JP2010234410A - 傾斜歯筋歯車の鍛造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】傾斜歯筋を極めて高精度で安定的に鍛造成形でき、各構成部材の作動が円滑で狂いを生じにくく、ダイスも長寿命になり、非円形中心孔付きの傾斜歯筋歯車の鍛造にも好ましく適用でき、構造的にも簡素な鍛造装置を提供する。
【解決手段】傾斜歯筋型を有するダイス本体11がダイスホルダー12内に軸方向移動及び周方向回転自在に保持され、パンチ本体21がパンチホルダー内に周方向回転自在に保持され、ダイス本体11の後端部とダイスホルダーの内奥端部との間に、複数本の圧縮コイルスプリング4Aが周方向に等配して介在し、これら圧縮コイルスプリング4Aのがスラストベアリング5A,5Bを介してダイス本体11の後端部とダイスホルダー12の内奥端部に押接され、ダイス側に、軸方向移動可能なノックアウトピン6と、ノックアウトピン6の進退作動手段とが設けられてなる。
【選択図】図2

Description

本発明は、はすば歯車、ヘリカル歯車、はすば傘歯車、ヘリカル傘歯車等の傾斜歯筋を有する歯車を製造するのに好適な鍛造装置に関する。
従来、ヘリカル傘歯車等の傾斜歯筋を形成するには、円柱状素材からプレス加工や据込み鍛造によって歯車原形のブランクを成形し、このブランクの外周部を専用の歯切り工作機械で切削加工するのが一般的であった。しかるに、この方法では高額な歯切り工作機械を必要として設備コストが嵩むと共に、歯切りの切削加工に時間を要して生産性が低い上に歩留りも悪いため、得られる歯車製品が非常に高価になるという問題があった。
そこで、近年においては、ヘリカル傘歯車の如き傾斜歯筋歯車の鍛造装置として、成形空間の内周面に傾斜歯筋型を備える第1型(一般的にダイス)をホルダー内で回動自在に保持すると共に、この第1型側をエアシリンダーや皿ばね等のクッション部材で緩衝しながら第二型(一般的にパンチ)との間で歯車素材を鍛造する際、第1型が傾斜歯筋の傾斜によって回動すると共に、型開きして鍛造歯車を取り出す際にも、その傾斜歯筋の傾斜によって第1型を回動させながら鍛造歯車をノックアウトするものが登場している(特許文献1〜3)。また、第1型の回動を外周側のドライブギヤやガイドローラーの駆動によって強制的に行うものも提案されている(特許文献4,5)。
特開平4−371335号公報 特開平6−31372号公報 特開2003−326333公報 特開2002−1479号公報 特開平4−33739号公報
しかしながら、前記従来の傾斜歯筋歯車の鍛造装置では、鍛造される歯車素材の外周部が傾斜歯筋型に食い込むのに伴い、第1型が歯筋型の捩れに対応して回動するが、この回動する第1型の後端面とクッション部材との間でスラスト方向の摺接抵抗が発生すると共に、第1型と一体に回動する歯車素材と第2型との接面部でもスラスト方向の摺接抵抗が発生するため、これら摺接抵抗による負荷で歯車素材に内部歪みを生じたり、該負荷によって打圧力の偏りや変動を惹起して成形精度が悪化したりして、鍛造品の歩留りが低下すると共に、ダイスの損傷や各構成部材の狂いを生じ易いという問題があった。加えて、第1型を外周側のドライブギヤやガイドローラーの駆動によって強制的に回動させるものでは、その駆動制御機構を含めて装置構成が複雑になり、設備コストが嵩むという難点もあった。更に、これら従来の鍛造装置では、中心孔付き傾斜歯筋歯車、特に多角形軸やスプライン軸等に嵌着するための非円形中心孔を有する傾斜歯筋歯車の鍛造成形が困難であった。
本発明は、上述の事情に鑑みて、傾斜歯筋歯車の鍛造装置として、傾斜歯筋を極めて高精度で安定的に鍛造成形でき、加えて各構成部材の作動が円滑で狂いを生じにくく、ダイスも長寿命になり、また非円形中心孔付きの傾斜歯筋歯車の鍛造にも好ましく適用でき、更に構造的にも簡素なものを提供することを目的としている。
上記目的を達成するための手段を図面の参照符号を付して示せば、請求項1の発明に係る傾斜歯筋歯車の鍛造装置は、前端に開放した成形空間3の内周に傾斜歯筋型3aを有するダイス本体11とパンチ本体21との間で歯車素材M1,M2を鍛造することにより、該歯車素材M1,M2の外周部(歯筋形成部g)に傾斜歯筋tを成形する傾斜歯筋歯車(はすば傘歯車G1,G2)の鍛造装置において、ダイス本体11がダイスホルダー12内に軸方向移動及び周方向回転自在に保持されると共に、パンチ本体21がパンチホルダー22内に周方向回転自在に保持され、ダイス本体11の後端部とダイスホルダー22の内奥端部との間に、複数本の圧縮コイルスプリング4Aが周方向に等配して介在し、これら圧縮コイルスプリング4Aの少なくとも前後一端側がスラストベアリング5A,5Bを介してダイス本体11の後端部又はダイスホルダー12の内奥端部に押接され、ダイス1側に、軸方向移動可能なノックアウトピン6と、該ノックアウトピン6の進退作動手段(圧縮コイルスプリング4B,ノックアウトピン作動杆14,突き出し駆動軸15,摺動リング16)とが設けられてなることを特徴としている。
