JP4666775B2 - 磁気薄膜メモリ素子、磁気薄膜メモリおよび情報記録方法 - Google Patents

磁気薄膜メモリ素子、磁気薄膜メモリおよび情報記録方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気抵抗効果を利用する磁気薄膜メモリ素子およびそれを用いた磁気薄膜メモリに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、固体メモリである半導体メモリは情報機器に多く用いられ、DRAM(Dynamic RAM(Random access Memory))、FeRAM(Ferroelectric RAM)、フラッシュEEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM(Read Only Memory))等その種類も様々である。これら半導体メモリの特性には一長一短があり、現在の情報機器において要求されるスペックのすべてを満たすメモリは存在しない。例えば、DRAMは記録密度が高く書き換え可能回数も多いが、揮発性であるため電源を切ると記憶情報は消えてしまう。また、フラッシュEEPROMは不揮発であるが、消去の時間が長く、情報の高速処理には不向きである。
【0003】
上記のような半導体メモリの現状に対して、磁気抵抗効果を用いたメモリ(MRAM)は、記録時間、読み出し時間、記録密度、書き換え可能回数、消費電力等において多くの情報機器から求められるスペックをすべて満たすメモリとして有望である。特にスピン依存トンネル磁気抵抗(TMR)効果を利用したMRAMは、大きな読み出し信号が得られることから、高記録密度化あるいは高速読み出しに有利であり、近年の研究報告によればMRAMとしての実現性が実証されている。
【0004】
MRAMのメモリ素子に用いられる磁気抵抗効果膜の基本構成は、非磁性層を介して磁性層が隣接して形成されたサンドイッチ構造である。非磁性膜の材料としては、CuやAl23が良く用いられる。磁気抵抗効果膜において非磁性層にCu等のような導体を用いたものを巨大磁気抵抗効果膜(GMR膜)といい、Al23などの絶縁体を用いたものをスピン依存トンネル効果膜(TMR膜)という。TMR膜は、GMR膜に比べて大きな磁気抵抗効果を示すので、MRAMのメモリ素子として好ましい。
【0005】
図18は面内磁化膜を用いた磁気抵抗効果膜の電気抵抗を説明するための図で、(a)は磁気抵抗効果膜の磁化が平行な状態を模式的に示す断面図、(b)は磁気抵抗効果膜の磁化が反平行な状態を模式的に示す断面図である。図18中、矢印は磁化の方向を示す。この図18の例では、磁気抵抗効果膜は、非磁性層142を介して二つの磁性層141、143が積層されたサンドイッチ構造となっている。磁性層141、143は、いずれも面内磁化膜である。
【0006】
図18(a)に示すように磁性層141、143の磁化方向が平行であると、磁気抵抗効果膜の電気抵抗は比較的小さく、図18(b)に示すように磁性層141、143の磁化方向が反平行であると、電気抵抗は比較的大きくなる。したがって、磁性層141、143のうち一方の磁性層を記録層、他方を読み出し層として、上記の性質を利用することで記憶情報の読み出しが可能である。
【0007】
図19は面内磁化膜を用いた磁気抵抗効果膜における記録再生原理を説明するための図で、(a)および(b)は、記録情報「1」の読み出しを行う場合の磁化の状態を模式的に示す断面図、(c)および(d)は、記録情報「0」の読み出しを行う場合の磁化の状態を模式的に示す断面図である。図19中、矢印は磁化の方向を示し、磁気抵抗効果膜の構成は図18に示したものと同様のため、同じ符号を付している。また、この例では、非磁性層142の下部に位置する磁性層143を記録層、上部に位置する磁性層141を読み出し層とし、記録層の磁化方向が右向きの場合を「1」、左向きの場合を「0」とする。
【0008】
図19(a)に示すように両磁性層の磁化方向がともに右向きの場合は、磁気抵抗効果膜の電気抵抗は比較的小さくなり、図19(b)に示すように読み出し層の磁化方向が左向きで、記録層の磁化方向が右向きである場合には、電気抵抗は比較的大きくなる。したがって、「1」が記録された状態(記録層の磁化方向が右向き)で、読み出し層の磁化方向が右向きとなるように磁界を印加した後、さらに読み出し層の磁化方向が左向きとなるように磁界を印加する、読み出し操作を行うと、磁気抵抗効果膜の電気抵抗は大きくなるように変化し、この変化から記録情報「1」を読み出すことが可能である。ただし、読み出しのときに印加する磁界は記録層の磁化方向が変化しないような大きさである。
【0009】
また、図19(c)に示すように読み出し層の磁化方向が右向きで、記録層の磁化方向が左向きである場合は、電気抵抗は比較的大きくなり、図19(d)に示すように両磁性層の磁化方向がともに左向きの場合には、電気抵抗は比較的小さくなる。したがって、「0」が記録されているときには、上記読み出しの操作を行うと、磁気抵抗効果膜の電気抵抗は小さくなるように変化し、この変化から記録情報「0」を読み出すことが可能である。
【0010】
上述した面内磁化膜を使用したMRAMにおいては、MRAMの記録密度を高くするために素子サイズを小さくしていくと、磁性層内部で生じる反磁界(自己減磁界)あるいは端面の磁化のカーリングといった影響から情報を保持できなくなる、という問題が生じる。この問題を回避する手法としては、例えば磁性層の形状を長方形にすることが挙げられるが、この場合は、素子サイズを小さくできないため、記録密度の向上はあまり期待できない。そこで、例えば特開平11-213650号公報で述べられているように、垂直磁化膜を用いることにより上記問題を回避しようとする提案がなされている。この方法によれば、素子サイズが小さくなっても反磁界は増加しないので、面内磁化膜を用いたMRAMよりも小さなサイズの磁気抵抗効果膜が実現可能である。垂直磁気異方性を示す磁性体としては、遷移金属−貴金属系の合金や多層膜、CoCr合金あるいは希土類−遷移金属系の合金や多層膜が挙げられる。
【0011】
垂直磁化膜を用いたMRAMも、面内磁化膜を用いた磁気抵抗効果膜と同様、非磁性層を介して磁性層が積層されたサンドイッチ構造であり、両磁性層の磁化方向が平行であると磁気抵抗効果膜の電気抵抗は比較的小さくなり、磁化方向が反平行であると電気抵抗は比較的大きくなる。
【0012】
図20は垂直磁化膜を用いた磁気抵抗効果膜における記録再生原理を説明するための図で、(a)および(b)は、記録情報「1」の読み出しを行う場合の磁化の状態を模式的に示す断面図、(c)および(d)は、記録情報「0」の読み出しを行う場合の磁化の状態を模式的に示す断面図である。図20中、矢印は磁化の方向を示し、磁気抵抗効果膜の構成は磁性層が垂直磁化膜である以外は基本的には図18に示したものと同様であるため、同じ符号を付している。この例では、非磁性層142の下部に位置する磁性層143を記録層、上部に位置する磁性層141を読み出し層とし、記録層の磁化方向が上向きの場合を「1」とし、下向きの場合を「0」とする。
【0013】
図20(a)に示すように両磁性層の磁化方向がともに上向きの場合は、磁気抵抗効果膜の電気抵抗は比較的小さくなり、図20(b)に示すように読み出し層の磁化方向が下向きで、記録層の磁化方向が上向きの場合には、電気抵抗は比較的大きくなる。したがって、「1」が記録された状態で読み出し層の磁化方向が上向きとなるように磁界を印加した後、さらに読み出し層の磁化方向が下向きとなるように磁界を印加する、読み出しの操作を行うと、磁気抵抗効果膜の電気抵抗は大きくなるように変化し、この変化から記録情報「1」を読み出すことが可能である。ただし、読み出しのときに印加する磁界は記録層の磁化方向が変化しないような大きさである。
【0014】
