JP6483403B2 - 磁気抵抗素子、及びstt−mram - Google Patents

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Description

本発明は、磁気トンネル接合を用いる磁気抵抗素子に関し、例えば、スピン注入磁化反転効果を用いた、磁気トンネル素子および磁気抵抗メモリ(MRAM)に用いる磁気抵抗素子に関する。
磁気抵抗メモリ(MRAM:Magnetoresistive Random Access Memory)は、高速かつ低消費電力の大容量不揮発性メモリとして注目を集めている。磁気抵抗メモリは、記憶素子として、磁気トンネル接合(MTJ:Magnetic Tunnel Junction)を形成した磁気抵抗素子を用いる。具体的には、磁気抵抗素子は、磁化方向が可変な自由層、膜面に垂直な磁化方向を維持する固定層、及び、自由層と固定層との間に設けられ、絶縁体からなるトンネルバリア層を含み、固定層、トンネルバリア層及び自由層が磁気トンネル接合を形成する。磁気抵抗素子は、磁気トンネル接合素子(MTJ素子)とも呼ばれている。
磁気抵抗素子は、トンネルバリア層を挟む一対の磁性材料層の相対的な磁化方向で決まる磁気抵抗の高低を利用して情報を記憶する。そして、磁気抵抗素子は、この磁気抵抗効果によって読み出しを行い、スピン注入磁化反転方式(STT: Spin Transfer Torque)によって書き込みを行う。
固定層及び自由層の材料として、高い垂直磁気異方性と、高いスピン分極率とを備える強磁性材料が好ましいとされる。
書き込み方式として採用するスピン注入磁化反転方式は、電子のスピンによる磁気モーメントを利用して自由層の磁化方向を反転させる。スピン注入方式は従来の配線電流方式に比べてデバイスの微細化、低電流化に適している。また、磁気抵抗素子は、微細化に対する熱擾乱耐性を有する。
このような磁気抵抗素子は、例えば、STT−MRAM等の次世代の高集積メモリの基本構成素子として期待されている。
しかし、自由層の材料としては現在精力的に開発されているCoFeB系材料の垂直磁気異方性は界面磁気異方性を用いているため、垂直磁気異方性の大きさは小さい。また、理論的に高いスピン分極率を持ち、垂直磁気異方性の大きな材料は、Mn−Ge、Mn−Al系などの材料しかなく、材料選択範囲が非常にせまかった。
一方、解決策としてMTJに垂直磁化保持層を結合させる方法が提案されている。例えば、特許文献1には、スピンモーメントが膜面に垂直な方向に向いて前記スピンモーメントの方向が固定された磁性膜を有する磁化固着層と、スピンモーメントが膜面に垂直な方向に向く磁気記録層と、前記磁化固着層と前記磁気記録層との間に設けられる非磁性層と、前記磁化固着層の少なくとも側面に設けられた反強磁性膜と、を備えた磁気抵抗素子が開示されている。
また、特許文献2には、第1の強磁性層/トンネル障壁層/第2の強磁性層の3層構造を含む強磁性トンネル接合を有し、前記第1の強磁性層は前記第2の強磁性層よりも保磁力が大きく、前記2つの強磁性層の磁化の相対的角度によりトンネルコンダクタンスが変化する磁気抵抗効果素子であり、前記第2の強磁性層の端部の磁化が前記第2の強磁性層の磁化容易軸方向と直交する成分を持つ方向に固着されている磁気抵抗素子が開示されている。
さらに、特許文献3には、膜面垂直方向に磁化容易軸を有する磁化方向が可変の第1磁性層と、膜面垂直方向に磁化容易軸を有する磁化方向が不変の第2磁性層と、前記第1磁性層と前記第2磁性層との間に設けられる第1非磁性層とを有し、前記第1磁性層は、CoとPd、又は、CoとPtが原子稠密面に対して交互に積層されるCoPd合金、又は、CoPt合金を有し、c軸が膜面垂直方向を向く強磁性体から構成され、前記第1磁性層の磁化方向は、前記第1磁性層、前記第1非磁性層及び前記第2磁性層を貫く双方向電流により変化する磁気抵抗素子が開示されている。
このような技術により、高いスピン分極率を有する材料範囲がハーフメタル系、ホイスラー系などに拡大され選択範囲が拡大した。しかし、素子の膜厚みが大きくなるため磁化反転電流が増大して消費電力化を低減することが困難であるという問題があった。
この問題点に対して、例えば、特許文献4は、磁化反転電流を低減でき、低電力化を達成する磁気抵抗素子を提供する。特許文献4の磁気抵抗素子では、記憶層(自由層)は、強磁性層と、垂直磁化保持層と、磁気結合制御層とを備える。磁気結合制御層は、強磁性層と垂直磁化保持層との間に設けられ、強磁性層と垂直磁化保持層との磁気結合を制御する。上述した構成により、記憶層の第1強磁性層と第1垂直磁化保持層との間に設けられた磁気結合制御層の厚さを適宜変更することで、抵抗変化率、熱安定性、記録電流、磁化反転スピード等の各種パラメータを最適化する。これにより、磁化反転電流を低減でき、低消費電力化を達成するという技術が開示されている。
特開2005−32878号公報 特開2005−150303号公報 特開2011−71352号公報 特開2014−116474号公報
ところで、磁気抵抗メモリ等の記録媒体において、低消費電力化とともに、記憶した情報を確実に保持する安定性が望まれる。例えば、記録媒体は、それ自身あるいは他の装置により生ずる熱に曝される環境で使用される。そのため、磁気抵抗素子は、情報を保持する自由層(記憶層)において磁化熱的安定性を有することが必要である。しかしながら、特許文献1の磁気抵抗素子は、低消費電力化を実現するが、磁気的安定性を実現する技術については記載されていない。
本発明は、上記した事情を背景としてなされたものであり、低消費電力化と安定性向上とを実現する磁気抵抗素子を提供することを目的とする。
発明者らは、自由層を構成する磁性層(強磁性層)のキューリー温度と、書き込み処理時の磁気抵抗素子の素子温度との関係に着目し、自由層のキューリー温度を適切に選択することにより、書き込み処理時の消費電力を低減し、かつ、自由層の磁化方向が安定して保持されることを発見した。具体的には本発明に係る磁気抵抗素子は以下の構成を備える。
本発明に係る磁気抵抗素子の一態様は、所定の磁化方向を維持する固定層と、磁化方向が可変であり、垂直磁気異方性を有する自由層と、前記固定層と前記自由層との間に設けられた絶縁体層と、を備え、前記固定層、前記自由層及び前記絶縁体層が磁気トンネル接合層を形成する。前記自由層は、少なくとも、第1磁性層と、前記第1磁性層よりキューリー温度が低く、垂直磁気異方性を有する第2磁性層と、を備える。