請求項2の発明は、上記請求項1の傾斜歯筋歯車の鍛造装置において、傾斜歯筋型3aが捩れ歯筋をなす構成としている。
請求項3の発明は、上記請求項1又は2の傾斜歯筋歯車の鍛造装置において、傾斜歯筋歯車が傘歯車(はすば傘歯車G1,G2)である構成としている。
請求項4の発明は、上記請求項1〜3の何れかの傾斜歯筋歯車の鍛造装置において、中心孔h1,h2を備える歯車素材M1,M2を鍛造対象とし、ダイス本体11及びパンチ本体21が各々先端に開口した中心孔10,20を備え、ダイス本体11の中心孔10の先端側に成形空間3が形成され、ダイス本体11とパンチ本体21の一方の中心孔10(又は20)内に、先端部(角軸部71,スプライン軸部72)を歯車素材M1,M2の中心孔h1,h2に突入させる孔成形ピン7A,7Bが軸方向移動不能で且つ周方向回動自在に配置すると共に、他方の中心孔20(又は10)が該孔成形ピン7A,7Bによる素材削り屑の排出路8を構成するものとしている。
請求項5の発明は、上記請求項4の傾斜歯筋歯車の鍛造装置において、孔成形ピン7A,7Bがダイスホルダー12の内奥端部に周方向回転自在に保持されてダイス本体11の中心孔10内に貫通配置し、この孔成形ピン7A,7Bに筒状のノックアウトピン6が軸方向移動可能に套嵌する一方、パンチ本体21の中心孔20が素材削り屑の排出路8を構成するものとしている。
請求項6の発明は、上記請求項4又は5の傾斜歯筋歯車の鍛造装置において、歯車素材M1,M2の中心孔hが円形をなす一方、孔成形ピン7A,7Bの先端部が四角形以上の多角形軸部(角軸部71)又はスプライン軸部72をなす構成としている。
以下に、本発明の効果について、図面の参照符号を付して説明する。まず、請求項1の発明に係る傾斜歯筋歯車の鍛造装置では、ダイス本体11がダイスホルダー12内に軸方向移動及び周方向回動自在に保持され、このダイス本体11の後端部とダイスホルダー22の内奥端部との圧縮コイルスプリング4Aが介在しているから、該ダイス本体11とパンチ本体21との間で歯車素材M1,M2を鍛造する過程で、歯車素材M1,M2の外周部(歯筋形成部g)が成形空間3の傾斜歯筋型3aに食い込んでゆくに伴い、該傾斜歯筋型3aの傾斜によってダイス本体11が回動すると共に、パンチ本体21の打圧時に後退するダイス本体11が圧縮コイルスプリング4Aのばね力による緩衝作用を受けることになる。しかして、圧縮コイルスプリング4Aは複数本が周方向に等配しているから、上記の緩衝作用の周方向位置による強弱の偏りを生じない上、これら圧縮コイルスプリング4Aの少なくとも前後一端側がスラストベアリング5A,5Bを介してダイス本体11の後端部又はダイスホルダー12の内奥端部に押接され、その押接位置でのスラスト方向の摺接抵抗が殆ど発生しないから、鍛造過程でのダイス本体11の回動が極めて円滑になされる。しかも、パンチ本体21もパンチホルダー22内に周方向回転自在に保持されているから、鍛造過程でダイス本体11と一体に回動する歯車素材M1,M2と該パンチ本体21との接面部でもスラスト方向の摺接抵抗は殆ど発生しない。
従って、この鍛造装置によれば、鍛造中の歯車素材M1,M2に対し、傾斜歯筋の成形部において周方向全体に均一な打圧力が作用して、且つ捩じれ方向の負荷がかからず、もって傾斜歯筋tを極めて高精度で安定的に鍛造成形できると共に、鍛造後の製品取り出しの際にも傾斜歯筋型3aの傾斜に伴うダイス本体11の回動が円滑になされるから、歯車素材M1,M2に内部歪みを生じず、高品質の傾斜歯筋歯車を高歩留りで製造できる上、各構成部材の作動が円滑で狂いを生じにくく、ダイスも長寿命になる。また、この鍛造装置は、構造的にも簡素で安価に製作できるという利点もある。
請求項2の発明によれば、傾斜歯筋型3aが捩れ歯筋をなすことから、特にヘリカル歯車のような螺旋歯tを含む曲がり歯を持つ歯車の鍛造成形に好ましく適用できる。
請求項3の発明によれば、上記の鍛造装置として、傾斜歯筋の傘歯車G1,G2の鍛造に適用できるものが提供される。
