JP4161889B2 - 円筒部品、その成形装置及びその成形方法 - Google Patents

円筒部品、その成形装置及びその成形方法 Download PDF

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本発明は、歯車などの円筒部品、その成形装置及び成形方法に関し、特に冷間鍛造によって外周面を高精度に成形することができる成形方法及び成形装置に関する。
例えば、外周面に歯面を形成してなる歯車を成形するに当たっては、ホブ盤、シェービング盤などの切削加工装置による切削加工を繰り返して行うのが一般的である。しかし、近年においては、製造工程の合理化を図るべく、粗加工に冷間鍛造が採用されるようになってきた。冷間鍛造により歯車を成形するには、ダイスの内部に素材を配置し、その軸方向の両側からパンチとダイスリーブにより加圧する。そして、上記ダイスの内部に形成した成形面の形状を上記素材の外周面に転写して歯車の成形を行う(特許文献1参照)。
ところで、冷間鍛造によって歯車等の円筒部品を製造した場合には、加圧時におけるダイスの撓み(弾性変形)、あるいは成形後の製品の取り出し過程におけるダイスの撓みの戻り等による影響によって、得られた円筒部品が軸方向において所望形状よりも傾いた形状となる、所謂、軸方向テーパという不具合が発生する場合がある。
軸方向テーパが生じた円筒部品は、その後の仕上げ加工としての切削加工工程において、無駄な切削代が増加と断続的な切削により、生産能率の低下及び工具寿命の短命化を招く。また、上記円筒部品が歯車の場合には、歯丈に差が生じる場合があり、相手歯車との歯面同士の接触面積や面圧に不具合が発生する場合もある。このような軸方向テーパによる問題は、上記円筒部品が回転する部品(回転部品)として使用される場合には特に重大な問題となる。
特開平5−154598号公報
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、軸方向テーパの発生を抑制しうる円筒部品の成形装置及び成形方法、並びにこの成形方法により成形した円筒部品を提供しようとするものである。
第1の発明は、少なくとも一方が開放された中央穴を有する円筒部品を成形する装置であって、
上記中央穴を有する円筒状の素材における上記中央穴に挿入するためのコアパンチと、
上記素材の軸方向における一方の端面である第1端面を加圧するためのパンチ加圧面を有する押圧パンチと、
上記素材の外周面を成形するための外周成形面を有するダイスと、
上記素材の軸方向における他方の端面である第2端面を加圧するための対向加圧面を有するダイスリーブとを備えており、
上記コアパンチは、上記素材の上記中央穴に挿入された際に該素材の内周面に対面する内周成形面を有しており、該内周成形面と上記素材の内周面との間の距離が、軸方向に沿って増大又は減少するように変化しており、
かつ、上記ダイスは、上記ダイスリーブ、上記素材、及び上記押圧パンチを挿入可能な貫通穴を有し、該貫通穴における上記押圧パンチ側に面する開口部近傍に上記外周成形面を有しており、上記内周成形面は、該内周成形面と上記素材の内周面との間の距離が、上記第1端面に近いほど増大するように設けられていることを特徴とする円筒部品の成形装置にある(請求項1)。
本発明の成形装置は、上記コアパンチの上記内周成形面の形状を、上記のごとく特殊な形状にしてある。すなわち、上記内周成形面は、上記素材の内周面との間の距離(以下、内周間隙距離という)が、軸方向に沿って増大又は減少するように変化している。すなわち、上記素材の中央穴における第2端面側と、第1端面側とにおける上記内周間隙距離を比較すると、第1端面側が第2端面側よりも大きい形状か、あるいは、その逆の、第1端面側が第2端面側よりも小さい形状のいずれかの形状となっている。なお、変化の具体的形態としては、テーパ状に変化する形態、ステップ状に段差を付けて変化する形態等、様々な形態を取ることができる。