また、図20(c)に示すように読み出し層の磁化方向が上向きで、記録層の磁化方向が下向きである場合は、電気抵抗は比較的大きくなり、図20(d)に示すように両磁性層の磁化方向がともに下向きの場合電気抵抗は比較的小さくなる。したがって、「0」が記録されているときには、上記読み出しの操作を行うと、磁気抵抗効果膜の電気抵抗が小さくなるように変化し、この変化から記録情報「0」を読み出すことが可能である。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
MRAMに用いられるメモリ素子(磁気薄膜メモリ素子)は、記録時や再生時に磁界を印加した後は、非磁性層を介して隣接して形成された磁性層のそれぞれの磁化の大きさが飽和していること、すなわちそれぞれの磁性層においてすべてのスピンの方向が一方向に揃っていることが好ましい。MRAMで多く使用されている磁性材料は、Co、Fe、NiFeあるいはこれらの合金である。例えば、Coよりなる磁性層の保磁力(磁気飽和状態の強磁性体の磁化を0とする磁場の強さ)は、バルク形のものに於いては1kA/m程度であるが、数十nmの薄膜に於いては数kA/m程度になる。また、磁性膜作成条件によっては、飽和磁界は数十kA/m程度になることもある。さらに微細加工を施した磁性体薄膜では、飽和磁界がさらに大きくなることもある。一方、MRAMの情報の記録は、メモリ素子の近くに配された導線に電流を流し、これによって発生する磁界によって磁性層の磁化方向を反転させることで行われるが、導線に流すことのできる電流に限界があるため、メモリ素子に印加できる磁界の強さは10kA/m程度までである。従って、導線を用いた記録方法では、磁性層の磁化を完全に反転させることができず、十分な磁気抵抗変化が得られない場合がある。このことは、磁性体の組成、成膜条件、膜構成等を限定してしまう要因、あるいは製造において歩留まりの低下を招く原因となり得る。
【0016】
特に、垂直磁化膜の磁化反転磁界や磁化飽和磁界は、一般に面内磁化膜よりも大きな値を示すことから、MRAMに垂直磁化膜を用いた場合は、その組成や成膜条件等はさらに限定されることになる。
【0017】
本発明の目的は、上記の問題を解決し、磁化反転磁界や磁化飽和磁界が大きな磁性体を用いても、安定した情報の記録および読み出しが可能な磁気薄膜メモリ素子およびそれを用いた磁気薄膜メモリならびにその情報記録方法を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の磁気薄膜メモリ素子は、読み出し層および記録層が非磁性層を介して積層された磁気抵抗効果膜を有する磁気薄膜メモリ素子において、前記記録層は、隣接する層間で互いに磁気的に交換結合される複数の磁性層が積層されており、記録温度の高低に応じて、前記非磁性層に隣接する磁性層の磁化方向が該記録層内で生じる交換結合力によって反転可能であり、該磁性層の磁化方向に応じて、前記読み出し層の磁化方向を反転させた際に生じる前記磁気抵抗効果膜の磁気抵抗変化が異なることを特徴とする。
【0019】
上記の場合、記録層は、少なくとも第1乃至第4の磁性層が順次積層されており、該第1乃至第4の磁性層は、それぞれの磁性層のキュリー温度が、
第3の磁性層<第1の磁性層<第2の磁性層<第4の磁性層
の関係にあり、第4の磁性層の磁化方向が所定の方向に固定されており、記録温度の高低に応じて前記第1の磁性層に1ビットの情報が記録可能に構成されてもよい。
【0020】
上記の場合、高い方の記録温度において所定の大きさで所定の方向の磁化を持ち、該磁化により発生する浮遊磁界によって第2の磁性層の磁化の反転が可能な第5の磁性層をさらに有していてもよい。
【0021】
また、第1の磁性層と第2の磁性層との間に、これら磁性層の磁化方向が反平行である場合に層内に所定のエネルギーの磁壁が形成される第6の磁性層を有していてもよい。
【0022】
さらに、ネール温度が記録温度より高い反強磁性層が第4の磁性層に隣接して設けられてもよい。
【0023】
さらに、読み出し層がフェリ磁性層であり、その補償温度が室温より高く、記録温度より低いものであってもよい。
【0024】
本発明の磁気薄膜メモリは、上述のいずれかの磁気薄膜メモリ素子を複数有し、該複数の磁気薄膜メモリ素子の磁気抵抗効果膜を選択的に昇温可能に構成されていることを特徴とする。
【0025】
本発明の情報記録方法は、隣接する層間で互いに磁気的に交換結合される複数の磁性層からなる記録層と読み出し層とが非磁性層を介して積層された磁気抵抗効果膜を有する磁気薄膜メモリ素子の情報記録方法であって、前記複数の磁性層のうちの前記非磁性層に隣接する磁性層の磁化方向を、記録温度の高低に応じて、前記記録層内で生じる交換結合力によって反転させて情報を記録することを特徴とする。
【0026】
上記の場合、複数の磁性層として第1乃至第4の磁性層を用い、該第1乃至第4の磁性層のキュリー温度の関係を、
第3の磁性層<第1の磁性層<第2の磁性層<第4の磁性層
とするととも、前記第4の磁性層の磁化方向を所定の方向に固定し、磁気抵抗効果膜を前記第3の磁性層のキュリー温度よりも高い第1の記録温度に昇温して、前記第3の磁性層の磁化を滅磁するとともに、前記第1の磁性層の磁化反転を容易にし、前記第2の磁性層との交換結合力により前記第1の磁性層の磁化方向を前記第4の磁性層の磁化方向として第1の情報を記録し、前記磁気抵抗効果膜を前記第1の記録温度より高い第2の記録温度に昇温するとともに、前記第2の磁性層に対して前記第4の磁性層の磁化方向とは反平行に印加される所定の大きさの磁界を印加して、前記第2の磁性層の磁化方向を前記磁界の方向に揃え、該第2の磁性層との交換結合力により前記第1の磁性層の磁化方向を前記第4の磁性層の磁化方向とは反平行として第2の情報を記録するようにしてもよい。
【0027】
また、第2の記録温度において所定の大きさで所定の方向の磁化を持つ第5の磁性層を用い、該第5の磁性層が発生する浮遊磁界を前記第2の記録温度による情報記録時に印加される所定の大きさの磁界として用いてもよい。
【0028】
さらに、第1の磁性層と第2の磁性層との間に第6の磁性層を設けて、前記第1の磁性層の磁化方向と前記第2の磁性層の磁化方向が反平行である場合に、前記第5の磁性層内に所定のエネルギーの磁壁を形成してもよい。
【0029】
さらに、ネール温度が記録温度より高い反強磁性層を用いて第4の磁性層の磁化方向を固定することにしてもよい。
【0030】
上記のとおりの本発明においては、記録層は隣接する層間で互いに磁気的に交換結合される複数の磁性層からなり、非磁性層に隣接する磁性層の磁化方向を記録温度の高低に応じて反転することで1ビットの情報が記録されるが、その反転は、外部磁界によらず、記録層内で生じる交換結合力によって行われる。したがって、従来のように記録層、すなわち非磁性層に隣接する磁性層に磁化反転磁界や磁化飽和磁界が大きな磁性体が用いられても、著しく大きな磁界を印加することなく記録が可能である。
【0031】
具体的には、記録層を構成する複数の磁性層として第1乃至第4の磁性層が用られ、該第1乃至第4の磁性層のキュリー温度の関係が、
第3の磁性層<第1の磁性層<第2の磁性層<第4の磁性層
とされ、第4の磁性層の磁化方向が所定の方向に固定されたものにおいては、
第3の磁性層のキュリー温度よりも高く、第1の磁性層の磁化方向が第2の磁性層との交換結合力により容易に反転する第1の記録温度では、第3の磁性層の磁化が滅磁するとともに、第1の磁性層の磁化反転を容易にし、第2の磁性層との交換結合力により第1の磁性層の磁化方向が第4の磁性層の磁化方向とされて第1の情報が記録され、
第1の記録温度より高く、第2の磁性層の磁化方向が第4の磁性層の磁化方向とは反平行に印加される所定の大きさの磁界の方向に容易に揃えられる第2の記録温度においては、第2の磁性層の磁化方向がその磁界の方向に揃え、該第2の磁性層との交換結合力により第1の磁性層の磁化方向が第4の磁性層の磁化方向とは反平行とされて第2の情報が記録される。
【0032】
