JP6992321B2 - 中空シャフトの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、スプライン付きの中空シャフトの製造方法に関する。
特許文献1、2には、中空シャフトの製造方法が開示されている。これらの文献に記載の中空シャフトの製造方法によると、鍛造成形により、中空シャフトの外周面にスプラインを配置することができる。
特開2005-305495号公報 特開昭61-279330号公報
しかしながら、従来の中空シャフトの製造方法によると、中空ワークをスプライン歯型に押し込む際、スプライン歯型の端部付近にバリが発生することがある。また、当該バリが中空ワークの他の部分に重なると、完成後の中空シャフトに閉じキズが発生してしまう。
一例として、従来の中空シャフトの製造方法により、フランジ部とスプラインとを備える中空シャフトを製造する場合について説明する。従来の中空シャフトの製造方法は、フランジ部作製工程と、スプライン作製工程と、を有している。
図5に、従来の中空シャフトの製造方法のスプライン作製工程に用いられる鍛造金型の上下方向断面図を示す。なお、中心線Eの左側は、中空ワーク押し込み途中の状態を示す。また、中心線Eの右側は中空ワーク押し込み後の状態を示す。
フランジ部作製工程においては、鍛造、切削加工などにより、フランジ部101付きの中空ワーク100を製造する。スプライン作製工程においては、中空ワーク100の外周面(フランジ部101よりも下側の部分)に、スプライン102を形成する。この際、中空ワーク100は、上側からスプライン歯型103に押し込まれる。なお、中空ワーク100の径方向内側には、マンドレル104が配置される。中空ワーク100の外周面にスプライン102が形成されるのに伴って、スプライン歯型103の上端部付近には、中空ワーク100の余肉によりバリ105が発生する。ここで、中空ワーク100には、既にフランジ部101が形成されている。このため、フランジ部101は、上側から、当該バリ105に圧接する。したがって、フランジ部101の下面に、バリ105による閉じキズ106が発生してしまう。このように、従来の中空シャフトの製造方法によると、中空シャフトに、バリ105や、バリ105に起因する閉じキズ106が発生しやすい。
そこで、本発明は、スプライン形成後の中空ワークにバリが発生しにくい中空シャフトの製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の中空シャフトの製造方法は、中空ワークをスプライン歯型に押し込むことにより、スプライン付きの中空シャフトを製造する中空シャフトの製造方法であって、前記中空ワークの押し込み方向前側を前側、押し込み方向後側を後側として、前記後側から前記スプライン歯型を前記中空ワークが覆っている状態で、前記後側から前記中空ワークを前記スプライン歯型に押し込み塑性変形させることにより、前記スプラインを形成すると共に、前記スプラインの形成に伴い発生する余肉を径方向に移動させることを特徴とする。
本発明によると、後側からスプライン歯型を中空ワークが覆っている状態で、後側から中空ワークをスプライン歯型に押し込むことにより、中空ワークにスプラインを形成することができる。このため、スプライン歯型の後端(押し込み方向後端)付近に、バリが発生しにくい。したがって、スプライン形成後の中空ワークにバリが発生しにくい。
さらに、後側へのバリの発生を抑制できるため、スプライン区間(スプラインが配置されている区間)の後側に、ストレート区間(スプラインが配置されていない区間)を、敢えて設定する必要がない(勿論、ストレート区間を設定してもよい)。
本発明の一実施形態である中空シャフトの製造方法に用いられる鍛造金型の上下方向断面図である。 図2(A)は、同中空シャフトの製造方法により製造される中空シャフトの上下方向断面図である。図2(B)は、同中空シャフトのスプライン-フランジ部作製工程前の状態である中空ワークの上下方向断面図である。 図3(A)は、同中空シャフトの製造方法のスプライン-フランジ部作製工程初期における、鍛造金型のダイス付近の上下方向断面図である。図3(B)は、同工程中期における、鍛造金型のダイス付近の上下方向断面図である。図3(C)は、同工程終期における、鍛造金型のダイス付近の上下方向断面図である。 図4(A)は、図3(A)の枠IVA内の拡大図である。図4(B)は、図3(B)の枠IVB内の拡大図である。図4(C)は、図3(C)の枠IVC内の拡大図である。 従来の中空シャフトの製造方法のスプライン作製工程に用いられる鍛造金型の上下方向断面図である。
