JPH05111732A - かさ歯車の塑性加工方法およびその装置 - Google Patents

かさ歯車の塑性加工方法およびその装置

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JPH05111732A
JPH05111732A JP3278791A JP27879191A JPH05111732A JP H05111732 A JPH05111732 A JP H05111732A JP 3278791 A JP3278791 A JP 3278791A JP 27879191 A JP27879191 A JP 27879191A JP H05111732 A JPH05111732 A JP H05111732A
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mandrel
cavity
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Yoshiki Hirai
佳樹 平井
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Hitachi Powdered Metals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 金属製の円筒素材を用いて、プレスの1スト
ロークであらゆる種類のかさ歯車を制約なく工業的量産
を可能にする。 【構成】 円筒素材8を上ダイス4の挿入孔に上マンド
レル3を介在して上下に2個同心に収納するセッテング
工程と、アッパーパンチ2の下降により上側にある次の
円筒素材8が下方へ押し込まれることにより、真下にあ
る前の円筒素材8aが下マンドレル6を内在した底付ダ
イスキャビティ5a内に加圧押し込められるプレス工程
と、底付ダイスキャビティ5a内に設けられた歯形成形
部16aにより塑性成形されたかさ歯車をロアパンチ7
によって上側に離脱する抜取り工程とからなり、円筒素
材8aがキャビティ5a内に加圧押し込められるとき、
上マンドレル下端部が下マンドレル上端部と接した状態
で形成される狭窄部24を通過し、塑性流動を専ら歯形
成形部16aの歯筋に沿って誘起する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、かさ歯車の塑性加工方
法およびその装置に関し、特に一製品分に加工された金
属製の円筒素材をダイスのキャビティ内にパンチにより
順次押し込み、一回の加工押し込みで1個のかさ歯車を
成形する技術に関する。
【0002】
【従来技術】従来、かさ歯車を塑性加工法で成形するに
は、温間閉塞鍛造法、遥動鍛造法、据込鍛造法が採用さ
れている。これら鍛造法は、何れもが成形しようとする
製品かさ歯車の歯形状と対称に彫り込まれた歯部成形部
を有するダイスのキャピティ内で、冷・温間温度にある
中実丸棒状の素材を軸方向に圧縮する機構を設け、径方
向の増変形を利用するものであり、前記キャピテイの歯
形成形部に強固に押し付けることによって、歯形成形部
の彫り込み形状を変形素材に写し取り歯部の成形を行う
ものである。この方法では、歯車の歯の大きさを示すモ
ジュールや直径ピッチDP、歯数に制約を受ける。モジ
ュールで云えば、2.5程度以下のかさ歯車では前記塑
性加工法の適用が不可能となり、代わりに、軽負荷のか
さ歯車では亜鉛や銅合金のダイキャスト法が適用され
る。中負荷以上では粉末冶金法やロストワックス法が適
用される。ところが、これらは寸法精度や原価上、並び
に歯の強度や生産性に問題があるため用途的に限られ、
多くの場合は中実丸棒よりブランクを切削し、歯切盤で
歯形を切削する歯車切削法で製作している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前述の塑性加工法で製
作されたかさ歯車は、機械加工法で製作されたものと比
較し、その塑性流動繊維組織や加工硬化による効果によ
って耐摩耗性や強度が向上すると共に滑らかな歯面が得
られることに加え、寸法精度の量産安定性などの品質、
原価的にも優れている。しかしながら、塑性加工法の適
