JP4667580B2 - 2つの中間像を持つ反射屈折対物レンズ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、2つの中間像を持つ反射屈折対物レンズに関する。
【0002】
【従来技術】
上記は、Hiroseに付与されたUS特許第4,701,035号のマイクロリソグラフィ投影露光システムとして知られている。その図12に示されている対物レンズは、2つの反射部分対物レンズと1つの反射屈折部分対物レンズとを含む。全ての対物レンズはオフ・アクシスであり、軸対称でもなく、純粋な球面システムである。
【0003】
1つの中間像と屈折部分対物レンズとを持つ反射屈折対物レンズは、Elliott及びShaferに付与された米国特許第5,488,299号と、Schusterに付与されたドイツ特許第196 39 586号(米国シリーズNO.09/263,788)との、軸対称でかつ中央にオブスキュレーション(obscuration)を持つマイクロリソグラフィ投影光学システムとして知られており、後者は、本発明の譲受人に与えられ、本発明の参照文献として引用される。
【0004】
Elliott及びShaferは、Manginミラーを形成するミラー間のライトパスに配置されているミラーのうちの1つのミラーの中央開口部付近の中間像を紹介している。それらの光学表面は、すべて球面である。
Schusterは、ミラーが非球面であることだけを示し、それらの間のビームパスに大きなレンズを使うことを避けている。
【0005】
Haseltine et al.に付与された米国特許第5,004,331号は、(フライトシミュレータの)ドームに像を投影するための反射屈折プロジェクタを開示している。そのシステムは、実質的な平行光線を受け入れる手段としての外部入射瞳と、反射瞳リレー光学システムをもう1つの凹面ミラーと共に形成する非球面凹面ミラーの中央開口部に配置された、瞳像を形成する回転対称の同軸レンズによる屈折サブシステムとを含む。両方のミラーは、屈折サブシステムの光軸に対して傾いている。全体のシステムは、球面ドーム上に広範囲の視野像を準備する。全可視スペクトルの色補正は、異なるガラスを組み合わせることによって得られる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、減少されたレンズ直径と高い性能とを持つ高解像度対物レンズを製作可能にする新規な設計を提供することである。これらの設計は、顕微鏡検査法またはマイクロリソグラフィのVUVスペクトル領域に有効に利用される。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この問題は、2つの中間像を持つ軸対称の反射屈折対物レンズを使用すること、2つの屈折部分対物レンズと1つの反射屈折部分対物レンズとを組み合わせること、第1の部分対物レンズと、第1の中間像と、第2の部分対物レンズと、第2の中間像と、第3の部分対物レンズとを組み合わせることあるいは第1の部分対物レンズと、中間像と、第2の部分対物レンズとを組み合わせることにより解決できる。
【0008】
2つの中間像を持つ軸対称性、2つの屈折部分対物レンズと1つの反射屈折対物レンズ、及び、2つの中間像と少なくとも1つの屈折部分対物レンズは、本願発明の新しい特徴のそれぞれ異なった記述である。
【0009】
別の特徴は、ミラーを1つの反射部分対物レンズに明確にグループ化することにより与えられ、その反射部分対物レンズは、1つ或いはそれ以上の純粋屈折部分対物レンズと協働する。この場合、反射部分対物レンズは、Petzval和の減少、つまりフィールド平坦化の負担を受け持つという条件がつく。屈折部分対物レンズは、これにより正負のレンズ・グループによるビームの収縮と拡張との必要性から解放されるが、このことは、マイクロリソグラフィ投影露光レンズを用いて以前から確立されている。例えば、米国特許第5,260,832号または米国特許第5,903,400号、8−13ページ、Glatzel E.のZEISS情報26(1981年)を参照のこと。結論として屈折部分対物レンズは簡単化され、レンズ直径は減少される。これは、特にVUVスペクトル領域に使用するという本提案に対して、適切なクリスタル、つまり石英ガラスの材料供給の点で大きな軽減となる。
【0010】