以下、本発明の中空シャフトの製造方法の実施の形態について説明する。以下の図においては、上側が本発明の「後側(押し込み方向後側)」に、下側が本発明の「前側(押し込み方向前側)」に、各々対応している。
<鍛造金型の構成>
まず、本実施形態の中空シャフトの製造方法に用いられる鍛造金型について説明する。図1に、本実施形態の中空シャフトの製造方法に用いられる鍛造金型の上下方向(軸方向)断面図を示す。図1に示すように、鍛造金型1は、上型2と下型3とを備えている。
[上型2]
上型2は、上型ホルダ20と、上型サポート21と、マンドレル22と、上型スリーブ23と、左右一対のガススプリング24と、を備えている。マンドレル22は、本発明の「ポンチ」の概念に含まれる。
上型ホルダ20は、左右一対のシリンダ収容部200と、サポート収容部201と、を備えている。サポート収容部201は、左右一対のシリンダ収容部200の左右方向中央に配置されている。上型サポート21は、サポート収容部201に収容されている。
マンドレル22は、上下方向(軸方向)に延在する円柱状を呈している。マンドレル22の頭部は、サポート収容部201に収容されている。マンドレル22の頭部は、上型サポート21の下側に配置されている。マンドレル22の軸部は、サポート収容部201から下側に突出している。マンドレル22の軸部の中間部には、上側から下側に向かって縮径する、上側押出段差22aが配置されている。マンドレル22の軸部の下端部付近には、上側から下側に向かって縮径する、下側押出段差22bが配置されている。
上型スリーブ23は、上型ホルダ20の下側に配置されている。上型スリーブ23は、フランジ付きの円筒状であって、大径部230と小径部231とマンドレル挿通孔232とを備えている。小径部231は、大径部230の下側に連なっている。マンドレル挿通孔232は、上型スリーブ23を上下方向に貫通している。マンドレル挿通孔232には、マンドレル22の軸部が、上下方向に摺動可能に挿通されている。上型スリーブ23とマンドレル22とは、互いに独立して上下方向に駆動可能である。マンドレル挿通孔232の上下方向中間には、上側から下側に向かって拡径する、段差232aが配置されている。
左右一対のガススプリング24は、上型ホルダ20と上型スリーブ23との間に介装されている。ガススプリング24は、シリンダ240とピストンロッド241とを備えている。シリンダ240は、上型ホルダ20のシリンダ収容部200に収容されている。シリンダ240の内部には、ガス(窒素、空気など)が充填されている。ピストンロッド241は、シリンダ240から、下側に突出可能である。ピストンロッド241の下端は、上型スリーブ23の大径部230の上面に、固定されている。
[下型3]
下型3は、下型ホルダ30と、下型サポート31と、ダイス32と、ノックアウトポンチ33と、下型スリーブ34と、を備えている。下型ホルダ30には、収容孔300が開設されている。下型サポート31は、円筒状を呈している。下型サポート31は、収容孔300に収容されている。下型スリーブ34は、下型サポート31の径方向内側の下側部分に収容されている。下型スリーブ34は、フランジ付きの円筒状であって、大径部340と小径部341とを備えている。小径部341は、大径部340の上側に連なっている。
ダイス32は、下型スリーブ34の径方向内側に配置されている。ダイス32は、円筒状を呈している。ダイス32は、成形孔320を備えている。成形孔320は、上下方向に延在している。成形孔320の内周面には、周方向に所定間隔ずつ離間して、複数のスプライン歯型320aが形成されている。スプライン歯型320aは、上下方向に延在している。ノックアウトポンチ33は、成形孔320に、上下方向に摺動可能に、下側から挿通されている。
<中空シャフトおよび中空ワークの構成>
