JP4856946B2 - クラウニング付歯形の鍛造成形装置 - Google Patents

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Description

本発明は外歯歯車の歯面にクラウニングを成形するクラウニング付歯形の鍛造成形装置に関する。
一般に外歯歯車の各歯の歯面には、駆動側と被駆動側の各歯の噛み合い当たりが良好となるように、歯筋に沿って歯筋方向の中央部から端部に向けて歯厚を漸次減少させるようにしたクラウニングが成形されている。歯面にクラウニングを加工してクラウニング付歯形を形成する一般的な方法としては、棒材あるいは鍛造による素材を歯切り等によって粗加工して歯厚が一定の歯車を成形した後に、シェービング等の切削により歯面をクラウニング加工する方法がある。しかしながら、切削によりクラウニング加工を行うには加工時間がかかるという問題がある。これに対し、切削によることなく鍛造によってクラウニング付歯形を成形すると、加工時間を短縮することができる。
クラウニング付歯形の歯車を鍛造成形するために、歯車の歯面に対応して湾曲した凹面となったダイス孔が形成されたダイスとパンチとを有する鍛造金型を用いると、歯車の各歯の歯筋方向中央部の肉厚が両端部よりも大きいので、歯車成形後にエジェクタピンにより鍛造金型から歯車を取り出す際に肉厚部が金型の開口端部でしごき加工されることになり、所定の寸法精度が得られなくなる。そこで、例えば特許文献1には、ダイス孔内にセットされた素材を塑性加工する前にテーパ部材によりダイスの開口端部を弾性収縮させた後にダイス孔内で素材をクラウニング付歯形の歯車に塑性加工し、成形された歯車をダイスから取り出すときには、ダイスの開口端部側の弾性収縮を解除させて開口端部側の内径を広げるようにした加工方法が開示されており、成形後の歯車の各歯はダイスの開口端部でしごき加工されることが防止される。
特許文献2には、予め粗加工により歯厚が一定に加工された素材を上下2つのダイスを用いてクラウニング付歯形に鍛造成形する成形装置が記載されている。下ダイスには下端側が小さくなる部分を有する複数の第1空間が設けられ、上ダイスには上端側が小さくなる部分を有する複数の第2空間が設けられており、上パンチにより素材をその下端側から第1空間に挿入して素材の各歯に下端から中央部の間にクラウニング付歯形を成形する。続いて下ダイスの第1空間と上ダイの第2空間とを一致させた後に、素材を下パンチにより第1空間内に保持された歯を上端側から第2空間内に挿入して歯の上端から中央部の間にクラウニング付歯形を成形する。これにより、クラウニング付歯形の歯車が鍛造加工される。
特開平7−51788号公報 特開2003−220442号公報
しかしながら、特許文献1に記載されるように、パンチとダイス部材とにより素材を圧縮加工する前に、ダイス部材のダイス孔の開口端部を弾性収縮変形させる場合には、ダイス部材におけるダイス孔の開口端部と反対側の部分にはクラウニングを成形するために複雑な形状に加工する必要がある。また、ダイス部材をコンテナ部に一体に形成する必要があり、ダイス部材の構造が更に複雑となり鍛造成形装置の製造コストおよびメインテナンスコストが増大することになる。
一方、特許文献2に記載の成形装置は、上下2つのダイスと上下2つのパンチとが必要となり、鍛造成形装置の構造が複雑となると共に、上パンチにより素材の歯を下ダイスの第1空間に挿入して素材の下端部側にクラウニングを成形する工程と、下ダイスと上ダイスとを密着させる工程と、素材を下パンチにより第1空間に保持された歯を上端側から第2空間内に挿入して歯の上端部側にクラウニングを成形する工程とを有し、鍛造工程が複雑となって加工時間が長くなるという問題点がある。
そこで、1つのダイスにより各歯の歯面にクラウニングを鍛造加工し得るようにすべく、ダイスの外周面をテーパ形状とし、ダイスの外周面に直接接触するパンチにテーパ形状の摺動面を形成することによって、パンチによりダイスの軸方向両端部を直接径方向に弾性収縮変形するようにした鍛造成型装置の開発が行われた。しかしながら、パンチにより直接ダイスを弾性収縮変形するようにすると、硬度の高いダイスの外周面に接触するパンチの摺動面が短期間に磨耗してしまうだけでなく、ダイスの外周面が磨耗することから、ダイスの交換頻度も高くなり、装置の耐久性を十分に確保することができないという問題点がある。また、ダイスの外周面にテーパ面を形成するようにすると、クラウニングの加工量を変化させるには、ダイスを交換する必要がある。
