JP4663864B2 - プリント回路基板の印刷方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、所要箇所に電子部品を実装して電子機器の回路構成に用いられるプリント回路基板の製造に際して、被印刷基材に配線パターンを印刷する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、プリント回路基板には、電子機器のコンパクト化に伴って配線パターンの高密度化および高集積化が要求されており、小型で高性能化を実現するために片面配線から両面配線に、さらに多層化が促進されている。このプリント回路基板は、一般に、熱硬化性樹脂を紙、合成繊維布、ガラス布およびガラス不織布などの基材に塗布含浸および乾燥させたものを積み重ねたのちにプレス加工して作製される積層板からなる被印刷基材に、主としてスキージなどの印刷ヘッドを用いた印刷工程によって配線パターンや層間接続用ビアホールを形成して製造されている。印刷工程においては、印刷ヘッドの硬度、傾斜角度、印圧および移動速度などの極めて多くの条件設定があり、僅かな条件設定の差が品質に影響を与えるため、製造現場での経験に基づいて条件設定の調整を行い、工程歩留りの向上を図っている。
【0003】
つぎに、従来のプリント回路基板の製造工程における配線パターンの一般的な印刷方法について、その印刷工程を模式的に示した図7の断面図を参照しながら説明する。被印刷基材1は印刷用ステージ2上にセットされ、被印刷基材1の上方には、僅かな間隙を存してスクリーンマスク3が配置される。スクリーンマスク3はスクリーン枠4に張り付けられており、そのスクリーンマスク3上には印刷用ペースト7が供給される。例えばスキージからなる印刷ヘッド8は、印刷用ペースト7をスクリーンマスク3に塗り付ける状態でスクリーンマスク3の配線パターンを形成するための配線用開口部3aを通じ被印刷基材1上に付着させる。この印刷ヘッド8は上下方向および図示矢印で示す印刷方向にそれぞれ移動可能に設けられている。
【0004】
上記印刷工程では、印刷用ステージ2上の所定位置に被印刷基材1がセットされる一方、スクリーンマスク3上に印刷用ペースト7が供給され、続いて、印刷用ステージ2が移動してこれにセットされている被印刷基材1をスクリーンマスク3に対しこれの下方で平行な配置で相対向するよう位置決めする。そののち、スクリーンマスク3は下降されて被印刷基材1に対し所定の間隔に位置決めされる。
【0005】
つぎに、スクリーンマスク3は、下降された印刷ヘッド8によって下方に押し下げられて、被印刷基材1に軽く接触される。印刷ヘッド8は、上記高さ位置を保持したまま印刷方向に掃引されていく。これにより、スクリーンマスク3上の印刷用ペースト7は、印刷ヘッド8によってスクリーンマスク3に塗り付けられながら移動されていき、弾性を有するスクリーンマスク3は印刷ヘッド8が通過した直後に自身の復元力で被印刷基材1から元の位置に復帰する。そのときに、印刷用ペースト7はスクリーンマスク3の配線用開口部3aから被印刷基材1上に付着されて、被印刷基材1上に配線パターンが印刷形成される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記印刷工程では、スクリーンマスク3を印刷ヘッド8の押圧力で被印刷基材1に押し付けて、スクリーンマスク3の配線用開口部3aを通じ印刷用ペースト7を被印刷基材1上に付着させることによって配線パターン9を印刷形成しているので、配線パターン9の厚みは、必然的にスクリーンマスク3の厚みよりも僅かに大きい程度にしかならない。これに対し、例えば、電子部品の小型化に対応した微小な接続用ランドを形成する場合には、これを形成するためのスクリーンマスク3の配線用開口部3aの孔形状が極めて小さくなるので、印刷用ペースト7を被印刷基材1上に円滑に供給するのが困難となる。その結果、極めて小さな孔形状の配線用開口部3aに充填された印刷用ペースト7はその一部が配線用開口部3a内に残留してしまい、この不足した量の印刷用ペースト7で印刷された微小な接続用ランドは、厚みが不十分であったり、形状に欠けが生じたりするので、この接続用ランドに実装された電子部品の脱落などの不具合を引き起こし、電子部品実装回路基板の歩留りが低下する。
