JP4665879B2 - 歯車鍛造装置及び歯車鍛造方法 - Google Patents
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そして、歯車を成形した後には、ダイスリーブが、ダイスの成形面における歯筋に沿って自ら回転しながら前進することによって、成形後の歯車をダイスより取り出している。これにより、成形後の歯車に変形が生じることを防止し、寸法精度の優れた歯車を製造している。
また、ダイスとダイケースとの間に、つる巻き状の溝とこれに係合するピンとが形成されているだけでなく、ダイスリーブとダイスリーブホルダーとの間にも、つる巻き状の溝とこれに係合するピンとが形成されている。
さらに、特許文献2においては、シリンダによって歯形成形部の回転制御を行うよう構成した場合には、エゼクタにより歯形成形部内から成形後のヘリカルギヤを取り出す際に、エゼクタの上昇動作と、シリンダのストローク動作との同期をとる必要が生じ、ヘリカルギヤを取り出す際の制御が困難になってしまう。
上記歯車用素材の軸方向上端面を加圧するパンチと、該パンチを保持するパンチホルダと、上記歯車用素材の外周面につる巻き状歯面を成形するダイスと、該ダイスを保持するダイケースと、上記パンチと対向して上記歯車用素材の軸方向下端面を受け止めるダイスリーブと、該ダイスリーブ及び上記ダイケースを固定するダイベースとを有しており、
上記ダイスは、上記ダイケース及び上記ダイスリーブに対して回転可能であると共に、上記つる巻き状歯面を成形するための歯型成形穴を有しており、
上記ダイスの外周面と、該外周面を保持する上記ダイケースの内周面との間には、いずれか一方に、つる巻き状溝を形成すると共に、他方に、該つる巻き状溝に係合する係合突起が形成してあり、
上記パンチは、上記ダイスの上記歯型成形穴及び上記ダイスリーブと共に上記はすば歯車を鍛造するための鍛造空間を形成するよう構成してあり、
上記パンチホルダには、上記ダイスを押し下げる押下ロッドが上下に移動可能に配設してあり、
上記ダイスリーブは、上記歯型成形穴の形状に沿った歯型外周面を備えると共に、該歯型外周面が上記歯型成形穴内に係合した状態で配置してあり、
上記歯型成形穴における歯面と、上記歯型外周面における歯面と、上記つる巻き状溝とは同一のリードに形成してあり、
鍛造後の上記はすば歯車を上記ダイスの上記歯型成形穴内から取り出す際には、上記押下ロッドによって上記ダイスを押し下げることにより、上記はすば歯車を上記ダイスリーブによって受け止めながら上記ダイスを上記ダイケース、上記はすば歯車及び上記ダイスリーブに対して回転させて、上記はすば歯車を取り出すよう構成してあることを特徴とする歯車鍛造装置にある(請求項1)。
それ故、本発明の歯車鍛造装置によれば、装置の構造が簡単であると共に装置の耐久性に優れ、かつはすば歯車を精度よく製造することができる。
上記ダイスは、上記ダイケース及び上記ダイスリーブに対して回転可能であると共に、上記つる巻き状歯面を成形するための歯型成形穴を有しており、
上記ダイスの外周面と、該外周面を保持する上記ダイケースの内周面との間には、いずれか一方に、つる巻き状溝を形成すると共に、他方に、該つる巻き状溝に係合する係合突起が形成してあり、
上記パンチは、上記ダイスの上記歯型成形穴及び上記ダイスリーブと共に上記はすば歯車を鍛造するための鍛造空間を形成するよう構成してあり、
上記パンチホルダには、上記ダイスを押し下げる押下ロッドが上下に移動可能に配設してあり、
上記ダイスリーブは、上記歯型成形穴の形状に沿った歯型外周面を備えると共に、該歯型外周面が上記歯型成形穴内に係合した状態で配置してあり、
上記歯型成形穴における歯面と、上記歯型外周面における歯面と、上記つる巻き状溝とは同一のリードに形成してあり、
上記鍛造空間内に配置された歯車用素材の軸方向下端面を上記ダイスリーブによって受け止めた状態で、当該歯車用素材の軸方向上端面を、上記ダイスを押し下げながら下降する上記パンチによって加圧することにより、上記歯車用素材を押し潰して上記鍛造空間内に上記歯車を鍛造する鍛造工程と、