本発明の目的は、簡単な構造の装置によって1工程でクラウニング付歯形を成形し得るようにすることにある。
本発明の他の目的は、ダイスの交換頻度を少なくして鍛造成形装置の耐久性を向上することにある。
本発明の他の目的は、ダイスを交換することなく、クラウニング加工量を変化させることができるようにすることにある。
本発明のクラウニング付歯形の鍛造成形装置は、歯厚が歯筋方向全体に一定の複数の歯を備えた歯車素材における歯面にクラウニングを成形するクラウニング付歯形の鍛造成形装置であって、歯車素材の各歯が嵌合する複数の歯形成形溝が内面に形成され、ダイスホルダに支持されるダイスと、前記ダイスに向けて軸方向に移動自在に設けられ、前記ダイスホルダとの間で前記歯車素材を軸方向に押圧するインナーパンチと、前記ダイスホルダに配置され、テーパ形状の外周面を有するとともに前記ダイスの外側に嵌合される駆動リングと、前記ダイスに対して軸方向に移動自在に前記インナーパンチの外側に装着されるアウターパンチとを有し、前記駆動リングの内周面の軸方向中央部分に前記ダイスの外周面に接触しない凹部を環状に形成し、前記駆動リングの前記外周面に接触するテーパ形状の摺動面を有するとともに前記アウターパンチにより駆動されて前記駆動リングの軸方向両端部を径方向に弾性収縮変形する加工ブロックを、前記駆動リングの外側に軸方向に移動自在に配置し、前記アウターパンチの軸方向移動により前記駆動リングを介して前記ダイスの軸方向両端部を径方向および周方向に弾性収縮変形させ、歯車素材の各歯の歯面にクラウニングを成形することを特徴とする。
本発明のクラウニング付歯形の鍛造成形装置は、前記加工ブロックがブロック本体と、前記テーパ形状の摺動面が形成されて当該ブロック本体に着脱自在に装着される環状部とを有することを特徴とする。
本発明のクラウニング付歯形の鍛造成形装置は、前記駆動リングを前記ダイスホルダに着脱自在に配置することを特徴とする。
本発明のクラウニング付歯形の鍛造成形装置は、前記ダイスホルダに固定され前記歯車素材の基端面側に当接するスリーブと、前記アウターパンチとともに軸方向に移動して前記歯車素材に形成された貫通孔を押し広げるマンドレルとを有することを特徴とする。
本発明によれば、アウターパンチの軸方向移動により駆動リングを介してダイスの軸方向両端部を径方向および周方向に弾性収縮変形させるようにしたので、アウターパンチをダイスに接近させる1工程によって歯車素材の各歯の歯面にクラウニングを加工してクラウニング付歯形を成形することができる。また、ダイスの外周面には摺動面が設けられていないので、ダイス外周面の磨耗発生によるダイス交換頻度が少なくなり、鍛造成形装置の耐久性を向上させることができるとともに、製造価格が高いダイスの交換頻度が少なくなることから、歯車を低コストで製造することができる。
本発明によれば、駆動リングをダイスホルダに交換自在に配置するようにしたので、外周面のテーパ角度が相違した駆動リングを交換することにより、ダイスを交換することなく、ダイスの両端部の弾性収縮変形量を相違させてクラウニング加工量を変化させることができる。
マンドレルとこれが嵌合するスリーブとを設けることにより、貫通孔を有する歯車素材を加工することができ、歯車素材を貫通孔側から径方向に押し広げながら歯面のクラウニング加工をすることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1(A)は歯車素材の一例を示す斜視図であり、図1(B)は歯車素材の歯面にクラウニングを鍛造加工して製品化された後の歯車を示す斜視図である。図2は歯車素材の歯面にクラウニングを加工する本発明の一実施の形態であるクラウニング付歯形の鍛造成形装置を示す断面図であり、図3は図2の要部を示す拡大断面図である。
図1(A)に示す歯車素材10は、棒材を歯切り加工したり、鍛造加工することにより形成されており、歯車素材10はボス部11とこれと一体となった歯車本体部12とを有し、中心部には貫通孔13が形成されている。歯車本体部12は複数の歯14と隣り合う歯14の間の歯溝15とが円周方向に等ピッチで形成されている。歯14および歯溝15はそれぞれ軸方向に延びており、各々の歯14は歯厚が歯筋方向全体に一定となっており、歯面16と歯先面17との交線は一直線状になり、歯面16は平坦となっている。この歯車素材10の歯面16をクラウニング加工すると、図1(B)に示す歯車10aに加工され、歯面16は歯筋方向の中央部から両端部に向けて肉厚が漸次減少するように成形されて製品化される。
