JP4664538B2 - 防水透湿シート - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、外壁パネルの外壁面に取り付けられて、表面にタイルパネルを固定するための胴縁が配置される防水透湿シートに関するものである。
【0002】
【背景の技術】
建物の構築方法の一つとして、例えば、壁や床、屋根といった構成要素を予め工場にてパネル化しておき、施工現場でこれらのパネルを組み立てることにより、建物を構築するといったパネル工法が一部に採用されている。このようなパネル工法における外壁構造として、例えば、特開平11−1970号公報記載の外壁構造が挙げられる。
この外壁構造は、外壁パネル(パネル本体)の外壁面に防水透湿シート(防水シート)が貼り付けられており、該防水透湿シート上から胴縁(取付材)が外壁パネルに取り付けられ、さらに、この胴縁に外装材が設けられている。そして、前記外装材は、外壁パネルに取り付けられた胴縁に釘等が打ち込まれることによって固定されている。この外装材は、その表面に複数の縦目地と横目地が形成され、これによってタイル調の外観を呈するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、通常、胴縁が配置される防水透湿シートには、配置すべき胴縁の位置を示した配置線が記載されており、この配置線に沿って胴縁が配置され、該胴縁から釘が打ち込まれることにより胴縁が外壁パネルに固定されている。
しかし、前記胴縁は、1階の壁パネルと2階の壁パネルとで取り付けられる位置が異なり、さらに、2階の壁パネルに取り付けられる胴縁のうち最上端に位置する胴縁は、軒先の位置等によって外装材の取り付けられる位置が異なるため、胴縁の取り付けられる位置も随時変化する。
したがって、図4に示すように、1階の壁パネルに取り付けられる胴縁の配置線32と、2階の壁パネルに取り付けられる胴縁の配置線33と、最上端に取り付けられる胴縁の配置線34とをそれぞれ1枚の防水透湿シート31に記載していたので、防水透湿シート31はこれらの配置線32,33,34が複数記載されて複雑となり、よって、配置線32,33,34に沿って胴縁を取り付けるには煩雑であった。
【0004】
ところで、前記タイル調の外観を呈する外装材に換えて、実際のタイルが取り付けられたタイルパネルを使用する場合がある。このタイルパネルは、矩形状の基板と、この基板の表面に取り付けられた複数のタイルとを備えており、これらタイルは縦横に所定間隔で配置され、これによってタイル間には縦目地と横目地が形成されている。
このようなタイルパネルを外壁パネルに取り付ける場合は、タイルパネルに取り付けられたタイルから釘等を打ち込むことができないので、タイルパネルの横目地から釘等を打ち込むことによって取り付けており、そのため、この釘等が打ち込まれる横目地の裏面に、胴縁が位置するようにして外壁パネルに胴縁を取り付けることが必要とされている。
【0005】
しかしながら、従来の外装材は必ずしも横目地から釘を打つとは限らず、所定の規則で釘を打つようにしているので、従来の防水透湿シートには、この規則に合わせて配置線が記載されている。したがって、タイルパネルを固定するための胴縁を、従来の防水透湿シート上に配置しても、タイルパネルの横目地と胴縁とは一致しないので、従来の防水透湿シートでは、タイルパネルが固定される胴縁の配置位置を決めるのに対応できない。また、従来の防水透湿シートには、上述したように、様々な配置線が記載されて煩雑であるので、胴縁の配置作業が容易ではない。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、タイルパネルが固定される胴縁の配置位置を容易に決め、また、単純で見やすくすることによって、外壁パネルの外壁面に胴縁を容易に取り付け、該胴縁にタイルパネルを確実に取り付けることのできる防水透湿シートを提供することを課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、例えば、図1および図2に示すように、外壁パネル2の外壁面2aに取り付けられて、表面にタイルパネル3を固定するための胴縁4が配置される防水透湿シート1であって、