上記の場合は、磁界の印加は、第2の磁性層の磁化方向を反転させるために用いられており、情報記録が行われる第1の磁性層の磁化方向はその磁界によっては反転せずに、第2の磁性層との交換結合力によって反転する。
【0033】
本発明のうち、第2の記録温度において所定の大きさの磁化を持つ第5の磁性層を有するものにおいては、この第5の磁性層が発生する浮遊磁界が第2の記録温度時に第2の磁性層に印加されることにより情報記録が行われるので、情報記録時に外部磁界を印加する必要がなくなる。
【0034】
また、本発明のうち、第1の磁性層と第2の磁性層の間に第6の磁性層が形成されたものにおいては、第1の磁性層と第2の磁性層の磁化方向を反平行に向けることを容易にすることが可能である。この場合、第2の磁性層に記録された情報はより安定に保存される。
【0035】
また、本発明のうち、ネール温度が記録温度より高い反強磁性層が第4の磁性層に隣接して設けられているものにおいては、該反強磁性層との交換結合力により第4の磁性層の磁化方向が固定される。したがって、第4の磁性層にそれほど保磁力の大きな材料を用いる必要がなくなり、設計時の第4の磁性層に関する材料選択の自由度が向上する。
【0036】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0037】
図1は、本発明の磁気薄膜メモリ素子に用いらる磁気抵抗効果膜の一実施形態を示す断面構造図である。この磁気抵抗効果膜は、磁性層1、非磁性層2、磁性層3〜6が順次積層されてなる多層膜構造を有する。磁性層1が読み出し層であり、磁性層3〜6が記録層(多層膜)である。磁性層3と磁性層4の間、磁性層4と磁性層5の間、磁性層5と磁性層6の間は、それぞれ交換結合されている。
【0038】
磁性層3〜6の中では、磁性層6のキュリー温度が最も高く、かつ使用温度範囲内では、磁性層6の磁化方向は固定されている。磁性層4のキュリー温度が、磁性層6のキュリー温度に次いで高く、磁性層5のキュリー温度が最も低い。図1には示されていないが、磁性層6の磁化方向を固定するために、ネール温度が記録温度よりも高い材料よりなる反強磁性層を設けて、これと磁性層6とを交換結合させてもよい。
【0039】
上記のような多層膜構造を有する磁気抵抗効果膜は、昇温による記録が可能である。以下、磁気抵抗効果膜を構成する各磁性層を面内磁化膜とした場合と、垂直磁化膜とした場合における情報の記録、再生について詳細に説明する。
【0040】
(1)面内磁化膜の場合
(1−a)情報記録
図2は、図1に示す磁気抵抗効果膜の各磁性層に面内磁化膜を用いた場合の情報記録プロセスを説明するための概念図で、(a)は「1」が記録されているときの磁化方向を示す模式図、(b)は比較的低い記録温度TLまで昇温したときの磁化方向を示す模式図、(c)は比較的高い記録温度THまで昇温したときの磁化方向を示す模式図、(d)は「0」が記録されているときの磁化方向を示す模式図である。図2中、白抜き矢印は磁化の方向を示し、黒矢印(10)は外部より印加される磁界を示す。
【0041】
図2に示す例では、磁気抵抗効果膜はすべての磁性層1、3〜6が面内磁化膜であり、膜面内左向きの方向に外部磁界10が印加されるようになっている。以下の説明では、磁性層3の磁化方向が右向きのときを「1」とし、左向きのときを「0」とする。
【0042】
いま例えば図2(a)に示すように磁性層3〜6の磁化方向がすべて右向きで「1」が記録されている状態であったとして、これを比較的低い記録温度TLまで昇温する。ただし、この比較的低い記録温度TLは、磁性層5のキュリー温度よりも高く、磁性層4との交換結合力によって磁性層3の磁化の方向が容易に反転可能であるような温度である。また、磁性層4は、その比較的低い記録温度TLまで昇温された状態では、外部印加磁界10の影響により磁化反転しないような保磁力を有する。このような条件の下では、比較的低い記録温度TLまで昇温されると、図2(b)に示すように磁性層5の磁化が巨視的に消失する(またはその保磁力エネルギーが小さくなる)が、各磁性層3、5、6の磁化方向はいずれも元の磁化状態(右向き)を維持し、外部印加磁界10による磁化反転は生じない。
【0043】
上記昇温の後、磁気抵抗効果膜が冷却される過程において、膜温度が磁性層5のキュリー温度を下回ると、磁性層5の磁化が磁性層6の磁化方向と同じ方向で揃い、図2(a)の磁化状態に戻る。
【0044】
次いで、図2(a)の状態から比較的高い記録温度THまで昇温する。この比較的高い記録温度THは、磁性層4の磁化方向が外部磁界10の方向に容易に揃うような温度である。このような条件の下では、比較的高い記録温度THまで昇温されると、図2(c)に示すように磁性層5の磁化が巨視的に消失し、外部印加磁界10により磁性層4の磁化方向が左向きとなり(磁化反転)、磁性層3の磁化が磁性層4の磁化方向(左向き)に揃う。ただし、磁性層6は元の磁化状態(右向き)が維持される。
【0045】
上記昇温の後、磁気抵抗効果膜が冷却される過程において、膜温度が磁性層5のキュリー温度を下回ると、磁性層5の磁化が磁性層6の磁化方向(右向き)に揃い、さらに交換結合力によって磁性層4の磁化も磁性層6の磁化方向(右向き)に揃う。ただし、このときの磁性層3と磁性層4の界面における磁壁エネルギーは、磁性層3の保磁力エネルギーよりも小さくなるようにしておく。このため、磁性層3の磁化方向は、外部磁界10の方向に揃っており、磁性層3と磁性層4の界面には磁壁が存在する。
【0046】
上記のようにして比較的高い記録温度THまで昇温されて、膜温度が磁性層5のキュリー温度を下回った後の磁気抵抗効果膜の磁化状態が、図2(d)に示す磁化状態であり、「0」が記録されたことになる。
【0047】
次いで、図2(d)の磁化状態、つまり「0」が記録された状態から比較的低い記録温度TLまで昇温する。比較的低い記録温度TLまで昇温されると、磁性層5の磁化は巨視的に消失する(またはその保磁力エネルギーは小さくなる)ので、磁性層3の磁化は反転して磁性層4の磁化方向に揃い、図2(b)の磁化状態となる。その後の冷却過程において、膜温度が磁性層5のキュリー温度を下回ると、磁性層5の磁化が磁性層6の磁化方向と同じ方向で揃い、図2(a)の磁化状態に戻る。
【0048】
次いで、図2(d)の状態から比較的高い記録温度THまで昇温する。この場合も、図2(a)から比較的高い記録温度THまで昇温した場合と同様に、磁性層5の磁化は巨視的に消失するため、磁性層4の磁化方向は外部磁界10の方向に揃い、図2(c)の磁化状態となる。
【0049】
以上のことから明らかなように、初期状態が「0」と「1」のどちらが記録された状態であっても、比較的低い記録温度TLまで昇温した場合は、「」が記録された状態となり、比較的高い記録温度THまで昇温した場合は、「」が記録された状態となる。この情報記録では、磁性層を昇温し、交換結合力を用いて記録を行うので、小さな印加磁界で記録を行うことができる。
【0050】
(1−b)情報再生
次に、記録情報の再生について詳細に説明する。図3(a)に、磁気抵抗効果膜に「0」が記録された状態における外部磁界の方向を反転させたときの各磁性層の磁化方向と検出される電気抵抗の変化を示し、図3(b)に、磁気抵抗効果膜に「1」が記録された状態における外部磁界の方向を反転させたときの各磁性層の磁化方向と検出される電気抵抗の変化を示す。
【0051】
記録情報の読み出しは、磁性層1の磁化方向を反転させたときに生じる磁気抵抗効果膜の電気抵抗の変化を検出することで行う。具体的には、外部磁界10をまず左向きに向け、次いで右側に向ける。これにより、磁性層1の磁化の方向は、まず左に向き、次いで右に反転することになる。このとき、外部磁界10によって磁性層3の磁化は反転してはならない。
【0052】
「0」が記録されている場合は、図3(a)に示すように、磁性層1の磁化と磁性層3の磁化は、平行状態から反平行状態へと遷移することになるので、磁気抵抗効果膜の電気抵抗は低い状態から高い状態に変化する。「1」が記録されている場合は、図3(b)に示すように、磁性層1の磁化と磁性層3の磁化は、反平行状態から平行状態へと遷移することになるので、磁気抵抗効果膜の電気抵抗は高い状態から低い状態へと変化する。この電気抵抗の変化の違いにより記録された情報を読み出すことが可能である。