図2に示す鍛造成形装置20は、下型21とこれに向けて上下方向に移動自在となった上型22とを備えている。下型21は基台23に固定されるボルスタ24を有し、ボルスタ24は基部筒体24aとこれの上部に固定される支持筒体24bとを備えている。支持筒体24bの内部には円筒形状の上下動ブロック25が上下方向に移動自在に装着され、上下動ブロック25の上にはスペーサ26を介して加工ブロック27が装着されている。加工ブロック27にスペーサ26および上下動ブロック25を介して上方向の推力を加えるために、ボルスタ24内には複数の押圧ピン28が装着され、押圧ピン28には図示しないばね部材や油圧などにより上方に向けて推力が加えられており、加工ブロック27には上型22に向かう方向の推力が押圧ピン28により加えられている。加工ブロック27の上昇移動を規制するために、支持筒体24bには加工ブロック27に当接する環状の固定リング29が取り付けられている。なお、上型22を下型21に向けて移動する際に上型22の移動を案内するために、下型21にはガイドポスト30が取り付けられ、このガイドポスト30に摺動自在に嵌合する図示しない部材が上型22に取り付けられている。
図2に示すように、ボルスタ24の支持筒体24bの中心部には円筒形状の支持台31が組み込まれ、この支持台31は基部筒体24aに固定された台座32に円筒形状のスペーサ33を介して固定されている。支持台31の上には環状のダイスホルダ34が配置され、支持台31の中央部にはスリーブ35が組み込まれ、スリーブ35は中空のスペーサ36を介して台座32に固定されている。
ダイスホルダ34には、図3に示すように、歯車素材10が嵌合される貫通孔37aを有する円筒形状のダイス37が支持されており、ダイス37の基端面つまり下端面はダイスホルダ34に接触させた状態となってダイスホルダ34に支持される。
図4はダイス37を拡大して示す斜視図であり、ダイス37の貫通孔37aの内面には軸方向に延びて複数の歯形成形溝38が形成されている。それぞれの歯形成形溝38は歯車素材10の歯面16に対応する歯面成形面38aと、歯先面17に対応する歯先面成形面38bとを有し、歯面成形面38aは歯車素材10の歯面16に対応して平坦となっている。また、ダイス37には基端部側の大径外周面39aと先端側の小径外周面39bとが形成されて外周面は段付形状となっており、それぞれの外周面39a,39bは中心軸と平行となったストレートな円筒面となっている。
一方、図2に示すように、上型22は下型21に向けて軸方向に接近離反移動自在となったメインラム41を有し、メインラム41には円筒形状のホルダ42により円筒形状のアウターパンチ43が取り付けられ、アウターパンチ43はホルダ42にねじ結合されるナット部材44によりホルダ42に固定されている。アウターパンチ43の中心部にはほぼ円筒形状のインナーパンチ45がアウターパンチ43に対して軸方向に移動自在となって組み込まれ、メインラム41の中央部に組み込まれたインナーラム46とインナーパンチ45との間には複数本の連動ロッド47が配置されている。インナーパンチ45はメインラム41によりアウターパンチ43とともに下型21に対して軸方向に接近離反移動し、さらにインナーラム46によりインナーパンチ45はアウターパンチ43に対して軸方向に相対移動自在となっている。
ホルダ42内に固定された支持ブロック48の下面には、アウターパンチ43の中心部に位置させて固定ブロック49によりマンドレル51が取り付けられている。このマンドレル51はスリーブ35と同軸状となっており、上型22が下型21に接近移動すると、図2に示すように、スリーブ35内に嵌合する。マンドレル51の先端部には本体部52aよりも小径となった小径部52bが設けられ、上型22が下型21に向けて接近移動すると、まず、マンドレル51の小径部52bが歯車素材10の貫通孔13内に入り込んだ後に基端部側の大径の本体部52aで貫通孔13が押し広げられるように歯車素材10は塑性加工される。