請求項4の発明によれば、中心孔h1,h2を備える歯車素材M1,M2を鍛造対象とする上記の鍛造装置において、ダイス本体11とパンチ本体21の一方の中心孔10内に孔成形ピン7A,7Bが軸方向移動不能に配置し、他方の中心孔20が該孔成形ピン7A,7Bによる素材削り屑の排出路8を構成するから、傾斜歯筋tの鍛造中に歯車素材M1,M2の中心孔h1,h2に上記孔成形ピン7A,7Bの先端部(角軸部71,スプライン軸部72)が突入し、もって該中心孔h1,h2を同時に所要形状に成形できると共に、この中心孔h1,h2の成形に伴って発生する素材削り屑が孔成形ピン7A,7Bの先端部によって自動的に排出路8へ送り込まれるから、該素材削り屑の付着による鍛造品の成形精度の低下を回避できる。また、孔成形ピン7A,7Bは周方向回動自在に設けられているから、鍛造過程で歯車素材M1,M2と共にダイス本体11と一体に回動でき、これによって傾斜歯筋の成形精度を低下させずに中心孔h1,h2を確実に成形することが可能となる。
請求項5の発明によれば、孔成形ピン7A,7Bがダイスホルダー12の内奥端部に周方向回転自在に保持されてダイス本体11の中心孔10内に貫通配置し、この孔成形ピン7A,7Bに筒状のノックアウトピン6が軸方向移動可能に套嵌する一方、パンチ本体21の中心孔20が素材削り屑の排出路8を構成するから、ダイス1側及びパンチ2側共に、簡素な構造に設定できる上、各構成部材が機能的にコンパクトに組み合わさって円滑な動作を確保できる。
請求項6の発明によれば、歯車素材M1,M2の円形の中心孔h1,h2を鍛造過程で多角形孔(角孔H1)又はストレート溝付き孔H2に成形できる。
本発明の第1実施形態に係る鍛造装置に供する歯車素材とその予備鍛造の各段階における素材の軸方向断面、ならびに鍛造後のはすば傘歯車の軸方向断面及び正面を示す図である。 同鍛造装置における鍛造完了時のダイス側の軸方向断面図である。 同鍛造完了時のパンチ側の軸方向断面図である。 同鍛造装置における鍛造品ノックアウト時のダイスの軸方向断面図である。 同鍛造装置のダイス本体を示し、(a)は正面図、(b)は軸方向断面図である。 同鍛造装置のダイスに用いる円盤状スペーサーを示し、(a)は正面図、(b)は軸方向断面図である。 同鍛造装置のダイスに用いる孔形成ピンを示し、(a)は正面図、(b)は側面図である。 本発明の第2実施形態に係る鍛造装置のダイスに用いる孔形成ピンを示し、(a)は正面図、(b)は側面図である。 同第2実施形態に係る鍛造装置に供する歯車素材とその予備鍛造の各段階における素材の軸方向断面、ならびに鍛造後のはすば傘歯車の軸方向断面及び正面を示す図である。 同鍛造装置における鍛造完了時のダイス側の軸方向断面図である。 同鍛造完了時のパンチ側の軸方向断面図である。
以下に、本発明に係る傾斜歯筋歯車の鍛造装置の実施形態について、図面を参照して具体的に説明する。まず、第1実施形態の鍛造装置は、図1の(S0)で示す丸軸状の原材M10から四段階の予備鍛造(S1)〜(S4)を経て得られる歯車素材M1を用い、5段目の仕上げ鍛造(S5)として、貫通した角孔H1を持つ軸部s付きのはすば傘歯車G1を製造するものである。
なお、予備鍛造(S1)〜(S4)に用いる各々の鍛造装置については図示を省略するが、図1の紙面における一点鎖線Lより上側がパンチ側、下側がダイス側となる。まず、一段目の予備鍛造(S1)では、丸軸材の原材M10から、一端側に浅い円形凹部d0、他端側に有底円孔h0を備えるプレ素材M11とする。次の二段目の予備鍛造(S2)では、プレ素材M11から、一端側が前記円形凹部d0を深めた円形凹陥部dを有する太径の歯筋形成部g、他端側が絞り込みによる細径の軸部sをなすプレ素材M12とする。続いて三段目の予備鍛造(S3)では、前記プレ素材M12を反転した状態で、歯筋形成部gを拡径して傘歯車原形に成形すると共に、軸部sの形状を整えることにより、プレ素材M13とする。更に四段目の予備鍛造(S4)では、プレ素材M13から、その円形凹部d0と有底円孔h0とを連通させることにより、貫通した中心孔h1を有する歯車素材M1とする。(S5)では最終の仕上げ鍛造によって得られる製品のはすば傘歯車G1を図示している。
第1実施形態の鍛造装置のダイス1Aは、図2に示すように、円筒状のダイスホルダー12内に、略短円柱状のダイス本体11とその内奥側に位置する円形厚板状のスペーサー13とが軸方向移動自在で且つ周方向回転自在に装填されると共に、ダイス本体11に設けた中心孔10内に、丸軸状の孔形成ピン7Aと、これに套嵌する円筒状のノックアウトピン6とが挿嵌されている。図2中、14は周方向に等配してスペーサー13を貫通する3本のノックアウトピン作動杆、15はノックアウト駆動軸、16はノックアウトピン6とノックアウトピン作動杆14との間に介在する摺動リング、17は孔形成ピン取付ボルト、21はダイス1Aに対向配置するパンチ2Aのパンチ本体である。