【0007】
一方、配線パターンは、近年の電子機器のコンパクト化に伴って高密度が要求されているが、その高密度化を図るためには配線の幅を小さくする必要がある。しかし、従来の印刷工程では上述したように大きな厚みを有する配線を形成するのが困難であるから、そのような状況下において配線の幅を小さくした場合には、配線の幅と厚みで決定される電流容量が小さくなってしまうという新たな問題が発生する。したがって、従来の印刷工程では、配線の厚みを大きくできないことから、配線の幅を小さくすることもできず、これが配線パターンの高密度化を阻害する要因になっている。
【0008】
そこで、上述の不具合を解消するために、スクリーンマスク3の厚みを大きくすることによって配線用開口部3a内の容積も大きくし、厚みの大きな配線を施すことが考えられる。ところが、そのようにした場合には、比較的大型の電子部品用の接続用ランドの形成などには好都合であるが、微細な配線パターンや微小な接続用ランドを形成する場合には、その配線パターンを形成するための配線用開口部3aが、スクリーンマスク3の厚みが大きくなるのに伴ってスクリーンマスク3の厚み方向に長細い断面形状となり、印刷用ペースト7の被印刷基材1へのスムーズな供給が困難となる。すなわち、厚みの大きなスクリーンマスク3では微細な配線パターンや微小な接続用ランドを形成することができない。
【0009】
一方、大型の電子部品のみの接続用ランドを形成するための配線用開口部3aを有する比較的厚みの大きなスクリーンマスク3と、微細な配線パターンと微小な接続用ランドとを形成するための配線用開口部3aを有する比較的厚みの小さなスクリーンマスク3との2種類を用意することも考えられる。しかし、そのようにした場合には、スクリーンマスク3の個数と印刷工程が共に増えるので、製造コストの増大を招く。
【0010】
また、従来では、上述のような不具合の対策の一つとして、上記印刷工程に先立って、被印刷基材1におけるスクリーンマスク3で配線パターンを形成すべき箇所に、めっき加工を施して予め一定量の印刷用ペースト7を供給したのちに、その印刷用ペーストの付着箇所にスクリーンマスク3を用いて不足分の印刷用ペースト7を供給したり、逆に被印刷基材1にスクリーンマスク3を用いて印刷用ペースト7による配線パターン9の印刷を行ったのちに、その配線パターン上に不足分の印刷用ペーストを供給したりして対応している。ところが、このような手段では、印刷用ペースト7の印刷工程が増えて製造コストが高くつく。
【0011】
そこで、本発明は、上記従来の課題に鑑みてなされたもので、任意に設定した大きな厚みを有する配線パターンおよび接続用ランドを、製造コストの増大や配線パターンとしての不具合の発生を招くことなしに被印刷基材上に形成することのできるプリント回路基板の印刷方法を提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のプリント回路基板の印刷方法は、配線パターンを形成するための配線用開口部を有するマスクを、被印刷基材に対し平行で且つ所定の間隔で相対向するように一対の支持用スペーサ上に架け渡す状態に載置し、前記マスク上に乗せた印刷物質を、印刷ヘッドにより移動させながら前記配線用開口部を通過させて前記被印刷基材上に付着させることにより、前記被印刷基材上に付着した前記印刷物質によって所定の配線パターンを印刷形成し、前記印刷ヘッドによって前記印刷物質を移動させるとき、前記マスクを前記被印刷基材に接触しない間隔を保持するように前記印刷ヘッドの両端部分が前記マスクを介し一対の支持用スペーサで支持されながら移動すると共に、マスク上に印刷物質の一部を残存させながら前記印刷物質を移動させるようにしたことを特徴としている。
