JP2018008281A - 横型連続多段圧造機 - Google Patents

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Abstract

【課題】高精度の圧造加工が実現可能な横型連続多段圧造機を提供する。
【解決手段】横型連続多段圧造機では、押出しピン28の外周に、インナースリーブ27とアウタースリーブ26が被覆されている。押出しピン28は、インナースリーブ27及びアウタースリーブ26の内方において、X方向に摺動自在の状態である。アウタースリーブ26は、その先端部分26bの外周が、X方向左側の部分から右側の先端に向けて先細りとなるテーパー形状を有する。対応するダイス38は、開口端部から所定深さの部分である入り口部分38eにおいて、アウタースリーブ26の先端部分26bのテーパー形状に対応してX方向左側から右側に向けて開口断面サイズが漸減するテーパー形状を有する。押出しピン28とダイス38とは、X方向に交差する方向に相対移動自在となっている。
【選択図】図10

Description

本発明は、横型連続多段圧造機に関する。
横型連続多段圧造機は、供給される軸状の素材に対して多段階で圧縮力を加え、冷間圧造する機械である(例えば、特許文献1)。従来技術に係る横型連続多段圧造機の概略構成について、図13(a)、(b)を用い説明する。
図13(a)に示すように、横型連続多段圧造機は、X方向に間隔をあけて対向配置されたラム912及びダイベース916と、ラム912を駆動する駆動源(図示を省略。)を備える。ラム912は、駆動源からの駆動力を受けて、ダイベース916に対してX方向に前進・後退する(矢印G1)。ラム912におけるダイベース916側には、Y方向に複数のハウジング917が固定され、ダイベース916におけるラム912側には、複数のシュリンクリング920が固定されている。
各ハウジング917には、外周補強リング918等を間に介した状態で、パンチ928が固定されている。また、各シュリンクリング920には、内方にダイスが固定されている(図示を省略)。各加工ステーションST1〜ST5におけるパンチ928とダイスとは対応している。
また、図13(b)に示すように、横型連続多段圧造機は、各加工ステーションST1〜ST5間でブランクを移送するためのトランスファーユニット922を備える。トランスファーユニット922は、シュリンクリング920内に嵌入されたダイスのX方向端部に近接配置されるフィンガ9221,9222を備える。トランスファーユニット922は、フィンガ9221,9222によりブランクを把持した状態で、全体がY方向への移動することにより、加工ステーション間でブランクの移送を行う。
横型連続多段圧造機では、供給された軸状の素材に対して、加工ステーションST1〜ST5毎に異なる圧造加工を施し、複数の加工ステーションST1〜ST5での圧造加工を経て、所望のパーツが製造される。
特開2000−102839号公報
しかしながら、従来技術に係る横型連続多段圧造機では、同軸度を小さく抑制してさらに高精度のパーツを製造することが困難であった。具体的には、図13(a)に示すように、横型連続多段圧造機では、1つのラム912に固定された複数のパンチ928により、加工ステーションST1〜ST5毎に順次異なる加工を施すことになる。このため、ラム912に対しては、圧造加工時に加工ステーションST1〜ST5毎に異なる反力が加わり、矢印G2に示すような“振れ”や、紙面に交差する方向の“振れ”などが生じることがある。
なお、横型連続多段圧造機では、図13(b)に示すように、ダイベース916やシュリンクリング920の上方などが、トランスファーユニット922で覆われてしまっているため、加工ステーションST1〜ST5に隣接する箇所にガイドユニットを設けることは困難である。このため、特許文献1で提案されているようなガイド機構を設けることは実際には困難である。
また、仮に特許文献1で提案されているガイドユニットを設けることができたとしても、より同軸度を小さく抑制することは困難である。即ち、特許文献1で提案されている横型連続多段圧造機では、加工ステーションから離れた箇所にガイドユニットが設けられている。このため、この横型連続多段圧造機では、ガイドユニットを設けている箇所と、加工ステーションとの間に距離があり、当該距離に起因して、加工ステーションにおけるズレを生じることが考えられる。よって、微細なパーツや高精度のパーツを製造するためには、特許文献1で提案されているガイドユニットでは不十分であるといえる。
本発明は、上記のような問題の解決を図ろうとなされたものであって、高精度の圧造加工が実現可能な横型連続多段圧造機を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る横型連続多段圧造機は、ラムと、型固定ベースと、複数のパンチと、複数のダイスと、トランスファーユニットと、スリーブと、を備える。
ラムは、駆動力を受けて第1方向に前進/後退が自在である。
型固定ベースは、前記ラムに対して、前記第1方向に間隔をあけて対向配置されている。
複数のパンチは、前記ラムにおける前記型固定ベース側、及び前記型固定ベースにおける前記ラム側の一方の側に対して固定され、前記第1方向に交差する第2方向に配列されている。
複数のダイスは、前記ラムにおける前記型固定ベース側、及び前記型固定ベースにおける前記ラム側の他方の側に対して固定され、前記第2方向に配列されるとともに、前記複数のパンチのそれぞれに対応する。
トランスファーユニットは、前記ラム及び前記型固定ベースの上方の少なくとも一部を覆う状態で配置され、ブランクを移送する。
スリーブは、前記複数のパンチの少なくとも一部のパンチの、少なくとも前記ダイス側の先端部分を含む領域の外周を被覆し、前記パンチにおける少なくとも前記先端部分を前記第1方向に沿うよう保持し、且つ、前記パンチを前記第1方向に摺動自在とする。
そして、本態様に係る横型連続多段圧造機では、前記スリーブは、その先端部分の外周が、前記ダイス側に向けて先細りとなるテーパー形状を有し、前記ダイスは、開口端部から深さ方向の一部領域である入り口部分が、前記スリーブにおける前記先端部分の前記テーパー形状に対応して前記開口端部から奥側に向けて開口断面サイズが漸減するテーパー形状を有する。
本態様に係る横型連続多段圧造機では、スリーブの先端部分がテーパー形状とされ、ダイスにおける入り口部分が対応するテーパー形状とされている。このため、スリーブによって被覆されたパンチが、ダイスの内部に侵入していった際に、スリーブのテーパー形状部分とダイスにおける入り口部分のテーパー形状部分との嵌合により、第1方向に交差する方向への位置決め(同軸度の抑制)がなされる。
そして、本態様に係る横型連続多段圧造機では、パンチ及びダイスから離れていない箇所に位置決め用のテーパー形状部分をそれぞれ設けているので、特許文献1で提案されている技術よりも、正確な位置決め(同軸度を小さく抑制すること)が可能であり、より高精度での圧造加工が可能である。
また、本態様に係る横型連続多段圧造機では、トランスファーユニットがラム及び型固定ベースの上方の少なくとも一部を覆っていても、パンチとダイスとの同軸度を小さく抑えるためのガイド機構を設けることができる。よって、本態様に係る横型連続多段圧造機では、ガイド機構を設けるためにトランスファーユニットの構造を変更するなどの必要がなく、設計の自由度が高い。
従って、本態様に係る横型連続多段圧造機では、高精度の圧造加工が実現可能である。
なお、上記のような先端部分がテーパー形状のスリーブについては、複数のパンチの全てを被覆するようにしてもよいし、一部のパンチを被覆するようにしてもよい。各加工ステーション毎で求められる同軸度に応じて、採否を決めることができる。
本発明の別態様に係る横型連続多段圧造機は、上記構成において、前記スリーブは、間にスプリングを介して前記ラムに接続され、前記型固定ベース側に向けて弾性付勢されている。そして、本態様に係る横型連続多段圧造機では、前記スリーブの前記テーパー形状の部分と前記ダイスの前記テーパー形状の部分とが離間した状態から、前記ラムと前記スリーブとが直結状態となるまでの前記第1方向におけるストロークは、前記スリーブの前記テーパー形状の部分と前記ダイスの前記テーパー形状の部分とが嵌合した状態から、前記ラムが前進限に至るまでの前記第1方向における前記ラムの移動距離よりも長い。