自由層を構成する第2磁性層のキューリー温度は、第1磁性層に比べて低い材料を選択する。その際、第2磁性層のキューリー温度が小さいため、書き込み処理時に素子温度が上昇すると、第2磁性層は垂直磁気異方性が小さくなると同時に熱揺らぎが非常に大きくなる。第1磁性層は強磁性層の磁化方向を維持するように調整する。書き込み処理時には、第2磁性層の磁気異方性の減少により熱擾乱の効果が大きくなり、第1磁性層の磁化方向を制御する電流量で書き込み処理を実施する。その後、素子温度の下降に伴い熱擾乱の効果が小さくなり第2磁性層は第1磁性層と同じ磁化方向に変化する。書き込み処理時に第2磁性層の磁化方向を反転させる電流量をほとんど必要しない(ゼロに近い値にする)構成とすることにより、消費電力を削減することが可能になる。読み取り時の温度はキューリー温度より小さいので磁気抵抗素子の熱に対する安定性は従来どおりHybrid化により向上させることができる。
また、本発明に係る磁気抵抗素子の一態様は、前記第2磁性層のキューリー温度が350K以上500K以下であることが好ましい。第2磁性層のキューリー温度を適切に選択することにより、第2磁性層が大きな熱擾乱を示す素子温度の範囲を調整することができる。加えて、読み出し時の熱安定性の増加に関しては、前記第2磁性層が有する前記垂直磁気異方性の値が5×10E5 J/m^3(5×10E6 erg/cc)以上であることが好ましい。
また、第1磁性層に関しては以下のいずれかを有することが好ましい。
・前記第1磁性層の磁気異方性が面内磁気異方性であること。
・前記第1磁性層が垂直磁気異方性を有し、前記垂直磁気異方性の値が2×10E5 J/m^3(2×10E6 erg/cc)以上で10E6 J/m^3(10E7 erg/cc)以下であること。
これにより、書き込み処理時には第1磁性層の磁化方向を反転させる電流量によって、自由層全体の磁化方向の制御するため、磁化方向の反転電流量を削減することができる。
さらに、本発明に係る磁気抵抗素子の一態様は、前記第1磁性層と前記第2磁性層との間に設けられ、前記第1磁性層と前記第2磁性層との磁気結合を制御する磁気結合制御層を、備えることが好ましい。磁気結合制御層を調整することにより(例えば、厚さ)、第2磁性層が熱擾乱の大きい状態から強磁性に変化するときに、第1磁性層の磁化方向と同じになるように制御することができる。これにより、磁気抵抗素子の熱安定性を向上させることができる。
また、前記第2磁性層は、Tcが制御できて垂直磁気異方性が大きな材料がよく、FePtCu、[Co/Pt]n、TbFeCo、Mn2RuGa、Mn2RuGeなどの磁性材料、またはこれ以外の強磁性体からなることが好ましく、磁気抵抗素子(MTJ素子)の抵抗値が30オームマイクロ平方メートル以下であることが好ましい。FePtCu、[Co/Pt]n、TbFeCo、Mn2RuGa、Mn2RuGeは、低いキューリー温度で高い垂直磁気異方性定数を有する材料の一例であり、第2磁性層に好適に用いることができる。
さらに、前記第2磁性層のキューリー温度が書き込み時の素子温度に近いかまたは素子温度より低く、読み出し処理時の前記第2磁性層の素子温度より高いことが好ましい。これにより、第2磁性層のキューリー温度が素子温度に近いと熱擾乱が大きくなり、第2磁性層のキューリー温度が素子温度より低いと非磁性を示すように調整することができる。
本発明の一実施形態によれば、低消費電力化と安定性向上とを実現する磁気抵抗素子を提供することができる。
一実施形態に係る磁気抵抗素子を採用するMRAMの一例の要部を表す斜視図である。 一実施形態に係る磁気抵抗素子の一例を表す断面図である。 一実施形態の自由層の構成例を表す断面図である。 実施形態1の磁気抵抗素子に書き込み処理が実施されるときの自由層の動作例の概念を表す図である。 LLGシミュレーションに用いた自由層の構成例を説明する図である。 図5の自由層のLLGシミュレーションの試験結果に基づいて、書き込み処理時の磁気抵抗素子の上昇温度をパラメータとして記録電流が低減される効果を表したグラフである。 LLGシミュレーションに用いた、他の自由層の構成例を説明する図である。 図7の自由層のLLGシミュレーションの試験結果に基づいて、キューリー温度と電流密度との関係を表すグラフである。 図7の自由層のLLGシミュレーションの試験結果に基づいて、キューリー温度と電流量との関係を表すグラフである。 図7の自由層のLLGシミュレーションの試験結果に基づいて、ダンピング定数アルファと電流密度との関係を表すグラフである。 図7の自由層のLLGシミュレーションの試験結果に基づいて、自由層の直径と垂直磁気異方性定数との関係を表すグラフである。 LLGシミュレーションに用いた、第1磁性層が垂直磁気異方性を有しない自由層の構成例を説明する図である。 図12の自由層のLLGシミュレーションの試験結果に基づいて、キューリー温度と電流密度との関係を表すグラフである。 図12の自由層のLLGシミュレーションの試験結果に基づいて、キューリー温度と電流量との関係を表すグラフである。 図12の自由層のLLGシミュレーションの試験結果に基づいて、自由層の直径と垂直磁気異方性定数との関係を表すグラフである。 磁気交換スティフネス定数と電流密度との関係を表すグラフである。 磁気交換スティフネス定数と電流量との関係を表すグラフである。 LLGシミュレーションにおいて、温度変化に応じたパラメータの変動モデルを示すグラフである。 自由層を構成する材料の組み合わせ例を示す図である。
以下、実施形態について、図面を参照しながら説明する。説明の明確化のため、以下の記載及び図面は、適宜、省略、及び簡略化がなされている。各図面において同一の構成または機能を有する構成要素および相当部分には、同一の符号を付し、その説明は省略する。
* MRAMの構成
図1は、一実施形態に係る磁気抵抗素子を採用するMRAMの一例の要部を表す斜視図である。図2は、一実施形態に係る磁気抵抗素子の一例を表す断面図である。図1及び図2を参照して、一実施形態の磁気抵抗素子について説明する。
図1は、MRAMの要部として、メモリセル100、ビット線1、コンタクトプラグ5、7、及びワード線8を表している。
メモリセル100は、半導体基板2、拡散領域3、4、ソース線6、ゲート絶縁膜9及び磁気抵抗素子10を含む。