【0013】
このプリント回路基板の印刷方法では、マスクを被印刷基材に対し平行で且つ所定の間隔で相対向するように一対の支持用スペーサ上に架け渡す状態に載置して、マスクを被印刷基材に接触させない間隔を保持するように前記印刷ヘッドの両端部分が前記マスクを介し一対の支持用スペーサで支持されながら移動して印刷物質を被印刷基材に付着させるので、被印刷基材上に印刷形成される配線パターンの厚みが、マスクの厚みとは無関係に、被印刷基材とマスクとの間隔にほぼ一致する。したがって、配線パターンの厚みは、マスクを被印刷基材に対し任意の間隔に可変することによって任意の値に設定することができる。さらに、配線パターンの厚みはマスクの厚みとは無関係に設定できるので、マスクの厚みは可及的に薄くすることができる。これらにより、この印刷方法では、微細な配線パターンや微小な接続用ランドであっても、所要の厚みを有し、且つ欠けなどの無い所定形状に確実に印刷形成することが可能となる。しかも、配線パターンは同一のマスクを用いた1回の印刷工程で形成できるので、製造コストの増大を招かない。また、印刷終了後にマスクを引き上げる際には、印刷済みの配線パターンにおけるマスクの印刷用開口部の開口端孔壁面に接する箇所に剪断応力が集中的に作用するが、この応力集中箇所における配線パターンの粘着力がマスク上に残留する印刷物質の存在によって低下し、それに伴い応力集中箇所の配線パターンの印刷用開口部の開口端孔壁面に対する付着力も低下する。そのため、応力集中箇所における配線パターンには、マスクを引き上げる際の剪断力が格段に低減されて切れが生じないので、印刷済みの配線パターンは、その上端面に凹みなどが生じない上に、マスクの印刷用開口部内に残留する印刷物質の量が減少する分だけ厚みが大きくなる。
【0014】
上記発明において、マスクを、印刷ヘッドによる印刷物質の移動時に被印刷基材に対し所定の間隙を有する相対位置に固定するとともに、前記印刷ヘッドに、前記マスクが撓まない範囲内の押圧力を付与することが好ましい。
【0015】
これにより、マスクと被印刷基材との間隔は、印刷ヘッドによる印刷物質の移動時にもその全体にわたり確実に一定値に保持されるから、配線パターンを、その全体にわたり確実に設定した厚みに形成することができる。
【0017】
さらに、上記発明において、印刷ヘッドが通過した後にマスク上に残存する印刷物質の量を、前記印刷ヘッドの前記マスクに対する角度、前記印刷ヘッドの前記マスクに対する押圧力および前記印刷ヘッドの移動速度の少なくとも一つを制御することによって設定することができる。これにより、印刷ヘッドをマスクに対する角度が小さくなるよう配置して移動方向に向け大きく傾斜させるか、印刷ヘッドのマスクに対する圧力を若干小さく設定するか、印刷ヘッドの移動速度を僅かに遅く設定するかの少なくとも何れかの手段を採用すれば、印刷ヘッドによるマスク上の印刷物質を掻き取る力が低下するから、印刷ヘッドが通過した後のマスク上に少量の印刷物質を残存させることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。図1は本発明の第1の実施の形態に係るプリント回路基板の印刷方法を具現化した印刷工程を模式的に示した概略断面図であり、同図において、図7と同一若しくは同等のものには同一の符号を付して、重複する説明を省略する。この実施の形態に係る印刷工程は図7の印刷工程と同一の構成を用いて行うが、図7の印刷工程と相違するのは、スクリーンマスク3を被印刷基材1に対し任意に設定した間隔dだけ離間させ、且つ印刷ヘッド8の移動の際にも上記間隔dを常に保持しながら印刷用ペースト7をスクリーンマスク3上に付着させて配線パターンを形成する点のみである。