本態様に係る横型連続多段圧造機では、上記のように、スリーブのテーパー形状の部分とダイスの前記テーパー形状の部分とが離間した状態から、ラムとスリーブとが直結状態となるまでの第1方向におけるストロークを規定することにより、ラムが前進限(前死点)に至った場合にも、スプリングの弾性によりスリーブが後退可能な状態とすることができる。よって、複数のパンチを上記構成のスリーブで被覆した場合にも、部品の製造に係る精度や組み付け精度などを厳密に管理しなくても、上記のようなテーパー形状の部分同士の嵌合を実現することができる。
従って、本態様に係る横型連続多段圧造機では、構成部品の精度や組み付け精度を厳密に管理しなくても、高精度な圧造加工が実現可能である。
本発明の別態様に係る横型連続多段圧造機は、上記構成において、前記スプリングは、圧縮コイルスプリングであって、前記圧縮コイルスプリングにおける自然高と密着高との差分は、前記スリーブの前記テーパー形状の部分と前記ダイスの前記テーパー形状の部分とが嵌合した状態から、前記ラムが前進限(前死点)に至るまでの前記第1方向における前記ラムの移動距離よりも大きい。
本態様に係る横型連続多段圧造機では、上記のように、圧縮コイルスプリングを選定することにより、スリーブのテーパー形状の部分とダイスのテーパー形状の部分とが嵌合した状態から、ラムが前進限(前死点)に至るまでの過程において、良好にスリーブを型固定ベース側に向けて弾性付勢することができる。これより、本態様に係る横型連続多段圧造機では、圧縮コイルスプリングの弾性域内で圧造工程が実行されることになる。よって、本態様に係る横型連続多段圧造機では、さらに高精度の圧造加工が実現可能である。
本発明の別態様に係る横型連続多段圧造機は、上記構成において、前記パンチの先端は、前記スリーブの前記テーパー形状の部分と前記ダイスの前記テーパー形状の部分とが離間した状態において、前記スリーブの先端よりも奥側に後退した位置にある。
本態様に係る横型連続多段圧造機では、上記のようにパンチの先端をスリーブの先端よりも奥側に後退した位置に配置することで、ダイスの入り口部分(テーパー形状部分)に対してスリーブの先端部分(テーパー形状部分)が嵌合した時点では、パンチの先端がブランクに当接していない状態とすることができる。このため、パンチとダイスとの位置決めを行った後(同軸度を小さく抑制した後)に、パンチをブランクに対して当接させることができ、圧造加工における同軸度を小さく抑制する上で効果的である。
本発明の別態様に係る横型連続多段圧造機は、上記構成において、前記スリーブは、内周面が前記パンチの外周面に接触するように前記パンチを被覆するインナースリーブと、内周面が前記インナースリーブの外周面に接触するように前記インナースリーブを被覆するアウタースリーブとを有する。
本態様に係る横型連続多段圧造機では、スリーブをインナースリーブとアウタースリーブとで構成することとし、これによりパンチがダイスに挿入される際の同軸度を小さく抑えながら、圧造成形時にパンチが第1方向に沿って摺動自在の状態を保持することが可能となる。即ち、アウタースリーブの先端部分の外周におけるテーパー形状部分がダイスにおける入り口部分(テーパー形状部分)に当接した場合に、アウタースリーブにダイスからの応力が加わるが、インナースリーブには直接この応力は加わらない。よって、アウタースリーブによりパンチとダイスとの同軸度が小さく抑えられ、かつ、インナースリーブによりパンチの姿勢を第1方向に沿った状態で摺動自在の状態とすることができる。
従って、本態様に係る横型連続多段圧造機では、さらに高精度の圧造加工が実現可能である。
本発明の別態様に係る横型連続多段圧造機は、上記構成において、前記ダイスにおける前記開口端部から底部までの深さは、前記スリーブが前記開口端部から前記ダイスの内部(前記入り口部分)に侵入し、前記スリーブの前記テーパー形状の部分と前記ダイスの前記テーパー形状の部分とが嵌合した状態において、前記ブランクに対して前記第1方向に隙間が残る深さである。
本態様に係る横型連続多段圧造機では、ダイスにおける開口端部から底部までの深さを上記のように設定することにより、スリーブの先端部分(テーパー形状部分)がダイスの入り口部分(テーパー形状部分)に対して嵌合した状態になった後に、パンチを前進させることで初めてブランクをダイスの底部に押し付けることができる。これにより、先にパンチとダイスとの同軸度を小さく抑えた後に、圧造加工を実行することができ、高精度の圧造加工を実現するのに効果的である。
本発明の別態様に係る横型連続多段圧造機は、上記構成において、前記スリーブは、当該スリーブが前記開口端部から前記ダイスの内部(入り口部分)に侵入し、前記スリーブの前記テーパー形状の部分と前記ダイスの前記テーパー形状の部分とが密に当接した状態から以降に、塑性変形する前記ブランクからの押圧を受けて、後退自在に設けられている。
本態様に係る横型連続多段圧造機では、ブランクからの押圧を受けてスリーブが後退自在の構成としているので、パンチを第1方向に沿った状態に保持しながら、ブランクの塑性変形を阻害することがない。
本発明の別態様に係る横型連続多段圧造機は、上記構成において、前記複数のパンチには、前記ブランクに対して凹部又は孔を形成するための押出しピンが含まれており、前記先端部分が前記テーパー形状の前記スリーブは、少なくとも前記押出しピンに対して取り付けられている。
本態様に係る横型連続多段圧造機では、押出しピンを上記スリーブで被覆するようにしているので、高精度の凹部形成又は孔開け加工が可能である。ここで、横型連続多段圧造機における複数の圧造加工工程の中でも、押出しピンを用いた凹部形成又は孔開け加工には、パンチとダイスとの間での同軸度をより小さく抑えることが求められる。この要求に対して、本態様では、押出しピンを上記スリーブで被覆することにより、押出しピンの姿勢を第1方向に維持しながら、ダイスとの間での同軸度を小さく抑えることができる。
本発明の別態様に係る横型連続多段圧造機は、上記構成において、前記少なくとも一部のパンチは、対応するダイスに対して、前記第1方向に対して交差する方向に相対移動自在である。
本態様に係る横型連続多段圧造機では、パンチをダイスに対して上記交差方向に相対移動自在とすることにより、スリーブの先端部分(テーパー形状部分)とダイスの入り口部分(テーパー形状部分)とが嵌合した際に同軸度を小さく抑制するのに有効である。また、相対移動自在とすることにより、嵌合時に生じる歪や反力の影響が他の加工ステーションに及ぶことを抑えることもできる。
本発明の別態様に係る横型連続多段圧造機は、上記構成において、前記スリーブの前記テーパー形状の部分は、横断面において、円環形状を有する。
本態様に係る横型連続多段圧造機では、スリーブのテーパー形状部分の横断面を円環形状とすることにより、第1方向に交差する全方向に対する位置決め作用を奏することができる。また、スリーブの横断面を円環形状とすることにより、スリーブの先端部分をダイスの雌型に挿入してゆく際に、周方向での引っ掛かりを防ぐことができ、円滑な位置決めが可能となる。
本発明の別態様に係る横型連続多段圧造機は、上記構成において、前記ダイスにおける底部には前記第1方向に向けた孔が開けられており、前記孔には、前記第1方向に前進/後退が自在の受けピンが挿設されており、前記トランスファーユニットで移送されてきた前記ブランクは、前記スリーブの先端と前記受けピンの先端とで挟まれ保持された状態で前記ダイス内に挿入される。
本態様に係る横型連続多段圧造機では、トランスファーユニットで移送されてきたブランクを、スリーブの先端と受けピンの先端とで挟んで保持し、ダイス内に挿入するので、ブランクの姿勢を保持したままダイス内に収めることが可能となる。これにより、高い加工精度を実現可能である。
本発明の別態様に係る横型連続多段圧造機は、上記構成において、前記スリーブの端面は、平面形状である。
本態様に係る横型連続多段圧造機では、スリーブの端面を平坦面とすることにより、上記のようにブランクをダイス内に挿入する際に、受けピンとの間で確実にブランクを挟むことができる。よって、ブランクの落下や、位置ズレ及び傾きなどを防ぐことができ、高い精度での加工が実現可能である。
上記の各態様に係る横型連続多段圧造機では、高精度の圧造加工が実現可能である。