また、本発明の特徴は、対物レンズの非常に好都合な軸対称構成を可能にする凸面ミラーと対向する2つの同軸の中央オブスキュレーションを有する構成である。前述のSchuster、または、Elliott及びShaferの設計に関連する。それはとりわけ、機械的剛性の点および屈折対物レンズに適合する確立されたステッパ/スキャナ構造との互換性の点から有利である。
【0011】
中央オブスキュレーションは、基本的に像形成を劣化させる作用があるので、(その効果は、環状または4極照明、または瞳フィルタおよびアポダイゼーションにおいて、多くの場合好んで利用されるにしても)本設計のミラーの中央孔によるオブスキュレーションの減少には重要性がある。
【0012】
本発明は、中間像をミラーの近辺に配置することにより、オブスキュレーションを減少させる方法を開示する。また、中央開口部の量的限界についても本発明は述べるものである。
【0013】
さらに、本発明はレンズがミラーとミラーとの間に挿入される構成についても開示する。これらは、1つの材料の色補正を与えるために、負のレンズとしてミラーと協働し、レーザ光源を帯域縮小する必要性、またはVUVにおいて1対のレンズ色消し用材料を使用する必要性を軽減する。
【0014】
さらに、本発明は、符号が逆ではあるが、ミラー内腔の各々における主光線の高さが大体同じ値である構成をも開示する。この方法は、中央オブスキュレーションを最小にでき、特に有利である。
【0015】
ミラーを持つ部分対物レンズが、2つの屈折部分対物レンズによって固定される構成もらもまた好ましい。なぜなら、部分対物レンズを包含するミラーによって接続される両方の中間像「平面」が、この部分対物レンズの特定の補正能力を最も利用できるように曲げられるからである。
【0016】
ミラーが非球面であることは、関連技術においてもむしろ普通であるが、本発明では、非球面レンズ表面のこの設計における有利性を証明する構成をさらに開示する。屈折投影露光対物レンズに関して、最近確立されたすべての長所と制限とは、本発明の設計における非球面平面の使用に対しても適用されるが、それらは、例えば、本発明の参照文献として引用されているSchusterのドイツ特許第19922209号と、それに記載されている参照文献とに述べられている。
【0017】
回折性表面もまた、時々投影露光対物レンズのためにも提案されるが、ちょうど屈折性の設計に役立つのと同様に本発明にとって有用である。
【0018】
上記した各対物レンズは、顕微鏡またはマイクロリソグラフィ投影露光システムに組込まれる。本発明は、同様に、そのような対物レンズのマイクロリソグラフィ投影露光に対する有利な使用法を示す。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明は、図面に示す実施形態に基づいてより詳細に説明される。
図1の例は、マイクロリソグラフィのスキャナ投影露光装置用の減少比6:1の対物レンズで、像フィールドの直径が18.4mm、像側でNA=0.75、及び、対物レンズ空間と像空間とにおけるテレセントリックである。
【0020】
全てのレンズはホタル石CaF2で作られ、システムは157nmF2エキシマレーザによる照射に適合する。
勿論、例えば石英ガラスで193nmといった他の材料と波長とに対する修正は可能である。
【0021】
第1の部分対物レンズS1は、屈折性で、減少比−1/4.27を持つ。
この部分対物レンズS1は、直径が約130mmの比較的大きな4つのレンズを含む第1のレンズグループLG1と、開口平面の後ろで約80mmもしくはそれより小さな直径に大幅に減少されたレンズ群を含む第2のレンズグループLG2とを有する。ここで、ただ1つの非球面レンズ面は、開口平面直後の表面9上に設けられる。第1の中間像IMI1にひき続いて第2の部分対物レンズS2がある。この第2の部分対物レンズS2は中央孔を有する2つの対向する凹面非球面ミラーM1およびM2を持つ反射屈折である。2つのミラーM1とM2との間に、2つの負のメニスクスレンズ25、26および27、28が配置されている。それらを光ビームが3回通過する。その拡大比は−1/0.99である。そのような1に近い拡大率は、高度に対称な構成と最適なひずみ補正とを可能にする。
【0022】
この配置はまた、色補正とフィールドのわん曲補正とに特に適している。従って、ただ1つのレンズ材料CaF2だけでも、この対物レンズは狭められていないF2レーザの±1.2pmという比較的広いレーザバンド幅を受け入れることができる。
【0023】