MRAMは、複数のメモリセル100をマトリクス状に配置し、複数本のビット線1及び複数本のワード線8を用いて、互いに接続することにより形成される。MRAMは、スピントルク注入方式を用いて、データの書き込み処理が実行される。
半導体基板2は、上面に拡散領域3、4を有し、拡散領域3は、拡散領域4から所定の間隔を空けて配置されている。拡散領域3はドレイン領域として機能し、拡散領域4はソース領域として機能する。拡散領域3は、コンタクトプラグ7を介して磁気抵抗素子10に接続される。
ビット線1は、半導体基板2の上方に配置されるとともに、磁気抵抗素子10に接続される。ビット線1は、書き込み回路(不図示)及び読み出し回路(不図示)に接続されている。
拡散領域4はコンタクトプラグ5を介してソース線6に接続される。ソース線6は、書き込み回路(不図示)及び読み出し回路(不図示)に接続されている。
ワード線8は、拡散領域3及び拡散領域4に接するように、ゲート絶縁膜9を介して半導体基板2に配置される。ワード線8とゲート絶縁膜9とは、選択トランジスタとして機能する。ワード線8は、図示しない回路から電流を供給されて活性化し、選択トランジスタとしてターンオンする。
* 磁気抵抗素子の構成
図2に示すように、磁気抵抗素子10は、固定層11、絶縁体層12及び自由層13がこの順に積層された構造を有する。逆の順で積層してもよい。以降の説明において、他の図に表す磁気抵抗素子の構成においても同様に逆の順で積層してもよい。磁気抵抗素子10は、固定層11、絶縁体層12及び自由層13により磁気トンネル接合(MTJ:Magnetic Tunnel Junction)層を形成する素子(MTJ素子)である。なお、本明細書では特に明記しない限り、「磁気抵抗素子」と「磁気トンネル接合素子(MTJ素子)」とを区別しないで用いる。
磁気抵抗素子10は、スピン注入磁化反転方式によって書き込み処理が実行される。即ち、磁気抵抗素子10は、スピン注入書込み方式に用いる磁気抵抗素子である。詳細には、書き込み処理の際は、固定層11から自由層13へ、または、自由層13から固定層11へ、膜面垂直方向に電流を流すことによって、スピン情報を蓄積する電子が固定層11から自由層13に注入される。そして、この注入される電子のスピン角運動量が、スピン角運動量の保存則にしたがって自由層13の電子に移動することによって、自由層13の磁化が反転することになる。言い換えれば、各層に対し膜面垂直方向に流すスピン偏極電流の方向に応じて、磁気抵抗素子10は、固定層11と自由層13の磁化の相対角を平行、反平行状態(即ち、抵抗の極小、極大)に変化させ、二進情報の“0”または“1”に対応づけることにより、情報を記憶する。
固定層11は、強磁性金属からなる。強磁性金属として、例えば、Fe、Ni、CoFeB、Co/Pt,Co/Pdなどを、単体およびその組合せで用いる。固定層11は、所定の磁化方向を維持する。この所定の磁化方向は、膜面に垂直な方向である。固定層11は、自由層13に対し、容易に磁化方向が変化しない材料を選択することが好ましい。即ち、実効的な磁気異方性K eff及び飽和磁化Msが大きい材料を選択することが好ましい。しかしながら、固定層11を構成する材料は、特に限定されるものではなく、諸条件により任意の材料から選択することができる。なお、固定層11は、磁化固定層、磁化固着層、参照層、磁化参照層、ピン層、基準層、磁化基準層などと称してもよい。
絶縁体層12は、トンネルバリア層であり、MgO等の絶縁膜から構成されている。なお、絶縁体層12を構成する材料としては、NaCl構造を有する酸化物が好ましく、前述したMgOの他、CaO、SrO、TiO、VO、NbO、Al等が挙げられるが、絶縁体層12としての機能に支障をきたさない限り、特に限定されるものではない。絶縁体層12の厚みは、磁気抵抗素子10の抵抗値に応じて、適宜変更してもよい。絶縁体層12は、トンネルバリア層、障壁層などと称してもよい。
自由層13は、可変な磁化方向を有する。自由層13は、例えば、膜面に対して垂直に磁化されており、磁化方向が上方又は下方に向く。自由層13は、膜面に垂直な方向に磁化容易軸を有し、厚みは、目標とする磁気抵抗素子10の素子抵抗値RAに応じて、適宜変更してもよい。なお、自由層13は、磁化自由層、磁化可変層、記憶層などと称してもよい。材料としてはCoFeB、Heusler材料、MnGe系などが用いられる。
* 磁気抵抗素子が備える自由層の構成
図3に、一実施形態の自由層13の構成例を表す断面図を示す。自由層13は、第1磁性層31、磁気結合制御層32、及び第2磁性層33がこの順に積層された構造を有する。言い換えると、自由層13は、第1磁性層31と第2磁性層33との間に磁気結合制御層32が設けられた構成を有する。以降の説明では、自由層13の第1磁性層31が絶縁体層12に隣接して配置されていることを前提とする。
第1磁性層31は、熱安定性の観点からは垂直磁気異方性を有することが好ましい。記録電流低減の観点からは第2磁性層33と磁気的に結合した場合に垂直方向に磁化方向が向く性質があればよい。その場合、第1磁性層31単体で垂直磁気異方性を有する必要はない。第1磁性層31は、強磁性の材料から選択することが好ましく、例えば、ハーフメタル又はホイスラーの材料から選択することが好ましい。
磁気結合制御層32は、第1磁性層31と第2磁性層33との磁気結合を制御する。磁気結合制御層32は、例えば、Pd、Pt、Ru、MgO、Ta、W等から構成することができる。また、磁気的な結合の大きさは、磁気結合制御層32の厚さ(膜厚)が2nm以下となるように適宜変化させることで、抵抗変化率、熱安定性、記録電流、磁化反転スピード等のパラメータを最適化することができる。
第2磁性層33は、第1磁性層31よりキューリー温度(Tc)が低い材料から構成される。加えて、垂直磁気異方性を有することが好ましい。第2磁性層33は、垂直磁気異方性を有する強磁性またはフェリ磁性である材料から構成することができる。加えて、第2磁性層33を構成する材料は、キューリー温度が350K以上であり、500K以下であることが好ましい。さらに加えて、キューリー温度の上限が450K以下であることがより好ましく、400K以下であることが特に好ましい。
