JP6588312B2 - 孔付き鍛造製品の成形方法、孔付き鍛造製品の成形用金型および孔付き製品の成形方法 - Google Patents

孔付き鍛造製品の成形方法、孔付き鍛造製品の成形用金型および孔付き製品の成形方法 Download PDF

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この発明は、1プレス動作で鍛造加工と穿孔加工とを行って貫通孔を有する孔付き鍛造製品を製作するようにした孔付き鍛造製品の成形方法およびその関連技術に関する。
自動車において、ケースにパイプ部が取り付けられたウォータージャケット等の冷却器の筐体、コンロッド(コネクティングロッド)等のエンジン部品、サスペンションアーム等の足回り部品は、貫通孔を有する孔付き製品によって構成されている。
近年になって、このような孔付き製品を鍛造加工によって製作する技術が提案されている。例えば特許文献1には、ワークに対し1プレス動作(1回のプレスサイクル)で鍛造加工と穿孔加工(孔明け加工)とを行って孔付き鍛造製品を成形する鍛造・穿孔工法が開示されている。
この鍛造・穿孔工法に用いられる金型は、パンチに孔明け用のロッドが設けられており、ダイスにセットされたワークに対し、パンチを打ち込んで鍛造加工を行うとともに、ロッドによってワークの所定領域を打ち抜いて貫通孔を形成する。こうして1プレス動作で孔付き鍛造製品を成形するようにしている。
特許第5284935号
ところで、上記従来の鍛造・穿孔工法においては、ロッドによりワークを打ち抜いた際に生じる破片としてのトリムバリを排出するためのバリ専用の排出機構を設ける必要があるためその分、成形用設備(成形用金型)の複雑化およびコストの増大を来すおそれがある。またトリムバリはダイスの下方側に排出される一方、成形品は通常ダイスの上方側から排出されるようになっている。このため、トリムバリと成形品とを別々に排出する必要があり、生産効率の低下を来すおそれがあった。
この発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、トリムバリを成形品と同方向に排出できて、製造設備の簡素化、コストの削減および生産効率の向上を図ることができる鍛造製品の成形方法およびその関連技術を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は以下の構成を要旨とするものである。
[1]ダイスに設置されたワークにパンチを打ち込んで鍛造加工を行う鍛造工程と、パンチに設けられた孔明けロッドによりワークを打ち抜いてワークに貫通孔を形成する穿孔工程とを、1プレス動作で行うようにした孔付き鍛造製品の成形方法であって、
前記ダイスに前記孔明けロッドに対応して支持ロッドが打ち抜き方向およびその反対方向の反打ち抜き方向に移動可能に設けられており、
前記孔明けロッドにより打ち抜かれたワークの破片としてのトリムバリを前記支持ロッドにより支持するとともに、
トリムバリを支持した前記支持ロッドを反打ち抜き方向に移動させることにより、トリムバリを前記支持ロッドと共に前記貫通孔に通過させてワークに対しパンチ側に移動させて排出するようにしたことを特徴とする孔付き鍛造製品の成形方法。
[2]前記支持ロッドを前記貫通孔に通過させる際に、前記支持ロッドの外周面によって前記貫通孔の内周面に対ししごき加工を行うようにした前項1に記載の孔付き鍛造製品の成形方法。
[3]前記パンチに前記孔明けロッドを出没自在に収容可能な孔明けロッド収容孔を形成しておき、
前記孔明けロッドによってワークを打ち抜いた後、前記孔明けロッドおよび前記支持ロッドによってトリムバリを挟み込んだ状態で反打ち抜き方向に移動させることにより前記貫通孔を通過させてから前記孔明けロッド収容孔内に収容し、その後前記孔明けロッドを打ち抜き方向に移動させて、トリムバリを前記ロッド収容孔から突き出して排出するようにした前項1または2に記載の孔付き鍛造製品の成形方法。