ダイス本体11は、図5(a)(b)でも詳細に示すように、中心孔10が前側の径小孔部11aと後側の径大孔部11bとで構成され、径小孔部の前端部にはすば傘歯車G1用の成形空間3を有し、外周側には径小の前部11aと径大の後部11bとの間で前方に臨む環状段部11cが形成されると共に、後端面にはスラストベアリング5Aを嵌装する環状溝11dが形成されている。そして、成形空間3は、ダイス基体110の前端側中央の凹陥部11eに嵌合固着した円環状金型111にて構成され、内周面に捩れた傾斜歯筋型3aを有している。また、中心孔10の径大孔部11b内には、圧縮コイルスプリング4Bと、その後部側に位置する摺動リング16と、該摺動リング16の後端側ボス部16aに外嵌するスラストベアリング5Cとが装填されると共に、孔形成ピン7Aの径大後端部6aが配置している。
しかして、中心孔10の径大孔部11b内に装填された摺動リング16は、圧縮コイルスプリング4Bの付勢により、スペーサー13の前端面と3本のノックアウトピン作動杆14の前端に対し、スラストベアリング5Cを介して相対回転自在に押接している。また、この摺動リング16には孔形成ピン7Aが貫通すると共に、該摺動リング16の前面にはノックアウトピン6の径大後端部6aが当接している。
ダイスホルダー12は、円筒体121の後端にエンドブロック122が取付ボルト123を介して一部嵌合状態で連結されてなる。その円筒体121の内周側には、前部寄りに形成された内向きフランジ部12aによって後方に臨む環状段部12bを有すると共に、この内向きフランジ部12aよりも前端側に2個のラジアルベアリング8Aが環状押さえねじ18を介して嵌着されている。また、エンドブロック122は、前側から3段階に拡径した中心孔120と、この中心孔120の前部側の径小孔部120a及び中間孔部120bを取り巻くように配置して、後端が該中心孔120の径大孔部120cの内端に連通する3本の円形の作動杆挿通孔124と、前端面に臨んでスラストベアリング5Bを嵌装する環状溝125とを有している。そして、この中心孔120の後部側の径大孔部120cには外側からノックアウト駆動軸15が摺動自在に嵌入すると共に、小径孔部120aには頭部17aを中間孔部120bに収めた孔形成ピン取付ボルト17が前後一対のスラストベアリング5D,5Eを介して相対回転自在に貫通配置している。
スペーサー13は、図6(a)(b)でも詳細に示すように、中心孔13aと、その周囲を取り巻くように円周線c1上に等配した3本の断面円弧状の作動杆挿通孔13bと、更にその外側の円周線c2上に等配した多数本(図では12本)の円形のばね挿通孔13cとを備えている。そして、このスペーサー13の各ばね挿通孔13c内には圧縮コイルスプリング5Bが配置し、これら圧縮コイルスプリング5Bの各両端がダイスホルダー12のエンドブロック122の内端(前端)とダイス本体11の後端に対してスラストベアリング5A,5Bを介して押接している。一方、該スペーサー13の中心孔13aは後部側を径大として内部に後方へ臨む環状段部13aを形成しており、後方から該中心孔13aに挿嵌した孔形成ピン7Aの径大後端部7aが該環状段部13aで前方へ抜出不能に係止されると共に、ダイスホルダー12のエンドブロック122の中心孔120aを貫通した孔形成ピン取付ボルト17が該孔形成ピン7Aの後端側に設けたねじ孔7b(図7参照)に螺合緊締されている。これにより、孔形成ピン7Aは、ダイスホルダー12内で軸方向移動不能で且つ周方向回転可能に保持され、且つノックアウトピン6及び摺動リング16に対しても相対回転自在になっている。
しかして、このダイス1Aに用いる孔形成ピン7Aは、図7(a)(b)で詳細に示すように、先端側が細い角軸部71になっており、径大後端部7aを有する後端側には孔形成ピン取付ボルト17に対応するねじ孔7bが形成されている。
上記構成により、ダイス本体11は、パンチ2Aが離れた無負荷状態において、圧縮コイルスプリング4Aの付勢により、外周の環状段部11cがダイスホルダー12の内周の環状段部12bに当接する前限位置(図4参照)で保持され、前端がダイスホルダー12の前端と略同位置にくるように設定されている。この前限位置では、前側の径小孔部11aの外周がダイスホルダー12側のラジアルベアリング8Aに接しており、後端においても圧縮コイルスプリング4Aを介して押接するエンドブロック122との間にスラストベアリング5A,5Bが介在するから、当該ダイス本体11はダイスホルダー12内で回転自在である。また、孔形成ピン7Aの角軸部71は、前端がダイスホルダー12の前端を僅かに越える位置となるように設定されており、前限位置にあるダイス本体11の成形空間3の中心に配置している。しかして、鍛造が終了するまでは、ノックアウト駆動軸15が後退位置(図2参照)にあり、摺動リング16がノックアウトピン6と共に圧縮コイルスプリング4Bによって後退方向へ付勢され、該摺動リング16に押されたノックアウトピン作動杆14も後端がノックアウト駆動軸15の前端に当接する後退位置に保持される。