図2および図3に示すように、ダイス37の外側に嵌合される駆動リング53がダイスホルダ34に着脱自在に配置されるようになっている。図4に示すように、駆動リング53の内周面の軸方向中央部分には環状の凹部54が形成され、駆動リング53の基端部側の大径内周面53aはダイス37の大径外周面39aに接触し、駆動リング53の先端部側の小径内周面53bはダイス37の小径外周面39bに接触し、凹部54はダイス37の外周面には接触しないようになっている。駆動リング53の外周面55は、基端部側に向けて外径が大きくなるようにテーパ形状となっている。なお、ダイス37の外周面に段差を設けることなく、外周面全体を同一外径としても良く、その場合には駆動リング53の内周面のうち凹部54を除く部分の内径を同一内径とすることになる。
支持筒体24bに上下方向に移動自在に装着された加工ブロック27は、ブロック本体27aとこれの中央部に着脱自在に取り付けられる環状部27bとにより形成されており、環状部27bの内周面は、図3に示すように、駆動リング53のテーパ形状の外周面55に接触するテーパ形状の摺動面56となっている。これにより、支持筒体24bに軸方向に移動自在に支持された加工ブロック27に、図2および図3に示すように、アウターパンチ43が接触した状態からさらに上型22が下方に移動すると、加工ブロック27はスペーサ26および上下動ブロック25とともに図2および図3に示される位置よりもさらに下方に向けてアウターパンチ43により駆動され、駆動リング53は加工ブロック27の摺動面56により径方向に収縮するように駆動力を受ける。
駆動リング53が加工ブロック27により駆動力を受けると、ダイス37の基端部側の大径外周面39aは駆動リング53の大径内周面53aに接触するとともにダイス37の先端部側の小径外周面39bは駆動リング53の小径内周面53bに接触し、ダイス37の軸方向の中央部分は駆動リング53の内周面に接触していないので、駆動リング53の両端部つまり基端部側と先端部側がダイス37に接近するように変形する。これにより、ダイス37は、駆動リング53により両端部つまり基端部側と先端部側が径方向内方に押し付けられ、ダイス37の両端部は径方向と周方向とに弾性収縮変形することになる。径方向と周方向の弾性収縮変形量は、ダイス37の両端面側が最も大きくなるので、歯車素材10の歯面16には、図1(B)に示すように、歯筋に沿って歯筋方向の中央部から端部に向けて肉厚つまり歯厚が漸次減少するようになったクラウニングが加工される。
このように、上型22を下型21に接近させてアウターパンチ43により駆動リング53を介してダイス37を径方向および周方向に弾性収縮変形してクラウニング加工を行うようにしており、上型22が下型21に接近移動すると、まず、マンドレル51の先端の小径部52bが歯車素材10の貫通孔13内に入り込み、引き続き移動によりマンドレル51の大径の本体部52aにより歯車素材10は径方向外方に押し広げられるとともにダイス37によりクラウニング加工が行われる。
クラウニング加工を行うための加工ブロック27をアウターパンチ43に取り付けることなく、下型21に上下動自在に装着したので、加工ブロック27の強度を高めることができ、所望の精度で歯面16にクラウニング加工を行うことができる。
図5は上型22が下型21に最接近した状態を示す断面図であり、クラウニングの加工が完了した状態を示す。また、図6はクラウニング加工が完了した後に上型22を下型21から離反させた状態を示す断面図であり、図5および図6はそれぞれ鍛造形成装置のうち図3に示された部分を示す。
次に、図2に示す鍛造成形装置によって図1(A)に示す歯車素材10を加工して歯面16にクラウニング加工を施してクラウニング付歯形を成形する加工手順について説明する。
上型22が下型21よりも上方に待避した状態のもとで、ダイス37の貫通孔37a内に歯車素材10をセットする。このときには、加工ブロック27は上昇限位置となって固定リング29に当接している。一方、歯車素材10は各々の歯14がそれぞれダイス37の歯形成形溝38内に嵌合された状態となり、基端部側の端面のうち歯14の端面はダイスホルダ34に接触し、ボス部11の端面はスリーブ35の先端面に接触した状態となってダイス37内に保持される。
この状態のもとで、上型22を下型21に向けて接近移動させると、まず、マンドレル51の先端の小径部52bが歯車素材10の貫通孔13内に挿入された後に基端部側の大径の本体部52aが貫通孔13内に挿入されて貫通孔13を押し広げるように歯車素材10を塑性加工しながら、アウターパンチ43が加工ブロック27に接触するとともにインナーパンチ45が歯車素材10の先端部側の端面に接触する。図2および図3はこのようにしてアウターパンチ43が加工ブロック27に接触するとともにインナーパンチ45が歯車素材10に接触した状態を示す。