次に、本実施形態の中空シャフトの製造方法により、図1に示す鍛造金型1を用いて製造される中空シャフトの構成について説明する。並びに、後述する同中空シャフトの製造方法の中空ワーク作製工程により製造される中空ワークの構成について説明する。なお、後述するように、中空ワーク作製工程後のスプライン-フランジ部作製工程においては、中空ワークが加工(鍛造)されることにより、中空シャフトが製造される。
図2(A)に、本実施形態の中空シャフトの製造方法により製造される中空シャフトの上下方向断面図を示す。図2(B)に、同中空シャフトのスプライン-フランジ部作製工程前の状態である中空ワークの上下方向断面図を示す。なお、中空シャフト4、中空ワーク4aにおいては、互いに対応する部位について、符号(アルファベット「a」以外の部分)が共通している。
図2(A)に示すように、中空シャフト4は、円筒状を呈している。中空シャフト4は、上側から下側に向かって、上端部40と、中間部41と、下端部42と、を備えている。上端部40の内周面には、上側から下側に向かって縮径する、上側段差400が配置されている。径方向から見て、上側段差400は、フランジ部410の上側に配置されている。フランジ部410は、本発明の「径方向張出部」の概念に含まれる。
中間部41の外周面には、フランジ部410と、スプライン区間411と、が配置されている。フランジ部410は、中空シャフト4(具体的には中間部41)の外周面から、径方向外側に膨出している。スプライン区間411は、中間部41の外周面に配置されている。スプライン区間411には、全周的に複数のスプライン413が配置される。スプライン区間411は、フランジ部410の真下に配置されている。中間部41の内周面には、上側から下側に向かって縮径する、下側段差412が配置されている。径方向から見て、下側段差412は、スプライン区間411に含まれるように配置されている。
図2(B)に示すように、中空ワーク4aは、円筒状を呈している。中空ワーク4aは、上側から下側に向かって、上端部40aと、中間部41aと、下端部42aと、を備えている。上端部40a(中間部41aとの境界付近)の内周面には、上側から下側に向かって縮径する、上側段差400aが配置されている。中空ワーク4aの内周面は、本発明の「段差面」の概念に含まれる。径方向から見て、上側段差400aは、フランジ部予定区間410aの上側に配置されている。
中間部41aの外周面には、フランジ部予定区間410aと、スプライン予定区間411aと、が配置されている。フランジ部予定区間410aは、中空シャフト4のフランジ部410に対応している。スプライン予定区間411aは、中空シャフト4のスプライン区間411に対応している。
フランジ部予定区間410aは、中空ワーク4a(具体的には中間部41a)の外周面から、径方向外側に膨出している。中空ワーク4aの外周面は、本発明の「スプライン面」の概念に含まれる。スプライン予定区間411aは、中間部41aの外周面に配置されている。スプライン予定区間411aは、フランジ部予定区間410aの真下に配置されている。中間部41aの内周面には、上側から下側に向かって縮径する、下側段差412aが配置されている。下側段差412aは、本発明の「段差」の概念に含まれる。径方向から見て、下側段差412aは、スプライン予定区間411aの上側に配置されている。
<中空シャフトの製造方法>
次に、本実施形態の中空シャフトの製造方法について説明する。本実施形態の中空シャフトの製造方法は、中空ワーク作製工程と、スプライン-フランジ部作製工程と、を有している。
図3(A)に、本実施形態の中空シャフトの製造方法のスプライン-フランジ部作製工程初期における、鍛造金型のダイス付近の上下方向断面図を示す。図3(B)に、同工程中期における、鍛造金型のダイス付近の上下方向断面図を示す。図3(C)に、同工程終期における、鍛造金型のダイス付近の上下方向断面図を示す。図4(A)に、図3(A)の枠IVA内の拡大図を示す。図4(B)に、図3(B)の枠IVB内の拡大図を示す。図4(C)に、図3(C)の枠IVC内の拡大図を示す。
[中空ワーク作製工程]
本工程においては、鍛造および切削加工により、図2(B)に示す中空ワーク4aを作製する。
