JP3002421U - タイル組み込みパネル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 一般建築物の外壁や内壁などの表面に、タイ
ルを貼る作業において、熟練した技術を必要とせず簡単
に製作でき、しかも、工場で予め製作が可能なタイル組
み込みパネルを提供する。 【構成】 上下端縁が表面側に折り返された金属製の支
持板２ｂと、該支持板全面に所定間隔に設けられた金属
製の複数個の支持爪２ａと、前記金属製の支持板全面に
支持爪および接着剤により固定された複数個のタイル４
と、各タイルと金属製の支持板との間および各タイル間
に充填された目地モルタル５とからなるタイル組み込み
パネル６である。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、主として一般建築物の外壁や内壁などの表面の美観を高めるために 用いるタイル組み込みパネルに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、一般建築物の外壁や内壁などの表面に、その美観を高めるために、タイ ルなどをモルタル貼りしていた。 この技術は、例えば、外壁や内壁などの表面に、まず、セメントモルタルなど を壁に５〜15mm塗布しながらタイルを１枚１枚壁に貼りつけた後、タイルの間を モルタルで埋めるなどの手作業や、セメントモルタルなどを壁に５〜15mm塗布し た後、フイルムや紙に貼ったタイルシートを壁に貼りつけた後、フイルムや紙を 取り除き、タイルの目地にモルタルを充填するなどの手作業が主であった。

【０００３】 また、壁の高い場所では、一々足場を組みながら、作業をせざるを得ず、工期 上かなりの日数を要した。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、このタイル貼りは手作業で現場において施工されており、かな りの熟練を要するとともに、足場を組むなどの余計な作業もあり、多くの工数が 必要であった。 また、タイルを貼りあわせた後も、モルタルの硬化養生期間を必要とし、工期 が長く、多くの工数を必要とするため、かなりのタイル施工費用を要した。

【０００５】 本考案は、前記課題を解決したタイル組み込みパネルを提供することを目的と する。

【０００６】

【課題を解決するための手段】 本考案は、一般建築物の外壁や内壁などの表面に組み建てられるパネルであっ て、上下端縁が表面側に折り返された金属製の支持板と、該支持板全面に所定間 隔に設けられた金属製の複数個の支持爪と、前記金属製の支持板に支持爪および 接着剤により固定された複数個のタイルと、各タイルと金属製の支持板との間お よび各タイル間に充填された目地モルタル又は目地コーキングとからなり、隣接 する各タイル間に、前記金属製の支持爪が少なくとも１個以上取付けられてある ことを特徴とするタイル組み込みパネルである。

【０００７】

【作 用】

本考案によれば、上下端縁が表面側に折り返された金属製の支持板表面に、タ イルを支持爪および接着剤により固定し、各タイル間をモルタル又はコーキング で充填して支持板に接着したので、この支持板が１枚のタイル組み込みパネルと なり、壁面などに取付けが容易となる。

【０００８】

【実施例】

以下に本考案の１実施例について、図面を参照して説明する。 図３は本考案の実施例における支持板とタイルの支持爪を示す平面図であり、 図４は図３におけるタイルを固定する支持爪の部分Ａの拡大斜視図である。 まず、厚み0.5mm 、縦290mm ×横948mm の亜鉛メッキ鋼板を用い、上下端部を ５mm表面側に折り返して縦内寸法（Ｗ）280mm ×横（Ｌ）948mm の支持板１とし た。

【０００９】 その支持板１の表面側に、高さ５mmで幅9mm の支持爪２を打ち抜きプレス加工 により形成させた。 支持爪２の形成箇所は、タイルの形状寸法およびタイルの積み方によって色々 異なるが、本実施例においては、タイル３の形状寸法を縦60mm×横227mm 、厚み 15.5mmとし、千鳥様式（上下の各タイルの縦目地が真っ直ぐに通らない様式）に タイルを積むこととした。