第2磁性層33は、磁気抵抗素子に書き込み処理が実行されるときに想定される温度より、キューリー温度が低い材料で構成することが好ましい。磁気抵抗素子への書き込み処理時に想定される素子温度(自由層の素子温度、自由層を構成する材料の温度)は、350Kから400K程度であると考えられることから、キューリー温度が350K以下では、磁気抵抗素子の読み出し処理時の温度による影響を受ける。読み出し時の熱安定性の問題を生じる。第2磁性層33のキューリー温度が、読み出し処理時の第2磁性層33の素子温度より高いと好ましい。一方、キューリー温度が500Kより高いと、第2磁性層が熱擾乱の影響が大きい温度範囲が小さくなるため、書き込み処理時の消費電力を低減させる効果を得にくい。したがって、キューリー温度は、350K以上で、500Kより低い温度にすることが好ましい。読み出し時の熱安定性を確保しながら、書き込み処理時の消費電力を低減さえる効果を生じさせやすくなる。
さらに、磁気抵抗素子10の素子抵抗値が30オームマイクロ平方メートル(Ωμm^2)以下であることが好ましい。DRAMと同じ環境応用する場合、MRAMなどの素子に使うためには、30オームマイクロ平方メートルが好ましい。
なお、図3では、自由層13が第1磁性層31、磁気結合制御層32、及び第2磁性層33の3層から構成されている例(三層構造)を表しているが、磁気結合制御層32を備えない、第1磁性層31及び第2磁性層33の2層から構成される場合(二層構造)であってもよい。言い換えると、自由層13は、第1磁性層31及び第2磁性層33が積層された構造を有する場合であってもよい。
* 自由層の動作例
次に、上述した自由層13の構成例に基づいて、自由層の具体的な構成例を参照して動作例を説明する。
図4は、磁気抵抗素子に書き込み処理が実行されるときの自由層13Aの動作例の概念を表す図である。磁気結合制御層(ECC層)32Aは、第1磁性層31Aと第2磁性層33Aとの間に配置される。図4では、磁気結合制御層32Aを備える構成例を示しているが、磁気結合制御層32Aを備えていない構成であってもよい。
また、自由層13Aの動作説明を容易にするため、絶縁体層12を表している。図4では、絶縁体層12がMg0障壁(MgO Barrier)である場合を示す。
以降の説明では、特に記載がない場合には、第1磁性層31Aは、キューリー温度がTc1、垂直磁性異方性がKu1であり、第2磁性層33Aは、キューリー温度がTc2、垂直磁気異方性定数がKu2であるとして説明する。
図4では、キューリー温度Tc2は、キューリー温度Tc1より小さく、かつ、500K以下であることを前提として説明する。第2磁性層33Aは、素子温度(特に、第2磁性層33Aの材料の温度)に応じて、素子温度がキューリー温度Tc2より低い場合には、強磁性(Ferro/Ferri Magnetization)として働き、素子温度がキューリー温度Tc2より高い場合には、常磁性として働くように構成される。
垂直磁気異方性定数Ku1、Ku2は、特に限定されるものではないが、第1磁性層31A及び第2磁性層33Aが垂直磁性を有する値であることが好ましく、垂直磁気異方性定数Ku1及びKu2との値が一致してもよいし、異なる値であってもよい。垂直磁気異方性定数Ku1がゼロ、すなわち、第1磁性層31Aが垂直磁気異方性を有しない材料から構成される場合であってもよい。あるいは、第1磁性層31Aと第2磁性層33Aとの全体で垂直磁気異方性を有すればよい。
垂直磁気異方性定数Kuとは、磁化容易軸の配向の安定性を表す値であり、その値が大きいほど垂直方向に配向した磁化容易軸が揺らぎにくいことを示す。
図4を参照して自由層13Aの動作例、及び磁気抵抗素子が磁化反転電流を小さくできることを説明する。図4では、自由層13Aの磁化方向の状態を、ステップ1の書き込み前(Before writing)、ステップ2の書き込み処理時(Writing process)、ステップ3の書き込み後(After writing)について、第1磁性層31A及び第2磁性層33A内に記載した矢印により表している。
ステップ1は、書き込み前、具体的には図1に示すビット線1とワード線8に記録電流を流す前の自由層13Aの磁化方向を示す。第1磁性層31A(High Tc層)と第2磁性層33(Low Tc層)とは、磁化方向が同じであり、下向きである。
ステップ2は、書き込み処理時、具体的にはビット線1とワード線8に記録電流を流した場合の自由層13の磁化方向を示す。記録電流によって、自由層13Aの素子温度が上昇する。例えば、自由層13Aを構成する第2磁性層33Aの素子温度が350〜400K付近まで上昇し(もしくは記録時と読み出し時の温度差が50−100K)、第2磁性層33Aのキューリー温度Tc2が500K未満である場合、第2磁性層33Aは、強い熱擾乱の影響により磁化方向が定まらず、常磁性のようにふるまう。言い換えると、第2磁性層33Aは、素子温度がキューリー温度以上になると、磁気モーメントがランダムになり、常磁性になる。一方、第1磁性層31Aの磁化方向は、スピン流によって磁気が反転する。図4の場合、第1磁性層31Aの磁化方向は上を向く。このように、図4の自由層13Aの構成は、キューリー温度が書き込み処理時の素子温度より非常に高い2つ磁性層(たとえばTc:700K)の組み合わせにより構成される複合型トンネル接合(自由層)と比較して、書き込み処理時の電流の値を小さくすることができる。これは、自由層13Aでは、自由層13A全体ではなく、第1磁性層31Aのみの磁化方向を反転させるからである。
ステップ3は、書き込み後、具体的には、記録電流の印加を止めた時の自由層13Aにおける磁化方向を示す。第1磁性層31Aの磁化方向はステップ2の時と同じ方向で上向きである。第2磁性層33Aの磁化モーメントは、素子温度の下降により強磁性体の性質に戻り、その方向は第1磁性層31の磁化との磁気的な相互作用により上向きの磁化になる。
読み出し時は素子温度が室温に下がるため、磁気抵抗素子は、熱に対して安定にふるまう。
熱安定性のためのエネルギーの大きさは垂直磁気異方性定数Ku1とKu2とに関連して表わされるため非常に安定である。この式については一般式であるため詳細な説明を省略する。より詳細には、熱に対しての生じる熱エネルギーkTの60倍以上になるため磁気抵抗素子の熱に対する安定性を向上させることができる。これは垂直磁気異方性エネルギーが熱擾乱のエネルギーと比較して非常に大きいことが原因である。
なお、図4では、磁気結合制御層32Aを表しているが、磁気結合制御層32Aがない場合であっても、自由層13Aの動作は上述した動作と同様である。