【0023】
図2は上記印刷工程における印刷動作中の状態を模式的に示した概略断面図であり、印刷ヘッド8の移動によって印刷用ペースト7をスクリーンマスク3に塗り付けることにより、スクリーンマスク3の配線パターンを形成するための配線用開口部3aを通過した印刷用ペースト7が被印刷基材1に付着して、被印刷基材1に印刷用ペースト7による配線パターン10が印刷形成される。このとき、印刷ヘッド8はスクリーンマスク3を撓ませない圧力に設定されており、スクリーンマスク3は、印刷ヘッド8の移動による印刷動作時に被印刷基材1に対し常に設定された間隔dを維持する相対位置を保持し続ける。
【0024】
したがって、被印刷基材1上に印刷形成される配線パターン10の厚みは、スクリーンマスク3の厚みとは無関係に、被印刷基材1とスクリーンマスク3との間隔dにほぼ一致する。例えば、スクリーンマスク3の厚みが0.1 mmであって、被印刷基材1とスクリーンマスク3との間隔dが0.5 mmである場合には、配線パターン10が0.5 mmの厚みに形成され、この厚みは、従来の印刷工程により形成される配線パターン9の厚み(スクリーンマスク3の厚みに一致した約0.1 mm)に比較して約5倍となる。
【0025】
また、配線パターン10の厚みは、スクリーンマスク3を被印刷基材1に対し任意の間隔dに可変して固定することと、印刷ヘッド8のスクリーンマスク3に対する圧力を制御することとにより、任意に可変設定することができる。さらに、配線パターン10の厚みはスクリーンマスク3の厚みとは無関係に設定できるので、スクリーンマスク3の厚みは可及的に薄くすることができる。それにより、上記印刷工程では、微細な配線パターンや微小な接続用ランドであっても、所要の厚みを有し、且つ欠けなどの無い所定形状に確実に印刷形成することが可能となる。
【0026】
しかも、上記印刷工程では、配線パターン10の微細化を図る場合、それに伴って配線の幅が小さくなる分だけ配線の厚みを大きく設定することができるから、所要の電流容量を有する微細な配線パターン10を得ることができる。また、上記印刷工程では、スクリーンマスク3の厚みに関係なく配線パターン10の厚みを任意に設定できることから、厚みの小さい単一のスクリーンマスク3を用いた1回の印刷工程を行うことにより、微細な配線パターンと大型電子部品用および小型電子部品用の各接続ランドを同時に印刷形成できるので、製造コストの増大を招くことがない。
【0027】
図3は、本発明の第2の実施の形態に係るプリント回路基板の印刷方法を具現化した印刷工程を模式的に示した概略断面図であり、同図において、図1と同一若しくは同等のものには同一の符号を付して、重複する説明を省略する。この実施の形態の印刷工程は、図1の印刷工程と比較して、同一の構成を用いるとともに、スクリーンマスク3を被印刷基材1に対し任意に設定した間隔dだけ離間させ、且つこの間隔dを常に保持しながら印刷ヘッド8を移動させることによって印刷用ペースト7を被印刷基材1上に付着させて印刷を行う点において同様であるが、印刷ヘッド8がスクリーンマスク3上に印刷用ペースト7を少量残しながらスクリーンマスク3上を移動して印刷を行う点においてのみ相違する。印刷ヘッド8が通過したあとのスクリーンマスク3上に残存する少量の残存ペースト7aは、印刷終了後にスクリーンマスク3を被印刷基材1の上方に引き上げる際に、被印刷基材1に印刷済みの印刷用ペーストつまり配線パターン10のスクリーンマスク3に対する離型性を向上させるものである。
【0028】
この実施の形態の印刷工程では、第1の実施の形態の印刷工程に比較して、印刷ヘッド8を、スクリーンマスク3に対する角度が小さくなるよう配置して、図示矢印で示す移動方向に向け大きく傾斜させるとともに、スクリーンマスク3に対する圧力を若干小さく設定し、且つ移動速度を僅かに遅く設定している。これにより、印刷ヘッド8は、スクリーンマスク3上の印刷用ペースト7を掻き取る力が低下するから、残存ペースト7aを生じさせながらスクリーンマスク3上を移動できる。この残存ペースト7aの厚みは、上述の印刷ヘッド8のスクリーンマスク3に対する角度および圧力と移動速度の設定または制御によって任意に可変調整できる。