表面に、前記胴縁4を配置可能な配置位置を示す配置線5が、上下に一定ピッチAで記載されており、
このピッチAは、前記タイルパネル3の横目地6のピッチBと等しくなっていることを特徴とする。
【0008】
請求項1の発明によれば、表面に、前記胴縁4を配置可能な配置位置を示す配置線5が、上下に一定ピッチAで記載されており、このピッチAは、前記タイルパネル3の横目地6のピッチBと等しくなっているので、所要の配置線5に沿って胴縁4を配置することにより、この胴縁4はタイルパネル3の横目地6の裏面に容易に配置されることになる。
したがって、タイルパネル3の横目地6から釘19等を打ち込むことによって、胴縁4に釘19等が打ち込まれて、よってタイルパネル3を外壁パネル2に確実に固定することができる。
【0009】
また、従来では、1階の壁パネルに取り付けられる胴縁の配置線32と、2階の壁パネルに取り付けられる胴縁の配置線33と、最上端に取り付けられる胴縁の配置線34とをそれぞれ1枚の防水透湿シート31に記載していたので、これらの配置線32,33,34が複数記載されて複雑で、誤った配置線に胴縁を取り付けてしまうこともあり、取付作業が煩雑であったが、本発明では、配置線5が上下に一定ピッチAで記載されているので、単純で見やすく、所要の配置線5に沿って胴縁4を容易に配置させて取り付けることができ、よって、この点においても、タイルパネル3を外壁パネル2に確実に固定することができる。
【0010】
前記外壁パネル2とは、例えば、1階の壁パネル11や2階の壁パネル等が挙げられる。
【0011】
前記横目地6のピッチBは、水平モジュール(1モジュール=151mm)に沿って形成されており、1/2モジュールに設定されている。
このモジュールとは、建築のあらゆる部分を一定の大きさの倍数関係に整えようとするときの基準になる寸法のことを指す。
このように、横目地6のピッチBを1/2モジュールに設定することによって、例えば、開口部のある外壁パネル2にタイルパネル3を取り付ける場合に、開口部もモジュールに沿って形成されているので、開口部の縁とタイルパネル3の横目地6の位置とが一致することになる。
【0012】
請求項2の発明は、例えば、図1に示すように、請求項1記載の防水透湿シート1において、
表面に、前記配置線5に対応した印S(例えば、番号1〜36)が記載されていることを特徴とする。
【0013】
請求項2の発明によれば、表面に、前記配置線5に対応した印Sが記載されているので、胴縁4を配置すべき配置線5の印S(番号1〜36)から所要の印Sを指定することにより、誤った配置線5に胴縁4を取り付けることなく、所要の配置線5に胴縁4をスムーズに取り付けることができる。
【0014】
前記印Sとしては、例えば、番号1〜36やアルファベット等が挙げられる。
【0015】
請求項3の発明は、例えば、図1および図2に示すように、請求項1または2記載の防水透湿シート1において、
表面に外壁パネル2の下端位置2bを示す下端位置線10が記載されていることを特徴とする。
【0016】
請求項3の発明によれば、表面に外壁パネル2の下端位置2bを示す下端位置線10が記載されているので、前記下端位置線10を外壁パネル2の下端位置2bに合わせて取り付けることによって、外壁パネル2に対する防水透湿シート1の位置決めを容易に行い、取付作業をスムーズに行うことができる。
また、常に、外壁パネル2の一定の場所に配置線5が位置するようになり、所要の配置線5に沿って胴縁4を取り付け、さらにタイルパネル3を取り付けることによって、胴縁4やタイルパネル3も一定の場所に位置することになる。したがって、複数の外壁パネル2に取り付ける場合でも、容易に一定の場所にタイルパネル3を位置させることができ、よって、外壁パネル2全体としての見栄えが良くなる。