[4]前記支持ロッドの先端外周縁部にテーパー部が形成されている前項3に記載の孔付き鍛造製品の成形方法。
[5]前記孔付き鍛造製品は、パンチ側に開放するカップ部を有し、
排出されたトリムバリが前記孔付き鍛造製品のカップ部内に収容されるようになっている前項1〜4のいずれか1項に記載の孔付き鍛造製品の成形方法。
[6]前記孔付き鍛造製品は、打ち抜き方向に突出するパイプ部が形成されており、そのパイプ部のパイプ孔が前記貫通孔として構成されている前項1〜5のいずれか1項に記載の孔付き鍛造製品の成形方法。
[7]ダイスと、
前記ダイスに設置されたワークを押圧して鍛造加工を行うパンチと、
前記パンチに設けられ、かつワークを打ち抜いてワークに貫通孔を形成する穿孔工程を行う孔明けロッドと、
前記ダイスに前記孔明けロッドに対応して設けられ、かつ打ち抜き方向およびその反対方向の反打ち抜き方向に移動可能な支持ロッドとを備え、
前記孔明けロッドにより打ち抜かれたワークの破片としてのトリムバリが前記支持ロッドにより支持されるとともに、
トリムバリを支持した前記支持ロッドが反打ち抜き方向に移動することにより、トリムバリが前記支持ロッドと共に前記貫通孔に通過してワークに対しパンチ側に移動して排出されるように構成されていることを特徴とする孔付き鍛造製品の成形用金型。
[8]前記孔明けロッドの外径に対し前記支持ロッドの外径が大きく形成されている前項7に記載の孔付き鍛造製品の成形用金型。
[9]ダイスに設置されたワークを孔明けロッドにより打ち抜いて貫通孔を形成するようにした孔付き製品の成形方法であって、
前記ダイスに前記孔明けロッドに対応して支持ロッドが打ち抜き方向およびその反対方向の反打ち抜き方向に移動可能に設けられており、
前記孔明けロッドにより打ち抜かれたワークの破片としてのトリムバリを前記支持ロッドにより支持するとともに、
トリムバリを支持した前記支持ロッドを反打ち抜き方向に移動させることにより、トリムバリを前記支持ロッドと共に前記貫通孔に通過させてワークに対しパンチ側に移動させて排出するようにしたことを特徴とする孔付き製品の成形方法。
[10]ダイスと、
前記ダイスに設置されたワークを打ち抜いてワークに貫通孔を形成するための孔明けロッドと、
前記ダイスに前記孔明けロッドに対応して設けられ、かつ打ち抜き方向およびその反対方向の反打ち抜き方向に移動可能な支持ロッドとを備え、
前記孔明けロッドにより打ち抜かれたワークの破片としてのトリムバリが前記支持ロッドにより支持されるとともに、
トリムバリを支持した前記支持ロッドが反打ち抜き方向に移動することにより、トリムバリが前記支持ロッドと共に前記貫通孔に通過してワークに対しパンチ側に移動して排出されるように構成されていることを特徴とする孔付き製品の成形用金型。
発明[1]の孔付き鍛造製品の成形方法によれば、トリムバリを成形品と同じ方向に排出できるため、トリムバリを成形品と共に排出でき、トリムバリ専用の排出機構を設ける必要がなくその分、製造設備の簡素化およびコストの削減を図ることができる。さらにトリムバリと成形品とをまとめて排出できるため、別々に排出する場合と比較して生産性を向上させることができる。
発明[2]の孔付き鍛造製品の成形方法によれば、貫通孔にしごき加工を行っているため、貫通孔を高い寸法精度で良好に仕上げることができ、ひいては高品質の孔付き鍛造製品を製作することができる。
発明[3]の孔付き鍛造製品の成形方法によれば、上記の効果をより確実に得ることができる。
発明[4]の孔付き鍛造製品の成形方法によれば、支持ロッドの先端外周縁部がパンチにおける孔明けロッド収容孔の開口縁部に干渉するような不具合を確実に防止することができる。
発明[5]の孔付き鍛造製品の成形方法によれば、トリムバリを成形品と共にスムーズに排出することができる。
発明[6]の孔付き鍛造製品の成形方法によれば、パイプ部の全長にわたって長い寸法の貫通孔を有する鍛造製品であっても確実に製作することができる。