図4に示す自由層13Aの構成例により、磁化の熱的安定性を保持すると同時に磁化反転電流を小さくすることができる。また、第1磁性層31Aと第2磁性層33Aとの磁気的な結合量は、磁気結合制御層32Aの膜厚みを変えることにより最適化することができる。
* 自由層の特性及び試験結果
LLG(Landau-Liftshitz-Gilbert-Langevin equations)シミュレーションを用いて、自由層13に、高いキューリー温度を有する第1磁性層31と、書き込み時の素子温度より低いキューリー温度を有する第2磁性層33とから構成される二層構造を利用することにより、書き込み時の消費電力が低減する効果を確認した。シミュレーションに用いた具体的な自由層13の構成例とともに試験結果を説明する。
・第2磁性層の温度上昇量による磁化反転電流の変化(電流による反転確率の変化)
図5にLLGシミュレーションに用いた自由層13Bの構成例を示す。自由層13Bは、第1磁性層31B(High Tc Layer)、磁気結合制御層32B(Ecc Layer、Spacer)及び第2磁性層33B(Low Tc Layer)から構成される。書き込み時の消費電力は、一例として、自由層13の磁化(第1磁性層31と第2磁性層33)が反転(スイッチング)したときの電流密度により評価した。
また、第1磁性層31及び第2磁性層33の詳細及び設定したパラメータを以下に記載する。
(1)第1磁性層31B
材料:MnGe系材料を想定した。
磁気モーメント(Ms1):150×10E3 A/m(150 emu/cc)
垂直磁気異方性定数(Ku1):10×10E5 J/m^3(10×10E6 erg/cc)
ダンピング定数α=0.005
キューリー温度(Tc1、High Tc):700K以上
分極率P=1.0
(2)第2磁性層33B
材料:FePtCu材料を想定した。
磁気モーメント(Ms2):800×10E3 A/m(800 emu/cc)
垂直磁気異方性定数(Ku2):10×10E5 J/m^3(10×10E6 erg/cc)、室温での値
ダンピング定数α=0.01
キューリー温度(Tc2、Low Tc):523.15K
なお、ここでは、括弧内のCGS単位で記載されたパラメータを、上記したLLGシミュレーションに用いた。また、併記したSI単位で記載されたパラメータは、括弧内のCGS単位で記載されたパラメータを、下記の(A)、(B)を換算式として用いることにより、求められる。
10erg/cc=1J/m^3 …(A)
1G=1emu/cc =1×10E3 A/m …(B)
なお、本明細書に記載される別のLLGシミュレーションでも、上記したLLGシミュレーションと同様に、括弧内のCGS単位で記載されたパラメータを用いており。また、併記したSI単位で記載されたパラメータは、括弧内のCGS単位で記載されたパラメータを、下記の(A)、(B)を換算式として用いることにより、求められる。
第1磁性層31Bの高さ(膜厚)は2nm(h1=2nm)、磁気結合制御層32Bの高さは0nm(hsp=0)、第2磁性層33Bの高さは2nm(h2=2nm)とした。
自由層13Bの直径D(幅)は20nmとした。ここでは、自由層13Bが円柱であることを前提とし、自由層のサイズを表す値に自由層の断面の直径を用いた。なお、自由層のサイズは、自由層の断面が円である場合には直径を用い、楕円である場合には長径(長軸の長さ)を用いることができる。また、その他の形状である場合には、自由層に外接する外接円の直径を用いることができる。
温度上昇ΔTをパラメータとし、温度変化を10〜223℃に設定した。書き込み処理時の温度変化は以下のように推移した。
第1磁性層31Bは、素子温度が常時300Kであった。
書き込み処理時の温度上昇は、第2磁性層33Bのみに生じ、以下のように温度が変化した。第1磁性層の温度上昇を考慮しても計算結果に差がない。
・記録電流を印加した後、第2磁性層33Bの温度が上昇し、1ナノ秒(ns)以内に飽和状態に到達した。
・その後記録電流を10ナノ秒印加する。このときの素子温度は定常状態である。
・書き込み処理後、第2磁性層33Bの素子温度は、5ナノ秒以内に300Kに降下した。
図6に、LLGシミュレーションの結果に基づいて、書き込み時の磁気抵抗素子の上昇温度をパラメータとして記録電流が低減される効果を表したグラフを示す。図6のグラフでは、横軸に電流密度(A/m^2)を、縦軸に反転確率(スイッチング確率、sw. prob.)を表す。反転確率は、任意の電流密度で自由層13Bの磁化方向が反転する確率を表し、図6ではゼロから1の範囲で確率の値を示している。なお、一実施形態の自由層13Bでは、第2磁性層33Bの素子温度がキューリー温度Tc2より高くなると、反転確率は、第1磁性層31Bが反転する確率であるともいえる。これは、自由層13Bへの書き込み処理時に第2磁性層33Bが、熱擾乱が大きい状態か常磁性になると、第1磁性層31Bの磁化方向を反転させることにより、書き込み後に素子温度が降下すると第2磁性層33Bの磁化方向が定まるという動作をするからである。
また、図6中、ΔT(degree C、図中“deg.”と記載)は、書き込み前から書き込み処理時に上昇した温度の量を(温度上昇量)示す。ここでは、第2磁性層33Bの温度上昇量を示す。
図6のグラフに示されるように、第2磁性層33Bにおける温度上昇量の増加に伴い、磁化方向の反転する電流密度が小さくなる。言い換えると、自由層13Bの磁化方向の反転に必要な電流量(以降適宜、磁化方向の反転に必要な電流量を「反転電流量」とも記載する)が減少する。図6の例では、第2磁性層33Bの素子温度がキューリーTc2温度付近まで上昇した場合、反転電流量は4分の1以下に低下することがわかる。具体的には、反転確率が0.5となる電流密度を検討すると、ΔTがゼロの場合に比べ、ΔTが223℃(496.15K)で、キューリー温度Tc2により近くなると(キューリー温度Tc2付近となると)、電流密度が4分の1のときに反転することがわかる。
このようにして、一実施形態の磁気抵抗素子は、書き込み処理時の消費電力を削減することができる。素子の温度が常温に戻った時は熱安定性のためのエネルギーの大きさは第1磁性層31Bの磁気異方性エネルギーKu1と第2磁性層33Bの磁気異方性エネルギーKu2の効果の和になるので非常に安定である。