本発明の実施形態に係る横型連続多段圧造機1の概略構成を示す模式平面図である。 横型連続多段圧造機1におけるトランスファーユニット22の構成を示す模式正面図である。 横型連続多段圧造機1におけるパンチユニット101の構成を示す模式断面図である。 押出しピン28への、アウタースリーブ26及びインナースリーブ27の被覆形態を示す模式展開斜視図である。 横型連続多段圧造機1におけるダイスユニット102の構成を示す模式断面図である。 (a)及び(b)は、それぞれ横型連続多段圧造機1の1つの加工ステーションにおける圧造工程を示す模式断面図である。 (a)及び(b)は、それぞれ横型連続多段圧造機1の1つの加工ステーションにおける圧造工程を示す模式断面図である。 (a)及び(b)は、それぞれ横型連続多段圧造機1の1つの加工ステーションにおける圧造工程を示す模式断面図である。 (a)及び(b)は、それぞれ横型連続多段圧造機1の1つの加工ステーションにおける圧造工程を示す模式断面図である。 (a)及び(b)は、それぞれ横型連続多段圧造機1での圧造工程での、アウタースリーブ26とダイス38との関係を示す模式断面図である。 (a)及び(b)は、それぞれ横型連続多段圧造機1での圧造工程での、アウタースリーブ26とダイス38との関係を示す模式断面図である。 (a)は、第1変形例に係るアウタースリーブ56の形態を示す模式横断面図であり、(b)は、第2変形例に係るアウタースリーブ66の形態を示す模式横断面図であり、(c)は、第3変形例に係るアウタースリーブ76の形態を示す模式横断面図であり、(d)は、第4変形例に係るアウタースリーブ86の形態を示す模式横断面図である。 (a)は、横型連続多段圧造機の概略構成を示す模式平面図であり、(b)は、横型連続多段圧造機における一部構成を示す模式側面図である。
以下では、本発明の実施形態について、図面を参酌しながら説明する。なお、以下で説明の形態は、本発明の一態様であって、本発明は、その本質的な構成を除き何ら以下の形態に限定を受けるものではない。
[実施形態]
1.横型連続多段圧造機1の概略構成
本発明の実施形態に係る横型連続多段圧造機1の概略構成について、図1を用い説明する。図1は、横型連続多段圧造機1を鉛直方向の上方から見た模式平面図である。
図1に示すように、本実施形態に係る横型連続多段圧造機1は、角枠体であるフレーム10をベースに構成されている。フレーム10におけるX方向左側の部分には、フレーム10をY方向に挿通するクランクシャフト11が配置されている。フレーム10からY方向外側に延出したクランクシャフト11の一端11aには、フライホイール13が固定されている。
フレーム10の外側には、駆動源としてのモータ14が載置されており、モータ14の出力軸14aにはモータープーリ14bが固定されている。モータープーリ14bとフライホイール13との間には、周回状態でベルト15が張設されている。
なお、図1では、モータ14に連結された減速ギヤの図示を省略している。
フレーム10内において、クランクシャフト11にはラム12が連結されている。ラム12は、モータ14からの駆動力を受けてクランクシャフト11が回転することにより、矢印A1で示すようにX方向に前進/後退する。
なお、図1では図示を省略しているが、ラム12は、フレーム10に対してライナを介して配されており、X方向への前進/後退に際しての、Y方向及び紙面に垂直な方向(Z方向)への“振れ“が抑制されるようになっている。
一方、フレーム10内におけるX方向右側部分には、ラム12に対してX方向に間隔をあけて対向する状態で、ダイベース16が固定されている。また、ダイベース16に対してY方向に隣り合う部分には、切断ユニット21が固定されている。切断ユニット21の詳細構造については説明を省略するが、矢印A2で示すように供給される素材500を定寸で切断してブランク501を形成する。
ラム12におけるダイベース16に対向する側(X方向右側)には、複数のパンチユニット101が固定されている。複数のパンチユニット101は、Y方向に配列されている。
ダイベース16におけるラム12に対向する側(X方向左側)には、複数のダイスユニット102が固定されている。複数のダイスユニット102は、ラム12に固定された複数のパンチユニット101のそれぞれに対応する状態で、Y方向に配列されている。
横型連続多段圧造機1において、対向するパンチユニット101とダイスユニット102とで対を成し、それぞれの対向箇所で加工ステーションを構成する。
図1では詳細な図示を省略しているが、ダイベース16及び複数のダイスユニット102の上方(紙面手前側)を覆うように、トランスファーユニット22が設けられている。トランスファーユニット22は、矢印A3で示すように、複数の加工ステーション間でブランク501を順に移送する。
2.トランスファーユニット22の構成
トランスファーユニット22の構成について、図2を用い説明する。図2は、図1におけるトランスファーユニット22を、X方向左側(ラム12側)から見た模式正面図である。
トランスファーユニット22は、Y方向に延伸したトランスファーベース220と、トランスファーベース220に固定され、Y方向に配列された複数のトランスファーユニット221〜226と、を備える。各トランスファーユニット221〜226は、チャックユニット227〜231を備える。
各チャックユニット227〜231は、2つのフィンガ2271,2272,2281,2282,2291,2292,2301,2302,2311,2312,2321,2322を備える。
矢印B1で示すように、トランスファーユニット22は、Y方向に往復動自在となっている。また、矢印B2で示すように、各チャックユニット227〜231では、2つのフィンガ2271,2272,2281,2282,2291,2292,2301,2302,2311,2312,2321,2322が開閉自在となっており、閉状態でブランク501〜506をチャックできるようになっている、
トランスファーユニット22では、各チャックユニット227〜231でブランク501〜506をチャックした状態で、ユニット全体としてY方向に移動することにより、矢印B3で示すように、ブランク501〜506が順に移送される。
なお、トランスファーユニット22における矢印B1の往復動、及び矢印B2の開閉動作は、ラム12の前進/後退と同期して成される。
3.パンチユニット101の構成
パンチユニット101の構成について、図3及び図4を用い説明する。図3は、複数のパンチユニット101の内の1つを、X方向に沿って切断した状態で図示する模式縦断面図である。図4は、押出しピン28への、アウタースリーブ26及びインナースリーブ27の被覆形態を示す模式展開斜視図である。
図3に示すように、パンチユニット101は、円筒形状のハウジング17と、同じく円筒形状の外周補強リング18と、を備える。外周補強リング18は、X方向左側の部分でハウジング17の内周面に固定されている。そして、外周補強リング18のX方向右側部分は、左側部分よりも内径が小さくなっている。
外周補強リング18の内側には、外周リング19が配置されている。外周リング19は、外周補強リング18の内周面の一部に接触した状態でX方向に移動自在となっている。外周リング19は、X方向左側の端部がピンベースブロック30に対して隙間なく当接している。
なお、外周リング19は、外周補強リング18に対してボールプランジャ25を介して支持されており、外周補強リング18に対してX方向に直交する方向に微小な移動が許容された状態になっている。
外周リング19の内側には、アウタースリーブ26、インナースリーブ27及び押出しピン28の各X方向左側の部分が収納されている。
図4に示すように、押出しピン28は、その先端部分を含むX方向の一部領域が、インナースリーブ27とアウタースリーブ26とで二重に被覆されている。インナースリーブ27は、径方向に2分割された一対の鍔付き半円筒形状のスリーブ部材271,272の組み合わせを以って構成されている。
一方、アウタースリーブ26は、筒形状に一体形成されて成る。アウタースリーブ26におけるX方向右側の先端部分26bの外周は、X方向の左側から右側にゆくに従って先細りのテーパー形状となっている。
押出しピン28は、その外周がアウタースリーブ26及びインナースリーブ27で順に被覆されることにより、少なくとも被覆された部分(先端部分)が、軸芯がX方向に沿うよう姿勢が保持されている。また、押出しピン28は、アウタースリーブ26及びインナースリーブ27に対して、軸方向であるX方向に摺動自在となっている。
また、押出しピン28に対しては、アウタースリーブ26及びインナースリーブ27で被覆された領域よりもX方向左側の箇所に、補助支持リング29が取り付けられている。押出しピン28は、補助支持リング29に対してもX方向に摺動自在となっている。