ここで、上記内周間隙距離の変化の方向は、成形装置の特性によって選択することができる。例えば、上記内周間隙距離が軸方向において変化せず一定である従来と同様の構成の場合に、成形後の円筒部品に、第1端面側が第2端面側よりも大径化するような軸方向テーパが生じるような特性を有する成形装置の場合には、上記内周間隙距離が、第1端面に近い方が第2端面に近い方よりも大きくなるように上記内周成形面を構成する。一方、同じ条件で、上記素材の成形後に第2端面側が第1端面側よりも大径化する軸方向テーパが生じる傾向がある場合には、上記内周間隙距離が、第2端面に近い方が第1端面に近い方よりも大きくなるように上記内周成形面を構成する。
このように特殊な形状の内周成形面を有するコアパンチを上記中央穴内に挿入して成形することにより、得られる円筒部品の軸方向テーパを未然に防止することが可能となる。
すなわち、上記素材を成形する際には、上記パンチ加圧面及び対向加圧面から素材に付与される圧縮力により、素材の外周面は上記ダイスの外周成形面に向かって変形し、一方、素材の内周面はコアパンチの内周成形面に向かって変形する。このとき、例えば第1端面側における内周間隙距離を第2端面側よりも大きくしている場合には、第1端面側における素材の径方向の変形可能量が第2端面側よりも大きくなる。そのため、この場合の素材からダイスに付与される反力は、第1端面側の方が第2端面側よりも小さくなる。これにより、第1端面側に対応するダイスが拡径する撓みが従来よりも減少し、第1端面側が第2端面側よりも大径化することを防止することができる。また、その分、成形後に円筒部品をダイスから抜き出す際にダイスが撓み状態から戻る際の変形量も小さくなり、これによる円筒部品の軸方向テーパ発生も抑制することができると考えられる。
また、従来の構成において上記と逆方向に軸方向テーパが生じていた場合には、内周間隙距離の変化方向を逆方向にすることにより、上記と同様の作用効果を得ることができる。
このように、本発明の円筒部品の成形装置は、上記コアパンチの内周成形面として、上記内周間隙距離が軸方向に沿って増大又は減少するように変化するように設けることにより、軸方向テーパの発生を未然に防止することができ、得られる円筒部品の外周面を高精度に成形することができる。
第2の発明は、少なくとも一方が開放された中央穴を有する円筒部品を成形する方法であって、
上記中央穴を有する円筒状の素材における上記中央穴に挿入するためのコアパンチと、
上記素材の軸方向における一方の端面である第1端面を加圧するためのパンチ加圧面を有する押圧パンチと、
上記素材の外周面を成形するための外周成形面を有するダイスと、
上記素材の軸方向における他方の端面である第2端面を加圧するための対向加圧面を有するダイスリーブとを備え、
上記コアパンチが、上記素材の上記中央穴に挿入された際に該素材の内周面に対面する内周成形面を有しており、該内周成形面と上記素材の内周面との間の距離が、軸方向に沿って増大又は減少するように変化しており、かつ、上記ダイスは、上記ダイスリーブ、上記素材、及び上記押圧パンチを挿入可能な貫通穴を有し、該貫通穴における上記パンチに面する開口部近傍に上記外周成形面を有しており、上記内周成形面は、該内周成形面と上記素材の内周面との間の距離が、上記第1端面に近いほど増大するように設けられている成形装置を用い、
上記素材の外周面を上記ダイスの上記外周成形面に対面させると共に、上記コアパンチの上記内周成形面を上記素材の上記中央穴内に配置した状態で、上記パンチ加圧面と上記対向加圧面とによって上記第1端面と上記第2端面とを加圧することを特徴とする円筒部品の成形方法にある(請求項5)。
本発明の成形方法は、上記のごとく、内周成形面の形状を上記のごとく特殊な形状にしてなるコアパンチを有する成形装置を用いて成形(冷間鍛造)する。そのため、上述したごとく、上記素材からダイスに付与される反力の大きさを、上記内周間隙距離の変化に応じて変化させることができる。
そのため、本発明の円筒部品の成形方法によれば、軸方向テーパの発生を未然に防止することができ、得られる円筒部品の外周面を高精度に成形することができる。