【0053】
上記の読み出し方法では、磁性層1の磁化方向を反転させるために、読み出し層である磁性層1に印加する磁界10を反転させるようにしているが、室温よりも高く記録温度よりも低い温度範囲に補償温度を有するフェリ磁性体を磁性層1に用いることにより、印加する磁界10の方向を変化させることなく読み出しが可能となる。
【0054】
図4は、読み出し層である磁性層にフェリ磁性体を用いた磁気抵抗効果膜の情報再生原理を説明するための図で、(a)は室温における磁化状態を模式的に示す断面図、(b)は昇温時における磁化状態を模式的に示す断面図である。この磁気抵抗効果膜は、読み出し層である磁性層1にフェリ磁性体を用いた以外は、前述の図1に示した磁気抵抗効果膜と同様のものである。
【0055】
磁性層1は、副格子磁化11と副格子磁化12が反平行に向いており、室温において副格子磁化11が優勢となるように構成されている。この磁性層1に室温において外部磁界10(右向き)が印加された場合は、図4(a)に示すように、副格子磁化11が右向き、副格子磁化12が左向きとなる。この時点では、副格子磁化11(右向き)が優勢となっている。
【0056】
次に、外部磁界10の向きを変えずに、磁気抵抗効果膜を比較的低い記録温度TLよりも低く、かつ磁性層1の補償温度よりも高い温度まで昇温すると、図4(b)に示すように、副格子磁化11は副格子磁化12よりも小さくなるととも、それぞれの磁化の向きが反転(副格子磁化11が左向きになり、副格子磁化12が右向きになる)する。つまり、磁気抵抗効果膜の昇温により、磁性層1の各副格子の磁化方向が反転可能である。この時点では、副格子磁化12(左向き)が優勢となっている。
【0057】
ここで、補償温度について簡単に説明する。図5は、フェリ磁性体の温度補償を説明するための特性図である。縦軸に自発磁化をとり、横軸に温度をとってある。ここではフェリ磁性体として希土類金属と遷移金属からなる合金を例にとって説明する。白抜き矢印は自発磁化を表し、黒線矢印は遷移金属副格子磁化を表し、破線矢印は希土類副格子磁化を表している。図5に示すように、フェリ磁性体の自発磁化は温度上昇とともに減少し、ある温度で自発磁化の向きが反転する。この自発磁化の向きが反転する温度を補償温度といい、この補償温度では飽和磁化Msはゼロになる。ただし、飽和磁化Msがゼロになっても、図5に示すように副格子は磁化モーメントを持つ。この補償温度は、磁性層1の組成比によって変わる。
【0058】
以上説明した磁気抵抗効果膜は外部磁界10の印加により情報の記録が行われるようになっているが、情報記録のための磁界を印加する機能を磁気抵抗効果膜自体に付加することにより、外部磁界10を印加することなく情報の記録を行うことも可能である。
【0059】
図6は、外部磁界なしに情報の記録を行うことが可能な磁気抵抗効果膜における磁化方向と浮遊磁界の方向を模式的に示す断面図である。この磁気抵抗効果膜は、図1に示した構成に加えて、磁性層6の側に新たな磁性層7が設けられている。この磁性層7は、情報記録に必要な浮遊磁界20を発生するもので、記録温度において大きな磁化を持ち、磁性層6とは直接接しないように設けられている。この磁性層7の磁化の向きは固定されており、その方向は、磁性層5を介して交換結合力によって生じる、磁性層6の磁化方向に依存した磁性層4の磁化の方向に対して反平行に浮遊磁界20が印加されるような方向である。この磁気抵抗効果膜においても、外部磁界10に代えて浮遊磁界20が利用される点が異なるだけで、その情報の記録は、前述の図2および図4に示した磁気抵抗効果膜の情報の記録と同じである。なお、記録情報の読み出しは、前述の図4に示した構造の磁気抵抗効果膜の場合は、印加磁界の反転を必要としないため問題とならないが、図2に示した構造の磁気抵抗効果膜の場合は、何らかの方法で磁界を反転させる必要がある(図3参照)。この場合は、磁性層7をフェリ磁性体より構成し、そのフェリ磁性体の温度補償を境として浮遊磁界の方向を反転させることで、情報の読み出しを行うことができる。
【0060】
上記図6の例の他に、磁性層4との交換結合力によって磁性層3の磁化方向が反転して記録情報が消失することを防ぐために、図7に示すように、磁性層3と磁性層4の間に、磁壁エネルギーが小さい材料を用いた磁性層8を形成してもよい。
【0061】
以上説明した、面内磁化膜を用いた磁気抵抗効果膜の構成において、磁性層1、3〜8として、Co、Fe、Niやこれらの合金を用いることが可能である。さらにはSb、V、Cr、Si、Al、Zn、Mn、Cu、Rh、Ru、Ir、Os、W、Mo、Nb、Re、Ga、Ge、Sn、Pt、Pd等を適量添加することにより、所望のキュリー温度、磁壁エネルギー、保磁力等の磁気特性を調整することも可能である。
【0062】
さらに、反強磁性層を磁性層6と交換結合させるように形成し、磁性層6の磁化方向を固定してもよい。反強磁性層に使用する反強磁性体としては、ネール温度が高いものが好ましく、例えばα−Fe23、NiO、MnIr、MnPt、MnCr、CrAl、CrGa等が使用可能である。
【0063】
(2)垂直磁化膜の場合
(2−a)情報記録
図8は、図1に示す磁気抵抗効果膜の各磁性層に垂直磁化膜を用いた場合の情報記録プロセスを説明するための概念図で、(a)は「1」が記録されているときの磁化方向を示す模式図、(b)は比較的低い記録温度TLまで昇温したときの磁化方向を示す模式図、(c)は比較的高い記録温度THまで昇温したときの磁化方向を示す模式図、(d)は「0」が記録されているときの磁化方向を示す模式図である。図8中、白抜き矢印は磁化の方向を示し、黒矢印(10)は外部より印加される磁界を示す。
【0064】
図8に示す例では、磁気抵抗効果膜はすべての磁性層1、3〜6が垂直磁化膜であり、垂直磁化の方向に外部磁界10が印加されるようになっている。ここでは、磁性層3の磁化方向が上向きのときを「1」とし、下向きのときを「0」とする。この磁気抵抗効果膜における記録プロセスは、前述の図2に示した面内磁化膜を用いた場合と同様であり、やはり比較的低い記録温度TLまで昇温(図8(b)の状態)した場合は、「1」が記録され(図8(a)の状態)、比較的高い記録温度THまで昇温(図8(c)の状態)した場合には、「0」が記録される(図8(d)の状態)。
【0065】
本例の垂直磁化膜を用いた磁気抵抗効果膜においても、面内磁化膜を用いた場合と同様に磁性層1にフェリ磁性体を用いることによって、外部磁界10の方向を変えることなく記録された情報の読み出しが可能である。図9は、読み出し層である磁性層にフェリ磁性体を用いた磁気抵抗効果膜の情報再生原理を説明するための図で、(a)は室温における磁化状態を模式的に示す断面図、(b)は昇温時における磁化状態を模式的に示す断面図である。この磁気抵抗効果膜は、読み出し層である磁性層1にフェリ磁性体を用いた以外は、前述の図8に示した磁気抵抗効果膜と同様のものである。
【0066】
図9において、磁性層1は、副格子磁化11と副格子磁化12が反平行に向いており、室温において副格子磁化11が優勢となるように構成されている。室温において磁性層1に外部磁界10(下向き)が印加された状態では、図9(a)に示すように、副格子磁化11が下向き、副格子磁化12が上向きとなる。この時点では、副格子磁化11(上向き)が優勢となっている。
【0067】
外部磁界10の向きを変えずに、磁気抵抗効果膜を比較的低い記録温度TLよりも低く、かつ磁性層1の補償温度よりも高い温度まで昇温すると、図9(b)に示すように、副格子磁化11は副格子磁化12よりも小さくなるととも、それぞれの磁化の向きが反転(副格子磁化11が上向きになり、副格子磁化12が下向きになる)する。つまり、磁気抵抗効果膜の昇温により、磁性層1の各副格子の磁化方向が反転可能である。