【0017】
請求項4の発明は、例えば、図1および図2に示すように、請求項3記載の防水透湿シート1において、
前記下端位置線10は、1階の壁パネル11の下端位置11aを示す1階下端位置線12と、2階の壁パネルの下端位置を示す2階下端位置線13とを備えていることを特徴とする。
【0018】
請求項4の発明によれば、前記下端位置線10は、1階下端位置線11と2階下端位置線13とを備えているので、1階の壁パネル11に取り付ける場合には、前記1階下端位置線12を1階の壁パネル11の下端位置11aに合わせて取り付け、2階の壁パネルに取り付ける場合には、前記2階下端位置線13を2階の壁パネルの下端位置に合わせて取り付けることによって、1階の壁パネル11や2階の壁パネルに対する防水透湿シート1の位置決めを容易に行い、取付作業をそれぞれスムーズに行うことができる。
また、常に、1階の壁パネル11や2階の壁パネルの一定の場所にそれぞれ配置線5が位置するようになり、この配置線5に沿って胴縁4を取り付け、さらにタイルパネル3を取り付けることによって、胴縁4やタイルパネル3も一定の場所に位置することになる。したがって、複数の1階の壁パネル11や2階の壁パネルに取り付ける場合でも、容易に一定の場所にタイルパネル3を位置させることができ、よって、1階の壁パネル11や2階の壁パネル全体としての見栄えが良くなる。
【0019】
請求項4のように、前記下端位置線10が1階下端位置線12と2階下端位置線13とを備えている防水透湿シート1を使用する場合は、例えば、予め工場等で外壁パネル2に、防水透湿シート1を取り付けて防水透湿シート付きの外壁パネルとしておき、現場でこの防水透湿シート付きの外壁パネルの防水透湿シート1上から、胴縁4やタイルパネル3を取り付ける場合である。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施の形態を示す防水透湿シートの表面図、図2および図3は、1階の壁パネルにおける防水透湿シートの取付構造を示す側断面図である。
図1および図2に示すように、本発明の防水透湿シート1は、外壁パネル2の外壁面2aに取り付けられて、表面にタイルパネル3を固定するための胴縁4が配置されるものである。
【0024】
前記タイルパネル3は、矩形状の基板3aと、この基板3aの表面に取り付けられた複数のタイル3bとを備えており、前記タイル3b,3b間には縦目地(図示しない)と横目地6が設けられているものである。
前記防水透湿シート1は、その表面に、胴縁4を配置可能な配置位置を示す配置線5が、上下に一定ピッチAで記載されており、このピッチAは前記タイルパネル3の横目地6のピッチBと等しくなっている。つまり、ピッチAおよびピッチBは、75.8mmとされている。
【0025】
前記配置線5は、図1に示すように、75.8mm間隔で防水透湿シート1に破線で記載された第1配置線7と、455mm間隔で防水透湿シート1に実線で記載された第2配置線8とを備えている。
また、防水透湿シート1の表面には、前記配置線5に対応した印Sである番号が1〜36まで記載されている。
そして、第1配置線7や第2配置線8に、胴縁4の上端4aが沿うようにして、防水透湿シート1上に胴縁4が配置されるようになっている。
【0026】
なお、基本的には、実線で記載された第2配置線8に胴縁4が配置されるようになっているが、後述するように、2階の壁パネルの最上段に配置される最上段胴縁4を取り付ける場合や、開口部が設けられた壁パネル等に胴縁4を取り付ける場合等は、第2配置線8に限らず所要の番号が記載された第1配置線7に配置される。また、最上段胴縁4が2つの配置線5の間に位置している場合には、近い方の配置線5に、その上端4aまたは下端が沿うようにして配置される。
【0027】
さらに、防水透湿シート1には、外壁パネル2の下端位置2bを示す下端位置線10が記載されている。