[スプライン-フランジ部作製工程]
本工程においては、鍛造により、図2(B)に示す中空ワーク4aから、図2(A)に示す中空シャフト4を製造する。まず、図1に示すように、下型3に中空ワーク4aをセットする。具体的には、中空ワーク4aを、下型サポート31の径方向内側に配置する。また、中空ワーク4aの下端部42aを、ダイス32の成形孔320の径方向内側(詳しくは、複数のスプライン歯型320aの径方向内側)に配置する。ここで、図2(B)、図3(A)、図4(A)に示すように、下端部42aの外径D1は、成形孔320の歯先径(複数のスプライン歯型320aの歯先を連ねて形成される仮想円の径)d1と同径、あるいは歯先径d1よりも小径である。このため、下端部42aは、複数のスプライン歯型320aに干渉しない。
次に、上型2を下降させる。図1、図3(A)、図4(A)に示すように、上型2を下降させると、上型スリーブ23、マンドレル22が、下型サポート31の径方向内側に進入する。上型スリーブ23の小径部231は、中空ワーク4aの上端部40aを、径方向外側から覆う。また、マンドレル22の軸部は、中空ワーク4aの上端部40aの径方向内側に進入する。また、マンドレル22の下側押出段差22bは、中空ワーク4aの下側段差412aに当接する。
この際、上型スリーブ23の下端面と、下型スリーブ34およびダイス32の上端面と、マンドレル22の外周面と、下型サポート31の内周面と、の間に、フランジ部用キャビティCが形成される。フランジ部用キャビティCには、中空ワーク4aのフランジ部予定区間410aが収容される。後述するように、上型2が下降するのに従って、フランジ部用キャビティCの上下方向幅は、徐々に小さくなる。上型2の下死点(図3(C)に示すように、中空シャフト4(中空ワーク4a)の下端面がノックアウトポンチ33の上端面に当接する位置)において、フランジ部用キャビティCの形状は、完成後のフランジ部410と同一になる。
図3(A)、図4(A)に示すように、上型2を下降させると、マンドレル22の下側押出段差22bは、中空ワーク4aの下側段差412aを押し下げる。
ここで、スプライン予定区間411aの外径D2(>D1)は、成形孔320の歯底径(複数のスプライン歯型320aの歯底を連ねて形成される仮想円の径)d2(>d1)よりも、大径である。このため、上側から、複数のスプライン歯型320aをスプライン予定区間411aが覆うことになる。スプライン予定区間411aは、成形孔320の上端開口縁に、上側から圧接する。
続いて、さらに上型2を下降させる。図3(A)に示すように、中空ワーク4aの上端部40aの上端面401aと、上型スリーブ23の段差232aと、の間には、スペースS1が区画されている。並びに、中空ワーク4aの上側段差400aと、マンドレル22の上側押出段差22aと、の間には、スペースS2が区画されている。図3(A)、図3(B)に示すように、上型スリーブ23の段差232aは、スペースS1を消費しながら、上端面401aに当接する。スペースS1消費後は、段差232aが上端面401aを押し下げる。
また、図3(A)、図3(B)に示すように、マンドレル22の上側押出段差22aは、スペースS2を消費しながら、上側段差400aに当接する。スペースS2の消費中、マンドレル22の下側押出段差22bは、中空ワーク4aの下側段差412aを押し下げ続ける。また、中空ワーク4aに対して、マンドレル22は、相対的に下側に進行する。このため、図3(A)、図3(B)、図4(A)、図4(B)に示すように、中空ワーク4aに対する下側段差412aの相対的な位置が下降する。スペースS2消費後は、上側押出段差22aが上側段差400aを押し下げる。並びに、引き続き、下側押出段差22bが下側段差412aを押し下げる。
上型2の下降に伴って、スプライン予定区間411aは、成形孔320に進入する。すなわち、スプライン予定区間411aは、複数のスプライン歯型320aの径方向内側に、押し込まれる。