第2の中間像IMI2にひき続いて、これもまた屈折性の第3の部分対物レンズS3が設けられる。強く曲げられたメニスクス29、30において、発散光ビームが採り入れられる。ここでは、レンズ表面40と41との間の正の空気レンズ(すなわち正のレンズの形をした空気空間)が特徴的である。その減少比−1/1.42により、システム全体の減少比が得られる。
【0024】
表1の詳細データは、対物レンズが限られた直径の比較的少数の要素から構成されることを示している。
【0025】
【表1】
Figure 0004667580
Figure 0004667580
【0026】
これは、CaF2が非常に高価で入手しにくいので実際の採算性を助けることになる。また、CaF2のライトパスは限られているので、157nmにおける吸収が大きいという問題を緩和する。
【0027】
第2の反射屈折部分対物レンズS2の完全同軸構成のために必要とされる中央オブスキュレーションは、それ自体ある程度の欠点であり、基本的に対物レンズの変調伝達関数を低下させる。しかし一般の屈折投影露光対物レンズにおいてさえ、調整システムなどのビームパスに適応するために、小さいが顕著な中央オブスキュレーションが入っている。たとえミラー直径が実用的なサイズの場合でも、中央オブスキュレーションを小さく保持する設計努力がなされている。
【0028】
ミラーの孔の直径は、主光線の高さがその2つの孔のところで値が等しく符号が逆の時に最小になることが分かっている。さらにミラー孔は、ビームの直径が最小になる、2つの像IMI1およびIMI2の隣に配置される。また、第1の部分対物レンズS1は、この孔を徹底的に小さく保つためにかなりの像減少を持ち、それにより、ミラー直径全体も実際的なコンパクトな値に抑えられている。
【0029】
ミラー孔の直径は、フィールドの端部における最も近い光線よりも2.0mm大きくとられる。
【0030】
オブスキュレーションマスクは、レンズ表面9の直前にある第1の部分対物レンズS1の瞳(開口)平面に挿入されることが推奨される。このマスクは、エリアの4.1%に等しい直径の20.25%のサイズにするべきである。そうするとフィールドの端部におけるエリアオブスキュレーションは、中央部と等しい値を持ち、MTFカーブは、フィールドの全体に亘って完全に一様となる。
【0031】
この例の波面補正は、17×7mm2のフィールドに亘る0.011ウェーブrmsよりも良く、17×6mm2のフィールドに亘る0.009ウェーブrmsより少ない。ひずみは2.4ppmで、ずれの中央値は10nmである。
【0032】
色補正は、縦方向の色についてはCHL=34nm/pmに達し、それにより、狭められていないF2レーザの±1.2pmのバンド幅を受け入れることができる。
【0033】
図2および表2の例では、大幅に増加したNA=0.75と同じく、増加した像フィールド22×9mm2を持つ一方、減少比は5:1に変わっている。システムは、第1の例と全体的に近似しているが、いくつかの重要なずれがある。
【0034】
【表2】
Figure 0004667580
Figure 0004667580
Figure 0004667580
【0035】
第1の屈折部分対物レンズS1は、開口平面に向かって凹面である2つのメニスクス209、210と211、212とによって囲まれた開口平面を持つ。ここで上述のように、オブスキュレーションディスクODは、フィールドに独立したオブスキュレーションを得るために挿入される。
【0036】
2つのレンズ表面209と217とは非球面であり、第1のものは開口平面の隣にあって角度の偏差に影響し、第2のものはよりフィールド領域内にある。
第1の部分対物レンズS1の像ング比は−1/4.67である。従って反射屈折部分対物レンズは非常に小さくすることができる。
【0037】
第2の部分対物レンズS2もまた反射屈折であり、2つの非球面ミラーM21、M22と、2つの負のメニスクスレンズ223と224、および、225と226を持つ。ここでは、それらの距離は大きく減少しているが、ビームパス内の角度は増加している。そのため、所定の大きなフィールドと大きなNAとにおいて、わずか230mmという非常に制限された直径を可能にする。減少比は−1/0.97である。この実施形態においても、中央オブスキュレーションは直径で20%であり、全フィールドに亘って一定である。
【0038】
中間像での0.7という高いNAによりミラーM21とM22の孔を小さくさせることができること及びその間にあって必要な色補正を与えるレンズ223、224と225、226のかなり強い屈折力が、この実施形態に特有なものである。
ミラーM21とM22とは、球面からの最大偏差が150マイクロメータに限定された非球面であり、好適な生産と検査とを可能にしている。