押出しピン28は、X方向右側の部分がアウタースリーブ26及びインナースリーブ27で支持され、それよりもX方向左側の部分が補助支持リング29で支持されている。これにより、押出しピン28は、その軸芯がX方向に沿う状態で保持されている。
図3に戻って、押出しピン28のX方向左端の部分(シャンク部)は、ピンベースブロック30に固定されている。補助支持リング20のX方向左側の主面からは、X方向左側に向けて複数の操作ピン37が延伸しており、ピンベースブロック30及び受圧ブロック31を挿通している。そして、操作ピン37のX方向左側の端部は、支持ブロック32に固定されている。
ピンベースブロック30と受圧ブロック31との間には、スプリング33が挿入されており、押出しピン28に押圧力(反力)が付与されていない状態では、図3に示すように、ピンベースブロック30と受圧ブロック31との間に間隔があいた状態となっている。
支持ブロック32は、X方向左側の主面が、スプリング34によりX方向右側に向けて弾性付勢されており、また、受圧ピン35が当接している。受圧ピン35のX方向左側には、受圧軸36が設けられており、ラム12からの押圧力が伝達されるようになっている。
受圧軸36は、円筒形状の加圧筒24の内方に配置されている。加圧筒24は、X方向右側で受圧リング23を介してハウジング17のX方向左側の端面に接続されている。
4.押出しピン28とアウタースリーブ26及びインナースリーブ27との配置形態
押出しピン28とアウタースリーブ26及びインナースリーブ27との配置形態について、図3の二点鎖線で囲んだ部分を用い説明する。
パンチユニット101とダイスユニット102とが嵌合していない状態では、図3の二点鎖線で囲んだ部分に示すように、押出しピン28のX方向右側の端面28aは、アウタースリーブ26及びインナースリーブ27の各端面25a,27aよりも、X方向左側の奥に後退した位置にある。本実施形態では、押出しピン28の端面28aは、アウタースリーブ26及びインナースリーブ27の各端面26a,27aよりもGSBだけ奥側に後退した位置にある。GSBは、例えば、0.5mm〜1.5mmの範囲で設定されており、本実施形態では、1.29mmとしている。
また、図3の二点鎖線で囲んだ部分に示すように、アウタースリーブ26の端面26aとインナースリーブ27の端面27aとは、略面一となっており、ともにX方向に直交する平坦面となっている。ただし、アウタースリーブ26の端面26aとインナースリーブ27の端面27aとが、ともに平坦面である必要は必ずしもない。例えば、一方の端面が曲面であってもよいし、両方の端面が曲面であってもよい。
また、アウタースリーブ26の端面26aとインナースリーブ27の端面27aとが略面一となっている必要は必ずしもない。一方の端面が他方の端面に対してX方向に張出していてもよい。
5.ダイスユニット102の構成
ダイスユニット102の構成について、図5を用い説明する。図5は、ダイスユニット102の主要部分の構成を示す模式断面図である。
図5に示すように、ダイスユニット102においては、ともに円筒形状をしたダイベース16とシュリンクリング20とが、X方向に直列状態で配置されている。ダイベース16は、シュリンクリング20に対して固定されている。
ダイベース16における内空間は、X方向に略同一の断面サイズを有し、受圧筒39が収納されている。受圧筒39の内側には、X方向に挿通するノックアウトピン40が挿入されている。ノックアウトピン39は、図示を省略するエジェクタの作用により、X方向に前進/後退する。
シュリンクリング20の内空間は、X方向右側部分が左側部分に比べて断面サイズが大きくなっている、そして、シュリンクリング20におけるX方向左側の内空間は、その断面サイズがX方向右側から左側へとゆくに従って小さくなるテーパー形状となっている。
ダイス38は、シュリンクリング20の内空間に嵌入されている。ダイス38における凹空間38aは、その開口がX方向左側を向いている。ダイス38における凹空間38aの底部からは、X方向に挿通する孔が開けられている。当該孔には、受けピン41が挿設されている。
受けピン41は、X方向に前進/後退が自在となっており、ノックアウトピン40からの押圧力を受けることにより、ブランクをX方向左側へと排出する。なお、ブランクの排出は、後述のように、パンチユニット101におけるアウタースリーブ26及びインナースリーブ27と受けピン41とでブランクをX方向に挟んだ状態で成される。
6.ダイス38における凹空間38aの形状
ダイス38における凹空間38aの形状について、図5の二点鎖線で囲んだ部分を用い説明する。
図5の二点鎖線で囲んだ部分に示すように、凹空間38aは、X方向において、ダイス38の端面38dに開口された開口部から所定の深さまでの入り口部分38eと、入り口部分38eに続き、底部までの奥部分38fとで構成されている。入り口部分38eは、開口端部からX方向右側に向けて開口断面サイズが漸減している。具体的には、ダイス38における入り口部分38eを臨む側壁38bは、入り口部分38eにおける空間形状が奥側にゆく程先細りのテーパー形状となるよう構成されている。
ダイス38の入り口部分38eにおけるテーパー形状は、図3及び図4に示したアウタースリーブ26における先端部分26bのテーパー形状に対応している。即ち、アウタースリーブ26がダイス38の入り口部分38eに侵入した場合に、アウタースリーブ26の先端部分26bの一部が、ダイス38の入り口部分38eに嵌合する。
一方、ダイス38におけるX方向右側の奥部分38fでは、当該億部分38fを臨む側壁38cは、当該加工ステーションで成形しようとするブランクの外周形状に基づき形状が規定されている。
7.圧造加工工程
本実施の形態に係る横型連続多段圧造機1を用いた圧造加工工程について、図6から図9を用い説明する。図6から図9は、横型連続多段圧造機1の1つの加工ステーションにおける圧造加工工程を仮に8つのステップに分けて示す模式断面図である。
7−1.第1ステップ
先ず、図6(a)は、フィンガ2291,2292によりチャックされたブランク503が、所定の加工ステーションに移送されてきた状態を示している。
移送されてきたブランク503は、ダイスユニット102におけるダイス38のX方向左側で停止される。このとき、ブランク503は、ダイス38の凹空間38aに対して所定の位置に配されている。そして、ブランク503のX方向右側の面には、X方向左側に前進してきた受けピン41の端面が当接される。
このように配置されたブランク503に対して、パンチユニット101が、矢印Cで示すようにX方向右側へと前進する。当該パンチユニット101の前進は、ラム12の摺動によるものである。
なお、図6(a)に示す状態においては、スプリング33,34は伸びた状態にあり、また、アウタースリーブ26及びインナースリーブ27は、最もX方向右側へと延出された状態になっている。
7−2.第2ステップ
次に、図6(b)は、パンチユニット101がX方向右側へと前進し、アウタースリーブ26及びインナースリーブ27の各端面26a,27aがブランク503のX方向左側の面に当接した状態を示している。
ブランク503は、X方向右側の面にアウタースリーブ26及びインナースリーブ27の各端面26a,27aが当接することにより、アウタースリーブ26及びインナースリーブ27と受けピン41とでX方向に挟まれ保持された状態となる。
この状態において、フィンガ2291,2292が開状態とされる(チャック解放)。
なお、図6(b)に示す状態においても、スプリング33,34は伸びた状態にあり、ピンベースブロック30と受圧ブロック31はX方向に離間した状態が維持されている。
7−3.第3ステップ
次に、図7(a)は、チャックが解放された後、パンチユニット101をさらにダイスユニット102に向けて前進させた状態を示している。
図6(b)に示す状態から、さらにパンチユニット101を前進させることにより、ブランク503をダイス38の凹空間38a内へと押し込みながら、アウタースリーブ26及びインナースリーブ27が凹空間38a内へと侵入してゆく。なお、受けピン41は、パンチユニット101の前進に同期して、X方向右側へと徐々に後退してゆく。
そして、アウタースリーブ26における先端部分26bがダイス38における入り口部分38eに対して嵌合される。これにより、押出しピン28とダイス38との同軸度が小さく抑制される。