ここで、図4(B)に示すように、下側押出段差22bおよび下側段差412aは、下側に尖る部分円錐面状(テーパ面状)を呈している。すなわち、下側押出段差22bおよび下側段差412aは、軸方向に対して角度θ1(0°<θ1<90°)で傾斜している。このため、下側押出段差22bが下側段差412aを押し下げる荷重は、下方向および拡径方向に作用する。当該荷重により、スプライン予定区間411aは、スプライン歯型320aに、上側および径方向内側から押し付けられる。
図3(B)、図3(C)、図4(B)、図4(C)に示すように、当該荷重(主に下方向の分力)により、スプライン予定区間411aには、スプライン区間411が形成される。スプライン区間411には、複数のスプライン歯型320aと型対称の、複数のスプライン413が配置される。
ここで、スプライン区間411の形成に伴って、スプライン歯型320aの上端付近には、スプライン区間411の径方向に余肉が発生する。当該余肉は、下側押出段差22bが下側段差412aを押し下げる荷重(主に拡径方向の分力)により、フランジ部用キャビティCを、径方向外側に流動する。
図3(A)~図3(C)、図4(A)~図4(C)に示すように、上型2の下降に伴って、フランジ部用キャビティCの上下方向幅は、徐々に小さくなる。フランジ部用キャビティCの変形、および下側押出段差22bが下側段差412aを押し下げる荷重(主に拡径方向の分力)により、フランジ部予定区間410aは、中空ワーク4aの余肉と共に、径方向外側に流動する。当該流動により、フランジ部予定区間410aにフランジ部410が形成される。図3(C)、図4(C)に示すように、上型2が下死点に到達すると、図2(A)に示す中空シャフト4が完成する。
<作用効果>
次に、本実施形態の中空シャフトの製造方法の作用効果について説明する。図3(A)~図3(C)、図4(A)~図4(C)に示すように、本実施形態の中空シャフトの製造方法によると、上側からスプライン歯型320aを中空ワーク4a(スプライン予定区間411a)が覆っている状態で、上側から中空ワーク4aをスプライン歯型320aに押し込むことにより、中空ワーク4aにスプライン413を形成することができる。このため、スプライン歯型320aの上端付近に、バリが発生しない。したがって、図2(A)に示すように、中空シャフト4にバリが発生しない。また、バリに起因する閉じキズが、フランジ部410の下面に発生しない。
また、図2(B)に示すように、中空ワーク4aの内周面は、下側段差412aを有する「段差面」である。一方、中空ワーク4aの外周面は、スプライン予定区間411aを有する「スプライン面」である。段差面とスプライン面とは径方向に対向している。このため、図3(A)~図3(C)、図4(A)~図4(C)に示すように、マンドレル22で、段差面の下側段差412aを押し出すことにより、径方向反対側のスプライン面の余肉を、簡単に径方向に移動させることができる。
また、図3(A)~図3(C)、図4(A)~図4(C)に示すように、本実施形態の中空シャフトの製造方法によると、スプライン413の形成に伴いスプライン歯型320aの上端付近に発生する余肉を、径方向外側に移動させることができる。そして、当該余肉を利用して、フランジ部410を形成することができる。すなわち、スプライン413の鍛造と、フランジ部410の据え込み鍛造と、を並行して実行することができる。
また、スプライン-フランジ部作製工程は、温間鍛造により実行される。すなわち、スプライン413およびフランジ部410は、温間鍛造により形成される。このため、中空ワーク4aが軟らかい。したがって、スプライン413の形成に伴い発生する余肉を、簡単に径方向に移動させることができる。
また、図3(A)~図3(C)、図4(A)~図4(C)に示すように、加工が進行するのに従って、中空ワーク4a(中空シャフト4)に対する下側段差412a(下側段差412)の位置は、徐々に下降している。すなわち、図3(A)、図4(A)に示すように、スプライン413形成前の時点(上側から、複数のスプライン歯型320aをスプライン予定区間411aが覆っている時点)において、下側段差412aは、スプライン予定区間411aよりも上側に配置されている。これに対して、図3(C)、図4(C)に示すように、スプライン413形成後の時点(上型2が下死点に到達する時点)において、下側段差412(下側段差412a)は、スプライン区間411(スプライン予定区間411a)に含まれている。このように、スプライン413形成中に、下側段差412aは、スプライン予定区間411aの上端を上側から下側に通過するように、中空ワーク4aの内部を移動する。このため、スプライン413形成中に、スプライン予定区間411aを、スプライン歯型320aに、しっかりと押し付けることができる。並びに、余肉を、確実に、径方向外側に流動させることができる。