用には、円筒歯車でさえ種々の制約があるため全面的に
採用されるに至っていない。ましてやかさ歯車への塑性
加工法の適用は形状的に前述の円筒歯車への適用以上に
制約が多くなる。これは、従来の塑性加工法が何れもダ
イスのキャビティ内に彫り込まれた歯形成形部に、中実
丸棒を軸方向に圧縮して径方向の増変形を起こさせ、強
固に押し付けることで成り立っているからである。この
結果、実際上は前記彫り込み凹凸歯形からなる歯形成形
部の凹溝内に、ダイスに対して半径方向に歯先から歯元
方向に素材材料を塑性流動充満させてほぼ歯幅中央部か
ら始め、これを上下歯端側に順次に広げ、更にその間に
変形流動中の素材中央部に丸パンチを打ち込んで、中止
まり穴を穿孔することによって半径方向の塑性流動量を
増加させる必要があることも前記塑性加工法に共通する
操作となっている。このため、必然的に前記凹凸歯形の
歯溝内への素材材料流動抵抗を少なくし、かつ素材材料
流動の初期に起こる凸歯形の左右歯溝への不均等流動に
よる曲げ応力に耐えるだけの凸歯形の大きさが必要とな
る。また、丸棒素材を圧縮増径することを基本としてい
る関係上、素材径寸法に近い外径の押し込み力は、加圧
されつつある丸棒素材が増径する程、その押し込みパン
チにかかわる素材先端径の単位体積当りにおける圧縮力
が減少することとなるため、押し込みパンチによる加圧
力は強大に必要となり、押込みパンチ強度上からもかさ
歯車に適用する上での制約となる。
【0004】本発明は上述の問題点を解消するためにな
されたもので、金属製の円筒素材を用いて、プレスの1
ストロークであらゆる種類のかさ歯車を制約なく工業的
量産を可能とするかさ歯車の塑性加工方法およびその装
置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のかさ歯車の塑性加工方法では、金属製素材
に成形しようとするかさ歯車の最大径よりわずかに大き
い外径を有する円筒素材を用いて、これが遊合する上ダ
イスの挿入孔に上マンドレルを介在して上下に2個同心
に収納するセッテング工程と、アッパーパンチの下降に
より前記上側にある次の円筒素材が下方へ押し込まれる
ことにより、この円筒素材の真下にある前の円筒素材が
下マンドレルを内在した下ダイスのキャビティ内に加圧
押し込められるプレス工程と、前記下ダイスのキャビテ
ィ内に設けられた歯形成形部により塑性成形されたかさ
歯車をロアパンチによって下ダイスの上側に離脱する抜
取り工程とからなり、前記前の円筒素材が下ダイスのキ
ャビティ内に加圧押し込められるとき、前記上マンドレ
ルの下端部が下マンドレルの上端部と接した状態で下ダ
イス上面内径と上マンドレル外径によって形成される狭
窄部を通過することにより、加圧押し込められる円筒素
材の塑性流動を専ら歯形成形部の歯筋に沿って誘起し、
下ダイスのキャビティ内に充満することを要旨とする。
また、適用装置は、製品1個分に加工された金属製の円
筒素材を、中心部に設けられた挿入孔に上マンドレルを
介在して上下に2個同心に収納する上ダイスと、前記上
ダイス上方に配置されるアッパーパンチと、前記上ダイ
スの下部に設置される下ダイスと、前記下ダイスのキャ
ビティ中央部に配され、製品かさ歯車の内孔と同じ大き
さからなっている下マンドレルと、前記下ダイスのキャ
ビティ内に設けられ製品歯形状と対称に彫り込まれた歯
形成形部と、前記上マンドレルが下マンドレルと同心に
配置されると共に下ダイスのキャビティ内に進退可能に
設けられるロアパンチとを備え、また前記アッパーパン
チ、上ダイス、ロアパンチが同心軸線上に相対的に移動
可能に設けられており、前記アッパーパンチの下降によ
り上マンドレルに保持された上側の円筒素材が加圧押し
込まれることによって下側の円筒素材が下ダイスのキャ
ビティ内へ加圧押し込まれるとき、前記上マンドレルの
下端部が下マンドレルの上端部と接した状態で、加圧押
し込められる円筒素材の塑性流動を専ら歯形成形部の歯
筋に沿って誘起する狭窄部を形成するよう構成される。
【0006】
【作用】ここで、前記狭窄部は、加圧押し込められる円
筒素材の塑性流動を専ら歯形成形部の歯筋に沿って誘起
するものであり、これには各種の形状設計が考えられ
る。本発明では金属製素材に円筒素材を用いることに加