【0039】
非球面表面はまた、ミラーの間に置かれたレンズ上の像品質を向上することができる。ここで、第3の負のレンズは、必要であれば色補正をさらに最適化するであろう。
【0040】
第3の部分対物レンズS3は、特徴的な第1のメニスクスレンズ227と228とが、図1よりもさらにもっと曲げられていることを示している。これはコマ補正に役立つ。第2のレンズ229および230はまた、中間像IMI側でメニスクス凹面であるが、これは、2つの最終レンズ249、250と251、252とが像平面Imに向かってメニスクス凹面であるからで、このことは、球面収差のアプラナティズム及び補正にとって好ましい。
【0041】
レンズ表面238と239との間に配置される正の空気レンズは、球面収差の主要な部分を補正する。この効果のために、それはフィールド領域よりも対物レンズの瞳領域により好ましく配置される。しかしながら、瞳平面の前方のその配置は、空気レンズがサジタルおよび接線方向の斜め球面収差にも作用することを可能にする。
【0042】
瞳平面に向かうメニスクス凹面として、レンズ245および246は、その前面に作られた空気区間と共に、前述の空気空間の効果を補助する。
この第3の部分対物レンズS3の像ング比は、1に近い−1/1.11である。しかしその配置は、瞳平面に対して対称とはほど遠く、そのために強く歪められた中間像IMIは、像平面Imにおいて高度に補正された像に変換される。
【0043】
各々の部分対物レンズは、それぞれ次の作用を持つ:ずなわち、S1は減少を行い、S2は色およびPetzval補正を行い、そしてS3は像ングエラーの微調整を行う。
この第2の実施形態は、最良のエラー補正までの微調整はされていないが、そのような設計が実行可能である。
【0044】
表1および表2の両方の例の非球面表面は、次式で表される。
z=AS2xh4+AS3xh6+AS4xh8+AS5xh10+AS6xh12+AS7xh14
ここで、z=球面からの軸偏差、h=光軸からの半径方向高さである。
【0045】
図3は、物体Obと像Imの間に、純粋反射部分対物レンズS31と、純粋屈折部分対物レンズS32とを、中間像IMIと共に持つ例である。これにより、前記実施形態である反射屈折部分対物レンズにおいて、大きな負のレンズの使用を避けることができる。ここでミラーM1およびM2は、純粋にPetzval補正(フィールドわん曲の補正)のために使われる。
【0046】
対物レンズの色特性は、屈折部分対物レンズS32によって定められる。異なるレンズ材料を使うことにより、色消しが可能となる。DUV/VUVエキシマレーザ・システムについては、フッ化物の組み合わせ、すなわちフッ化カルシウム(ホタル石)、フッ化バリウム、フッ化ストロンチウム、NaF、Lifなど、および/または、石英ガラスの組み合わせ、また特にドープ処理されたバージョンも含めた上記の組み合わせが好ましい。すなわち、157nmでのマイクロリソグラフィには、例えば、フッ化カルシウム製の正のレンズL1およびL3と、フッ化バリウムまたはNaF製の負のレンズL2とが使用可能である。
【0047】
実際のマイクロリソグラフィまたは顕微鏡の対物レンズについては、屈折部分対物レンズS32は、普通もっと多くのレンズを持っており、図に示すレンズL1からL3は概略的な典型例である。
【0048】
この反射屈折対物レンズの屈折部分対物レンズS32は、完全屈折光学システムと比べて、Petzval補正を行う必要がないので簡略化できる。従って、従来の屈折マイクロリソグラフィ減少投影対物レンズにおける2つまたはそれ以上の節を持つ節と腹との構成は必要とされない。それほど重要でないビーム減少のための、ただ1つの節が残るだけである。その結果、屈折部分対物レンズS32は、短くでき、直径を小さくでき、そしてレンズの数を少なくできる。透過およびコントラストはこうして増加し、コストは低減される。非球面レンズ表面は、この効果にさらに役立つ。
【0049】
反射部分対物鏡S31は、レンズがないので、その直径は重要ではない。すなわち、例えば直径が1m以上の精密非球面ミラーは、天文学に関する技術である。
明らかに、反射および屈折部分対物レンズの配置もまた、順番を変えることができる。そうすると反射部分光学システムの直径は、屈折部分対物レンズの像ング比の結果として減少する。
【0050】