・その他の例としてキューリー温度に応じた書き込み処理時の消費電力削減の効果を説明する。
次に、図7に示す自由層13Cの構成を用いてLLGシミュレーションを実施した試験結果を説明する。この試験では、高いキューリー温度を有する第1磁性層31Cと、書き込み処理時の素子温度より低いキューリー温度を有する第2磁性層33Cとから構成される二層構造からなる自由層13Cを利用し、第2磁性層33Cのキューリー温度に応じて書き込み処理時の反転電流量が低減する効果を確認した。
自由層13Cの詳細を以下に記載する。
(1)第1磁性層
材料:CoFeB層を想定した。
磁気モーメント(Ms1):1× 10E6 A/m(1000 emu/cc)
垂直磁気異方性定数(Ku1):2×10E5 J/m^3(2×10E6 erg/cc)
ダンピング定数α=0.01
キューリー温度(Tc1):700K
分極率P=1.0
(2)第2磁性層
材料:FePtCu層などを想定した。
磁気モーメント(Ms2):600×10E3 A/m(600 emu/cc)
垂直磁気異方性定数(Ku2):Ku1×2 J/m^3
ダンピング定数α=0.01
キューリー温度(Tc2):700K、500K、450K、400K
(3)その他
自由層13Cの直径Dは10〜20nmとした。
第1磁性層31Cの高さ(膜厚)は2nm(h1=2nm)、磁気結合制御層32Cの高さは0nm(hsp=0)、第2磁性層33Cの高さは2nm(h2=2nm)とした。磁気結合制御層32Cの膜厚をゼロとして、自由層13Cが磁気結合制御層32Cを設けない構成とした。
自由層13Cの構成によるLLGシミュレーションでは、磁化異方性定数Kuの値を、第2磁性層の素子温度(材料)の上昇量Δ値が60となるように調整する。
また、比較例として、上述した二層構造を有しない従来の自由層の構成についても試験を実施した。
材料:Co/Ni mulutilayer
磁気モーメント(Ms):600×10E3 A/m(600 emu/cc)
垂直磁気異方性定数(Ku):6×10E5 J/m^3(6×10E6 erg/cc)
キューリー温度(Tc):700K(426.85℃)より大きい値(>700K)
図8乃至10に、図7の自由層のLLGシミュレーションの試験結果に基づいて分析した結果を示す。図8は、キューリー温度と電流密度との関係を表すグラフ、図9は、キューリー温度と電流量との関係を表すグラフ、図10は、ダンピング定数アルファと電流密度との関係を表すグラフである。図8乃至10に示す結果は、磁気抵抗素子への書き込み処理時に、自由層の素子温度が50℃上昇することを前提として試験した結果である。
図8に示すグラフは、横軸にキューリー温度Tc(K)を、縦軸に電流密度jsw(×10^12 A/m^2)を表す。図9に示すグラフは、横軸にキューリー温度Tc(K)を、縦軸に電流量isw(mA)を示す。図8及び9において、キューリー温度Tcととして、第2磁性層33Cのキューリー温度Tc2の複数の値(実施例)、及び、従来の自由層のキューリー温度(700K)の値(比較例)を用い、各キューリー温度での試験結果を表している。
また、自由層13Cの直径Dの値は、実線では10nm、点線では20nmである。
図8及び9のグラフでは、キューリー温度Tcが500K以下である自由層13Cは、キューリー温度が700Kの(または700Kを超える)従来の自由層に比べて消費電力を削減できることが示されている。例えば、第2磁性層33Cの素子温度が50℃上昇したときには、40−50%の消費電力を削減できることが確認された。
また、図10に示すグラフでは、横軸に第2磁性層のダンピング定数アルファをパラメータとした。縦軸に電流密度jsw(×10^12 A/m^2)を表す。図10において、実線は図7に示す自由層13Cにおいて第2磁性層33Cのキューリー温度が400Kの試験結果(実施例)であり、点線は従来の自由層(キューリー温度が700K)の試験結果(比較例)である。従来の自由層に比べ、図7の自由層13Cでは、ダンピング定数アルファの影響が少ない。従って、第2磁性層33Cに用いる材料の範囲を広げることができる。ダンピング定数が比較的大きくてTcの小さな磁性体を用いることができる。
図11に、図7の自由層のLLGシミュレーションの試験を行うために用いた、自由層13Cの直径と垂直磁気異方性定数Kuとの関係を表すグラフを示す。図11では、横軸に自由層13Cの直径の長さD(nm)を、縦軸に垂直磁気異方性定数Ku(Merg/cc)を表す。自由層13Cを構成する材料として、実線は第2磁性層33Cを構成するFePtCu層の試験結果であり、点線は第1磁性層を構成するCoFeB層の試験結果である。加えて、垂直磁気異方性定数Kuについて、熱安定性パラメータ(KuV/Kt)が60(KuV/Kt=60)となるように、かつ、FePtCu層の垂直磁気異方性定数Ku2の値が、CoFeB層のKu1の値の2倍(Ku2@FePtCu=2×Ku1@CoFeB)となるように調整した。書き込み処理時の第2磁性層33Cの温度は300Kに上昇させた。
図11に示すように、自由層13Cの直径Dが10nmの場合の垂直磁気異方性定数Kuが大きく、直径Dが大きくなるに従って垂直磁気異方性定数Kuが小さいことが確認される。従って、磁気抵抗素子(磁気トンネル結合素子)のサイズ(自由層の直径)が小さい場合には、垂直磁気異方性定数Kuを大きな値にする必要があること、また、自由層を構成する材料によって、磁気抵抗素子のサイズに応じて垂直磁気異方性定数Kuを大きくする必要性が異なることが確認された。
・第1磁性層が垂直磁気異方性を有しない場合の消費電力の削減
図12に示す自由層13Dの構成を用いてLLGシミュレーションを実施した試験結果を説明する。自由層13Dは、第1磁性層31Dと、第2磁性層33Dとから構成される二層構造を備える。
第1磁性層31Dは、垂直磁気異方性定数Ku1がゼロとなるように構成し、自由層13Dにおいて、第1磁性層31Dが垂直磁気異方性を有していない場合に、書き込み処理時の消費電力が低減できるかを試験した。
磁気結合制御層32D(Spacer)の膜厚をゼロとし(hsp=0nm)、自由層13Dが磁気結合制御層32Dを設けない構成とした。
自由層13Dの詳細を以下に記載する。
(1)第1磁性層
材料:面内磁気異方性を有するCoFeB層またはCFMS層を想定した。
磁気モーメント(Ms):1× 10E6 A/m(1000 emu/cc)