えて、上マンドレルの下端部が下マンドレルの上端部と
接した状態で形成されるものであり、大きくは次のよう
な態様となる。外歯かさ歯車の場合は、例えば、以下に
述べる第1実施例の如く上マンドレルは下マンドレルよ
りも大きな外径にし、円筒素材としては歯形成形部の最
大径より僅かに大きな外径のものを用いる。また、内歯
かさ歯車の場合は、例えば、第3実施例の如く上マンド
レルの外径を製品の最内径あるいは下マンドレルの上端
部最少外径よりわずかに小さくし、上ダイスの挿通孔内
にあって下端周囲部に張出部を設けることによって、下
マンドレル上面外径と上ダイス下面内径とで形成される
狭窄部を設けている。このように、本発明においては、
前記狭窄部の存在により、塑性流動は、下ダイスのキャ
ビティ内の歯形成形部へ向かうと共に、それ以降、歯筋
方向に進行するので、歯形成形部が破損されることがな
く、また欠肉が生じないかさ歯車が得られるのである。
無論、アッパーパンチによる加圧押し込み圧力は比較的
小さくすむ。また、円筒素材を上ダイスの挿入孔に順次
に押し込むものであるから、アッパーパンチの下降によ
り前に押し込まれて、上ダイス内に在る円筒素材が、次
に押し込まれる円筒素材によって押し出され、かつ下ダ
イスのキャビティ内へ押し込められるので、アッパーパ
ンチが下ダイスに接することがない。
【0007】以下、本発明の実施例について図面を参照
しながら説明する。図1から図7は本発明に係る塑性加
工方法を実施する装置の第1実施例を示し、図9はその
装置によって製作されたかさ歯車を示している。これら
図において、かさ歯車の塑性加工装置1は、同心軸線上
に配置されるアッパーパンチ2と、上マンドレル3と、
これを保持する上ダイス4と、上ダイス4の下方に設け
られた下ダイスとしての底付ダイス5と、下マンドレル
6と、ロアパンチ7などを備えている。上ダイス4は、
上下に貫通した挿入孔4aを中心部に有し、図1の如く
挿入孔4aに上マンドレル3を予め加圧押し込められた
円筒素材8aを介し保持して、上ダイスのキャビティ4
bを構成する。そして、この上ダイス4は、複数のガイ
ドロッド9に支持されたダイホルダ10により保持さ
れ、アッパーパンチ2と底付ダイス5との間にあって上
下動可能となっている。ダイホルダ10は、固定部12
に突設された各ガイドロッド9にブッシュ11を介して
支持され、ガイドロッド9の軸回りに配置された圧縮ば
ね13により常時は上方へ付勢されている。
【0008】底付ダイス5は、固定部12に設置される
ブロック14の上に載置されて、拘束部材15によりブ
ロック14と共に不動状態に保持されている。この底付
ダイス5には、そのキャビティ5aの内周壁に歯形成形
部16aが形成されると共に、下マンドレル6およびロ
アパンチ7用の貫通孔17が設けられている。歯形成形
部16aは、図3から図7の如く製品かさ歯車の歯形と
対称形状に彫り込まれたものである。なお、図3から図
7は上ダイス4が下降されて底付ダイス5の上面に上ダ
イス4の下面が接触した状態での型内構成を示してい
る。図3のC−C面が前記両ダイス4,5の接触面であ
り、これは図6に示す図5のY−Y矢視図から図7に示
す図5のX−X矢視図の軸下方向に変わる面でもある。
図6において、D1は挿通孔4aの内径ないしは押し込
まれる円筒素材8の外径であり、D2は上マンドレル3
の外径ないしは円筒素材8の内径である。図7におい
て、d1は歯形成形部16aないしは成形しょうとする
かさ歯車の最大径であり、d2は下マンドレル6の外径
ないしは成形しょうとするかさ歯車の内径である。そし
て、ここでは、D1〉d1,D2〉d2の関係において
実質的な狭窄面はd1とD2によって形成され、面積
A〉面積Bの関係に設定されている。それを図8に示
す。
【0009】前記貫通孔17はキャビティ5aの中心軸
線上に設けられ、ブロック14の空洞部14aと連通し
ている。空洞部14aは、上側が貫通孔17の孔径と一
致し、下側が固定部12との間に拡大空間部を形成して
おり、ここに下マンドレル6およびロアパンチ7の下部
が位置している。ロアパンチ7は、筒状の上部側が貫通
孔17と嵌合する外径に設定されており、最下降位置が
受台18により規制され、下端面には複数のロッド19