【0068】
また、本例の垂直磁化膜を用いた磁気抵抗効果膜においても、前述の面内磁化膜を用いた場合と同様に、磁気抵抗効果膜に磁界を印加する機能を磁気抵抗効果膜自体に付加することにより、記録時に外部磁界10を印加することなく情報の記録が可能である。
【0069】
図10は、外部磁界なしに情報の記録を行うことが可能な磁気抵抗効果膜における磁化方向と浮遊磁界の方向を模式的に示す断面図である。この磁気抵抗効果膜は、図8に示した構成に加えて、磁性層6の側に新たな磁性層7が設けられている。この磁性層7は、情報記録に必要な浮遊磁界20を発生するもので、記録温度において大きな磁化を持ち、磁性層6とは直接接しないように設けられている。この磁性層7の磁化の向きは固定されており、その方向は、磁性層5を介して交換結合力によって生じる、磁性層6の磁化方向に依存した磁性層4の磁化の方向に対して反平行に浮遊磁界20が印加されるような方向である。この磁気抵抗効果膜においても、外部磁界10に代えて浮遊磁界20が利用される点が異なるだけで、その情報の記録は、前述の図8および図9に示した情報の記録と同じである。なお、記録情報の読み出しについては、図9に示した構造の磁気抵抗効果膜の場合は、印加磁界の反転を必要としないため問題とならないが、図8に示した構造の磁気抵抗効果膜の場合は、何らかの方法で磁界を反転させる必要がある。この場合は、磁性層7をフェリ磁性体より構成し、そのフェリ磁性体の温度補償を境として浮遊磁界の方向を反転させることで、情報の読み出しを行うことができる。
【0070】
上述の垂直磁化膜を用いた磁気抵抗効果膜において、各磁性層1、3〜7に用いられる材料としては、Tb、Dy、Gd、Nd等の希土類金属の中から選ばれた少なくとも一元素とFe、Co、Ni等の遷移金属の中から選ばれた少なくとも一元素からなる希土類遷移金属合金、Pt/Co、Pd/Co等の遷移金属と貴金属からなる合金や人工格子多層膜、CoCr合金等、キュリー温度が室温よりも高く垂直磁化を示すものであれば使用可能であるが、特に希土類遷移金属合金は、その組成を調整することによって所望の磁気特性を得ることが容易であるので好ましい。また、大きな磁気抵抗変化を得るためには、磁性層1と磁性層3にスピン分極率の大きな材料を用いることが好ましい。
【0071】
以上説明した磁気抵抗効果膜により構成される本形態の磁気薄膜メモリ素子において、磁気抵抗効果膜を加熱する方法は特に限定するものではないが、例えば、磁気抵抗効果膜の近くに発熱体を形成して熱伝導により加熱する方法がある。この場合、発熱体としてはニッケルクロム合金や鉄クロムアルミニウム合金等が使用可能である。
【0072】
磁気薄膜メモリでは、磁気薄膜抵抗膜と発熱体とを有する磁気薄膜メモリ素子が複数配置され、選択的に発熱体に電流を流すことで、磁気薄膜メモリ素子の磁気薄膜抵抗膜を加熱して情報を記録する。選択的に発熱体に電流を流す回路としては、周知のMRAMの選択回路を使用することができる。
【0073】
磁気薄膜メモリ素子の磁気薄膜抵抗膜を効率よく昇温するためには、発熱体と磁気薄膜抵抗膜は極力近い場所に配置する必要がある反面、両者は電気的に独立している必要がある。したがって、発熱体と磁気抵抗効果膜は熱伝導率の高い絶縁層を介して隣接して形成されていることが好ましい。このような絶縁体としては、BeOが挙げられる。また、熱伝導率が著しく高い材料でなくても電気抵抗率が高く、かつ絶縁破壊が起きにくい材料であれば、膜厚を薄くすることにより使用可能である。そのような材料としては、例えばAl23やSi34等が挙げられる。
【0074】
発熱体や磁気抵抗効果膜を半導体と電気的に接続する場合は、半導体の熱的ダメージを低減するため、または熱効率を高めるために、発熱体または磁気抵抗効果膜を電気抵抗が低く、かつ、熱伝導率が小さい導体によって形成された層を介して半導体に接続することが好ましい。そのような材料としては、例えばTiが挙げられる。
【0075】
なお、磁気抵抗効果膜の昇温は、上記発熱体による加熱の他、発光体から発せられた光を磁気抵抗効果膜に照射して直接加熱する方法によっても可能である。
【0076】
【実施例】
次に、本発明の磁気薄膜メモリについて具体例を挙げてその構成を説明する。
【0077】
(実施例1)
図11は、本発明の第1の実施例の磁気薄膜メモリ素子の概略構成を示す断面図、図12は、その磁気薄膜メモリ素子に用いられる磁気抵抗効果膜の断面図である。
【0078】
この磁気薄膜メモリは、基板21としてSiウエハーが用いられており、その表面を酸化処理することで、約1μmのSiO2膜22が形成されている。SiO2膜22上部には、膜厚50nmのAl50Cu50膜によりなるワード線23が形成され、さらにその上部にn型半導体24、p型半導体25、熱遮断膜26が順次積層されている。熱遮断膜26には、膜厚100nmのTiを用いている。
【0079】
熱遮断膜26の上部には磁気抵抗効果膜40、膜厚50nmのAl50Cu50膜よりなるビット線27が形成されており、さらにその上部に絶縁膜28、下部電極29、発熱体30が形成されている。発熱体30は、磁気抵抗効果膜40を昇温するためのもので、磁気抵抗効果膜40上にビット線27上部の電気絶縁膜28を介して形成されており、その下部において膜厚50nmのAl50Cu50膜よりなる下部電極29と電気的に接続されている。ここでは、発熱体30に膜厚100nmのNi75Cr23Mn2を用いている。
【0080】
発熱体30の上部には、膜厚100nmのTi膜よりなる熱遮断膜31が形成され、さらにその上にp型半導体32、n型半導体33、膜厚50nmのAl50Cu50膜よりなる上部電極34が形成されている。上部電極34の上部には、記録情報再生時に外部より磁界を印加するために、絶縁層35を介して膜厚100nmのAlよりなる導線36が形成されている。
【0081】
磁気抵抗効果膜40は、前述の図1に示した磁気抵抗効果膜を基本とするもので、図12に示すように磁性層41、非磁性層42、磁性層43、48、44〜46、反強磁性層49が順次積層されてなる多層膜構造を有する。磁性層41、非磁性層42、磁性層43〜46がそれぞれ図1に示した磁性層1、非磁性層2、磁性層3〜6に対応する。また、磁性層48は図7に示した磁性層8に対応する。反強磁性層49は、磁性層46の磁化方向を固定するためのもので、その一方向異方性は所定の方向に固定されており、磁性層46と交換結合されている。
【0082】
本例では、磁性層41は膜厚15nmのNi79Fe21膜、非磁性層42は膜厚2nmのAl23膜、磁性層43は膜厚5nmのCo50Fe50膜、磁性層44は膜厚2nmのCo膜、磁性層45は膜厚3nmのNi92Cr8膜、磁性層46は膜厚5nmのCo膜、磁性層48は膜厚5nmのFe80Cr20膜、反強磁性層49は膜厚5nmのMn70Ir30膜とした。
【0083】
以上のように構成される本例の磁気薄膜メモリ素子において、情報の記録は、上部電極34と下部電極29を介して、磁気抵抗効果薄膜40の上部に形成された発熱体30に電流を流して磁気抵抗効果薄膜40を適当に昇温することにより行われる。磁気抵抗効果薄膜40の温度は、発熱体30に流す電流の大きさを調整することで所望の温度とすることができる。情報記録の際には、磁気抵抗効果薄膜40の膜面内左方向に磁界を印加する。
【0084】
記録情報の読み出しは、ビット線27とワード線23に定電流を流すとともに、導線36に電流を流して磁性層41に磁界を印加する。このとき、導線36に流す電流の方向を変えることで、磁性層41に印加する磁界の方向を反転させる。そうすることによって、磁性層41の磁化は、印加された磁界の方向に揃って反転し、その結果、磁気抵抗効果膜40の抵抗値に記録情報に伴った磁気抵抗変化を生ずる。
【0085】