一方、パンチ2Aは、図3に示すように、円筒状のパンチホルダー22内に、略円柱状のパンチ本体21とその内奥側に位置する厚肉円筒状のスペーサー23とが装填されている。そして、パンチ本体21は、外周に設けた前方に臨む環状段部21aがパンチホルダー22の内周の後方に臨む環状段部22aに係合し、その前部側外周ではパンチホルダー22の前部側内周との間に3個のラジアルベアリング8Bが介在すると共に、後端側でもスペーサー23の前端との間にスラストベアリング5Fが介在していることにより、図示の如く前端部がパンチホルダー22から前方へ突出した状態で、軸方向移動不能で且つ回転自在に保持されている。また、スペーサー23は、側方外部からパンチホルダー22に螺挿されたロックボルト24の側面係止孔23aへの嵌入により、パンチホルダー22内で回転不能に保持されている。なお、図中の25はラジアルベアリング8Bを固定するための環状押さえねじである。
パンチ本体21には中心孔20が形成されており、この中心孔20内に円筒状のインナーパンチ26が装填されている。このインナーパンチ26は、中心孔20の拡径した後部20a内に後方から挿嵌した前後一対の二段円筒状のインナースリーブ27A,27B間で、径大後端部26aを挟み付けることにより、その前端がパンチ本体21の前端から奥まった位置になる状態で軸方向移動不能に保持されている。なお、前後のインナースリーブ27A,27Bは、共に径大の後部側の外径が同一であって、前部インナースリーブ27Aの後部側の内径と後部インナースリーブ27Bの前部側の外径とが略等しく設定されており、前部インナースリーブ27Aの後部側に後部インナースリーブ27Bの前部側を挿嵌した形で、後部インナースリーブ27Bの前端と前部インナースリーブ27Aの内周段部27aとの間でインナーパンチ26の径大後端部26aを挟み付けている。
また、スペーサー23の中心孔23a内には、前方及び側方に開放した切欠部28aを有する丸軸体28がキー係合23bによって相対回転不能に挿嵌されており、この丸軸体28の前端が後部インナースリーブ27Bの後端に当接しているため、前後のインナースリーブ27A,27B及びインナーパンチ26は後退不能である。一方、スペーサー23の側面には丸軸体28の切欠部28aに連通する開口部23cを有すると共に、この開口部23cに臨んでパンチホルダー22の側面にも開口部21bが設けてある。これにより、パンチ本体21の中心孔20から順次、インナーパンチ26の内側空間26b、後部インナースリーブ27Bの内側空間27b、丸軸体28の切欠部28a、両開口部23c,21bを経て外部へ至る排出路8を構成している。
上記構成の鍛造装置では、パンチ本体21に前記の予備鍛造を経た歯車素材M1〔図1(S4)参照〕を中心孔20への軸部sの挿入によって保持させ、この状態で図2及び図3に示すに示すように、パンチ2Aをダイス1Aに打圧して仕上げ鍛造を行う。そして、この打圧によって歯車素材M1の外周部つまり歯筋形成部gが成形空間3の傾斜歯筋型3aに食い込んでゆくが、該傾斜歯筋型3aの傾斜によってダイス本体11が回動すると共に、パンチ本体21の打圧時にダイス本体11が圧縮コイルスプリング4Aのばね力による緩衝作用を受けながら後退する。また、孔形成ピン7Aの先端側の角軸部71が歯車素材M1の中心孔h1に挿嵌し、この挿嵌状態で歯車素材M1の軸部sの先端がインナーパンチ26で打圧されることにより、該軸部sが短縮すると同時に、該軸部sの素材肉部が内側へ膨出して孔形成ピン7Aの角軸部71に密接するように変形してゆき、円形の中心孔h1が最終的に角孔H1〔図1(S5)参照〕に成形される。
しかして、鍛造終了後には、パンチ2Aをダイス1Aから離間させると共に、図4に示すように、ノックアウト駆動軸15を前進させることにより、製品のはすば傘歯車G1を成形空間3から離脱させて排出する。すなわち、ノックアウト駆動軸15が前進作動すると、ノックアウトピン作動杆14を介して摺動リング16が圧縮コイルスプリング5Aの付勢に抗して前進し、これと一体にノックアウトピン6も前進するから、成形空間3に嵌合していたはすば傘歯車G1が前方へ突き出される。また、この突き出しに伴い、ダイス本体11が圧縮コイルスプリング4Aの蓄力によって図示の前限位置まで前進するが、該ダイス本体11ははすば傘歯車G1の傾斜歯筋tが傾斜歯筋型3aの傾斜に沿って離脱するように回動しつつ前進することになる。