なお、仮に嵌合前に押出しピン28とダイス38とが芯ズレを生じていたような場合には、押出しピン28のX方向に交差する向きの補正がなされる。即ち、横型連続多段圧造機1のパンチユニット101では、外周リング19を外周補強リング18に対してボールプランジャ25を介して支持しているので、アウタースリーブ26の先端部分26b(テーパー形状部分)とダイス38の入り口部分38eとの嵌合により、押出しピン28のX方向に交差する向きの補正がなされる。このような補正がなされることにより、本実施形態では、ダイス38における入り口部分38eへのアウタースリーブ26の先端部分26bの嵌合を以って、パンチ28とダイス38との同軸度を小さく抑制することができる。
なお、図7(a)に示す状態においても、スプリング33,34は伸びた状態にあり、押出しピン28の端面28aは、アウタースリーブ26及びインナースリーブ27の各端面26a,27aよりもX方向左側の奥に後退した位置にある。よって、図7(a)に示す状態では、押出しピン28の端面28aは、ブランク503に対して間隔をあけ、接触していない状態にある。
また、図7(a)に示す状態においては、ブランク503がX方向に微小移動できる隙間が残っている。換言すると、ダイス38の凹空間38aの深さ(開口端部から底部までの深さ)は、図7(a)の状態でブランク503に対してX方向に隙間が残るような深さに形成されている。
7−4.第4ステップ
次に、図7(b)は、ダイス38における入り口部分38eに対してアウタースリーブ26の先端部分26bが嵌合された状態から、パンチユニット101をさらにダイスユニット102に向けて前進させた状態を示している。
図7(b)に示すように、図7(a)に示す状態からパンチユニット101をさらにX方向右側へと前進させると、押出しピン28がX方向右向きに押し出される。このとき、アウタースリーブ26は、その先端部分26bがダイス38における入り口部分38eに対して嵌合した状態にあるので、図7(a)に示す状態のまま停止している。
よって、パンチユニット101のさらなる前進に伴い、ピンベースブロック30と受圧ブロック31との間隔が狭まってゆくことになり、スプリング33が圧縮されてゆく。
そして、押出しピン28の前進により、ダイス38の凹空間38a内におけるブランク503は、ダイス38の底部(奥部分38fのX方向右側部分)に押し付けられる。
7−5.第5ステップ
次に、図8(a)は、パンチユニット101のさらなる前進により、押出しピン28によるブランク503の塑性加工が開始された時点での状態を示している。
図8(a)に示すように、この時点においては、スプリング33が圧縮されて、ピンベースブロック30と受圧ブロック31との間の隙間はなくなり、互いに当接した状態になっている。また、パンチユニット101において、受圧ブロック31と支持ブロック32との間の間隔が拡がってゆき、スプリング34が圧縮されてゆく。
そして、ブランク503の塑性変形に伴い、アウタースリーブ26及びインナースリーブ27がX方向左向きに押圧され始める(後方押出しの開始)。
7−6.第6ステップ
次に、図8(b)は、塑性加工によりブランク504が形成され、パンチユニット101の前進が停止された時点での状態を示している。
図8(b)に示すように、ブランク503を塑性加工(圧造加工)することによりブランク504の形成がなされた時点では、受圧ピン35のX方向左端が受圧軸36のX方向右端に当接した状態となっている。そして、スプリング33,34はともに最も圧縮された状態となっている。
図8(b)に示す状態では、押出しピン28は“前死点”に到達している。
7−7.第7ステップ
次に、図9(a)は、ブランク504の形成後に、パンチユニット101をX方向左側へと後退させ、押出しピン28をブランク504から離間させた状態を示している。
図9(a)に示すように、押出しピン28がブランク504から離間した状態にあっても、ブランク504の外縁部分(フランジ部分)に対するアウタースリーブ26及びインナースリーブ27の当接状態は維持されている。これは、スプリング33,34の圧縮が解放され、受圧ブロック31に対して支持ブロック32が当接することによるものである。
以上のように、押出しピン28をノックアウトさせながら、ダイスユニット102の受けピン41とアウタースリーブ26及びインナースリーブ27とでブランク504を挟み込んだ状態としている。これにより、押出しピン28のノックアウトに際しても、ブランク504をダイス38の凹空間38a内に残すことができ、当該加工ステーションにおける圧造成形が終わったブランク504が凹空間38aの開口端部から外方へ落下するということを防ぐことができる。
なお、図9(a)に示すように、この時点においても、受圧ピン35のX方向左端が受圧軸36に対して当接した状態は維持されている。
7−8.第8ステップ
次に、図9(b)は、ブランク504をダイス38の凹空間38aの外方へと取り出し、トランスファーユニット22におけるチャック230のフィンガ2301,2302でチャッキングした状態を示している。
図9(a)に示す状態から、パンチユニット101をX方向左向きに後退させるとともに、ダイスユニット102における受けピン41をX方向左向きに前進させる。このとき、パンチユニット101の後退速度と受けピン41の前進速度とは同期しており、ブランク504をX方向に挟み込んで保持した状態を維持している。
そして、図9(b)に示すように、ダイス38の凹空間38aの開口端部から出口部分まで移動されたブランク504をフィンガ2301,2302でY方向に挟み込んで保持する。その後、矢印Dで示すように、パンチユニット101を後退限まで後退させる。なお、パンチユニット101の後退に伴い、受圧ピン35と受圧軸36とはX方向に離間する。
以上により、ブランク504の“蹴り出し“が完了する。
8.ダイス38における凹空間38aの入り口部分38eへのアウタースリーブ26の嵌合及び押出しピン28の前進
ダイス38における凹空間38aの入り口部分38eへのアウタースリーブ26の嵌合及び押出しピン28の前進について、図10及び図11を用い説明する。なお、図10及び図11では、パンチユニット101の構成の内、アウタースリーブ26、インナースリーブ27、及び押出しピン28だけを抜き出して模式的に図示しており、ダイスユニット102の構成の内、ダイス38だけを抜き出して模式的に図示している。また、図10及び図11では、ブランクの図示も省略している。
先ず、図10(a)は、図6(a)で示した第1ステップの状態を示す。図10(a)に示すように、パンチユニット101がダイスユニット102に対して離間した状態にある場合には、パンチユニット101における押出しピン28の端面28aは、アウタースリーブ26及びインナースリーブ27の各端面26a,27aよりもX方向左側の奥に後退した位置にある。
そして、矢印Eで示すように、押出しピン28をダイス38の凹空間38a内へと侵入させてゆく。
ここで、本例では、アウタースリーブ26による同軸度を小さくすることができるとの作用・効果を分かり易く説明するために、離間状態における押出しピン28とダイス38の凹空間38aとがY方向にGMAだけ芯ズレを生じていると仮定している。
図10(a)に示す状態から、パンチユニット101をX方向右向きに前進させてゆき、アウタースリーブ26の端面26aがダイス38の端面38dよりもX方向右側に侵入すると、アウタースリーブ26の先端部分26bにおける先端角は、ダイス38の側壁38bに対して、Y方向上側で先に当接する。
アウタースリーブ26におけるテーパー形状の先端部分26bとダイス38の側壁38bとの当接により、パンチユニット101はY方向に位置補正がなされ、アウタースリーブ26の先端部分26bがダイス38の入り口部分38eを進むに従って芯ズレが補正される。
次に、図10(b)は、図7(a)で示した第3ステップの状態を示す。
図10(b)に示すように、アウタースリーブ26の先端部分26bがダイス38の入り口部分38eに対して嵌合することで、パンチユニット101における押出しピン28とダイスユニット102におけるダイス38との同軸度が小さく抑制される。上述のように、図10(b)に示す状態において、押出しピン28の端面28aは、アウタースリーブ26及びインナースリーブ27の各端面26a,27aよりもX方向左側の奥に後退した位置のまま維持されている。