本例の磁気薄膜メモリ素子において、磁気抵抗効果薄膜40を比較的高い記録温度THまで昇温した後、磁気抵抗効果薄膜40の抵抗値を測定したところ、磁気抵抗の値は増加する方向に変化した。また、磁気抵抗効果薄膜40を比較的低い記録温度TLまで昇温した後、磁気抵抗効果薄膜40の抵抗値を測定したところ、磁気抵抗の値は減少する方向に変化した。この結果から、記録温度の違い(高低)に応じて1ビットの情報を記録でき、再生できることが分かる。
【0086】
図13は、図11に示した磁気薄膜メモリ素子を複数有する磁気薄膜メモリの概略構成を示す回路図である。図13中、図11に示した構成と同じものには、同じ符号を付している。
【0087】
この磁気薄膜メモリは、ワード線23、ビット線27が縦横に複数設けられ、それらの各交差部に磁気薄膜メモリ素子100が設けられている。ワード線23に沿って磁界印加用の導線36および上部電極34が設けられ、ビット線27に沿って下部電極29が設けられている。磁気薄膜メモリ素子100は行列状に複数配置されているが、いずれも同じ構成であるので、ここでは図13の右上に位置する磁気薄膜メモリ素子を例にとってその構成を詳細に説明する。
【0088】
磁気薄膜メモリ素子100は、図11に示した構造のもので、磁気抵抗効果膜40、発熱体30、ダイオードD1(n型半導体24およびp型半導体25)、ダイオードD2(n型半導体33およびp型半導体32)を有する。磁気抵抗効果膜40は、一端がダイオードD1を介してワード線23と接続され、他端がビット線27と接続されている。発熱体30は、一端がダイオードD2を介して上部電極34と接続され、他端が下部電極29と接続されている。
【0089】
ワード線23の一端はトランジスタTr3の一方の端子と接続されている。トランジスタTr3の他方の端子は固定抵抗Rの一端に接続されるとともに、センスアンプSAの一方の入力端子に接続されている。固定抵抗Rの他端は、電源101を介して接地されている。ビット線27の一端はトランジスタTr4、Tr5の一方の端子にそれぞれ接続されている。トランジスタTr5の他方の端子は接地され、トランジスタTr4の他方の端子は電源102を介して接地されている。
【0090】
上部電極34の一端はトランジスタTr1の一方の端子に接続されている。トランジスタTr1の他方の端子は、電源103を介して接地されている。下部電極29の一端はトランジスタTr6を介して接地され、導線36の一端はトランジスタTr2を介して接地されている。
【0091】
次に、この磁気薄膜メモリの情報記録動作について説明する。
【0092】
トランジスタTr1、Tr6をそれぞれオンにすることにより、上部電極34と下部電極29を介して発熱体30に所望の大きさの電流を流すことができ、これにより、磁気抵抗効果薄膜40を所望の記録温度に昇温して情報を記録することができる。情報記録時には、トランジスタTr2をオンとして、導線36に所定の方向に所定の大きさの電流を流し、該導線36にて発生する磁界を磁気薄膜メモリ素子100の磁気抵抗効果薄膜40に対して印加する。本例では、磁気薄膜メモリ素子100が行列状に複数配置されており、各上部電極34に設けられているトランジスタTr1、各下部電極29に設けられているトランジスタTr6、各導線36に設けられているトランジスタTr2をそれぞれオン・オフ制御することにより、特定の磁気薄膜メモリ素子100の発熱体30に選択的に電流を流すことができ、その磁気抵抗効果薄膜40に対して磁界を印加することができる。
【0093】
続いて、記録情報の読み出し動作について説明する。
【0094】
▲1▼まず、選択する磁気薄膜メモリ素子100に接続されているビット線27のトランジスタTr5をオンにし、トランジスタTr4をオフにする。これ以外のビット線については、その逆の状態、すなわちトランジスタTr5をオフにし、トランジスタTr4をオンにする。また、選択する磁気薄膜メモリ素子100に接続されているワード線23のトランジスタTr3をオンにする。ここで、ワード線23に電源電圧(電源101)はビット線27に接続されている電源電圧(電源102)よりも若干低い値であり、その電圧の差は磁気薄膜メモリ素子100を構成するダイオードD1のツェナー電圧よりも小さくなるように設定されている。このため、選択する磁気薄膜メモリ素子100の磁気抵抗効果膜40の一端はダイオードD1を介してプラスの電圧が印加され、他端はグランドに落ちた状態になり、その磁気抵抗効果膜40に定電流が流れる。なお、その他の磁気薄膜メモリ素子では、トランジスタTr4がオンとされているためにビット線側に高い電圧が印加されることとなり、ダイオードの働きにより磁気抵抗効果膜には電流は流れない。
【0095】
▲2▼上記のようにして選択された磁気薄膜メモリ素子100の磁気抵抗効果膜40に定電流を流した状態で、導線36に順方向に電流を流して磁界を発生させ、次いで逆方向に電流を流して先の磁界とは逆方向に磁界を発生させる。この動作によって、選択された磁気薄膜メモリ素子100の磁気抵抗効果膜40の非磁性層を介して積層されている読み出し層(磁性層41)および記録層(磁性層43)の磁化方向は反平行から平行、あるいは平行から反平行へと変化することとなり、磁気抵抗効果膜40の抵抗が変化する。
【0096】
▲3▼選択された磁気薄膜メモリ素子100の磁気抵抗効果膜40と固定抵抗Rは直列に接続されているので、それぞれの抵抗にかかる電位差はそれらの抵抗値の比率に比例し、それらの抵抗にかかる電位差の和は2つの電源(101、102)の電圧の差で一定である。したがって、磁気抵抗効果膜40の抵抗値が変化すると、この磁気抵抗効果膜40にかかる電位差が変化することになる。この電位差の変化量をセンスアンプSAで検出することにより、記録情報を読み出す。
【0097】
(実施例2)
図14は、本発明の第2の実施例の磁気薄膜メモリ素子の概略構成を示す断面図、図15は、その磁気薄膜メモリに用いられる磁気抵抗効果膜の断面図である。
【0098】
この磁気薄膜メモリ素子は、導線36および絶縁層35が無いこと、磁気抵抗効果膜40の構成が異なること以外は、上述の第1の実施例の磁気薄膜メモリ素子の構成と同じである。
【0099】
磁気抵抗効果膜40は、前述の図9および図10に示した磁気抵抗効果膜を基本とするもので、図15に示すように磁性層41、非磁性層42、磁性層43、48、44〜46が順次積層され、さらに磁性層46の側に該磁性層46とは接しないように磁性層47が設けられた多層膜構造を有する。磁性層41、非磁性層42、磁性層43〜47はそれぞれ図9に示した磁性層1、非磁性層2、磁性層3〜6および図10に示した磁性層7に対応する。また、磁性層48は、磁性層44との交換結合力によって磁性層43の磁化方向が反転して記録情報が消失することを防ぐために設けられたもので、図7に示した磁性層8と同様の働きをする。
【0100】
本例では、磁性層41に膜厚10nmのGd26Co74膜、非磁性層42に膜厚2nmのAl23膜、磁性層43に膜厚10nmのTb22Fe75Co3膜、磁性層44に膜厚20nmのDy20Fe62Co18膜、磁性層45に膜厚3nmのTb17Fe83膜、磁性層46に膜厚30nmのTb22Co78膜、磁性層47に膜厚20nmのTb18Fe41Co41膜、磁性層48に膜厚5nmのGd32Co68膜を用いた。情報を保持する磁性層43の保磁力は、ここでは6MA/m以上と著しく大きくしてある。
【0101】
本例においても、情報の記録は、上述の第1の実施例の場合と同様に、発熱体30に電流を流し、磁気抵抗効果膜40を昇温することで磁性層43に情報を記録する。ただし、記録時に、磁気抵抗効果膜40に印加される磁界は、外部磁界ではなく、磁性層47にて発生する浮遊磁界である。
【0102】
図16は、情報再生時における抵抗値の変化を説明するための図で、(a)は「0」が記録されている場合の各磁性層の磁化方向および抵抗値の変化を示す図、(b)は「1」が記録されている場合の各磁性層の磁化方向および抵抗値の変化を示す図である。
【0103】