前記下端位置線10は、1階の壁パネル11の下端位置11aを示す1階下端位置線12と、2階の壁パネルの下端位置を示す2階下端位置線13とを備えている。
前記1階下端位置線12は、防水透湿シート1の下端部1bから69mm上方の位置に記載されており、前記2階下端位置線13は、防水透湿シート1の下端部1bから310mm上方の位置に記載されている。
【0028】
そして、1階下端位置線12を1階の壁パネル11の下端位置11aに合わせて防水透湿シート1を取り付けた場合は、1階の壁パネル12の下端位置11aから69mm防水透湿シート1がはみ出し、このはみ出した部分の防水透湿シート1は、1階の床パネル14および半土台15の外面に位置するようになっている。
【0029】
また、2階下端位置線13を2階の壁パネルの下端位置に合わせて防水透湿シート1を取り付けた場合は、2階の壁パネルの下端位置から310mm防水透湿シート1がはみ出し、このはみ出した部分の防水透湿シート1は、2階の床パネルおよび胴差の外面、すなわち幕板の外面に位置するようになっている。
このように、1階下端位置線12と防水透湿シート1の下端部1bとの間の距離が、2階下端位置線13と防水透湿シート1の下端部1bとの間の距離よりも短くなっているのは、1階の半土台15の厚さが、2階の胴差の厚さよりも短くなっているためである。
【0030】
なお、このような1階下端位置線12と2階下端位置線13とを、それぞれ1階の壁パネル11の下端位置11aや2階の壁パネルの下端位置に合わせて防水透湿シート1を取り付ける場合は、予め、工場等で1階の壁パネル11や2階の壁パネルに、この防水透湿シート1を取り付けて、防水透湿シート付きの壁パネルとしたうえで、現場でこの防水透湿シート付き壁パネルを基礎17上に設置し、その後、防水透湿シート1上から1階の壁パネル11や2階の壁パネルに胴縁4やタイルパネル3を取り付ける場合である。
【0031】
また、前記1階下端位置線12の上部には、寒冷地で使用される寒冷地用1階下端位置線12aが記載されている。
【0032】
さらに、前記防水透湿シート1の表面には、1階の壁パネル11の下端位置11aと、2階の壁パネルの下端位置とを共通位置として示す共通位置線16である下端位置線10が記載されている。
前記共通位置線16は、防水透湿シート1の下端部1bから220mm上方の位置に記載されている。
すなわち、前記共通位置線16を、1階の壁パネル11の下端位置11aや2階の壁パネルの下端位置に合わせて防水透湿シート1をそれぞれの壁パネル11に取り付けた場合は、1階の壁パネル11の下端位置11aや2階の壁パネルの下端位置から220mm防水透湿シート1がはみ出し、このはみ出した部分の防水透湿シート1は、1階の床パネル14および半土台15の外面や2階の床パネルおよび胴差の外面に位置するようになっている。
【0033】
なお、この共通位置線16を、それぞれ1階の壁パネル11の下端位置11aや2階の壁パネルの下端位置に合わせて防水透湿シート1を取り付ける場合は、予め、工場等で1階の壁パネル11や2階の壁パネルに、この防水透湿シート1を取り付け、さらに、防水透湿シート1上から1階の壁パネル11や2階の壁パネルに胴縁4やタイルパネル3までを取り付けて、タイルパネル付き壁パネルとしたうえで、このタイルパネル付き壁パネルを現場に運んで基礎17上に設置する場合である。
【0034】
また、破線で記載された前記第1配置線7は、その破線部分7aが、壁パネル11を構成する縦棧材の幅と等しくなっており、この破線部分7aによって、縦棧材の位置や、縦棧材が上下方向において曲がって組みつけられていないかを確認することができる。
つまり、防水透湿シート1が壁パネル11に貼りつけられて、例えば、番号1の第1配置線7の破線部分7aのうちの左から2番目に位置する破線部分7bに縦棧材の上端部の幅が一致している場合に、この左から2番目に位置する破線部分7bに沿って縦棧材が上下方向に配置されていれば、縦棧材が曲がって組みつけられていないことが確認できる。
【0035】