引き続く上型22の移動によって、アウターパンチ43により押し下げられる加工ブロック27の環状部27bにおけるテーパ形状の摺動面56がダイス37のテーパ形状の外周面55に摺動接触し、摺動面56の小径部分が外周面55の大径部分に向けて移動することになり、駆動リング53は軸方向の両端部側が径方向に収縮するように変形する。このようにアウターパンチ43が加工ブロック27を押し下げる過程では、インナーパンチ45は歯車素材10の端面に接触した状態となり、アウターパンチ43はインナーパンチ45に対して相対的に摺動することになる。
駆動リング53の大径内周面53aと小径内周面53bがダイス37の大径外周面39aと小径外周面39bとに接触しているので、駆動リング53の径方向の変形によってダイス37は軸方向の両端部つまり基端部側と先端部側とが径方向および周方向に弾性収縮変形することになる。このようにダイス37の両端部が弾性収縮変形することによって、図1(A)に示すように、歯面16が真っ直ぐとなって予め形成された歯車素材10は、図1(B)に示すように、歯面16にクラウニング加工が施され、歯面16は歯筋に沿って歯筋方向の中央部から端部に向けて歯厚が漸次減少するように塑性加工される。
図5に示すように、上型22が下型21に対して最接近する位置まで下降移動すると、クラウニング加工が終了するとともにマンドレル51による貫通孔13の押し広げ加工が終了する。
この状態のもとで、上型22を下型21から離反移動させると、図6に示すように、アウターパンチ43の上昇移動により加工ブロック27は固定リング29に当接する上昇限位置となり、インナーパンチ45は歯車素材10から離れるとともにマンドレル51が歯車素材10の貫通孔13から離れることになる。この状態のもとで、歯車素材10に加工が完了して製品となった歯車10aが下型21から取り外される。
別の歯車素材10について同様の加工を行うには、図6に示すように、下型21から上型22が離れた状態のもとで歯車素材10が下型21のダイス37内にセットされ、上述した手順により歯車素材10の歯面16にはクラウニングが加工される。
本発明の鍛造成形装置においては、ダイス37の外側に駆動リング53を嵌合し、駆動リング53のテーパ形状の外周面55に摺動接触する摺動面56を加工ブロック27に形成したので、多数の歯車素材10を加工することによって駆動リング53の外周面55が磨耗した場合には、駆動リング53を交換することによってダイス37を交換することなく、ダイス37をそのまま使用して歯車素材10を加工することができる。同様に、加工ブロック27はブロック本体27aとこれに取り付けられる環状部27bとにより形成されており、環状部27bに形成された摺動面56が磨耗したら、環状部27bを交換することができる。
このように、駆動リング53と環状部27bとが交換自在となっているので、駆動リング53の外周面55および環状部27bの摺動面56のテーパ角度を相違させて、上型22の移動ストロークに対するダイス37の径方向の弾性収縮変形量を変更したり、歯車10aに形成されるクラウニング量を変更することも、ダイス37を変更することなく、容易に行うことができる。
図示する鍛造成形装置においては、加工ブロック27はブロック本体27aとこれに着脱自在となった環状部27bとにより構成されているが、環状部27bとブロック本体27aとを一体とするようにしても良い。また、加工ブロック27は下型21の支持筒体24bに上下動自在に装着され、アウターパンチ43の軸方向移動により加工ブロック27を軸方向に移動し、これの軸方向移動をテーパ面を介して駆動リング53の径方向および周方向の弾性収縮変形に変換するようにしているが、駆動リング53の外周面55に摺動接触する摺動面56をアウターパンチ43に設けることにより、アウターパンチ43により直接駆動リング53を径方向に弾性収縮変形するようにしても良い。
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。たとえば、駆動リング53は環状に一体的に形成した部材としても良く、スリットを形成して変形し易くするようにしても良く、くさび面を有する複数のセグメントにより形成するようにしても良い。また、駆動リング53の内周面には凹部54が形成されているが、ダイス37の外周面に凹部を形成するようにしても良い。