【0029】
つぎに、残存ペースト7aの存在による効果について説明する。印刷終了後にスクリーンマスク3を引き上げる場合には、印刷用ペースト7のスクリーンマスク3に対する粘着力によって印刷済みの配線パターン10を変形させる力が作用するが、その配線パターン10の変形は剪断応力が集中する部分から始まる。図4は印刷終了後にスクリーンマスク3を離間させる際の印刷済みの配線パターン10に作用する剪断応力の説明図である。同図において、スクリーンマスク3を引き上げる際には、印刷済みの配線パターン10におけるスクリーンマスク3の配線用開口部3aの開口端孔壁面に接する丸印で囲った箇所に、矢印で示す方向の剪断応力が集中的に作用する。
【0030】
いま仮に、この実施の形態のような残存ペースト7aを設けない場合には、配線パターン10における上記応力集中箇所に切れが生じて、スクリーンマスク3を引き上げた後の配線パターン10の上端面に凹みが発生し、配線パターン10の厚みが上記凹み分だけ減少することになる。これに対し、残存ペースト7aを形成した場合には、上記応力集中箇所における配線パターン10の粘着力が残存ペースト7aの存在によって低下し、それに伴い応力集中箇所の配線パターン10の配線用開口部3aの開口端孔壁面に対する付着力も低下する。そのため、応力集中箇所における配線パターン10には、スクリーンマスク3を引き上げる際の剪断力が格段に低減されて切れが生じないので、印刷済みの配線パターン10は、その上端面に凹みなどが生じない上に、スクリーンマスク3の配線用開口部3a内に残留する印刷用ペースト7の量が減少する分だけ厚みが大きくなる。
【0031】
実測結果によると、0.1 mmの厚みのスクリーンマスク3上に残存ペースト7aを100 μmの厚みに形成した場合には、配線用開口部3a内に残留する印刷用ペースト7の量が、上記と同じ厚みのスクリーンマスク3を用いて従来の印刷工程を実施した場合の印刷用ペースト7の残留量の1/3に減少させることができた。換言すると、この印刷工程では、印刷ヘッド8の条件設定によって残存ペースト7aの厚みを適正値に制御することにより、印刷用ペースト7の被印刷基材1に対する印刷量を制御するときの精度を約3倍に向上させることができる。
【0032】
図5は、上記実施の形態の各印刷方法を実用化するための本発明の一実施の形態に係るプリント回路基板の印刷装置の概略構成を示す切断正面図、図6はその印刷装置の概略構成を示す切断側面図であり、これらの図において、図1ないし図4と同一若しくは同等のものには同一の符号を付してある。印刷用ステージ2上には、これの被印刷基材1の両側面にそれぞれ近接する箇所に、所定厚みを有するレール状の一対の支持用スペーサ11が載置されている。スクリーンマスク3は、その一対の支持用スペーサ11上に架け渡す状態に設置されて、被印刷基材1に対し所定の間隔dで相対向する高さ位置に固定されている。すなわち、支持用スペーサ11は、被印刷基材1上に形成すべき配線パターンの設定厚みに被印刷基材1の厚みを加算した厚みを有している。また、同一の一対の支持用スペーサ11は、図5に明示するように、印刷ヘッド8の両端部をスクリーンマスク3を介し支持できる間隔に配置されている。
【0033】