発明[7][8]によれば、上記と同様の効果を奏する孔付き鍛造製品の成形用金型を提供することができる。
発明[9]によれば、上記と同様の効果を奏する孔付き製品の成形方法を提供することができる。
発明[10]によれば、上記と同様の効果を奏する孔付き製品の成形用金型を提供することができる。
図1はこの発明の実施形態である孔付き鍛造製品の成形用金型において初期状態を説明するための要部断面図である。 図2は実施形態の成形用金型においてパンチ降下直後の状態を説明するための要部断面図である。 図3は実施形態の成形用金型において穿孔直後の状態を説明するための要部断面図である。 図4は実施形態の成形用金型においてトリムバリ上昇移動直後の状態を説明するための要部断面図である。 図5は実施形態の成形用金型においてトリムバリ排出直前の状態を説明するための要部断面図である。 図6は実施形態の成形用金型において第1変形動作を説明するための要部断面図である。 図7は実施形態の成形用金型において第2変形動作を説明するための要部断面図である。
図1はこの発明の実施形態である孔付き鍛造製品の成形装置を構成する成形用金型の要部における片側半分の断面図である。
同図に示すようにこの成形用金型は、1プレス動作(1回のプレスサイクル)で鍛造加工と穿孔加工とを行う鍛造・穿孔工法を実施可能な金型であり、下金型としてのダイス1と、上金型としてのパンチ2とを備えている。
ダイス1は、上面側に上方に開放する成形凹部(キャビティ)11を有している。ダイス1における成形凹部11の底壁には、上端が成形凹部11の底面において開放するパイプ部成形孔12が垂直方向に沿って形成されている。さらにダイス1におけるパイプ部成形孔12の下方側には、上端がパイプ部成形孔12の下端において開放する支持ロッド収容孔(下ロッド収容孔)13が垂直方向に沿って形成されている。パイプ部成形孔12および支持ロッド収容孔13は互いの軸心が一致するように配置されている。
ダイス1の支持ロッド収容孔13内には、支持ロッド(下ロッド)3が上下方向に沿ってスライド自在に収容されている。支持ロッド3は支持ロッド収容孔13に対し軸心が一致するように配置されている。この支持ロッド3は、後述する穿孔加工時には下方(打ち抜き方向)に後退移動して、上端面(先端面)が支持ロッド収容孔13の上端開口面よりも下方に配置されるようになっている。さらに穿孔加工後には上方(反打ち抜き方向)に進出移動して、支持ロッド収容孔13から上方に突出するようになっている。
また支持ロッド3はその上端面と外周面との間のコーナー部が面取り加工されるように切除されて、上端外周縁部にテーパー部31が形成されて、先端部が先端側に向かうに従って先細形状になっている。
パンチ2は、ダイス1に対し軸心を一致させるように配置された状態で、上下方向に昇降自在に構成されている。パンチ2は降下時には所定の荷重でダイス1の成形凹部11内に設置されたワークWを加圧して塑性加工(鍛造加工)できるようになっている。パンチ2には、下端面側に下方に突出する成形凸部21が形成されており、その成形凸部21とダイス1の成形凹部11とによって上向きに開放されたカップ部を有する成形品(鍛造製品)を成形できるようになっている。
さらにパンチ2には、下端が成形凸部21の下端面において開放する孔明けロッド収容孔(上ロッド収容孔)24が垂直方向に沿って形成されている。この孔明けロッド収容孔24内には、孔明けロッド(上ロッド)4が上下方向(長さ方向)に沿ってスライド自在に収容されている。孔明けロッド4は孔明けロッド収容孔24に対し軸心が一致するように配置されている。この孔明けロッド4は、穿孔加工時にはパンチ2の下端面よりも下方に突出して、ワークWの所定領域を打ち抜くことによりワークWに貫通孔53を形成できるようになっている。