また、図4(B)に示すように、下側押出段差22bおよび下側段差412aは、軸方向に対して角度θ1(0°<θ1<90°)で傾斜している。このため、下側押出段差22bが下側段差412aを押し下げる荷重は、下方向および拡径方向に作用する。したがって、スプライン予定区間411aを、スプライン歯型320aに、しっかりと押し付けることができる。並びに、余肉を、確実に、径方向外側に流動させることができる。同様に、上側押出段差22aおよび上側段差400aは、軸方向に対して角度θ2(0°<θ2<90°)で傾斜している。このため、上側押出段差22aが上側段差400aを押し下げる荷重は、下方向および拡径方向に作用する。したがって、フランジ部予定区間410aを、フランジ部用キャビティCに、しっかりと充填することができる。
また、フランジ部410形成済みの中空ワーク4aに、冷間鍛造でスプライン413を形成する場合、上側(後側)へのバリの発生を防止するため、図2(A)に示すストレート区間(フランジ部410根本下端からスプライン413上端までの距離)Aが長くなってしまう。これに対して、本実施形態の中空シャフトの製造方法によると、スプライン413とフランジ部410とを並行して形成することができるため工程を短縮することができ、なおかつバリが発生しないため、ストレート区間Aを短くすることができる。あるいは、ストレート区間Aを無くすことができる。例えば、ストレート区間Aを5mm以下にすることができる。
<その他>
以上、本発明の中空シャフトの製造方法の実施の形態について説明した。しかしながら、実施の形態は上記形態に特に限定されるものではない。当業者が行いうる種々の変形的形態、改良的形態で実施することも可能である。
図2(A)に示すように、中空シャフト4における、スプライン区間411に対する下側段差412の上下方向位置は特に限定しない。スプライン区間411の上端よりも下であればよい。例えば、スプライン区間411の下端よりも下であってもよい。
図2(B)に示すように、中空ワーク4aにおける、スプライン予定区間411aに対する下側段差412aの上下方向位置は特に限定しない。スプライン予定区間411aの上端よりも上であればよい。
スプライン-フランジ部作製工程における鍛造(例えば、温間鍛造や熱間鍛造)温度は特に限定しない。常温以上であればよい。例えば、600℃以上1000℃以下の温度範囲に入っていればよい。600℃以上にしたのは、中空ワーク4aを変形させやすいからである。1000℃以下にしたのは、成形精度の低下を抑制しやすいからである。
上記実施形態においては、緩衝部材としてガススプリング24を用いたが、コイルスプリング、板バネ、油圧シリンダ、ゴム、スポンジなどを用いてもよい。緩衝部材の配置数は特に限定しないが、二本とする等、配置数が少ない方が鍛造金型1を小型化するためには有利となる。
図2(A)に示すスプライン区間411の位置、大きさ、配置数は特に限定しない。例えば、図3(A)~図3(C)に示す中空シャフト4(中空ワーク4a)の内周面にスプライン区間411(スプライン予定区間411a)を配置してもよい。並びに、中空シャフト4(中空ワーク4a)の外周面に下側段差412(下側段差412a)を配置してもよい。この場合は、中空ワーク4aの内周面が本発明の「スプライン面」に、中空ワーク4aの外周面が本発明の「段差面」に、各々対応することになる。
スプライン-フランジ部作製工程における鍛造金型1の配置方向は特に限定しない。例えば、上型(可動型)2と下型(固定型)3とを水平方向に並べてもよい。成形孔320つまりスプライン歯型320aに、上側から下側に向かって拡がる、テーパ角度を付与してもよい。
