JP4666570B2 - ハイブリッド蓄冷材とその製造方法及び蓄冷器 - Google Patents

ハイブリッド蓄冷材とその製造方法及び蓄冷器 Download PDF

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Description

本発明は、希土類オキシ硫化物蓄冷材とその製造方法、及び蓄冷器に関する。さらに詳しくは、核とした希土類オキシ硫化物の表面に、核と希土類元素の組成が異なる希土類オキシ硫化物を少なくとも一層形成した、ハイブリッド蓄冷材とその製造方法及び蓄冷器に関する。
超伝導磁石やセンサーなどの冷却には液体ヘリウムが不可欠であるが、ヘリウムガスの液化には膨大な圧縮仕事が必要であり、そのため大型な冷凍機が必要となる。しかしリニアモーターカーやMRI(磁気共鳴診断装置)などの超伝導現象を利用した小型装置に、大型の冷凍機を使用することは難しい。そのため液体ヘリウム温度(4.2K)が発生可能な、小型で高性能の冷凍機の開発が不可欠である。
小型冷凍機の冷却効率や最低到達温度などは、蓄冷器の充填物質である蓄冷材に依存する。そして蓄冷材は、蓄冷器を通過するヘリウム冷媒に対して十分に大きな熱容量をもち、かつ熱交換効率が高い必要がある。従来から使用されているPbなどの金属蓄冷材では、10K以下で熱容量が急激に低下する。そこで、HoCu2やErNiなどの希土類金属間化合物で形成された蓄冷材が知られている(特許文献1)。しかし希土類金属間化合物蓄冷材は、7K以下で熱容量が大きく低下し、4.2K付近の極低温領域での熱容量は0.3J/cc・K未満となる。極低温領域での冷凍能力を十分保持するには、その温度での蓄冷材の熱容量が0.3J/cc・K以上であることが経験的に必要とされ、HoCu2やErNiなどの希土類金属間化合物の蓄冷材では極低温領域での冷凍能力が不十分となる。さらに希土類金属間化合物は極めて高価なので、これを数百グラムオーダーで使用する蓄冷材も極めて高価になる。
このようなことから、発明者らは、10K以下の極低温領域で高い熱容量を有するR2O2S (Rは Yを含むLa, Ce, Pr, Nd, Sm, Eu, Gd, Tb, Dy, Ho, Er, Tm, Yb及びLuから選択される1種類又は2種類以上の希土類元素を表す。)希土類オキシ硫化物蓄冷材を見出し、これらの蓄冷材を蓄冷器に充填することによって、4.2K付近の極低温領域で高い冷凍能力が得られることを確認した(特許文献2,特許文献3)。またこのような蓄冷材にZrO2等の強化材を添加することを提案した(特許文献4)。
しかしながら希土類オキシ硫化物は磁気相転移に基づく比熱のピークを有し、極低温まで冷却するために、比熱のピーク温度が異なる希土類オキシ硫化物を複数層設けることになるが、ピークとピークとの間での比熱が小さい。蓄冷材の効率は、ピーク付近での比熱の値よりも、0.3J/cc・K以上の比熱が得られる温度幅に依存する。そこで発明者は、ピークとピークとの間での比熱の落ち込みが少ない蓄冷材を開発するために、本発明に到った。
特許第2609747号 特開2003−073661 特開2003−213252 WO02/103259
本発明の課題は、ピークとピークとの間での比熱の落ち込みが少なく、広い温度範囲で効率的に動作する希土類オキシ硫化物蓄冷材とその製造方法、並びに畜冷器を提供することにある。
本発明の他の課題は、発明の効果や実施例の記載から明らかになる。
本発明のハイブリッド蓄冷材は、希土類オキシ硫化物を用いた蓄冷材において、希土類オキシ硫化物の核と、該核の表面に付着しかつ前記核とは希土類元素の組成が異なる希土類オキシ硫化物の層、とからなることを特徴とする。本発明では、1つの蓄冷材粒子に希土類元素の組成が異なる核と層とが存在するので、蓄冷材をハイブリッド蓄冷材という。
層は1層のみでも、2層以上でも良い。核と層とで希土類元素の組成を変えるのは、比熱のピーク温度を変えるためである。またこの発明では、希土類元素はYを含むものとする。