ここで本実施形態においては、孔明けロッド4の外径(直径)D4に対し、支持ロッド3の外径(直径)D3が大きく形成されている。なお図面においては、発明の理解を容易にするため、孔明けロッド4の外径D4に対し支持ロッド3の外径D3が実際よりも大きくなるように誇張して示している。
次に以上の構成の本実施形態の成形用金型を用いて孔付き鍛造製品を製作する方法について詳細に説明する。
図1に示すように初期状態においては、パンチ2が上昇した状態であり、孔明けロッド4がパンチ2の下方から所定量突出した状態に配置されている。またダイス1において、支持ロッド3はその上端面がパイプ部成形孔12の下端面(底面)に対応する位置に配置されている。なお支持ロッド3はその上端面をパイプ部成形孔12の底面(α面)よりも下方に配置しておいても良い。
また鍛造素材W1としては、アルミニウム(合金を含む)製のものが用いられ、丸棒材を切断した円柱状ないし円板状のものや、圧延材を切り抜いた角材状のものが用いられる。言うまでもなく本発明において、鍛造素材W1の形状や材質は限定されるものではない。なお本実施形態において、ワークWと言う場合、鍛造素材W1、成形加工中の材料および孔付き鍛造製品(鍛造素形材)W2を全て含んでいる。
この鍛造素材W1をダイス1の成形凹部11内に設置して、パンチ2を降下させて鍛造素材W1に打ち込む。これにより鍛造加工が施される。すなわち図2に示すように鍛造素材W1が加圧されて鍛造素材W1を構成する金属材料が塑性流動して、ダイス1の成形凹部11とパンチ2の成形凸部21との間に充満してカップ部51が成形されるとともに、ダイス1のパイプ部成形孔12と孔明けロッド4との間に充満して底壁付きのパイプ部52が成形される。この鍛造加工時において支持ロッド3はその上端面がワークWにおけるパイプ部52の底壁下面に対応して配置されている。
続いて図3に示すように穿孔加工が行われる。すなわち孔明けロッド4が支持ロッド3と同期して下降して、孔明けロッド4によりパイプ部52の底壁が打ち抜かれて貫通孔53が形成される。ワークWにおけるパイプ部52から打ち抜かれた底壁(破片)としてのトリムバリ55は支持ロッド3および孔明けロッド4により挟み込まれた状態で両ロッド3,4が同期して降下することにより、ダイス1の支持ロッド収容孔13内に収容される。
なお本実施形態においては、図1に示すようにパンチ2を降下させる際に予め孔明けロッド4を下方に突出するように配置しているが、それだけに限られず、本発明においては図6に示すように孔明けロッド4を下方に突出させずに、例えば孔明けロッド4の下端面をパンチ2の下端面に一致させたままの状態でパンチ2を降下させることにより、ダイス1およびパンチ2間に金属材料を塑性流動させた後、図2および図3に示すように孔明けロッド4をパンチ2に対し降下させることにより、貫通孔53を形成するようにしても良い。
さらに上記実施形態においては、パンチ2を孔明けロッド4と同期させて降下させるようにしているが、換言するとパンチ2と孔明けロッド4との降下速度を同じに設定しているが、それだけに限られず、孔明けロッド4をパンチ2よりも速い速度で降下させるようにしても良い。例えばパンチ2の下面側から孔明けロッド4を下方に突出させずに、または少量だけ突出させた状態で、パンチ2を降下させながら、孔明けロッド4をパンチ2に対し相対的に降下させるようにしても良い。
本実施形態において、貫通孔53は底付きパイプ部52の底壁に形成された貫通孔だけによって構成されるものではなく、パイプ部52の全長にわたって形成される部分によって構成されるものである。
孔明けロッド4の降下によって貫通孔53を形成した後は、図4に示すように支持ロッド3および孔明けロッド4が両ロッド3,4によってトリムバリ55を挟み込んだ状態で同期して上昇することにより、両ロッド3,4と共にトリムバリ55が貫通孔53を下側から上側に向けて通過して、ワークWの上方側におけるパンチ2の孔明けロッド収容孔24内に配置される。