第3の発明は、少なくとも一方が開放された中央穴を有する円筒部品であって、該円筒部品を成形するに当たって、請求項5〜8のいずれか1項に記載の成形方法を用いたことを特徴とする円筒部品にある(請求項9)。
本発明の円筒部品は、上記のごとく軸方向テーパを未然に防止した成形方法により成形されている。そのため、本発明の円筒部品は、成形後に仕上げ加工する際の切り代が少なく低コスト化されると共に、最終形状精度の高いものとなる。
上記第1及び第2の発明における上記内周成形面と素材の内周面との間の距離(内周間隙距離)の変化量は、実際にはそれほど大きく取る必要はない。ただし、その具体的な量は、素材の材質、成形する形状などによって選択する。一例を上げれば、材質がクロムモリブデン鋼(SCM420)であって、その内径寸法がdである場合に、第1端面側の内周間隙距離をa、第2端面側の内周間隙距離をbとすると、|a−b|/dが0.05〜0.07の範囲とすることができる。
また、上記ダイスは、上記ダイスリーブ、上記素材、及び上記押圧パンチを挿入可能な貫通穴を有し、該貫通穴における上記押圧パンチ側に面する開口部近傍に上記外周成形面を有しており、上記内周成形面は、該内周成形面と上記素材の内周面との間の距離が、上記第1端面に近いほど増大するように設けられてい請求項1、5)。
これにより、上記ダイスの上記貫通穴が上記押圧パンチ側の開口部が拡大するように撓みやすい。そのため、上記のごとく、内周間隙距離が第1端面に近いほど増大し、第2端面に近いほど減少するように内周成形面を構成することにより、円筒部品の軸方向テーパ発生を抑制することができる。
また、上記コアパンチの上記内周成形面は、上記素材の上記第2端面に最も近い部分の外径が最も大きく、上記素材の上記第1端面に最も近い部分の外径が最も小さくなるように外径寸法が徐々に変化していることが好ましい(請求項2、6)。
上記の内周間隙距離の変化を実現するには、実際には、素材の内周面の形状を変化させる方法もとりうるが、コアパンチの内周成形面の外形寸法を徐々に変化させることにより、容易に所望の変化を実現することができる。
また、上記円筒部品は、その外周面につる巻状の歯筋を有する歯面を形成してなるはすば歯車であって、上記ダイスの上記外周成形面は、上記歯面に対応するつる巻状の成形面であることが好ましい(請求項3、7)。
はすば歯車の場合には、その軸方向に平行でない歯筋を有している。そのため、冷間鍛造において軸方向テーパが生じた場合には、その後の仕上げ加工において所望の形状を得ることが困難であり、本発明の装置及び方法を適用することが非常に有効である。
また、はすば歯車の場合には、上記歯面がダイスの外周成形面に係合したまま軸方向にまっすぐには動かない。そのため、成形後に円筒部品の中央穴からコアパンチを引き抜く際に、上記内周成形面に噛み合った成形がなされていたとしても、容易に安定して引き抜き作業を行うことができる。
また、上記円筒部品は、車両用自動変速機を構成する部品であることが好ましい(請求項4、8)。
車両用自動変速機を構成する部品は、高精度な寸法精度が求められていると共に、コストダウンが求められており、上記本発明の装置及び方法を用いて成形することが非常に有効である。
(実施例1)
本発明の実施例に係る円筒部品の成形装置及び成形方法につき、図1〜図6を用いて説明する。
本例の成形装置1は、図1、図6に示すごとく、両端が開放された中央穴82を有する円筒部品8としてのはすば歯車を成形する装置である。
成形装置1は、図1に示すごとく、上記中央穴82を有する円筒状の素材80における上記中央穴82に挿入するためのコアパンチ21と、該コアパンチ21の外周側に配置され上記素材80の軸方向における一方の端面である第1端面801を加圧するためのパンチ加圧面22を有する押圧パンチ220(アウターパンチ23、インナーパンチ24)とを有する。さらに、素材80の外周面を成形するための外周成形面31を有するダイス3と、素材80の軸方向における他方の端面である第2端面802を加圧するための対向加圧面41を有するダイスリーブ4(アウタースリーブ42、インナースリーブ43)とを備えている。