上記鍛造後のはすば歯車を上記歯型成形穴内に保持した状態の上記ダイスを、上記押下ロッドによって押し下げることにより、上記はすば歯車を上記ダイスリーブによって受け止めながら当該ダイスを上記ダイケース、上記はすば歯車及び上記ダイスリーブに対して回転させて、上記はすば歯車を当該ダイスの上記歯型成形穴内から取り出す取出工程とを含むことを特徴とする歯車鍛造方法にある(請求項6)。
具体的には、上記鍛造工程においては、鍛造空間内に配置した歯車用素材の軸方向下端面をダイスリーブによって受け止めた状態で、当該歯車用素材の軸方向上端面をパンチによって加圧することにより、歯車用素材を押し潰して鍛造空間内にはすば歯車を鍛造する。このとき、パンチをダイスに向けて下降させて、ダイスの歯型成形穴、パンチ及びダイスリーブによって鍛造空間を形成する。
第1の発明においては、上記ダイスは、上記ダイベースに配設した付勢手段によって上方へ付勢されており、上記パンチは、上記付勢手段の付勢力に抗して上記ダイスを押し下げるよう構成し、上記押下ロッドは、上記付勢手段の付勢力に抗して上記ダイスを押し下げるよう構成することが好ましい(請求項2)。
また、第2の発明においては、上記ダイスは、上記ダイベースに配設した付勢手段によって上方へ付勢されており、上記鍛造工程においては、上記パンチが上記付勢手段の付勢力に抗して上記ダイスを押し下げながら上記はすば歯車を鍛造し、上記取出工程においては、上記パンチを上記ダイスから退避させると共に、上記押下ロッドによって上記付勢手段の付勢力に抗して上記ダイスをさらに押し下げることにより、上記はすば歯車を取り出すことが好ましい(請求項7)。
また、パンチは、付勢手段の付勢力に抗してダイスを押し下げながらはすば歯車を鍛造することができる。これにより、ダイスの歯型成形穴、パンチ及びダイスリーブによって、安定して鍛造空間を形成することができ、はすば歯車の鍛造を安定して行うことができる。また、押下ロッドは、付勢手段の付勢力に抗してダイスをさらに押し下げることができる。これにより、鍛造後のはすば歯車をダイスの歯型成形穴内から取り出すことが容易であると共に、このはすば歯車の取出後には、付勢手段の付勢力によって容易にダイスを元の位置に復帰させることができる。
なお、付勢手段は、圧縮バネ、油圧シリンダー等によっても構成することが可能である。
本例の歯車鍛造装置1は、図1、図2、図4に示すごとく、歯車用素材70から、外周面701につる巻状歯面71を備えたはすば歯車7(以下、はすば歯車7という。)を製造する装置である。歯車鍛造装置1は、歯車用素材70の軸方向上端面を加圧するパンチ2と、このパンチ2を保持するパンチホルダ3と、歯車用素材70の外周面701につる巻き状歯面71を成形するダイス4と、このダイス4を保持するダイケース5と、パンチ2と対向して歯車用素材70の軸方向下端面を受け止めるダイスリーブ6と、このダイスリーブ6及びダイケース5を固定するダイベース11とを有している。
また、ダイス4の外周面と、この外周面を保持するダイケース5の内周面との間には、いずれか一方に、つる巻き状溝54を形成すると共に、他方に、つる巻き状溝54に係合する係合突起43が形成してある。
また、上記ダイスリーブ6は、歯型成形穴41の形状に沿った歯型外周面61を備えており、この歯型外周面61は、歯型成形穴41内に係合している。
そして、図3に示すごとく、歯車鍛造装置1は、鍛造後のはすば歯車7をダイス4の歯型成形穴41から取り出す際には、押下ロッド31によって、ガスクッション51の付勢力に抗してダイス4を押し下げることにより、ダイス4を、ダイケース5、はすば歯車7及びダイスリーブ6に対して回転させて、はすば歯車7を取り出すよう構成してある。
本例の歯車用素材70は、図4に示すごとく、軸穴72を備えた筒形状を有しており、本例の歯車鍛造装置1において製造するはすば歯車7は、軸穴72を備えたものである。また、本例の軸穴72には、スプライン状の歯筋が形成されている。そして、図1に示すごとく、上記パンチ2は、歯車用素材70の軸穴72に挿入配置するマンドレル部21を有しており、マンドレル部21には、軸穴72にスプライン状の歯筋を形成するためのスプライン成形歯211が形成してある。
