていないため、貼付層や剥離層がフラップ1に過剰に設けられることがなく、材料コストを低減することができる。
最後に、その他の変形例について述べる。
フラップ1は、第一面部110と別体に設けられてもよい。この場合のフラップ1には、第一面部110の上端縁部111に貼り付けられる基部50(図1に二点鎖線で示す)が設けられる。この基部50は、当て紙210の少なくとも一部と側面視で重複することが好ましい。
このような別体のフラップ1によれば、フラップの設けられていない手提げ袋に別体のフラップ1を貼り付けるだけで、簡素な構成の再封可能な輸送袋を得ることができる。さらに、第一面部110に貼り付けられた当て紙210の少なくとも一部が基部50と重複することで、面部110,120の上端縁部111,121の内側に配設された提げ手200の双方を補強することができる。よって、手提げ袋として使用される輸送袋の耐久性を向上させることができる。
更に言えば、第二貼付部20と第一面部110あるいは基部50との間の全てを切取部としてもよい。すなわち、非貼付部40に対応する部位をも切取部としてもよい。この場合には、開封時に第一面部110から突出するフラップ1の部位を、全て切り取ることができる。よって、第一面部110から突出する提げ手200に対するフラップ1の干渉を防止することができる。
たとえば、封緘回数を「X=2Y+Z」(ただし、Yは零を含まない自然数,Zは零を含む自然数)とする。このとき、「X」が奇数(Z=1)であれば「Y+1=(X+1)/2」の数だけ第一貼付部が設けられ、「X」が偶数(Z=0)であれば「Y=X/2」の数だけ第二貼付部および切取部のそれぞれが設けられる。なお、奇数回目の封緘時に第一貼付部が貼り付けられ、偶数回目の封緘時に第二貼付部が貼り付けられる。
また、フラップ1′の基端側に複数の第二貼付部20′−l(ただし、lは何回目の封緘時に貼り付けられるかを示す零を含まない自然数のうちの偶数)が突出方向に並んで設けられる。詳細には、封緘回数が小さいときに貼り付けられる第二貼付部20′−lほど基端側に配置される。これらの第二貼付部20′−lどうしの間には、奇数回目の開封時に切り取られる切取部30′−mが配置される。
なお、輸送袋は、マチ付きの袋に限らず、マチ無しの袋(いわゆる「平袋」)であってもよい。
10 第一貼付部
10a 基端
20 第二貼付部
20a 先端
30 切取部
40 非貼付部
50 基部
90 開口
100 本体部
110 第一面部(前壁部)
111 上端縁部(第一端縁部)
112 上端(第一端部)
120 第二面部(後壁部)
121 上端縁部(第二端縁部)
122 上端(第二端部)
130 第一マチ部
140 第二マチ部
150 表示部
200 提げ手
210 当て紙(提手貼付部)
211 上端
C1,C2 切取線
L1,L2 折線
M1,M2,M3,M4,M5 突出寸法
Claims (8)
- 開口の一側に配置された第一端縁部を有する第一面部と、
前記開口の他側に配置された第二端縁部を有し、前記第一面部と対向する第二面部と、
前記第一端縁部および前記第二端縁部のそれぞれの内側に配設され、折り畳みおよび展開が可能な提げ手と、
前記第一端縁部から突設され、前記開口を覆うフラップとを備え、
前記フラップは、
前記第二端縁部に貼り付けられる第一貼付部と、
前記第一貼付部よりも基端側に設けられ、切取部が切り取られた状態で前記第一端縁部に貼り付けられる第二貼付部と、
前記第一貼付部および前記第二貼付部よりも基端側に設けられ、開封時に切り取られる前記切取部とを有し、
前記第一貼付部,前記第二貼付部および前記切取部は、それぞれが一箇所だけに設けられた
ことを特徴とする袋体。 - 前記第一端縁部から前記切取部までの突出寸法と、前記フラップにおける前記第二貼付部の突出寸法とが等しい
ことを特徴とする請求項1に記載された袋体。 - 前記第一端縁部または前記第二端縁部に対する展開された状態の前記提げ手の突出寸法は、前記第一貼付部が貼り付けられた状態における前記第一端縁部または前記第二端縁部から前記切取部までの突出寸法よりも大きい
ことを特徴とする請求項1または2に記載された袋体。 - 前記フラップは、前記第一端縁部または前記第二端縁部に対して折り曲げられる折線を有する
ことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載された袋体。 - 前記フラップを前記折線で折り曲げることを表示する表示部を備えた
ことを特徴とする請求項4に記載された袋体。 - 前記フラップは、前記第一面部と一体に連設された
ことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載された袋体。 - 前記フラップは、前記第一面部および前記第二面部とは別体に設けられ、前記第一端縁部に貼り付けられる基部を有する
ことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載された袋体。 - 前記第一端縁部および前記第二端縁部のそれぞれに前記提げ手を貼り付ける提手貼付部を備え、
前記第一貼付部が貼り付けられた状態で、前記基部および前記第一貼付部と前記提手貼付部との少なくとも一部が重複する
ことを特徴とする請求項7に記載された袋体。
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