なお、図10(b)に示すように、アウタースリーブ26の先端部分26bは、ダイス38の入り口部分38eで嵌合されるため、凹空間38aの奥部分38fに侵入することはない。よって、奥部分38fにおける側壁38cにアウタースリーブ26の先端部分26bが接触することはない。
次に、図11(a)に示すように、パンチユニット101とダイスユニット102との同軸度が小さく抑制された後、矢印F1で示すように、押出しピン28がX方向右向きに前進する。この前進により、アウタースリーブ26及びインナースリーブ27の各端面26a,27aよりも押出しピン28の端面28aがX方向右側に突出したとき、ブランク(図示を省略。)に当接する。
なお、図11(a)に示すように、押出しピン28の突出に際しては、アウタースリーブ26の先端部分26bとダイス38の側壁38bとの嵌合により、アウタースリーブ26とインナースリーブ27との隙間、及びインナースリーブ27と押出しピン28との隙間は、略無くなった状態となっている。このため、押出しピン28は、その軸芯がX方向に正確に沿うとともに、ダイス38における凹空間38aの芯と正確に合致した状態でX方向右向きに突出する。
そして、さらに押出しピン28が前進することにより、ブランクは、ダイス38における奥部分38fの棚面38gや底面38hに押し付けられる。
図11(b)は、図8(a)で示した第5ステップの状態を示す。即ち、矢印F2で示すように、押出しピン28のX方向右向きの前進により、ブランクの圧造加工がなされ、塑性変形した部位がアウタースリーブ26及びインナースリーブ27を、矢印F3で示すように、X方向左側へと後退させてゆく。
9.効果
以上のように、本実施形態に係る横型連続多段圧造機1では、仮にラム12の“振れ“があったとしても、上記構成を採用した加工ステーションにおいて、圧造加工の前にパンチユニット101とダイスユニット102との同軸度を小さく抑制することができる。
また、横型連続多段圧造機1では、パンチユニット101において、押出しピン28の外周をアウタースリーブ26及びインナースリーブ27と補助支持リング29で被覆し、これらにより支持することとしているので、押出しピン28の軸芯がX方向に対して傾いたり、押出しピン28が曲がったりすることを抑制することができる。即ち、アウタースリーブ26及びインナースリーブ27と補助支持リング29とは、押出しピン28の支持ガイドとしての機能も果たす。
また、図3の二点鎖線で囲んだ部分に示すように、アウタースリーブ26の先端部分26bがダイス38の入り口部分38eに嵌合する前の段階では、押出しピン28の端面28aがアウタースリーブ26及びインナースリーブ27の各端面26a,27aよりも奥側に後退した位置にある。これにより、アウタースリーブ26の先端部分26bがダイス38の入り口部分38eに嵌合した時点で、押出しピン28の端面28aとブランクとの間に隙間が残るようにしている。これにより、パンチユニット101における押出しピン28とダイスユニット102におけるダイス38との同軸度を小さく抑制してから、ブランクへの押出しピン28の当接及び押圧が開始されるので、高精度での圧造加工が実現可能である。
また、図3に示すように、横型連続多段圧造機1では、外周リング19が外周補強リング18に対してボールプランジャ25を介して支持されている構成とした。これにより、パンチユニット101における押出しピン28とダイスユニット102におけるダイス38との同軸度を小さく抑制する際に、押出しピン28の径方向への位置補正が可能となり、同軸度を小さく抑制する上で効果的である。
また、図4に示すように、本実施形態では、インナースリーブ27を径方向に2分割したスリーブ部材271,272で構成することとしている。このような構成を採用することにより、押出しピン28の先端部分に、製品形状に対応する種々の形状の成形部を設けることとしても、インナースリーブ27で確実に被覆することができる。また、インナースリーブ27を2分割した構成とすることにより、各部材の製造に係る精度にかかわらず、押出しピン28の外周に対して、及び互いの間で隙間なく密に接触するようにできる。これにより、同軸度を小さく抑制する上で効果的である。
なお、インナースリーブ27を径方向に3つ以上の部材に分割することもできる。また、アウタースリーブ26や補助支持リング29についても、インナースリーブ27と同様に、複数の部材に分割することも可能である。ただし、アウタースリーブ27や補助支持リング29については、組み立ての容易性という観点から、本実施形態のようにワンピース構造とすることが望ましい。
また、本実施形態に係る横型連続多段圧造機1では、図8(a)に示すように、ブランク503の塑性変形に伴い、アウタースリーブ26及びインナースリーブ27がX方向左向きに押圧され、後退できる構成となっている。これについて、見方を変えると、次のことが言える。
本実施形態に係るアウタースリーブ26及びインナースリーブ27は、間にスプリング34等を介してラム2に接続され、ダイベース16側に向けて弾性付勢されている。そして、アウタースリーブ26の先端部分(テーパー形状部分)26bとダイス38の入り口部分(テーパー形状部分)38eとが離間した状態(図6(a)、(b)の状態)から、ラム2とアウタースリーブ26及びインナースリーブ27とが“直結状態”となるまでのX方向におけるストロークは、アウタースリーブ26の先端部分(テーパー形状部分)26bとダイス38の入り口部分(テーパー形状部分)38eとが嵌合した状態(図7(a)の状態)から、ラム2が前進限の状態(図8(b)の状態)に至るまでのX方向におけるラム2の移動距離よりも長くなるように設定されている。即ち、横型連続多段圧造機1では、ラム2とアウタースリーブ26及びインナースリーブ27とが“直結状態”となることは実際には生じ得ない。
本実施形態では、上記のような構成とすることにより、ラム2が前進限(前死点)に至った場合にも、スプリング34の弾性によりアウタースリーブ26及びインナースリーブ27がX方向左側に向けて後退可能な状態とすることができる。よって、複数の押出しピン28を上記構成のアウタースリーブ26及びインナースリーブ27で被覆した場合にも、部品の製造に係る精度や組み付け精度などを厳密に管理しなくても、上記のようなアウタースリーブ26の先端部分(テーパー形状部分)26bとダイス38の入り口部分(テーパー形状部分)38eとの嵌合を実現することができる。
従って、本実施形態では、高精度の圧造加工を実現できるとともに、製造コストの低減を図ることができる。
また、本実施形態に係る横型連続多段圧造機1は、スプリング(圧縮コイルスプリング)34における自然高と密着高との差分が、アウタースリーブ26の先端部分(テーパー形状部分)26bとダイス38の入り口部分(テーパー形状部分)38eとが嵌合した状態(図7(a)の状態)から、ラム2が前進限(前死点)の状態(図8(b)の状態)に至るまでのX方向におけるラム2の移動距離よりも大きくなるように設定されている。
横型連続多段圧造機1では、上記のように、スプリング34を選定することにより、アウタースリーブ26の先端部分(テーパー形状部分)26bとダイス38の入り口部分(テーパー形状部分)38eとが嵌合した状態(図7(a)の状態)から、ラム2が前進限(前死点)の状態(図8(b)の状態)に至るまでの過程において、良好にアウタースリーブ26及びインナースリーブ27をダイベース16側に向けて弾性付勢することができる。これより、横型連続多段圧造機1では、スプリング34の弾性域内で圧造工程が実行されることになり、高精度の圧造加工が実現可能である。
[第1変形例]
第1変形例に係る横型連続多段圧造機について、図12(a)を用い説明する。なお、図12(a)では、上記実施形態に係る横型連続多段圧造機1との差異部分であるアウタースリーブ56とその周辺部分を抜き出して図示している。
図12(a)に示すように、本変形例に係るアウタースリーブ56は、横断面において、先端部分における外周のプロファイルがY方向に長い楕円形状または長円形状となっている。そして、アウタースリーブ56の先端部分は、紙面に垂直な方向にテーパー形状となっている。アウタースリーブ56における内周のプロファイルについては、上記実施形態に係るアウタースリーブ26と同様に、円形状となっている。
なお、本変形例に係るアウタースリーブ56についても、筒形状に一体形成されて成る。
また、図示を省略するが、ダイスにおける凹空間の入り口部分の形状についても、アウタースリーブ56における先端部分の形状(テーパー形状)に合わせて構成されている。