ハイブリッド蓄冷材は液体He温度までの冷却では例えば8〜4Kで高い比熱を有することが求められ、液体He温度以下への冷却では例えば8〜2Kで高い比熱を有することが求められる。Tbのオキシ硫化物は例えば6〜8Kに比熱のピークを備え、Gdのオキシ硫化物やGd-Tbの複合オキシ硫化物は4〜5Kに比熱のピークがある。そしてTbのオキシ硫化物を層または核の一方とし、Gdのオキシ硫化物やGd-Tbの複合オキシ硫化物を層または核の他方とすると、6〜8Kの比熱のピークと4〜5Kの比熱のピークの間でも、例えば0.3J/cc・K以上高い比熱が得られる(図2,図3)。この結果、4K程度まで効率的に冷却することができる。なおGdxTb2-xO2Sの比熱パターンはXが0〜0.1ではほぼ同じで、Xが0.2以上で比熱のピーク温度はX=2の場合とほぼ同じになる。そこで単にTbのオキシ硫化物という場合、前記の組成式でxが0.1以下の範囲でTb以外の希土類元素を含んでいても良い。またGdのオキシ硫化物もしくはGdとTbの複合オキシ硫化物という場合、前記のXは2〜0.2とする。
2〜4Kへの冷却は、半導体の透過X線による検査などでX線検知器を冷却して感度を高めることや、断熱消磁冷凍機の前段での冷却などに有効である。そして2〜4Kへの冷却では、4〜5KのGdのオキシ硫化物やGd-Tbの複合オキシ硫化物の比熱のピークと、2〜3KのHo2-xDyxO2S(0≦x≦2)の比熱のピークとの谷間の比熱を大きくする必要がある。そこでHo2-xDyxO2S(0≦x≦2)からなる核または層と、Gdのオキシ硫化物またはGdとTbとの複合オキシ硫化物からなる核または層を設けてハイブリッド蓄冷材とすると、これらの比熱ピークの谷間でも高い比熱が得られる。そして好ましくは、Tbのオキシ硫化物と、Gdのオキシ硫化物またはGdとTbとの複合オキシ硫化物、及びHo2-xDyxO2S(0≦x≦2)の3種類のオキシ硫化物を用いて、核と2つの層を設けると、8〜2Kの広い温度範囲で大きな比熱が連続的に得られる(図4)。なおこれらの3材料のいずれを核とし、いずれを第1層とし、いずれを第2層とするかは任意である。好ましくは第1層をGdのオキシ硫化物またはGdとTbとの複合オキシ硫化物として、核がTbのオキシ硫化物またはHo2-xDyxO2S(0≦x≦2)とする。
核と層(層を2層以上設ける場合、合計の層の体積)との割合は、オキシ硫化物の体積比で例えば1:1とし、一般的には95:5〜5:95とし、好ましくは90:10〜10:90とする。
好ましくは、核及び層に対して各々、アルカリ土類金属、遷移金属、及びBを含みCを含まない周期律3b及び4b族元素の少なくとも一員の元素の、酸化物、窒化物もしくは炭化物からなる添加物を、強化材として0.5〜30mass%添加する。強化材は例えば、Al2O3、ZrO2、ムライト、Si3N4、Sialon、TiN、AlN、BN、SiC、TiCからなる群の少なくとも一員とする。なお、ムライトはxAl2O3・ySiO2の組成の化合物で(x:y=3:2〜2:1)、SialonはSiとAlと酸素と窒素との非化学量論的化合物である。
強化材はまた、Mg,Ca,Sr,Baからなる群の少なくとも一員の、アルカリ土類金属元素の酸化物もしくは、原子番号が22(Ti)〜31(Ga)及び72(Hf)からなる群の少なくとも一員の遷移金属元素の酸化物が好ましい。
これらの強化材は、ハイブリッド蓄冷材を構成する核及び層のセラミックス組織中に、主相のR2O2S相とは異なる強化材を主成分とする異相を析出する。
本発明のハイブリッド蓄冷材を製造するには、例えば、希土類オキシ硫化物またはその前駆体の核を造粒し、前記核とは希土類元素の組成が異なる希土類オキシ硫化物またはその前駆体の粉体を、前記核の周囲に供給して造粒することにより、核の表面を希土類元素の組成が異なる層で被覆し、次いで前記核と層とを焼成する。造粒は転動造粒や液体造粒などの粉体工学で公知の種々の造粒法を用いればよい。なお前記核または層が希土類オキシ硫化物の前駆体の場合には、例えば核と層とを焼成する際に、硫化水素中の含硫黄雰囲気中で焼成して、該前駆体を希土類オキシ硫化物に転化させる。このようにすると顆粒状、特に球状の蓄冷材が得られる(図1)。
なお希土類オキシ硫化物は、例えば希土類酸化物の粉末を、加熱下でH2S、CH3SH等の酸化数−2の硫黄原子を含むガスを流すことにより硫化反応させて調製する。反応温度は500〜800℃が好ましく、600〜700℃がより好ましい。500℃未満では反応が終了するまでに長時間を要し、800℃を越えると硫化物が生成しはじめる。反応時間は1〜9時間が好ましく、1〜3時間がより好ましい。