室温において磁性層41は、Gd副格子磁化81が優勢であり、磁性層47から発生している浮遊磁界とGd副格子磁化81の方向は平行、浮遊磁界とCo副格子磁化82の方向は反平行となっている(図16の(a)、(b)の室温のときの磁化状態)。この状態から、磁性層41をその補償温度よりも僅かに高い温度(ただし、記録温度よりは低い)まで昇温する。そうすると、磁性層41の磁化はCo副格子磁化82が優勢となり、昇温に伴う磁化反転により磁性層47から発生している浮遊磁界とCo副格子磁化82の方向が平行となり、浮遊磁界とGd副格子磁化81の方向は反平行となる(図16の(a)、(b)の昇温時の磁化状態)。このように、磁性層41を昇温することによって磁化状態が反転するので、図16(a)、(b)に示すような記録情報を伴った磁気抵抗変化を生ずる。
【0104】
本例の磁気薄膜メモリ素子において、比較的低い記録温度まで昇温した後、図16(a)に示したような昇温による検出を行った結果、磁気抵抗の値は減少する方向に変化し、比較的高い記録温度まで昇温した後、図16(b)に示したような昇温による検出を行った結果、磁気抵抗の値は増加する方向に変化した。この結果から、記録温度の違い(高低)に応じて1ビットの情報を記録でき、再生できることが分かる。
【0105】
図17は、図14に示した磁気薄膜メモリ素子を複数有する磁気薄膜メモリの概略構成を示す回路図である。この磁気薄膜メモリは、導線36およびトランジスタTR2が無いこと、磁気薄膜メモリ素子100の構成が異なること以外は、上述の図13に示したものと同じである。図17中、図13に示した構成と同じものには、同じ符号を付している。
【0106】
この磁気薄膜メモリは、磁気薄膜メモリ素子100として図14に示した磁気薄膜メモリ素子が用いられている。情報記録は、図13に示した磁気薄膜メモリにおける動作と基本的には同じであるが、情報記録時に印加される磁界として、導線36にて発生する磁界に代えて、磁気薄膜メモリ素子100を構成する磁性層47にて発生する浮遊磁界が用られる。よって、本例の磁気薄膜メモリにおける記録動作では、図13に示した磁気薄膜メモリにおける記録動作で必要であった、「トランジスタTr1をオンとして、導線36に所定の方向に所定の大きさの電流を流し、該導線36にて発生する磁界を磁気薄膜メモリ素子100の磁気抵抗効果薄膜40に対して印加する」という動作が必要なくなる。これ以外の記録動作は、図13に示した磁気薄膜メモリにおける動作と同じである。
【0107】
記録情報の読み出しについては、図13に示した磁気薄膜メモリにおける読み出し動作▲1▼〜▲3▼のうち、▲2▼の動作が異なるだけで、その他は同じである。以下、本例における▲2▼の動作について説明する。
【0108】
本例では、磁気薄膜メモリ素子100の磁気抵抗効果膜40は、図16に示したように読み出し層である磁性層41をその補償温度よりも僅かに高い温度(ただし、記録温度よりは低い)まで昇温することで、その磁化(Gd副格子磁化81およびCo副格子磁化82)の方向を反転させて、記録情報の読み出しを行う。
【0109】
動作▲1▼のようにして選択された磁気薄膜メモリ素子100の磁気抵抗効果膜40に定電流を流した状態で、トランジスタTr1、Tr6をそれぞれオンにすることにより、上部電極34と下部電極29を介して発熱体30に所望の大きさの電流を流し、磁気抵抗効果薄膜40の磁性層41を室温からその補償温度よりも僅かに高い温度(ただし、記録温度よりは低い)まで昇温する。この動作によって、選択された磁気薄膜メモリ素子100の磁気抵抗効果膜40の非磁性層を介して積層されている読み出し層(磁性層41)および記録層(磁性層43)の磁化方向は、磁性層41の補償温度を境にして反平行から平行、あるいは平行から反平行へと変化することとなり、磁気抵抗効果膜40の抵抗が変化する。この抵抗変化に応じた電位差の変化量をセンスアンプSAで検出することにより、記録情報を読み出す。
【0110】
上記の磁気薄膜メモリにおいては、磁気薄膜メモリ素子100の磁気抵抗効果膜40の磁性層41としてフェリ磁性体よりなる磁性層が用いられているため、記録情報の読み出しに印加磁界の反転を必要としないが、磁性層41にそのようなフェリ磁性体を用いない場合には、記録情報の読み出しの際に印加磁界を何らかの方法で反転させる必要がある。そのような場合は、磁性層47をフェリ磁性体より構成し、そのフェリ磁性体の温度補償を境として浮遊磁界の方向を反転させることで、情報の読み出しを行うことができる。この場合、上記の▲2▼の動作は、磁性層47の浮遊磁界を反転させるための動作となる。すなわち、動作▲1▼のようにして選択された磁気薄膜メモリ素子100の磁気抵抗効果膜40に定電流を流した状態で、トランジスタTr1、Tr6をそれぞれオンにすることにより、上部電極34と下部電極29を介して発熱体30に所望の大きさの電流を流し、磁気抵抗効果薄膜40の磁性層47を室温からその補償温度よりも僅かに高い温度(ただし、記録温度よりは低い)まで昇温する。この動作によって、選択された磁気薄膜メモリ素子100の磁気抵抗効果膜40の非磁性層を介して積層されている読み出し層(磁性層41)および記録層(磁性層43)の磁化方向は、磁性層47の補償温度を境にして反平行から平行、あるいは平行から反平行へと変化することとなり、磁気抵抗効果膜40の抵抗が変化する。この抵抗変化に応じた電位差の変化量をセンスアンプSAで検出することにより、記録情報を読み出す。
【0111】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、基本的には記録層内で生じる交換結合力によって情報の記録が行われるので、小さな印加磁界によって磁化の方向を反転することが困難な磁性体を用いた場合であっても、印加磁界を大きくすることなく記録が可能である。よって、記録層の磁性体の組成、成膜条件、膜構成等の選択性を向上させることができ、結果的に、製造における歩留まりの向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気薄膜メモリ素子に用いらる磁気抵抗効果膜の一実施形態を示す断面構造図である。
【図2】図1に示す磁気抵抗効果膜を用いた場合の情報記録プロセスを説明するための概念図で、(a)は「1」が記録されているときの磁化方向を示す模式図、(b)は比較的低い記録温度TLまで昇温したときの磁化方向を示す模式図、(c)は比較的高い記録温度THまで昇温したときの磁化方向を示す模式図、(d)は「0」が記録されているときの磁化方向を示す模式図である。
【図3】図1に示す磁気抵抗効果膜を用いた場合の情報再生プロセスを説明するための図で、(a)は磁気抵抗効果膜に「0」が記録された状態における外部磁界の方向を反転させたときの各磁性層の磁化方向と検出される電気抵抗の変化を示す模式図、(b)は磁気抵抗効果膜に「1」が記録された状態における外部磁界の方向を反転させたときの各磁性層の磁化方向と検出される電気抵抗の変化を示す模式図である。
【図4】図1に示す磁気抵抗効果膜の読み出し層にフェリ磁性体を用いた場合の情報再生原理を説明するための図で、(a)は室温における磁化状態を模式的に示す断面図、(b)は昇温時における磁化状態を模式的に示す断面図である。
【図5】フェリ磁性体の温度補償を説明するための特性図である。
【図6】図1に示す磁気抵抗効果膜の一変形例である、外部磁界なしに情報の記録を行うことが可能な磁気抵抗効果膜における磁化方向と浮遊磁界の方向を模式的に示す断面図である。
【図7】図1に示す磁気抵抗効果膜の一変形例を示す図である。
【図8】図1に示す磁気抵抗効果膜の各磁性層に垂直磁化膜を用いた場合の情報記録プロセスを説明するための概念図で、(a)は「1」が記録されているときの磁化方向を示す模式図、(b)は比較的低い記録温度TLまで昇温したときの磁化方向を示す模式図、(c)は比較的高い記録温度THまで昇温したときの磁化方向を示す模式図、(d)は「0」が記録されているときの磁化方向を示す模式図である。