次に、前記防水透湿シート1を外壁パネル2である1階の壁パネル11の外壁面11bや2階の壁パネルの外壁面に取り付けてなる防水透湿シートの取付構造および取付方法についてそれぞれ2通り説明する。
なお、2通りの取付構造および取付方法のうちの1つ目は、前記防水透湿シート1に記載された1階下端位置線12と2階下端位置線13とを使用して、防水透湿シート1が取り付けられる場合であり、2つ目は、防水透湿シート1に記載された共通位置線16を使用して、防水透湿シート1が取り付けられる場合である。
【0036】
まず、1つ目の防水透湿シート1に記載された1階下端位置線12と2階下端位置線13とを使用して防水透湿シート1が取り付けられる取付構造について説明する。
図2に示すように、基礎17上に台輪18が設置されて、該台輪18のうちの内側半分に1階の床パネル14が設置されて、外側半分に半土台15が設置されている。そして、1階の床パネル14および半土台15の上面に1階の壁パネル11が設置されている。
【0037】
前記1階の壁パネル11は、框材を矩形状に組み立てるとともにこの矩形枠の内部に補強用の棧材を縦横に組み付けて枠体を構成し、この枠体の一方の面に合板などの面材が設けられてなるものである。
【0038】
前記1階の壁パネル11の外壁面11bには、防水透湿シート1が接着剤やタッカーによって取り付けられている。すなわち、1階の壁パネル11の下端位置11aに防水透湿シート1の1階下端位置線12を合わせることによって取り付けられている。
そして、1階下端位置線12から下方の防水透湿シート1が69mmはみ出しており、このはみ出した部分の防水透湿シート1が1階の床パネル14や半土台15の外面に位置している。
【0039】
また、この防水透湿シート1の上面には、防水透湿シート1の第2配置線8に胴縁4の上端4aが沿うようにして、複数の胴縁4が配置されており、これらの胴縁4は、1階の壁パネル11を構成する棧材上に位置している(図1参照)。
なお、図1では、複数の第2配置線8のうちの1つの第2配置線8のみに胴縁4が配置されているが、実際には、例えば、第2配置線8の番号6,12,18,24,30に配置されている。このように、基本的に、胴縁4は第2配置線8に配置されているが、第2配置線8のみに限らず、所要の番号の第1配置線7に配置されていても良く、適宜配置されている。
【0040】
前記胴縁4の上面にはタイルパネル3が取り付けられており、このタイルパネル3は、横目地6から該横目地6の裏面に位置する胴縁4に向けて釘19が打ち込まれることによって固定されている。
このようにして胴縁4に固定されているタイルパネル3は、1階の壁パネル11の下端位置11aから下方に86mmはみ出している。すなわち、1階の壁パネル11の下端位置11aからはみ出した部分は、タイルパネル3が86mmであり、防水透湿シート1は69mmであるので、はみ出した部分の防水透湿シート1はタイルパネル3に隠されて外側からは見えないようになっている。
前記防水透湿シート1の下端部1bと半土台15の外面との間には、水切り20が取り付けられている。
【0041】
一方、2階の壁パネルの外壁面に、防水透湿シート1が取り付けられている場合は、図示しないが、1階の壁パネル11の外壁面11bに、防水透湿シート1が取り付けられている場合とほぼ同様にして取り付けられている。
すなわち、2階の壁パネルの下端位置に防水透湿シート1の2階下端位置線13を合わせることによって取り付けられている。そして、2階下端位置線13から下方の防水透湿シート1が310mmはみ出しており、このはみ出した部分の防水透湿シート1が2階の床パネルや胴差の外面に位置している。
【0042】
また、この防水透湿シート1の表面には、該防水透湿シート1の第2配置線8に胴縁4の上端4aが沿うようにして、複数の胴縁4が配置されており、これらの胴縁4は、2階の壁パネルを構成する棧材上に位置している(図1参照)。
【0043】