ハイブリッド顆粒の焼成では、希土類オキシ硫化物が酸化されないように、焼成雰囲気は真空(10-3torr以下)又はアルゴンや窒素などの不活性ガスとし、焼成温度を1300〜1600℃、焼成時間を1〜10時間とすることが好ましい。なお、焼成後にHIP処理を行うと、顆粒が緻密化し、核と層や層と層の界面を十分に接合できるため、機械的強度を向上させることができる。HIP処理での焼成雰囲気は例えばアルゴンとし、処理温度は1200〜1500℃、圧力は50〜200MPaが好ましい。
本発明の蓄冷器は、希土類オキシ硫化物からなる蓄冷材を充填した畜冷器において、前記蓄冷材が、希土類オキシ硫化物の核と、前記核の表面に付着しかつ前記核とは希土類元素の組成が異なる希土類オキシ硫化物の層、とを備えたことを特徴とする。なお好ましくは、本発明のハイブリッド蓄冷材の高温側に、例えばHoCu2を主成分とする蓄冷材を配置する。
好ましくは、前記核及び層に対して各々、アルカリ土類金属、遷移金属、及びBを含みCを含まない周期律3b及び4b族元素の少なくとも一員の元素の、酸化物、窒化物もしくは炭化物からなる添加物を、強化材として0.5〜30mass%添加する。
希土類オキシ硫化物は2〜8K付近で磁気相転移に伴う比熱のピークを有する。ここで核と層とで希土類元素の組成を異ならせると、核の比熱ピークと層の比熱ピークの間の温度でも比熱が増す(図2〜図4)。この原因は正確には不明であるが、核と層との界面で希土類組成の変化のために結晶場が影響を受け、比熱のピークが広がるものと考えられる。本発明のハイブリッド蓄冷材は広い温度範囲で大きな比熱を有するので効率的であり、また蓄冷器に充填する蓄冷材の層数を少なくできる。さらにハイブリッド蓄冷材の核と層の組成やこれらの体積比を変えることにより、比熱のピーク温度やピーク付近での比熱の値などの比熱パターンを変えることができる(表1)。
本発明のハイブリッド蓄冷材は、希土類元素の組成が異なる核の表面に層を付着させてこれらを一体にするので、他の形態の場合に比べて、製造が容易で、かつ核と層との界面での破壊が生じにくい(図1)。このため、本発明のハイブリッド蓄冷材は製造が容易で、機械的強度が高いため耐久性も高い。
以下に本発明を実施するための最適実施例を示す。
以下に実施例及び比較例について説明するが、本発明はこれらに限定されたものではない。
ハイブリッド蓄冷材の製法と熱容量
実施例1
平均粒径が0.69μmの酸化テルビウム粉末体と平均粒径が0.46μmの酸化ガドリニウム粉末体を各々10g石英ボートに充填し、石英反応管中で硫化水素ガス H2Sを0.2L/minの流量で流しながら、650℃ 2時間反応させた。反応生成物のX線回折を測定したところ、テルビウムオキシ硫化物 Tb2O2S、ガドリニウムオキシ硫化物Gd2O2Sのみのピークしか認められず、希土類酸化物に対する反応収率は100%であった。得られたTb2O2S粉体の一部を転動造粒法により粒径が0.3〜0.4mmの球状粒子とした。得られた球状粒子を核とし、転動造粒法によって、Tb2O2SとGd2O2S粉末体の混合物を徐々に加えることで、核の表面に層が形成されたハイブリッド顆粒を得た。なお混合物は、焼成後にGd-Tb系オキシ硫化物(GdxTb2-xO2S)となる複合オキシ硫化物とし、ハイブリッド顆粒を100vol%としたときの層の体積比率が50vol%になるまで添加した。以下、層の体積比率を示すときは、ハイブリッド顆粒を100vol%としたときの層の体積比率を示す。得られたハイブリッド顆粒をアルミナ製のルツボに充填し、焼成炉内に設置して常圧焼成を行った。炉内は十分に真空排気した後にアルゴンガスを導入して、アルゴン雰囲気中で焼成を行った。焼成温度を1500℃、焼成時間を6時間とすることで、目的とするハイブリッド蓄冷材を得た。この顆粒を樹脂に埋め込み研磨して顆粒の断面を出したものの、SEM観察を行った。
図1にハイブリッド蓄冷材の断面構造を示す。図1で、矢印Cが核、矢印Sが層である。層の体積比率は断面構造の解析から50vol%であった。またSEM観察により核と層の界面部分は十分に接合していることが判った。