が取り付けられている。これらロッド19は固定部12
に設けられた貫通孔12aを通って不図示の上下駆動装
置に連結され、ロアパンチ7を図2のように通常位置か
ら図1のように上方へ移動したり、再び下方へ移動して
通常位置に保つ。下マンドレル6は、成形しょうとする
かさ歯車の内径とほぼ一致する外径をなし、受台20に
載置した状態で受台18により不動保持されており、上
部がロアパンチ7内を通って底付ダイス5の上面まで突
出している。
【0010】次に、以上の塑性加工装置により、かさ歯
車を製作する要領について説明する。 ここで、円筒素
材8は、かさ歯車の最大径より僅かに大きな外径をなし
製品1個分に加工された金属材料であり、大きくは次の
ような工程を経て図9に示す内孔22aを持つかさ歯車
22に成形される。図1の如く挿入孔4a内にあって上
マンドレル3と予め加圧押し込められた円筒素材8aと
で形成されるキャビティ4bに、次の円筒素材8を嵌合
させるセッテング工程。図2の如くアッパーパンチ2を
下降して、次の円筒素材8が加圧押し込まれることで、
この円筒素材8の真下に位置したその前のアッパーパン
チストロークで押し込められていた円筒素材8aを底付
ダイス5のキャビティ5a内に押し込むプレス工程。図
1の想像線で示す如く底付ダイス5のキャビティ5a内
にある成形されたかさ歯車22を離脱する抜取り工程。
本発明は、前記3つの工程を経て1個のかさ歯車22を
成形するのであるが、この場合に加工押し込みは1回だ
けである。以下、各工程を作用効果と共に詳述する。
【0011】セッテング工程では、上ラムに連結したア
ッパーパンチ2が上ダイス4の軸上方に待機し、アッパ
ーパンチ2および上ダイス4がおのおのの上限に位置し
ている。連続加工のときは次の円筒素材8を上ダイスキ
ャビティ4b内にセットする間に、図1の如く底付ダイ
ス5のキャビテイ5a内に加圧押し込められてノックア
ウトされたかさ歯車22を離脱操作することも可能であ
る。プレス工程では、アッパーパンチ2を下降させる。
すると、アッパーパンチ2が上ダイス4まで下降した
後、上ダイス4は圧縮ばね13の付勢力に抗して下降を
ガイドロット9に沿って開始する。したがって、上ダイ
ス4と底付ダイス5とは常に同軸線上にあり、上ダイス
4の下降によりその下面が底付ダイス5の上面に接触し
て図5に示す状態となる。そして、この状態からアッパ
ーパンチ2がさらに下降すると、次の円筒素材8が加圧
されることにより、その前に加圧押し込まれていた円筒
素材8aが底付ダイス5のキャビティ5aに向かって押
し出されることになる。
【0012】ところで、図3のC−C面は前述のように
両ダイス4,5の接触面であり、挿通孔4aの内径D1
が歯形成形部16aの最大径d1よりも僅かに大きく、
D1〉d1,D2〉d2の関係をなし、面積A〉面積B
であるため、図6から図7に変わる図5の接触面部分が
実質的な狭窄部24で図8となる。そして、このような
狭窄部24は、摩耗変形や抵抗が大きい歯形成形部16
aへの素材材料の塑性流動を促し、歯形成形部16aと
比較して素材材料流動容積が大で、摩耗変形や抵抗が少
ない歯本体部16bへの流動を抑制する。これにより、
素材材料流動が歯筋に沿ってスムースに流動することと
なって、底付ダイス5のキャビテイ5a内に充満するこ
とで設計通りのかさ歯車22を成形可能となる。かかる
塑性加工方法はモジュール、直径ピッチDP、歯数など
に制約をほとんど受けることなく、あらゆる種類のかさ
歯車を成形することができるのである。
【0013】なお、かさ歯車の成形を完了したときに
は、アッパーパンチ2は図2の如くホルダー兼用のスト
ッパー23により設定された下限にあり、セットされた
次の円筒素材8は前の円筒素材8aが位置したところに
押し込まれていると共に、前の円筒素材8aが下ダイス
キャビテイ5aに押込まれる際の変形抵抗分の圧縮応力
を受けることによって外径は増径、内径は減径し、おの
おの上ダイス4と上マンドレル3を保持することとな
る。その後、アッパーパンチ2は上昇されると共に、上
マンドレル3と円筒素材8を内在した上ダイス4は圧縮
ばね13の付勢力によりガイドロット9に沿って原位置
に復帰する。さらに、アッパーパンチ2が上昇し上ダイ