そして、図5に示すごとく、コアパンチ21は、素材80の中央穴82に挿入された際に該素材80の内周面803に対面する内周成形面210を有しており、該内周成形面210と上記素材80の内周面803との間の距離Lが、軸方向に沿って増大又は減少するように変化している。
以下に、さらに詳説する。
図6に示すごとく、本例の円筒部品8は、その外周面804につる巻状の歯筋を有する歯面を形成してなるはすば歯車であって、その中心に貫通する中央穴82を有するものである。また、円筒部品8となる素材80は、上記中央穴82を形成したものであり、円環形状を有している。
また、本例の成形装置1は、図1に示すごとく、上記コアパンチ21及び押圧パンチ220を備えたパンチ2を上下方向に進退可能に設けてあり、その下方に上記ダイス3を備えた本体部分を配置してなる。
本例のパンチ2は、上記素材80の中央穴82に挿入配置される円形断面のコアパンチ21と、その外周側に配置された円筒状のインナーパンチ24と、さらにその外周側に配置された円筒状のアウターパンチ23とを有し、これらはパンチケース25内に収められ、全体で上下方向に進退するように構成されている。また、インナーパンチ24は、コアパンチ21及びアウターパンチ23に対して移動可能になっており、後述するように成形時に素材に付与する加圧力を発生するように構成されている。
また、本例のコアパンチ21は、図5に示すごとく、その内周成形面210が、該内周成形面210と素材80の内周面803との間の距離(内周間隙距離)Lが、第1端面801に近いほど増大するように設けられており、第1端面801に最も近い内周間隙距離L1が、第2端面802に最も近い内周間隙距離L2よりも大きくなるように形成してある。より具体的には、コアパンチ21の内周成形面210は、素材80の第2端面502に最も近い部分の外径D2が最も大きく、素材80の第1端面801に最も近い部分の外径D1が最も小さくなるように外径寸法が直線的に徐々に変化している。なお、本例の各図において示した内周成形面210の形状は、わかりやすくするために極端に強調して示してある。実際の形状は、上記外径D1とD2との差が僅かであるので、目視では殆ど差がない形状に観察できる場合が多い。
また、図1に示すごとく、上記ダイス3は、ダイスケース64の内周側に配設され、このダイスケース64はさらにハウジング63の内周側に保持されており、これらはベース部61に配設されている。また、上記ダイス3は、上下方向に進退可能になっており、ガスクッション66により上昇方向に付勢されている。
また、上記ダイス3は、回転可能に配設されている。本例では、上記ダイス3は、上記ガスクッション66の可動部661に取り付けたダイスホルダー65に対してスラストベアリング67を介して回転可能に構成されている。
また、同図に示すごとく、ダイス3は、ダイスリーブ4、素材80、及び押圧パンチ220を挿入可能な貫通穴300を有し、該貫通穴300における押圧パンチ220側に面する開口部近傍に実際の成形に寄与する上記外周成形面31を有している。そして、この外周成形面31は、円筒部品8としてのはすば歯車の歯面を形成しうるように、その歯面に対応するつる巻状の成形面としてある。
また、同図に示すごとく、本例のダイスリーブ4は、二重管構造のアウタースリーブ42及びインナースリーブ43と、パンチ2におけるコアパンチ21を挿入可能な中空穴44を有している。中空穴44には、上記コアパンチ21に当接するクッションピン45と、このクッションピン45をコアパンチ21の方向に付勢する圧縮バネ46とが配設されている。
インナースリーブ43は、ベース部61に対して進退可能に設けてあり、さらにインナースリーブ43に対してアウタースリーブ42が進退可能なように構成されている。
また、アウタースリーブ42の外周面には、ダイス3の外周成形面31に繋がるつる巻き状の歯面に螺合する螺合摺動面425が設けられている。