図2及び図3に、層GdxTb2-xO2Sの組成においてX=0.2及び2であるハイブリッド蓄冷材の、熱容量のグラフを示す。なお比較例として図2及び図3に、各ハイブリッド蓄冷材の核の組成のオキシ硫化物と、層の組成のオキシ硫化物とを、均一に混合した混合蓄冷材の熱容量を点線で示す。各ハイブリッド蓄冷材の比熱分布は、5〜8Kで0.3J/cm3・K以上の熱容量が連続しているが、混合蓄冷材は6K前後で0.3J/cm3・K未満となり、0.3J/cm3・K以上の熱容量が連続しない。したがって比熱特性はハイブリッド蓄冷材の方が優れていることが判る。ハイブリッド蓄冷材が広い温度領域で連続的な熱容量を得ることができた原因は、焼成によって核と層の界面が十分に接合したことにより、核と層の界面周辺に希土類元素の拡散が生じ、その結果、磁性原子間距離が局所的に変化し、局所的に結晶場が乱れて、結晶全体の磁気相互作用の均一性が損なわれたためであると推測されるが、詳細については判らない。
実施例2
核をTb2O2Sとし、層の組成をGd0.2Tb1.8O2Sとして、ハイブリッド蓄冷材全体に対する層の体積比率を、4vol%、5vol%、10vol%、90vol%、95vol%、96vol%に変化させた。他の製造条件は、実施例1と同様である。これらのハイブリッド蓄冷材の5K及び7Kでの熱容量を表1に示す。5vol%未満では5Kでの熱容量が0.3J/cm3・K未満であり、一方95vol%を越えれば7Kでの熱容量が0.3J/cm3・K未満となることが判る。
表1 核がTb 2 O 2 S/層がGd 0.2 Tb 1.8 O 2 S での層の体積比率の効果
体積比率/vol% 5Kでの熱容量/J/cm 3 ・K 7Kでの熱容量/J/cm 3 ・K
4 0.28 1.65
5 0.31 1.65
10 0.40 1.6
90 0.70 0.51
95 0.75 0.31
96 0.75 0.29
実施例3
核がGdxTb2-xO2S(X=0.2,2)、層がTb2O2Sであること以外は、実施例1と同様のハイブリッド蓄冷材を作製した。これらのハイブリッド蓄冷材の熱容量は、図2及び図3との熱量量とほぼ同じである。
実施例4
平均粒径0.36μmの酸化ホルミウムや平均粒径0.6μmの酸化ジスプロシウムを用いて、実施例1と同様にしてHo2O2S及びDy2O2Sの粉末を作製した。実施例1と同様に作製した2重層ハイブリッド顆粒(核:Tb2O2S、 層:Gd2O2S)に、Ho2O2SとDy2O2Sの混合粉を徐々に加えて、外周層にHo-Dy系混合粉層を形成した3重層ハイブリッド顆粒を作製した。なお混合粉は、ハイブリッド顆粒を100vol%としたときの混合粉層の体積比率が33vol%になるように添加した。混合粉層は、焼成後にHo-Dy系オキシ硫化物(HoxDy2-xO2S)の複合オキシ硫化物となる。得られたハイブリッド顆粒から実施例1と同様の焼成法によってハイブリッド蓄冷材を作製した。
図4に、実施例4のハイブリッド蓄冷材の混合粉層HoxDy2-xO2SにおいてX=1.8の時の、ハイブリッド蓄冷材の熱容量のグラフを示す。なお比較例として、核の組成のオキシ硫化物と、各層の組成のオキシ硫化物とを、均一に混合した混合蓄冷材の熱容量を点線で示す。ハイブリッド蓄冷材の比熱分布は、2〜8Kで0.3J/cm3・K以上の熱容量が連続しているが、混合蓄冷材は6K前後及び3K前後及び2K付近で0.3J/cm3・K未満となり、0.3J/cm3・K以上の熱容量が連続しない。したがって比熱特性はハイブリッド蓄冷材の方が優れていることが判る。
強化材の添加と熱容量
実施例5
実施例1で使用した酸化テリビウム及び酸化ガドリニウム各々にα−Al2O3を加え、エタノールを溶媒として、ボールミルで24時間混合した。得られたスラリーを乾燥し仮焼(900℃×3時間)した。生成物を硫化水素ガスと反応させて硫化物を調製し、実施例1と同様にしてα−Al2O3を含むハイブリッド蓄冷材(Al-doped Gd-Tb系ハイブリッド蓄冷材)を作製した。表2に、GdxTb2-xO2SにおけるX値とα−Al2O3添加量を変化させた際の、熱容量が0.3J/cm3・K以上となる温度領域を示す。表2からα−Al2O3の添加量が30mass%を越えると、0.3J/cm3・K以上の温度領域が著しく狭くなることがわかる。なお熱容量が0.3J/cc・K以上を越えていれば、冷凍機の冷却特性に大きな影響はない。
表2 α-Al 2 O 3 の添加
添加量/mass% X値 0.3 J/cc・K以上の温度領域/K
Non-dope 0.2 4.6〜8.2
0.1 0.2 4.6〜8.2
1 0.2 4.6〜8.2
10 0.2 4.6〜8.2
20 0.2 4.6〜8.2
30 0.2 4.7〜8.1
40 0.2 5.0〜5.9 及び 6.5〜7.7
Non-dope 2 3.0〜8.2
0.1 2 3.0〜8.2
1 2 3.0〜8.2