物体Obおよび像Imの利便性を上げ、補正用の設計空間をより大きくとるために、もしこの光学システムがまた、図4の例に示すように、第1の屈折部分対物レンズS41と、反射部分対物レンズS42と、中間像IMI1とIMI2とを持つ第2の屈折部分対物レンズS43とに拡張されると有利である。
このようにして、最小のオブスキュレーションを持つ最初の2つの実施形態の長所と、ミラーM1とM2との間に大きなレンズを持たない第3の実施例の長所とを組み合わせることができる。
【0051】
表3は、この実施例の設計データである。これは、すべてのレンズがクリスタルの157nmの対物レンズで、大部分がLiF、ある部分がNaFであり、1.5pmバンド幅を持つ狭められていないF2レーザに対して優れた色特性をもたらす。減少比は1:5、最大像フィールド高さは11.88mm、及び、NA=0.75である。また、最大レンズ直径は190.5mmで、最大ミラー直径は201mmである。さらに、全長Ob−Imは1.459mである。
【0052】
【表3】
Figure 0004667580
Figure 0004667580
Figure 0004667580
【0053】
先行の特許出願である共同発明者Schusterおよび同譲受人の1999年6月29日付けドイツ特許第199 29 701.0号(99032P)に関連して、ここでは、DUVからVUVのマイクロリソグラフィ対物レンズにクリスタル・レンズが使用される。引用した上記出願はまた、それ全体として本出願の開示の一部になるべきものである。
【0054】
その結果、第1の部分対物レンズS41に負のNaFレンズが入り、加えて、1つの正のNaFメニスクス408、409も入れられ、LiFレンズシステム全体の横方向の色収差を減らす。
【0055】
非球面表面は、それが有利となる多くの表面で本設計に組み込まれる。その結果、ミラー440および441もまた非球面である。第1の、減少する部分対物レンズS41においては、第2の腹は1つの非球面を持ち、第2の節は1つの非球面を持ち、そして第3の腹は2つの非球面を持つ。第3の部分対物レンズS43においては、第1の腹は1つの非球面を持つ一方、2つの腹の第2番目は2つの非球面を持つ。
表3の実施例の非球面表面は次式で表される。
【0056】
【数1】
Figure 0004667580
【0057】
ここでPは、表3で与えられる非球面定数C1からC6を用い、半径h(光軸に関する光線の高さ)の関数として表される高さ偏差、δは表で与えられる半径の逆数である。
【0058】
対物レンズは、高い補正品質を持っている。なぜなら、スペクトル距離1pmの2つのラインに関して計算された波面エラーが、最大フィールド高さにおいて8ミリラムダ以下であり、光軸においては5ミリラムダ以下に減少するからである。
【0059】
光学システムの中央オブスキュレーションは、反射部分対物レンズS42のミラー440および441の距離および直径を大きくすることにより、必要に応じて設計することができる。
リング領域フィールド像形成は、一般に非対称構成の多くの反射および反射屈折投影露光システムにおいて従来から用いられている。そのようなものはまた、本発明の範囲内で実現可能である。その場合、ミラーは、光ビームを入射させるためのオフ・アクシスのリング領域開口部のみを必要とし、その結果瞳だけが円形中央オブスキュレーションと比べてさらに減少効果がある2領域オブスキュレーションを持つことになる。
【0060】
図5は、本発明による対物レンズを持つ顕微鏡を概略的に示す。
それ自体、DUV/VUV検査顕微鏡に対して本来の意味があるので、接眼鏡による直接目視観察は示されていないが、適切で既知のいかなる種類の像検出器CCDも、対物レンズの像平面に設置される。対物レンズは、2つの屈折部分対物レンズS51、S53と中間反射または反射屈折部分対物レンズS52とによって構成される。実施形態は、2つの同軸対向ミラーM1およびM2と、その中にある1つの負のレンズLとを有している。
【0061】
対物レンズの設計は、おおむね前述の実施形態に示す通りであるが、像平面と対象平面とを交換することにより、拡大、より高い像ング比、そしてより小さいフィールドが得られる。
照明システムIllは、物体Obを適切に照明する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 屈折、反射屈折、及び、第2屈折の対物レンズを順番に持ち、減少比が1:6である対物レンズの一例のレンズ断面を示す。
【図2】 減少比が1:5であるような図1の対物レンズの別の例を示す。
【図3】軸対称の純粋な反射部分対物レンズを持つ対物レンズのレンズ配置概略図を示す。