垂直磁気異方性定数(Ku1):0 J/m^3(0 erg/cc)
ダンピング定数α=0.01
キューリー温度(Tc1):700K(426.85℃)
分極率P=1.0
(2)第2磁性層
材料:FePtCu層などを想定した。
磁気モーメント(Ms):600×10E3 A/m(600 emu/cc)
垂直磁気異方性定数(Ku2):磁化異方性定数Ku2の値を、自由層の直径Dが10から20nmの範囲であるときに、自由層の熱安定性定数Δ値が60となるように調整する。
ダンピング定数α=0.01
キューリー温度(Tc):360K、400K、450K、500K、700K(86.85℃、126.85℃、176.85℃、226.85℃、426.85℃)
(3)その他
自由層13Dの直径Dは10〜20nmとした。
第1磁性層31Dの高さ(膜厚)は2nm(h1=2nm)、磁気結合制御層32Dの高さは0nm(hsp=0)、第2磁性層33Dの高さは2nm(h2=2nm)とした。
第2磁性層33Dの複数のキューリー温度Tcは、パラメータであり、キューリー温度Tcが700Kの場合が従来の自由層となるように設定した。
図13乃至15に、図12の自由層のLLGシミュレーションの試験結果に基づいて分析した結果を示す。図13は、キューリー温度と電流密度との関係を表すグラフ、図14は、キューリー温度と電流量との関係を表すグラフ、図15は、自由層の直径と垂直磁気異方性定数との関係を表すグラフである。
図13に示すグラフは、横軸にキューリー温度Tc(K)を、縦軸に電流密度jsw(×10^12 A/m^2)を表す。図14に示すグラフは、横軸にキューリー温度Tc(K)を、縦軸に電流量isw(mA)を表す。図13及び14では、パラメータとして設定した各キューリー温度において、第1磁性層31Dの磁性方向が反転したときの電流密度または電流量を表す。
また、自由層13Dの直径Dの値は、実線では10nm、点線では20nmである。
図13及び14のグラフでは、自由層13Dは、キューリー温度が360K、400K及び450Kにおいて、顕著に消費電力を削減できることが示されている。例えば、第2磁性層33Dのキューリー温度Tcが400K以下の場合には、素子温度が50℃上昇したときに、50−70%の消費電力を削減できることが確認された。図13及び14の試験結果から、第1磁性層が垂直磁気異方性を有していない場合であっても、消費電力を削減する効果が生じることが確認された。
また、図15に示すグラフでは、横軸に自由層13Dの直径Dを、縦軸に第2磁性層33Dの垂直磁気異方性定数Ku2(Merg/cc)を表す。垂直磁気異方性定数Kuについて、熱安定性パラメータ(KuV/Kt)が60(KuV/Kt=60)であること、かつ、CoFeB層またはCFMS層のKu1の値がゼロであることを満たすように調整した。書き込み処理時の第2磁性層33Cの温度は300Kに上昇させた。
図15に示すように、自由層13Dの直径Dが10nmの時の垂直磁気異方性定数Kuが大きく、直径Dが大きくなるに従って垂直磁気異方性定数Kuが小さいことが確認される。従って、磁気抵抗素子(磁気トンネル結合素子)のサイズ(自由層の直径)が小さい場合には、第2磁性層33Dの垂直磁気異方性定数Kuを大きな値にする必要があることが確認された。言い換えると、第1磁性層31Dが垂直磁気異方性を有していない場合、第2磁性層33Dが垂直磁気異方性を有することが好ましく、特に自由層13Dの直径が小さい場合(サイズが小さい場合)には、大きい場合に比べて垂直磁気異方性定数Kuを大きくする必要性が高くなる。
・第1磁性層と第2磁性層間の磁気交換スティフネス定数の検討
図12に示す自由層13Dの構成を用いてLLGシミュレーションを実施し、磁気交換スティフネス定数を検討した試験結果を説明する。この試験では、図12を参照して説明した自由層13Dに関して、第2磁性層33Dの以下のパラメータを変更して試験した。
キューリー温度(Tc):400K、700K(126.85℃、426.85℃)
交換結合定数A:0.1〜2.0×10^−13 J/cm(0.1〜2.0×10^−6 erg/cm)
この試験では、書き込み処理時に素子温度が50℃上昇することを前提とする。
キューリー温度Tcが400Kの場合は一実施形態の自由層であり、700Kの場合は従来の自由層である。それぞれ自由層の直径Dが10nmと20nmの場合について試験した。
図16及び17に、交換結合定数の試験結果を示す。図16は、磁気交換スティフネス定数(×10^−6 erg/cm)と電流密度jsw(×10^12 A/m^2)との関係を表すグラフ、図17は、磁気交換スティフネス定数A(×10^−6 erg/cm)と電流量isw(mA)との関係を表すグラフである。磁気交換スティフネス定数Aは、磁気結合制御層32Cの膜厚によって調整することができる。磁気交換スティフネス定数Aの反転電流が小さくなる最適値は、自由層の直径Dが10nmのほうが20nmよりも小さくなることがわかる。また、同じ自由層の直径Dである場合、従来の自由層より一実施形態の自由層の方が反転電流値が小さいことがわかる。このように、一実施形態の磁気抵抗素子は、熱安定性を損なうことなく磁化反転電流を削減できることが確認された。磁気抵抗素子の熱に対する安定性を向上させることができることを示唆している。
図18に、LLGシミュレーションにおいて、温度変化に応じたパラメータの変動モデルを表す。
横軸のキューリー温度Tcに応じて、縦軸の磁気モーメントMs、垂直磁気異方性定数Ku,または、変換パラメータAを対応づけるグラフである。キューリー温度Tcに対する、電流を流しているときの材料の温度Tの比(T/Tc)に応じて、各パラメータの値を対応させる。各パラメータは、材料の温度がゼロの各要素の値(Ms0、Ku0、A0)に対する、各要素の値(Ms、Ku、A)の比として表されている。
その他の実施形態
自由層を構成する材料として、例えば、図19に示す構成であってもよい。
図19の左側は、STT−MRAMの構成の一例を示し、FLは自由層、MgOは絶縁体層、PELは参照層、Ruは参照層の結晶配向とML垂直磁性層を結合する、[Co/Pt]MLは垂直磁気保持層、seedは結晶配向を制御する層である。
図19の右側は、4種類の自由層の構成例を示している。