10 2 3.0〜8.2
20 2 3.0〜8.2
30 2 3.2〜8.1
40 2 4.2〜5.4 及び 6.5〜7.7
得られたハイブリッド蓄冷材をワックスに埋め込ませ、研削・研磨を行った試料面について、X線回折で相の種類を求め、金属顕微鏡で相の分布を調べた。この結果、主相と異なる相が確認され、その相は主相中に均一に分散していた。また画像解析によって、α−Al2O3の添加量が増加すると、主相と異なる相の割合も増加することが判った。この相は、添加したα−Al2O3と反応して生成されたものである。α−Al2O3の添加量が30mass%を越えると、熱容量が0.3J/cm3・K以上となる温度領域が著しく狭くなる原因は、主相と異なる相が増加したことによって生じた熱容量の減少である。なおこれらの点は、希土類元素の種類を変えた場合であっても同様であった。これは主相であるR2O2S相に主相と異なる第二相が存在した場合のセラミックス組織や熱容量に関する特性であり、添加物が同じであれば、希土類元素の種類に基本的に依存しない特性だからである。
実施例6
α−Al2O3を部分安定化ジルコニア(3Y-ZrO2)やムライト(3Al2O3-2SiO2)に変更し、他は実施例5と同様の条件でハイブリッド蓄冷材を作製した。その結果、添加物を部分安定化ジルコニア(3Y-ZrO2)やムライト(3Al2O3-2SiO2)に変更しても、同じ添加量であれば、実施例5と同様の結果が得られた。
実施例7
α−Al2O3を非酸化物のSi3N4,Sialon,TiN,AlN,BN,SiC,TiCに変更し、不活性ガス雰囲気下で仮焼して硫化反応させた以外は、実施例5と同様の条件でハイブリッド蓄冷材を作製した。添加物をSi3N4,Sialon,TiN,AlN,BN,SiC,TiCに変更しても、同じ添加量であれば、実施例5と同等の結果が得られた。
実施例8
α−Al2O3をCaOに変更し、他は実施例5と同様の条件で、CaOを含むハイブリッド蓄冷材を作製した。表3に、GdxTb2-xO2SにおけるX値とCaO添加量を変化させた際の、熱容量が0.3J/cc・K以上となる温度領域を示す。表3からCaO添加量が30mass%を越えると、熱容量が0.3J/cc・K以上となる温度領域が著しく狭くなることがわかる。得られたハイブリッド蓄冷材について研削・研磨を行った試料面を作製し、その試料面について、X線回折して相の種類を求め、金属顕微鏡で相の分布を調べた。その結果、主相と異なるCaOを含有する相が存在し、その相は主相中に均一に分散し、CaOの添加量が増加すると、CaO含有相の割合も増加していた。なおCaOをMgO,SrO及びBaOに変更し、他は実施例8と同様の条件でハイブリッド蓄冷材を作製しても、実施例8と同様の結果が得られた。
表3 CaO添加
添加量/mass% X値 0.3 J/cc・K以上の温度領域/K
Non-dope 0.2 4.6〜8.2
0.1 0.2 4.6〜8.2
1 0.2 4.6〜8.2
10 0.2 4.6〜8.2
20 0.2 4.6〜8.2
30 0.2 4.7〜8.1
40 0.2 5.0〜5.8 及び6.5〜7.7
Non-dope 2 3.0〜8.2
0.1 2 3.0〜8.2
1 2 3.0〜8.2
10 2 3.0〜8.2
20 2 3.0〜8.2
30 2 3.2〜8.1
40 2 4.3〜5.4 及び6.6〜7.7
実施例9
α−Al2O3をCr2O3に変更し、他は実施例5と同様の条件で、Cr2O3を含むハイブリッド蓄冷材を作製した。表4に、GdxTb2-xO2SにおけるX値とCr2O3添加量を変化させた際の、熱容量が0.3J/cc・K以上となる温度領域を示す。表4からCr2O3添加量の添加量が30mass%を越えると、熱容量が0.3J/cc・K以上となる温度領域が著しく狭くなることがわかる。得られたハイブリッド蓄冷材について研削・研磨を行った試料面を作製し、それについて、X線回折で相の種類を求め、金属顕微鏡で相の分布を調べた。その結果、主相と異なるCr2O3を含有する相が存在し、その相は主相中に均一に分散し、Cr2O3の添加量が増加すると、Cr2O3含有相の割合も増加していた。なおCr2O3をMnOやその他の遷移金属酸化物に変更し、他は実施例9と同様の条件でハイブリッド蓄冷材を作製したが、実施例9と同等の結果が得られた。
表4 Cr 2 O 3 添加
添加量/mass% X値 0.3 J/cc・K以上の温度領域/K