また、インナースリーブ43には、これを上下方向に進退させるためのノックアウトピン68が接続されている。
次に、図1〜図4に示すごとく、上記成形装置1を用いて、外周面804につる巻状の歯筋を有する歯面を形成してなる円筒部品8を成形する方法につき説明する。なおこの成形方法は、いわゆる冷間鍛造の一種である閉塞鍛造に相当する成形方法である。
本例の成形方法においては、上記素材80をダイスリーブ4上に配置する配置工程(図1)と、素材80より円筒部品8を成形する成形工程(図2)と、成形後の円筒部品8からコアパンチ21を引き抜く引抜工程(図3)と、円筒部品8をダイス3より取り出す取出工程(図4)とを行う。
すなわち、図1に示すごとく、まずは、上記配置工程において、ダイスリーブ4を構成するインナースリーブ43の対向加圧面41の上に素材80を配置する。このとき、素材80は、その中央穴82にクッションピン45を挿入して配置する。
次いで、図2に示すごとく、上記成形工程においては、パンチ2を前進(下降)させる。このとき、パンチ2のコアパンチ21は、上記圧縮バネ46の付勢力に抗して、ダイスリーブ4のクッションピン45を下降方向に押し下げながら、上記素材80の中央穴82に挿入され、内周成形面210が素材80の内周面803に対面した状態となる。
また、パンチ2のアウターパンチ23は上記ダイス3に当接すると共に、ガスクッション66の付勢力に抗して、このダイス3を下降方向に押し下げる。また、ダイス3は、パンチ2の加圧力を受けて、スラストベアリング67を介してダイスホルダー65に対して回転しながら下降する。
そして、パンチ2、ダイス3及びダイスリーブ4によって囲まれたキャビティ内において円筒部品8を成形する。この成形の際には、パンチ2のインナーパンチ24の加圧力により、キャビティ内の素材80に加わる成形圧力が調整される。
そして、上記キャビティ内では、ダイス3の外周成形面31内に上記素材80を対向させた状態において、上記パンチ2のパンチ加圧面22と上記ダイスリーブ4の対向加圧面41とにより、上記素材80の軸方向における両端面73、74が加圧される。こうして、上記ダイス3のつる巻き状の歯筋を有する外周成形面31が上記素材80の外周面804に転写されて、上記つる巻き状の歯筋を有する歯面71が形成された円筒部品8が成形される。
ここで、本例では、上記のごとく、コアパンチ21の内周成形面210が特殊の形状を有している。そのため、円筒部品8の内周面803は、同図に示すごとく、内周成形面210に沿った形状に変形すると考えられる。なお、この加圧された状態での円筒部品8の正確な形状については、実際上確認が困難であるので、あくまでもこの形状は推定である。また、図面には、上述したように形状等を誇張して表している。
次いで、図3に示すごとく、円筒部品8が成形された後には、パンチ2を後退(上昇)させて、コアパンチ21を円筒部品8から引き抜く引抜工程を行う。このとき、コアパンチ21の内周成形面210と円筒部品8の内周面とが噛み合った状態となる場合があるが、通常は、加圧力が開放されたことによる若干のスプリングバック現象等によって噛み合い状態が緩和され、比較的スムーズにコアパンチ21の引き抜きを行うことができる。特に本例では、成形した円筒部品8がはすば歯車であるので、ダイス3との係合により円筒部品8が直線方向において固定されており、よりスムーズで安定した引抜工程を行うことができる。なお、成形する円筒部品が平歯車等であっても、ダイス3との係合状態が比較的強固であれば、殆ど問題なく上記と同様に引き抜き工程を行うことができる。
また、上記引抜工程の進行に伴って、ダイス3は、ガスクッション66による付勢力を受けて上昇する。また、ダイス3は、スラストベアリング67を介してダイスホルダー65に対して回転しながら上昇する。
また、このとき、ダイス3は、成形後の円筒部品8を外周成形面31に対向させた状態のまま、すなわち内部に成形後の円筒部品8を保持したまま、回転しながら上昇する。こうして、ダイス3内には、成形後の円筒部品8が取り残される。