【図4】 屈折、反射、及び、第2屈折の部分対物レンズを順番に持つ本発明の別の例を示す。
【図5】本発明による対物レンズを持つ顕微鏡の概略図を示す。
【符号の説明】
S1 第1の部分対物レンズ
S2 第2の部分対物レンズ
S3 第3の部分対物レンズ
LG1 第1のレンズグループ
LG2 第2のレンズグループ
M1 同軸対向凹面非球面ミラー
M2 同軸対向凹面非球面ミラー
Ob 物体
Im 像平面

Claims (19)

  1. 第1の中間像を発生する第1の部分対物レンズ(S1)と、
    第2の中間像を発生する第2の部分対物レンズ(S2)と、
    第3の部分対物レンズ(S3)とから構成され、前記第2の部分対物レンズは中央孔と光軸を有する対向配置された2つの凹面ミラー(M1,M2)とを備え、前記凹面ミラーは前記光軸に関して軸対称に配置され、それらの凹面表面は互いに向き合っており、更に前記第1の部分対物レンズ(S1)および/または前記第3の部分対物レンズ(S3)は純粋屈折レンズであることを特徴とする対物レンズ。
  2. 前記中間像は、前記ミラーの中央孔によるオブスキュレーションを減少させるため前記ミラーの近辺に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の対物レンズ。
  3. 前記凹面ミラーの各々は前記光軸上に位置する頂点を持ち、
    前記中間像の各々は最大の像高さで前記光軸上に貫通点を有する表面上に与えられ、
    前記頂点の少なくとも1つは、前記貫通点の少なくとも1つから、前記貫通点を持つ前記像の最大高さ以下の距離だけ離れていることを特徴とする請求項1または2に記載の対物レンズ。
  4. 前記第2の部分対物レンズは、反射光学要素のみからなることを特徴とする請求項1乃至3の少なくともいずれかに記載の対物レンズ。
  5. 少なくとも1つのレンズは、前記2つの凹面ミラー間のビームパスに配置されることを特徴とする請求項1乃至3の少なくともいずれかに記載の対物レンズ。
  6. 前記少なくとも1つのレンズは、負の屈折力を持つことを特徴とする請求項5記載の対物レンズ。
  7. 前記中央孔の各々の半径は、その各々が前記隣接する中間像の最大像高さの1.5倍以下であることを特徴とする請求項1乃至6の少なくともいずれかに記載の対物レンズ。
  8. 前記中央孔の前記半径の各々は、前記凹面ミラーにおける前記最大光ビーム高さの25%未満であることを特徴とする請求項1乃至7の少なくともいずれかに記載の対物レンズ。
  9. 前記光ビームは、前記中央孔において値が等しく符号が逆である主光線高さを持つことを特徴とする請求項1乃至8の少なくともいずれかに記載の対物レンズ。
  10. 前記第1の部分対物レンズと第3の部分対物レンズは、純粋屈折レンズであることを特徴とする請求項1乃至9の少なくともいずれかに記載のレンズ。
  11. 前記第2の部分対物レンズは、−1/0.7と−1/1.3との間の範囲の拡大比を持つことを特徴とする請求項10に記載の対物レンズ。
  12. 前記第1の屈折部分対物レンズは、−1/3から−1/8までの拡大比を持つことを特徴とする請求項11記載の対物レンズ。
  13. 前記第3の部分対物レンズは、−1/0.8から−1/2までの拡大比を持つことを特徴とする請求項11または請求項12に記載の対物レンズ。
  14. 像フィールドは、オフ・アクシスなリング領域であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の対物レンズ。
  15. 前記対物レンズは軸対称であることを特徴とする請求項1乃至14のいずれかに記載の対物レンズ。
  16. 請求項1乃至15のいずれか一項記載の反射性対物レンズを具備することを特徴とする顕微鏡。
  17. 請求項1乃至15のいずれか一項記載の反射屈折投影対物レンズを具備することを特徴とするマイクロリソグラフィ投影露光装置。
  18. 請求項1乃至15のいずれか一項記載の反射屈折投影対物レンズのマイクロリソグラフィ投影露光のための使用法。
  19. 基板のマイクロリソグラフィック方法であって、
    VUV光線でマスクを照射するステップと、
    前記マスクの像を前記基板上に、請求項1乃至15のマイクロリソグラフィ記載の反射屈折投影対物レンズを通して投影するステップとからなることを特徴とする方法。
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