なお、図1では、複数の第2配置線8のうちの1つの第2配置線8のみに胴縁4が配置されているが、実際には、例えば、第2配置線8の番号6,12,18,24,30に配置されており、また、防水透湿シート1に配置される胴縁4のうちの、最上段に位置する最上段胴縁4は、第2配置線8のみに限らず、軒先の位置に対応した位置の所要の番号が記載された第1配置線7に配置されている。
また、ここで、最上段胴縁4が、防水透湿シート1の2つの配置線5の間に位置している場合には、近い方の配置線5に上端4aまたは下端が沿うようにして配置されている。
【0044】
前記胴縁4の上面にはタイルパネル3が取り付けられており、このタイルパネル3は、横目地6から該横目地6の裏面に位置する胴縁4に向けて釘19が打ち込まれることによって固定されている。
また、このようにして胴縁4に固定されているタイルパネル3は、2階の壁パネルの下端位置から下方にはみ出しており、2階の壁パネルからはみ出した防水透湿シート1は、このタイルパネル3のはみ出した部分によって隠されて外側からは見えないようになっている。
前記防水透湿シート1の下端部1bと胴差の外面との間には、水切り20が取り付けられている。
【0045】
次に、前記防水透湿シート1を外壁パネル2である1階の壁パネル11の外壁面11aに取り付ける防水透湿シート1の取付方法について説明する。
まず、予め工場等で、1階の壁パネル11の下端位置11aに防水透湿シート1の1階下端位置線12が合うようにして、接着剤やタッカーにより防水透湿シート1を1階の壁パネル11に取り付けておく。そして、この防水透湿シート1が取り付けられた1階の壁パネル11を現場に運んで、基礎17上の床パネル14および半土台15の上端に設置する。
【0046】
次いで、防水透湿シート1に記載された番号1〜36のうち、指示された番号が記載された第1配置線7に胴縁4の上端4aを合わせて、複数の胴縁4を配置していく。その後、胴縁4にタイルパネル3を取り付ける。この際に、タイルパネル3の横目地6の裏面には胴縁4が配置されているので、タイルパネル3の横目地6から胴縁4に向けて釘19を打ち込むことによって、タイルパネル3を1階の壁パネル11に取り付ける。
そして、防水透湿シート1の下端部1bで、該防水透湿シート1と1階の壁パネル11との間に水切り20を設置する。
【0047】
なお、前記防水透湿シート1を2階の壁パネルの外壁面に取り付ける防水透湿シート1の取付方法については、上述した1階の壁パネル11の場合の取付方法とほぼ同様のため、その説明を省略する。
【0048】
次に、2つ目の防水透湿シート1に記載された共通位置線16を使用して、防水透湿シート1が取り付けられる場合の取付構造について説明する。
図3に示すように、基礎17上に台輪18が設置されて、該台輪18のうちの内側半分に1階の床パネル14が設置されて、外側半分に半土台15が設置されている。そして、1階の床パネル14および半土台15の上面に1階の壁パネル11が設置されている。
【0049】
前記1階の壁パネル11の外壁面11bには、防水透湿シート1が接着剤やタッカーによって取り付けられている。すなわち、1階の壁パネル11の下端位置11aに防水透湿シート1の共通位置線16を合わせることによって取り付けられている。そして、共通位置線16から下方の防水透湿シート1が220mmはみ出しており、このはみ出した部分の防水透湿シート1が1階の床パネル14や半土台15の外面に位置している。
【0050】
また、この防水透湿シート1の上面には、該防水透湿シート1の第2配置線8に胴縁4の上端4aが沿うようにして、複数の胴縁4が配置されており、これらの胴縁4は、1階の壁パネル11を構成する棧材上に位置している(図1参照)。
なお、図1では、複数の第2配置線8のうちの1つの第2配置線8のみに胴縁4が配置されているが、実際には、例えば、第2配置線8の番号6,12,18,24,30に配置されている。このように、基本的に、胴縁4は第2配置線8に配置されているが、第2配置線8のみに限らず、所要の番号の第1配置線7に配置されていても良く、適宜配置されている。