次いで、図4に示すごとく、取出工程において、ノックアウトピン68を油圧により作動させることにより、インナースリーブ43及びこれが所定量上昇した後にはアウタースリーブ42を伴って上昇させる。このとき、アウタースリーブ42は、上記つる巻き状の摺動部425のダイス3への係合により、自ら回転しながら前進(上昇)する。
そして、同図に示すごとく、インナースリーブ43の対向加圧面41が成形後の円筒部品8における第2端面802に当接すると、この円筒部品8は、インナースリーブ43と共に前進(上昇)し、ダイス3内より取り出される。
以降は、上記配置工程から取出工程を繰り返すことによって、円筒部品8を連続的に成形することができる。
ここで、本例の成形装置1は、上記コアパンチ21の内周成形面210の形状を、上記のごとく特殊な形状にしてある。すなわち、内周成形面210は、内周間隙距離Lが、素材80の第1端面801に近いほど増大するように設けられている。より具体的には、素材の第2端面802に最も近い部分の外径D2が最も大きく、第1端面801に最も近い部分の外径D1が最も小さくなるように外径寸法を直線状に徐々に変化させている。この構造を採用したことにより、円筒部品8に生じうる軸方向テーパを未然に防止することができるのである。
すなわち、上記素材80を成形する際には、パンチ加圧面22及び対向加圧面41から素材80に付与される圧縮力により、素材80の外周面804はダイス3の外周成形面31に向かって変形し、一方、素材80の内周面803はコアパンチ21の内周成形面210に向かって変形する。このとき、本例では、第1端面側における内周間隙距離L1を第2端面側の内周間隙距離L2よりも大きくしているので、第1端面側における素材80の径方向の変形可能量が第2端面側よりも大きくなる。そのため、この成形段階においては、素材80からダイス3に付与される反力が、第1端面側の方が第2端面側よりも小さくなる。これにより、第1端面側に対応するダイス3が拡径する撓みが従来よりも減少し、第1端面側が第2端面側よりも大径化することを防止することができる。
また、その分、成形後に円筒部品3をダイス3から抜き出す際にダイス3が撓み状態から戻る際の変形量も小さくなり、これによる円筒部品8の軸方向テーパ発生を抑制することができる。
したがって、本例においては、上記特殊形状の内周成形面210を有するコアパンチ21を備えた成形装置1を用いて上記成形方法を実施することにより、円筒部品8の軸方向テーパの発生を未然に防止することができ、得られる円筒部品8の外周面804を高精度に成形することができるのである。
実施例1における、素材をダイスリーブ上に配置する配置工程を行った状態の成形装置を示す説明図。 実施例1における、円筒部品を成形する成形工程を行った状態の成形装置を示す説明図。 実施例1における、成形後の円筒部品からコアパンチを引き抜く引抜工程を行った状態の成形装置を示す説明図。 実施例1における、円筒部品をダイスより取り出す取出工程を行った状態の成形装置を示す説明図。 実施例1における、コアパンチの内周成形面の形状を示す説明図。 実施例1における、円筒部品を示す斜視説明図。
符号の説明
1 円筒部品の成形装置
2 パンチ
21 コアパンチ
210 内周成形面
22 パンチ加圧面
220 押圧パンチ
23 アウターパンチ
24 インナーパンチ
3 ダイス
31 外周成形面
4 ダイスリーブ
41 対向加圧面
42 アウタースリーブ
43 インナースリーブ
8 円筒部品
80 素材
801 第1端面
802 第2端面
803 内周面
804 外周面
82 中央穴

Claims (9)

  1. 少なくとも一方が開放された中央穴を有する円筒部品を成形する装置であって、
    上記中央穴を有する円筒状の素材における上記中央穴に挿入するためのコアパンチと、
    上記素材の軸方向における一方の端面である第1端面を加圧するためのパンチ加圧面を有する押圧パンチと、