【００１０】 すなわち、タイルの幅方向を固定する支持爪２ａは縦方向に、タイルの長手方 向を固定する支持爪２ｂは横方向に、それぞれ図３に示す位置に支持爪２ａおよ び２ｂを支持板１の打ち抜きプレス加工により図４に示す形状に形成した。 本実施例での支持爪２ａおよび２ｂの縦方向の取付けピッチＰwa、Ｐwbはそれ ぞれ70mmとし、支持爪２ａの横方向の取付けピッチＰ_Laは118.5mm 、支持爪２ｂ の横方向の取付けピッチＰ_Lbは237.0mm とした。

【００１１】 なお、支持爪２はこの形状に限定することなくスタッド溶接などで代替しても 支障はない。 図１は本考案の実施例におけるタイル組み込みパネルを示す平面図であり、図 ２はそのＡ−Ａ矢視側面図である。 この支持爪２を設けた支持板１の表面に２液混合・常温硬化タイプの接着剤３ を塗布し、タイル４を支持板１の表面の各支持爪２の間に接着固定した後、各タ イル４の目地に8.5mm 厚の目地モルタル５を充填してタイル組み込みパネル６を 作製した。

【００１２】 タイル４は千鳥様式で積むので、下から数えて２、４段目は両端ともれんが半 枚分をあけて置いた。これは、本タイル組み込みパネル６の両隣に、同形状のパ ネル６をセットした後、２、４段目の両端の空隙にタイル４をはめ込み、パネル をつなぎ一体の壁を形成するためのものである。 このように、隣接するタイル間には支持爪２ａ、２ｂのいずれかを必ず存在さ せるので、タイル貼りの位置ぎめなど何ら熟練した技術を必要とせず、簡単に製 作が可能であり、壁面形成後におけるタイルの保存効果が発揮される。

【００１３】 なお、このタイル組み込みパネル６は、予め工場において作製することが、可 能であり、工場で作製したタイル組み込みパネル６を随時、建築現場へ搬送して 使用することが可能である。 建築現場において、このタイル組み込みパネル６は、釘やボルトなどで外壁や 内壁に簡単に取付けられ、各パネル６をつぎあわせ、その支持板１の隙間につな ぎのタイル４を接着剤３で貼り、目地モルタル５をその目地に充填することによ り、一体の壁が速やかに形成でき、しかも美的な外装や内装を得ることが可能で ある。

【００１４】 なお、本考案は、タイルの他にれんが、セメント化粧人工板および化粧石板な どを使用することも可能である。

【００１５】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案のタイル組み込みパネルによれば、その製作に何 ら熟練した技術を必要とせず簡単に製作でき、しかも、工場で予め製作が可能で あり、建築現場においても、その取付けは簡単で工数の節減ができ、建築工期が 大幅に短縮でき、建築費用も大きく削減できる。

【００１６】 また、タイル組み込みパネルのタイルは、接着剤および支持爪により確実に保 持・固定されるので、長期にわたってタイル組み込みパネルの形状の維持が可能 となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】タイル組み込みパネルを示す平面図である。

【図２】タイル組み込みパネルを示す側面図である。

【図３】支持板にタイルの支持爪を取付けた位置を示す
平面図である。

【図４】図３におけるＡ部分を示す拡大斜視図である。

【符号の説明】

１ 支持板 ２ 支持爪 ３ 接着剤 ４ タイル ５ 目地モルタル ６ タイル組み込みパネル

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 一般建築物の外壁や内壁などの表面に組
   み建てられるパネルであって、上下端縁が表面側に折り
   返された金属製の支持板と、該支持板全面に所定間隔に
   設けられた金属製の複数個の支持爪と、前記金属製の支
   持板に支持爪および接着剤により固定された複数個のタ
   イルと、各タイルと金属製の支持板との間および各タイ
   ル間に充填された目地モルタル又は目地コーキングとか
   らなり、隣接する各タイル間に、前記金属製の支持爪が
   少なくとも１個以上取付けられてあることを特徴とする
   タイル組み込みパネル。