【0051】
前記胴縁4の上面にはタイルパネル3が取り付けられており、このタイルパネル3は、横目地6から該横目地6の裏面に位置する胴縁4に向けて釘19が打ち込まれることによって固定されている。
また、このようにして胴縁4に固定されているタイルパネル3は、1階の壁パネル11の下端位置11aから下方に74mmはみ出している。すなわち、1階の壁パネル11の下端位置11aからはみ出した部分は、タイルパネル3が74mmであり、防水透湿シート1は220mmであり、防水透湿シート1はタイルパネル3からはみ出して外側から見えるが、防水透湿シート1の下端部1bと半土台15の外面との間に水切り20が取り付けられた後に、このはみ出した部分の防水透湿シート1が切断されるので、防水透湿シート1は外側から見えなくなる。
【0052】
なお、前記防水透湿シート1が2階の壁パネルの外壁面に取り付けられてなる防水透湿シート1の取付構造については、上述した1階の壁パネル11の場合の取付構造とほぼ同様のため、その説明を省略する。
【0053】
次に、前記防水透湿シート1を外壁パネル2である1階の壁パネル11の外壁面11bに取り付ける防水透湿シート1の取付方法について説明する。
まず、予め工場等で、1階の壁パネル11の下端位置11aに、防水透湿シート1の共通位置線16が合うようにして防水透湿シート1を1階の壁パネル11に取り付けておく。
【0054】
次いで、防水透湿シート1に記載された番号1〜36のうち、指示された番号が記載された第2配置線8に胴縁4の上端4aを合わせて、複数の胴縁4を配置していく。その後、胴縁4にタイルパネル3を取り付ける。この際に、タイルパネル3の横目地6の裏面には胴縁4が配置されているので、タイルパネル3の横目地6から胴縁4に向けて釘19を打ち込むことによって、タイルパネル3を1階の壁パネル11に取り付ける。
【0055】
その後、このようにしてタイルパネル付きの壁パネルを現場に運んで、基礎17上の床パネル14および半土台15の上端に設置する。
そして、防水透湿シート1の下端部1bで、該防水透湿シート1と1階の壁パネル11との間に、水切り20を設置し、上述したようにタイルパネル3からはみ出した防水透湿シート1の下端部1bを切断する。
【0056】
なお、前記防水透湿シート1を2階の壁パネルの外壁面に取り付ける防水透湿シート1の取付方法については、上述した1階の壁パネル11の場合の取付方法とほぼ同様のため、その説明を省略する。
【0057】
本発明の実施の形態によれば、表面に、胴縁4を配置可能な配置位置を示す配置線5が、上下に一定ピッチAで記載されており、このピッチAは、タイルパネル3の横目地6のピッチBと等しくなっているので、所要の配置線5に沿って胴縁4を配置することにより、この胴縁4はタイルパネル3の横目地6の裏面に容易に配置されることになる。
したがって、横目地6から釘19等を打ち込むことにより、タイルパネル3を外壁パネル2に確実に固定することができる。
【0058】
また、配置線5が上下に一定ピッチAで記載されているので、従来と異なり、単純で見やすく、所要の配置線5に沿って胴縁4を容易に配置させて取り付けることができる。
【0059】
表面に、前記配置線5に対応した番号1〜36が記載されているので、胴縁4を配置すべき配置線5の番号1〜36から所要の番号を指定することにより、胴縁4を間違うことなくスムーズに取り付けることができる。
【0060】
前記下端位置線10は、1階下端位置線11と2階下端位置線13とを備えているので、1階の壁パネル11や2階の壁パネルに対する防水透湿シート1の位置決めを容易に行い、取付作業をスムーズに行うことができる。
【0061】
前記共通位置線16は、1階の壁パネル11の下端位置11aと2階の壁パネルの下端位置とに共用して使用することができ、また、1階の壁パネル11や2階の壁パネルに対する防水透湿シート1の位置決めを容易に行い、取付作業をスムーズに行うことができる。
【0062】