上記の鍛造過程においては、ダイス本体11の後退移動を緩衝する圧縮コイルスプリング4Aの複数本が周方向に等配しているから、上記の緩衝作用の周方向位置による強弱の偏りを生じない上、これら圧縮コイルスプリング4Aの両端がスラストベアリング5A,5Bを介してダイス本体11の後端部及びダイスホルダー12の内奥端部に押接され、その押接位置でのスラスト方向の摺接抵抗が殆ど発生しないから、傾斜歯筋型3aの傾斜に伴うダイス本体11の回動が極めて円滑になされる。しかも、パンチ本体21もパンチホルダー22内に周方向回転自在に保持されているから、鍛造過程でダイス本体11と一体に回動する歯車素材M1に対する該パンチ本体21の接面部、つまりダイス本体11の前端面ならびにインナーパンチ26の前端面でもスラスト方向の摺接抵抗は殆ど発生しない。従って、鍛造中の歯車素材M1に対し、歯筋形成部gの周方向全体に均一な打圧力が作用して、且つ捩じれ方向の負荷がかからず、もって捩れた傾斜歯筋tを極めて高精度で安定的に鍛造成形できると共に、鍛造後の製品取り出しの際にも傾斜歯筋型3aの傾斜に伴うダイス本体11の回動が円滑になされるから、歯車素材M1に内部歪みを生じず、軸部s付きで貫通した角孔H1を有するはすば傘歯車G1〔図1(S5)参照〕として安定した高品質のものを高歩留りで製造できる上、各構成部材の作動が円滑で狂いを生じにくく、ダイス本体11及び円環状金型111も長寿命になる。また、この鍛造装置は、構造的にも簡素で安価に製作できるという利点もある。
更に、この第1実施形態の鍛造装置では、孔形成ピン7Aの角軸部71を歯車素材M1の中心孔h1に挿嵌して角孔H1に成形する際、素材削り屑が発生するが、パンチ本体21の中心孔20が素材削り屑の排出路8を構成するから、発生した素材削り屑が孔成形ピン7Aの先端部によって自動的に排出路8へ送り込まれるから、該素材削り屑の付着によるはすば傘歯車G1の成形精度の低下を回避できる。また、孔成形ピン7Aは周方向回動自在に設けられているから、鍛造過程で歯車素材M1と共にダイス本体11と一体に回動でき、これによって傾斜歯筋の成形精度を低下させずに中心孔h1を角孔H1に確実に成形することが可能である。
第2実施形態の鍛造装置は、図9の(S0)で示す丸軸状の原材M10から四段階の予備鍛造(S1)〜(S4)を経て得られる歯車素材M2を用い、5段目の仕上げ鍛造(S5)として、軸部なしでストレート溝付き孔H2付きのはすば傘歯車G2を製造するものである。
なお、予備鍛造(S1)〜(S4)に用いる各々の鍛造装置については図示を省略するが、図9の紙面における一点鎖線Lより上側がパンチ側、下側がダイス側となる。まず、一段目の予備鍛造(S1)では、丸軸材の原材M20から、両端面に浅い円形凹部d0を備えるプレ素材M21とする。次の二段目の予備鍛造(S2)では、プレ素材M21から、前面側の前記円形凹部d0を深めて有底円孔h0を形成すると共に、外周部をはすば用の歯筋形成部gに成形したプレ素材M22とする。続いて三段目の予備鍛造(S3)では、プレ素材M22から、背面側に低い環状凸部cを形成したプレ素材M23とする。更に四段目の予備鍛造(S4)では、プレ素材M23から、背面側の円形凹部d0と前面側の有底円孔h0とを連通させることにより、貫通した中心孔h2を有する歯車素材M2とする。(S5)では最終の仕上げ鍛造によって得られる製品のはすば傘歯車G2を図示している。
なお、この第2実施形態の鍛造装置では、図10及び図11に示すように、ダイス1Bとして既述した第1実施形態におけるダイス1Aの孔形成ピン7Aに代えて孔形成ピン7Bを用いると共に、パンチ2Bとして同第1実施形態におけるパンチ2Aのインナーパンチ26がない構造を採用しているが、それ以外は第1実施形態と同様構成である。従って、以下においては、第1実施形態と共通する各構成部分には同一符号を付して具体的な説明を省略する。
この第2実施形態で用いる孔形成ピン7Bは、図8(a)(b)で詳細に示すように、先端側が同径のスプライン軸部72になっており、径大後端部7aを有する後端側には孔形成ピン取付ボルト17に対応するねじ孔7bが形成されている。
ダイス1Bのダイス本体11は、第1実施形態の場合と同様に、パンチ2Bが離れた無負荷状態において、圧縮コイルスプリング4Aの付勢により、外周の環状段部11cがダイスホルダー12の内周の環状段部12bに当接する前限位置で保持され、前端がダイスホルダー12の前端と略同位置にくるように設定されており、外周がダイスホルダー12側のラジアルベアリング8Aに接し、後端においても圧縮コイルスプリング4Aを介して押接するエンドブロック122との間にスラストベアリング5A,5Bが介在するから、当該ダイスホルダー12内で回転自在である。そして、孔形成ピン7Bの角軸部72は、前端がダイスホルダー12の前端を僅かに越える位置となるように設定されており、前限位置にあるダイス本体11の成形空間3の中心に配置している。