つぎに、印刷ヘッド8を水平方向に直線移動および上下動させる機構について説明する。サーボモータ12により回転駆動されるボールねじ13にはナット部材14が螺合されており、上記ボールねじ13に平行に配置されたガイドシャフト18には、ナット部材14に一体に設けられた取付部材17がこれのガイド孔17aにガイドシャフト18を挿通させて摺動自在に取り付いている。これにより、取付部材17は、ボールねじ13が回転したときにガイドシャフト18に沿って移動するようになっている。この取付部材17にはエアシリンダ19が吊り下げ状態に固着されており、そのエアシリンダ19のピストンロッド19aの先端部には、印刷ヘッド8がねじ20により取り付けられている。また、サーボモータ12およびエアシリンダ19はコントローラ21により駆動制御される。
【0034】
つぎに、上記印刷装置の作用について説明する。先ず、印刷用ステージ2上の所定位置には被印刷基材1がセットされ、その被印刷基材1の両側端に近接する箇所には一対の支持用スペーサ11が互いに平行な配置で設置される。一方、スクリーンマスク3は、印刷位置において所定の高さ位置に保持された状態において、その上面に印刷用ペースト7が供給される。続いて、印刷用ステージ2が移動してこれにセットされている被印刷基材1をスクリーンマスク3に対しこれの下方で相対向するよう位置決めする。そののち、スクリーンマスク3は、下降されて一対の支持用スペーサ11上に架け渡す状態に載置され、被印刷基材1に対し支持用スペーサ11の厚みで設定された所定の間隔dに位置決めされる。
【0035】
つぎに、コントローラ21は、エアシリンダ19を吸引作動するよう制御して、印刷ヘッド8をスクリーンマスク3に接触しない高さ位置まで引き上げさせる。続いて、コントローラ21は、サーボモータ12を逆方向に向け回転するよう制御して取付部材17をガイドシャフト18に沿いながら移動させて、印刷ヘッド8をスクリーンマスク3の印刷初期位置に対向するよう位置決めし、そののちに、エアシリンダ19に対し予め設定されたストロークだけ吐出するよう作動制御する。これにより、エアシリンダ19のピストンロッド19aの先端に固着されている印刷ヘッド8は、スクリーンマスク3に対し予め設定された印圧で押し付けられる。つぎに、コントローラ21は、エアシリンダ19を上記吐出状態に保持したまま、サーボモータ12を正方向に向け回転するよう制御して、印刷ヘッド8を印刷方向に移動させていく。これにより、被印刷基材1上には、スクリーンマスク3の配線用開口部を通って付着した印刷用ペースト7により、所定形状の配線パターンが印刷形成される。
【0036】
上記印刷工程では、印刷ヘッド8の両端部分がスクリーンマスク3を介し一対の支持用スペーサ11で支持されながら移動するので、スクリーンマスク3の被印刷基材1に対する間隔dつまり配線パターンの厚みは、所望の厚みを有する支持用スペーサ11を選択して設置することにより設定できるから、複雑な制御回路などを必要とせずに、常に所定値に確実に保持できる。また、印刷ヘッド8のスクリーンマスク3に対する印圧は、コントローラ21がエアシリンダ19の吐出ストロークを制御することによって適正値に制御され、それにより、印刷ヘッド8は常に所定の高さ位置を保持しながら掃引されていく。さらに、印刷ヘッド8のスクリーンマスク3に対する角度は、ねじ20を緩めたのちに可変調整して、再びねじ20を締め付けることによって任意の値に設定して固定できる。したがって、この印刷装置は、上述した第1および第2の何れの実施の形態の印刷方法をも忠実に具現化して実用化することができるものである。
【0037】
【発明の効果】
以上のように本発明のプリント回路基板の印刷方法によれば、マスクを被印刷基材に対し平行で且つ所定の間隔で相対向するように一対の支持用スペーサ上に架け渡す状態に載置して、マスクを被印刷基材に接触させない間隔を保持するように前記印刷ヘッドの両端部分が前記マスクを介し一対の支持用スペーサで支持されながら移動して印刷物質を被印刷基材に付着させるので、被印刷基材上に印刷形成される配線パターンの厚みが、マスクの厚みとは無関係に、被印刷基材とマスクとの間隔にほぼ一致する。したがって、配線パターンの厚みは、マスクを被印刷基材に対し任意の間隔に可変することによって任意の値に設定することができる。