また、常に、1階の壁パネル11や2階の壁パネルの一定の場所に配置線5や胴縁4,タイルパネル3が位置するようになり、よって、1階の壁パネル11や2階の壁パネル全体としての見栄えが良くなる。
【0063】
さらに、前記1階下端位置線12と2階下端位置線13と共通位置線16とを備えているので、予め工場等で外壁パネル2に防水透湿シート1までを取り付けて防水透湿シート付き外壁パネルとする場合と、予め工場等で外壁パネル2に防水透湿シート1、胴縁4、タイルパネル3を取り付けてタイルパネル付き外壁パネルとする場合との両方の場合において、この防水透湿シート1を使用することができ、兼用することができるので、コストの削減につながる。
【0064】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、所要の配置線に沿って胴縁を配置させることにより、この胴縁はタイルパネルの横目地の裏面に容易に配置されることになる。したがって、横目地から釘等を打ち込むことによりタイルパネルを外壁パネルに確実に固定することができる。
また、前記配置線が上下に一定ピッチで記載されているので、単純で見やすく、所要の配置線に沿って胴縁を容易に配置させて取り付けることができる。
【0065】
請求項2の発明によれば、請求項1と同様の効果を得ることができるのは勿論のこと、胴縁を配置すべき配置線の印から所要の印を指定することにより、所要の配置線に胴縁をスムーズに取り付けることができる。
【0066】
請求項3の発明によれば、請求項1または2と同様の効果を得ることができるのは勿論のこと、外壁パネルに対する防水透湿シートの位置決めを容易に行い、取付作業をスムーズに行うことができる。
また、常に、外壁パネルの一定の場所に配置線や胴縁、タイルパネルが位置することによって、外壁パネル全体としての見栄えが良くなる。
【0067】
請求項4の発明によれば、請求項3と同様の効果を得ることができるのは勿論のこと、1階の壁パネルや2階の壁パネルに対する防水透湿シートの位置決めを容易に行い、取付作業をスムーズに行うことができる。
また、常に、1階の壁パネルや2階の壁パネルの一定の場所に配置線や胴縁、タイルパネルが位置することによって、1階の壁パネルや2階の壁パネル全体としての見栄えが良くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示すためのもので、防水透湿シートの表面図である。
【図2】同、1階の壁パネルにおける防水透湿シートの取付構造を示す側断面図である。
【図3】同、1階の壁パネルにおける防水透湿シートの取付構造を示す側断面図である。
【図4】従来の防水透湿シートの表面図である。
【符号の説明】
1 防水透湿シート
2 外壁パネル
2a 外壁面
2b 下端位置
3 タイルパネル
4 胴縁
5 配置線
6 横目地
10 下端位置線
11 1階の壁パネル
12 1階下端位置線
13 2階下端位置線
A,B ピッチ
S 印
Claims (4)
- 外壁パネルの外壁面に取り付けられて、表面にタイルパネルを固定するための胴縁が配置される防水透湿シートであって、
表面に、前記胴縁を配置可能な配置位置を示す配置線が、上下に一定ピッチで記載されており、
このピッチは、前記タイルパネルの横目地のピッチと等しくなっていることを特徴とする防水透湿シート。 - 請求項1記載の防水透湿シートにおいて、
表面に、前記配置線に対応した印が記載されていることを特徴とする防水透湿シート。 - 請求項1または2記載の防水透湿シートにおいて、
表面に外壁パネルの下端位置を示す下端位置線が記載されていることを特徴とする防水透湿シート。 - 請求項3記載の防水透湿シートにおいて、
前記下端位置線は、1階の壁パネルの下端位置を示す1階下端位置線と、2階の壁パネルの下端位置を示す2階下端位置線とを備えていることを特徴とする防水透湿シート。
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