Non-dope 0.2 4.6〜8.2
0.1 0.2 4.6〜8.2
1 0.2 4.6〜8.2
10 0.2 4.6〜8.2
20 0.2 4.6〜8.2
30 0.2 4.7〜8.1
40 0.2 5.0〜5.8及び6.6〜7.7
Non-dope 2 3.0〜8.2
0.1 2 3.0〜8.2
1 2 3.0〜8.2
10 2 3.0〜8.2
20 2 3.0〜8.2
30 2 3.2〜8.1
40 2 4.3〜5.5及び6.5〜7.8
冷凍能力
実施例10
実施例1で示したGd-Tb系ハイブリッド蓄冷材について、ナイロン系メディアと10mass%濃度のアルミナスラリーを加工槽内に投入し、そこにハイブリッド蓄冷材を入れ、回転バレル加工による表面処理を行った。加工時間を6時間とした。表面処理を行ったハイブリッド蓄冷材は、約25°に傾けた鏡面の鉄板上に転がし、転がり落ちた蓄冷材を回収して形状分級を行った後、目開きの異なる2種類のフィルターネットによって篩い分けを行った。得られたハイブリッド蓄冷材の平均粒径は0.3mm、平均の長径と短径の比(平均アスペクト比)は1.2であった。なお、ハイブリッド蓄冷材の平均粒径及び平均アスペクト比は、顆粒100個をビデオハイスコープシステムによって撮影した画像から測定した。
上記のGd-Tb系ハイブリッド蓄冷材を用いて蓄冷器を構成し、その冷凍能力を以下の手法で評価した。なお、蓄冷器の内径は30mm、高さは30mmである。これを1w級2段式GM冷凍機に組み込み、冷凍能力試験を行った。高温側1段目の蓄冷器にはPbの顆粒を使用し、低温側2段目の蓄冷器の高温側20vol%にはHoCu2を使用し、残りは実施例10のGd-Tb系ハイブリッド蓄冷材を使用した(図5の50参照)。なお比較例として、上記のGM冷凍機を用いて、低温側2段目の蓄冷器の高温側20vol%をHoCu2蓄冷材、残り80vol%を実施例10のハイブリッド蓄冷材と同様の組成である蓄冷材各40vol%を層状に充填した蓄冷器52(比較例1)と、低温側2段目の蓄冷器の高温側20vol%をHoCu2蓄冷材、残り80vol%を実施例10のハイブリッド蓄冷材と同様の組成である蓄冷材各40vol%を混合して充填した蓄冷器54(比較例2)とを評価した。表5に、実施例10と比較例1及び2の4.2Kでの冷凍能力と無負荷時の最低到達温度、図5に、各蓄冷器50,52,54内の充填構成を示す。その結果、ハイブリッド蓄冷材が比較例よりも能力が高いことが判った。その理由として、(1)充填層を減らしたことによって、冷媒であるヘリウムガスの流れの阻害を軽減できたこと、(2)0.3J/cm3・K以上の熱容量が3〜8Kで連続していることなどが上げられるが、詳細については判らない。
表5 冷凍能力
試料 X値 最低到達温度(K) 冷凍能力(4.2K)/ W
実施例10 0.2 2.75 1.30
〃 2 2.62 1.35
比較例1 0.2 2.76 1.20
〃 2 2.64 1.27
比較例2 0.2 2.85 1.15
〃 2 2.70 1.21
実施例11
実施例2で示したハイブリッド蓄冷材を実施例10と同様の条件で処理した試料を用いて、実施例10と同様の冷凍能力試験を行った。その結果を表6に示す。層の体積比率が5vol%未満又は体積比率が95vol%を越えると、4.2Kでの冷凍能力は著しく低下することが判る。したがって層の体積比率は5vol%以上95vol%以下が好ましい。
表6 層の体積比率と冷凍能力
体積比率/vol% 冷凍能力(4.2K)/W
4 0.98
5 1.25
10 1.30
90 1.30
95 1.29
96 1.19
実施例12
実施例4で示した三重層のハイブリッド蓄冷材を、実施例10と同様の条件で処理した試料を用いて、実施例10と同様の冷凍能力試験を行った。高温側1段目の蓄冷器にPbの顆粒を使用し、低温側2段目の蓄冷器の高温側25vol%にはHoCu2を使用し、残り75vol%にはこの三重層のハイブリッド蓄冷材を使用した(図6の60参照)。なお比較例として、上記のGM冷凍機を用いて、低温側2段目の蓄冷器の高温側から25vol%のHoCu2蓄冷材、そして残り75vol%のうち高温側から各25vol%を、Tb2O2S蓄冷材、Gd2O2S蓄冷材、Ho1.8Dy0.2O2S蓄冷材の順で層状に充填した蓄冷器62(比較例3)と、低温側2段目の蓄冷器の高温側25vol%をHoCu2蓄冷材、残り75vol%を実施例12のハイブリッド蓄冷材と同様の組成である蓄冷材各25vol%を混合して充填した蓄冷器64(比較例4)とを評価した。表7に、実施例12と比較例3及び比較例4の2Kでの冷凍能力と無負荷時の最低到達温度、図6に、各蓄冷器60,62,64内の充填構成を示す。その結果、ハイブリッド蓄冷材を使用した蓄冷器の方が、冷凍能力は優れていることが判った。