本変形例に係る横型連続多段圧造機では、アウタースリーブ56を図12(a)に示すような構成とすることにより、ラム12がX方向(紙面に垂直な方向)に沿う軸芯回りに捩じれを生じることがあっても、その補正も行うことができる。よって、本変形例では、上記効果を得ることができるとともに、ブランクに対して複雑な形状の圧造加工を施す場合にも、さらに高い加工精度を確保することができる。
[第2変形例]
第2変形例に係る横型連続多段圧造機について、図12(b)を用い説明する。なお、図12(b)では、上記実施形態に係る横型連続多段圧造機1との差異部分であるアウタースリーブ66とその周辺部分を抜き出して図示している。
図12(b)に示すように、本変形例に係るアウタースリーブ66は、横断面において、先端部分における外周のプロファイルが正方形状または長方形状(矩形状)となっている。そして、内周のプロファイルについては、上記実施形態に係るアウタースリーブ26と同様に、円形状となっている。アウタースリーブ66の先端部分は、紙面に垂直な方向にテーパー形状となっている。
なお、本変形例に係るアウタースリーブ66についても、筒形状に一体形成されて成る。
また、図示を省略するが、ダイスにおける凹空間の入り口部分の形状についても、アウタースリーブ66における先端部分の形状(テーパー形状)に合わせて構成されている。
本変形例に係る横型連続多段圧造機では、アウタースリーブ66を図12(b)に示すような構成とすることにより、ラム12がX方向(紙面に垂直な方向)に沿う軸芯回りに捩じれを生じることがあっても、その補正も行うことができる。また、図12(b)に示すように、アウタースリーブ66の外周を矩形の横断面とすることにより、部材の加工を容易なものとすることができる。
[第3変形例]
第3変形例に係る横型連続多段圧造機について、図12(c)を用い説明する。なお、図12(c)では、上記実施形態に係る横型連続多段圧造機1との差異部分であるアウタースリーブ76とその周辺部分を抜き出して図示している。
図12(c)に示すように、本変形例に係るアウタースリーブ76は、横断面において、先端部分における外周のプロファイルが菱形状となっている。そして、内周のプロファイルについては、上記実施形態に係るアウタースリーブ26と同様に、円形状となっている。アウタースリーブ76の先端部分は、紙面に垂直な方向にテーパー形状となっている。
なお、本変形例に係るアウタースリーブ76についても、筒形状に一体形成されて成る。
また、図示を省略するが、ダイスにおける凹空間の入り口部分の形状についても、アウタースリーブ76における先端部分の形状(テーパー形状)に合わせて構成されている。
本変形例に係る横型連続多段圧造機でも、アウタースリーブ76を図12(c)に示すような構成とすることにより、ラム12がX方向(紙面に垂直な方向)に沿う軸芯回りに捩じれを生じることがあっても、その補正も行うことができる。また、図12(c)に示すように、アウタースリーブ76の外周を菱形の横断面とすることにより、部材の加工を容易なものとすることができる。
[第4変形例]
第4変形例に係る横型連続多段圧造機について、図12(d)を用い説明する。なお、図12(d)では、上記実施形態に係る横型連続多段圧造機1との差異部分であるアウタースリーブ86とその周辺部分を抜き出して図示している。
図12(d)に示すように、本変形例に係るアウタースリーブ86は、横断面において、先端部分における外周のプロファイルが六角形状となっている。そして、内周のプロファイルについては、上記実施形態に係るアウタースリーブ26と同様に、円形状となっている。そして、アウタースリーブ86の先端部分は、紙面に垂直な方向にテーパー形状となっている。
なお、本変形例に係るアウタースリーブ86についても、筒形状に一体形成されて成る。
また、図示を省略するが、ダイスにおける凹空間の入り口部分の形状についても、アウタースリーブ86における先端部分の形状(テーパー形状)に合わせて構成されている。
本変形例に係る横型連続多段圧造機では、アウタースリーブ86を図12(d)に示すような構成とすることにより、Y−Z平面内の3方向での位置補正と、X方向(紙面に垂直な方向)に沿う軸芯回りの捩じれ補正とを行うことができる。
[その他の変形例]
図3,4,10,11などに示すように、上記実施形態に係るパンチユニット101では、アウタースリーブ26における先端部分26bのテーパー形状が、縦断面において、外面が直線状の斜面であることとしたが、本発明は、これに限定を受けるものではない。例えば、縦断面において、外面が外凸や内凸の曲線状のテーパー形状とすることもできる。
また、図10(b)などに示すように、上記実施形態では、アウタースリーブ26のテーパー形状部分のX方向長さを、ダイス38における入り口部分38eのX方向深さよりも長い構成としたが、本発明は、これに限定を受けるものではない。例えば、アウタースリーブにおけるテーパー形状部分については、先端部分の先端側の一部とすることもできる。これによっても、同軸度を小さく抑えるという効果を得ることができる。
図1に示すように、上記実施形態に係る横型連続多段圧造機1では、5つのパンチユニット101と5つのダイスユニット102とを備える構成を採用したが、本発明は、これに限定を受けるものではない。例えば、4つ以下のパンチユニット101と4つ以下のダイスユニット102とを備える構成とすることもできるし、6つ以上のパンチユニット101と6つ以上のダイスユニット102とを備える構成とすることもできる。
また、上記実施形態では、5つ全てのパンチユニット101について、図3に示す構成を採用し、5つ全てのダイスユニット102について、図5に示す構成を採用することとしたが、本発明は、これに限定を受けるものではない。例えば、複数のパンチユニット及びダイスユニットの内、一部の組み合わせに係るパンチユニットとダイスユニットに対して、図3及び図5の構成を採用することとしてもよい。
なお、一部の組み合わせに係るパンチユニットとダイスユニットに対して、図3及び図5の構成を採用する場合には、その加工ステーションで要求される加工精度を加味して採用するパンチユニットとダイスユニットとを選定することができる。
上記実施形態及び上記第1変形例乃至第4変形例では、押出しピン28の外周をインナースリーブ27及びアウタースリーブ26,56,66,76,86で二重に被覆することとしたが、本発明は、これに限定を受けるものではない。例えば、一重に被覆することとしてもよいし、三重以上に被覆することとしてもよい。
上記実施形態では、図3に示すように、外周リング19が外周補強リング18に対してボールプランジャ25を介して支持されている構成としたが、本発明は、これに限定を受けるものではない。例えば、外周リング19を外周補強リング18に対してOリングを介して支持される構成や、スプリングを介して支持される構成、さらには間に隙間を有する構成とすることもできる。
上記実施形態では、図2に示すように、トランスファーユニット22がブランク501〜506をY方向の両側からチャッキングし移送することとしたが、本発明は、これに限定を受けるものではない。例えば、ブランクをZ方向の両側からチャッキングすることとしてもよいし、X方向に交差する3方向からチャッキングすることとしてもよい。
上記実施形態では、図1に示すように、駆動源としてモータ14を採用することとしたが、本発明は、これに限定を受けるものではない。例えば、ディーゼルエンジンなどの内燃機関や、エアー圧や油圧の供給を受けて動作するロータリーアクチュエータなどを採用することもできる。
また、上記実施形態では、モータ14からの駆動力の伝達をベルト15を介して行うこととしたが、本発明は、これに限定を受けるものではない。例えば、ギヤを介した駆動力の伝達を行うこととすることもできる。
上記実施形態では、ラム12にパンチユニット101を固定し、ダイベース16にダイスユニット102を固定することとしたが、本発明は、これに限定を受けるものではない。即ち、ラム12にダイスユニット102を固定し、ダイベース16にパンチユニット101を固定することとしてもよい。
上記実施形態では、図3などに示すように、パンチの一例である押出しピン28に対してアウタースリーブ26及びインナースリーブ27を被覆することとしたが、本発明は、これに限定を受けるものではない。例えば、先端が単なる円柱状でなく、加工しようとする形状のネガ形状が形成されているようなパンチに対して、図3に示すような形態のアウタースリーブ及びインナースリーブを被覆することとしてもよい。