さらに、配線パターンの厚みはマスクの厚みとは無関係に設定できるので、マスクの厚みは可及的に薄くすることができる。これにより、この印刷方法では、微細な配線パターンや微小な接続用ランドであっても、所要の厚みを有し、且つ欠けなどの無い所定形状に確実に印刷形成することが可能となる。しかも、配線パターンは同一のマスクを用いた1回の印刷工程で形成できるので、製造コストの増大を招かない。また、印刷終了後にマスクを引き上げる際には、印刷済みの配線パターンにおけるマスクの印刷用開口部の開口端孔壁面に接する箇所に剪断応力が集中的に作用するが、この応力集中箇所における配線パターンの粘着力がマスク上に残留する印刷物質の存在によって低下し、それに伴い応力集中箇所の配線パターンの印刷用開口部の開口端孔壁面に対する付着力も低下する。そのため、応力集中箇所における配線パターンには、マスクを引き上げる際の剪断力が格段に低減されて切れが生じないので、印刷済みの配線パターンは、その上端面に凹みなどが生じない上に、マスクの印刷用開口部内に残留する印刷物質の量が減少する分だけ厚みが大きくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るプリント回路基板の印刷方法を具現化した印刷工程を模式的に示した概略断面図。
【図2】同上の実施の形態における印刷動作中の状態を模式的に示した概略断面図。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係るプリント回路基板の印刷方法を具現化した印刷工程を模式的に示した概略断面図。
【図4】同上の実施の形態における印刷動作終了後にスクリーンマスクを引き上げる際の印刷済み配線パターンに作用する剪断応力の説明図。
【図5】本発明の一実施の形態に係るプリント回路基板の印刷装置の概略構成を示す切断正面図。
【図6】同上の印刷装置の概略構成を示す切断側面図。
【図7】従来のプリント回路基板における印刷工程を模式的に示した断面図。
【符号の説明】
1 被印刷基材
2 印刷用ステージ
3 スクリーンマスク(マスク)
3a 配線用開口部
7 印刷用ペースト(印刷物質)
7a 残存ペースト
8 印刷ヘッド
10 配線パターン
11 支持用スペーサ(マスク支持体)
15 ヘッド移動機構
19 エアシリンダ(ヘッド保持部材)
21 コントローラ(制御部)

Claims (3)

  1. 配線パターンを形成するための配線用開口部を有するマスクを、被印刷基材に対し平行で且つ所定の間隔で相対向するように一対の支持用スペーサ上に架け渡す状態に載置し、前記マスク上に乗せた印刷物質を、印刷ヘッドにより移動させながら前記配線用開口部を通過させて前記被印刷基材上に付着させることにより、前記被印刷基材上に付着した前記印刷物質によって所定の配線パターンを印刷形成し、前記印刷ヘッドによって前記印刷物質を移動させるとき、前記マスクを前記被印刷基材に接触しない間隔を保持するように前記印刷ヘッドの両端部分が前記マスクを介し一対の支持用スペーサで支持されながら移動すると共に、マスク上に印刷物質の一部を残存させながら前記印刷物質を移動させるようにしたことを特徴とするプリント回路基板の印刷方法。
  2. マスクを、印刷ヘッドによる印刷物質の移動時に被印刷基材に対し所定の間隙を有する相対位置に固定するとともに、前記印刷ヘッドに、前記マスクが撓まない範囲内の押圧力を付与するようにした請求項1に記載のプリント回路基板の印刷方法。
  3. 印刷ヘッドが通過した後にマスク上に残存する印刷物質の量を、前記印刷ヘッドの前記マスクに対する角度、前記印刷ヘッドの前記マスクに対する押圧力および前記印刷ヘッドの移動速度の少なくとも一つを制御することによって設定するようにした請求項1又は2に記載のプリント回路基板の印刷方法。
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