ス4の挿入孔4aより離脱し、図1の如く挿入孔4a内
に上ダイスキャビティ4bを形成した後、原位置に復帰
する。上ダイス4が原位置に復帰することにより、底付
ダイス5の上面が解放されて成形を完了したかさ歯車2
2の抜取り工程に移行できる。この工程では、ロアパン
チ17を図2の状態から図1の状態へ上昇し、底付ダイ
ス5のキャビティ5aよりかさ歯車22を軸上方に離脱
する。その後、ロアパンチ17は下降されて図2の原位
置に復帰する。このようなロアパンチ17の作動は通常
の油圧プレスのノックアウト機構と同じである。また、
以上の操作を繰り返すことにより、かさ歯車22を連続
して加工することができ、成形されたかさ歯車22は寸
法精度の量産安定性などに優れている。
【0014】図10,図11は前記上マンドレルを変更
した変形例である。図10の上マンドレル3は、前記実
施例の上マンドレル3に対して下部形状のみ異なってお
り、下端周囲部に断面山形状の張出部を形成したもので
ある。このように張出部は局部狭窄部3aとして作用
し、底付ダイス5のキャビテイ5a内に充満される素材
材料の塑性流動方向がより定まり易くなり、歯形成形部
16aへの塑性流動量を増やし、加圧力を低減すると共
に、特にモジュールが小さく、歯丈が低いかさ歯車の成
形に適合する。図11に示す上マンドレル3では、図1
0の局部狭窄部3aをさらに下方向へも延ばしたもの
で、下側突出部分が底付ダイス5のキャビティ5aの内
部まで張り出した局部狭窄部3bとなっている。この場
合には、上マンドレル3に対し加圧軸方向に抗する圧力
を生じさせて、下マンドレル6への負荷が軽減されると
同時にキャビティ5a内に張り出した分だけ製品材料を
減じ軽量製品を製作することが可能となる。
【0015】図12は、本発明の第2実施例として示す
かさ歯車の塑性加工装置であり、第1実施例の装置構成
と同じ部位に同一符号を付してある。なお、同図では左
側が円筒素材のセッテングと成形後の製品離脱状態を示
し、右側が加圧完了時の状態を示している。第2実施例
の装置は、第1実施例のものに対し、アッパーパンチ2
と上ダイス4および底付ダイス5の保持構造を変更し、
これら要素部品を相互に回転可能にした例である。回転
機構としては、アッパーパンチ2の場合はホルダー兼用
のストッパー23内にローラーベアリング25を付設
し、上ダイス4の場合はこれを保持するダイホルダ10
との間にローラーベアリング26を介在し、また底付ダ
イス5の場合はブロック14を上下に2分割してその間
にローラーベアリング27を介在した例であるが、他の
回転機構であってもよい。このように、前記3要素部品
を相互に回転可能に構成することにより、円筒素材8a
が底付ダイス5のキャビティ5a内へ押し込まれる過程
で、回転機構と合わせ本発明の要件を具備しているた
め、特に摩耗変形や抵抗の大きい歯形成形部16aへの
素材材料の塑性流動がよりスムースに誘起され、滑らか
に回転が促され、例えば図13に示すような中心孔27
aを有するスパイラル状のかさ歯車27への適用も可能
となる。
【0016】次に、本発明の第3実施例を説明する。こ
の第3実施例は本発明の塑性加工方法によりヘリカルイ
ンターナルかさ歯車を製作する場合の例であり、図14
はその装置構成例を示している。なお、同図では、左側
が円筒素材のセッテングと成形後の製品離脱状態を、右
側が加圧完了時の状態を示し、また第1実施例および第
2実施例の装置構成と同じ部位に同一符号を付してあ
る。この塑性加工装置は、前記2つの実施例のものに対
し、上マンドレル33を保持する上ダイス34と、下ダ
イス35と、下マンドレル36と、ロアパンチ37とが
異なっている。上ダイス34は、挿入孔34aを中心部
に有し、挿入孔34aに上マンドレル33を予め加圧押
し込められた円筒素材28aを介して保持して上ダイス
のキャビティ34bを構成する点、アッパーパンチ2と
下ダイス35との間にあって上下動可能となっている点
で第1実施例と同じく、またダイホルダ10に対してロ
ーラーベアリング26を介して回転可能に構成されてい
る点で第2実施例と同じ。異なる構成は、挿入孔34a
の下端内周壁には突出形成された断面山形状の狭窄用張