ここで本実施形態においては、支持ロッド3の外径D3を孔明けロッド4の外径D4よりも大きく形成しておいて、パンチ2によってワークWを下方に抑え込んで拘束した状態で、孔明けロッド4によって打ち抜かれた貫通孔53に支持ロッド3を通過させるようにしているため、支持ロッド3が貫通孔53を通過する際に支持ロッド3の外周面によって貫通孔53の内周面が押圧されてしごき加工が施される。このため貫通孔53の内周面が整形されて、貫通孔53の寸法精度が向上する。
詳細に説明すると鍛造加工および穿孔加工を並行する鍛造・穿孔工法においては、穿孔加工のみを行う場合と比較して、プレス荷重が高くなるため、ダイス1等の金型への負担が大きく金型に撓み変形(弾性変形)が生じて貫通孔53の寸法精度が低下するおそれがある。さらに孔明けロッド4によって打ち抜かれたままの貫通孔53においては、内周面に破断面が形成されるため、貫通孔53の内周面における仕上がり具合も十分でない場合がある。特に本実施形態のようにパイプ部52の全長にわたって長い寸法の貫通孔53を成形する場合には、成形時に金型の撓み変形量や、破断面の大きさが大きくなる傾向が高くなるため、貫通孔53の寸法精度の低下が顕著になってしまう。
そこで本実施形態においては、孔明けロッド4によって打ち抜かれた貫通孔53に対し大径の支持ロッド3を通過せることにより、貫通孔53にしごき加工を施しているため、貫通孔53が所望のサイズおよび形状に成形されて、高い寸法精度が得られるとともに、破断面が消失されてなめらかな面に形成されて良好な具合に仕上げることができる。このように貫通孔53を良好な仕上がり具合で高い寸法精度に形成することができ、寸法精度に優れた高品質の鍛造製品W2を得ることができる。特に本実施形態の鍛造製品W2のように長寸の貫通孔53を形成する場合であっても、貫通孔53を高精度に確実に仕上げることができ、長寸の貫通孔53を有する高品質の鍛造製品W2を確実に得ることができる。
なお本実施形態においては、支持ロッド3の外径D3が孔明けロッド4の外径D4よりも大きいため、つまり支持ロッド3の外径D3が孔明けロッド収容孔24の内径(直径)よりも大きく形成されているため、トリムバリ55を支持した支持ロッド3を上昇させた際に支持ロッド3の上端外周縁部が孔明けロッド収容孔24の下端内周縁部に干渉するおそれがある。そこで既述した通り、支持ロッド3の上端外周縁部にテーパー部31を形成しているため、支持ロッド3により支持したトリムバリ55を孔明けロッド収容孔24に挿入する際に、支持ロッド3の上端外周縁部が孔明けロッド収容孔24の下端内周縁部に干渉するのを確実に防止することができる。
支持ロッド3によってトリムバリ55を孔明けロッド収容孔24内に収容した後は、図5に示すようにパンチ2を孔明けロッド4と共に上昇させつつ、支持ロッド3をダイス1に対し降下させる。なお支持ロッド3の降下開始は、パンチ2の上昇開始と同時に行っても良いし、パンチ2の上昇を開始した後に行っても良いし、パンチ2の上昇を開始する前に行っても良い。例えば図7に示すように、パンチ2を上昇させる前に先に支持ロッド3を降下させるようにしても良い。
次にパンチ2を所定量上昇させた後、孔明けロッド4をパンチ2に対し降下させることにより、トリムバリ55を孔明けロッド収容孔14から突き出して排出する。こうして排出されたトリムバリ55は、孔付き鍛造製品(鍛造素形材)W2のカップ部51内に収容される。
一方、ダイス1に設けられた図示しないノックアウトピンによってダイス1内の鍛造素形材(孔付き鍛造製品)W2が突き上げられて上方に排出される。本実施形態において鍛造素形材W2のノックアウト動作は、トリムバリ55の孔明けロッド収容孔14からの突き出し動作の前に行っても良いし、後に行っても良いし、同時に行っても良い。
こうしてトリムバリ55が収容された鍛造製品W2は所定の移載装置等によってダイス1等の金型から所定箇所に搬出される。このようにトリムバリ55および鍛造製品W2をまとめて同時に搬出(排出)することができるため、トリムバリ55と鍛造製品W2とを別々に排出する場合と比較して、製造におけるタクトタイムを短縮できて、生産性を向上させることができる。なお鍛造製品W2とトリムバリ55との仕分けはプレス成形後の適当な時点で行えば良い。