なお、歯車鍛造装置1によって製造するはすば歯車7は、パンチ2及びダイスリーブ6の形状を変更して、図5に示すごとく、軸穴72を有していないものや、図6に示すごとく、軸穴72にスプライン状の歯筋を有しないものとすることもできる。
なお、ダイス4の外周面に上記つる巻き状溝54を形成し、ダイケース5の内周面に上記係合突起43を形成することもできる。
また、図示は省略するが、本例の押下ロッド31は、油圧シリンダーによって加圧されて下降し、ダイス4を押し下げるよう構成してある。
なお、ダイケース5及び結合部材13は、位置決めピン及びボルトを介してダイベース11に固定してあり、ダイスリーブホルダ12は、位置決めピンを介してダイベース11に固定してあり、ダイスリーブ6は、回り止めピンを介してダイスリーブホルダ12に対して回り止めがなされている。
はすば歯車7を鍛造するに当たっては、まず、図1に示すごとく、配置工程として、ガスクッション51によって上昇した位置にあるダイス4の歯型成形穴41内に、歯車用素材70を配置する。
次いで、図2に示すごとく、鍛造工程として、パンチ2をダイス4に向けて下降させる。このとき、ダイス4の嵌入凹部42内にパンチ2の下端部が嵌入されて、ダイス4の歯型成形穴41、パンチ2及びダイスリーブ6によって鍛造空間10が形成される。そして、パンチ2がガスクッション51の付勢力に抗してダイス4を押し下げながら、歯車用素材70の軸方向下端面をダイスリーブ6によって受け止めた状態で、当該歯車用素材70の軸方向上端面をパンチ2によって加圧することにより、歯車用素材70が押し潰されて鍛造空間10内にはすば歯車7が鍛造される。
このとき、鍛造後のはすば歯車7を歯型成形穴41内に保持した状態のダイス4は、係合突起43がつる巻き状溝54に沿って相対移動することにより、鍛造後のはすば歯車7と同一のリードで、ダイケース5に対して強制的に回転しながら下降することができる。
そして、歯型成形穴41内からはすば歯車7を取り出した後には、ガスクッション51の付勢力によって容易にダイス4を元の上昇した位置に復帰させることができる。
それ故、本例の歯車鍛造装置1及び歯車鍛造方法によれば、装置の構造が簡単であると共に装置の耐久性に優れ、かつ外周面701につる巻状歯面71を備えたはすば歯車7を精度よく製造することができる。
10 鍛造空間
11 ダイベース
12 ダイスリーブホルダ
2 パンチ
3 パンチホルダ
31 押下ロッド
4 ダイス
41 歯型成形穴
5 ダイケース
51 ガスクッション
6 ダイスリーブ
61 歯型外周面
7 歯車
70 歯車用素材
71 つる巻状歯面
Claims (7)
- 歯車用素材から、はすば歯車を鍛造する装置であって、
上記歯車用素材の軸方向上端面を加圧するパンチと、該パンチを保持するパンチホルダと、上記歯車用素材の外周面につる巻き状歯面を成形するダイスと、該ダイスを保持するダイケースと、上記パンチと対向して上記歯車用素材の軸方向下端面を受け止めるダイスリーブと、該ダイスリーブ及び上記ダイケースを固定するダイベースとを有しており、
上記ダイスは、上記ダイケース及び上記ダイスリーブに対して回転可能であると共に、上記つる巻き状歯面を成形するための歯型成形穴を有しており、
上記ダイスの外周面と、該外周面を保持する上記ダイケースの内周面との間には、いずれか一方に、つる巻き状溝を形成すると共に、他方に、該つる巻き状溝に係合する係合突起が形成してあり、
上記パンチは、上記ダイスの上記歯型成形穴及び上記ダイスリーブと共に上記はすば歯車を鍛造するための鍛造空間を形成するよう構成してあり、
上記パンチホルダには、上記ダイスを押し下げる押下ロッドが上下に移動可能に配設してあり、
上記ダイスリーブは、上記歯型成形穴の形状に沿った歯型外周面を備えると共に、該歯型外周面が上記歯型成形穴内に係合した状態で配置してあり、