出部34bを有し、また上マンドレル33は製品の最内
径あるいは下マンドレル36の上端部最外径よりわずか
小さい径からなっていると共に、円筒素材28あるいは
28aは成形しようとする内歯かさ歯車の外径とほぼ同
じものを用いている。
【0017】下ダイス35は、キャビティ内周部を形成
する概略筒状となっており、内側中央部に配置される下
マンドレル36および下限位置でのロアパンチ37の上
端面との間でそのキビティ35aを形成する。また下ダ
イス35は、固定部12に設置される空洞ブロック14
の上に受台38およびローラーベアリング27を介して
回転可能に保持されると共に、拘束部材15により軸心
が保たれている。 下マンドレル36は、形成しようと
するインターナルかさ歯車の歯形状と対称に彫り込まれ
た歯形成形部36aを外周壁に有し、ボルトなどの手段
で支持ブロック40上に固定され、空洞ブロック14内
にあって固定部12上に設置される受台40およびロー
ラーベアリング41を介して回転可能に保持されてい
る。下マンドレル36の上端面は下ダイス35の上面と
水平であり、上ダイス34の下降により上マンドレル3
4の下端面がこの上端面に接する。ロアパンチ37は、
下ダイス35の内周面と下マンドレル36の下部との間
に設けられた隙間からキャビティ35a内に進退される
が、最下降位置が空洞ブロック14により規制される。
【0018】以上の装置を用いてインターナルかさ歯車
を製作する要領は、第1実施例と同じく同図の左上側に
示す如く次の円筒素材28のセッテング工程、同図の右
側に示す如くアッパーパンチ2を下降して、円筒素材2
8aを下ダイス35のキャビティ35a内に押し込むプ
レス工程、同図の左下に示す成形されたインターナルか
さ歯車32を離脱する抜取り工程からなる。そして、こ
の第3実施例では、狭窄用張出部34bを有する上ダイ
ス34と、下ダイス35および下マンドレル36の存在
により、第1実施例と同様な作用効果が得られ、歯先部
の欠肉などが生じないヘリカルインターナルかさ歯車3
2を製作でき、また量産時の品質安定性に優れたものと
なるのである。このように、本発明は、請求項に記載し
た範囲で種々変更ないしは展開することができるもので
あり、また第2,第3実施例で採用した各部の回転機構
などを敢えて設けなくともスパイラルかさ歯車やインタ
ーナルかさ歯車が成形可能であることは云うまでもな
い。
【0019】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のかさ歯車
の塑性加工方法は、金属製素材として製品1個分に加工
された円筒素材を用い、下ダイスにおけるキャビティ内
の歯形成形部に対し素材流動を専ら歯筋方向へ誘発しつ
つキャビティ内に充満するものであるから、前記歯形成
形部の破損やパンチ強度上の問題などを一掃でき、歯数
や歯筋の形状、内歯や外歯など成形形状に制約され難く
あらゆる種類のかさ歯車を製作できる。また、本発明の
塑性加工装置にあっては、前記塑性加工方法を実施可能
とし、またアッパーパンチの1ストロークで1個のかさ
歯車が得られると共にロアパンチにより容易に離脱でき
るので、生産性がよく、工業的量産が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例である塑性加工装置を円筒
素材のセッテングと成形後の製品離脱状態で示す断面図
である。
【図2】前記装置を加圧完了時の状態で示す断面図であ
る。
【図3】前記装置の要部を円筒素材を省略した状態で示
す概略破断斜視図である。
【図4】図3のZ方向から見た図である。
【図5】前記装置の要部を示す断面図である。
【図6】図5のY−Y矢視図である。
【図7】図5のX−X矢視図である。
【図8】実質的な狭窄面断面図である。
【図9】前記装置により製作されたかさ歯車を示す斜視
図である。
【図10】前記装置の上マンドレルを変更した例を示す
要部断面図である。
【図11】前記上マンドレルを更に変えた例を示す要部
断面図である。
【図12】本発明の第2実施例である塑性加工装置を、
円筒素材のセッテングと成形後の製品離脱および加圧完
了時の状態を同一図内に示した断面図である。
【図13】前記装置により製作されたスパイラルかさ歯