表7 2層ハイブリッド蓄冷材の冷凍能力
試料 最低到達温度(K) 冷凍能力(2K)/W
実施例12 1.20 0.31
比較例3 1.25 0.23
比較例4 1.31 0.14
強化材の添加と冷凍能力及び耐久性
実施例13
実施例5に示したハイブリッド蓄冷材(α-Al2O3添加)を実施例10と同様の条件で処理した試料を、実施例10と同様のGM冷凍機の蓄冷器に充填して冷凍能力と耐久性の試験を行った。表8には4.2Kの冷凍能力と無負荷時の最低到達温度及び連続1500時間と10000時間運転での顆粒の破壊状況を示す。なおα-Al2O3無添加のハイブリッド蓄冷材では蓄冷材の耐久性に問題があった。また添加材が30mass%を越えると冷凍能力に問題が生じることが判った。したがってα-Al2O3の添加量は0.5〜30mass%が好ましい。以上の結果では、希土類元素をGdやTbから他の希土類元素に変更した場合でも、同様の傾向が見られた。さらに強化材を3Y-ZrO2あるいは3Al2O3-2SiO2に変更しても(実施例6)、Si3N4やSiAlONなどの3b族元素や4b族元素の酸化物、窒化物、もしくは炭化物に変えても(実施例7)、同じ添加量で有れば、同様の結果が得られた。
表8 α-Al 2 O 3 添加
添加量 X値 最低到達 冷凍能力 1500時間 10000時間
/mass% 温度/K (4.2K)/W 連続運転 連続運転
1 0.2 2.75 1.30 問題なし 問題なし
10 0.2 2.75 1.30 問題なし 問題なし
20 0.2 2.75 1.30 問題なし 問題なし
30 0.2 2.77 1.28 問題なし 問題なし
40 0.2 2.85 1.09 問題なし 問題なし

1 2 2.62 1.35 問題なし 問題なし
10 2 2.62 1.35 問題なし 問題なし
20 2 2.62 1.35 問題なし 問題なし
30 2 2.65 1.33 問題なし 問題なし
40 2 2.81 1.04 問題なし 問題なし
実施例14
実施例8、9に示したハイブリッド蓄冷材(アルカリ土類酸化物を添加)を実施例10と同様の条件で処理した試料を、実施例10と同様のGM冷凍機の蓄冷器に充填し、これを用いて冷凍能力と耐久性の試験を行った。表9に、CaOを添加した場合の4.2Kの冷凍能力と無負荷時の最低到達温度及び顆粒の破壊状況を示す。なおCaO無添加のハイブリッド蓄冷材では耐久性に問題があったので、0.5mass%以上の添加が好ましい。また0.5mass%を以上添加したハイブリッド蓄冷材の場合、連続2500時間運転では、破壊が見られないが、連続10000時間運転では破壊が見られた。そして30mass%を越えると冷凍能力に問題が生じることが判った。 なおアルカリ土類酸化物をMgOやSrO, BaOに変えても、あるいは希土類元素をGdやTbから他の希土類元素に変更した場合でも、同様の傾向が見られた。また強化材をMgOやBaO、あるいはCr2O3やMnO等の遷移金属酸化物に変更しても、同じ添加量で有れば、実施例14と同様の結果が得られた。
表9 CaO添加
添加量 X値 最低到達 冷凍能力 1500時間 2500時間 10000時間
/mass% 温度/K (4.2K)/W 連続運転 連続運転 連続運転
1 0.2 2.75 1.30 問題なし 問題なし 15%程度
顆粒破壊
10 0.2 2.75 1.30 問題なし 問題なし 10%程度
顆粒破壊
20 0.2 2.75 1.30 問題なし 問題なし 5%程度
顆粒破壊
30 0.2 2.76 1.27 問題なし 問題なし 5%程度
顆粒破壊
40 0.2 2.86 1.07 問題なし 問題なし 5%程度
顆粒破壊
1 2 2.62 1.35 問題なし 問題なし 15%程度
顆粒破壊
10 2 2.62 1.35 問題なし 問題なし 10%程度
顆粒破壊
20 2 2.62 1.35 問題なし 問題なし 5%程度
顆粒破壊
30 2 2.64 1.32 問題なし 問題なし 5%程度
顆粒破壊