【図9】図1に示す磁気抵抗効果膜の読み出し層にフェリ磁性体を用いた磁気抵抗効果膜の情報再生原理を説明するための図で、(a)は室温における磁化状態を模式的に示す断面図、(b)は昇温時における磁化状態を模式的に示す断面図である。
【図10】図1に示す磁気抵抗効果膜の一変形例である、外部磁界なしに情報の記録を行うことが可能な磁気抵抗効果膜における磁化方向と浮遊磁界の方向を模式的に示す断面図である。
【図11】本発明の第1の実施例の磁気薄膜メモリ素子の概略構成を示す断面図である。
【図12】図11に示す磁気薄膜メモリ素子に用いられる磁気抵抗効果膜の断面図である。
【図13】図11に示す磁気薄膜メモリ素子を複数有する磁気薄膜メモリの概略構成を示す回路図である。
【図14】本発明の第2の実施例の磁気薄膜メモリ素子の概略構成を示す断面図である。
【図15】図14に示す磁気薄膜メモリに用いられる磁気抵抗効果膜の断面図である。
【図16】図14に示す磁気薄膜メモリの情報再生時における抵抗値の変化を説明するための図で、(a)は「0」が記録されている場合の各磁性層の磁化方向および抵抗値の変化を示す模式図、(b)は「1」が記録されている場合の各磁性層の磁化方向および抵抗値の変化を示す模式図である。
【図17】図14に示す磁気薄膜メモリ素子を複数有する磁気薄膜メモリの概略構成を示す回路図である。
【図18】面内磁化膜を用いた従来の磁気抵抗効果膜の電気抵抗を説明するための図で、(a)は磁気抵抗効果膜の磁化が平行な状態を模式的に示す断面図、(b)は磁気抵抗効果膜の磁化が反平行な状態を模式的に示す断面図である。
【図19】面内磁化膜を用いた従来の磁気抵抗効果膜における記録再生原理を説明するための図で、(a)および(b)は、記録情報「1」の読み出しを行う場合の磁化の状態を模式的に示す断面図、(c)および(d)は、記録情報「0」の読み出しを行う場合の磁化の状態を模式的に示す断面図である。
【図20】垂直磁化膜を用いた従来の磁気抵抗効果膜における記録再生原理を説明するための図で、(a)および(b)は、記録情報「1」の読み出しを行う場合の磁化の状態を模式的に示す断面図、(c)および(d)は、記録情報「0」の読み出しを行う場合の磁化の状態を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
1、3〜8、41、43〜48、141、143 磁性層
2、42、142 非磁性層
49 反強磁性層
10 外部磁界
11、12 副格子磁化
20 浮遊磁界
21 基板
22 SiO2
23 ワード線
24、33 n型半導体
25、32 p型半導体
26、31 熱遮断膜
27 ビット線
28、35 絶縁膜
29 下部電極
30 発熱体
34 上部電極
36 導線
40 磁気抵抗効果膜
81 Gd副格子磁化
82 Co副格子磁化
100 磁気薄膜メモリ素子
Tr1〜Tr6 トランジスタ
101〜103 電源
SA センスアンプ
R 固定抵抗
D1、D2 ダイオード

Claims (17)

  1. 読み出し層および記録層が非磁性層を介して積層された磁気抵抗効果膜を有する磁気薄膜メモリ素子において、
    前記記録層は、隣接する層間で互いに磁気的に交換結合される複数の磁性層が積層されており、記録温度の高低に応じて、前記非磁性層に隣接する磁性層の磁化方向が該記録層内で生じる交換結合力によって反転可能であり、該磁性層の磁化方向に応じて、前記読み出し層の磁化方向を反転させた際に生じる前記磁気抵抗効果膜の磁気抵抗変化が異なることを特徴とする磁気薄膜メモリ素子。
  2. 記録層は、少なくとも第1乃至第4の磁性層が順次積層されており、該第1乃至第4の磁性層は、それぞれの磁性層のキュリー温度が、
    第3の磁性層<第1の磁性層<第2の磁性層<第4の磁性層
    の関係にあり、第4の磁性層の磁化方向が所定の方向に固定されており、
    記録温度の高低に応じて前記第1の磁性層に1ビットの情報が記録可能であることを特徴とする請求項1に記載の磁気薄膜メモリ素子。
  3. 高い方の記録温度において所定の大きさで所定の方向の磁化を持ち、該磁化により発生する浮遊磁界によって第2の磁性層の磁化の反転が可能な第5の磁性層をさらに有することを特徴とする請求項2に記載の磁気薄膜メモリ素子。
  4. 第1の磁性層と第2の磁性層との間に、これら磁性層の磁化方向が反平行である場合に層内に所定のエネルギーの磁壁が形成される第6の磁性層を有することを特徴とする請求項2に記載の磁気薄膜メモリ素子。
  5. ネール温度が記録温度より高い反強磁性層が第4の磁性層に隣接して設けられていることを特徴とする請求項2に記載の磁気薄膜メモリ素子。
  6. 読み出し層がフェリ磁性層であり、その補償温度が室温より高く、記録温度より低いことを特徴とする請求項1に記載の磁気薄膜メモリ素子。
  7. 読み出し層および記録層を構成する磁性層が面内磁化膜であることを特徴とする請求項1に記載の磁気薄膜メモリ素子。
  8. 読み出し層および記録層を構成する磁性層が垂直磁化膜であることを特徴とする請求項1に記載の磁気薄膜メモリ素子。
  9. 垂直磁化膜が希土類と遷移金属の合金からなることを特徴とする請求項8に記載の磁気薄膜メモリ素子。
  10. 読み出し層および記録層を構成する磁性層がスピン依存トンネル効果膜であることを特徴とする請求項1に記載の磁気薄膜メモリ素子。
  11. 請求項1乃至10のいずれかに記載の磁気薄膜メモリ素子を複数有し、該複数の磁気薄膜メモリ素子の磁気抵抗効果膜を選択的に昇温可能に構成されていることを特徴とする磁気薄膜メモリ。
  12. 隣接する層間で互いに磁気的に交換結合される複数の磁性層からなる記録層と読み出し層とが非磁性層を介して積層された磁気抵抗効果膜を有する磁気薄膜メモリ素子の情報記録方法であって、
    前記複数の磁性層のうちの前記非磁性層に隣接する磁性層の磁化方向を、記録温度の高低に応じて、前記記録層内で生じる交換結合力によって反転させて情報を記録することを特徴とする情報記録方法。
  13. 複数の磁性層として第1乃至第4の磁性層を用い、該第1乃至第4の磁性層のキュリー温度の関係を、
    第3の磁性層<第1の磁性層<第2の磁性層<第4の磁性層
    とするととも、前記第4の磁性層の磁化方向を所定の方向に固定し、
    磁気抵抗効果膜を前記第3の磁性層のキュリー温度よりも高い第1の記録温度に昇温して、前記第3の磁性層の磁化を滅磁するとともに、前記第1の磁性層の磁化反転を容易にし、前記第2の磁性層との交換結合力により前記第1の磁性層の磁化方向を前記第4の磁性層の磁化方向として第1の情報を記録し、
    前記磁気抵抗効果膜を前記第1の記録温度より高い第2の記録温度に昇温するとともに、前記第2の磁性層に対して前記第4の磁性層の磁化方向とは反平行に印加される所定の大きさの磁界を印加して、前記第2の磁性層の磁化方向を前記磁界の方向に揃え、該第2の磁性層との交換結合力により前記第1の磁性層の磁化方向を前記第4の磁性層の磁化方向とは反平行として第2の情報を記録することを特徴とする請求項12に記載の情報記録方法。
  14. 第2の記録温度による情報記録時に印加される所定の大きさの磁界として外部磁界を用いることを特徴とする請求項13に記載の情報記録方法。
  15. 第2の記録温度において所定の大きさで所定の方向の磁化を持つ第5の磁性層を用い、該第5の磁性層が発生する浮遊磁界を前記第2の記録温度による情報記録時に印加される所定の大きさの磁界として用いることを特徴とする請求項13に記載の情報記録方法。
  16. 第1の磁性層と第2の磁性層との間に第6の磁性層を設けて、前記第1の磁性層の磁化方向と前記第2の磁性層の磁化方向が反平行である場合に、前記第5の磁性層内に所定のエネルギーの磁壁を形成することを特徴とする請求項13に記載の情報記録方法。
  17. ネール温度が記録温度より高い反強磁性層を用いて第4の磁性層の磁化方向を固定することを特徴とする請求項13に記載の情報記録方法。
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