さらに本実施形態の成形用金型においては、鍛造製品W2とトリムバリ55とをまとめて排出できるため、トリムバリ55を分別する機構やトリムバリ55だけを排出する排出専用の機構を設ける必要がなくその分、製造設備(金型設備)の簡素化およびコストの削減を図ることができる。
こうして成形後の鍛造製品W2をダイス1から排出した後、新たな鍛造素材W1がダイス1に投入されて、上記と同様に鍛造・穿孔加工が行われる。このような動作が順次繰り返して行われる。
以上のように本実施形態の孔付き鍛造製品の製造装置によれば、成形品としての鍛造製品W2とトリムバリ55とをダイス1の上方側にまとめて排出できるため、製造設備の簡素化、コストの削減および生産性の向上を図ることができる。
また孔明けロッド4によってワークWに形成した貫通孔53に支持ロッド3を通過させてしごき加工を行うようにしているため、貫通孔53の寸法精度を向上させることができ、寸法精度に優れた高品質の鍛造製品W2を得ることができる。
なお上記実施形態においては、孔明けロッド4によって打ち抜いたワークWの貫通孔53に、支持ロッド3を通過させてしごき加工を行うようにしているが、本発明においては必ずしもしごき加工を行う必要はない。例えば孔明けロッド4の外径D4に対し支持ロッド3の外径D3を同等もしくは小さくしておき、孔明けロッド4によって打ち抜かれたトリムバリ55を支持ロッド3によって持ち上げて貫通孔53に通過させてワークWの上方に排出するようにすれば良い。このように支持ロッド3によって貫通孔53をしごき加工しない場合には、ワークWをパンチ2によって拘束する必要がないので、支持ロッド3によってトリムバリ55を貫通孔53に通過させる際に、あるいは通過させる前にパンチ2を上昇させるようにしても良い。
さらにこのように支持ロッド3の外径D3を孔明けロッド4の外径D4に対し同等もしくは小さく形成する場合には、支持ロッド3の上端外周縁部がパンチ2における孔明けロッド収容孔14の下端内周縁部に干渉することがないため、支持ロッド3の上端外周縁部にテーパー部31を必ずしも形成しなくとも良い。
また上記実施形態においては、カップ状の成形品を製造する場合を例に挙げて説明したが、成形品の形状は特に限定されるものではなく、どのような形状のものでも製造することができる。例えばパイプ部52が存在しない成形品を製造するようにしても良いし、カップ形状以外の成形品を製造するようにしても良い。もっとも本実施形態のように上向きに開放されたカップ部を有する成形品を成形する場合には、排出されたトリムバリをカップ部内に収容でき、トリムバリを成形品と共にまとめてスムーズに排出できるため、本実施形態のようにカップ部を有する成形品を成形するのが好ましい。
また上記実施形態においては、本発明を鍛造加工と穿孔加工とを並行して行う鍛造・穿孔工法に適用した場合を例に挙げて説明したが、それだけに限られず、本発明は、プレス絞り加工等の鈑金プレス加工と穿孔加工とを並行して行う工法や、穿孔加工だけを行う穿孔工法にも適用することも可能である。このような工法に適用する場合においても、上記実施形態と同様にトリムバリをワークに対し上側(パンチ側)から効率良く排出できるとともに、必要に応じて、貫通孔に支持ロッドの通過によってしごき加工を施すことも可能である。
この発明の孔付き鍛造製品の成形方法は、例えば自動車における冷却器の筐体、エンジン部品、足回り部品等の孔付き鍛造製品を製作する際に好適に用いることができる。
1:ダイス
13:支持ロッド収容孔
2:パンチ
24:孔明けロッド収容孔
3:支持ロッド
31:テーパー部
4:孔明けロッド
51:カップ部
52:パイプ部
53:貫通孔
55:トリムバリ
D3:支持ロッド外径
D4:孔明けロッド外径