上記歯型成形穴における歯面と、上記歯型外周面における歯面と、上記つる巻き状溝とは同一のリードに形成してあり、
鍛造後の上記はすば歯車を上記ダイスの上記歯型成形穴内から取り出す際には、上記押下ロッドによって上記ダイスを押し下げることにより、上記はすば歯車を上記ダイスリーブによって受け止めながら上記ダイスを上記ダイケース、上記はすば歯車及び上記ダイスリーブに対して回転させて、上記はすば歯車を取り出すよう構成してあることを特徴とする歯車鍛造装置。 - 請求項1において、上記ダイスは、上記ダイベースに配設した付勢手段によって上方へ付勢されており、
上記パンチは、上記付勢手段の付勢力に抗して上記ダイスを押し下げるよう構成してあり、
上記押下ロッドは、上記付勢手段の付勢力に抗して上記ダイスを押し下げるよう構成してあることを特徴とする歯車鍛造装置。 - 請求項2において、上記付勢手段は、ガスの圧力を利用して反発力を発生させるガスクッションであることを特徴とする歯車鍛造装置。
- 請求項1〜3のいずれか一項において、上記係合突起には、上記つる巻き状溝内を回転しながら当該係合突起と共に移動するローラが配設してあることを特徴とする歯車鍛造装置。
- 請求項1〜4のいずれか一項において、上記歯車用素材は、軸穴を備えた筒形状を有しており、
上記パンチは、上記歯車用素材の上記軸穴に挿入配置するマンドレル部を有していることを特徴とする歯車鍛造装置。 - 上記歯車用素材の軸方向上端面を加圧するパンチと、該パンチを保持するパンチホルダと、上記歯車用素材の外周面につる巻き状歯面を成形するダイスと、該ダイスを保持するダイケースと、上記パンチと対向して上記歯車用素材の軸方向下端面を受け止めるダイスリーブと、該ダイスリーブ及び上記ダイケースを固定するダイベースとを有する歯車鍛造装置を用いて、歯車用素材から、はすば歯車を鍛造する方法であって、
上記ダイスは、上記ダイケース及び上記ダイスリーブに対して回転可能であると共に、上記つる巻き状歯面を成形するための歯型成形穴を有しており、
上記ダイスの外周面と、該外周面を保持する上記ダイケースの内周面との間には、いずれか一方に、つる巻き状溝を形成すると共に、他方に、該つる巻き状溝に係合する係合突起が形成してあり、
上記パンチは、上記ダイスの上記歯型成形穴及び上記ダイスリーブと共に上記はすば歯車を鍛造するための鍛造空間を形成するよう構成してあり、
上記パンチホルダには、上記ダイスを押し下げる押下ロッドが上下に移動可能に配設してあり、
上記ダイスリーブは、上記歯型成形穴の形状に沿った歯型外周面を備えると共に、該歯型外周面が上記歯型成形穴内に係合した状態で配置してあり、
上記歯型成形穴における歯面と、上記歯型外周面における歯面と、上記つる巻き状溝とは同一のリードに形成してあり、
上記鍛造空間内に配置された歯車用素材の軸方向下端面を上記ダイスリーブによって受け止めた状態で、当該歯車用素材の軸方向上端面を、上記ダイスを押し下げながら下降する上記パンチによって加圧することにより、上記歯車用素材を押し潰して上記鍛造空間内に上記歯車を鍛造する鍛造工程と、
上記鍛造後のはすば歯車を上記歯型成形穴内に保持した状態の上記ダイスを、上記押下ロッドによって押し下げることにより、上記はすば歯車を上記ダイスリーブによって受け止めながら当該ダイスを上記ダイケース、上記はすば歯車及び上記ダイスリーブに対して回転させて、上記はすば歯車を当該ダイスの上記歯型成形穴内から取り出す取出工程とを含むことを特徴とする歯車鍛造方法。 - 請求項6において、上記ダイスは、上記ダイベースに配設した付勢手段によって上方へ付勢されており、
上記鍛造工程においては、上記パンチが上記付勢手段の付勢力に抗して上記ダイスを押し下げながら上記はすば歯車を鍛造し、
上記取出工程においては、上記パンチを上記ダイスから退避させると共に、上記押下ロッドによって上記付勢手段の付勢力に抗して上記ダイスをさらに押し下げることにより、上記はすば歯車を取り出すことを特徴とする歯車鍛造方法。
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