中空ワーク作製工程とスプライン-フランジ部作製工程との間に、他の工程が介在していてもよい。また、スプライン-フランジ部作製工程の代わりに、スプライン413だけを形成するスプライン作製工程と、フランジ部410だけを形成するフランジ部作製工程と、を設定してもよい。すなわち、まず、中空ワーク4aにスプライン413だけを形成し、次に、スプライン413形成に伴う余肉を利用して、中空ワーク4aにフランジ部410を形成してもよい。この場合、スプライン作製工程とフランジ部作製工程との間に、他の工程が介在してもよい。このように、スプライン413とフランジ部410とを並行して形成しなくてもよい。
本発明の中空シャフトの製造方法の製造対象物である中空シャフト4としては、例えば、自動車用トランスミッション部品(ドライブピニオンギア、リダクションドライブギア、ロータシャフトなど)などが挙げられる。
1:鍛造金型、2:上型、3:下型、4:中空シャフト、4a:中空ワーク、20:上型ホルダ、21:上型サポート、22:マンドレル(ポンチ)、22a:上側押出段差、22b:下側押出段差、23:上型スリーブ、24:ガススプリング、30:下型ホルダ、31:下型サポート、32:ダイス、33:ノックアウトポンチ、34:下型スリーブ、40:上端部、40a:上端部、41:中間部、41a:中間部、42:下端部、42a:下端部、200:シリンダ収容部、201:サポート収容部、230:大径部、231:小径部、232:マンドレル挿通孔、232a:段差、240:シリンダ、241:ピストンロッド、300:収容孔、320:成形孔、320a:スプライン歯型、340:大径部、341:小径部、400:上側段差、400a:上側段差、401a:上端面、410:フランジ部(径方向張出部)、410a:フランジ部予定区間、411:スプライン区間、411a:スプライン予定区間、412:下側段差、412a:下側段差(段差)、413:スプライン
A:ストレート区間、C:フランジ部用キャビティ、D1:外径、D2:外径、S1:スペース、S2:スペース、d1:歯先径、d2:歯底径

Claims (3)

  1. 中空ワークをスプライン歯型に押し込むことにより、スプライン付きの中空シャフトを製造する中空シャフトの製造方法であって、
    前記中空シャフトの外周面は、前記スプラインを有するスプライン区間と、フランジ部と、を備え、
    前記中空ワークの押し込み方向前側を前側、押し込み方向後側を後側として、
    前記後側から前記スプライン歯型を前記中空ワークが覆っている状態で、前記後側から前記中空ワークを前記スプライン歯型に押し込み塑性変形させることにより、前記スプラインを形成すると共に、
    前記スプラインを形成しながら、前記スプラインの形成に伴い発生する余肉を径方向外側に移動させることにより、前記スプライン区間の前記後側に前記フランジ部を形成することを特徴とする中空シャフトの製造方法。
  2. 中空ワークをスプライン歯型に押し込むことにより、スプライン付きの中空シャフトを製造する中空シャフトの製造方法であって、
    前記中空シャフトの外周面および内周面のうち、一面は、前記スプラインを有するスプライン区間を備え、
    前記中空ワークの押し込み方向前側を前側、押し込み方向後側を後側として、
    前記後側から前記スプライン歯型を前記中空ワークが覆っている状態で、前記後側から前記中空ワークを前記スプライン歯型に押し込み塑性変形させることにより、前記スプラインを形成すると共に、
    前記スプラインの形成に伴い発生する余肉を径方向に移動させることにより、前記スプライン区間の前記後側に径方向張出部を形成し、
    前記中空ワークの外周面および内周面のうち、一面は、前記スプライン区間となるスプライン予定区間を有するスプライン面であり、他面は、前記後側から前記前側に向かって縮径する段差を有する段差面であり、
    前記後側から前記段差面の前記段差をポンチで押し出すことにより、前記スプライン面に前記スプライン区間を形成すると共に、前記スプライン面の前記余肉を径方向に移動させる中空シャフトの製造方法。
  3. 前記スプラインの形成は、温間鍛造または熱間鍛造により行われる請求項1または請求項2に記載の中空シャフトの製造方法。
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