車を示す斜視図である。
【図14】本発明の第3実施例であるヘリカルインター
ナルかさ歯車を製作する場合の塑性加工装置を、円筒素
材のセッテングと成形後の製品離脱および加圧完了時の
状態を同一図内に示した断面図である。
【符号の説明】
1 塑性加工装置 2 アッパーパンチ 3,33 上マンドレル 4,34 上ダイス 4a,34a 挿入孔 3 底付ダイス(下ダ
イス) 35 下ダイス 5a 底付ダイスのキ
ャビティ 35a 下ダイスのキャビティ 6,36 下マンドレ
ル 7,37 ロアパンチ 22 かさ歯車 24a 内孔 24 狭窄部 3a,3b 局部狭窄部 34b 狭窄用張出部 16a,36a 歯形成形部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 製品歯形状と対称に彫り込まれた歯形成
    形部を有する下ダイスのキャビティ内に、製品1個分に
    加工された中空の金属製素材をアッパーパンチにより加
    圧押し込んで内孔を持つかさ歯車を成形する塑性加工方
    法であって、 前記金属製素材に成形しようとするかさ歯車の最大径よ
    りわずかに大きい外径を有する円筒素材を用いて、これ
    が遊合する上ダイスの挿入孔に上マンドレルを介在して
    上下に2個同心に収納するセッテング工程と、アッパー
    パンチの下降により前記上側にある次の円筒素材が下方
    へ押し込まれることにより、この円筒素材の真下にある
    前の円筒素材が下マンドレルを内在した下ダイスのキャ
    ビティ内に加圧押し込められるプレス工程と、前記下ダ
    イスのキャビティ内に設けられた歯形成形部により塑性
    成形されたかさ歯車をロアパンチによって下ダイスの上
    側に離脱する抜取り工程とからなり、前記前の円筒素材
    が下ダイスのキャビティ内に加圧押し込められるとき、
    前記上マンドレルの下端部が下マンドレルの上端部と接
    した状態で下ダイス上面内径と上マンドレル外径によっ
    て形成される狭窄部を通過することにより、加圧押し込
    められる円筒素材の塑性流動を専ら歯形成形部の歯筋に
    沿って誘起し、下ダイスのキャビティ内に充満すること
    を特徴とするかさ歯車の塑性加工方法。
  2. 【請求項2】 製品1個分に加工された金属製の円筒素
    材を、中心部に設けられた挿入孔に上マンドレルを介在
    して上下に2個同心に収納する上ダイスと、前記上ダイ
    ス上方に配置されるアッパーパンチと、前記上ダイスの
    下部に設置される下ダイスと、前記下ダイスのキャビテ
    ィ中央部に配され、製品かさ歯車の内孔に対応した大き
    さからなっている下マンドレルと、前記下ダイスのキャ
    ビティ内に設けられ製品歯形状と対称に彫り込まれた歯
    形成形部と、前記上マンドレルが下マンドレルと同心に
    配置されると共に下ダイスのキャビティ内に進退可能に
    設けられるロアパンチとを備え、また前記アッパーパン
    チ、上ダイス、ロアパンチが同心軸線上に相対的に移動
    可能に設けられており、前記アッパーパンチの下降によ
    り上マンドレルに保持された上側の円筒素材が加圧押し
    込まれることによって下側の円筒素材が下ダイスのキャ
    ビティ内へ加圧押し込まれるとき、前記上マンドレルの
    下端部が下マンドレルの上端部と接した状態で、加圧押
    し込められる円筒素材の塑性流動を専ら歯形成形部の歯
    筋に沿って誘起する狭窄部を形成するようにしたことを
    特徴とするかさ歯車の塑性加工装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010234410A (ja) * 2009-03-31 2010-10-21 Sato Neji Seisakusho:Kk 傾斜歯筋歯車の鍛造装置
CN102125977A (zh) * 2011-02-24 2011-07-20 江苏太平洋精锻科技股份有限公司 汽车变速器接合齿轮整体倒锥成形模具

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