また、押出しピンの形態について、先端に鏃状をしたノーズ部を設けることとしてもよい。ノーズ部は、ブランクに凹部や孔を形成する際の、凹部や孔の径と略同一の径を有する部分である。換言すると、鏑矢形状の先端構造を有する押出しピンを採用することもできる。
また、上記実施形態及び上記第1変形例乃至第4変形例では、押出しピン28について、その横断面が円形であることとしたが、本発明は、これに限定を受けるものではない。例えば、横断面が楕円形や長円形、さらには四角形、六角形、八角形の押出しピンを採用することもできる。なお、このような横断面の押出しピンを採用する場合には、それに応じてインナースリーブの内周面の形状を規定することにより、ガタつきなく押出しピンをガイドすることができる。
上記実施形態及び上記第1変形例乃至第4変形例では、アウタースリーブ26,56,66,76,86及びインナースリーブ27の端面26a,27a,・・が平坦面である構成としたが、本発明は、これに限定を受けるものではない。例えば、アウタースリーブ及びインナースリーブの一方の端面だけが平坦面であるという構成を採用することもできるし、両方の端面が平坦面ではないような構成を採用することもできる。
上記実施形態では、図3などに示すように、パンチユニット101にボールプランジャ25を具備する構成としたが、本発明は、これに限定を受けるものではない。例えば、ダイスユニットにおけるシュリンクリングとダイベースとの間にボールプランジャなどを介挿し、これによりダイスがX方向に交差する方向に移動自在とすることもできる。また、パンチユニット及びダイスユニットの双方にボールプランジャなどを設けることも可能である。
なお、このような場合においても、上述のように、ボールプランジャの代わりにOリングを介挿させたり単なる隙間を空けたりするなどの構成を採用することもできる。
また、上記実施形態などでは言及しなかったが、横型連続多段圧造機において、ラムの前進/後退に際しての振動などを低減するために、動バランサを付設することとしてもよい。これにより、各部及びブランクの振動など低減させることができ、加工精度の向上を図るのに優位となる。
上記実施形態では、切断ユニットに続いて圧造工程を実行する構成としたが、素材を切断した後、ブランク501の曲りなどを矯正する矯正ユニットを介挿させることとしてもよい。
1 横型連続多段圧造機
12 ラム
16 ダイベース(型固定ベース)
22 トランスファーユニット
25 ボールプランジャ
26,56,66,76,86 アウタースリーブ
26b 先端部分(テーパー形状部分)
27 インナースリーブ
28 押出しピン(パンチ)
34 スプリング
38 ダイス
38e 入り口部分(テーパー形状部分)
101 パンチユニット
102 ダイスユニット
500 素材
501〜506 ブランク

Claims (12)

  1. 横型連続多段圧造機であって、
    駆動力を受けて第1方向に前進/後退が自在のラムと、
    前記ラムに対して、前記第1方向に間隔をあけて対向配置された型固定ベースと、
    前記ラムにおける前記型固定ベース側、及び前記型固定ベースにおける前記ラム側の一方の側に対して固定され、前記第1方向に交差する第2方向に配列された複数のパンチと、
    前記ラムにおける前記型固定ベース側、及び前記型固定ベースにおける前記ラム側の他方の側に対して固定され、前記第2方向に配列されるとともに、前記複数のパンチのそれぞれに対応する複数のダイスと、
    前記ラム及び前記型固定ベースの上方の少なくとも一部を覆う状態で配置され、ブランクを移送するトランスファーユニットと、
    前記複数のパンチの少なくとも一部のパンチの、少なくとも前記ダイス側の先端部分を含む領域の外周を被覆し、前記パンチにおける少なくとも前記先端部分を前記第1方向に沿うよう保持し、且つ、前記パンチを前記第1方向に摺動自在とするスリーブと、
    を備え、
    前記スリーブは、その先端部分の外周が、前記ダイス側に向けて先細りとなるテーパー形状を有し、
    前記ダイスは、開口端部から深さ方向の一部領域である入り口部分が、前記スリーブにおける前記先端部分の前記テーパー形状に対応して前記開口端部から奥側に向けて開口断面サイズが漸減するテーパー形状を有する
    横型連続多段圧造機。
  2. 請求項1記載の横型連続多段圧造機において、
    前記スリーブは、間にスプリングを介して前記ラムに接続され、前記型固定ベース側に向けて弾性付勢されており、
    前記スリーブの前記テーパー形状の部分と前記ダイスの前記テーパー形状の部分とが離間した状態から、前記ラムと前記スリーブとが直結状態となるまでの前記第1方向におけるストロークは、前記スリーブの前記テーパー形状の部分と前記ダイスの前記テーパー形状の部分とが嵌合した状態から、前記ラムが前進限に至るまでの前記第1方向における前記ラムの移動距離よりも長い
    横型連続多段圧造機。
  3. 請求項2記載の横型連続多段圧造機において、
    前記スプリングは、圧縮コイルスプリングであって、
    前記圧縮コイルスプリングにおける自然高と密着高との差分は、前記スリーブの前記テーパー形状の部分と前記ダイスの前記テーパー形状の部分とが嵌合した状態から、前記ラムが前進限に至るまでの前記第1方向における前記ラムの移動距離よりも大きい
    横型連続多段圧造機。
  4. 請求項1から請求項3の何れか記載の横型連続多段圧造機において、
    前記パンチの先端は、前記スリーブの前記テーパー形状の部分と前記ダイスの前記テーパー形状の部分とが離間した状態において、前記スリーブの先端よりも奥側に後退した位置にある
    横型連続多段圧造機。
  5. 請求項1から請求項4の何れか記載の横型連続多段圧造機において、
    前記スリーブは、内周面が前記パンチの外周面に接触するように前記パンチを被覆するインナースリーブと、内周面が前記インナースリーブの外周面に接触するように前記インナースリーブを被覆するアウタースリーブとを有する
    横型連続多段圧造機。
  6. 請求項1から請求項5の何れか記載の横型連続多段圧造機において、
    前記ダイスにおける前記開口端部から底部までの深さは、前記スリーブが前記開口端部から前記ダイスの内部に侵入し、前記スリーブの前記テーパー形状の部分と前記ダイスの前記テーパー形状の部分とが嵌合した状態において、前記ブランクに対して前記第1方向に隙間が残る深さである
    横型連続多段圧造機。
  7. 請求項1から請求項6の何れか記載の横型連続多段圧造機において、
    前記スリーブは、当該スリーブが前記開口端部から前記ダイスの内部に侵入し、前記スリーブの前記テーパー形状の部分と前記ダイスの前記テーパー形状の部分とが密に当接した状態から以降に、塑性変形する前記ブランクからの押圧を受けて、後退自在に設けられている
    横型連続多段圧造機。
  8. 請求項1から請求項7の何れか記載の横型連続多段圧造機において、
    前記複数のパンチには、前記ブランクに対して凹部又は孔を形成するための押出しピンが含まれており、
    前記先端部分が前記テーパー形状の前記スリーブは、少なくとも前記押出しピンに対して取り付けられている
    横型連続多段圧造機。
  9. 請求項1から請求項8の何れか記載の横型連続多段圧造機において、
    前記少なくとも一部のパンチは、対応するダイスに対して、前記第1方向に対して交差する方向に相対移動自在である
    横型連続多段圧造機。
  10. 請求項1から請求項9の何れか記載の横型連続多段圧造機において、
    前記スリーブの前記テーパー形状の部分は、横断面において、円環形状を有する
    横型連続多段圧造機。
  11. 請求項1から請求項10の何れか記載の横型連続多段圧造機において、
    前記ダイスにおける底部には、前記第1方向に向けた孔が開けられており、
    前記孔には、前記第1方向に前進/後退が自在の受けピンが挿設されており、
    前記トランスファーユニットで移送されてきた前記ブランクは、前記スリーブの先端と前記受けピンの先端とで挟まれ保持された状態で前記ダイス内に挿入される
    横型連続多段圧造機。
  12. 請求項11記載の横型連続多段圧造機において、
    前記スリーブの端面は、平坦面である
    横型連続多段圧造機。
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