W:ワーク
W2:孔付き鍛造製品

Claims (8)

  1. ダイスに設置されたワークにパンチを打ち込んで鍛造加工を行う鍛造工程と、パンチに設けられた孔明けロッドによりワークを打ち抜いてワークに貫通孔を形成する穿孔工程とを、1プレス動作で行うようにした孔付き鍛造製品の成形方法であって、
    前記ダイスに前記孔明けロッドに対応して支持ロッドが打ち抜き方向およびその反対方向の反打ち抜き方向に移動可能に設けられており、
    前記孔明けロッドにより打ち抜かれたワークの破片としてのトリムバリを前記支持ロッドにより支持するとともに、
    トリムバリを支持した前記支持ロッドを反打ち抜き方向に移動させることにより、トリムバリを前記支持ロッドと共に前記貫通孔に通過させてワークに対しパンチ側に移動させて排出するようにしたことを特徴とする孔付き鍛造製品の成形方法。
  2. 前記支持ロッドを前記貫通孔に通過させる際に、前記支持ロッドの外周面によって前記貫通孔の内周面に対ししごき加工を行うようにした請求項1に記載の孔付き鍛造製品の成形方法。
  3. 前記パンチに前記孔明けロッドを出没自在に収容可能な孔明けロッド収容孔を形成しておき、
    前記孔明けロッドによってワークを打ち抜いた後、前記孔明けロッドおよび前記支持ロッドによってトリムバリを挟み込んだ状態で反打ち抜き方向に移動させることにより前記貫通孔を通過させてから前記孔明けロッド収容孔内に収容し、その後前記孔明けロッドを打ち抜き方向に移動させて、トリムバリを前記ロッド収容孔から突き出して排出するようにした請求項1または2に記載の孔付き鍛造製品の成形方法。
  4. 前記支持ロッドの先端外周縁部にテーパー部が形成されている請求項3に記載の孔付き鍛造製品の成形方法。
  5. 前記孔付き鍛造製品は、パンチ側に開放するカップ部を有し、
    排出されたトリムバリが前記孔付き鍛造製品のカップ部内に収容されるようになっている請求項1〜4のいずれか1項に記載の孔付き鍛造製品の成形方法。
  6. 前記孔付き鍛造製品は、打ち抜き方向に突出するパイプ部が形成されており、そのパイプ部のパイプ孔が前記貫通孔として構成されている請求項1〜5のいずれか1項に記載の孔付き鍛造製品の成形方法。
  7. ダイスと、
    前記ダイスに設置されたワークを押圧して鍛造加工を行うパンチと、
    前記パンチに設けられ、かつワークを打ち抜いてワークに貫通孔を形成する穿孔工程を行う孔明けロッドと、
    前記ダイスに前記孔明けロッドに対応して設けられ、かつ打ち抜き方向およびその反対方向の反打ち抜き方向に移動可能な支持ロッドとを備え、
    前記孔明けロッドにより打ち抜かれたワークの破片としてのトリムバリが前記支持ロッドにより支持されるとともに、
    トリムバリを支持した前記支持ロッドが反打ち抜き方向に移動することにより、トリムバリが前記支持ロッドと共に前記貫通孔に通過してワークに対しパンチ側に移動して排出されるように構成される一方、
    前記孔明けロッドの外径に対し前記支持ロッドの外径が大きく形成されていることを特徴とする孔付き鍛造製品の成形用金型。
  8. ダイスに設置されたワークを孔明けロッドにより打ち抜いて貫通孔を形成するようにした孔付き製品の成形方法であって、
    前記ダイスに前記孔明けロッドに対応して支持ロッドが打ち抜き方向およびその反対方向の反打ち抜き方向に移動可能に設けられており、
    前記孔明けロッドにより打ち抜かれたワークの破片としてのトリムバリを前記支持ロッドにより支持するとともに、
    トリムバリを支持した前記支持ロッドを反打ち抜き方向に移動させることにより、トリムバリを前記支持ロッドと共に前記貫通孔に通過させてワークに対しパンチ側に移動させて排出するようにしたことを特徴とする孔付き製品の成形方法。
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