40 2 2.82 1.02 問題なし 問題なし 5%程度
顆粒破壊
実施例のハイブリッド蓄冷材でのセラミック粒子の断面構造を示す電子顕微鏡写真で、CはTb2O2Sの核を、SはGdxTb2-xO2Sの層を示す。 実施例のハイブリッド蓄冷材(核:Tb2O2S,層:Gd0.2Tb1.8O2S)の熱容量を示す特性図 実施例のハイブリッド蓄冷材(核:Tb2O2S,層:Gd2O2S)の熱容量を示す特性図 実施例の3重層ハイブリッド蓄冷材(核:Tb2O2S, 第1層:Gd2O2S,第2層:Ho1.8Dy0.2O2S)の熱容量を示す特性図 実施例及び比較例の蓄冷器の充填構成を模式的に示す図で、50は実施例10の低温側2段目蓄冷器、52は比較例1の低温側2段目蓄冷器、54は低温側比較例2の低温側2段目蓄冷器をそれぞれ示す。 実施例及び比較例の蓄冷器内の充填構成を模式的に示す図で、60は実施例12の低温側2段目蓄冷器、62は比較例3の低温側2段目蓄冷器、64は比較例4の低温側2段目蓄冷器を示す。
符号の説明
50,60 実施例の低温側2段目蓄冷器
52,54,62,64 比較例の低温側2段目蓄冷器

Claims (9)

  1. 希土類オキシ硫化物を用いた蓄冷材において、
    希土類オキシ硫化物の核と、該核の表面に付着しかつ前記核とは希土類元素の組成が異なる希土類オキシ硫化物の層、とからなることを特徴とするハイブリッド蓄冷材。
  2. 前記核及び前記層の一方がTbのオキシ硫化物からなり、他方がGdのオキシ硫化物またはGdとTbとの複合オキシ硫化物からなることを特徴とする、請求項1のハイブリッド蓄冷材。
  3. (1) Ho2-xDyxO2S(0≦x≦2)からなる核または層と、
    (2) Gdのオキシ硫化物またはGdとTbとの複合オキシ硫化物からなる核または層、
    (ただし上記(1)のオキシ硫化物と上記(2)のオキシ硫化物が共に核となる場合を除く)、とを備えることを特徴とする請求項1または2のハイブリッド蓄冷材。
  4. ハイブリッド蓄冷材が希土類オキシ硫化物の核と、該核の表面を被覆する第1層と該第1層の表面を被覆する第2層との少なくとも2つの層を備え、
    核と第1層と第2層とが希土類元素の組成が互いに異なり、かつ核と第1層と第2層とが、
    (1) Tbのオキシ硫化物と、
    (2) Gdのオキシ硫化物またはGdとTbとの複合オキシ硫化物と、
    (3) Ho2-xDyxO2S(0≦x≦2)、
    からなる3種類の組成から重複しないように選択されていることを特徴とする請求項3のハイブリッド蓄冷材。
  5. ハイブリッド蓄冷材が前記核の表面を前記層が被覆した顆粒状であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかのハイブリッド蓄冷材。
  6. 前記核及び層に対して各々、アルカリ土類金属、遷移金属、及びBを含みCを含まない周期律3b及び4b族元素の少なくとも一員の元素の、酸化物、窒化物もしくは炭化物からなる添加物を、強化材として0.5〜30mass%添加したことを特徴とする、請求項1〜5のいずれかのハイブリッド蓄冷材。
  7. 希土類オキシ硫化物またはその前駆体の核を造粒し、
    前記核とは希土類元素の組成が異なる希土類オキシ硫化物またはその前駆体の粉体を、前記核の周囲に供給して、核の表面を希土類元素の組成が異なる層で被覆するように造粒することにより、核の表面を核とは希土類元素の組成が異なる層で被覆し、
    次いで前記核と層とを焼成し、かつ前記核または層が希土類オキシ硫化物の前駆体の場合には、含硫黄雰囲気中で焼成して該前駆体を希土類オキシ硫化物に転化させる、ハイブリッド蓄冷材の製造方法。
  8. 希土類オキシ硫化物からなる蓄冷材を充填した畜冷器において、
    前記蓄冷材が、希土類オキシ硫化物の核と、前記核の表面に付着しかつ前記核とは希土類元素の組成が異なる希土類オキシ硫化物の層、とを備えたことを特徴とする蓄冷器。
  9. 前記核及び層に対して各々、アルカリ土類金属、遷移金属、及びBを含みCを含まない周期律3b及び4b族元素の少なくとも一員の元素の、酸化物、窒化物もしくは炭化物からなる添加物を、強化材として0.5〜30mass%添加したことを特徴とする、請求項8の蓄冷器。
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