    上記素材の外周面を成形するための外周成形面を有するダイスと、
    上記素材の軸方向における他方の端面である第2端面を加圧するための対向加圧面を有するダイスリーブとを備えており、
    上記コアパンチは、上記素材の上記中央穴に挿入された際に該素材の内周面に対面する内周成形面を有しており、該内周成形面と上記素材の内周面との間の距離が、軸方向に沿って増大又は減少するように変化しており、
    かつ、上記ダイスは、上記ダイスリーブ、上記素材、及び上記押圧パンチを挿入可能な貫通穴を有し、該貫通穴における上記押圧パンチ側に面する開口部近傍に上記外周成形面を有しており、上記内周成形面は、該内周成形面と上記素材の内周面との間の距離が、上記第1端面に近いほど増大するように設けられていることを特徴とする円筒部品の成形装置。
  2. 請求項1において、上記コアパンチの上記内周成形面は、上記素材の上記第2端面に最も近い部分の外径が最も大きく、上記素材の上記第1端面に最も近い部分の外径が最も小さくなるように外径寸法が徐々に変化していることを特徴とする円筒部品の成形装置。
  3. 請求項1又は2において、上記円筒部品は、その外周面につる巻状の歯筋を有する歯面を形成してなるはすば歯車であって、上記ダイスの上記外周成形面は、上記歯面に対応するつる巻状の成形面であることを特徴とする円筒部品の成形装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項において、上記円筒部品は、車両用自動変速機を構成する部品であることを特徴とする円筒部品の成形装置。
  5. 少なくとも一方が開放された中央穴を有する円筒部品を成形する方法であって、
    上記中央穴を有する円筒状の素材における上記中央穴に挿入するためのコアパンチと、
    上記素材の軸方向における一方の端面である第1端面を加圧するためのパンチ加圧面を有する押圧パンチと、
    上記素材の外周面を成形するための外周成形面を有するダイスと、
    上記素材の軸方向における他方の端面である第2端面を加圧するための対向加圧面を有するダイスリーブとを備え、
    上記コアパンチが、上記素材の上記中央穴に挿入された際に該素材の内周面に対面する内周成形面を有しており、該内周成形面と上記素材の内周面との間の距離が、軸方向に沿って増大又は減少するように変化しており、かつ、上記ダイスは、上記ダイスリーブ、上記素材、及び上記押圧パンチを挿入可能な貫通穴を有し、該貫通穴における上記パンチに面する開口部近傍に上記外周成形面を有しており、上記内周成形面は、該内周成形面と上記素材の内周面との間の距離が、上記第1端面に近いほど増大するように設けられている成形装置を用い、
    上記素材の外周面を上記ダイスの上記外周成形面に対面させると共に、上記コアパンチの上記内周成形面を上記素材の上記中央穴内に配置した状態で、上記パンチ加圧面と上記対向加圧面とによって上記第1端面と上記第2端面とを加圧することを特徴とする円筒部品の成形方法。
  6. 請求項5において、上記コアパンチの上記内周成形面は、上記素材の上記第2端面に最も近い部分の外径が最も大きく、上記素材の上記第1端面に最も近い部分の外径が最も小さくなるように外径寸法が徐々に変化していることを特徴とする円筒部品の成形方法。
  7. 請求項5又は6において、上記円筒部品は、その外周面につる巻状の歯筋を有する歯面を形成してなるはすば歯車であって、上記ダイスの上記外周成形面は、上記歯面に対応するつる巻状の成形面であることを特徴とする円筒部品の成形方法。
  8. 請求項5〜7のいずれか1項において、上記円筒部品は、車両用自動変速機を構成する部品であることを特徴とする円筒部品の成形方法。
  9. 少なくとも一方が開放された中央穴を有する円筒部品であって、該円筒部品を成形するに当たって、請求項5〜8のいずれか1項に記載の成形方法を用いたことを特徴とする円筒部品。
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