さらに、駆動リング53を軸方向に分割された複数のリング状部材により形成するようにしても良い。同様に、環状部27bについても、複数のセグメントや複数のリング状部材により形成するようにしても良い。また、駆動リング53の内周面または環状部27bの内周面を円形とすることなく、多角形とすることにより、歯車素材10の円周方向の特定部位を局所的に成形するようにしても良い。
この鍛造成形装置は図1(A)に示すように、中心部に貫通孔13が形成された歯車素材10を加工するために適用されているが、貫通孔13が設けられていない歯車素材を鍛造加工するようにしても良い。その場合には、スリーブ35は下型21に設けられず、マンドレル51は上型22には設けられない。また、図示する鍛造成形装置は、図1に示す平歯車の歯面16をクラウニング加工するために適用されているが、ダイス37を交換することにより、ヘリカル歯車の歯面にもクラウニング加工を行うことができる。
(A)は歯車素材の一例を示す斜視図であり、(B)は歯車素材の歯面にクラウニングを鍛造加工して製品化された後の歯車を示す斜視図である。 歯車素材の歯面にクラウニングを加工する本発明の一実施の形態であるクラウニング付歯形の鍛造成形装置を示す断面図である。 図2の要部を示す拡大断面図である。 ダイスを拡大して示す斜視図である。 上型が下型に最接近して加工が終了した状態における図3と同一の部分を示す断面図である。 クラウニング加工が完了した後に上型を下型から離反させた状態における図3と同一の部分を示す断面図である。
符号の説明
10 歯車素材
10a 歯車
14 歯
15 歯溝
16 歯面
21 下型
22 上型
27 加工ブロック
27a ブロック本体
27b 環状部
34 ダイスホルダ
35 スリーブ
37 ダイス
37a 貫通孔
38 歯形成形溝
43 アウターパンチ
45 インナーパンチ
51 マンドレル
53 駆動リング
54 凹部
55 外周面
56 摺動面

Claims (4)

  1. 歯厚が歯筋方向全体に一定の複数の歯を備えた歯車素材における歯面にクラウニングを成形するクラウニング付歯形の鍛造成形装置であって、
    歯車素材の各歯が嵌合する複数の歯形成形溝が内面に形成され、ダイスホルダに支持されるダイスと、
    前記ダイスに向けて軸方向に移動自在に設けられ、前記ダイスホルダとの間で前記歯車素材を軸方向に押圧するインナーパンチと、
    前記ダイスホルダに配置され、テーパ形状の外周面を有するとともに前記ダイスの外側に嵌合される駆動リングと、
    前記ダイスに対して軸方向に移動自在に前記インナーパンチの外側に装着されるアウターパンチとを有し、
    前記駆動リングの内周面の軸方向中央部分に前記ダイスの外周面に接触しない凹部を環状に形成し、
    前記駆動リングの前記外周面に接触するテーパ形状の摺動面を有するとともに前記アウターパンチにより駆動されて前記駆動リングの軸方向両端部を径方向に弾性収縮変形する加工ブロックを、前記駆動リングの外側に軸方向に移動自在に配置し、
    前記アウターパンチの軸方向移動により前記駆動リングを介して前記ダイスの軸方向両端部を径方向および周方向に弾性収縮変形させ、歯車素材の各歯の歯面にクラウニングを成形することを特徴とするクラウニング付歯形の鍛造成形装置。
  2. 請求項記載のクラウニング付歯形の鍛造成形装置において、前記加工ブロックはブロック本体と、前記テーパ形状の摺動面が形成されて当該ブロック本体に着脱自在に装着される環状部とを有することを特徴とするクラウニング付歯形の鍛造成形装置。
  3. 請求項1または2記載のクラウニング付歯形の鍛造成形装置において、前記駆動リングを前記ダイスホルダに着脱自在に配置することを特徴とするクラウニング付歯形の鍛造成形装置。
  4. 請求項1〜のいずれか1項に記載のクラウニング付歯形の鍛造成形装置において、前記ダイスホルダに固定され前記歯車素材の基端面側に当接するスリーブと、前記アウターパンチとともに軸方向に移動して前記歯車素材に形成された貫通孔を押し広げるマンドレルとを有することを特徴とするクラウニング付歯形の鍛造成形装置。
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