一方、パンチ2Bのパンチ本体21は、第1実施形態の場合と同様に、外周に設けた前方に臨む環状段部21aがパンチホルダー22の内周の後方に臨む環状段部22aに係合し、その前部側外周ではパンチホルダー22の前部側内周との間に3個のラジアルベアリング8Bが介在すると共に、後端側でもスペーサー23の前端との間にスラストベアリング5Fが介在していることにより、前端部がパンチホルダー22から前方へ突出した状態で、軸方向移動不能で且つ回転自在に保持されている。そして、該パンチ本体21の中心孔20の拡径した後部20a内に後方から前後一対の二段円筒状のインナースリーブ27A,27Bが挿嵌されおり、該中心孔20の前端から両インナースリーブ27A,27Bの内側空間27c、丸軸体28の切欠部28a、スペーサー23及びパンチホルダー22の開口部23c,21bを経て外部へ至る排出路8を構成している。
上記構成の鍛造装置では、前記の予備鍛造を経た歯車素材M2〔図9(S4)参照〕をパンチ2Bとダイス1Bとの間で打圧して仕上げ鍛造を行うが、この打圧によって歯車素材M2の外周の歯筋形成部gが成形空間3の傾斜歯筋型3aに食い込んでゆく際、前記第1実施形態と同様に、該傾斜歯筋型3aの傾斜によってダイス本体11が回動しつつ圧縮コイルスプリング4Aのばね力による緩衝作用を受けながら後退する。また同時に、孔形成ピン7Bのスプライン軸部72が歯車素材M2の中心孔h2に圧入し、該中心孔h2が押し広げられてスプライン軸部72の凹凸形状が孔内周に転写され、ストレート溝付き孔H2〔図9(S5)参照〕が形成される。
この鍛造過程においても、前記第1実施形態と同様に、打圧に伴うダイス本体11の後退移動の際、圧縮コイルスプリング4Aによる緩衝作用の周方向位置による強弱の偏りを生じず、且つ圧縮コイルスプリング4Aの両端の押接位置ではスラストベアリング5A,5Bによってスラスト方向の摺接抵抗が殆ど発生しないから、傾斜歯筋型3aの傾斜に伴うダイス本体11の回動が極めて円滑になされると共に、パンチ本体21も周方向回転自在であるため、ダイス本体11と一体に回動する歯車素材M2に対する該パンチ本体21の接面部でもスラスト方向の摺接抵抗は殆ど発生しない。従って、鍛造中の歯車素材M2に対し、歯筋形成部gの周方向全体に均一な打圧力が作用して、且つ捩じれ方向の負荷がかからず、捩れた傾斜歯筋tを極めて高精度で安定的に鍛造成形できると共に、歯車素材M2に内部歪みを生じず、ストレート溝付き孔H2を有するはすば傘歯車G2〔図9(S5)参照〕として安定した高品質のものを高歩留りで製造できる上、各構成部材の作動が円滑で狂いを生じにくく、ダイス本体11及び円環状金型111が長寿命になる。
更に、この第2実施形態の鍛造装置では、孔形成ピン7Bのスプライン軸部72が歯車素材M1の中心孔h12に圧入する際、素材削り屑が発生するが、パンチ本体21の中心孔20が素材削り屑の排出路8を構成するから、発生した素材削り屑が孔成形ピン7Aの先端部によって自動的に排出路8へ送り込まれるから、該素材削り屑の付着によるはすば傘歯車G2の成形精度の低下を回避できる。また、孔成形ピン7Bは周方向回動自在に設けられているから、鍛造過程で歯車素材M2と共にダイス本体11と一体に回動でき、これによって傾斜歯筋の成形精度を低下させずに中心孔h2をストレート溝付き孔H2に確実に成形することが可能である。
なお、本発明の鍛造装置は、円形の中心孔を持つ歯車素材を対象として、外周部に傾斜歯筋を形成する鍛造の際に、同時に孔形成ピンによって該中心孔を非円形に成形するのに好適であり、特に前記第1及び第2実施形態のように、先端側が四角形以上の多角形軸部やスプライン軸部をなす孔形成ピンによって多角形孔やストレート溝付き孔を形成するのに最適である。しかるに、製品の傾斜歯筋歯車の孔部が係合キー又はキー溝を有する円孔であったり、単なる円孔であっても、その孔部形状に応じた先端部形状の孔形成ピンを用いて対応できる。また、前記第1及び第2実施形態ではパンチ2A,2B側に素材削り屑の排出路8を設けているが、逆にダイス側に該排出路8を設けてパンチ側には孔形成ピンを取り付けるようにしてもよい。ただし、ダイス側に該排出路8を設ける構成では、進退するダイス本体の後方側に生じる空間部に素材削り屑が入り込むのを防止する上で、ダイス側の内部構造が複雑になるという難点がある。