自由層は、第1磁性層に、CoFeB層、第2磁性層にFePtCu層、またはFePtCuの多段層を用いることができる。他の構成例として、第1磁性層にMnGe層、第2磁性層にFePtCu層、あるいは、第1磁性層にホイスラー(CFMS)層、第2磁性層にFePtCuの多段層を用いることができる。
例えば、FePtCuは、高い垂直磁気異方性定数Kuを有し、かつ、低いキューリー温度を有する材料として好ましい。Tcが制御できて垂直磁気異方性が大きな材料がよく、FePtCu、[Co/Pt]n、TbFeCo、Mn2RuGa、Mn2RuGeなどの磁性材料を用いる。
例えば、第1磁性層に、CoFeB層、第2磁性層にFePtCu層、またはFePtCuの多段層を用いて、LLGシミュレーションを実施したところ以下の試験結果を得ている。
FePtCu層
磁気モーメント(Ms):600×10E3 A/m(600 emu/cc)
垂直磁気異方性定数(Ku2):10×10E5 J/m^3(10×10E6erg/cc)室温での値
キューリー温度(Tc):250℃(523.15K)
ダンピング定数α=0.01
CoFeB層
磁気モーメント(Ms):1×10E6 A/m(1000 emu/cc)
垂直磁気異方性定数(Ku1):2×10E5 J/m^3(2×10E6erg/cc)室温での値
キューリー温度(Tc):250℃(523.15K)を超える温度(>>>250℃)
ダンピング定数α=0.01
上述した4種類の自由層の構成例について、磁気結合制御層(ECC Layer)は、例えば、Pd、Pt、Ru、MgO、Ta、Wから構成される。
さらに、自由層の第2磁性層の材料候補として以下の材料が可能である。
MnGeX
[Co/Pt]n
TbFeCo
FePtCu
Mn2RuGa
以上説明したように、垂直磁化を有し磁気抵抗効果によって読み出しを行う磁気抵抗素子は、微細化に対する熱擾乱耐性が高く、次世代のmemory等で期待されている。一方で、その主要構成部分である高い垂直磁気異方性を持つ強磁性体薄膜を形成するのは困難であるという問題、これを解決する磁気トンネル結合(MTJ)に垂直磁化保持層を結合させる方法において、磁化反転電流が増大して低消費電力のデバイスを作成することが困難であるという問題があった。これらの問題に対して、本発明の磁気抵抗素子の一態様では、絶縁薄膜を二層の強磁性薄膜で挟んだ磁気トンネル接合からなる磁気抵抗素子において、垂直磁化保持層としてキューリー温度Tcが小さな垂直磁化膜を有することにより、自由層(記録層)の磁化熱的安定性を保持すると同時に磁化反転電流を小さくすることを実現した。本技術はSTT−MRAMの実用化に貢献するものである。
より具体的には、本発明の磁気抵抗素子の一態様は、自由層に、第1磁性層と第2磁性層との少なくとも二層の構造を用い、第2磁性層のキューリー温度を第1磁性層のキューリー温度より低く調整することにより、記録時の温度上昇の効果で記録電流を小さくすることができる。例えば、従来技術と比較して、記録時の消費電力を50%以上低減することができる。
本発明は、STT−MRAM(Spin Transfer Torque Magnetic Random Access Memory:磁気メモリ)、レーストラックメモリ(Racetrack-memory:磁気ベースの不揮発性メモリ)などのスピン注入磁化反転効果を用いた、高集積のSTT-MRAM向けのMTJ素子に関する。
1 ビット線
2 半導体基板
3、4 拡散領域
5、7 コンタクトプラグ
6 ソース線
8 ワード線
9 ゲート絶縁膜
10 磁気抵抗素子
11、21 固定層
12 絶縁体層
13、13A、13B、13C 自由層
100 メモリセル
31、31A、31B、31C 第1磁性層
32、32A、32B、32C 磁気結合制御層
33、33A、33B、33C 第2磁性層

Claims (9)

  1. 所定の磁化方向を維持する固定層と、
    磁化方向が可変であり、垂直磁気異方性を有する自由層と、
    前記固定層と前記自由層との間に設けられた絶縁体層と、を備え、
    前記固定層、前記自由層及び前記絶縁体層が磁気トンネル接合層を形成し、
    前記自由層は、少なくとも、
    第1磁性層と、
    前記第1磁性層よりキューリー温度が低く、垂直磁気異方性を有する第2磁性層と、
    を備え
    記録電流を前記自由層に流して、書き込み処理を行うことによって、
    前記第2磁性層の素子温度は前記キューリー温度を上回り、前記第2磁性層は常磁性となり、前記第1磁性層の磁化方向はスピン流によって反転し、
    前記書き込み処理を行った後、読み出し時において、
    前記第2磁性層の素子温度は前記キューリー温度を下回り、前記第2磁性層は強磁性となり、前記第2磁性層の磁化方向は、前記第1磁性層の磁化との磁気的な相互作用によって反転する磁気抵抗素子。
  2. 前記第2磁性層の前記キューリー温度が350K以上450K以下である請求項1記載の磁気抵抗素子。
  3. 前記第2磁性層が有する前記垂直磁気異方性の値が5×10E5 J/m^3(5×10E6 erg/cc)以上である請求項1または2記載の磁気抵抗素子。
  4. 前記第1磁性層の磁気異方性が面内磁気異方性である請求項1乃至3のいずれか一項に記載の磁気抵抗素子。
  5. 前記第1磁性層が垂直磁気異方性を有し、前記垂直磁気異方性の値が2×10E5 J/m^3(2×10E6 erg/cc)以上で10E6 J/m^3(10E7 erg/cc)以下である請求項1乃至3のいずれか一項に記載の磁気抵抗素子。
  6. 前記第1磁性層と前記第2磁性層との間に設けられ、前記第1磁性層と前記第2磁性層との磁気結合を制御する磁気結合制御層を、さらに備える請求項1乃至5のいずれか一項に記載の磁気抵抗素子。
  7. 前記第2磁性層が、TbFeCo、Mn2RuGa、又はMn2RuGeからなる請求項1乃至6のいずれか一項に記載の磁気抵抗素子。
  8. 前記磁気抵抗素子の抵抗値が30オームマイクロ平方メートル以下である請求項1乃至7のいずれか一項に記載の磁気抵抗素子。
  9. 磁気トンネル接合素子を用いたSTT(スピン注入磁化反転方式)−MRAM(磁気抵抗メモリ)であって、
    前記磁気トンネル接合素子は、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の磁気抵抗素子であるSTT−MRAM。
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