更に、本発明の鍛造装置においては、ノックアウトピンの進退作動手段として実施形態で例示した以外の種々の方式及び構造を採用できる。また、ダイス本体の後退移動を緩衝する圧縮コイルスプリングの押接部に介在させるスラストベアリングは、実施形態のように該圧縮コイルスプリングの両側ではなく片側のみに配置してもよい。しかして、この緩衝用の圧縮コイルスプリングの本数は、3本以上であればよいが、特に緩衝作用を均等化させる上で6本以上が好ましい。なお、第1及び第2実施形態のように、ダイス本体11の内奥側に周方向回転及び軸方向移動可能なスペーサー13を配置し、上記緩衝用の複数本の圧縮コイルスプリング4Aの各々を該スペーサー13のばね挿通孔13cに挿通する構成とすれば、該圧縮コイルスプリング4Aの本数が多くとも捩れ変形や相互干渉を確実に防止できるから、緩衝作用の周方向位置による強弱の偏りを完全に排除してより高精度の鍛造を行えるという利点がある。その他、本発明においては、ダイス本体及びパンチ本体を各々ホルダーに回転自在に保持させるためのベアリング配置、各構成部材の形状等、細部構成については実施形態以外に種々設計変更可能である。
本発明の鍛造装置は、製品の傾斜歯筋歯車がヘリカル歯車のように捩れ歯筋をなす場合に特に好適であるが、単なる直線状の傾斜歯筋を持つ場合にも適用できる。また本発明は、製品の傾斜歯筋歯車が傘歯車である場合に特に好適であるが、傾斜歯筋を持つ平歯車やねじ歯車の製造にも適用可能である。更に、本発明の鍛造装置は、製品歯車の孔部が非貫通孔(有底孔)である場合や、製品歯車が孔部の代わりに非円形軸部等を持つ場合でも、成形空間の形状やパンチ側のインナーパンチの形態等を適宜設定すれば、支障なく鍛造可能となる。
1A,1B ダイス
10 中心孔
11 ダイス本体
12 ダイスホルダー
14 ノックアウトピン作動杆(進退作動手段)
15 突き出し駆動軸(進退作動手段)
16 摺動リング(進退作動手段)
2A,2B パンチ
20 中心孔
21 パンチ本体
22 パンチホルダー
3 成形空間
3a 傾斜歯筋型
4A 圧縮コイルスプリング
4B 圧縮コイルスプリング(進退作動手段)
5A,5B スラストベアリング
6 ノックアウトピン
7A,7B 孔形成ピン
71 角軸部
72 スプライン軸部
8 排出路
G1,G2 はすば傘歯車
M1,M2 歯車素材
g 歯筋形成部
t 傾斜歯筋

Claims (6)

  1. 前端に開放した成形空間の内周に傾斜歯筋型を有するダイス本体とパンチ本体との間で歯車素材を鍛造することにより、該歯車素材の外周部に傾斜歯筋を成形する傾斜歯筋歯車の鍛造装置において、
    前記ダイス本体がダイスホルダー内に軸方向移動及び周方向回動自在に保持されると共に、前記パンチ本体がパンチホルダー内に周方向回動自在に保持され、
    前記ダイス本体の後端部とダイスホルダーの内奥端部との間に、複数本の圧縮コイルスプリングが周方向に等配して介在し、これら圧縮コイルスプリングの少なくとも前後一端側がスラストベアリングを介してダイス本体の後端部又はダイスホルダーの内奥端部に押接され、
    ダイス側に、軸方向移動可能なノックアウトピンと、該ノックアウトピンの進退作動手段とが設けられてなることを特徴とする傾斜歯筋歯車の鍛造装置。
  2. 前記傾斜歯筋型が捩れ歯筋をなす請求項1に記載の傾斜歯筋歯車の鍛造装置。
  3. 前記傾斜歯筋歯車が傘歯車である請求項1又は2に記載の傾斜歯筋歯車の鍛造装置。
  4. 中心孔を備える歯車素材を鍛造対象とし、前記ダイス本体及びパンチ本体が各々先端に開口した中心孔を備え、ダイス本体の中心孔の先端側に前記成形空間が形成され、
    前記ダイス本体と前記パンチ本体の一方の中心孔内に、先端部を歯車素材の中心孔に突入させる孔成形ピンが軸方向移動不能で且つ周方向回動自在に配置すると共に、他方の中心孔が該孔成形ピンによる素材削り屑の排出路を構成してなる請求項1〜3の何れかに記載の傾斜歯筋歯車の鍛造装置。
  5. 前記孔成形ピンがダイスホルダーの内奥端部に周方向回転自在に保持されてダイス本体の中心孔内に貫通配置し、この孔成形ピンに筒状の前記ノックアウトピンが軸方向移動可能に套嵌する一方、前記パンチ本体の中心孔が前記素材削り屑の排出路を構成してなる請求項4に記載の傾斜歯筋歯車の鍛造装置。
  6. 歯車素材の前記中心孔が円形をなす一方、前記孔成形ピンの先端部が四角形以上の多角形軸部又はスプライン軸部をなす請求項4又は5に記載の傾斜歯筋歯車の鍛造装置。
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